登録日:2022/11/17 (木) 21:29:00
更新日:2024/06/27 Thu 12:58:48NEW!
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競走馬 競馬 g1馬 馬 サラブレッド uma 馬のような何か 鹿毛 歴代アメリカ最強馬候補 名馬 完全連対 無敗 虚弱体質 種牡馬 年度代表馬 21年クラシック世代 リアルチート エーピーインディ系 セクレタリアトの再来 タピットの最高傑作 累計馬身差71馬身、平均馬身差11馬身3/4強 フライトライン ワールドベストレースホース
フライトライン(Flightline)とは、アメリカで生産・調教された元競走馬・種牡馬。
4歳のブリーダーズカップシリーズを終えるまでにわずか6戦しか出走しなかったにもかかわらず、その圧倒的すぎるパフォーマンスで伝説と化した馬のようななにかである。米国競馬あるあるな再来シリーズの中でもガチであのビッグ・レッドみたいなことやらかしたの、よく考えたらこいつだけなのでは?
データ
父:タピット
母:フェザード
母父:インディアンチャーリー
生誕:2018年3月4日
生産者:サマーウインドファーム
馬主:フロニスレーシングLLCなど馬主グループ5つによる共同所有
調教師:ジョン・W・サドラー
主戦騎手:フラヴィアン・プラ
生涯成績:6戦6勝[6-0-0-0]
獲得賞金:4,514,800ドル
主な勝鞍:'21年マリブステークス、'22年メトロポリタンハンデキャップ、同年パシフィッククラシックステークス、同年ブリーダーズカップ・クラシック(GⅠ勝鞍のみ記載)
タイトル:2022年におけるエクリプス賞全米年度代表馬、および全米古馬牡馬チャンピオン、ワールドベストレースホース
血統背景
父タピットはシアトルスルーの直系曾孫に当たり、サイアーラインとしてはエーピーインディ系に属する。つまり祖父の牝系からセクレタリアトの血統因子を引き継いでいる。
その高い素質からクラシック戦線を嘱望されるも、次から次へと病魔に蝕まれ、前哨戦のウッドメモリアルステークス1勝のみで3歳シーズンを終え、引退するハメに。
しかし繁殖入り後、スターダムバウンドがBCジュヴェナイルフィリーズを勝って最優秀2歳牝馬に輝くなど、初年度産駒からGⅠ馬4頭*1を輩出するロケットスタートを決めた。
その後もGⅠ馬をコンスタントに出しつつ暴れまくり、2014~16年の3年連続で北米リーディングサイアーに戴冠。現在もエーピーインディ系の大物種牡馬として活躍中。
日本ではUAEダービーを勝ち米3冠路線を完走、日本調教馬史上初の米3冠の掲示板入り(プリークネスS5着・ベルモントS3着)を決めた天皇賞馬ヘヴンリーロマンスの息子ラニが種牡馬入りし、ダートスプリント路線で活躍するリメイクを送り出している。
母フェザードは重賞勝利こそGⅢ1勝のみだが、2~3歳期のGⅠ戦線で好走し繁殖入り。しかも繁殖セールで230万ドルの高値で売買される程に大きく期待されていた。
今のところ、日本においてデータの蓄積されている産駒はこのフライトラインくらいしか見当たらないが、フライトライン自身が2番仔なので今後も注目される。
母父インディアンチャーリーはデビューから4連勝でサンタアニタダービーを勝ちGⅠ馬の名乗りを上げたが、ケンタッキーダービー3着を最後に引退し繁殖入り。
アンクルモーやインディアンブレッシングなどのGⅠ馬を出すと、アンクルモー産駒のナイキストなどがGⅠ戦線で活躍。世界的に衰退気味なグレイソヴリン系の牙城として順調にラインを伸ばしている。
牡系は実績十分、しかし母父はともかく母が未知数な配合といえた。
戦績
