登録日:2021/03/25 Thu 00:22:00
更新日:2024/05/27 Mon 09:29:56NEW!
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ゲーム ps2 新世紀エヴァンゲリオン バカゲー ふしぎの海のナディア ボウリング ガイナックス 怪作 エヴァ 腹筋崩壊 超展開 公式が病気 ツッコミどころ満載 狂気 ギャグ ブロッコリー gainax 外せ!外せ!外せ! ジャンル:エヴァンゲリオン 歯科医 ウルトラマンで喩えるとタロウのノリ 名探偵エヴァンゲリオン ×使徒○死徒 エヴァンゲリオンの虫歯が痛い! エヴァンゲリオンサインはv! 歌え!エヴァンゲリオンビッグマッチ リョウジが死んだ!ゲンドウも死んだ! 優しくない死徒お父さん!
注意:本ページには推理ゲームのネタバレに関する記述が含まれます
まさかの名探偵ですよね!!
ほんと、エヴァがこうやって探偵物になるなんて、誰が考えたんですか!?
天才かアホかどっちかですね!!(by 宮村優子)
エヴァというタイトルでこんなバリエーションも考えられるものなんだなぁと、その発想に感心しました。(by 石田彰)
公式サイトの『特別報告』より引用
ヒトと死徒、裁かれるは汝か罪か
「名探偵エヴァンゲリオン」とは2007年にブロッコリーより発売されたPS2用ソフト、新世紀エヴァンゲリオンを原作とした…推理(?)ゲームである
概要
新世紀エヴァンゲリオンのゲームは放映当時から今に至るまで数多くが発売された。ジャンルもシミュレーションからアクション、ADVまで様々で、発売時期の都合でアニメと異なる路線になったものや意図的に世界観を壊したものなど多様な方向性が生まれている。
本作はそんなバラエティ豊かなエヴァゲーの中でも色々と飛び抜けており、
「使徒じゃなくて『死』徒」
「教室内でエヴァンゲリオンと死徒が戦う」
「チェロを弾きながら椅子ごと這い回るシンジ」
「それ以外のシーンでもエヴァが妙に小さくてその辺のビルより背が低い(ひいき目に見て15mくらいにしか見えない)」
「町中で弍号機をボールにしてボーリングをする」
「アンビリカルケーブルなんてなかった」
「プログレッシブナイフもバレットライフルもなかった。基本ステゴロ」
「被害者は量産型エヴァンゲリオン」
「凶器はエヴァのお尻」
「初号機が白衣を着て歯科治療を行う」
「というか死徒審判シーンがあからさまに某裁判ゲーム」
など無数のツッコミどころが存在する。
システムとしても基本はADV形式だが唐突に(というか冒頭でいきなり)格闘アクションが始まったり、音ゲーになったり、定番イベントかと思われた死徒審判が登場しなかったり、と良くも悪くも無節操。
また、全体的なレスポンスの悪さや繋がりの分かりにくい旧時代的なマップ移動、ボイス有無の基準が不明瞭などゲーム的な完成度には若干の疑問符がつく。
しかし序盤こそバカゲー的な側面*1が目立つが、中盤以降は重要人物が次々と死亡し、作品全体の根幹に迫る設定が明確に語られる*2などシリアスな側面が強調されていく。
まさにエヴァンゲリオンのアナザー世界観で展開される「謎ゲー」と呼ぶべきゲームなのかもしれない。
あらすじ
西暦2015年。死徒によって引き起こされたセカンドインパクトに始まる、世界の荒廃から15年__。
セカンドインパクトによって、消滅したと思われていた死徒が、再び動き出す。
再び第3新東京市に現れた死徒の狙いは何か__。何故、人間を殺害するのか__。
際立った推理力を持ち、死徒迎撃のために開発された汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオンとシンクロし、搭乗することができる「適格者(チルドレン)」である碇シンジたち。
ネルフの特命捜査官に任命された彼らの捜査&戦いが今始まる。
