登録日:2022/11/13 (日) 23:58:36
更新日:2024/06/27 Thu 11:26:11NEW!
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ガンダム 水星の魔女 パイロット 無表情 花江夏樹 4 強化人間 強化人士 整形 ガンダム・ファラクト 救いがない 悲劇の男 gund-arm 芋砂 ※日曜夕方17時です。 機動戦士ガンダム 水星の魔女 オールレンジ攻撃 gundフォーマット 5 二丁拳銃 そっくりさん 格付け 映す価値なし コメント欄ログ化項目 決闘委員会 ペイル社 焼きとうもろこし 男版綾波レイ エランタイプ ペイル・テクノロジーズ ベネリットグループ御三家 マネキン王子 ペイル寮 氷の君 5号はチャラい 抜け目ない 逃げてひとつを守り抜く男 出番なし(本物) 20話の主人公 5号はチャラい(演技)
───僕は人を好きになったりしないよ。絶対に
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物。
CV.花江夏樹
〇概要
ベネリットグループ御三家の一つ、「ペイル・テクノロジーズ(ペイル社)」の擁立するパイロット。
アスティカシア高等専門学園パイロット科の3年生で、ペイル寮の代表として決闘委員会にも所属しているが、本人はほとんど決闘を受けない(5話で表示された戦績は7勝0敗0分け)。
他人と全く関わらず、ペイル寮でもほとんど誰とも喋らないため、付いたあだ名が「氷の君」。無表情でもあるため、口の悪い者からは「マネキン王子」などとも呼ばれる。
ちなみにペイル寮のエースパイロットだけあって個室も与えられているが、ビックリするぐらい殺風景でベッド以外はほとんど何もない。
しかしスレッタがガンダムのパイロットである事を知る興味を持ち、幽閉されたスレッタに食事を持ってきたり、味方のいないスレッタをペイル寮に誘ったりと自分から積極的に関わるようになったため、学園ではあまりに珍しすぎて噂になるほどだった。
スレッタの方も、グエルとの決闘でいきなり退学の危機になって落ち込んでいた所に初めて優しくしてくれた人物であるため、エランへの好感度が非常に高い。一応は一蓮托生のパートナーであるミオリネよりも高い。
なのでミオリネからは割と危険視されたりしている。
スレッタと同じく彼も禁じられたMS「ガンダム」のパイロットだが、そこにはペイル社の複雑な思惑が関わっている。
〇本編での活躍(Season1)
スレッタとグエルの決闘に決闘委員会として立ち会い、当初は何の興味もないという態度だったが、エアリアルがGUNDビットを使った事でガンダムである事に気が付き、スレッタに興味を持つ。
その後はスレッタに積極的に関わるようになり、魔女の疑いをかけられ幽閉されたスレッタに食事を運んだことをきっかけにスレッタからも好感を持たれる。
他にもスレッタと連絡先を交換したり(学校でやりたいことリストの一つだったためスレッタは感動した)、寮に入っておらず誰も授業に協力してくれないため途方に暮れていたスレッタを寮に誘ったりし、
ミオリネは敵である御三家の人間とスレッタが親しくしているため、エランには何か思惑があると疑うが、逆にスレッタから怒られる始末であった。
なお、決闘を滅多にしないのはペイル社の意向のようで、5話冒頭では会社の指示で3対1という不利な条件の決闘を行うことになったが、ザウォートで危なげもなく勝利した。
そしてペイル社はエアリアルがガンダムかどうかを確かめるため、エランに調査を命じる。
エランならばガンダムかどうかを確かめられるという話だが……
以下ネタバレ
スレッタ・マーキュリーはおそらく強化人士だ
ガンダムに乗るためだけに作られた人間……僕と同じようにね
その正体はペイル社が生み出した「強化人士4号」。
水星の魔女における強化人間に当たる存在であった。
ペイル社が開発したガンダム・ファラクトはデータストームの問題が解決できておらず、それに耐えるために生み出されたのが強化人士であり、顔だけでなく全身の皮膚上にパーメットの発光現象が起こるのが特徴。
もっとも、通常のパイロットよりもデータストームへの耐性はあるものの、完全には克服できておらず、ガンダムに乗り続ける限り肉体への負担は増し続け、いずれは死ぬ運命にある。
それどころか第5話でのエランとベルメリアの会話から察するに、もう既に彼の肉体は限界を迎えており、死が間近に迫っていた可能性すらある。
実の所、彼は「エラン・ケレス」ではない。
「エラン・ケレス」という名前と顔は本物のエラン・ケレスの身代わりとなるために整形されたものであり、強化人士4号となる前の彼自身の名前と顔は全くの不明(下層階級出身である事は示唆されているが)。
どうやら過去の記憶も消されているらしく、彼自身にすらそれは分からない様子。
彼が物事に興味を抱かないのは過去が無い事に加えて使い潰される事がわかっているため未来に希望を持てないためだったのだ。
スレッタへの興味とは、自分と同じガンダムに乗るために生み出された強化人士かもしれない存在に対する同属意識であり、彼女ならば自分の気持ちを理解してくれるかもしれないという希望の表れであった。
しかし、ペイル社の意向でスレッタとエアリアルを本格的に調べることになり、エランはスレッタと共にエアリアルに乗るが、自分にとっては呪いでしかないガンダムをスレッタは家族と思っている事を聞かされる。
エランはスレッタに頼んでエアリアルに一人で乗せてもらい、パーメットスコアを上げてエアリアルがガンダムかどうかを確かめようとする。
そしてエアリアルがGUNDフォーマットを搭載している事を確信したが、エアリアルはファラクトと違い、データストームの流入を起こさなかった。
それは、ガンダムの呪いをクリアしているのは機体であるエアリアルであり、パイロットであるスレッタは強化人士ではないという事を意味していた。