誕生~デビュー前夜
2018年3月4日にサマーウインドファームで誕生。
飯食ってパッパカ歩き回るのが日常のある日、サラブレッド購入代理人のデビッド・インゴード氏がファームに来訪した。
インゴード氏の本来の目的は別のタピット産駒(三冠馬アメリカンファラオの半弟)の見分だったのだが、それとは別のタピット産駒(まあつまり後のフライトラインである)に一目惚れ。
その後も何度かこの馬を見る機会があったが、氏の直感は揺らがずビンビンしっぱなし。直感に身を任せた氏は三冠馬の半弟とかうっちゃって、このタピット産駒購入を決断した。
しかし今をときめくタピット産駒なだけにおぜぜがかかることが予想されたため、馬主グループ複数での共同所有にすることで各グループごとの出費を抑えることに。そして案の定、2019年のセールでは落札に100万ドルが吹っ飛んだ。
その後、馬主グループの一角であるフロニスレーシングの擁するジョン・W・サドラー厩舎に入厩。
しかし2歳となった2020年の1月。調教の準備中に何かに驚いたのか、フライトラインは厩舎のドアの金属部にトモをぶつけ大怪我を負ってしまう。
完治後も新型コロナがヒャッハーした結果、社会の混乱やら何やらで育成そのものが大幅に遅れてしまい、デビューは結局2021年の4月にもつれ込むことになった。
クラシック戦線?ハハッワロス。
3歳時 -遅れて来た超越種──衝撃の13馬身1/4差デビュー、12馬身3/4差、蹂躙の11馬身半差-
同年4月24日、サンタアニタ競馬場での未勝利戦に、フラヴィアン・プラ騎手を鞍上に迎え出走。終始馬なりでまったく追わないまま、後続に13馬身1/4差をつける圧勝劇をぶちかまして初戦を飾る。
4ヶ月の間を挟み、9月5日のデルマー競馬場でオプショナルクレーミング*2に出走。こちらも終始馬なりのまま、後続に12馬身3/4差をつける圧勝。ダートのやばすぎる方のスペちゃんかな?
のっけからえげつない連勝を見せつけられた厩舎さんサイドは無事目と脳を焼かれ、「こいつならイケます、BCスプリント行きましょう」と馬主の皆さんにラブコール。そりゃまあこんな無双を通り越した蹂躙ぶりなら夢を見るわな。
とはいえ馬主の皆さんからノーを突きつけられたため、サドラー師は年末の3歳限定GⅠ・マリブステークスに標的を変更することに。
実際、怪我と社会混乱でデビューが遅れた上に、スピードにフレーム強度が追いついてない疑似脚部不安持ちとあれば、馬主さん的にも「いや無茶さすなや」となるのは必然ではあった。
そんなわけで、日本ではしっと団がネットで血涙を流すクリスマスから一夜明けた12月26日、サンタアニタ競馬場でマリブステークスに出走。
強敵として既にGⅠを2勝し、BCスプリント2着と好成績を挙げたドクターシーヴェルが出走し、さらにGⅠ勝鞍を増やすのかと注目された。でもフライトラインが出てたら繰り下がりのBCスプリント3着だったよね、は禁句
まあ順当にいきゃこいつが1番人気……かと思いきや、前走までの無慈悲っぷりが鮮烈すぎたか、重賞未勝利馬のフライトラインがまさかの1番人気に推されるという異常事態。いいのか、これGⅠだぞ。
かくてゲートが開いてスタートが切られると、フライトラインがハナを切ってレースを先導。
馬なりのまま気持ちよさそうにかっ飛ばし、その後ろで仕掛けどころと見た後続が手綱をしごいてステッキを振るう。
が、しかし、プラ騎手は鞭を入れるどころか、手そのものさえ微動だにせず、お手馬の疾走で揺れる手綱に任せるのみ。
直線向いても馬なりのまま、死ぬ気で追いすがる後続を悠然と引き離し、最後は鞍上が後ろをがっつり振り向き、強制減速ついでにゴール前で流す余裕すら満天下に見せつけた。
