登録日:2021/07/05 Mon 18:38:00
更新日:2024/05/30 Thu 11:39:13NEW!
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▽タグ一覧
ガールズ&パンツァー ガルパン ドイツ 脳筋 熊本県 お金持ち グラーフ・ツェッペリン 学園艦 黒森峰 黒森峰女学園 西住まほ 逸見エリカ 西住流 ティーガーi ドイツ軍 名門校 女子高 マンモス校 架空の学校 学校
これが王者の戦いよ
西住流に逃げるという道は無い
黒森峰女学園とは、アニメ『ガールズ&パンツァー』に登場する学校。
劇中では専ら「黒森峰」と略される。
TV最終話でナカジマから一度だけ「黒校」と呼ばれた事があるが、この名前で呼ばれたのはこのシーンのみだったため、
一般にその様に呼ばれているのかナカジマがそう呼んでいるだけなのかは不明。
✠概要
熊本県を母港とする学園艦の一つ。船体はドイツ海軍の未完成空母グラーフ・ツェッペリン級を模している。
聖グロ学園艦、サンダース学園艦と並んで最大級のサイズを誇る。
他の学園艦に比べて艦内の様子が言及される機会に乏しく、特に艦内設備についての情報は比較的少ない。
画像ではそれらしいものは確認できないが、甲板の外周には速度無制限の高速道路、アウトバーンが存在するとの事。
案の定レオポンさんチームが興味を示しており、大洗の校長を連れて走りに行こうとしている。
名物はノンアルコールビールとのことで、まほ曰く一人当たりの年間消費量は150Lとの事である。
2020年のデータによるとドイツの一人当たりのビール消費量は年間約92L(世界5位)との事なので(ノンアルとはいえ)ドイツ人より飲んでいる事になる。
戦車道強豪校の一角であり、第62回全国大会の時点で9連覇の偉業を成し遂げている。
資金力や調達力にも優れているのか、入手難度の高い大戦中盤以降のドイツ戦車を高レベルで揃えている。
西住流戦車道との関係も深く、みほ、まほは元よりしほも黒森峰のOGである。
このため黒森峰の得意戦術はそのまま「西住流の戦術」、即ち重火力・重装甲と高機動力に拠り、速攻で圧殺する電撃戦である。
風紀は非常に厳しく、規則と時間への厳しさから、みほは風呂すら落ち着いて入っていられなかったと回想している。
それだけあって文字通り一糸乱れぬ見事なパンツァーカイルを形成して行軍するなど練度と連携能力は非常に高い。
保有戦車のパワーと西住流の運用術が重なり、正面を切っての戦闘や力押しの威力は極めて高い一方、
奇襲攻撃や搦め手に弱く、一度ペースを乱されると大混乱に陥るという弱点を抱えている。
保有戦車の性質上、逃げに徹されると追撃が難しい(ヘタをすると相手は逃げ回っているだけで黒森峰を自滅に追い込める)点も弱点の一つか。
また「絶対的な王者であること」自体が却って足枷になっていると思しき面もある(詳しくは後述)。
劇中の描写や大洗が搦め手を連発する傾向がある事から、視聴者間では「大洗は黒森峰の天敵ではないか」と評されていたが、
後にスタッフ側も「奇策を連発する大洗は黒森峰にとって苦手」と認めている*1。
継続高校にも手古摺らされた事があるらしく、あちらもどちらかと言えば奇襲や攪乱が得意戦術であるため、やはり黒森峰からすれば苦手な相手であろう。
校章
「中に『黒森峰』の文字が入った鉄十字」。モチーフ全くそのままである。
制服
濃灰のブラウスと黒のプリーツスカートで、襟は黒色に白の十字マークが入っている。なお、聖グロのルクリリには喪服制服と野次られた。
パンツァージャケットは黒ベースに臙脂色で縁取られたジャケットと、同じく臙脂色のブラウスとプリーツスカートで、多くは制帽を着用する。
✠生徒
大洗の対戦校としては主要キャラが少ない代わりに、試合時間が長かった事もあってかモブキャラクターが非常に多い。
所属生徒は知波単と同様、基本的にソウルネームあだ名ではない普通の日本名である。
ドイツモチーフにまほの印象などから冷徹なイメージが強いが、荒っぽい態度のエリカや普通に喜怒哀楽してるモブなど、年頃の女の子な面は多々見受けられる。
まほや小梅、元副隊長のみほが特別大人しい方なだけなのかもしれない。
当代黒森峰チーム隊長。
各校の隊長としては一際身長が高く*2、スタイルも中々に良い。
常に凛とした表情を崩さず、冷静な口調で適格に指示を飛ばす様は、正に絵に描いたようなクールビューティー。
一方で、ドラマCDや劇場版では声を上げて笑い出す(様に見える)場面がある他、
口調についても、試合以外の場面では柔らかい口調で話しているため、意識的に公私で切り替えている可能性もある。
母、延いては西住流戦車道の教えを忠実に守り、それを体現したパワフルかつスピーディな戦法で戦車を駆る。
全国大会決勝ではみほの作戦意図を察知して無駄撃ちを控えさせる、自軍にちょっかいをかけようとするカメさんチームに一早く気付き撃退する、
大洗が最も得意なフィールドである市街に予めマウスを配置しておく*3、決勝戦でもアドリブでみほと抜群のチームワークを発揮する、
実戦経験で上回る大学選抜の精鋭中の精鋭を相手に互角以上に立ち回るなど、勘が鋭く、指揮能力も抜群で、
単体で見れば弱点らしい弱点も特に無いという優秀な戦車乗りにして指揮官。
練度は高校戦車道でも最高クラスの車長と言って差し支え無く、TV版でも序盤の時点で学生MVP・国際強化選手に選抜されている事が言及されている。
劇中の描写から推測するに、高校戦車道選手としては全国的に有名人のようである。
