SPACE BATTLESHIP ヤマト

ページ名:SPACE BATTLESHIP ヤマト

登録日:2022/09/28 Wed 00:44:00
更新日:2024/06/27 Thu 10:36:17NEW!
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宇宙戦艦ヤマト 実写化 邦画 山崎貴 木村拓哉 tbs 映画 東宝 space battleship ヤマト 佐藤嗣麻子 スペース・バトルシップ ヤマト



必ず、生きて還る。


●目次


◆概要

SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』を原作とする東宝配給の実写映画。2010年12月1日公開。


邦画としては破格の20億円という巨額の制作費を注ぎ込んで制作され、ヤマト艦内や荒廃した地下都市など多くの室内ロケーションが東宝スタジオのセットで撮影された*1
艦船同士の戦闘シーンやガミラス兵との白兵戦の多くはCGにより表現されており、『ヤマト』の世界観を当時の邦画で出来得る限りの範囲で再現している。
最終的な興行収入は41億円とそれなりの成績を残しているが、2時間半弱の尺でイスカンダルに行って帰ってくるまでを描くにあたっての大幅な設定・デザイン変更や、
演者に寄せて大小さまざまな改変が加えられた各キャラクターの人物像にはファンから賛否の声が上がった。
また、古代と雪の唐突なラブシーンや、地球滅亡を前にしているとは思えない緊張感に欠ける会話を繰り広げるヤマトクルーなど、
悪い意味での『邦画っぽさ』が滲み出た場面も散見され、酷評の声も少なくない。
一方、原作第一作のみならず『さらば』や『完結編』の名シーンを要所で再現したり、
ナレーションのささきいさおをはじめ伊武雅刀や上田みゆき、緒方賢一ら原作の声優陣が出演するなど、綿密なファンサービスも盛り込まれており、
一概に旧作のファンを蔑ろにしているとは言い切れない面がある。
槍玉に挙げられやすいストーリー面も、イスカンダルへの往復を尺の中に収めた上で(先述の『邦画っぽさ』がノイズになるとはいえ)
沖田から古代へ継承される意志』を軸にした人間ドラマが組み立てられており、光る点はある。


◆スタッフ

監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』などで知られる山崎貴。ちなみにサブタイトルがなぜか英語になっているのは彼の仕業…ではなく、むしろ上層部が「YAMATO」まで英字表記にしようとしたのに山崎監督が抵抗して「ヤマト」だけは日本語表記を残したのだとか*2
他のスタッフも概ね山崎監督作品常連のメンバーが揃っており、監督御用達のプロダクション・白組による美麗なVFXも健在。
音楽は(これまた山崎監督常連の)佐藤直紀が担当しており、お馴染みの主題歌はもちろん流れないが、その旋律がアレンジして使用される場面はいくつか存在する。


◆あらすじ

冒頭

時に、西暦2199年。
正体不明の異星人・ガミラスの襲撃を受けた地球は、ガミラスが送り込む遊星爆弾による放射能汚染を受けて滅亡の危機に瀕していた。
生き延びた人類は地下都市へ逃れたが、放射能の脅威は地下にも及び、人類滅亡までの刻限はおよそ数ヶ月から1年*3と迫っていた。
火星沖に集結させた残存勢力による決死の反抗も破れ、打つ手がなくなった地球に、ある日謎のカプセルが落着する。
とある事件をきっかけに軍職を辞し、サルベージ業者に身をやつしていた古代 進によって回収されたカプセルには、
遥か大マゼラン銀河に属するある惑星の座標と、波動エンジンの設計図が記録されていた。
このカプセルを「放射能除去装置を持つ者から差し伸べられた救いの手」と判断した地球防衛軍は、
座標に示された惑星イスカンダルへ向け地球最後の宇宙戦艦・ヤマトを送り込む計画を公表し、参加者を募った。
ヤマトの艦長を務めるのは、火星沖の決戦を生き延びた艦隊司令・沖田 十三。
火星沖で戦死した兄・守が沖田に盾にされたと考え憤る進は、『誰も見捨てない』という決意を胸にヤマトへ乗り組む。
果たして、イスカンダルへの旅路の果てに待ち受けるものは何か。地球に生きる全ての人類の希望を背負い、ヤマトは宇宙の彼方へと飛び立つ。


