ATビークル(STAR WARS)

ページ名:ATビークル_STAR WARS_

登録日:2021/12/26 Sun 00:35:52
更新日:2024/06/17 Mon 13:14:10NEW!
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star_wars 銀河共和国 銀河帝国 ファースト・オーダー スター・ウォーズ 珍兵器 歩行兵器 ウォーカー 全地形対応




ATビークルとは、映画『STAR WARS』シリーズに登場する兵器群である。
「ATシリーズ」「ATライン」あるいは和訳である「全地形対応ビークル」などとも呼称される。
旧三部作、新三部作、続三部作の全ての時代で登場し各種スピンオフにもよく出てくるシリーズ恒例メカニックの一つであり、ファンには馴染み深い存在となっている。



【概要】

製造元はクワット・ドライブ・ヤード
このシリーズに属するビークルは大半が「AT-○○」の名を冠しており、ATとはAll-Terrain(全地形対応)の略である。
その名の通りありとあらゆる地形で運用可能な汎用性が特徴であり、車輪でもキャタピラでもなく動物のような脚部での歩行による移動は地面さえあればほとんどの環境で安定した性能を発揮できた。
現実に即して見ると珍兵器もいいところなのだが、様々な星が舞台となるスターウォーズ世界では多種多様な地形が戦場となるため車輪を用いた従来のビークルでは汎用性に欠けるのである。


汎用性以外の強みとして、脚部が存在することで生じる巨大な生物のようなシルエットが齎す高い威圧効果が挙げられる。
機体によってはご丁寧にコックピットも生物の頭部のような造形となっており、クリーチャーか何かと錯覚させるような迫力は他の兵器に無い強みにして最大の魅力であるといえよう。


また、一般的なビークルに比べて可動部分が多いことから射角を広く取れたり方向転換が早かったりといったメリットも存在する。


一方で、どこでも進める代わりに単純なスピードではやはり車輪や反重力装置を使った車両や空を飛ぶ戦闘機の類に劣る。
「歩く」ことはできても「走る」ことができる機体はほんの一握り。大半の機体が鈍重であり、巨体から来る歩幅で緩和するのがせいぜい。


ゆえに、被弾が多いことを前提に分厚い装甲(と、場合によってはシールド)も程度に差はあれど共通して備えている。
同じ帝国のTIEファイター携行火器レベルの被弾でも墜落してしまうことがあったが、ATシリーズであれば手持ちサイズのブラスター類ではまずびくともしない。TIEファイターが脆すぎとも


その他にもいくつもの長所・短所が存在するが、機体によりけりなのでここでは割愛する。


【主な機種】

○共和国時代末期

共和国グランドアーミー設立に伴い実戦投入された。
旧三部作で猛威を振るったATビークルが味方側にいるという頼もしさに胸を躍らせた視聴者も多いことだろう。
帝国が樹立し頼もしかったATビークルが敵になっていく過程も含めて…。


AT-TE(All Terrain Tactics Enforcer)

EP2から登場したATシリーズ。
製造元はクワット・ドライブ・ヤードの子会社ロザナ・ヘビー・エンジニアリング
AT-ATの前身だけあり、火力・装甲共に非常に強固な共和国グランドアーミー地上軍の主力兵器。
時系列的には最古株のATビークルだが、曲線的な装甲や地を這うような六本足の構造など、さながら昆虫を思わせるそのシルエットで一際異彩を放つ機体でもある。
多くのATビークルが持つ「高所からの攻撃」というアドバンテージは薄いが、多脚構造と重心の低さゆえに撃破されても横転せず即席の砦として使い続けられるというメリットもある。
汎用性も後継機以上であり、小惑星などの足場があればなんと宇宙空間でも運用可能。『クローン・ウォーズ』劇中ではアナキンの優れた戦術により戦艦を落としたこともある。
輸送機である低空強襲トランスポート・キャリアーとはセットで運用されることが多く、前線まで運ばれてから歩行による進撃を開始する。キャリアーごと撃墜されオシャカになることもしばしば……
後継機が台頭するまでは帝国初期にも運用され続けており『バッド・バッチ』にて帝国仕様のものが登場。
また、制御チップを摘出した元クローントルーパーのレックス・ヴォルフ・グレガーの三人は釣り船風に改造したAT-TEを移動住居として帝国から隠れ住んでいた。


AT-RT(All Terrain Recon Transport)