みほは姉であるまほに対して劣等感や負い目を持っているため、特に彼女視点では姉妹仲は良くないように見えるが、
妹の友人である麻子のために黒森峰のヘリを出すなど、行動だけ見るとむしろ妹やその周囲を気にかけている節がある他、
第8話でみほに厳しく当たるしほに対し、みほには自由にやらせてやってほしいと思っているような様子もあり、
そして最終回では、みほの負い目やまほの口数少なさから姉妹仲が悪そうに見えていただけであったことが(大方の予想通り)判明した。
劇場版では、実家に帰ってきたみほを優しく出迎え、まだ母とぎくしゃくしている妹の為に一肌脱ぐなど、
みほとの関係が改善された影響もあるが、ちょっと物静かなだけの、妹思いの良いお姉ちゃんとして描かれていた。
一方、このテのキャラの宿命と言うべきか一部の派生作品や二次創作物ではどうしようもない変態シスコンキャラと化してしまっている事も多い。
流石にそこまでの描写は無く、また好みの分かれやすいネタであるため話題に出す時はTPOを弁えるように。
ちなみに好物がカレーと、普段の印象をまるで感じさせない子供っぽいチョイスな点もネタにされがちである。
劇場版で描かれた私服姿が花の女子高生にしてはシンプルかつ地味だが、『朝まで戦車道』の私服ファッションの話題で、
本人が「華美な服装は不要。しかし品質にはこだわるべきだろう。流行を追うのではなく機能性で選ぶのが最善だ」と述べているため、
ファッションにというより派手さに興味が無いのだろう。そもそも犬の散歩時の服装に派手を求めても…
詳細は個別項目を参照。
TV本編時点に於ける副隊長で、ほとんどの場面でまほとセットで登場する。
クールなまほに対してこちらはホットで、声を荒げる場面が多い。
初登場時には、みほたち大洗の生徒たちに対して、
「戦車道の品位を下げかねないので無名校は空気を読んで出場すべきではない(発言大意)」
と言い放つ、典型的なイヤミキャラとして描かれていた。
劇中のあるシーンでは戦車の故障で文字通り地団駄を踏む、
挑発に乗るな落ち着けと自分で命じた直後に八九式に攻撃されて「こぉぉのぉぉおッ↑!! 八九式の癖にぃ↑!」と見事に挑発に乗るなど、
クールなまほとの対比もあってか、頭に血が上りやすいポンコツめいた描写も多く見られた。
まほの事はみほに対する秋山殿の様に慕っており、劇場版ではまほから頼られたら一気に表情を明るくしたり、
ドラマCDでは王大河がまほの写真を撮っていたのを発見するや全力で駆け寄り自分にも写真を寄越すよう強引に詰め寄るという描写がある。
航空機の免許を持っているらしく、劇中ではヘリコプターと飛行船を操縦している場面がある。
好物はハンバーグ。ドイツに所縁があるといえばある*4食べ物なのだが、その子供っぽさから大いにネタにされるハメになった。
また、みほに話しかけるシーンは多いがみほが返事をしたり対応する場面はほぼ無い事もよくネタにされている。
詳細は個別項目を参照。
- 赤星小梅
ある意味で本作の最重要人物の一人。
本編及びEDクレジットでは本名は明かされておらず「水没子」などの仮称で呼ばれていたが、後にBDの特典で判明した。
最終章でのワンシーンから身長はエリカよりも頭半分ほど低い事が確認でき、
あちらが身長159cmである事から、140cm台後半~150cm台前半という結構な小柄と見られる。
作中で度々描写されていた前年度の大会決勝戦で川に転落し濁流に飲み込まれたIII号戦車に乗っていた人物で、
外見は若返った秋山好子(優花里の母)といった感じ。
みほが黒森峰を去る遠因となった事をずっと悔やんでおり、第63回全国大会決勝開始前にみほと再会した際、
彼女に抱えていた思いを伝える共に、みほが戦車道を続けていた事の感謝を伝えた。
劇中の出番はその程度だったが、その事でみほが長らく抱えていた迷いを解消させ、
後に「みほの戦車道」を見出す切っ掛けの一端となるなど、何気に重要度の高い人物。
その後も黒森峰の名有りモブとして度々登場しているが、その割には特に目立った活躍は無かった。小梅ファンは遺憾である
最終章第4話ではエリカ直々に「小梅」と呼ばれ、2人で戦車を飛び出して逃亡路を探すなど少しだけ目立つ事となる。
また、エリカや他の黒森峰モブの様にワーギャー騒ぐタイプの人物ではないため、
派生作品や二次創作では「常識人枠」「ツッコミ・ブレーキ役」といったポジションになる事も多い。
『もっとらぶらぶ作戦です!』での扱いはその典型であり、たまにエリカをからかうなどお茶目な一面もある。
『リボンの武者』ではタンカスロン用チーム「シュバルツバルト戦闘団」におけるエリカの副官に抜擢され、黒森峰サイドではエリカに次ぐ扱いになっている。
- 小島エミ(直下さん)
名前よりも直下さんの通称の方が通りが良いかもしれない。
全国大会でヤークトパンターに乗っていた車長。ベリーショートの髪型が特徴的。
劇中では一度ならず二度までもカメさんチームに履帯と転輪を破壊された事で「直したばかりなのにー!」と悲鳴を上げていた事から、
ファンの間では直下さん(直下ではない)の愛称で親しまれていた*5が、
最終章第2話にしてようやく名前が付けられる事となった。
ほとんどそれだけのキャラであるため、本編の描写から精々「怒りは素直にぶつけるタイプ」であるらしい程度である。
『劇場版 Variante』ではライバルであるプラウダ高校のカチューシャに対して「指揮能力が優れている」と評価している。尤もそれを言ったのがカチューシャファンの2人の前だったので魅力を教えこまれプラウダに引き抜かれそうになったが。
