タウナギ/トゲウナギ

ページ名:タウナギ_トゲウナギ

登録日:2022/08/28 Sun 23:26:00
更新日:2024/06/27 Thu 10:23:09NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



タグ一覧
魚類 アニヲタ水族館 食用 外来種 淡水魚 熱帯魚 アニヲタ動物図鑑 ウナギではない 意外と美味しい タウナギ トゲウナギ



タウナギ/トゲウナギとはタウナギ目に属する魚の仲間である。


英語では前者はswamp eel沼鰻、後者は読んで字のごとくspiny eel棘鰻と呼ぶ。
当項目ではタウナギだけでなく、その近縁種であるトゲウナギについても説明する。


概要

タウナギは東アジアから東南アジア、果ては南米にかけて生息する魚であり、
茶色い体色と鰭が全く存在しない蛇の様な姿と一見すると魚に見えない姿を持つ。
普段は泥や砂に潜って隠れているが呼吸には水上の空気が必要であり、
時々顔を出して呼吸に現れるがこれができないと溺れて死んでしまうという魚らしくない生態を持っている。
その代わり普通の魚と違って地上に出ても窒息することがないので乾燥しない限りは長時間生きていられる。
目は非常に小さく、視力も悪いがその代わり振動に敏感であり、
地上の振動を感じ取るとすぐに巣穴に逃げこんでしまう。
体長は平均して40~50㎝だが稀に1mもの巨体に成長する大型個体も存在する。
食性は小魚や甲殻類や水棲昆虫を食べる肉食性。
また数ある性転換する魚の一つでもあり、小さいうちは全てメスだが
ある大きさを境にオスになるといい、大型の個体はほぼすべてがオスである。


トゲウナギは東南アジアから南アジアといったアジア地域やアフリカに
かけて生息している魚で名前の通り背中に鋭いトゲが生えている。
大きさは種によって異なり、小さな種は15㎝程度だが大きな種はなんと1mに達するものも存在する。
こちらは胸鰭と背鰭及び尾鰭があり、ウツボかウナギに似た姿である。
やや長い鼻を持った独特の顔つきでその先には三つに分かれたヒゲのような器官があり、これを動かしながら餌を探す。
タウナギ同様こちらも肉食性で水棲昆虫、甲殻類が主な餌だが後述する大型種は小魚を捕食することもある。




外来種として(タウナギ)

実はタウナギは日本では外来種として定着している事でも知られる。
諸説あるものの日本に入って来た時期は1900年代で中国大陸、或いは
朝鮮半島から食用にするために持ち込まれたものが起源と言われている。
しかし体内の血液が非常に多く、調理が面倒であること、
更に肉も癖が強いことから日本では結局食用として浸透せず
水路や沼などに捨てられた結果そのまま定着してしまったものが起源であるとされているのだ。
しかも困ったことに田んぼのあぜ道に穴を開けて水を抜いて稲をダメにしてしまったり、
水路から金魚の養殖池に侵入しては金魚を食い荒らしたりと関係者にとっては
悩みの種になってしまっているのである。
現在は関東地方にも進出していると言われるがどちらかといえば
京都や奈良、兵庫などの近畿地方に多く定着しているので
関西に住んでいるアニヲタ諸兄の中にはもしかしたら目撃したり
捕獲したことがある人もいるかもしれない。


捕獲方法(タウナギ)


用意するものは

  • タコ糸
  • 釣り針
  • 餌になるもの

たったこれだけである。
そう、ザリガニ釣りと同じく大掛かりな仕掛けは全く必要ないのだ。


餌に関しては土を掘って捕獲したミミズを使うもよし、
前もって魚肉ソーセージを買い、それを餌にするのもよしなのだ。
だがタウナギは先述した通り視力は悪いもののその代わり振動に敏感であり、
地上の振動を感じてすぐに逃げて隠れてしまう。
そこで捕獲者にはタウナギがどこにいるかの知識、隠れてしまったタウナギが
出てくるのを待つ忍耐力の両方が必要となる。
力も意外と強いので油断すると餌だけ持っていかれてしまうこともある他、
噛まれるとかなり痛く、大型個体になると最悪の場合流血沙汰になるので注意。