スレッタ・マーキュリー……君は僕とは違う……
自分と同じだと思っていたスレッタへの失望と、覚えてすらいない誕生日を聞かれた事への苛立ちからエランの態度は急激に冷淡になり、「鬱陶しい」と吐き捨てられたスレッタは思わず涙ぐみ、
そこにスレッタとエランがデートしてると聞いて慌てて来たグエルはそれを見て怒り、エランは八つ当たりのようにグエルに決闘を申し込む。
グエルは「エランがスレッタに近付かない事」を賭けの対象として決闘を受け、エランは自分が勝てば「スレッタに決闘を申し込む」事を条件とした*1。
ペイル社からファラクトのテストを命じられていたこともあり、学園での決闘では初めてファラクトを解禁。
GUNDビットによるMSの機能を停止させる電磁ビームを前に、グエルは巻き上げた砂に身を隠しつつ多数のGUNDビットから降り注ぐビームを搔い潜り、ファラクトに肉薄したが、電磁ビームの導電性を利用してレゴリスを帯電化させ、関節駆動部に吸着させ動きを止めるというエランの作戦の前に敗れる。
動きの止まったところに電磁ビームの集中砲火を浴び、完全に機能を停止したディランザに対し、エランは嬲るようにディランザの四肢をビームライフルで一本ずつ落としていき、ブレードアンテナをへし折って勝利した。
そして次のスレッタの決闘に対しては、「勝ったらエアリアルを頂く」事を条件とする。
一方のスレッタは賭けの対象に得たいものが思いつかず、決闘までの間に決めておくことになった。
が、グエルとの決闘でファラクトのパーメットスコアを3まで引き上げた結果、エランの体への負担は相当なものとなり、「次の戦闘は問題ないが、次の次はもたない」という診断を下される。
本物のエランからは決闘に勝利し、エアリアルを手に入れれば元の顔に戻し、新たな市民ナンバーも用意するという見返りを提示されるが、4号はそれに興味を示さなかった。
そんな時、ミオリネに発破をかけられたスレッタはエアリアルでペイル寮に乗り込み、放送でエランに呼びかける。
エランはそれを無視しようとするが、スレッタはバースデーソングを歌い出し、それによって失ったはずの記憶のフラッシュバックが起こり、
それに苛立ったエランはスレッタに連絡し、スレッタは「誕生日がないなら今日を誕生日にすればどうですか? 誕生日がないのはさみしい……じゃないですか」と語りかけるが、
エランはそれに「やっぱり君は鬱陶しいよ」と言った。しかし、それはスレッタに聞こえないように通信を切った後の事であった。
そしてスレッタ決闘の賭けの対象として&「勝ったらエランさんの事を教えてもらう」事を決めた。
決闘ではフロント外宙域を指定し、急造のフライトユニットしかないエアリアルを機動力で翻弄する。
しかし、スレッタが指定してきた条件はまたエランの神経を逆撫でし、エランは普段の冷静さを失い激昂する。
僕のことを教えてくれ……?
僕はガンダムのために造られた使い捨ての駒だ……そう答えれば君は満足なのか
意外と意地が悪いじゃないか、スレッタ・マーキュリー!
君はなんでも持っている
友達も家族も、過去も未来も、
やりたいことリスト……希望だって!
だったら勝利くらい僕にくれよ
じゃなければ、不公平すぎる!!
自分と同じガンダムのパイロットでありながら自分にないものを全て持っているスレッタへの嫉妬と羨望を叫ぶ。
機動力ではファラクトに一歩劣るエアリアルだったが、GUNDビットの制御では上回り、互いに決定打を与えられない状況が続く。
しかしスレッタはビットをエアリアルに装着する事でビットのスラスターによる加速を追加し、徐々にファラクトに追いつき始める。
エランはパーメットスコアを危険域の4まで引き上げるが、その負担によって集中を欠いて小惑星に激突しそうになり、それを避けた隙にビットの攻撃を受け、ビームライフルを破壊される。
それに負けじと足部ビーム砲でエアリアルのフライトユニットを破壊し、機動力を失ったエアリアルをビットの電磁ビームで機能停止させようとするが、その瞬間エアリアルが謎の光を放ち、その光に触れたビットが機能停止。
その光がファラクトに触れた時、エランはエアリアルのビットに子供のような姿と声を感じ、ファラクトを包囲したビットから一斉に放たれたビームで機体を破壊され、エランは敗れた。
そのビームはファラクトのコクピットもかすっていたが、それによってちらつくろうそくのような光を見たエランは、母が自分の誕生日を祝ってくれた姿*2を思い出した。
自分には何もないと思っていたが、そうではなかった事をエランは思い出すことが出来たのだった。
それを聞いたスレッタは自分もエランの誕生日を祝うと約束した。
日を改めてスレッタとエランは二人で出かけることになり、理解ある花嫁であるところのミオリネもそれを許し、スレッタはベンチでバースデーソングを歌いながらエランを待つのだった。
そして場面は変わり……
「使命を果たせない強化人士に次はない。……貴女も分かっているでしょう?」
「スペアはまだあるわ。早く次を用意することね」
ペイル社は敗北した強化人士4号を用済みと判断。ベルメリアの助命の訴えも無視し、廃棄処分を決定する。
そして拘束されたエランもスレッタと同じくバースデーソングを口ずさむが、そこにビームが照射され……
まだかな、エランさん
何も知らないスレッタはエランが来るのを待ち続ける。
その時刻は10:10。通信終了を意味する通信コードと同じ数字であった……
なお、強化人士の「スペア」はまだいるとの事。
強化人士4号に代わり、新たな「エラン・ケレス」(もしくはオリジナル)が今後話に関わってくることが予想される……
その後は後述する強化人士5号が登場したため、当然のことながら4号である彼は登場していない。
Season2のOPでは彼の登場を示唆するようなシーン*3もあったものの、特に語られることなく話が進んでいたのだが…
また、困ってる?