その後の流れ

……と、冒頭は概ね原作通りなのだが、如何せん尺が足りなさすぎるので、原作における道中の印象的なエピソードはほとんど再現されず
『ワープ⇒会敵・戦闘とそれにまつわるドラマ⇒またワープ⇒……』を数回繰り返しただけ*4でガミラス・イスカンダル星に到着する。
ガミラス・イスカンダル星突入作戦からは原作に『さらば』を加えた展開が続き、最終局面はほぼ『さらば』*5の流れで進行していく。


◆人物


主要なヤマト乗組員


古代 進 (こだい・すすむ)
演:木村拓哉
ヤマト戦闘班班長⇒艦長代理。誕生日は2166年10月31日。
表面上はスカした態度*6が目立つが、その実かなりの熱血漢で、仲間のためならいかなる危険も冒す直情的な性格。
かつては『チーム古代』を率いて遊星爆弾除去のエキスパートとして活躍していたが、自身の攻撃でコースを逸らした遊星爆弾が両親が滞在する宇宙ステーションに激突する事故を起こし、両親を失う。
更にこの事故に島の妻も巻き込んでしまったことから、自責に駆られ除隊。放射能汚染された地表でサルベージ業者として働きながら、失意の日々を過ごしていた。
火星沖の決戦で兄の古代 守(演:堤真一)を失ったことから、彼の犠牲によって生き延びた沖田を「兄を盾にしてのうのうと生き延びた」として糾弾している。
沖田が兄の死に値する人物であるか確かめるため、また彼と違い「仲間を見捨てない」自分の信念を貫き通すためにヤマトに乗艦するが、
沖田の病状悪化に伴い艦長代理に任命され、沖田が背負ってきた指揮官としての重圧や非情な判断の理由を知ってゆくことになる。

ガミラス・イスカンダル星の激戦を雪と共に生き延び、辛うじて地球へ帰りつくが、地球を道連れにせんとするデスラーが放った超巨大ミサイルを止めるべく、一人ヤマトに残って特攻をかける。沖田や徳川、真田、斉藤らの英霊に見守られながら、愛する者の名をただ呟き、波動砲の暴発によってヤマト諸共宇宙へ散った。『さらば』での古代自身と『完結編』での沖田をミックスした形である。


沖田 十三 (おきた・じゅうぞう)
演:山崎努
ヤマト艦長。生年は不祥だが、演者が当時70代であったこともあり、原作以上に老いた風貌になっている。
あの風貌で52歳というのが若すぎるのだが*7
宇宙艦隊の司令としてガミラスと戦い続けてきたが、その体は病に冒されており余命いくばくもない。
火星沖での敗北とカプセルの発見を機に「全ての人類に信じられる希望を与える」ためにヤマトの艦長となり、放射能除去装置を求めてイスカンダルへ旅立つ。
佐渡先生の治療を受けつつ艦長職にあたるが、イスカンダルへの道半ばにして倒れ、古代を艦長代理に任命。
以降は終始艦長室で横になっており、登場するたびに点滴や呼吸補助の管が増え、言葉一つ紡ぐのも難儀するほどに弱り果ててゆく痛ましい姿を見せている。
徳川の談によれば、若い頃は「熱くて無茶で、でも冷静」な人物であり、その性質は進や守によく似ていたという。

実は、カプセルに記されていたのは惑星の座標と波動エンジンの設計図のみであり、惑星の名前や住民からのメッセージはもちろんのこと、放射能除去装置の存在さえも一切示されていなかった。沖田はカプセルの落着地点の放射能が除去されて*8、その場にいた古代が生きていたことから「カプセルの送り主は放射能除去装置を所有している」と推測し、確証のないわずかな可能性を地球人類が明日を生きてゆくための「希望」として示すためにヤマトを発進させた。徳川が語ったように、沖田にもまた古代のように「どんなわずかな可能性でも、助かる命があるならそれに賭ける」情熱的な一面が宿っていたのであった。

原作通り、地球への帰還直前に艦長室で病死。直前に佐渡先生に「一人にしてはくれまいか」と頼む場面まで再現されている。その後ヤマトはデスラー艦の猛攻を受け満身創痍となり、生存したわずかな乗組員のみが脱出しているが、沖田の遺体が回収される描写はなかったので、おそらく古代共々ヤマトと運命を共にした模様。



