七人の武器屋(ライトノベル)

ページ名:七人の武器屋_ライトノベル_

登録日:2011/12/31 (土) 04:01:21
更新日:2023/08/10 Thu 15:38:01NEW!
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ライトノベル 富士見ファンタジア文庫 青春 武器屋 大楽絢太 今野隼史 ×エクスカリバー ○エクス・ガリバ 七人の武器屋



「必要なのは、最初の一歩を踏み出す勇気!」


七人の武器屋は富士見ファンタジア文庫から刊行されたライトノベル。
著者はヤキトリこと大楽絢太。
イラストレーターはアルファナッツなどでおなじみの今野隼史。
小説が全9巻で完結済み。
同イラストレーターによる女性陣にスポットを当てたオムニバス形式の漫画「七人の武器屋1/7」が全1巻で、こちらも完結済み。
ジャンルは「お気楽起業ファンタジー」。


物語はドラゴンが闊歩し、専門職「ドラゴンキラー」が戦うファンタジックな世界で進行するが、主人公たちが世界を救ったり世界の真理に迫ったり…ということは無い。
胡散臭い広告に引き寄せられて集まったオコサマ七人全員が武器屋「エクス・ガリバー」のオーナーとなり、各々の「マイウエポン」や個性を生かした接客術「オーナーコンボ」を駆使し、経営に奮闘したり、悪質な詐欺や店舗の倒壊等といった困難に立ち向かったり、自分の夢と今の居場所の二者択一を迫られたり…
といった自分が進むべき将来についての悩みや葛藤といったものが話の中心となっている作品。



◆主要登場人物  
◆マーガス・アルニレックス
(うーむ。俺の人生…これで本当に大丈夫なんだろうか?)
この物語の主人公にして語り手。15歳の「人生の浪人」で、両親は新聞の懸賞で当たった世界一周旅行中。
「フラン」という街で進学も就職もせず、自分の人生がこんなんでいいのかと悩みながらもいいかげんな毎日を送っていたある日、ふと目にした武器屋のオーナー募集のチラシの内容に激しく共感し、オーナーになる事を決意する。
空気でこそないが何かと地味なキャラで、小説の人物紹介欄でも「一応主人公」と書かれる始末。更に特技もピッキングとまた地味なもの。
ベタな熱い展開に憧れている節があり、時折妄想が暴走して他の仲間に呆れられている。
マイウエポンは様々な投擲武器が収納されており、ワイヤーを巻き戻す事で回収が可能な「スナイパーポーチ」。が、5巻で激闘の末壊れ、以降も慌ただしい状況だったためついに修理されることはなかった。
通常営業時のオーナーコンボは未登場だが、3巻目では臨時のオーナーコンボとして自ら戦場に赴き、武器を失ったドラゴンキラーを相手に、戦闘中に直接武器を言い値で販売する「デリバリーウエポン」を敢行した。
「お客様、安すぎます! 命が惜しくないんですか!?」



◆イッコ・エヴリン
「なにいってんのよぉ、アタシは本気よ、いつだって」
マーガスの幼馴染。17歳の「情熱の女」。
フランに20億ドルクの売り物として建てられた巨大建築物「サンク・マリカ大聖堂」を、ある理由から本気で購入しようとしており、武器屋オーナーに志願したのも悲願達成の為。
非常に強気で勝気な性格で、武器屋メンバーを引っ張る存在。
マイウエポンは1m半はある大剣「ビッグバン・ソード」。女性でも問題無く扱える軽さと尋常ではない威力を両立しているが、イッコがサイズを小さくする事に反対した為強度が犠牲となっており、2回使っただけで粉々に砕け散るというロマン武器と化した。
強化型の「ビッグバン・ソード・グラビティ」は攻撃した相手の重力を0にし、空の彼方まで吹き飛ばせるようになった他、
強度面が改善(?)され、1回使えば絶対に壊れるようになった
イッコ曰く、2回は中途半端で嫌だった、1回の方が潔くていい、という事らしい。
また5巻では第3の武装「ビッグバン・ソード・レジェンド」も登場したが、仕様が「打撃を受け止め、すかさず打撃を倍にして叩きつける」カウンター型だったため、その後もグラビティが多用された。
「アタシはあきらめない! 死んでもサンク・マリカを買うんだ! アタシが生きる事をあきらめないかぎり、アタシは誰にも殺されない!!」