デビュー3戦3勝でのGⅠ制覇、それも圧倒的すぎる蹂躙。これには陣営もガッツポーズ通り越してセカンド脳破壊。
さて、「ここまで余裕を見せつけたらさすがに馬身差も縮むだろ」と思った画面の向こうのアニヲタ諸氏、甘い。
それではここまで舐めプかました後の後続との着差をご覧いただこう。はい、11馬身半。確かに縮みはしたがほぼ誤差だった。というかGⅠでも余裕の大虐殺である。
え、ドクターシーヴェル?フライトライン追っかけて飛ばしすぎたのか、7頭立てのシンガリ負けと轟沈しましたがなにか。
当年3戦3勝。デビューが遅けりゃレース間隔も長く、基本的に早くからがっつり使い込む米国競馬としては異例の出走数だが、もはや蹂躙というのも生ぬるいほどの着差をGⅠにおいても見せつけたからか、同年度ロンジンワールドベストレースホースランキングにて124ポンドの評価を獲得。
これは同年度ダートスプリント部門のトップスコアであり、芝を含めてもネイチャーストリップと並ぶスプリント部門トップタイとなる。
これだけのポテンシャルを見せつけた時点で、スプリント系種牡馬としての繁殖入りは約束されたも同然だが、陣営はさらなる栄誉を求めて翌2022年も現役続行を表明した。
4歳時 -伝説の名馬の伝説──物足りない6馬身差、鏖殺の19馬身1/4差、最強を証明した8馬身1/4差-
4歳となる2022年は距離延長を視野に、春の大目標をメトロポリタンハンデキャップ(通称:メットマイル)に設定。その前哨戦としてサンカルロスステークスで始動する予定だったが、2月の調教中に後脚の飛節を傷め回避。ぶっつけ本番でメトロポリタンHに直行する。
初のマイル戦、初のハンデ戦ではあるが、圧倒的すぎるパフォーマンスがアピールポイントになったこともあり、今回も1番人気に推されるフライトライン。
目下3連勝中かつ前走はノーステッキ完勝のスピーカーズコーナーが2番人気ながらトップハンデ、2020年のジョッキークラブゴールドカップを制した後勝鞍こそないが複勝圏外にも飛ばない、5歳の燻し銀ハッピーセイバーが3番人気。
さらに前年度21年BCスプリント覇者のフライトラインが出てたらたぶん2着だったアロハウエストが4番人気と、5頭立てと少数ながらも粒ぞろいのメンバーとなった。
レースでは出遅れてしまい逃げを打てず、逃げるスピーカーズコーナーに進路を2度塞がれたこともあり先行策を取る。3角で競りかけた際にプラ騎手が軽く気合をつけると一気に加速し、そのまま直線に向かって差を広げ、結局今回もノーステッキで勝利。
しかもまたまた最後は流す余裕たっぷりな勝ち方を見せつけ、マイルだろうとハンデ戦だろうと関係ない強者としての格差を観客と相手陣営にわからせた。
2着馬ハッピーセイバーも後続に3馬身近い差をつけ、負けてなお強しな戦いぶりを見せたのだが、その彼ですらフライトラインに6馬身差に引き離され、格の違いを見せつけられた。
なに、馬身差が物足りない?そりゃまあ距離延長にハンデ戦もコミコミなんだから致し方あるまい。というか、普通はマイルのハンデ戦で6馬身差とか、控えめに言っても大圧勝か蹂躙なんだが……
休養と調教を挟み、BCクラシックへの出走を見据えた中距離適性確認として、9月のパシフィッククラシックステークスに出陣。
ここまでの距離延長が1ハロンずつだったのが一気に2ハロン延長で、距離不安説が若干出もしたが、それでもまたまた圧倒的1番人気に支持された。まあここまで接戦になるような相手が出てこなかったしなぁ……
それでも「スプリントに引きこもってたのがマイルに出てきてハンデ負ったらパフォーマンス低下。その上さらに2ハロン延長?中距離舐めんなよ」と見る向きもなくはなかった。まあネタバレになるけどマッハでわからされるんだけどな!