(公式サイトより引用)
世界観
基本的には原作の世界観を踏襲しているため差異の大きい用語のみ解説を行う。
死徒
15年ぶりに現れた謎の殺人鬼であり本作の犯人役。人類の敵、死の闇から使われし謎の殺人生命体。
捜査を行って死徒の正体を推理し、無実の容疑者を救い出すのがゲーム全体の骨子となる。
人知を超えた存在であり「死徒だから何でもアリ」は死徒審問におけるお決まりのフレーズになっている。
形状は人型、無機物、不可視など様々だが、正体がバレると何故か巨大化する。
なお、通常兵器では役に立たないらしいがシンジは素手で撃退出来た。
原作の使徒とは異なり必ずしもNERV本部を狙って襲撃してくるわけではない。
事実、全17(+1)体の死徒の内11体は日本、4体はドイツ支部、3体は北米支部でそれぞれ倒されている。
その正体と目的
その正体はヒトの形を捨てた人類の「別の可能性」。
アダムとの融合を果たすべくガフの部屋の中に居たが、セカンドインパクトに紛れた核爆発により覚醒が遅れ、復活まで15年を要した。
しかし今なお不完全な状態であり、同類である人間を殺しエネルギ-を食らうことで完全体となって最終的にアダムとの融合を果たそうとした。
その割には行動と殺害方法がトンチキすぎる気もするが、きっと色々あるのだろう。
NERV
死徒を殲滅し人類を守るために作られた国連直属の非公開組織。死徒に関わる事件の早期解決を目的とし、それらの調査などを行う特務機関。
(一応)警察組織であるが、独自の判断での行動が可能。第壱中学校地下に本部が置かれ、職員室からエレベーターで移動することができる。
普段は学校関係者として過ごしている職員も多く存在し、有事の際には学校施設も解析や分析のために用いられる。
15年ぶりに現れた死徒により警視庁の警官の8割が殉職するという非常事態の後に捜査権を移譲され、死徒の捜索と殲滅を担うことになった。
かつては『E計画』の推進のためにセカンドインパクト後に作られた『ゲルヒン』*3という組織が発展・解消されたもの。
超法規的な権限を有する証明となるネルフ手帳、死徒が近づくと反応するネルフシーバーなどの備品を持つが監視カメラはしょっちゅう死徒により無力化される。
ゼーレ
NERVの上位機関にあたる対死徒対策組織。死徒の謎そのものを解明することが任務となる特務機関。
死徒の疑いを持つ人物を審問し、研究、処分する役割も担う。
NERVが警察ならば検察に相当する組織。予算の承認や監視など基本的なNERVとの関係性は原作とあまり変わらない。
NERVの情報提供を受け死徒を逮捕するが、NERVからの申立てがあった際には審判を開くことになる。
また一部のゼーレ上層部はネルフの職員の中の人を兼任しているため、一部では「ゼーレごっこ」と呼ばれている。
日向マコトの中の人が左様の人の声を担当していると言えばわかりやすいか。
適格者(チルドレン)
エヴァンゲリオンが操縦可能な死徒と戦う力を持った選ばれし子どもたち…という点では原作通りだが、本作では非常に高い推理/捜査能力を併せ持つ存在として扱われる。特命捜査官として死徒の捜査を担当し、時には死徒と直接接触する危険な任務だが特に武器などは支給されない。
死徒審判が開かれた際には自らが法廷に立ち真相の究明を行う。
なお、巨大化した死徒との戦闘の際には汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンに搭乗して戦うことになるが、捜査能力とエヴァが操縦可能なことの因果関係は特に語られない。
死徒審判
ゼーレが死徒を逮捕し、それに対してNERVが異議申し立てを行った時に開かれる審判。
ゼーレの査察官とNERVの捜査官が真正面から対峙し、時には証人を呼び、時には指を突きつけて激論を交わし、エキサイトすれば審判長であるキールが木槌を鳴らす。