最終回。エリクトとプロスペラの説得と、彼女たちを救うためにスレッタがプラント・クエタ内部においてパーメットスコアの拡大のためにデータストームの奔流に必死に抗っていた中、突如として目の前に現れたのがエラン(4号)の幻影であった。
彼曰く「ここには強化人士のオルガノイドアーカイブが組み込まれているため、今の自分はこの子(エリクト)と同じような状態」とのこと。そんな事やったのは間違いなく一人しかいないため、視聴者からは「またベルメリアがやらかしやがったのか」とネタにされた。今回は結果オーライだけど
クワイエット・ゼロに乗り込む際に一瞬だけデータストームが弱まったのは彼(等)が密かに手を貸していたのでは、という考察もあるが真相は不明。
長い時を経てようやくの再会を果たしたスレッタとエラン(4号)。
ごめんなさい…私のせいで、エランさんが…
僕の方こそ、待ち合わせ、行けなくてごめん。
既に5号から全ての真実を聞いていたスレッタは、自分があの決闘で勝利したためにエランは犠牲になってしまったことに責任を感じるも、
対するエランはあの決闘については全く後悔してないとスレッタを優しく慰め、逆に待ち合わせの約束を守れなかったことを謝罪した。
始めよう、スレッタ・マーキュリー。
はい…!
そしてエランはスレッタの力となり、彼女がプロスペラやエリクトを救うための一翼を担うのであった。
〇エラン・ケレス(本物)
相変わらず暗いねぇ~。俺の代わりなんだからさぁー、もうちょっと明るく振舞ってくれよ?
CV:花江夏樹
強化人士に身分を貸している本物のエラン・ケレス。一人称は「俺」。
ペイル社内でもかなり上の立場にいるらしく、CEO達からも敬語を使われている。普段どこで何をしているかは不明。
6話で「慰問」と称して訪ねた「4号」への上記の台詞にも表れている通り、尊大でノリの軽い性格。これを真似されても本人が後々人間関係で困るのでは……なんかチャラいので「チャラン」と呼ぶ視聴者もちらほら。
「元の顔に戻して市民ナンバーを用意する」という強化人士への報酬に興味を示さない4号に対し、「じゃあ何だって身代わりを引き受けたんだ?こいつが呪いのモビルスーツだって知ってるんだろ?」と疑問に思う程度には常識的な感覚を持つ。
一方で、生前の4号がエアリアルの確保に失敗した上に次の検体が間に合わなかった為、自ら「エラン・ケレス」としてインキュベーションパーティーに出席する羽目になった際は、特に感慨も無く尻拭いに文句を言う冷酷な一面も覗かせた。
パーティー会場で「再会」したスレッタに「笑うようになった」と喜ばれた際は気まずさとも嘲りとも苛立ちともとれる微妙な表情を見せつつステージに連れ出すことに成功。迫真の演技でスレッタを追い詰め、ミオリネが出資を得られない状況にも「当然」と零すも覚悟を決めたミオリネが起業に成功した様には感心していた。
その後は後述の強化人士5号の登場もあり表立っての活動はせず、Season2以降も裏方でペイル社CEOメンバーやシャディクと軽いやり取りをする程度の登場に留まっている。
何故強化人士に自身の身代わりをさせるのか?
彼の所属するペイル社は独自のAIシステムにより自社のリーダーを選出するというシステムを取っているのだが、それによって見出された現在の次期リーダー候補がエラン・ケレスである。
ところが、ベネリットグループ総帥であるデリングがミオリネの花婿選出のために決闘システムを取り入れたことにより状況は一変。
エランは多方面で優れた能力を発揮しながら、唯一MSの操縦技能だけは平均以下だったため、*4決闘システムに順応できる身代わり、バックアップが必要となってしまった。
そこで、元からガンダムの呪い克服のために用いていた強化人士に表向きの学園におけるMSパイロット役と花婿争奪戦の役割を担わせるために、エラン・ケレスの顔と名前を与えるようになったというわけである。
なお、シャディクは特に疑問を投げることなく本物のエランと会話しておりペイル社CEOも特に止める事なく彼らを示し合わせている。
またノレアも「学園に居るエラン・ケレス」の正体を最初から知っていたが、彼女はシャディクの指示で学園に来ているのでシャディク(もしくはその背後に居る組織)経由で情報を得ていると考えるのが妥当なところ。
これらのことから、ペイル社の御曹司に「身代わり」システムがあることはベネリットGの上層部には最初から周知の事実であった可能性がある。
(4号はホルダー争いに関心を示さなかったので、『学生のお遊びである決闘のために身代わりを立てている』というだけではペイル社へのバッシングとしては非常に弱い)
そもそも未来世界故に顔と声だけ一致させても生体認証を通せば一発で他人だとバレてしまうので、学園生活を送らせるならその辺りの融通を利かせるようにしていると考えられる。
………というのが本物のプロフィールなのだが、ハッキリ言うと全く出番が無い状態が続いていた。
それはもう本当に出番が無かったのである。
最終決戦でMSに乗って活躍というのも彼のパーソナルを踏まえると全くもって現実的ではなく、彼が活躍する日は果たして来るのだろうかと視聴者はやきもきしていたのだが…
最後の最後でオイシイところを全て掻っ攫っていった男
そんな中で始まった最終回。手段を選ばない宇宙議会連合への対抗手段として、ミオリネはシャディクの協力の下、当初の彼のプランを引き継ぐ形でベネリットグループの解体と全資産の売却を発表。連合側に寝返っていたペイル社も例外ではなく、CEO達4人も自身の資産を全て失うことになってしまう。
綺麗さっぱり売り払われちゃってるねぇ
と、そんな中で遂に動き出したエランがCEO達4人に突き付けたのがまさかの辞表。
資産喪失に憤る中で更に突き付けられた予想外過ぎる展開に呆然とする4人に対して、最高に悪どい笑顔を見せつけながら颯爽とその場を去っていった。
ヘッドハンティングってやつ?