◆ジャン・ダルク
「うるせー」「ケッ」「言わんこっちゃねぇ」「バーカ」「おいおいマーガスよぉ」
15歳の「ノリで生きる男」。愛すべきバカ。
親友のマーガス曰く、自分の発現に責任を持たず、何か新しく思いついたその瞬間に直前まで持っていた思想、思考、ポリシーがリセットされる「その場の勢いだけで生きる男」。
ジャンケンが異常に強く、基本的に無敗、あいこになるのもごく稀で、未来を見通せる者にも張り合うというチートっぷり。
でも愛の力には負ける。
自分たちが窮地に立たされると現実的で冷めた立場にまわる事も多いが、なんだかんだで仲間を見捨てる事は無い。
マイウエポンは先端から水が流れ出す「アモスの剣」。
オーナーコンボは商品を購入する際にジャンとジャンケンをし、客が勝てば商品を値段の10分の1の値段で売るという「ジャンンケン払いのジャン」の「勝率0%ジャンケン」
「何気に、世界でジャンケンが一番強いの、十中八九オレですよ」



◆ノン
「心の底から絶望を信じて、仲間を乗り越える覚悟。みんなで作ったじゃーん」
イッコの親友であり、マーガスとも顔なじみ。17歳の「のんびり癒し系」。
物語の開始時点で既に相思相愛の婚約者(公務員)がおり、2巻エンディングで結婚した。以降のフルネームは「ノン・ライアン」(旧姓は不明)。
オーナーになった理由は結婚理由が親の決めたお見合いだったため、「一度くらい自分から進んで行動してみたい」と感じたことから。
基本的におっとりしていて、やや天然気味。だが意外にも行動力はある。料理や菓子作りが非常に上手く、主婦スキルはバッチリ。
既に伴侶を決めているせいかメンバーの中で一番大人びており、皆のなだめ役になる事もしばしば。
どんな時でも笑顔を絶やさないが、婚約者の前や仲間が辛い思いをしている時はその限りではない。
マイウエポンは包丁を飛ばせるボウガン「エンジェルボウ」。5巻では改良型の包丁マシンガン「ジェノサイド・エンジェル」も登場した。
オーナーコンボは自作クッキーを客に振る舞う事で場を和ませる「ピースメーカー・ノン」の「警戒解除クッキー」
「包丁ってね? 主婦のもってる一番の武器なんだよー」



◆ドノヴァン・レイン
「この七人は、偶然集まった七人じゃないと思ってる。この七人で、店をやってみたい」
身長が2m近くある16歳の「心優しき大男」。
初志貫徹を絵に描いたような男で、色々な意味でメンバーの最後の砦となる事が多い。
幼いころから煙突掃除夫としてフランに出稼ぎに来ており、自分を受け入れてくれた第二の故郷に自分の店を持ちたいという夢を叶える為に武器屋オーナーに志願した。
なぜか妙に間が悪い。
マイウエポンは頑丈で、毛は炎を打ち消す効果のある竜の髭で作られている「ロンギヌスのモップ」。
オーナーコンボはドノヴァンと腕相撲をし、勝てば商品を100分の1の値段で商品を購入できる「アムレス払い」。
ドノヴァン自身は屈強な肉体を持っているためそう簡単に負ける事は無いが、ジャンのようなチートスキルを持っているわけではないので、一流のドラゴンキラーのような彼を越える程の力の持ち主が相手だとどうにもならなくなるという弱点がある。
だが、愛の力は偉大だった。
「……ホッペにチューなんて、まったく聞こえなかったわん……」