AT-STやAT-DPの前身となった二足歩行の機体。
EP3にてオーダー66を回避したヨーダを捜索するためキャッシークをパトロールしていた。
後継機と違ってコックピットが剥き出しであり、360°広い視野を持つ代わりにパイロットを守る能力はかなり低い。
数少ない「走れる」ATビークルであり、機動力と相まってバトルドロイドの大群の中をも突き進むことができるが、対ビークルでは火力・装甲ともに不足を感じさせるものとなっている。
劇中描写の通り、機動力を活かして敵地制圧後のパトロールも得意とする。


AT-OT(All Terrain Open Transport)

8本の脚に屋根の無い胴体という奇抜な外観が特徴的な輸送機。
劇中ではEP3にてフェルーシアの森林を進軍するアイラ・セキュラの後ろを歩いていた。
前後に2門ずつ砲門を備えてはいるが、見た目通り戦闘は不得手としており、安全圏での兵員輸送が本来の運用法である。収容人数は驚異の34人。
没シーンではオーダー66発令に伴い集中砲火でジェダイを射殺するトラウマものの活躍(?)をしている。


AT-AP(All Terrain Attack Pod)

なかなか珍しい三本の脚部を持つ機体。
長距離射撃を得意としており、基本的に二足歩行だが射撃時には反動軽減と姿勢制御のために三本目の脚を使う。
EP3にて何度か映っている。キャッシークのあるシーンではよく見ると後ろから来たHAVw A6ジャガーノートに轢かれそうになっている


AT-AA(All Terrain Anti Aircraft)

正史分類ではあるもののゲームにのみ登場する。
クローン戦争の最後の年に完成・投入されたとされており、名前通り対空射撃を得意とする。


●帝国時代

共和国を再編した帝国が運用する機体が多数登場。
すなわち敵としての登場である。
撮影技術の未発達な当時の特撮でも滑らかに動く歩行兵器が視聴者に与えた衝撃は言うまでもない。


AT-AT(All Terrain Armored Transport)

恐らく最も有名なATビークル。実は泳げるとか。
帝国樹立から5年後の『フォールン・オーダー』時点で既に実戦投入されている。
帝国地上軍の主力として運用され、EP5のホスの戦いにて堅牢な装甲と圧倒的な火力により反乱同盟軍を蹂躙する姿は帝国の強大さを視聴者の目に焼き付けた。
装甲・火力共にATシリーズでも上位であり、反乱同盟軍のスノースピーダーのレーザーは全く通用せず、逆にAT-ATのレーザーはスノースピーダーを一射で落としシールド発生装置もあっさり粉砕してしまうなど、その性能差はもはや理不尽とすら言えるほどであった。
全高相応にコックピットも高所に設けられているため視野の広さも強みとなるが、重心が高くバランスが悪いという弱点にもなっており、何らかの手段で脚部の安定性を崩されるとたちまち横転してしまう。
これは多くのATシリーズに共通する弱点であるが、当機は四足歩行であることから実はこれでも他よりは安定性がある方だったりする。
また、コックピットと胴体を繋ぐ首のような通路と胴体の底面は装甲が薄い。無論どちらも戦闘機ではそうそう狙える場所ではないのだが、劇中では転ばされたところで首を撃ち抜かれたり、ルークにライトセーバーで胴体底面を破壊されてサーマル・デトネーターを投げ込まれたりといった方法で撃破されている。
ちなみに明確な型番等はハッキリしないものの、複数のモデルの存在が語られており、『反乱者たち』に登場した「初期型」のほか、ゲーム作品に登場する強化版の「エリートAT-AT」や続三部作に登場したファースト・オーダー仕様のものなども存在する。
初期型については脚をライトセーバーで簡単に切断されて瞬殺されたりとでかい割に性能は控えめで、AT-TEに慣れ親しんだヴォルフとグレガーからは「ひょろひょろ」「よく躓かないな」と結構な言われようだった。


AT-ACT(All Terrain Armored Cargo Transport)

『ローグ・ワン』に登場したAT-ATの派生機。
胴体部分に着脱可能なカーゴが埋め込まれており、重要拠点での物資輸送に使われている。
視界確保のため全高はAT-ATを上回るが、輸送用のため装甲は薄くなっており戦闘能力はかなり落ちている。
カーゴを載せていない中空きの状態だと構造的な問題で強度がさらに落ちる。
ただそれでも歩兵に対する無類の強さは健在であり、ロケットランチャーがコックピットに直撃してもほぼ無傷と、拠点防衛に使う分には十分すぎる性能を誇る。


AT-ST(All Terrain Scout Transport)