森 雪 (もり・ゆき)
演:黒木メイサ
ヤマト戦闘班・ブラックタイガー隊隊員。コールサインは「BT1」。
新型機・コスモタイガーを乗機とするエースパイロットであり、勝ち気で男勝りな性格。この時点で原作ファンは仰天することだろう。
航空隊に変更されたのは短い尺で古代との絡みを増やす目的と、戦闘員(偵察要員)という没設定を拾ったもの。オリジナルでも艦載機を操縦する場面はあった。
『2199』の山本玲を思わせる点もあるが、制作チームが異なるため特に設定を共有してはいないらしい。
『チーム古代』時代の古代に憧れて軍に入るも、当の古代は先述の通り既に除隊していたことから、彼に深い失望を抱く。
ヤマト乗艦後も古代を「命を惜しんで逃げ出した腰抜け」と蔑み、反抗的な態度を崩さずにいたが、
乗機が損傷し帰艦できなくなったところを古代に救われた上、島から古代の過去を聞かされたことで、頑なだった態度を次第に軟化させてゆく。
やがてある事件をきっかけに古代と恋仲となり、互いに愛し合うようになるが……

ガミラスミサイルへ特攻をかける古代に縋りつき、運命を共にしようとするが、古代が最低出力で放ったパルスガンによって意識を奪われ、島に連れられてヤマトから脱出する。エンディングでは、緑を取り戻した地球で幼少期の古代によく似た息子と共に暮らしている様子が描かれており、どうやら恋仲になってからの短い時間のうちにヤることはヤっていた模様。娘(=美雪)でなかったのは『復活篇』と並行して製作が進んでいたからだろう。


島 大介 (しま・だいすけ)
演:緒形直人
ヤマト航海班班長。
ヤマトの操舵を担当する天才航海士。古代とは同期で、共に遊星爆弾除去に従事していた。
古代が起こした事故に妻が巻き込まれた影響で、息子の次郎*9(演:青木綾平)は生まれつき言葉が不自由になっている。
しかし、そのことで古代を恨むようなことはせず、終始彼との友情を大切にする好漢。


真田 志郎 (さなだ・しろう)
演:柳葉敏郎
ヤマト技術班班長・技師長。火星沖の決戦では沖田艦に乗艦しており、古代の兄・守とは同期で親しくしていた。
尺の都合もあり、本作では天才科学者としての活躍はやや控えめだが、演じる柳葉敏郎のもはやモノマネの域に達した熱演によって
容姿のみならず声までも原作に限りなく寄せられており、演者に寄せて改変されている者が多い本作の登場人物の中では屈指の原作再現度を誇る*10

ガミラス・イスカンダル星への突入時、ガミラスの中枢を破壊するため、斉藤と共にガミラス兵の大群へ突入。「慌てず急いで正確に」時限爆弾をセットした後、立ち往生を遂げた斉藤と共にガミラス兵の銃撃にさらされつつ起爆スイッチを押し、ガミラス中枢を道連れに命を散らした。


斉藤 始 (さいとう・はじめ)
演:池内博之
空間騎兵隊隊長。原作に比べやや細身ではあるが筋骨隆々で、白兵戦なら誰にも負けない体力自慢の猛者。
「キッツい(キッチい)よなァ」が口癖で、本当にキツい時はもちろん、雑談の中で冗談めかして使うこともしばしば。
荒くれ者が集う空間騎兵隊を統べるだけあって荒っぽい性格だが、心配性の母から渡された若宮八幡宮のお守りを大事に持ち歩くなど人情味も持ち合わせている。
当初古代とはいがみ合うこともあったが、ガミラスの端末に意識を乗っ取られかけた事件を機に一気に親密になった。

ガミラス・イスカンダル星への突入時、ガミラスの中枢を破壊するため、真田と共にガミラス兵の大群へ突入。時限爆弾をセットする真田を守るべくガミラス兵の銃撃を全身に受け、立ち往生の形で命を落とす。*11


徳川 彦左衛門 (とくがわ・ひこざえもん)
演:西田敏行
ヤマト機関室機関長。本作ではヤマトの第一艦橋に機関長用の椅子が用意されていないため、終始機関室で機関制御の指揮を執っている。
沖田や古代兄弟とは旧知の仲で、雪を救うために独断で無茶な行動をとり営倉に入れられた古代を見舞った際、彼らの人物像をよく似ていると評した。
演者の風貌*12もあって原作再現度は真田に次いで高めだが、原作と相違する点としてなぜか艦内着の前を常時開けっぱなしにしている。まさか閉まらないんじゃ……

