星のカービィ デデデ大王の脱走大作戦!

ページ名:星のカービィ デデデ大王の脱走大作戦_

登録日:2021/07/21 (水曜日) 00:03:34
更新日:2024/05/30 Thu 13:50:28NEW!
所要時間:約 21 分で読めます



タグ一覧
星のカービィ 角川つばさ文庫 苅野タウ・ぽと 高瀬美恵 児童文庫 小学中級から デデデ大王 断食 デデデ大王の脱走大作戦! アリー ミノーレ ミノレーゼ 理想の王




真犯人を見つけ出し、

ごちそうを取りもどせ!!



『星のカービィ デデデ大王の脱走大作戦!』とは、角川つばさ文庫より出版している小説版星のカービィシリーズの一作である。
作:高瀬美恵
絵:苅野タウ・ぽと
対象年齢:小学中級から
価格:680円(税抜)



概要

つばさ文庫版星のカービィシリーズの第20弾。
2021年7月14日に刊行された。


第20弾という大台に乗った本作は、遂にデデデ大王が明確な主役として抜擢された。
過去にもデデデ大王がフィーチャーされた回はあるにはあるが、いずれもデデデだけが物語の主役というわけではないので、彼単独が取り上げられるのはこれが初。
……その記念すべき回でよりによって食料を盗んだ濡れ衣で捕まるのは、果たして何の因果だろうか。
長くシリーズが続き、色々掘り下げられてきたデデデの人柄が更に掘り下げられただけでなく、物語の核にも「王」の存在が関わっており、それに伴って「理想の王とは何か」というテーマが据えられている。
また、星のカービィの世界観では極めて珍しく、イスラム教の要素(後述)を取り入れた、宗教色の強い国が舞台なのも特徴。


オリジナルキャラも登場する。



あらすじ

デデデ大王とワドルディ、カービィは、山もりの
ごちそうがふるまわれるお祭りに参加するため、
砂の惑星・ミノーレへ出発! でも、お祭りの
ごちそうをぬすんだぬれぎぬを着せられて、
大王とワドルディが牢屋に入れられてしまった。
二人を救出するため、カービィとメタナイトは
調査に乗り出すが…? いっぽう大王たちは、
ミノーレの少年・アリーと脱走大作戦を決行!
真犯人を見つけ出し、ごちそうを取り戻せ!!!
デデデ大王が大かつやく! 大冒険のお話だよ!!
(裏表紙より引用)



登場人物

レギュラー

自分勝手でわがままな、自称プププランドの王様。
カービィに負けないほどの食いしんぼう。

「朝は小さなパンケーキ一枚、昼はおかゆ一杯、そして夕ごはんがこれか! この宿屋は、町でいちばんと聞いていたのに、なんということだ……!」


本作の主役。
食べ放題のお祭りに参加しようとワドルディ、カービィと共に惑星ミノーレへ向かう。
だが出発前、ワドルディが断食のことを説明したにもかかわらず全く聞かなかったため、初日から飢えに苦しむ羽目に。
おまけに食料庫から食べ物を盗んだ犯人として決めつけられ、ワドルディと一緒に牢屋に囚われてしまった。
濡れ衣に怒り心頭のデデデは真犯人を見つけ、無実を証明するべく、牢屋で出会ったアリーと共に奮闘することになる。


ミノーレ独特の風習のせいで常時食い物に困っていることに加え、怒り(と食い意地)から早く真犯人を捕らえようと躍起なせいか、冷静さを欠いた言動が多々見られる。
一方で、カービィの助けなど当てにしないと言いつつも、彼の居場所を知らせる作戦に気付いた時は一瞬嬉しそうにしたり(ワドルディに見られてすぐ隠したが)、いつもの如くワドルディを大切に扱っていたりと、単なる自分勝手だけではない憎めなさは健在。
謎が多いアリーの正体を察するなど、例によって勘が鋭いところも。
ただし、今回に限って言えば彼の推測は外れていた。