- 脇にヘッツァーがいるぞ子/げし子(仮称)
本名不明。
全国大会でパンターに乗っていた車長。CVは近藤妙子・アンチョビと同じ吉岡麻耶と思われる。
見た目は色を黒くして髪を伸ばしたまほといった感じで、モデルはミリオタ同人作家EXCEL氏の『どくそせん』のバウアー中尉と思われる。
劇中で何をしていたかはほぼあだ名の通りで、
おちょくり作戦で黒森峰戦車の只中に突入したヘッツァーが脇に接近した事を叫びながら操縦手の肩をげしげし蹴りまくっていた。というかあだ名の方がそのまんま過ぎる。
- III号子/アヒャ子(仮称)
本名不明。
全国大会でIII号戦車に乗っていた車長。丸眼鏡をかけ、髪をショートボブにしている。
試合では偵察やマウスの随伴をしていたIII号に乗っており、
あだ名の由来はマウスの火力と装甲を前に防戦一方になる大洗を嘲笑した際の特徴的な笑い方から。
本編ではそれだけのキャラだったのだが、劇中では突然飛んできた砲弾によって突然撃破されたように見えるため、
『もっとらぶらぶ作戦です!』では決勝で誰が自分を撃破したのか執拗に突き止めようとしたり、
スパイと間違えて捕縛された優花里を不気味な笑みを浮かべながら拷問しようとするなど、
かなり陰湿なキャラにされてしまっている*6。
また、優花里がげし子や直下といった黒森峰モブ車長たちが他の試合で見せた活躍をしっかり覚えていたのに対し、
彼女だけ活躍の記憶が全く無いなど、同作に於ける黒森峰屈指のいじられキャラとなっている。
一応、彼女の戦車は大洗戦車7輌から追い回されてマウスの居場所まで無事に逃げおおせるくらいの練度は持っている。
- マウ子(仮称)
本名不明。
全国大会でマウスに乗っていた車長。
車体の上に乗って来たアヒルさんチームに対しキューポラから頭を出して「おい軽戦車! そこをどけ!」と文句を浴びせるが、
キャプテンと佐々木から「嫌です、それに八九式は軽戦車じゃないっしぃ」「中戦車だしぃ」と一蹴された。
- バウアー
『リボンの武者』における黒森峰生徒で、シュバルツバルト戦闘団の一員。
ピンクの髪と医療用眼帯がトレードマークだが、眼帯に関してはわざわざ眼帯をめくって双眼鏡を覗くシーンがあるため、伊達メガネならぬ伊達眼帯らしい。
目立った出番は無くプロフィールも開示されていないため詳細は不明だが、
副官である小梅に次いで名前が挙げられた事からそれなりの地位にあるメンバーである事は窺える。
本編でもポスターで登場した「どくそせん」のバウアー中尉と同名で見た目もそっくりだが、カバさんチームよろしくコスプレなのか、たまたまそっくりなのかは不明。
名前に関しては黒森峰ではソウルネームあだ名を使う事が無いため、恐らく本名でプラウダ高校のクラーラの様に外国人の可能性もある。
- 西住みほ
元副隊長。
第62回全国大会決勝戦での出来事により、大洗女子学園に転校した。
OG。西住姉妹の母親にして西住流家元。
何代上の先輩かは年がバレるから不明。
✠保有戦車
劇中で登場した戦車は「プラウダ対策の重戦車偏重編成」だったらしく、他にも多くの戦車を有している可能性が高い。
ドラマCDではアンチョビの為に豆戦車を持ってきたりもしているが、II号戦車のような偵察専用の車両は保有していないとの事である。
戦車を少しでもかじった者なら誰もが知る、そうでない者でも「タイガー戦車」といえば名前くらいは聞いた事があるであろう、WWIIを代表する戦車の一つ。
アハトアハトこと88mm高射砲の破壊力と重厚な装甲の防御力は、多くの連合軍兵士を戦慄させトラウマを刻んだという。
一方で高価過ぎて生産性が低く、足回りが貧弱であるなどの問題点も抱えており、装甲が頑強という事は大重量という事でもあり、輸送面でも難があった。
「『スペックの高い兵器』が必ずしも『良い兵器』とは限らない」という好例と言える。
劇中ではまほ車として登場する車体番号212番と、みほの回想シーンで登場する車体番号217番の2台が登場している(番号に関する余談は後述)。
因みに、レオポンさんチームは「レギュレーションを無視して良いなら高級セダンの居住性とスポーツカーのハンドリングを提供できる」と豪語しており、
整備するのと引き換えにアウトバーンで走らせてほしいと持ち掛けている。
これを受けてまほは「(触りに来るのは良いが)改良はルールの範囲で頼む」とやんわり抑えていた。
ティーガーIの更なる強化版と言うべき戦車。
火力と装甲に限ってはWWII最高クラスの凄まじい性能を持つが、足回りの弱さや重量故の取り回しの悪さは相変わらずであった。
特に足回りはかなり貧弱で、移動中の故障によって放棄・自爆処分された車両が多く存在しており、生産数も500輌足らずとティーガーIの半分以下しかない。
「ケーニヒスティーガー」の愛称は、連合兵士が付けた通称「キングタイガー」をドイツ語訳して逆輸入したもの。
黒森峰は少なくとも2輌を保有しており、内1輌はエリカが車長を務めている。
聖グロのクルセイダーにも似た事が言えるが、故障率の高さは戦車道ではそれほど大きな問題とはならないため、戦車道のルールに助けられている面があるとも言える。
- IV号戦車/70(A)ラング
IV号戦車をベースに駆逐戦車化させたもの。
劇中では少なくとも6輌を保有している模様。塗装は茶色。
エルヴィンからは「ヘッツァーのお兄ちゃんみたいな奴」と言われていた。かわいいですエルヴィン殿!