地球を目前にしたヤマトがデスラー艦の猛攻を受けた際、崩壊した機関室内で致命傷を負いつつも波動エンジン安定の報告をし、コンソールに突っ伏しながら死亡*13


佐渡先生 (さどせんせい)
演:高島礼子
ヤマト生活班船医、医療科長。本名不祥。
火星沖から沖田艦に船医として同乗しており、そのままヤマトにも乗艦する。
原作の佐渡 酒造にあたる人物だが、性別が変更され妙齢の女性になっている。
一升瓶を持ち歩き、茶虎猫のミーくんを連れている点は踏襲されているが、破天荒な性格はあまり反映されていない。されても困るが


アナライザー
声:緒方賢一
形式番号「AN8001/H1000」。古代が携行する情報端末に搭載された分析ユニットAI。
本来は古代の愛機・コスモゼロの装備の一つであり、コスモゼロ下部のスロットに差し込むことで航行のサポートを行う。
また、コスモゼロに搭載された3m級の戦闘用人型ユニットに換装することで、白兵戦に参加することも可能。
機械の割にやたら情緒豊かだった原作のアナライザーには及ばないものの、ある程度人の感情の機微を理解しており、
兄を失った古代からはただ一人の家族として認識されている。ただし、男女の恋愛感情には疎い模様。

ガミラス・イスカンダル星突入時、押し寄せるガミラス兵から古代たちを守るべく、戦闘用ユニットに換装して戦闘に参加。孤軍奮闘するも、多数のガミラス兵に取りつかれて爆風を上げ、機能を停止した。


その他ヤマト乗組員


南部 康雄 (なんぶ・やすお)
演:矢柴俊博
ヤマト戦闘班副班長。やや気弱な慎重派。
演者の風貌は原作の南部にはあまり似ておらず、共通点といえば眼鏡程度である。
『2199』共々、古代との差別化が図られた形。


相原 (あいはら)
演:マイコ
ヤマト航海班所属。原作の相原 義一にあたる人物。
原作では通信班長の男性であったが、本作では通信に加え索敵や情報解析まで担当する女性。


加藤 (かとう)
演:波岡一喜
ブラックタイガー隊所属、元『チーム古代』の一員。原作の加藤 三郎にあたる人物。
本作では古代の部下であるため、彼のことを「古代さん」と呼んで敬語で話すあたりは四郎に近い。
復隊してヤマトに乗艦した古代を『チーム古代』一同で歓迎し、以降も親しく会話している。
ガミラス・イスカンダル星突入時にガミラス兵との白兵戦で死亡。


山本 (やまもと)
演:斎藤工
ブラックタイガー隊所属、元『チーム古代』の一員。原作の山本 明にあたる人物。
台詞はあまりなく、終始クールな雰囲気を漂わせている。
ガミラス・イスカンダル星突入時に味方を庇って撃墜され、『さらば』の死に際よろしく古代に敬礼を送りつつ死亡。


古屋 (ふるや)
演:三浦貴大
ブラックタイガー隊所属、元『チーム古代』の一員。原作にモデルが存在しないオリジナルキャラ。
東北弁と思しき訛りがきつく、そのことを古代や加藤に突っ込まれては否定するのがお約束。
ガミラス・イスカンダル星突入時にどこぞのバルキリー乗りよろしく即撃墜され、帰らぬ人となる。


安藤 (あんどう)
演:浅利陽介
ヤマト航海班・第三艦橋クルー。原作にモデルが存在しないオリジナルキャラ。
古代とは旧知の仲であったが、第三艦橋に敵が取り付いた際に取り残され、やむなく切り離された第三艦橋もろとも爆散し命を落とす。
第三艦橋の切り離し作業は古代の指示を受けた雪により行われており、この出来事は二人の心に深い傷を残す一方、互いに惹かれ合うきっかけともなった。