デデデ大王の部下でカービィの友だち。

「大王様がぐーたら遊んでいられるのは、プププランドが平和だからですよ」


偶然届いた旅行のチラシを彼が見つけ、ミノーレの事をデデデに教えたのがきっかけで今回の物語が始まった。
しかし、食べ物を盗んだ犯人として捕まったデデデ大王を庇おうとして、自身も牢屋に入れられてしまう。
本作では(小説版の)デデデ大王を「りっぱな王様」と評し、理由をアリーに問われて説明する場面があるのだが、その解釈が実に的を射ていて唸らされること請け合い。上記台詞はほんの一部であり、是非とも手に取って読んでみて欲しい。
更に終盤、前作を経てかデデデ城のトレーニングルームで鍛え続けていたことが発覚。非力ゆえに戦闘では活躍できないことが多かった過去作とは、まるで見違えるような活躍を見せてくれる。



食いしん坊で元気いっぱい。
吸い込んだ相手の能力をコピーして使える。

「ぼくなら、一口でりんご百個は食べられるよ! りんご百個食べたいよ~!」


祭り前の断食のことを知らず、デデデ達と同じく飢えに苦しむ(話を聞いてなかったので自業自得)。
デデデ達が囚われた時は無実を証明するため、真犯人を捕まえようと動くが、流石に一人ではどうにもならずボロボロの姿でメタナイト達に助けを求めた。
中盤で変装するために紙袋を被ったカービィの挿し絵は必見。



常に仮面をつけていて、すべてが謎に包まれた剣士。

「放っておくわけにもいくまい。それに、デデデ大王に貸しを作るのも悪くない」


戦艦ハルバードでのお茶会中にカービィからの通信が入り、デデデに貸しを作っておくのも含めて協力することに。
相変わらず目的のためなら容赦がなく、自身の知名度とプレッシャーで宿屋の主人に聞き込みを行う場面はほぼカタギの後ろめたい弱みを握っているヤクザの脅迫である。
本来の予定ではそれさえ済めば、後は事の真相を兵士の詰め所で証言するだけだったのだが、既にデデデ達が脱走した後だったため折角の聞き込みが無意味に*1
これ以上、彼らに下手な立ち回りをする(させる)とデデデの潔白証明が困難になるため、合流する際に兵士達に追われた時は、自身含めて戦闘を避けることを優先した。それが無ければきっと派手に大暴れしたかったことだろう



惑星ミノーレ

  • 宿屋の主人

「あいつです! うちの宿屋に泊まってる、あいつが犯人です!」


デデデ達が泊まった、ミノレーゼの宿屋の主人。
一日目の夜中、レストランを探しに宿屋を抜け出そうとしたデデデを止めるが、食料が盗まれた事件の翌日になんと宿泊客であるはずのデデデが犯人だと虚偽の告発をし、兵士達に引き渡してしまった。
どう考えても本当の事を隠しているため、カービィ達からは目下重要人物としてマークされることになる。



  • 大臣

「大事な食料をぬすんでおいて、なんと、しらじらしい。兵士諸君、こいつらを牢屋に放りこめ!」


惑星ミノーレの大臣。でっぷり太ったヒゲの男。
食料が盗まれた事件の翌日、宿屋に訪れて主人の証言をもとにデデデを犯人と断定、捕らえるよう命令する。
一方で「ヒャヒャヒャ」という露骨に悪人じみた笑い声や、宿屋の主人には昨晩起きた「何か」を口止めしているなど、あからさまに怪しい発言も目立つ。



  • アリー
惑星ミノーレの住民。
長い間、牢屋に入れられている。

「おまえら、うたがいが晴れないかぎり、自分たちの星に帰れないぜ」


囚われのデデデとワドルディ、その隣の牢屋にいた囚人。
見た目はターバンを被ったアラビア風衣装の少年で、一人称は「オレ」。


どこかだらしない性格の子供で、何故か長いこと牢屋に囚われており、最初は先輩面してデデデ達に囚人同士仲良くしようと話しかける。
だが、無実の罪で捕まった二人を気の毒に思い、一転して協力を持ちかけ、看守を騙して町へと脱走した。
以後は三人で身を隠し、たまたま見つけたレストランで食料にありつきながら機を待ち続けることとなる。


この国、特に先代の国王について思うところがあるらしく、デデデ達や町の住民から聞いた悪評にショックを受けたような素振りを見せ、
大王を名乗るデデデに対して「良い王様って、どんな王様のことなんだ?」と質問攻めしたことも。
更に、普通の住民なら知り得ないはずの王宮の構造を把握しているなど、只の少年ではないことからデデデやメタナイトに怪しまれるが……。