ペイルグレードの下じゃ飼い殺しだからさ
じゃ♪
そしてエピローグではジェターク社再興のために尽力するグエルに対して、セセリアと共に新規事業の提案による協力を申し出ていた。*5
既に強化人士の話は伝わっている*6ようでこの時のグエルからは呼び分けのためか「ケレスさん」と呼ばれている(そのため以降のオリジナルのエランはケレスと呼称する)。
ペイル社を離れてからケレスはそのスペックの高さを如何なく発揮し、アスティカシア学園の存続や従業員の再就職含め、数々の功績を残し大成功を収めているらしい。
…と、大したダメージを負うことなく、全てを失った宇宙議会連合やペイル社CEO達と異なりスマートに切り抜けて勝ち組側に乗っかるという、正に事前に言われた通りの性格の悪さを最大限に発揮してみせたケレス。
宇宙議会連合と手を結んで以降は浮かない表情でCEO達4人とは距離を置くような姿勢を見せていたことから、ペイル社を裏切る展開を予想していた視聴者もいたのだが、それを踏まえてもあまりにスマート且つ最高のタイミングを読み切ってのこの勝利っぷりは見事という他なく、視聴者からの評価も爆上がりすることになった。
上述した4号の尻拭い発言含め、性格の悪さから来る冷淡な面こそあれど、作中全体を振り返ればケレス自身が何か悪事に加担していたようなことは無かったため、報いを受けるような要因が存在しなかったし、
同時にCEO達4人についても表向きはおべっかをかいているとはいえ、結局は自分たちが実権を握って好き勝手するための道具という意味では強化人士と扱い的には何ら変わりなく、そんな連中を見限るのも当然だったと言えるかもしれない。*7
○エラン・ケレス(強化人士5号)
全力出したら死ぬんだよ、こっちは
第10話にて初登場した、新たな「エラン・ケレス」。
本名は4号と同じく不明。番組の公式サイトにはエラン・ケレス(強化人士5号)と表記されており、視聴者からは主に「5号」と呼ばれている。
常に笑顔を浮かべた柔和ながら軽薄さを感じさせるという、一言で言うと気持ち悪…本物からさらに輪をかけてチャラい言動*8を見せる。ニューゲン曰く選定の決め手は「本物と同じ性格の悪さ」
またも変わった態度を「君に変えられた」と誤魔化し(スレッタのせいで4号から5号に変わったので正しいとも言える)スレッタとの距離を物理・心理両面で一気に詰めようとした。
ただその態度の変わりようと馴れ馴れしさで、当のスレッタは完全に引き気味になるのだが、一方で地球寮からのメンツとはすぐに親しくなっており、チュチュも文句を言うが追い出したりせず、オジェロも声援を送ったりしている。
内心どう思っているかは定かではないが、表面的にはエランも彼らを邪見にせず友好的。(スレッタにもその距離感なら、却って好かれるだろと思うのだが…)そしてあまりに4号と違う彼を見たペイル寮生たちが何を思ったか気になるものである
無気力だった4号とは打って変わって「生きること」を主目的に置いて積極的に行動しており、普段の軽薄な態度とは裏腹にかなり抜け目がなく、頭の回転も早い。
そして境遇も4号と全く同じ立ち位置なので、軽薄ではあるが生きることには余念がなく、その時は真剣そのものの態度なので、それも相まって全く憎めない男でもある。
MSの腕前も4号に勝るとも劣らないレベルで学園でもトップクラスに位置し、スコアを上げずにスコア3のノレアとガンヴォルヴァをあしらえるほど。*9
Season1最終話では学園にいたが、プラントでフォルドの夜明け所属の二機のガンダムがテロ行為を起こしたことは知っており、にこやかな顔で「このガンダムとは関わり合いになりたくない」と(至極もっともなことを)言っていた。
というのが本編に於ける5号のプロフィールや性格だったのだが、20話以降の彼の行動を見る限り一見チャラい言動や人を小馬鹿にする態度も演技の可能性が高い。
掴みどころが無い態度なのは相変わらずの様子だが、生きることに真摯で独自の死生観を持ち合わせており、
スレッタに対しても任務が無くなったら即座に態度を改めて接しており、終盤彼にとって仇とも言える存在になったドミニコス隊にすら嫌味を言う事はあれどそれ以上の行動は取らずに共闘するなど、
生きていくということにどこまでも真っ直ぐなのが彼であり、そのためなら清濁併せ吞み、必要なことをするのが彼なのだろう。
なので表面上の態度はともかく本心では特に人を見下したりもしていないと分かる。
或いは生きるために「エラン・ケレス」としての役割を忠実にこなしているとも考えられる。実際のところ本物に似せる気が微塵もなかった4号と比べ、5号は表面的には本物ケレスに非常によく似ている。
(スレッタも、自分が最初に会ったエランと5号が別人ではないかと薄々疑問に感じていた節があるが、二番目に会ったケレス(本物)の存在は意識すらしていない)
「本物と同じ性格の悪さ」も、それが選定理由なら彼は忠実にトレースしてみせるだろう。つまり5号が気持ち悪かったのは大体本物のせい
とにかく「己の生を守り抜く」事に全力を尽くすその姿は組織への帰属意識や成すべき信念といったものとは凡そかけ離れており、ある意味「逃げれば1つ」を体現したキャラクターといえるだろう。*10
◯Season2
これより決闘を執り行う
決闘方法は連戦方式
ホルダーとの決戦に挑戦者が勝った場合は、その者が次の挑戦者と決闘を行い、最後に勝ち残ったパイロットをホルダーとする
これは決闘委員会が承認した正式な決闘である
立会人は…
ペイル寮寮長!エラン・ケレスが務める
という説明台詞もとい口上でエラン(5号)がスレッタの決闘の立会人をしていた。(誰だお前)
ちなみにこの口上がSeason2の最初の言葉になるので、記念すべき2期で最初に喋ったのは他ならぬ彼である。
4号との性格の豹変は当然周りも認知しておりロウジは「キャラが変わった」、セセリアに至っては「別人なんじゃないの?」と冗談交じりで核心に近いことを言ってたりする。