T-34に対抗すべく開発された中戦車。
ドイツ中戦車の決定版とも言うべき、走攻守のバランスに優れた優秀な戦車。おまけに値段もお手頃でIV号の1.2倍程度とコスパにも優れる。
足回りは貧弱であったがその他のスペックでは連合戦車の多くを上回り、特にM4で倒すのは性能上かなり困難だった。
後にイギリスのセンチュリオン共々「主力戦車(MBT)」構想の先駆けとなるなど、戦車開発史上全体でも大きな役割を持っている。
G型はパンターシリーズの実質的な最終型にして最も多く生産されたバージョンで、「G」と言いつつも7番目ではなく3番目の型である。
更に言えばパンターのバージョンは「D型(最初期型)」→「A型(改良型)」→「G型(後期型)」→「F型(G型の後継だが開発中止)」という謎の変遷になっている。
何故このような事になっているのかは未だにはっきりしていないらしい。
劇中では少なくとも6輌を保有している模様。塗装はサンドイエロー。
小説版の『劇場版』では、優秀な戦車である事から日本のみならず海外でも人気が高い一方で、
生産数が少ない事から大学や実業団チームが持って行ってしまい、高校チームには中々手が届かない戦車という設定。
大学選抜も紅白戦で使用しており、複数台を保有している描写があるが、
悲しい事に「圧倒的に格下であるM4で残らず撃破される」という愛里寿の強さを見せつけるためのかませ犬扱いであった。
因みにあんこうチームの麻子が好きな戦車でもあるが、その理由は「別に何でも良いが、とりあえず高性能で高コスパだから」というかなりテキトーなもの。
また、パンターF型はまほの好きな戦車である。
没案となったティーガーIの試作車、所謂ポルシェティーガーの予備パーツをリサイクルして作られた戦車。
誕生経緯が経緯であるため生産数は少ないが、その高い火力で少なからぬ戦果を挙げている。
全国大会決勝戦では1輌が試合に参加しており、塗装はサンドイエローで、紗希に「薬莢……捨てるとこ……」と言われた戦車でもある。
- ヤークトティーガー
ティーガーIIの駆逐戦車化バリエーション。
ただでさえ強力な砲火力は大戦中最強クラスにまで増強され、建物を貫通してその向こう側にいたM4を撃破したという逸話が伝わっている。
装甲も正面250mmと分厚く、連合軍戦車の主砲では撃破不可能という高い防御力を持つが、
ベースがベースであるためやはり足回りが致命的に弱く、生産数も極少なかった。
全国大会決勝戦では1輌が試合に参加しており、塗装は赤茶色。
- ヤークトパンター
パンターを改造し駆逐戦車化させたもの。
パンター以来の装甲と速力を受け継ぎつつ火力を更に高める事に成功している。
ドイツ戦車共通の問題点も一緒に受け継いでしまっている面もあるが、総じて優秀な駆逐戦車だった。
全国大会決勝戦では1輌が試合に参加している。
活躍云々よりも車長の放った「直したばかりなのにー!」「ウチの履帯は重いんだぞー!!」の叫びの方が有名であろう。
小説版の設定では、パンター以上に人気が高いが例によって生産数が少ない事から入手が難しいとの事。
大戦序盤に於けるドイツ軍の主力戦車。
当初はドイツ軍はIII号戦車を主力、IV号戦車を補助・支援に位置付けており、
数的にも性能的にも不足気味だったものの、改良を重ねて大戦中盤まではこのIII号で戦い抜いている。
しかし高火力・重装甲なT-34が登場するといよいよ力不足の感が無視できなくなり、性能強化も限界が来始めたため、
改良が進みT-34とも渡り合える性能を獲得しつつあったIV号とは次第に主力・補助の関係が逆転して行く事となった。
欠陥品とまでは言わずとも微妙な出来だった感は否めないが、自走砲化バリエーションの『III号突撃砲』は優秀な性能を発揮し、長く愛される事となる。
全国大会決勝戦では1輌が試合に参加しており、塗装はサンドイエロー。
偵察とマウスの随伴を担っていたのか、試合では常に本隊とは離れた場所で行動していた。
最終章にも1輌登場しており、笑顔でウインクしているデフォルメ化された黒森峰女子が大きくマーキングされているが、
元ネタは自走砲マルダーIIに描かれていた「石炭泥棒」と思われる。決して大洗のあんこうやカメみたいなチームマークのパクリではありません
重量188tという実際に完成した戦車としては歴史上最大規模の超重量級戦車。
試験では重すぎて地面に沈んで行ったという、火力と装甲は正にバケモノ染みているが運用性は最悪というドイツのロマン兵器群の一角。
全国大会決勝戦では1輌が試合に参加しており、登場するだけで観戦していた他の各校隊長を戦慄させ、
一瞬で大洗戦車を2輌撃破しつつ自身は集中砲火を受けてもビクともしないという活躍を見せた。
- III号突撃砲
カバさんチームの戦車としてTV第1話から登場している突撃砲。
設定上は保有しているが、試合に出る事はあまり無いため見かける事は少ないらしいとの事である。
✠その他の保有機材
- Fa 223 ドラッヘ
WWII中にドイツ軍が開発・運用したサイドバイサイド型ツインローター式ヘリコプター。
愛称はドイツ語で「竜(ドラゴン)」の意味である。
史実での生産数は多くないのだが、黒森峰は少なくとも1機を保有しており、移動手段として運用している。
劇中では倒れた麻子の祖母を見舞いに行くのに協力を申し出たまほにより、麻子・沙織を病院まで連れて行った。
- 飛行船
ドイツモチーフだけに飛行船を保有している様で、劇場版にて登場している。
バルーンにデカデカと校章が描かれているというらしからぬド派手な外観をしている。
劇場版で描かれた黒森峰の移動手段はこの飛行船のみだが、ティーガーI&II、パンターG2輌を合計すると、
本体だけで重量200t以上で到底飛行船に積める重量ではないが、どういう仕掛けなのかは不明。
✠劇中の活躍
第4話
本編初登場。
大会トーナメントの抽選会場にまほ・エリカが来ていた様子が映っているが今回は正に顔見せ程度で台詞も何も無し。