「どうしても、とぼける気なら、オレ様が当ててやろう。おまえの正体は……」


「あの王宮を造った大工だな!」


「……へ?」


どうしてか王宮の秘密の入口や、大臣の部屋の位置を知っておりその大臣から警戒されているアリーに対し、デデデが導き出した答えは「王宮を造った大工」
細かい所までよく知っているが故に、王宮の秘密をばらすことがないよう牢屋に閉じ込められていた……と、自信満々に推理を披露。
あまりに突拍子もない推理に思わずアリーも吹き出し、笑いながら認めるのだった。



  • 「たっぷり亭」の店長

「いいわよ。少しだけど、分けてあげましょう」


牢屋から脱走後、腹をすかせるデデデ達が見つけたレストラン「たっぷり亭」の店長。
料理店の気の良い女将さんといった印象がうかがえ、腹ペコの人を放っておけない優しい人。
ミノーレの掟には従いつつも空腹に困る旅行者をかわいそうに思っているらしく、こっそりと食べ物を分けてくれた。
しかも、後で手配書からデデデ達がそれと同一人物だと気付いても、本当に犯人なら空腹にはならないはずと兵士達に告発せず隠し通した。
この人がいなかったらデデデ達はとっくに飢えで倒れていたことだろう。



  • 食料を盗んだ真犯人

ミノレーゼの食料庫から食料を盗み去った人物。
当然ながらデデデとは違うのだが、虚偽の証言によってデデデがその犯人と疑われてしまい、更には脱走したことでワドルディ達も含めて指名手配書が町中に貼られてしまった。



むだなことを。国王の力など、必要ない。



わしには、この『雨呼びの水晶』があるからな。



明日の祭りの主役は、わしだ! ヒャヒャヒャ!



食料を盗んだ真犯人の正体は、あろうことかミノーレの大臣その人。
真犯人と裏で繋がっている協力者なんて生易しいものではなく、国の重職自体が悪事に手を染めていたのだ。


食料を盗み、宿屋の主人にウソをつかせ、デデデに罪をなすりつけた本当の目的。
それはわざと祭りを台無しにして、祭りの儀式で国王に扮して神の怒りを騙り、怒りを鎮めるためと称して国民に重労働を強制し、莫大な利益を得ることだった。
そのために先代の国王に野心を隠して取り入り、信頼を得て、雨を降らすのに必要な『雨呼びの水晶』を自分に託させた。
後は用済みとばかりに王座から引きずり下ろし、同時に先代のいとこを名ばかりの王に仕立て上げ、実権を握った。
つまり、代替わりしてから雨を降らせていたのは全て大臣によるもの。
国王を王宮の部屋に監禁している上に、王の決まりごとである「国王は人前に姿を見せない」「儀式の時だけ出てきても、ベールで覆い隠すので周りに顔が分からない」などの要因も重なり、実態が国民に露呈することはなかった。
誰もが「国王が祈りを捧げ続けているおかげで雨が降っている」と信じて疑わなかったのである。


食料を盗み出したあの日、宿屋の主人に見られたのは完全な偶然であったが、他言すれば命はないと脅した上で翌朝にも現れ、適当な犯人をでっち上げるかどうかをテストしていた。
大臣の報復を恐れた主人も、仕方なくデデデを犯人に仕立て上げて引き渡した。これが一連の濡れ衣の真相だったのだ。


祭り当日には予定通り、顔を隠して国王に扮し、儀式に登場。
食料が盗まれたせいで神が怒っていると民に向けて説き、今までの二倍働き、二倍の作物を実らせ、二倍の料理を捧げろと要求し、逆らう者に水晶の力を振るって雷を落とすなど、もはや欲望に溺れた権力者としての本性をあらわにする。
その横暴に誰よりも怒ったのは……。



やってることは例の如く弁明しようがないザ・クズなのだが、なまけ癖がひどい先代国王のままでは民がずっと苦しむと危機感を抱いたことも事実であり、
元を正せば先代にも非が全くない、というわけではなかった。
先代追放もあくまで現状を良くしたい思いからである。
アリーによると本来仕事はよくできる方らしいが、同時に欲深さも糾弾されており、今回の一件に関しては民のためと言いつつ、それも結局は自分のためでしかなかったとも本物の国王に指摘された。