一方で4号とは真逆の超絶的なコミュニケーション力を活かしてベルメリアがいないからのもあってか地球寮に来ており、寮のメンツと凄まじく馴染んでいたり、仲良くなっていたりもする。
しかし肝心のスレッタとの距離を詰めることは出来ずにいるが*11、それでも余裕を見せながら色々考えている様子。
また学園のキラキラした空気に嫌悪感をこぼしたノレアを「気が合いそう」と評する、本音を垣間見せる様子も。
そしてランブルリングにて株式会社ガンダムの助っ人として参戦するのだが、途中で突如ソフィ、ノレアが襲撃を仕掛けて来る
主にノレアの相手をしていたが、彼女が戦闘中に半場で撤退したことを訝しんで、すぐに周りを索敵。
その時にサリウスが拉致される場面を目撃し、それを興味深そうに笑みを浮かべて眺めていた。
その後ペイル社の4BBA、CEOからエアリアル奪取の任務*12を受けることに。
ランブルリングでのテロで関与を疑われた地球寮はMSも一時的に没収され、奪うことは容易いと思われた。
しかしエアリアルにエランが搭乗するも動くどころか起動すらもしない。*13
以前の4号が動かせた情報から、この結果に訝しむがその直後に過剰なデータストームがエランに流れ込み、彼はその負担に苦しむ。
その直後エアリアルの内部空間に誘われ、彼が目にしたものは………
無邪気な声で笑うエリクト・サマヤ『達』の姿だった
スレッタを幼くしたような容姿の少女たちを慄きながら見る彼の前に一人のエリクトが降り立つ。
そしてそのエリクトは更にデータストームを引き上げエランを苦しめてエアリアルから追い出した。
そこに現れたベルメリアがエアリアル奪取は不可能だと断じるが、自身の命が賭かった任務なので引くことの出来ないエランはベルメリアに協力を要請。
それに無理と答えるベルメリアに対して「強化人士を作って来たことに比べれば訳ない」と皮肉交じりに述べるエランは述べるが、
この直前のプロスぺラからの指摘で、目を背けていた所業の数々やそれらへの負い目を思い起こしていた彼女は「どうすれば良かった⁉」と鬼気迫る形相でエランに迫る。
当然のことだが強化人士にされたエランからすれば彼女は被害者の振りをした加害者でしかなく、その身勝手な言い分に激怒して彼女を殴りつけ、自身に協力しなかったベルメリアは会社に取って背信行為をしたとして上に報告すると告げ、その場を去る。
ただそれで彼の任務が終わる訳もなく追い込まれたエランはスレッタに接触。
スレッタ以外に入室を許されない温室に入り、今までの気持ち悪いもとい取繕った態度もかなぐり捨てて、スレッタにエアリアルを渡すよう脅迫するのだが、その直後に現れたグエルがスレッタを救出。
邪魔をされた挙句に自身の切羽詰まった状況を指摘されエランもグエルを排除しようとするのだが、体格差に加えて軍志望で訓練して来たグエルには敵わずに一蹴されてしまう。*14
そして八方塞がりとなった彼はペイル社を脱走。
逃げ込んだ先はなんとシャディクが率いるグラスレーだったのである。
なんでも前回の襲撃の際に目撃したサリウス拉致から、グラスレーとテロリストが繋がっていることを予測した彼はその情報を誰にも開示せずにシャディクとの交渉で使用。
カマをかけた結果、グループ総裁選での協力をペイルに取り付けているシャディクに身寄りを保護してもらうことになったのだが、そこには軟禁状態だったノレアとニカもいた。
ここに来たエランに訝しむ様子を見せるニカだが、彼女には地球寮の様子と近況を報告。
「何故ここにいるのか?」と言葉に出して問うノレアには説明し「仲良くしよう」と嘯くのだが、その態度と彼の存在を気に食わない彼女はそれはもう容赦なくエランを殺そうとする*15
若干の驚きを見せながらも見事に回避したエランは「さっさと死ね」と言うノレアにいつも通りの人を小馬鹿にしたような態度で、「長生きしたいから君に殺されるのもガンダムに乗って死ぬのもゴメンだね」と答えるのであった。余談だがエラン、ノレア、ニカが一室に集まった状況が余りにも某有名な番組に似ているので、視聴者からネタにされるようになった
以降もノレアのことを小馬鹿にしては彼女から本気の殺意を向けられるという殺伐とした関係が続いていたが、19話で精神的に限界まで追い詰められていたノレアが遂に己の本心を告白。その異様な光景に対して恐る恐る尋ねて来るニカに対し、諦念の篭もった表情と声色で淡々と呟いていた。
キミにはわからないよ…絶対…
そして再び全てが動く時が来る。
シャディクは自身の陰謀に気付かれたことを契機にカテドラルやグエルと対峙。
彼はサリウスだけは腹心であるエナオに移送させたが、他の軟禁した3人に関しては解放した。
そう………
ソフィを、全てを失い、今やスペーシアンの憎悪しか拠り所が無いノレアすらもなんの枷もつけずに解放したのである
当然解放されたノレアはスペーシアンに対する憎悪、ガンダムに乗るしかない自身の悲壮さの全てをぶつけるべく、ソーンを駆って飛び出そうとする。
エランもそのノレアの状態に危険を感じ、必至になって呼びかけるが、彼女はその説得も振り切りソーンに乗って学園を飛び出す。
ソーンの出撃でエランはその場に置き去りにされるが、その隣には、亡きソフィが乗っていたガンダムルブリスウルがあった。
ソーンを駆り、ガンヴォルヴァをも用いて、学園でひたすら破壊の限りを尽くすノレア。
ゲナンジ率いるドミニコスの部隊やMSに乗れる学園生徒も応戦するが、食い止めることは一向に出来ずにいた。
しかしそこにルブリスウルに搭乗したエランが再びノレアの前に現れる。
自身の境遇も重ねて「死に急ぐな!」とノレアを説得するのだが、彼女は全く耳を貸さずに、それどころかただひたすら息を潜めて生き延びようとするエランを揶揄する。
彼女がエランに対して本当に許せなかったことはソフィと真逆の生き方をするその死生観だったのである。
そして「貴方はソフィじゃない!」と否定するノレアに対して、エランは
当たり前だ…!君もソフィじゃない!