ゼーレのモノリスが浮かぶ神秘的な部屋に机や証人席を置き、傍聴人も呼び込んだ上で開催される。
しかし証人が比較的あっさり逃亡する、SOUND ONLYのモノリスから生える語りかける審判長の映像が明らかに皆に見えているなどロケーションとしては色々と謎も多い。
各話紹介
第壱章 「死徒、襲来」
2015年、第3新東京市、新吉祥寺区。15年ぶりに現れた死徒による連続殺人事件により警察機構は壊滅し、人々は恐怖に怯えていた。
そんな折、町中で途方に暮れていた碇シンジは死徒による殺人現場に遭遇する。
自身をかばい負傷した綾波レイ、父より告げられた自身の才能と重大な使命。
人々を守るため、何より自分自身から逃げ出さない為に少年は対死徒特別捜査官となる事を決意する。
第弐章 「音を奏でしもの」
平穏な学校に響くピアノの旋律、それは突如死をもたらす恐怖のメロディーとなった。クラス委員長洞木ヒカリの周辺で発生する連続殺人事件。
しかし死徒の姿も所在も判明せず、ゼーレは委員長が死徒の擬態であるとの疑いを強めていった。
委員長の無罪を信じるトウジの嘆願を受け必死に捜査を続けるシンジは一つの可能性に思い至り、危険な賭けへと打って出る。
そして遂に予想外の敵がその姿を表したのだった。
第参章 「明日か、来日」
ミサトの勘違いにより1日遅れでドイツから到着したセカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレー。
彼女の歓迎会に沸き立つ中、新吉祥寺区の町中に謎の塔が出現した。混乱する捜査官をあざ笑うように発生する連続失踪事件、そして増殖する謎の塔。
綾波の献身により使徒の正体を暴いたシンジたちは、新兵器「ポジトロン・ハンマー」を用いて力を合わせて死徒に挑む。
作戦名「ナカヤマ作戦」、人類の命運をかけた一球が今転がり始める。
第四章 「静止した山の中で」
被害者、エヴェンゲリオン。容疑者、エヴァンゲリオン。
あまりに奇想天外なミサトの報告を受けNERV起動実験場へと向かったシンジ達が目にしたのは無惨に殺されたエヴァの残骸。
そして容疑者であるフォースチルドレン、鈴原トウジの姿だった。
トウジと参号機を拘束してなお続く連続殺人、それも一度は解決したかに見えた。しかし真の死徒は滅んでは居なかった。
余りにも身近な、そして恐るべき死徒は少年の絶叫と共にその姿を顕にする。
第伍章 「法廷の中心でアイを叫んだけもの」
彼が大切にしていたスイカ畑の真ん中で、加持リョウジは巨大な手に押し潰されて死んだ。調査の過程で明らかになる複雑な人間模様。
法廷で叫ばれるのは余りにも重い憎しみ、そして愛。やがて死神はNERV総司令官、碇ゲンドウをも手に掛ける。
未だ嘗て無い喪失の中で心の壁を失うシンジ。それぞれの思いが、誰かの思惑がゼーレの法廷で結実し、真実を解き明かす。犯人は死徒なのか、それとも。
最終章 「渚」
セントラルドグマを小さな影が降りてゆく、2つの影を引き連れて。
碇シンジはエヴァに乗り込む、全ての真実を明らかにするために。
最後の死徒審判が今始まる。
登場人物
碇シンジ
本作の主人公にして3人目のネルフ特命捜査官。
未解決事件を題材とした捜査官適性テストで全世界トップという好成績を叩き出し、その回答を元に3794件の未解決事件の犯人が逮捕されたという超天才。
捜査官として活躍する中で死徒と肉弾戦で殴り合ったり、チェロを弾いたり、ボーリングしたり、歯科治療をしたりと推理以外でも様々な経験を積んでいく。
ゲンドウを巡る死徒審判の後、初めて父に褒められ大きな励みを得るが、直後にその父を殺され強い虚無感に苛まれる事となる。
世界観と任務の違いの為か、原作よりはやや明るく能動的にも見える。というか初めて初号機に乗る時も特に反論せずホイホイ乗っている。
むしろネルフの捜査官としてバリバリ働いておいてエヴァのことはここで初めて知ったというシュール。
チャームポイントはキュートなウィンク。