出番の割にAT-ATに次ぐ知名度を誇るであろう二足歩行タイプ。
AT-RT時代の弱点を埋める形で、コックピット部分を丸ごと覆うような箱型の胴体を持ち、その側面に備え付けられたブラスターやミサイルやグレネードなどで攻撃を行う。
走ることができる機体でもあり、火力・耐久力・機動力がバランスよく揃っているが、やはりサイズ的な限界もあって対ビークル攻撃には弱い。
帝国時代にはAT-ATに次いで広く運用されており、AT-ATの弱点である胴体下部を守るように配置されたり、AT-ATでは侵入不可能な閉所や市街地に投入されている。
少なくとも三種類のモデルが確認されており、チキン・ウォーカーの愛称で知られる出番が数秒しかないEP5仕様と、エンドアに配備されたイウォークに丸太で倒されるEP6仕様と、EP8に登場しBB-8にハイジャックされるファースト・オーダー仕様が存在する。
映画本編ではかなり微妙な扱いだが、『ローグ・ワン』ではパルチザンと帝国のゲリラ戦がAT-STの投入で形勢が傾いたり、『マンダロリアン』や『フォールン・オーダー』ではボスキャラ扱いだったりと、スピンオフ作品では割と優遇されている。


AT-DP(All Terrain Defense Pod)

AT-ATの前半分、あるいは脚の長くなったAT-STのような容姿をした二足歩行のウォーカー。
大きさの割に実はAT-STより武装は少なく、どちらかと言えば長身ゆえの視野の広さと威圧性を活かした市街地の監視・防衛に重点が置かれており、『反乱者たち』ではしょっちゅう出てきてはハイジャックされて僚機に容赦なく破壊される不憫なやつ。
EP5に向けてデザインされていたウォーカーの没デザインが元ネタであり、実際先述のEP5版AT-STが最も近い姿をしている。


AT-DT(All Terrain Defense Tallet)

『ハン・ソロ』にてミンバンに投入されていたウォーカー。
一人乗りの二足歩行であり、胴体の左半分を貫くように設けられた主砲が印象的。
パイロットは剥き出しで、前面装甲も砲撃のフラッシュバックを防ぐため程度のものだったりと軽装甲であり、対ビークル攻撃には(以下略


ATホーラー(Y-45 Armored Transport Hawler)

同じく『ハン・ソロ』に登場。
AT-DTとセットで運用されている輸送機。ゆえに厳密にはATビークルではない。
機体下部にビークルを吊り下げて前線まで空輸を行う。
他にはAT-STなども運ぶことができ、さらにはトバイアス・ベケットの一味が海賊行為に悪用するためこの機体を鹵獲しており、輸送機としての汎用性の高さがうかがえる。


AT-PT(All Terrain Personal Transport)

ゲーム作品にてレジェンズから復刻したウォーカー。
レジェンズ設定では共和国時代から存在しており、AT-STの前身とされている。AT-RTとAT-STの過渡期にあたる機体なのだろうか。


AT-MP(All Terrain Missile Platform)

ゲーム作品にてレジェンズから復刻したウォーカー。
名前の通り巨大なミサイルポッドが備えられている二足歩行の機体。


●新共和国時代以降

ファースト・オーダーが運用しており、引き続き敵として登場する。
新機種多数の他AT-ATとAT-STは最新型が続投。
ただ、新共和国の統治下で表立って動けないファースト・オーダーに大企業であるクワット・ドライブ・ヤードが兵器を提供することは問題があるからか、系列企業であるクワット・エントラーラ・エンジニアリングが製造元となっている。
同社上層部の役員の中にシスの信奉者がおり、その手引きでシス・エターナルやその尖兵であるファースト・オーダーに裏ルートで兵器を流しているとのこと。


AT-MA(All Terrain Mobile Artillery)

EP7にてスターキラー基地に配備されていた、基地防衛に特化した四足歩行のウォーカー。
……なのだが、ハックス将軍の演説のシーンで端っこに映っていただけで出番が終了したため性能の程は不明。映ってないだけでスターキラー基地に奇襲をかけたレジスタンス部隊に応戦はしていたと思われる。
サイズはAT-ATと同程度。


AT-PD(All Terrain Patrol Droid)

ATシリーズ唯一の無人機。つまりドロイド。
広すぎて兵士だけでは監視しきれないスターキラー基地をパトロールしている。
こちらもEP7劇中で背景同然であるため性能の程は(以下略


AT-M6(All Terrain Mega caliber 6)