スケッチに描いたあの風景画、あれが君だろ!
不安で、死ぬことに怯えて、殴り描くことでしか逃げられなくて…
お前に何が…
僕と来い!!
自分自身を含めた全てを否定し、全てを滅ぼさんとするノレアにエランは自分がずっと隣にいると語り、それでも生き方が分からないなら、自分をノレアが描いていた場所に連れていけと豪語する。
彼の必死な言葉を聞きながらノレアの胸に去来したのは、かつてあてどなく生きていた自分を導いてくれていたソフィの姿だった
生きて良いんだって、証明させろよ!!!
この言葉でノレアも正気に戻る。
同時に全てのガンヴォルヴァも動きを止めた。
一緒に来いだの、連れてけだの、バカなの、あなた…
ノレア!
今までの態度が嘘のような穏やかな声でノレアはエランに返事をする。
戸惑うエランにゆっくり語り掛けながら、ソーンはウルから離れた
あとで教えて…
あなたの本当の名前………
この言葉の直後に地上から放たれたビームがソーンのコックピットを直撃した
ドミニコスの兵士は当然動きが止まったソーンを見逃さずに機体を撃墜したのである。
分かり合えた存在を文字通り目の前で失ってしまったエランは慟哭し、スコアのレベルを上げてガンヴォルヴァを操るが、学園を破壊するでもドミニコス隊と戦うでもなく、その場を離脱。
後にウルが発見されるが、その中にエランの姿は無かった。
しかし彼は先の混乱に乗じて学園に戻ってきており、地球寮の外でスレッタ達の会話を聞いていた。
スレッタの境遇や現在の状況を悟った彼は地球寮がクワイエット・ゼロに向かうと聞き、自身を見逃すという条件を付けて協力を申し出る。
そしてベルメリアとニカの言葉、ガンダムの真実からエランの素性に検討がついたスレッタが「私の知っているエランさんのことを聞かせてほしい」と問い、エランもまた今までスレッタに働いた無礼を詫び、「僕の知っている範囲なら」と誠実に答えるのであった。
その後の第22話序盤。嘗ての4号との約束の地においてエラン(5号)は自分たちの置かれた境遇と4号の末路についてスレッタに打ち明ける。
その上でエランは全部ほっぽって逃げればいいのに怖くないのか? とスレッタに問うも、既に覚悟を決めていたスレッタはエリクトやプロスペラを止めることが、今の自分自身がやりたいと決めたことだからと真っ直ぐに答える。
羨ましいな…
その真っ直ぐさ、進み続ける姿勢は生きるために逃げ続けてきた自分には真似できないものであり、エランは小さく呟くのであった。
その後のクワイエットゼロ攻防戦においては独自に調達した銃を用いて*16戦闘に不慣れな地球寮メンバーたちの援護も担いつつ、強化人士としての性能をフルに発揮して大活躍。最後にはプロスペラのヘルメットを撃ち飛ばし、当初の宣言通りガンダムはおろかMSにも乗らない形ではあったものの、一向の主要戦力としてこれ以上ない働きを見せていた。
また、逃げることを止めて戦う覚悟を決めながらも一度も銃弾が当たらずに済んだベルメリアに対して「人殺しは向いてないね。次からは人助けにしときなよ」と態度が軟化するようになった。
場所くらい描いとけよなぁ…
そして全てが終わった後、エランは地球に降り立っていた。
握られた古ぼけた手帳…ノレアとの約束の地へと向かうために。
◯搭乗機体
ザウォート
ペイル社製MS。グエルとの決闘まではこの機体で決闘を行っていた模様。
機動力が売りのペイル社らしく、大型のスラスターで単独飛行を可能にし、飛び回りながら相手を翻弄する。
エランはスラスターを逆噴射させる事で追ってくる機体との距離を詰めるという応用的な使用をしていた。
FP/A-77 ガンダム・ファラクト
形式番号:FP/A-77
頭頂高:19.1m
重量:57.1t
ペイル・テクノロジーズ社が開発したGUND-ARM。
四肢がガッチリしている如何にも軍用機といった感じのジェターク社のMSと比べると、細い四肢に対して不釣り合いな程大型のブラストブースターが多数搭載されているのが特徴。
エアリアルと同じく学園では「ファラクト」のみで登録しており、ペイル寮預かりとはなっているが、詳しくはペイル寮の誰も知らなかったらしく、最初は「黒いザウォート」と見間違えられていた。
グエルとの決闘で初めてお披露目されたようでグエルを含めた決闘委員会のメンバーも全員が驚いていた。
長距離射撃を得意とした機体で、ブラストブースターとGUNDフォーマットを用いた慣性制御によって大幅に飛行性能が向上しているのが強み。
エランによると「機動性はファラクトが上だが、ビットの性能に関してはエアリアルに劣る」らしい。また見た目通り接近戦は苦手なのかグエル戦スレッタ戦の双方で避ける傾向が見られている。
だがGUND-ARM最大の問題点であるデータストームを解決できていないという致命的欠点を抱えている。
データストームの副作用に耐え得るために考案されたのが強化人士と思われるが、それでも強化人士4号であるエランはグエルとスレッタとのたった2戦のみで(テスト運用はしていたかもしれないが)限界を迎えてしまった。
なお搭載された武装構成と6話でのエランの戦術が余りにリアリストだったためか、一部から「引き撃ち芋砂ガンダム」といった不名誉なあだ名で呼ばれてしまった。
ちなみに、6話終了後にファラクトのプラモの発売延期が発表され、「新しい強化人士を用意する時間が必要なのだろう」と本編とのシナジーを起こした。
※武装
- ビームアルケビュース(大型ライフル)
本機のメイン兵装。ファラクトの全長程もある大型のロングバレルビームライフル。
長い射程距離とGUNDフォーマットを応用した知覚リンクによる高い命中精度を持つが、それ以外に特に変わった特性は見受けられないシンプルな武器。