地球


藤堂 平九郎 (とうどう・へいくろう)
演:橋爪功
地球防衛軍・司令長官。
旧知の仲である沖田の頼みを受け、ヤマトを彼に託す。


ガミラス・イスカンダル


デスラー
声:伊武雅刀
地球を襲う謎の敵・ガミラスの正体。
本作における「ガミラス」は地球側のコードネームに過ぎず、彼ら自身は「デスラー」と聞き取れる未知の発音による名を自称する。
結晶のような身体構造を持つ鉱物生命体の群体であり、無数に分裂してガミラス兵(ガミラスロイド)や他の生命体に寄生し、操ることができる。
分裂したすべての結晶体が「デスラー」という意識の元に統合されており、当人は自らの性質を聖書の一節になぞらえて「アルファであり、オメガである」と称した。
侵略の目的は地球を新たな母星とすることであり、寿命の尽きかけた母星を捨てて地球へ移り住もうとしていた。
原作同様に遊星爆弾による放射能汚染はそのための環境改造の一環である。
人類とは異なる論理で動いていることを想像させる淡々とした口調が特徴的だが、感情が一切ないというわけではないらしく、終盤には激しい情動を垣間見せる場面もある。

斉藤・真田両名の犠牲によって母星の中枢を破壊されたことでほとんどの分裂体が死に絶えたが、一部の生き残りが地球に帰還したヤマトに奇襲をかけ*14、更に超巨大ミサイルによって地球を道連れにしようとする。各種兵装をすべて失ったヤマトは、砲口を塞がれたまま波動砲を放って自爆し、ミサイル諸共爆散する他なかった。


イスカンダル
声:上田みゆき
地球にメッセージ入りのカプセルを送った張本人で、その正体はデスラーと同一の存在。
地球侵略をよしとせず、滅びゆく母星と運命を共にすることを選んだ鉱物生命体の一側面であり、デスラーによって母星の深部に幽閉されている。自らが備える放射能除去能力の一部を母星の座標および波動エンジンの設計図と共に地球に送り込み、ヤマトを自らの母星へと導いた。
多大な犠牲を払いながら自分の元に辿り着いた古代らの前に姿を現した後は、雪の身体に乗り移って同化し、彼女に地球全体を浄化できるだけの放射能除去能力を授けた。


◆メカニック


地球


ヤマト
『地球最後の宇宙戦艦』と称される巨大戦艦。デザインは概ね原作に準拠している。
イスカンダルの設計図によって製造された波動エンジンにより、空間を跳躍するワープ航法が可能。
艦首には波動エンジンのエネルギーを最大出力で放つ最強の武器・波動砲を搭載しており、
その他の兵装もガミラス艦の装甲に対し難なく有効打を与えられるレベルの破壊力を秘めている。
ガミラス・イスカンダル星に接近した際にガミラスが放ったミサイルによって砲口を塞がれ、以降は波動砲を撃てなくなってしまう。
なお、困窮する地球から旅立った割にやけに酒が大量に積まれている*15のも特徴。


コスモゼロ
古代が搭乗する戦闘機。コールサインは「CZ1」。
『チーム古代』時代からの彼の愛機であり、最新鋭機のコスモタイガーにスペックでは及ばないものの、
古代の操縦技術もあってガミラス機に引けを取らない機動力を見せる。
機首に可動機構が搭載されており、機体を二つ折りにして急制動をかけることが可能。
さらにアナライザーユニットの搭載や作業用アームの展開、ステルス機能など、様々な機能を備えている。
機首周りの3本アンテナは原作に近いが、コクピットから後ろはF-22など近代の戦闘機を思わせる薄型のフォルム。
旧式機だが古代の復隊・戦闘班長就任に伴って急遽ヤマトに搭載されたものと思われる(そこからコスモタイガーの訓練をしても間に合わないだろうし)。


コスモタイガー
ブラックタイガー隊が搭乗する最新鋭戦闘機。ガミラスに通じなくなったステルス機能を廃し、より戦闘能力を高めているのが特徴。
本作では敵艦に肉薄してマーキングを行うことで、ヤマトによる艦砲射撃のターゲティングを行う役目も果たす。
『コスモタイガー』の名を冠してはいるが、黒と黄色のカラーリング含め、見た目はどちらかというと原作のブラックタイガーに近い。


ガミラス

ガミラス側のメカニックは、全体的に原作とは似ても似つかない有機的なフォルムが特徴。


デスラー艦
生き残りのデスラーが搭乗する超巨大戦艦。地球を目前にしたヤマトの前にワープアウトして攻撃を加えた上、超巨大なガミラスミサイルを放って地球を滅ぼそうとした。