利用


食用

先述の通りタウナギは食用として利用される。
日本ではその風味故にあまり馴染まなかったとされるが
アジア諸国ではよく食されているポピュラーな食材である。
中でも中国では古来より食用としてなじみ深い淡水魚の一つでもあるようで
細切れにしたタウナギの身を豆板醤や唐辛子といった辛いスパイスや
ごま油やオイスターソースと絡めて炒めたりと濃い味付けにされて食されてきた。
台湾には「炒鱔糊」という甘酸っぱいあんかけと絡めた料理があることで知られる。
他によく食すのは韓国やベトナム、タイのようだ。
一応日本でも定着しているのでその気になれば
自分で捕獲することもできるしそれを料理してもいいが先ほど述べたように血の量が多い魚なので
捌く際はキッチンが殺人現場のような状況になるのを覚悟しておこう。


トゲウナギは東南アジアでよく食される食材で大型種の
レッドスパイニーイールやタイヤトラックスパイニーイールが利用されている。
こちらもタウナギ同様ウナギと名がつくが食感はまるで別物で
どちらかというとスズキのような白身魚に近いという。


観賞用

両種ともにペット、つまり観賞魚としてもよく飼育される。
体が柔らかいのでそれほど大きな水槽を用意しなくても飼えないことはないが
柔軟な体故か脱走名人な魚としてもよく知られ、僅かな隙間からも抜け出してしまえるので
隙間という隙間をウールマットなどで塞いでおこう。
餌は生餌を好むが慣らせば人工飼料も食べてくれる。
餌を食べるスピードはそれほど速くなく、特にトゲウナギは意外と
痩せやすいので混泳相手に気を付けよう。
そして多少は先述したがタウナギは強い顎を持っているし、
トゲウナギは名前の通り鋭いトゲが生えているので素手で掴まないように。
それさえクリアすれば広い水質に適応し、病気にも強いタフな魚なので飼って楽しい観賞魚である。


ちなみに人慣れした個体は餌をおねだりするようになるので非常に可愛い。



主な種類


タウナギ


  • タウナギ

東南アジア~東アジアに生息している種類。
沼や池、田んぼといった流れのない水域に棲息しており、
泥や砂底に身を潜めているが夜になると餌を探しに這い出てくる。


日本にいるのは全て外来種とされる一方で沖縄にいる種だけは
遺伝子の構造がやや異なっており、在来種という説もあるようだ。


  • シンブランクス

南米に棲息する種類。
見た目自体はアジアのそれとほとんど変わらないがより大型化するようで
中でもアナコンダシンブランクスと呼ばれる種はなんと150㎝にもなるという。


トゲウナギ


  • ファイヤースパイニーイール

最大1mとトゲウナギの仲間では最大級で飼育下でも50cmほどになる大型種で
青黒い体色と名前の通り赤い模様がところどころ走っているが幼魚の頃は
その赤い模様が黄色い。小さければ生きた魚も捕食する。
野生下では成長に従って汽水域に移動するようだが飼育下では特に塩分はいらない。
別名レッドスパイニーイールとも。


  • タイヤトラックスパイニーイール

名前の通りタイヤの跡のような網目模様が体に走っている。
最大で70cm以上とファイヤースパイニーイールと並ぶ大型種だが
大人しい性格なので気が強い魚と入れるといじめられてしまうことも。



  • ピーコックスパイニーイール

25㎝ほどと中型種に相当する名前の通り
クジャクのそれのような目玉模様がある。



余談

両種とも名前にウナギを思わせる体型で名前にも鰻とつくが実は
ウナギとの関係は全くと言っていいほどなく
意外なことに遺伝子的にはスズキの仲間に近いという。


追記・修正は用水路で釣りあげてからお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)

[#include(name=テンプレ3)]


#comment(striction)

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