3次元的に飛び回る高機動性と合わせて、コラキなしでも相手の攻撃を避けまくりながら遠距離から一方的にジワジワ嬲り殺す戦術が可能。
ただ、エアリアルとの戦いではエスカッシャンをシールド展開しビームを無効化されて防がれてしまう場面も多かった。このため、ビーム兵器に対する耐性のある機体相手では決定打になりにくいだろう。
「アルケビュース」は『火縄銃』を現す。
- ビームサーベル
前腕装甲内に収納された2基のビームサーベル。
ビームライフル同様特に変わった性能とはなく、いたって標準的な武装。上記のように、ビームアルケビュースを防がれて接近戦を仕掛けたりする際に主に使う手段である。
- ビーム砲
脚部を構成するユニット「ビークフット」に仕込まれた隠し武器。脚部をビーム砲に見立てており2門存在する。
つま先が下に向けて折りたたまれ銃身として機能。高速機動中に姿勢を崩すことなく射撃ができる。主に近接戦で使う。
- コラキ(GUNDビット)
本機最大の武器。
両肩の後退用のバックブースター内部に搭載されている無数の小型ビットで、運用にはPMETスコア3に入る必要がある。
特性として、コラキから電気系統を麻痺させる電磁波ビームを撃つことができる。2つを一対とするコラキを赤いレーザーで繋ぐようにして操作することで、ワイヤーカッターの如き変則的な動きで攻撃することも可能。
これは破壊力・殺傷力こそ一切ないものの、命中すれば短時間の間その部位が機能停止に陥り動かせなくなるかなり陰湿な武器。
全身にレーザーが命中しようものなら、蜘蛛の巣に絡まった虫の如く完全に身動き一つ取れなくなる。
おまけに装甲の上からでも普通に効くため、防ぐには機体に当たる前にシールドや実体のある武器でビームを物理的に遮るしかない。
戦闘では高機動で敵を翻弄しつつ、全方位からのコラキの無数のレーザーで動きを封じた相手をビームアルケビュースやビームサーベルで一方的に仕留めるのが基本戦法。
恐らく集団戦でも機動力の高さで後方へ下がり、そこからこれで相手の動きを止めて長距離射撃で仕留めたり友軍の機体の攻撃を行わせる、という後方支援にも向いた戦法も取れる機体だと言える。
「コラキ」は『ワタリガラス』に由来するとされる。オムツ持参のパイロットは関係ない。
- ビームカリヴァ
強化人士5号用の武装として追加された1対2挺の大型ビームガン。
通常時は2挺拳銃だが、連結することで「ビームマスケット」となり長射程の高出力ビームを発射可能。
ビームアルケビュースよりも取り回しに優れており、不使用時は両腰に懸架する。
2nd Seasonでは株式会社ガンダム預かりになっており、学園に潜入したノレアがエランの生徒手帳をスって本機を調べていた。
また、14話で強化人士5号が搭乗するが、スコアを(標準機動の2から)一切上げる事なくパーメットスコア3のルブリス・ソーンとガンヴォルヴァの攻撃を全て避け、ビームカリヴァでガンヴォルヴァを1機撃墜する。
ニューゲンの発言から5号はチャラ男交渉能力特化という印象を抱いていた視聴者を驚かせた。*17
その後のファラクトの所在は終盤まで不明だった。
決闘ゲームの終結及び唯一操縦できる強化人士5号が行方不明になったこと、強化人士を新たに用意できるベルメリアがシン・セー社預かりになったことでペイル社としてはファラクトを運用できなくなってしまったものと思われる。
開発に携わったベルメリアはヴァナディース事変の生き残りだが、「ガンダム」と言えばガンダム・ルブリスとその派生機・関連機だらけな本作のガンダム事情にあってファラクトはキャリバーンと並ぶ*18数少ないルブリスを源流としないガンダムでもある。
ガンダム・ルブリス・ウル
軟禁状態から釈放されたノレアがルブリス・ソーンに搭乗し、自暴自棄になって2機のガンヴォルヴァと共に学園での破壊活動を行った際、彼女を説得する為に一時的に借用。固定武装を除き、武器は装備していない。
エランの卓越した操縦技術により、スコア2の状態でスコア4を発動したルブリス・ソーンと互角に渡り合ってみせた。
しかしエランの奮戦も虚しくルブリス・ソーンはドミニコス隊のベギルペンデにコクピットを狙撃され、パイロットのノレアは戦死。
自暴自棄になったエランはスコア4(または3)を発動して宇宙空間へと飛び出すものの、正規軍が宇宙空間に放棄されていた本機を確保した際は、エランの姿はどこにも無かった。
この時一時的に操作したガンヴォルヴァは、スコア3のソフィ達が操作したものや、自暴自棄になって限界近くまでスコアを上げていたノレアの操作よりも遥かに人間的であり、5号はガンビットの操作能力も非常に高い事がうかがえる。
〇余談
演者である花江氏はかつて『鉄血のオルフェンズ』でビスケット・グリフォン役で出演していた。
『水星の魔女』は主人公機と名前が同じという事でお菓子の「エアリアル」とコラボしており、エランは「直火で炙った焼きとうもろこし味」のパッケージになっていた。
そしてメインライターの大河内一楼は6話の放送前に「今日はエラン回なので、焼きとうもろこし味を」とツイートした。
その結果、エランが焼却処分されるという衝撃展開になり、「人の心とかないんか?」等のリプがそのツイートに殺到した。中の人ネタで「直火炭治郎」というネタも発生。
海外ファンも日本語が理解できる同志によりこれを知り「大河内ィ!」な絶叫が各所で見られ*19、英語圏ファンだけでなく中国語圏や韓国語圏ファンから前述のツイートに物騒なトーンの
- 「Happy birthday to you」