今回ライバルと目されたのは、当年のドバイワールドカップ覇者カントリーグラマー、サンタアニタハンデキャップをトップハンデでアタマ差もぎ取ったエクスプレストレインと、西海岸の強豪古馬。
レースが始まると、外枠発走だったため無理には逃げず2番手に控えるが、途中でハナを奪うとそのまま馬なりで加速開始。後続が途中から追い上げを図ろうとするのを後目に、ただ1頭だけ桁が違う加速で引き離しにかかる。
見る間に差をつけ4角で10馬身以上振り落とすと、直線で軽く手綱をしごいた以外は今回もほぼ追わず、最後は半ハロンほど手綱を緩めるという余裕を超えた舐めプすら披露し、19馬身1/4差という虐殺すら超えた鏖殺劇でレースを締めくくった。
別に他馬が弱かったわけではない。2着馬カントリーグラマーは3着以下に7馬身からの差をつける強い戦いぶりを示し、ドバイワールドカップ覇者としての実力を見せつけた。まあ、同時にフライトラインとの格の違いをも見せつけられたわけだが。
本当の本当に、このレースの出走馬が弱すぎたなどということはないのだ。それ以上にフライトラインがUMAとしてヤバすぎただけで。
この時点でのロンジンワールドベストレースホースランキングは、このレースのみで139ポンドという驚愕のレーティングを付与。これにはさすがに馬の民も騒然となった。
これがどれほど高いかというと、この上に存在するのは欧州最強無敗馬フランケルとレーティング見直し周りで振り回されたダンシングブレーヴのみ*3。ダートに至っては135のシガーをはるかに超える、現役最強どころか歴代世界最強格の中でも最強クラスと認定されたわけである。
距離延長も問題なく10ハロン戦も余裕と知れたことで、日本時間11月6日、フライトラインは満を持してブリーダーズカップ・クラシックに参陣する。前走PCステークスでの虐殺と呼ぶことすら生ぬるい蹂躙から回避陣営が相次ぐ中で、打倒を誓う猛者たちもまた集結。
- 目下3連勝中、当年ペガサスワールドカップで前年の年度代表馬ニックスゴーを完封したライフイズグッド
- 目下2連勝中、ミッドサマーダービーの別名で知られるトラヴァーズステークスを圧勝したエピセンター
- サンタアニタダービーとペンシルベニアダービーを快勝し殴り込んできたテイバ
- 21年のペンシルベニアダービー馬で、ドバイワールドカップでもカントリーグラマーの2着と健闘したホットロッドチャーリー
- 当年7戦、ジョッキークラブゴールドカップでついにGⅠ馬の勝ち名乗りを上げたオリンピアード
- 22年ケンタッキーダービーを補欠繰り上がりからもぎ取るも激走の反動か低迷していたが、前走でホットロッドチャーリーと叩き合い2着と復調したリッチストライク
- メットマイルの雪辱を果たさんと燃えるハッピーセイバー
フライトラインを含め、出走馬8頭全てがGⅠ馬。名実ともに当代米国最強馬決定戦と呼ぶにふさわしいメンバーが揃った。
ゲートが開いてスタートが切られると、ハナを奪い逃げるライフイズグッドをピッタリとマークし、2番手を追走する。
向こう正面あたりで全力の大逃げを打つライフイズグッドを捉えたまま、両馬が後続を引き離していく。もはや2頭のマッチレースだ。
ライフイズグッドもフライトラインに勝つため、距離が長いことを承知の上で決死の大逃げを敢行。なんと前半4ハロンを45秒台というBCクラシック最速ラップで駆け抜けると、さらに3/4マイルを1分9秒27で通過するというとんでもないハイラップを刻む。ちなみにBCスプリントの勝ち時計が1分9秒11だったんですが、それは(震え声)
しかし、こんなド鬼畜ラップに平然と追走するフライトライン。ついにマイルに至っては1分34秒58を記録し、こちらは完全にBCダートマイルを超えた。4角で引き離しを図るライフイズグッドを軽々とかわすと、あちらの鞍上が必死で鞭を入れ押しまくるのを後目に持ったままで終末加速を開始、独走態勢に入る。
Flightline takes off!!