しかし全てが終わった後、民の姿を見てようやく自分の過ちに気付いたとのことで、
事件解決後は意外にも自ら罪滅ぼしをしたいと申し出て、水不足にあえぐ地方での労働に従事することが決まった。
本当に反省したのか、今も野心を隠しているのか不安な所もあるが、大衆の前で悪事が知れ渡った以上、どのみち王宮にはいられないだろう……。
直近のオリキャラの悪役達が辿った末路に比べると、けっこう温情な結末とも言える。



ちなみに、作中通して重要人物であるにもかかわらず立ち絵が一つも存在しない。またか



  • 国王

惑星ミノーレを治める王様。
神に祈りを捧げ、雨や風を起こす不思議な力を持っており、そのおかげで首都ミノレーゼだけは水に恵まれ、野菜や果物を育てることができた。
普段は王宮の奥に閉じこもって滅多に姿を見せず、年に一度儀式があるお祭りの日にだけ白いベールを被り姿を現すという。
そんな国王の在り方を、取り調べ中にベテラン兵士から聞いたデデデは「顔すら知らんヤツを、尊敬できるか?」と懐疑的な反応だったが、兵士が言うには常に祈りを捧げ続ける国王と神様の力が無ければ食料に困るため、住民はありがたみを忘れず感謝しているという。


一方で先代の国王はとんだ怠け者だったらしく、予定通りに雨を降らせず作物を枯らしてしまい、祭りの日に至ってはいつもの半分も料理が作れなかったという。
結果、先代は王宮から追放され、そのいとこが現在の国王となった。



は、は、反省しております! おゆるしくださいませ! どうか、どうか……!


……ん?


なんで、大臣がおまえにあやまってるんだ? おまえ、いったい……?


オレは……いや、私は……




私は、アリオン・サンディアール・ミノレット七世。




王宮から追放された、先代の国王だ!




  • アリー/先代国王 アリオン・サンディアール・ミノレット七世

囚人アリーの正体にして、ミノーレの追放された先代国王
一人称もアリーの時とは全く違い「私」。
民のあいだで悪評が絶えなかった先代の国王こそが、他でもない彼本人であった。


元々アリー……アリオンは亡くなった父王の後を継ぐ形で王様になったのだが、当のアリオンは怠け者で、退屈なことが大嫌い。
役人の報告を聞いたり、会議に出てどれぐらい雨を降らせるのか決めたり、彼にとってつまらない毎日ばかり続いていた。
しかも、大事な雨を降らせる儀式は一人でやり遂げなくてはならず、誰も手伝ってくれないため、次第に嫌気が差した彼は王としての仕事をさぼるようになってしまう。
勿論、彼に仕える人々はそれを許さない。だが叱られるたびにふてくされ、余計に何もする気にならなくなる。


そんな彼に一人だけ優しくしてくれたのが、大臣だった。
王としての責務を強いる周りの大人達と違い、大臣はアリオンを甘やかし、遊びたいなら辛い仕事は全部自分に任せてくれればいい、と買って出る。
アリオンは大臣に心を許し、辛い仕事の一つである儀式に必要な、雨降りの水晶を彼に渡した。


だが、その水晶こそが大臣の狙いであった。
アリオンは王宮を追放されてしまい、代わりにいとこのホリーが新しい王様となるも、それは名ばかりの王。国を動かす権力を大臣が握ってしまったのである。
国王を追い出すという企みに気付いた時には、アリオンは牢屋の中。看守はみな大臣の言いなりであり、どんなに訴えたところで誰にも真実は届かなかった。



一生を牢屋で過ごすのだろうと諦めていたアリオンだったが、そこに転がり込んできたのがデデデ達であった。


アリーを名乗って彼らに接した際、旅行者なのに無実の罪で捕まったと知って二人を気の毒に思い、共に脱出してからは町の人々の声を聞き、自分が追放されたこと、今の国王が歓迎されていることを知る。
ならば、むしろ真実を明かしてはいけないのでは?
そう考えたアリオンはこのまま、只のアリーとして生きようと一度は考えるも、食料を奪った真犯人の正体が大臣であると分かり、全てを明らかにするべく戦う決心をしたのであった。
また、町で潜伏中にワドルディから「なぜデデデが立派な王様なのか」についての理由を聞いており、彼の返した答えがアリオンの価値観に大きな影響を与えていくこととなる。