第5話
全国大会トーナメントの抽選の帰りに戦車喫茶に寄ったあんこうチームとまほ・エリカが偶然遭遇する。
エリカはみほに会うなり皮肉を言い、あまつさえ大洗そのものを貶める発言をするエリカに対して麻子も皮肉で応じ、
陽気な沙織や温厚な華(それから一部の視聴者とみほ役の渕上氏)にすら本気で嫌われるという強烈なデビューを果たした。
なお、エリカがみほ以外のあんこうチームと直接対面したのは、この時と後述の麻子と沙織をドラッヘに載せた時だけであり、
それ以降は直接的な絡みがほとんどないため、エリカとあんこうチームが和解した明確な様子は現状無い。
第6話
大洗vsサンダースの試合で、まほとエリカが観戦している様子が描かれている。
ケイが敢えて全力を出さず「正々堂々と」戦った事について、エリカからの評価は「甘っちょろい」であった。
その後麻子の祖母が倒れた旨を聞き、まほがドラッヘを出して移動を手助けを申し出る。
協力する義理など無い人間の為にわざわざそこまでする事にエリカは疑問を持つも、
まほの「これも戦車道よ」との言葉を受けては流石に引き下がり、素直に従う事となった。
その後のシーンでは知波単学園を撃破した様子が描かれた。
知波単戦車はまほのティーガーIから見て結構至近距離で倒されているが、何らかの意図で近くまで引き付けたのか、
知波単メンバーにも黒森峰の集中砲火をある程度潜り抜ける練度があったのかは不明。
第8話
準決勝で聖グロを破った事がノンナから語られている。
こちらの試合の様子は言及が無く詳細不明である。
第10話
大会決勝にて遂に大洗と衝突する事となる。
試合前挨拶のシーンを見るに、試合参加人数は全員で92人である。
参加戦車はティーガーI1輌(フラッグ車)、ティーガーII2輌、パンターG型・ラング各6輌、
III号・ヤークトパンター・ヤークトティーガー・エレファント・マウス各1輌ずつである。
試合開始後は森の中を強引に突破する事で、大洗の予想を遥かに上回る速度で射程内まで接近、
アリクイさんチームが操縦ミスしていなければエリカの言った通り一発で黒森峰勝利で試合が終わっていた程まで追い詰める。
しかしすぐに落ち着きを取り戻した大洗は煙幕で視界を遮っている間に台地の頂上まで迅速に移動、頭上からの撃ち下ろしという不利な陣形を取られる事となる。
更に遊撃していたヘッツァーによりヤクパンとパンターが履帯を損傷させられ、III突とIV号の攻撃でパンターとラングが1輌ずつ倒されるが、
それでも装甲に優れるヤークトティーガーを先頭に置き、火力と装甲の差で少しずつ大洗ににじり寄る。
そのまま磨り潰さんとするが、遊撃として地上に残っていたヘッツァーに懐に潜り込まれ、
奇襲に弱いという弱点を見事に衝かれ大混乱に陥っている間に大洗の台地からの撤退を許してしまう。
おまけにこの間ヤクパンの履帯が再度破壊された他、ラングももう1輌撃破されている。
その後も市街地に向けて撤収する大洗を懸命に追撃するが、元より足回りが貧弱なドイツ重戦車を多用した編成が祟り、
エリカ車が追撃中に足回りを破損させ一時立ち往生する、また大洗も撤退ルートにある橋を落とすなどした事で追撃が大幅に遅らされてしまう。
しかし市街地に配置していたマウスが満を持して登場、一瞬でB1bisとIII突を撃破する活躍を見せる。
随伴していたIII号戦車を撃破されつつも、その頑強な装甲で大洗の攻撃を一切受け付けないマウスであったが、
マウスの車体下にヘッツァーを潜り込ませつつ車体上に八九式がのしかかる事で砲塔の向きを逸らさせ、
その間に無防備かつ弱点である上部を攻撃するという大洗の捨て身の連携作戦により撃破されてしまう*7。
その後にようやく市街地に到着した黒森峰本隊はそのままフラッグ車を追撃するが、
大洗の分断作戦に引っ掛かり、生残していたIV号、八九式を二手に分かれて追いかける事となる。
結果としては大洗の作戦通り、廃校跡地にて両校のフラッグ車、IV号とティーガーIの一騎討ちとなり、
また廃校内部への唯一の入り口をポルシェティーガーに塞がれてしまった事で、廃校への突入にも手間取らされる事となる。
それまでの間にエレファントはM3リーを追いかけている内に撃破され、ヤークトティーガーもまた自滅させられる格好でM3と相討ちになった他、
廃校入口で固定砲台と化したポルシェティーガーを前に3輌を磨り潰される事となる。
アヒルさんチームの挑発に見事に乗ってしまい街中を追いかけ回していたエリカ隊は、
いつの間にか(おそらくは八九式を始末するための数輌を残して)廃校入口前に合流しており、
まほが率いていた数輌とエリカが率いていた戦車の集中砲火でポルシェティーガーを、また逃げ回っていた八九式も撃破し、遂に大洗をフラッグ車1輌に追い詰める。
エリカもまほに加勢すべく廃校内部に急ぐが、ポルシェティーガーを入口に陣取った状態で撃破してしまった事で回収されるまで中に入れなくなってしまう。
エリカ隊がポルシェティーガーが回収されるのを待つ間、まほのティーガーIとあんこうチームのIV号は互いに裏をかき合う熾烈な戦いを繰り広げる。
それもいよいよ終わりが見えて来たという所で、ポルシェティーガーの回収を待ち切れずにエリカが強引にP虎を乗り越え突破に成功、
エリカは目を剥きながらまほの元に駆け付け、他の車両も続いて大急ぎで廃校内に侵入するが一足遅く、
到着したのは一騎打ちが決着しティーガーIから白旗が上がった後であった。
かくして黒森峰は決勝戦にて敗退、最終的な成績は2年連続となる準優勝であった。
敢えて敗因を上げるなら「(黒森峰の内情に詳しい者が居た所為もあり)弱点ばかりを執拗に突き回された」「大洗の作戦に終始付き合わされてしまった」事か。
分断作戦に乗らずにフラッグ車の追撃を徹底していれば結果は違ったかもしれないが、
その選択は「ナメた真似をした小物戦車を放っておく訳には行かない」「王者は(万全の盤面でなくても)堂々と戦い、そして勝つもの」という、