◆ミニィ・ヴァレンタイン
「えっへん! ミニィ、エクス・ガリバー大好きだもん!」
15歳にして多くの男を翻弄する「超一流ブリッコ」。
高級住宅街に家を構えるお金持ちのお嬢様で、上目遣いや手足をジタバタさせる等のあざとい仕草、擬音を言葉にするキャピキャピとした話し方等、正に絵に描いたようなブリッコ。
武器屋で働きたい理由も「昔憧れたお兄さんが武器屋だったので、武器屋で働いている男の人しか好きになれないから」という奇想天外な動機。
だが猫を被った裏表のある性格という訳ではなく、仲間を何よりも大切にし、窮地とあらば共に命を賭けて危険に飛び込んだり、時には不甲斐ない仲間を叱責し、奮い立たせる事もある。
マイ・ウエポンは捻ると先端の熊が骸骨に変形し、シビレ薬が発射されるロッド「ゴローちゃん」。
1巻以降はミニィが修学旅行先「橙の国」で服薬も併用した高速機動と無機物破壊技「髑髏石拳」を身につけて帰ってきたため*1登場していない。
オーナーコンボは子犬ルックで登場し、愛想を振りまく「子犬のミニィ」の「BBL(ブリッコバーニングラブ)」
「大丈夫ですぅ。それ、ミニィの残像ですよ☆」



◆ケンジ・ムラマサ
「オレには、武器に魂入れるって事の意味が分かんないんス」
メンバー最年少の12歳の生意気な「悩める天才鍛冶屋」。6巻のみ彼が語り手となっている。
いつも不機嫌そうな顔をしており、愛想も無く、年長者にも取ってつけたような敬語しか使わない上、語気を荒げるとタメ口になる。
剣に気持ちや魂を込めるという事の意味を知るべく剣を外から見つめ直す為に、武器屋オーナーに志願した。
本人は隠しているが、マーガスと同じく冒険的なシチュエーションに憧れを抱いている。
マイウエポンは磁力を利用する事で「呼べば飛んできてくれる相棒刀」を具現化した「妖刀電磁ムラマサ」。凝りに凝ったため完成は6巻になってからだった。
オーナーコンボは伝説の武器の贋作をケンジに作らせ、それを高値で売るという「悪魔に魂を売ったケンジ」による「伝説の武器無断増殖」。
武器の性能も贋作とはいえ本物に勝るとも劣らないスペックを叩き出し、更に形だけでなく特殊能力まで再現可能。
「誰が悪魔に魂を売ったんスか!? アンタらが無理矢理作らせたんでしょうが! ああ、伝説の武器を複製するなんて……終わりだぁ、オレは終わりだぁ―――!!」



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  • 7つの武器を持つハンt -- 名無しさん (2014-11-27 21:56:21)
  • 将来の話とか、店の危機を皆の協力で乗り切るとか、割と王道の青春ものだからラノベの中でも子供向けっぽいというか、児童文学とラノベの中間というか、青い鳥文庫辺りでも違和感なさそうな作品。そしてこの世界の武器屋が強すぎて吹いた記憶が。まあそんな七人の武器屋が大好きなんですけどね。 -- 名無しさん (2015-02-09 12:13:04)
  • 一度読んでしばらく経ってからもまた読みたくなるし楽しめる良作だと思う。毎回事件を七人全員で乗り切るっていうスタンスがはっきりしてて良い -- 名無しさん (2015-02-09 21:57:04)
  • 子供向けでアニメ化できると思うんだけどなぁ。深夜でもいいからアニメ化期待してますぜ -- 名無しさん (2019-02-01 14:58:11)
  • マーガスの指名手配されたときの「アルニレックスって名字だったのか」みたいな会話でツボった記憶 -- 名無しさん (2020-09-11 22:22:08)

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*1 他にもケンジの姓同じ名の剣ムラマサやマーガス用の投擲武器、輸出禁止の鉱物をこっそり持ち帰り、ケンジにマイウェボンの材料として提供している。

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