「Happy birthday to 大河内」- 「大河内、你没有心!」
- 「老师,您到底有多讨厌生日啊」
などのツイートが殺到した。
シレっとスレッタ役の市ノ瀬加那氏も第6話を焼きとうもろこし味を食べながら見てるとツイートしてたりする
その前に韓国でもコラボカフェが開催されていたのだがエランのメニューは「炭色のレモネード」である。
さらに6話終了後に公開されたバトルスピリッツのコラボのエランカードが「アタック時デッキの下から1枚ドロー」「バトル終了時にデッキの下に戻る」仕様となっており、
これにはバトスピプレイヤー兼業の視聴者も唖然とするなど、次々に投下される「公式がぐう畜」っぷりに各方面が騒然となった。
第1~6話までを振り返る特番にて、スレッタ役の市ノ瀬氏は第6話のラストシーンの収録について、
「演じる自分はエランの顛末を知っているのに、「何も知らないスレッタ」として『まだかな、エランさん』という台詞を言うのが難しかった」
と語っている。またしても何も知らないスレッタ・マーキュリーさん(17)
強化人士5号がスレッタを篭絡しようとした理由とそのスレッタをスタンガンで脅すまで追い詰められた経緯、
そしてグエルに制裁されてから格付け部屋……もといグラスレーの軟禁部屋に放り込まれるまでの経緯は本人の言い回しもあってちょっと分かり辛く、
総集編で特設コーナーが設けられて詳しく解説されている。
5号に交代してからは、スレッタに迫る時のあまりにも気持ち悪いねっとりとした声色が話題となったが、
演者の花江氏曰く、自分も演じる際になるべく気持ち悪くしようとした演技プランの賜物らしい。
後に5号と色んな意味で関係が近くなったノレア・デュノク役の悠木碧氏は、花江氏と共にパーソナリティーを務めた『水星の魔女RADIO』の回で、
「プライベートで視聴中に、件の5号の声を聴いてあまりの気持ち悪さに思わず「うわ気持ち悪っ」と口走ってしまった」と語っている。
エラン・ケレスというキャラクターは4号、5号、そして本物と合計3人登場した形ではあるが、
- 主人公であるスレッタと明確に心を通わせ、強化人士という立場の悲劇に散ったものの、最後にまたスレッタの力となり救われた4号。
- 当初は4号との比較も含めてそのチャラチャラしたキャラ性から微妙だったものの、生にしがみつく必死さとノレアとの交流によって徐々に人気が上がっていった5号。
- 主だった出番に殆ど恵まれず、舞台装置程度の影の薄さしか無かったが、最後の最後で美味しい所を持っていき、評価が鰻登りになった本物。
と、こんな具合でそれぞれ全く異なるキャラクター性を持ち、且つその全員が視聴者から一定以上の人気を得て終わったという何とも珍しい形となっている。
追記修正は、新たな人士を用意してからお願いします。
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*2 ちなみに蠟燭も用意できないほど貧しい家庭だったのか、よく見ると粗末なケーキの上に刺さっている物体は蝋燭ではなくマッチであった(燃えている部位と下の部位の太さが同じ、蝋燭なら芯に比べ本体が圧倒的に太い。)。 彼のセリフはないが「ろうそくみたいできれいだね」といかにも言ってそうである。
*3 水面を境に半分に分かれたエランの耳飾りの片方が、4号の装着していた毛筆型のものであった。
*4 評価欄の記載だと言語能力や構造把握能力、忍耐力といった大半の項目はSやSSと高ランクだったが、MS操縦能力関連の項目のみC前後と明らかに劣っていた
*5 セセリア個人を秘書として雇っているのか、自身が現在はブリオン社に籍を置いているのかどちらなのかは不明。
*6 そもそも会話の描写はなかったがクワイエットゼロ攻略戦でグエルとエラン(5号)は共闘しているのでその際にグエルにも素性を明かしていたとしてもおかしくはない。
*7 実際、辞表には社交辞令の後に「お前らにはうんざりだ、俺はペイルを辞める(意訳)」と書かれていた。
*8 ちなみに視聴者は愚か、声優の花江氏、挙句に本編でもソフィから気持ち悪いと称された
*9 ただこの時のノレアはエランとの戦闘が主目的ではなく、エランに使えるガンヴォルヴァも一機のみで、他は全部本命の作戦に充てていた
*10 もっともそんな彼ですら乗りたくないと語ったガンダムに乗ってノレアの説得をしているので、自身の命より大切なものが彼にもあるのだが
*11 当のスレッタは4号と5号が別人であることは知らないが、あまりの性格の違いと近さに警戒して、距離を置いている
*12 ほぼ脅迫
*13 ミオリネ搭乗時ですら起動したし曲がりなりにも動いた
*14 この時のエランは追い詰められた状況に加えて、しかもグエルの言葉で頭に血が上ったために動きが単調だったこともある。後述の件もあるため決して彼の身体能力が低い訳ではない
*15 全く躊躇なく鉛筆をエランの頭に突き立てようとした
*16 ケナンジが学生に銃を持たせることを良しとしなかったため。事態が急を要したためか5号の持っていた銃を取り上げるといったことはなかった。
*17 だがこの件は強化人士を使い捨ててでも高スコアのガンダム同士の戦闘データが欲しかったペイル社的には失望させる結果であり、5号は追い詰められることになる。
*18 シュバルゼッテについてはエアリアルの開発を行ったシン・セー社がどこまで深く関与しているか不明であるため一応除外
*19 もっとも、彼の過去担当作を知っている海外ファンには「やはりやりやがった」的なリアクションもあった
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