強豪校としての黒森峰、延いては西住流戦車道のプライドが許さなかったのだろう。
とどのつまり、一言で言えば煽り耐性の低さである。
大洗としても最後はイチかバチかの賭けに出てギリギリ競り勝ったという形だったので、黒森峰も負けるべくして負けたという感じでもないが、
しほはこの結果を「全ては必然、戦車道にまぐれは無い」として認めている。
最後はギリギリの差だったとはいえそこに至るまでに大洗に黒森峰が何度も振り回されたのも確かである。
劇場版
学校としてはしばらく出番は無く、みほが実家に一時帰宅した場面でようやくまほがプライベートの姿として登場する。
未だにしほへの苦手意識が残るみほに対して、姉として快く出迎えた。
しほが帰宅したまほが他の誰かを連れて来ている事に障子越しに気付いた際には「学校の友人」と答えるなど、みほとは直接引き合わせなかったが、
一方でみほが手土産に持って来た茨城銘菓を「友人が持ってきたもの」というある種バレバレの嘘を書いた手紙を添えて置いて行くなど、
しほとみほの仲を取り持とうとしているとも取れる場面もあった。
その後、みほの書類の為に印鑑と偽造したと思しきしほのサインを用意し、家で所有するII号戦車でみほを駅まで送って行った。
この時「本当に駅までで良いのか?」と言っている辺り、港辺りかもしかしたら大洗まで送るつもりでもあった様である。
大学選抜との試合には真っ先に到着し、大洗の制服を着用してティーガーI、ティーガーII、パンターG型2輌を「持参」して黒森峰生徒総勢18人が試合に飛び入り参戦した。
なおパンターG型の片方は赤星小梅が乗っている。
作戦会議にはまほと一緒にエリカも参加、黒森峰勢は右翼を担うひまわり中隊に配され、まほはひまわり中隊中隊長に任ぜられる。
この時の中隊長が西側ばかりな事に文句を言うカチューシャをまほが睨みつけて黙らせる様から、視聴者からは「やはり金元寿子は田中理恵に勝てないのか」などとネタにされた。
作戦立案の段ではまほは黙っていたが、エリカは楔を打ち込み浸透突破という相変わらずっぷりを見せた。
その後はダージリンの発案により作戦名を決めるという訳の分からない流れになるが、
生真面目なまほ・エリカにあってどちらも特にツッこむ事は無く、エリカは自信満々にグリューワインとアイスバイン作戦を上げていた。
なお、他の面々は「三方向から攻撃する」という作戦に因み三つの食べ物、もしくは三つの食材を使用した食べ物を提案しているが、エリカの案はそのどちらでもない*8。
まほだけは「好きな食べ物と作戦は関係ないだろう」と指摘するが、これはあくまで作戦名決めと言いつつ各々の好物を上げているだけの状況へのツッコミであって、
決して負けられない戦いの作戦会議が途中から変な方向に行っている事自体にはツッコんでいない。
実際に自身もカチューシャに促されて「ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦*9」を提案するが、
由来の説明中に桃から「長い!!」と怒られたため、少し不機嫌そうにしながら作戦名決めをみほに任せた。
結局みほが「こっつん作戦」に決めた際はエリカは迫力の無い響きに不満そうにしていたが、まほはすんなり受け入れたため愕然とさせられる。
試合開始後はプラウダ勢と共に高地を発見、即取得しようというカチューシャに対し、まほは罠の可能性を指摘し慎重論を唱える。
高地取得の是非を問う相談はその内信頼と妄信の違いとは何かという哲学的なテーマの討論に遷移したが、
最終的にまほも占拠できれば試合を有利に運べるメリットを認め、高地占拠に向けて移動する。
しかし、高地に陣取りいざ攻撃という所で謎の空爆に見舞われ、いきなりパンター2輌を失う痛手を負う。
更に、撤退しようにも大学選抜チームに高地を包囲され安全に逃げる事もままならないという、結果的にはまほの懸念した通りの展開となってしまう*10*11。
まほが先導して高地からは撤退、あさがお中隊への合流を目指すがその途中でノンナ、クラーラ、KV-2を失う痛手を負い、
ひまわり中隊は壊滅、最終的に生き残ったまほ・エリカとカチューシャのみがひまわりへの合流に成功した。
廃遊園地への撤退の道中、作戦失敗を受けて気落ちするみほに対し、まほは「らしくなくオーソドックスに行き過ぎたのではないか」と励まし、
また「いつものみほの戦い」をする事を勧める。
みほが作戦の練り直しと、ここからはチームワークが重要になる事を全車に伝えるなり、エリカが「急造チームでチームワークぅ?」などと嫌味を言うが、
直後にまほが「急造でもチームはチームだ」と諫め、またしてもエリカはしゅんとするハメになった。
遊園地跡に移動後は南門にて、先ほどに続いてエリカ・カチューシャと共に防護する。
当初は主力が来たかと思われたが実際に南門に来たのは囮部隊だったため、南門部隊の多くを敵主力に向けて移動させつつも、
まほ達はその場に残り囮部隊に対応していた。
その後、しばらく待っても攻撃が散発的なままだった事から南門にいる敵は本当に4輌だけの囮と判断、
皆で攻撃に出てパーシング3輌を一気に仕留める活躍を見せた後、仕留め損ねたチャーフィーをエリカ・カチューシャと共に追跡する。
まほはチャーフィーが逃げ回りつつも妙な動きをしている事に勘付くが、それが大洗を一ヵ所に集めて包囲する作戦だった事までは見抜けず、
結果としてYO地点で包囲された大洗本隊を援護しようにも、包囲戦車に迎撃されそこまで近付けない状態になってしまった。
ウサギさんチームのミフネ作戦で本隊が包囲を脱した後は、エリカ・カチューシャがレオポンさんチーム・ルクリリ車と、まほはあんこうチームと合流する事になる。
エリカは愛里寿と合流しようとしている三副官を撃破すべく4輌で追撃、ポルシェティーガーの切り札「EPS」とスリップストリームによる猛加速で三副官に肉薄した後、