王族系のオリジナルキャラとしては『星のカービィ メタナイトとあやつり姫』のマローナ姫(および父親のメレンゲール)以来。
自分の立場に窮屈な思いをしていた、という点では奇しくもマローナと似ており、それが行動を共にした者(メタナイト/デデデ)との交流で悩みと向き合い、変化していく流れも同じである。


なお、メタナイトは彼の言動から正体をうっすら察していたようだが、デデデは「王宮の構造に詳しいこと」に着眼点が行ってしまったせいか、王宮を造った大工ではないかと推理して見事に外す格好となった。
秘密を隠していることを見抜いたまでは良かったものの、流石に出会って間もない相手ではいつもの観察眼も冴えないらしい。



  • ホリー

「すまなかった、アリオン。ぼくが、大臣の言いなりになってしまったから……こんなことに……」


現国王の正体、かつアリーのいとこ。
アリーとほぼ同じ姿をしていて、登場する挿し絵で枕に顔が隠れているので分からないものの、地の文曰くアリーとよく似た顔立ちをしているとのこと。
大臣に立てられる形でアリオンに代わる新たな国王となったが、実態は王宮の厳重に鍵がかかった部屋で閉じ込められている、名前だけの飾りの王様と化していた。
ほぼ監禁状態だったようで、現在はやせ細った姿に変わり果ててしまっている。



その他脇役・設定など

  • ベテラン兵士

「ちょうど一年ほど前に、国王様が新しくなったんだよ」


デデデの取り調べを担当した、白いひげを生やしたミノーレの兵士。
祭りのために断食すること自体おかしいとわめくデデデに、ミノーレのしきたりや王様のことを説明した。



  • 飛行部隊

ブロントバートやバードンで構成された兵隊。
鐘の音がする方向を目指して飛ぶデデデが確認されたため、捕らえるべくサイレンを鳴らしながら出動した。



  • ディングル

「ひょえ!? や、やめろ、なにをする……ひゃああああああ!」


美しい鐘の音を鳴らす種族。
プププランドに住んでいるのとは違うディングルがミノレーゼに住んでおり、いつも時計塔で決まった時間に鐘を鳴らす仕事をしている。
それに目を付けたカービィが吸い込んで「ベル」をコピーし、デデデ達に居場所を知らせるために力強い鐘の音を鳴らした。



「ワシの推理によれば、それはデデデ大王の犯行にまちがいありませんぞ」
「うらみですね!」
「うらみにまちがいありません!」
「デデデ大王は、うらまれやすい性格だス!」


揃いも揃ってデデデ大王に対する偏見がひどい。日頃の行いの結果とはいえあんたらも前に相当お世話になってるだろ……
アックスナイトとバル艦長は当初、ナチュラルにデデデの犯行だろうと思っていたし、その他の面々に至ってはウソの証言をした主人の動機をデデデに対する恨みだと主張していた。
デデデ大王が主役なので、出番は控えめだが彼らも真犯人の企みを打ち崩す作戦に参加し、終盤で活躍する。



  • 惑星ミノーレ/首都ミノレーゼ

今回の物語の舞台。由来はストレートに「実れ(みのれ)」からだろう。
大地の殆どが砂漠ばかりの過酷な環境の星で、首都のミノレーゼだけは豊かな水に恵まれている。
年に一度、食べきれないほど大量の料理が振る舞われる祭りが開かれ、外から旅行者も参加するほど人気。名物料理は名産品のスパイスをまぶした「特大スパイシー・デラックス・ステーキ」。
しかし、祭りに参加するためには一週間前からミノーレに滞在して断食に参加しなくてはならない掟があり、期間中はどこのレストランも極端に量の少ない料理しか出さなくなる。


掟の元ネタは、祭りの日まで断食する月があるムスリムの「ラマダン」と思われる。



  • 雨呼びの水晶

雨や風を起こすことができる、ミノーレの王家に伝わる秘宝。
国王はこれを使って神様に祈りを捧げて雨を降らし、ミノレーゼを作物が育ちやすい町にしていた。


水晶の力を使うのは、王が民の幸せを願うためであり、民を守るために国王は神から力を授けられている。
このため、間違っても私欲のために雨を降らし続けていると水晶は濁ってしまい、手遅れになればいつか砕け、二度と雨を降らせることができなくなる。
ただでさえ、砂漠しかない星でそんなことが起きれば……想像したくもない。



目次

  • 1.犯人は…デデデ大王!?