EP8時点での最新型四足歩行ウォーカー。
AT-ATの1.5倍近いATシリーズ最大の巨体に加えて脚部に装甲が追加されていたりと非常にゴツく威圧感の増した造形になっており、一目でAT-ATの強化版だと分かる見た目をしている。
AT-AT同様の重武装に加えて分にメガキャリバー6ターボレーザーを搭載しており、これは「敵施設をシールドごと貫通して粉砕する」を設計思想とする脳筋極まりない最新兵器である。
当機は専用のジェネレーターを搭載することでそんな代物を連射でき、ATシリーズ最大の巨体もジェネレーターの搭載スペースの確保と発射の反動に耐えるためのものである。
……ただ、劇中では相手が相手だったためその破壊力を実感できるシーンは乏しい。
過去作に囚われない発想で賛否の分かれるEP8だが、過去作の面影を残しつつも大胆な進歩を遂げた新規メカニックの数々は間違いなく大きな見所の一つであり、当機もその代表例と言えよう。


AT-HH(All Terrain Heavy Hauler)

重量物を牽引するためのビークル。牽引物も全地形対応じゃないと困りそうである
遠目にはキャタピラと見間違えそうな平たいボディをしているが全地形対応の名を冠する通り歩行移動であり、太く短い大量の脚で力強く進む。
全高こそ低いものの横幅や全長に関してはかなり大型であり、単純な体積だけならAT-M6ともいい勝負。
ファースト・オーダーの攻城戦の最終手段である小型スーパーレーザーことバッタリング・ラム・キャノンは当機との同時運用が前提となっており、全長200mを誇るキャノンをわずか2機で射撃位置まで牽引する脅威的な馬力をEP8にて発揮していた。


AT-HS(All Terrain Heavy Scout)

EP8に登場予定だったウォーカー。
名前的におそらくAT-STの強化版的な立ち位置の機体であり、AT-STをタコっぽくしたような独特の外見をしている。
未登場に終わったものの正史でも存在とデザインは確定しており、EP8公開当初からLEGOのキットも発売されていた。
LEGOから存在を知り本編のどこに出ていたのか探そうとして見つけられなかった方も多いのではなかろうか。


UA-TT(Urban Assault Triped Transport)

ATビークルではないが系列機なので記載。
EP9にてキジーミで運用されていた。
AT-APの系譜にあたり、その特徴を引き継ぎつつもUrban Assault(都市強襲型)の名の通り都市部での運用に特化されている。
AT-APが射撃時の姿勢制御のために使っていた三本目の脚部を発展させてクローの付いたマニュピレーターに置き換えており、姿勢制御に加えて障害物の撤去や敵への直接攻撃にも使うことができる。


【余談】

製造元として設定されているクワット・ドライブ・ヤードはスター・デストロイヤーの製造も行っている。
続三部作でも同様に、リサージェント級やマンデーターⅣ級やジストン級といった新型スター・デストロイヤーは新型ATビークルと同様にクワット・エントラーラ・エンジニアリングが製造している。
一方、反乱同盟軍や新共和国やレジスタンスが運用したAウイングも系列企業であるクワット・システムズ・エンジニアリングが製造しており、シーンによっては子会社と親会社あるいは子会社同士の撃ち合いになっていることもよくある。





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  • クワットのスターウォーズ界 -- 名無しさん (2021-12-26 01:15:35)
  • クワットはスターウォーズ界のアナハイムか -- 名無しさん (2021-12-26 01:16:55)
  • そんなATの装甲を2、3射でぶち抜く新スターツアーズのスタースピーダー1000…お前のような旅客機がいるか -- 名無しさん (2021-12-26 09:55:20)
  • ATSTはスピンオフだと強いのにEP6だと帝国兵共々イウォーク達にボコられてたな。チューバッカに鹵獲された事の他にイウォーク達にチノ=リがあったからか? -- 名無しさん (2021-12-26 13:06:58)
  • レジェンズだと蜘蛛型のATとかもあったような -- 名無しさん (2021-12-27 00:07:30)
  • 鎧武のロックビークルの元ネタ -- 名無しさん (2021-12-27 00:22:01)
  • ↑3 実はイウォークの村は時折ゴラックスという巨人に襲われてるので、その対ゴラックス用トラップをAT-ST相手に転用したという事情がある -- 名無しさん (2021-12-27 20:32:00)
  • そういえばSPHA-Tが載って無いんだが……一応ウォーカー系なのに -- 名無しさん (2021-12-28 06:41:21)
  • ↑入れるかとても迷いましたがAll-Terrainではないので除外しました -- 作成者 (2021-12-29 00:07:54)
  • 某漫画の映画化でこれをイメージした謎のキャラがモブででくる(制作陣曰くパロディらしい)、なんかいい脚をしていて騒動のあとにバッテン絆創膏がつけられていたのが印象的 -- 名無しさん (2022-07-21 20:26:02)

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