※現地実況
直線向いて気合付けにグイグイ押すと、そのまま構えたステッキを振るうことすらなく、最後は後続をちらりと振り向いて手綱を緩めクールダウンに移行しながら、なお8馬身1/4差をつけてゴール板を駆け抜けた。
これには実況も
Spine-tingling! Jaw-dropping! Awe-inspiring! Secretariat-like!!
と絶叫。
祖国選りすぐりの強豪すら相手にならない絶対の才能を見せつけて、BCクラシック史上最大着差を叩き出し、フライトラインは当代米国最強馬として戴冠した。
そしてレース翌日、現役引退とケンタッキー州の名門ブリーダー・レーンズエンドファームで種牡馬入りすることが発表された。
ちなみに生涯累計馬身差は71馬身、1戦ごとの平均馬身差は11馬身3/4強となる。もうやだこのリアルガチチート。
歴史上の最強馬が必ずしも大種牡馬として君臨するなどという保証はないが、彼がその絶対的な才能を後世に伝えんことを祈るばかりである。
競走馬としての特徴
競走馬としての次元が違う……どころではなく、もはや生物種としての格が違うとすら形容可能な絶対的なスピードが最大の特徴。
なんせあの白井最強こと白井寿昭氏が彼を評して一言、「どうもならんわ。スピードが違い過ぎる」なのだから。
その超越種としての高すぎる速度性能に肉体強度が追いついておらず、陣営は常に脚部不安との戦いを強いられていた。
サドラー師曰く「完璧な状態でしか出走させない、あいつを壊すわけにはいかん」とのことで、レースキャリアの少なさはここに起因していた。
単純なスピードも大概歴代UMAの域だが加速性能も狂っており、他の馬が死ぬ気で手綱をしごかれ鞭を打たれながら追いすがる中、軽く気合をつけられただけで瞬時に二段加速し、後続を瞬く間に引き離すのが現役時の十八番。
マイル戦の速度を馬なりで維持しながらインターミディエイトを走破できる馬など、21世紀に入ってからこの馬以外にいただろうか?前世紀以前ならキンチェムとかそんな領域にいそうだが。
また、そのスピードを瞬時に発揮せしめるパワーもまた理外に等しいものだった。簡単な話で、歩行生物が疾走するには大地を足で蹴り体を押し出す必要があるのだから、足の速い奴の足がムキムキなのは必然である。陸上選手とか。
となれば、馬なりが他の馬の全力に相当し、その状態から軽くギアチェンジするだけで二段加速を起こしうるパワーも、やはりサラブレッドとして理外の領域にあると見て差し支えはなかろう。
同時に、それだけのスピードを最終盤まで維持しうるスタミナもまた、サラブレッドの極北に至るものであることに疑いの余地はない。
要するに、肉体強度が追いつかなかったから疲労回復と過負荷解消に時間がかかるがゆえの出走間隔なだけで、フィジカルスペックそのものは馬のような何かというか、UMAですらない超越種というか、そんなレベルである。
むしろ競馬の神的には「肉体強度ガチャ爆死させたからイーブンじゃね?」とか思ってそうなのがまた……
実のところ、あまりのスペック差から馬なりで走るだけで他馬が消耗戦を強要されるため、鞭が入るほど本気で追われたことは一度もない。ぶっちゃけ本気で追ってたらいくつかレコード更新してたんじゃなかろうか。
正直、こいつの馬なりは他の馬にとっては爆逃げもしくは破滅逃げに等しいわけで、そりゃそんなもんに追走してたら消耗するしかなかろうよ。
というか実際、BCクラシックで勝つために大逃げを打ったライフイズグッドは、馬なりで追走してくるフライトラインにつつかれた結果4角でかわされ轟沈したわけで……
BCクラシックの翌日に引退となったが、その理由はおそらくフライトラインの価値が高くなりすぎたのと、無茶をさせないと言うことなのは疑う余地もない(そもそもアメリカ競馬としては異様なまでに年あたりの出走数が少ない)が、
実は輸送クソ弱マン疑惑もあったりする。フライトラインは西海岸所属の競走馬であり、全6戦の内着差が10馬身を切ったメットマイルとBCクラシックは共に東海岸で行われたレースなのだ。
東海岸レース:平均約7馬身、西海岸レース:平均14馬身強となっている為、5歳シーズン春の大レースとなるとペガサスワールドカップ、サウジカップ、ドバイワールドカップとなる訳だが