綾波レイ
1人目の特命捜査官。
死徒追跡中にシンジをかばって負傷し、その後死徒がレイの姿に擬態したために死徒審判にかけられる事になる。
感情の起伏が抑えめで口数が少ないのは原作通りだが、どちらかというと毒舌気味で冷静に突っ込む。
一方で使命感は非常に強く、碇親子のふれあいを見てもらい泣きするなど意外と情緒豊かな一面も見せる。母さんだからね
捜査官としての能力は優秀らしく、シンジが選択肢を間違い捜査官を退任させられたバッドエンドでは綾波のおかげで事件が解決したらしい。
何故かシンジから終始「綾波さん」と呼び捨てではなくさん付けで呼ばれる。
ボーリングのピンその1。
惣流・アスカ・ラングレー
ドイツからやってきた2人めのネルフ特命捜査官。
仕切りたがりで猪突猛進。シンジたちを引き連れて鼻息荒く捜査に挑むが短絡的な行動も多く、エリート捜査官としての趣はあまり感じられない。
加持が殺された際には激しく取り乱すが、冷静になった後は加持の身辺調査や聞き込みなどでシンジをサポートする。
シンジ同様エヴァに乗って死徒と戦うが、地面から生えるハメになったり、ボーリングの玉にされたり、穴に指を突っ込まれたり、死徒に乗っ取られたりと全体的にヨゴレ役が多い。
鈴原トウジ
シンジたちのクラスメイトにしてエヴァ参号機を操縦するフォースチルドレン。
しかし第伍章以降は出番が少なく、彼にも捜査官としての適性があったのかは明らかにならなかった。
委員長がピアノの演奏を間違うたびにからかっているが、彼女が容疑者となった際には疑いを晴らすために尽力した。
ボーリングのピンその2。
相田ケンスケ
シンジたちのクラスメイト。
死徒捜査に強い興味を抱き、捜査情報と引き換えに所々で協力してくれる。
校内の女生徒や女教師にやたら詳しく、彼の証言や盗撮写真が証拠として活躍した。
ボーリングのピンその3。
洞木ヒカリ
シンジたちのクラスの委員長。
偶然手に入れた楽譜を弾いてみようとしたことが凄惨な事件を引き起こすことになった。ピアノはあまり上手くない。
ボーリングのピンその4。
葛城ミサト
特務機関ネルフ戦術作戦局第一課所属の一尉。仕事は概ね原作通りだが、学園エヴァやぷちえゔぁ同様、普段は第壱中学校の教師として働いている。
シンジたちの良き理解者であり、我が身を犠牲にして調査完了まで死徒審判を引き伸ばす*4、別件逮捕により委員長の逮捕を阻止するなど事件解決のために尽力する。
しかし加持死亡後は独自の目的のために動き始め、リツコとゲンドウの関係を暴露するなど強硬な手段を取り始める。
自身の父、葛城ヒデアキが死徒として逮捕された際には成功率の低いサルベージをシンジに強要しようとしてリツコに殴られる場面もあった。
自身の大切なものを守ろうと奮闘するが、最終的には大切な人間を多く失ってしまう結果となった。
ボーリングのピンその5。
赤木リツコ
ネルフ本部技術開発部技術一課所属。原作同様に死徒の分析、対死徒技術の開発等で捜査官たちを多彩にバックアップする。
また本作では検死を担当する立場上、現場に出てくることも多い。
加持が殺された事件ではミサトによってシンジの目の前でゲンドウとの愛人関係を暴露されるも、反撃として自身のアリバイを証明するとともに加持とミサトの逢瀬の録音データを公開。女の怖さを見せつけた。
ボーリングのピンその6。
隠された真実
加持、及びゲンドウ殺害事件の実質的な真犯人。
ダミーシステムで初号機を操作し加持殺害を実行した後にMAGIのログをすべて書き換え、ゲンドウに疑いが向くように誘導を行った。
その後は同様の方法でゲンドウを殺害、南極でセカンドインパクトによりLCLと化していた葛城博士をサルベージし、全ての罪を被せる事を画策する。
ゲンドウの心の中に自身の居場所がまったくないと知りながらも、嘘でも良いから自身との関係を認めてほしかった、という動機を告白した後は謝罪の言葉を口にし、自身の頭を撃ち抜いて命を絶った。