空母
羽を広げたような形状の、空母的性能を備えた艦。ガミラス戦闘機を多数放出してヤマトに襲い掛かる。


戦艦
羽を畳んだような形状の艦。火星沖の決戦では多数の艦が連携を取り、地球側の艦をことごとく蹴散らした。


戦闘機
空母から無数に放出される小型のガミラス機。機首にはガミラス兵のボディを搭載している。


円盤型の艦
艦隊を波動砲で殲滅された直後に突然現れて第三艦橋に取り付き、自爆しようとしたため第三艦橋ごと切り離された。
古代はステルス機だったのだろうと推測している。
本作のガミラス艦として珍しく原作のドメラーズ2世を再現している。


ガミラス兵
異様に長い手足が特徴的なガミラスの白兵戦用ボディ。字幕やサントラの曲名では「ガミラスロイド」とも呼称される。
鋭い腕部での刺突攻撃に加え、エネルギー弾による銃撃戦も行う。


◆余談

  • 『ALWAYS 三丁目の夕日』に出演した縁によって現場に遊びに来ていた子役当時の須賀健太が、藤堂の演説に耳を傾ける群衆に紛れてカメオ出演している。

  • ヘンな邦画や妙な実写化作品を取り上げることに定評のある漫画『邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』のSeason2 10本目にて本作が取り上げられている。『制服が革ジャンっぽい』『「ヤマト感」と「キムタクのドラマ感」がぶつかり合う内容』『柳葉敏郎による青野武の声真似が終盤にかけてどんどん似ていく』など、おおむね本作の印象的な要素は押さえてあるうえ、『終わったと思ったら終わっておらず、死んだと思ったら死んでおらず、ヤマトも沈んだと思ったら復活したり……』と、『ヤマト』シリーズそのものをネタにした発言まで飛び出す内容となっている。

我々は決して追記・修正を忘れない種族だ……



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  • 地上波放送当時に観たけど、個人的には割と楽しめた一作。製作側が意図してたかは知らないけど、今思えばデスラーやイスカンダル絡みの描写も石津嵐氏の小説版ヤマトを彷彿させる印象も。 -- 名無しさん (2022-09-28 07:13:26)
  • 名作ではないと思うけど決して駄作ではない -- 名無しさん (2022-09-28 07:38:37)
  • レンタルDVDが異常な程並んでるのは見た気のは記憶にある、50本くらいあったんじゃなかろうかw一応相応の理由はあったけどもさ -- 名無しさん (2022-09-28 08:53:23)
  • そもそも興収41億円の時点でそこいらの”ヒット作”をはるかに超えてるんだよなあ。異例のヒットで一年間に渡って公開が続いたガルパン劇場版でさえ25億止まり -- 名無しさん (2022-09-28 09:07:38)
  • 宇多丸が作品名一切出さずに酷評レビューしてたのすき(放送局が協賛) -- 名無しさん (2022-09-28 09:08:41)
  • ↑スポーツマンシップ・ヤマダのやつか -- 名無しさん (2022-09-28 10:39:42)
  • 旧アニメにあった脅威の再生能力も無くなってるから最終盤でボロッボロになったヤマトはある意味新鮮で、それを見る為だけでもこの映画を見る価値はある。 -- 名無しさん (2022-09-28 11:42:13)
  • ↑4無理に通ぶらんでも・・・ -- 名無しさん (2022-09-28 11:51:01)
  • 駄作という訳ではないが、色々と惜しい作品。不遇の名作とはこの事だろうか? -- 名無しさん (2022-09-28 12:08:11)
  • 駄作という評価は聞かれたけど、個人的には劇場行ってよかったと思ってます -- 名無しさん (2022-09-28 12:41:51)
  • 制作費を興行と円盤と地上波放送権で回収できなかったガッチャマンやデビルマンに比べたら遥かにマシ。 -- 名無しさん (2022-09-28 16:58:49)
  • 特撮描写と出演陣には文句なしだったが、娯楽大作かと思ってたらヤケに重苦しい作風だった事、結末が「さらば~」と同じ終わり方である事に必然性を感じられなかったのが大いに不満だった。 -- 名無しさん (2022-09-28 17:27:44)
  • もう言われてるけど、色々惜しいんだよなぁ 決して悪くはない -- 名無しさん (2022-09-28 19:51:23)
  • 不満点は数あれど酷評に値するようなものでもなし。だからって手放しで褒められるかというと首を傾げる。本当に「惜しい」という評価がピッタリすぎる -- 名無しさん (2022-09-28 21:31:17)
  • ツッコミどころは多々あるけど、ツッコミどころしかなくて中盤くらいで疲労感が限界に達する復活篇よりは楽しめると思う -- 名無しさん (2022-09-28 21:40:56)
  • まあこれがきっかけで本家ヤマトに手を出す人もいただろうから、その意味でもいい作品だと思うよ(実際俺もこれがきっかけで2199を見た) -- 名無しさん (2022-09-29 01:52:52)
  • 楽しめたっちゃ楽しめたがキレるのもわかる作品である。原作が許さんぞガミラス、ぶちのめしてくれるわ!って感じだけどこっちは全体的に葬送曲って感じだ。 -- 名無しさん (2022-09-29 23:57:45)
  • 元々別の監督がやる予定だったけど原作と別物になりすぎてたのを山崎監督が原作沿いに軌道修正したみたいだし、タイトルの件も含めて少なくともこの作品では山崎監督はなるべく原作を尊重する方向で動いてる…と思う -- 名無しさん (2022-09-30 00:19:45)
  • 仮面ライダー鎧武のシド、どっかで顔見た気がするとずっと思ってたけど謎が解けた。加藤だったのか。 -- 名無しさん (2022-09-30 07:08:52)
  • まぁキムタクのキャラクター性もキムタクの魅力だけど -- 名無しさん (2022-09-30 07:36:34)
  • 前年公開のスタートレックリブート一作目級とはいかずとも6割くらい追いつけてれば…と思って劇場に行って肩を落としながら帰った思い出 -- 名無しさん (2022-09-30 23:17:09)
  • 山崎貴はダメだって -- 名無しさん (2022-10-01 00:05:02)
  • 一作の映画に詰め込んだにしては十分に楽しめた内容だった、原作に思い入れがないからなのかもしれんが、主人公の演説シーンはシンゴジラより この作品のほうがずっと素晴らしい -- 名無しさん (2022-10-06 01:14:46)
  • 個人的には結構好き。やっぱりヤマト発進からの波動砲発射シーンはいいものだ。 -- 名無しさん (2022-10-06 01:49:39)
  • ↑3なんでや!ジュブナイルとか三丁目の夕日とか名作やろ! -- 名無しさん (2022-10-10 23:52:30)
  • これはこれで悪くはなかったが、映画の尺を考えても初代の劇場再編集版をベースにできなかったのかと思ったりもする。 -- 名無しさん (2022-11-16 17:21:38)