カチューシャが戦車ごと体当たりして強引に作った隙を突きルミのパーシングを撃破する活躍を見せた。
直後に自身も撃破されるも、まほ・あんこうチームの元に三副官を揃って行かせる事だけは阻止する事に成功する。
中央広場にて、まほ&あんこうチームvs愛里寿&メグミ&アズミという大洗連合不利で最終決戦と相成るが、
まほはあんこうチームと即興ながらも抜群のチームワークを発揮し、
急停車させたティーガーIの車体でアズミ車を足止めしつつ、その隙にIV号に砲撃させ撃破する、
バイキング型アトラクションに砲撃し、遊具を動かす事でその下(まほの頭上ギリギリ)を潜りつつ、
ティーガーIを追いかけて来たメグミ車に遊具をぶつけさせ、突き飛ばされて動けなくなった所に撃ち込み撃破するという豪胆な活躍も見せる。
2対1となってなお西住姉妹と互角以上に渡り合う愛里寿に対しては攻めあぐねるも、
最終的に心配の表情を見せつつもみほの案に乗り、作戦通りIV号とセンチュリオンを相討ちにさせる事に成功、
まほのティーガーIが唯一にして最後の生存車両となった事で大洗連合の勝利となった。
この時、既に撃破されていたエリカは何故かカチューシャを肩車していた。
エンディングではまほがみほと何かの会話を交わしている場面が描かれている。
台詞が無いため詳しい会話の内容は不明だが、おそらくこの時点を以て姉妹は完全に和解したのだろう。
帰りの飛行船ではキャビンでまほとエリカが何か話をしていた。
最終章
勿論登場。
まほは他の隊長たちより一足先にドイツのニーダーザクセン大学に留学、既にドイツに渡っているため、
黒森峰チームの隊長はエリカに引き継がれている。
エリカは黒森峰の隊長という重責を前に不安を述べているが、そんな彼女に対してまほは「あなたの戦車道をすれば良い」という旨のアドバイスした。
無限軌道杯一回戦ではマジノ学園と対戦。
エリカの、見た様子では落ち着いた指揮により撃破に成功、二回戦に進出する。
また大洗とBC自由の試合にも訪れており、エリカ、小梅、その他全国大会に登場したモブ車長も勢揃いして観戦していた。
二回戦ではプラウダ高校と対戦となるが、ここで大きな転換点が訪れる。
プラウダが台地の上という有利な地形に陣取り、万全の状態で迎撃態勢を整えたのに対し、
マウスを先頭に重装甲を誇るヤークトティーガー・エレファントを中心とした楔形陣形で、敵の正面からゆっくりと真っ直ぐ進むという黒森峰らしい戦法で挑むが、
大洗があれだけ手を焼かされたマウスはKV-2にショットトラップ*12を喰らい一瞬で撃破されてしまう。
またノンナの砲撃も突き刺さり、前方の重戦車も次々に撃破されてしまう。
被撃破報告と新たな行動指示を求める声がエリカに入るが、それでもあくまで命令はそのまま、「前進あるのみ」。
その単調とも言える黒森峰の攻撃を前に、カチューシャは状況有利と見て自軍の勝利を確信する。
しかしエリカの脳裏に、まほから受けたアドバイスが蘇る。
それを前に遂に吹っ切れたエリカはティーガーIIを降り、かつて自分が乗っていたIII号戦車と交代する*13。
そして、榴弾とその爆炎・土煙によりプラウダの視界を遮っている間に、III号とパンターが高速で台地の側面に回り込み、敵フラッグ車を急襲するという、
全く黒森峰らしくない作戦に出る。
カチューシャは黒森峰の急な方針転換に戸惑いつつも迅速に対応するが、初動で一歩出遅れたのが響き追撃・迎撃が間に合わず、
またクラーラのフラッグ車を台地の下からの砲撃から身を守る為に土塁に深く埋めたのが災いし、逃げられなくなっている所にエリカのIII号が襲撃、
後ろから猛追して来たプラウダ戦車によって直後に自身も撃破されたとはいえ、その寸前にフラッグ車を撃破していた事で黒森峰は準決勝に進出、また同時に前年度の雪辱を果たした。
この時のエリカは戦車の中で妙なポーズを取りながら指揮しており、またフラッグ車を撃破した後は満面の笑みでガッツポーズするという、今までに見られなかった一面が描かれた。
かくしてエリカは、黒森峰や西住流の伝統に従うでも、まほの影を追うでもないエリカ自身の戦車道に覚醒、黒森峰に新たな風を齎すのだった。
その後は聖グロリアーナと砂漠地帯で対戦。
この戦いではエリカ以外の乗員の活躍も書かれている。
相変わらず隊長頼りなところもあるが、エリカの「なんとか持ちこたえて」というアバウト過ぎる命令を受けて実際耐えきったり、
転んだ味方戦車を起こしたり、崖を砲撃して敵の追撃を防いだりとチームプレイもできる事が描かれた。
それでも聖グロの猛攻に耐えきれず崖の方に追い詰められるエリカ達だったが、突如発生した砂嵐を見て「ラッキー!」と叫びそれに応じて包囲を脱出。
正面衝突の形に持ち込み、乱戦に持ち込んだ後に相手のフラッグ車を撃破する。
…だがその2秒前に聖グロの新たな切り札によって黒森峰のフラッグ車が撃破され敗北した。
エリカはその事実を聞いて少し放心した後に名一杯悔しがるのであった。
負けはしたがほぼ紙一重の戦いであり、もし聖グロにその切り札とずっとフラッグ車をブロックし続けてたクルセイダーがいなければ勝利していたのは黒森峰である可能性が高い。
✠スピンオフ
本編より前のみほに関わる学校という事で、出番にはかなり恵まれている。
『リトルアーミーII』
中学1年生のまほが描かれている。
『プラウダ戦記』
本編より前のプラウダが舞台であり、黒森峰隊長のまほをカチューシャが恐れをなす程の「化物」として描かれている。
隊長候補だった人物が突然辞任するなど、優秀な生徒が退部して選手層が希薄化するという不穏な状況下に置かれていることが描かれている。
『リボンの武者』
みほが黒森峰を去った件について「隊長であるまほに向けられるべき非難を、みほが代わりに受けるために処罰を受けたのではないか」という説で描かれている。
『フェイズエリカ』
中学1年生の頃のエリカが主人公。ついにやって来たわに!