ちなみに、リツコとゲンドウの不倫関係はネルフ関係者では公然の秘密となっている(少なくともアスカと綾波は知っていた)。
青葉シゲル
NERVのオペレーター。
本作では比較的常識人枠だが何故かボーリングの登録名は「ロンゲアオバ」。
ボーリングのピンその7。
日向マコト
NERVのオペレーター。
ミサトに懸想するあまりボーリングの登録名は「ヒュウガミサト」。MAGIにもミサトのスリーサイズが登録されていないことに憤慨する。
ボーリングのピンその8。
伊吹マヤ
NERVのオペレーター。
作中いわく地味な女の子。ボーリングの登録名は「アカギマヤ」。そういう事である。
ボーリングのピンその9。
加持リョウジ
ドイツから来たナイスガイ。アスカに好かれたり、シンジたちに助言したりと概ね活躍は変わらない。「ナカヤマ作戦」の命名者。
物語の佳境でエヴァの手のひらに潰され下半身がぺちゃんこになって死亡、スイカの汁に塗れたその顔は安らかだった。
彼の死をきっかけに物語はシリアスの度を深めていく。
原作同様ゼーレ、NERV、日本政府所属のトリプルスパイであり、セカンドインパクトの真実を独自に探っていた。
彼が突き止めた真実はミサトに託され、死徒審判で重要な証拠となる。
碇ゲンドウ
NERVの司令官。
ゲーム開始時に、シンジの夢の中で血を流して倒れている一枚絵が回転しながら登場するという出オチショッキングな登場を果たす。
シンジに対する高圧的な態度は原作通りだが、電話対応をしたりトウジからの伝言を関西弁で伝えたりと親しみやすい姿も見られる。
自身が死徒審判にかけられた際も真意を語らずシンジを混乱させるが、結審後にはねぎらいの言葉をかけた。
しかし直後に嫁さんエヴァ初号機のお尻に敷かれて死亡、自身の目的を果たせぬまま退場となった。
冬月コウゾウ
NERVの副司令。
原作通りゲンドウの補佐として様々な実務を行い、ゲンドウの死後は実質的に指揮を執る立場となっている。
さほど活躍は多くないのだが、何故か町中でシンジたちに電車代をせびってきたり、ジュースを奢ろうとするも小銭がなくて取りやめるなど情けない行動が多い。
渚カヲル
ゼーレに所属する査察官。
死徒による殺害現場では容疑者の逮捕を行い、死徒審判が開かれた際には捜査官と対決し死徒であることを立証する。
公私を割り切るタイプであり、シンジには好意的に接しながらも論理的な立証がなされなければ中途無く容疑者を連行/処分していく。
死徒を見つけ真実を明らかにするという目的は共通しているが、「死徒だからなんでもあり」という思想の下でかなり強引な判断も行うため、シンジたちは本物の死徒の存在を明らかにするため奔走することになる。
搭乗機はエヴァンゲリオン乙型。エヴァと名前はついているがゼーレが開発した機体なので開発コンセプトは全く異なり、開発経緯・設計者などは謎に包まれている。
ゲンドウの死により塞ぎ込みLCLと同化したシンジに語りかけ裸で取っ組み合ったり殴り合ったりしながら対話を試みるなど、謎多き振る舞いを見せるが、その正体は…。
キール・ローレンツ
ゼーレの重鎮の1人。
死徒審判における審判長を務める。ぶっちゃけ立場的にはほぼこの人。
比較的公平に審判を勧めるが、人類補完計画やそれに関わる事項を詮索されることは好まず強引に休廷を挟むこともある。
同じゼーレ所属ではあるがカヲルと対立することもあり、自身が死徒であるという疑いをかけられた時は証人や傍聴席も含めた「は・ず・せ!コール」を受け、嫌々ゴーグルを外すも皆が大爆笑。恥辱の内に素顔を晒すハメになった。
またリツコが加地リョウジ殺害疑惑で裁判にかけられたゲンドウのアリバイを証明するため、彼と供にラブホテルでミサトと加地の盗聴をしていたことを告白した際、「具体的な証言を要求する」とエロ親父っぷりを発揮した。
葛城ヒデアキ