砂漠の惑星ミノーレの首都・ミノレーゼでお祭りを楽しむべく、断食に挑むデデデ大王、ワドルディ、カービィ。
ところが、夜中に食料庫から大事な食料が盗まれてしまう。
宿屋の主人はなんとデデデが犯人だとウソをつき、かばったワドルディまで一緒に捕まってしまい!?


  • 2.デデデ大王の大脱走!

牢屋に入れられ納得がいかないデデデは、もちろん脱走を決意。
彼らを手助けしたのは、隣の牢屋にいた少年・アリーだった。


  • 3.良い王様の条件

なんとか牢屋を抜け出したデデデら三人は、近くの空き家に身を隠すことに。
アリーは大王を名乗るデデデのあり方に興味があるようだが…?


  • 4.デデデ大王救出作戦

疲れ果てたカービィがメタナイト達に助けを求め、やっと合流を果たす。
ウソをついた宿屋の主人をメタナイトが問い詰めると、主人は真犯人にまつわる本当のことを白状し始めた。


  • 5.特別な鐘の音

ミノレーゼに鳴り響く鐘の音は、普通の鐘が発しているものではない。
カービィはそれを利用してようやくデデデと合流に成功するが、異変は兵士達にも知られてしまい……


  • 6.王宮へ忍びこめ!

無事に合流した一同は真犯人の企みを知るために、アリーとデデデが王宮へ忍び込む。
そこでは、真犯人が国王になり代わって雨を降らしていたこと、明日の祭りを乗っ取るという恐ろしい計画を聞いてしまう。


  • 7.決戦前夜

真犯人の悪事を暴くため、祭りの日に向けて作戦を練るカービィ達。
状況は厳しいが、みんなやる気に満ち溢れていた。


  • 8.真犯人を追いつめろ!

ミノーレの祭りの日がやってきた。
民の前に現れた真犯人……ニセ国王は、神の怒りを理由に理不尽な要求を突きつけ、不思議な力で雷を巻き起こし、人々をパニックに陥れる。
悪事を阻止すべく、怒りのデデデ達は衛兵らを相手に大乱闘を引き起こす!


  • 9.事件の真相

なぜ、真犯人は雨を降らすことができたのか。本物の国王に何があったのか……
戦いが終わり、遂に全ての真実が明らかとなった。


  • 10.みんなのお祭り

事件が解決し、今度こそ始まったミノーレのお祭り。
はちきれんばかりのごちそうの山に、デデデもカービィも上機嫌だ。


  • 11.理想の王様

お祭りも大成功し、王宮に泊まることになったデデデ達。
アリーはデデデに、自分のこれからのことを語り出した。




前『星のカービィ カービィファイターズ 宿命のライバルたち!!
次『星のカービィ ナゾと事件のプププトレイン!?の巻




追記・修正は七日間の断食に耐えてからお願いします。

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  • イスラム教をモチーフにするって大丈夫なのかな? -- 名無しさん (2021-07-21 07:03:59)
  • タイトルがどうしてもコロコロコミックの1エピソード感あるw -- 名無しさん (2021-07-21 08:40:17)
  • 秘密隠してたって、点に関しては当たってたんじゃない? -- 名無し (2021-07-21 15:40:18)
  • デデデはとりあえず疑われる所から始まるブレなさ -- 名無しさん (2021-07-25 21:44:31)
  • ↑4 黒い任天堂……にしたってねぇw -- 名無しさん (2021-07-25 22:38:49)
  • まさか子供が王様などと初見ではわかるまい・・・ -- 名無しさん (2021-08-13 20:18:16)
  • つぎ -- 名無しさん (2021-08-14 11:17:40)
  • ↑ミス 次のやつはどんなクズが登場するのか -- 名無しさん (2021-08-14 11:18:24)
  • 次回は…多分オリジナルストーリーだな。カービィ新作を題材にするには早すぎるし -- 名無しさん (2021-09-30 16:35:16)
  • ディスカバリーは次の次だろうな… -- 名無しさん (2021-12-07 18:36:02)

#comment(striction)

*1 大人しく牢屋にいれば証言して釈放できる可能性があったので、余計に疑われることもなかった。とはいえ誰が一番怪しいかという重要な情報は得られたので、完全に無駄だったわけではない。

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