一番輸送距離が短いペガサスワールドカップでもBCクラシックより輸送距離が長い事も影響したと思われる。来年のBCクラシックは西海岸開催だけどその為に1年待つのもどうよ西海岸だと平均14馬身突き放すのに東海岸だと半分の差になるから輸送が苦手理論そのものが基準がおかしいのだが
レーティング
この馬の最強っぷりはご覧の通りだがこの同年生に、遠く海を挟んだヨーロッパに出場した全マイルレースを完勝し、2階級制覇となるインターナショナルステークスも持ったままで2着に6馬身の差をつけ「フランケルの再来」とまで言われた名馬バーイードがいる。
こちらもデビューが遅かった為クラシックレースは見送っており、古馬になって大暴れした為両者の活躍時期は重なり、2022のロンジンワールドベストレースホースランキングは11月時点で
1位:139 フライトライン
2位:135 バーイード
という中々壮絶なことになっている。
参考までに世界1位のレーティングが130を超えたのは2017年のアロゲート以来、彼らでさえ135は超えていない。
135を超えたのはフランケル以来の快挙である。
135を獲得した時点で一般的な年なら世界一になるはずなので*4、バーイードにとってはフライトラインと同じ年にキャリアハイを出したことは非常に巡り合わせが悪かったとしか言いようがない。
そんななか23年の1月17日に22年の最終版となるロンジンワールドベストレースホースランキングが発表され、フライトラインの最終的なレーティングは140ポンドになり、遂にあのフランケルに並んだ*5。メトロポリタンHの時に記録した128も上方修正され130になった。これは22年における芝とダートのマイル区分でバーイードのクイーンアンSと並んで最高値になった。
早期引退
フライトラインは4歳いっぱいで引退だが、全6戦は常識的なアメリカ馬のキャリアでも非常に少ないキャリアであり、このキャリアの少なさからメディアならずファンからもやり玉にあげられることがある。
同馬は前述のとおり脚部に慢性的な不安を抱えており、調教師も負担が大きくなる長距離遠征は無理だと語っていた。
それに加え種牡馬価値があまりに高くなりすぎたのもある。
そもそもパシフィッククラシック前で4000万ドルの価値があるといわれ、これは種付け料10万ドルの種牡馬の価値と同じ。
パシフィッククラシック後、その価値は6000~8000万ドルに跳ねあがり、BCクラシック直後に行われた繁殖セールでは2.5%の権利が460万ドルという驚異的な価格で販売された。これは40倍にすると1億8400万ドル(当時のレートで200億円を余裕で越える位)という途方もない価格になり、競馬記者から「ボーイング1機分」などと表現する者が出た。
もちろんこの値段は現実的でなく、レーンズエンドのファリッシュ氏も「さすがにそこまで極端な種付け料にはならない」と話している。
とはいえ発表された種付け料は20万ドルであり、これは全米でも上から3番目タイという超高額だった。
初年度の種付け料20万ドルはアメリカの新種牡馬の受ける最上級の評価であり、他には三冠馬アメリカンファラオや強豪ゴーストザッパーがこれに当たる。
サドラー調教師はこの馬の耐えられる競争は年間で4走が限界と話している。また長距離は西海岸から東海岸までの移動が限界ななのだから、賞金が異常に高い中東に遠征する可能性が無い。
当然国内で走らざるを得なくなるが、フライトラインが勝ったBCクラシックこそ1着賞金317万ドルと破格なのだが、パシフィッククラシックの場合は60万ドル、メトロポリタHは50万ドルを超えるぐらいでマリブSは18万ドルしかない。
馬の価値で保険料は変動するので、この賞金水準だと当然走る度に赤字を背負い、故障リスクも存在する。競争する理由は名誉だけとなるので、必然と引退という結論に至るのもやむを得なかった。
(ちなみにフライトラインの初年度の上限は150頭でブックフル、単純計算で3000万ドルの稼ぎである)
追記・修正は記録と記憶を塗り替える勢いでお願いします。
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▷ コメント欄