15年前の南極調査隊クルーであり、死亡したと思われていたミサトの父親。
新吉祥寺区の町中を歩いていたところを発見され、碇ゲンドウ殺しの容疑者として逮捕される。
所々の記憶に不鮮明な箇所が見られ、査察官はそれこそが死徒が擬態した証拠だと追求するが…。
国分寺
新吉祥寺区にある吉祥寺ボウルの支配人。
元々お客の少ない店だったが、死徒騒動に巻き込まれ捜査を名目にレーンを占領されるわ、アスカにこき使われるわ、勝手に帳簿を見られるわ色々と散々な目に遭う。
ボーリングのピンその10。
徳さん
エヴァゲーお馴染みのオリジナルキャラ。肌の浅黒い初老の男性。CVはゲンドウ。
実はセカンドインパクトに関わりのある経歴を持つ。
死徒
吸血型
第壱章に登場する死徒。
15年ぶりに出現した死徒であり、警察官の8割を殺すなど多大な被害を出した為にNERVが動くこととなった。
主な攻撃手段は腕から伸ばした触手、これを突き刺して吸血を行い対象を死に至らしめる。
また吸血した相手のDNAを取り込むことで自身の体内で一種のクローンを作り出し、本物と寸分違わぬ姿に擬態することができる。
この擬態は後天的な変化こそ模倣できないものの精度は非常に高く、本編ではこの能力を用いて次々と外見を変え被害者を増やし続けた。
真の姿は垂れ下がった腕を持つ奇怪な人型。顔面の穴から触手を伸ばし、エヴァに攻撃を仕掛ける。
触手攻撃後は一定時間初号機に擬態しチュートリアル代わりに初号機の技を使ってくる。
巨大化した際にはビルに擬態してエヴァを欺こうとするが、道路のど真ん中に突っ立っているのでバレバレである。
そもそもDNAを利用した擬態のはずなのになぜビルに化けているのが疑問だが。この世界のビルはエヴァみたいに生物なのかもしれない。
最初に登場した死徒がこのタイプだったため以降の死徒審判でも「死徒は人間に擬態できる」という事が前提として扱われている。
しかし本編で登場した死徒で実際に擬態しているのは吸血型のみであり、この能力が吸血型の固有能力か死徒全体の特性なのかは不明。
音型
第弐章に登場する死徒。
洞木ヒカリが偶然手に入れた楽譜を演奏すると出現し、付近にいる人間の首を折って殺害した。
その正体は一定の波長を持った空気の振動であり、自身と干渉するような特定の波長とぶつかった時のみ姿を現す。
可視化された姿は大きな目玉を持つ黒い球体、周囲には五線譜が蠢いている。
使徒の正体を確かめるためシンジはチェロで問題の楽譜を演奏したのだが、その結果、教室内でシンジと同じ身長の零号機が護衛を行うという非常にシュールな絵面が展開された。
教室から逃げた後は町中で巨大化し、最終的にはリツコが作り上げたロンギヌス音叉で実体化、消滅させられた。
ボーリング型
第参話に登場する死徒。
市街地に突如出現した50m超のボーリングピンとして視認されるが、その本体は吉祥寺ボウル10番レーンのスコアラー。
登録された名前の人物を瞬時に消失させ、ピンの姿に変える能力を持つ。
10本が揃うとピンには対象者の顔が浮かび行動を開始、近づく物体に対して強力な反撃を行うようになる。
また、時間が経過するにつれ捉えられた人間は命を食われ生命反応は弱まっていく。
死徒の体内が負のエネルギーを持つ電子で満たされている事から、NERVは陽電子を用いた10本のピンへの同時荷重が有効だと判断。
巨大エビ看板として偽装された「エヴァ専用円環加速式陽電子アタッチメント試作20型: 通称ポジトロンハンマー」を装着した弐号機をボールとしてボーリングで死徒を倒す「ナカヤマ作戦」を立案。
新兵器を破壊しながらも無事、死徒の殲滅に成功する。
なお、スコアラーに入力された名前の判断は非常に独特であり「アカギマヤ」でリツコとマヤが消失するなど極めてファジーな挙動をする。
虫歯型
第四章に登場する死徒。
新高尾山で起動実験中だった参号機の奥歯に侵入しコントロールを掌握、同時に実験が行われた四号機、五号機、多数の量産型を殺害した。