#comment

*1 地球防衛軍の地下ドック(横山ダム内部)やヤマト艦載機格納庫(伊勢湾フェリー『鳥羽丸』船内)など、一部は実在のロケ地をそのまま使用している。
*2 そもそも山崎監督作品のタイトルに英語が使われるのはどちらかといえば阿部秀司プロデューサーの意向によるところが大きい模様。
*3 予告編では「地球滅亡まであと73日」と明記されている。
*4 上映時間にしてわずか1時間17分と少し。
*5 一部に初代と『完結編』のオマージュも含む。
*6 助けた相手に何かと「これで貸し一つな」と恩を着せようとする、昔馴染みの部下の挨拶に「誰だっけ?」ととぼけて返す、艦長の無茶振りに背を向けて「イーッ」と歯を剝くなど。いわゆる「キムタクっぽい」要素は概ねこのあたり。
*7 キャラデザを担当した松本零士が45歳(初期設定)をもう年寄り扱いしていたのが原因
*8 気絶していた古代が目を覚ましたシーンをよく見ると、さっきまで即死レベル(14Sv)だったはずの空間線量が安全圏(0.130Sv)になっており線量計の故障と思ったのか端末を揺さぶっている
*9 原作では弟。
*10 柳葉自身、容姿が真田に似ている自覚はあり、電話を受けた瞬間真田役だと理解したとか。
*11 真田共々、『さらば』での死に様がほぼ再現されている。
*12 西田は禿頭でこそないがやや低身長かつふくよかな体格で、原作における徳川のイメージにかなり近い。さらに形状こそ違うものの、しっかり髭を生やしている。
*13 『さらば』や『ヤマト2』、後の『2202』とほぼ同様の死に様である。
*14 この時に原作のデスラー総統そっくりの青い結晶体の姿で現れた。
*15 食堂の酒類サーバーにマッカランやジャックダニエル、いいちこなどが入れられているという設定があり、本編でもチラッとラベルが映る場面がある。

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