『もっとらぶらぶ作戦です!』
概ねエリカが安定したネタやオチ担当である。
作者の趣味で赤星たちが巨乳になっているが、これは他のキャラクターたちも一緒なので安心を(?)。
また、カチューシャ共々自分と同名の軍歌がある事を話題に出す場面がある。
✠余談
- 各種元ネタ
校名の由来はドイツの名勝「黒い森(シュヴァルツヴァルト)」と思われる。
また、登場する2輌のティーガーIにはまほ車に212、みほ車に217のマーキングがあるが、
これはWWIIのドイツ軍の戦車エースと名高いミハイル・ヴィットマン(212)とオットー・カリウス(217)のティーガーIの番号である。
- テーマ曲
学園十色ではWWII当時のドイツの軍歌「パンツァーリート」が使用されている。
意味はドイツ語で「戦車の歌」の意味。正に本作に相応しい曲である。
また同じくドイツの軍歌である「エーリカ」も多用されるが、こちらは黒森峰のというより「エリカのテーマ」の感も強い。
実際エーリカが流れるのはTV10話ラストでエリカが「一発で終わらせる」と息巻くシーンや、
最終章第3話でエリカが作戦を変更し反撃に出る場面などである。同名の曲名にかけたのだろうか。
これより編集作業だ。相手は初めて編集するジャンルだが、決して油断するな。まずは迅速にソースを確認せよ。
グデーリアンは言った。全消しより追記修正と。
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▷ コメント欄
- リボンの武者にある資料のやつも乗っけていいのかね -- 名無しさん (2021-07-05 20:34:30)
- ↑ 歓迎します。リボンはパラレルとの事なのでその点は断っておいてほしいですが -- 名無しさん (2021-07-05 20:35:09)
- グデーリアンと電撃戦を崇めてそうな割に戦闘スタイルは大戦前半の軽量戦車による火力・装甲の劣勢を機動戦術で覆すスタイルではなく、大戦後期の猛獣シリーズの火力・装甲によるゴリ押し主体という…まあラスボスとして大洗にジャイアントキリングさせるためにどうしても「柔よく剛を制す」の「剛」側に設定しないと駄目だったんだろうけど、II~IV号の比率が高くて火力・装甲が大した事ないのを機動と練度でひっくり返してくるような黒森峰の姿も見てみたかった。ファン考察で言われているように昔は軽量戦車主体だったならしほ世代の外伝が出れば形になるかも? -- 名無しさん (2021-07-06 00:11:53)
- ↑最終章で開花したエリカ流を突き詰められればそういうドクトリンへの転換は可能かな -- 名無しさん (2021-07-06 08:04:01)
- もっとらぶらぶではエリカが幼少期はゴスロリファッションだったり、まほにふるまっていたカレーにイッツミーエリカレーと名付けていたりと親しみやすさのキャラ補強がいろいろされていておもしろかった -- 名無しさん (2021-07-06 11:38:37)
- プラウダ戦記で62回決勝の実情についても少しずつ情報が増えてきたようではあるが -- 名無しさん (2021-07-06 14:55:20)
- 0家元の長女ってことで冷徹っぽく見えてただけで元々まほはみほに対しては悪感情は持ってなかったんよね。むしろ居場所作ってあげられなくて嘆いてたくらい。 -- 名無しさん (2021-07-06 15:18:26)
- 戦術には詳しくないから同じものかは分からないけど、各校を訪問するドラマCDでより機動力を重視した新機軸の戦い方で訓練してたような。 -- 名無しさん (2021-07-06 17:18:55)
- ↑3スピンオフは全部パラレル前提でチェック等もほぼ無いそうだから正史とは分けて見てるが、プラウダ戦記の黒森峰はまほが隊長としては無能になってたり等の無茶なデバフかかり過ぎてて黒森峰好きとしてはつらい -- 名無しさん (2021-07-06 17:22:57)
- リボンの方の記述だと最終章の砲撃の援護の元快速部隊突撃するって本来の西住流の戦法に近いというね。その辺の設定は共有されてるのかな -- 名無しさん (2021-07-07 07:50:48)
- ↑リボンの武者は原作担当が本編の監修とかOVAの脚本やってるからね -- 名無しさん (2021-07-07 08:34:28)
- ↑3まあ黒森峰九連覇したにしては本編で弱すぎだからこれくらいデバフかけないと無理があるんだよね。まともに戦えば戦車のごり押しでも勝てるクラスの相手なのに -- 名無しさん (2021-07-07 19:43:55)
- ↑外伝含めた話だと9連覇によるプレッシャーを初めとしてPTAからの強引な干渉とか西住流後継者という駒に指揮を集中させたことによる各自判断力の低下とか。みほが助けに川に飛び込んだのもその判断ができるのはその場にみほしかいなかったからとか -- 名無しさん (2021-07-07 21:00:20)
- もっとらぶらぶの作者さんは特に設定なければ大きく描いちゃう人だからね -- 名無しさん (2021-07-21 15:31:22)
- 今回は相手が悪かっただけでエリカさんたちが弱いわけではない。(男塾の伊達の「気にすんな、おまえが弱いんじゃねえ。俺がつよすぎるんだ。」な感じ) -- 名無しさん (2023-10-19 21:20:00)
- ずっと名無しの権兵衛だったメンバーの名前が、やっと判明したか。 -- 名無しさん (2023-10-22 22:03:29)
#comment(striction)
*2 163cm。女子高生として見れば長身な方である。大洗で言えば華、桃と同程度。他の隊長はみほを筆頭に157cm前後。
*3 マウスは途轍もなく鈍足かつ舗装路でなければ運用困難なので、主力部隊と一緒に電撃戦を仕掛けるのは不可能という事情も関係していると思われる。
*4 名前の由来はドイツ北部の地名ハンブルク。
*5 因みに、同じく劇場版まで本名が不明だったルクリリも劇中での発言から「後田(うしろだ)さん」などの仮称で呼ばれていた
*6 なお、III号を撃破したのは脚本時点ではレオポンさんチームだった。
*7 撃破したB1bis、III突に続き、ついでにヘッツァーも道連れにしたとも言える
*8 アイスバインはザワークラウト等の付け合わせと一緒に供される事が多いので、アイスバインを「2」としてカウントしているのかもしれない。
*9 「三」幕から成るオペラである事に因む
*10 (今の今まで投入不可車両だったため当然でもあるが)「謎の爆撃」の正体がカールである事にすぐに思い至らなかった辺り、まほもこうなる事まで読んでいた訳ではない模様。あくまで「高地を取れていないのではなく取っていないだけではないか、何か別の狙いがあるのではないか」と懸念していたら結果的にそうなったというだけである。
*11 劇中で見せた愛里寿の作戦は大洗連合の取った行動を見てから後出しで潰すものであったため、罠の可能性を鑑み高地を取らないでおくまほの選択の方が正解だった、というのは結果論である。その場合は別の対応を取っていただけだろう。
*12 装甲に弾かれた砲弾が下向きに跳ね、装甲の薄い車体上面に潜り込むようにして命中すること。
*13 視聴者からはこれはルール上問題は無いのかとの指摘が上がっているが、一応試合中の戦車の乗り換えを禁止するルールは無く、実際に全国大会ではノンナが試合中にT-34からIS-2に乗り換えている。ただし、「砲撃を受けながら」というのは前例が無く、また『みだりに降車してはいけない』というルールも同時に存在するため、一種のグレーゾーンかもしれない。もちろん、乗り換える前後の戦車がどちらも撃破判定されていない事が前提なのは当然としてだろうけれど
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