白衣を着た初号機(マスク、額帯鏡装備)に抜歯されることで、槍を持った如何にも虫歯菌らしい姿を表し、踏み潰されて消滅した。
この死徒の存在で「自分の歯は自分で守らなければならない」と実感したミサトはエヴァ可動全機の歯科検診を実施するのだった。
綾波「名推理は、健康な歯から」
人型1
ネタバレ
葛城マン
第伍章に登場する死徒。
リツコによって南極からサルベージされた葛城博士に成功率増加のために埋め込まれたS2機関が暴走した姿。
新たに出現した死徒であるためガフの部屋に居た17体には含まれない。
ヒーロー然としたカラーリングと筋肉質な体型、独特なポーズから発射される遠距離切断攻撃や光線など某ヒーローを彷彿とさせる要素が多い。
ミサトは死徒化する父親を射殺することができず、巨大化を許してしまう。しかし街で破壊行為を行う姿を見て涙ながらにエヴァの出撃を要請。
零号機、初号機、弐号機の連携により死徒は倒された。
人型2
ネタバレ
渚カヲル
最終章に登場する死徒であり、人類が最初に出会った死徒にして最後の死徒。
赤木リツコと共謀し加持、ゲンドウ殺しを補助したとされているが実際にどこまで彼が関わっていたのかは明確ではない。
死徒としてエヴァを自在に操る能力を持つため、実働部分では彼が動いたものと思われる。
最終章では零号機と弐号機を伴ってセントラルドグマへと侵入し、追ってきたシンジに殺されることを望むがシンジはこれを拒否。
素直な思いをぶつけられ共に生きようと懇願されるが、突如乱入したエヴァンゲリオン乙型により捕食された。
その後は自身の意識が残っている内に殺されることを望み、シンジへの感謝を述べながら消滅した。
エヴァンゲリオン乙型
渚カオルの搭乗機であり、セントラルドグマにて渚カヲルを突如捕食した本作の実質的なラスボス。
通常状態でも高い機動力を誇るが、頭部のヘルメットが壊れるとモノアイをむき出しにした第二形態へと変化する。
この第二形態は天使の輪と二対の羽を備え自由に空を飛び、光線を発射するなどエヴァというよりは死徒(使徒)に近い特徴を持つ。
実際どういう存在であるのかは多くが語られなかった為不明。
余談
本作品オリジナルエヴァのエヴァンゲリオン乙型は本作だけの登場に終わらず後に『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』にエヴァンゲリオン乙号機名義で参戦している。*5
少年エースにて前後編形式の読み切り漫画が掲載された事もある。
2周目では各章の次回予告が追加される。当然本編の印象から外れず、色んな意味で腰砕けになる様な内容のものが多い。
第壱章では多くの犠牲者が出るが、学校で殺される加古ナツコのビジュアルがどうみてもナディア(ご丁寧に肌も小麦色であり、それが事件を解決するきっかけにもなる)。喉や胸部に無数の穴が空いた惨殺死体でなかなかショッキングなので苦手な人は注意。
ダイヤモンド・オンラインの庵野秀明監督・特別寄稿「『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由」内にて、『多くのお金や社員をつぎ込んだにもかかわらず成果を上げずに迷走し、損失だけが残った『エヴァ』の企画や事業』について言及されていたが本作品もそれに該当するのかは不明である。確かに迷走はしている。
この作品に限らず2000年代はやたらエヴァを題材としたゲームが出ていたがどれも微妙な評価をされていたりする。
例外は上述した『バトルオーケストラ』と庵野秀明が自ら監修した『新世紀エヴァンゲリオン2』ぐらいなものである。
らき☆すたの「ガ○ダム談義」にて泉こなたが「ガ○ダムと名前がついていたら〜」という話を持ち出すのだが
その中に「名探偵ガ○ダム」というものがあり、おそらくこのゲームが元ネタ。
僕は追記・修正特別捜査官、碇シンジです!