- ジャパンカップきてたらどうなってたかな -- 名無しさん (2022-11-17 22:17:56)
- タキオンではないが「僅か6度の戦いで伝説になった」 -- 名無しさん (2022-11-17 22:53:18)
- フライトラインの貴重なシャワーシーンもあるよ! -- 名無しさん (2022-11-17 23:08:50)
- BCクラシックは稀代の怪物フライトライン相手にガチ勝負を挑んだ怪物ライフイズグッドと陣営に漢気を感じた -- 名無しさん (2022-11-18 07:34:11)
- なんていうか、生死がシビアな競走馬に対して虐殺という表現は良くないのでは? -- 名無しさん (2022-11-18 12:11:21)
- 虐殺すら超えた鏖殺劇 流石にな -- 名無しさん (2022-11-18 20:49:25)
- ↑2 文中自体の言葉遣いも荒々しいし勢いで書いたんじゃね -- 名無しさん (2022-11-18 21:12:06)
- ↑ ここ最近作成された競走馬の記事は大色文字と言葉遣いの粗さが目立つ気がするけど流行りなのかな -- 名無しさん (2022-11-18 23:50:19)
- ↑最近競走馬の記事を書いてる人のノリじゃないかな、多分同一人物なんだろうけどノリが古臭くてキツいから抑えて欲しい… -- 名無しさん (2022-11-19 14:50:12)
- 別に堅苦しい文章を書けとは思わんけど確かに文中の小ネタのノリが古くてキツくはある -- 名無しさん (2022-11-19 20:47:35)
- エクリプス賞年度代表馬おめ。まあ当然だよな。 -- 名無しさん (2023-01-27 17:18:38)
- レーティング140になったことの記載はないのか… -- 名無しさん (2023-02-11 12:03:01)
- 久しぶりに来て大分マシにはなったが、ブログじゃなくでみんなが読む説明文である以上、ノリだけで自己満足の駄文を書かれても困るよな。だって書いてある意味がわかんないんだもん。読み手のことを全然考えてないじゃん。 -- 名無しさん (2023-02-24 05:25:04)
- 無味無臭の文章が見たければ、ウィキペディアへ行けばよろしいのでは? -- 名無しさん (2023-03-15 10:34:41)
- 自分に合わないたら直せばいいだけだもんなあ、wikiってもんをわかってないのかのう -- 大長老 (2023-08-12 23:07:03)
- 真面目な文章が読みたければこんな所に来るべきではないね -- 名無しさん (2024-06-05 04:29:01)
#comment(striction)
*2 日本では現役時代にJRA所属馬が売買されることはほぼないため馴染みがないが、アメリカでは現役競走馬の売買が盛んに行われており、その仲介となるのがクレーミング競争。基本的なレースの格は一般競争である。その中でも売買対象とそうでない馬が混在して走るレース形式がオプショナルクレーミングで、フライトラインは売買対象外の出走馬ということになる。なお、売買対象として出走する競走馬は「こいつもうアカンわ」と陣営に見切りをつけられて次の馬主を探しに出てるため、売買上限額は15万ドルとあまり高い部類にはならない。が、そんなクレーミング対象馬からまれに超弩級の怪物がポップしたりするから侮れない
*3 ダンブレら過去の名馬のレーティングを下方修正した案件については、賛否両論あった末に「あくまで当時のレーティング決めてる人たちの内の1人が意見しただけの非公式なもの」という見解で概ね落ち着いている。
*4 参考までに、翌2023年のレーティングトップはイクイノックスの135である。
*5 余談だが当時の時点で国際的にはダンシングブレーヴら過去の馬のレーティングを引き下げた提案はあくまでの個人の提案で公式の見解ではないという意見が主流になっており(2024年に日本もこの見解に追従)、歴代レーティング自体はダンブレの141に次ぐ2位タイである。それでもダート馬として・非欧州馬として初めて140の大台に乗ったという栄光は決して色褪せることはない。
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