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▷ コメント欄
- 何この....何? -- 名無しさん (2021-03-25 03:30:53)
- 監督の知らんうちにガイナ側がエヴァの変なゲームやグッズ出しまくってたらしいけどそれの極地だよなぁ… -- 名無しさん (2021-03-25 07:04:40)
- ロックマンスーパーアドベンチャー?だったかを思い出すな… -- 名無しさん (2021-03-25 08:22:19)
- まさかエヴァが教室で戦ったりせんやろ…() -- 名無しさん (2021-03-25 08:36:31)
- なお、等身大バトルはシンエヴァでは・・・ -- 名無しさん (2021-03-25 08:37:56)
- 終盤連呼される「生命のスープ」で耳がゲシュタルト崩壊する。あとエヴァ弐号機の登場の仕方や等身大エヴァバトルが後の新劇っぽい -- 名無しさん (2021-03-25 08:52:55)
- 今思うと色々時代を先取りし過ぎてた作品だったな……乙型(乙号機)のデザインは結構好きだったからバトルオーケストラでプレイアブルになったのは嬉しかったな。 -- 名無しさん (2021-03-25 09:25:57)
- さりげにキール議長とチルドレンたちが絡む珍しい作品? -- 名無しさん (2021-03-25 12:04:17)
- こんなの勝手に作られ続けたらそりゃ鬱病にもなるわな… -- 名無しさん (2021-03-25 12:38:08)
- 新劇場版公開以前に最後に発売されたのはこれじゃなくてバトルオーケストラなので修正(これは07年1月発売、バトルオーケストラは同年6月発売)。 -- 名無しさん (2021-03-25 12:56:03)
- キングオブ「端から見てるだけなら超面白いゲーム」 -- 名無しさん (2021-03-25 19:50:48)
- 「それはちがうよ!」いや、こっちのほうが先だけど -- 名無しさん (2021-03-26 09:39:09)
- 漫画版ではユイの写真に隠れた紙ペッラの死徒が登場。こちらはかなりホラーで、写真のごとく物理的に薄いユイに擬態している。 -- 名無しさん (2021-03-26 12:06:21)
- コンビニとかで売ってたサブカル本の名探偵大全みたいなのでコナンや金田一と一緒にシンジも名探偵として紹介されてたけど由来はこれか -- 名無しさん (2021-03-26 17:29:29)
- ゲームとしてもっと洗練されてたらなぁ。バカゲー自体は嫌いじゃないけど名作には程遠い。 -- 名無しさん (2021-03-26 18:28:43)
- 庵野がきちんと監修してたのはエヴァ2くらいだからなぁ……これと鋼鉄のガールフレンドシリーズとゲーム版碇シンジ育成計画、綾波育成計画&アスカ補完計画等はかなり怪しい -- 名無しさん (2021-03-27 11:46:37)
- すっげぇシュールなのに「エヴァ題材で推理もの」と言う体裁自体は整ってるのがじわじわ来るwww -- 名無しさん (2021-03-27 21:33:32)
- 加持さんの死が明確に描写されている数少ない作品な気がする -- 名無しさん (2021-04-04 17:00:35)
- あまり知られていないが初号機と弐号機(人間サイズ)が二人がかりでボーリングのスコアラーを破壊するパートもある、選択肢ミスのバッドエンド直行ルートだけど -- 名無しさん (2021-04-06 00:15:39)
- 公式サイトの清川さんのインタビュー適当すぎる… -- 名無しさん (2021-04-20 18:01:38)
- 葛城マンどんなんだと検索してみたらデザイン自体はゼルエルカラーのエヴァ素体みたいな感じでギリギリエヴァの範疇だけど、設定資料集に「正式名称ですが何か」みたいな感じで冷静に載ってる葛城マンの文字と実況動画の「ミサト悲鳴→八つ裂き光輪のポーズからバーチカルギロチンぶっ放す葛城マン→ミサトの微妙な顔」の流れが破壊力高すぎるw -- 名無しさん (2021-05-30 10:43:25)
- 教室でエヴァが戦ったり葛城マンがまんまアレだったりシン・〇〇の伏線多過ぎでは(絶対違う) -- 名無しさん (2022-08-21 08:14:22)
- お値段26,040円というのがまた -- 名無しさん (2024-05-04 23:40:31)
#comment(striction)
*2 原作とは一部が異なる部分もある。
*3 ゲヒルンじゃないかって? いやマジでこのゲームではボイス付きで『ゲルヒン』と呼ばれてるんです……。
*4 査察官と審判長を相手に「残虐な変死のガーゼ」をフルコーラス歌いきる、唐突なアメリカンジョークを話し出すなど
*5 一応言っておくがこちらはエヴァゲーとしては高い評価をされている。
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