登録日:2021/02/17 (水) 20:13:07
更新日:2024/05/24 Fri 13:49:28NEW!
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小説家になろう ハーレム 楽園 ダッシュエックス文庫 カクヨム 長大語 集英社 くさもち マッパニナッタ パワハラ聖女 パワハラ聖女の幼馴染と絶縁したら、何もかもが上手くいくようになって最強の冒険者になった ~ついでに優しくて可愛い嫁もたくさん出来た~
レーベル:ダッシュエックス文庫
著者:くさもち
イラスト:マッパニナッタ
くさもちによって小説家になろうに連載されている小説作品。『カクヨム』にも掲載されている。
第1回集英社WEB小説大賞《銀賞》受賞。
解説
「小説家になろう」に連載されているファンタジー小説の書籍化作品。
タイトルの通り、わがままな幼馴染と絶縁したことで主人公の人生が好転し、優しく可愛い女の子とのハーレムライフを送る物語。
WEB版での本編は一旦区切りを付けているが、不定期で後日談が連載されている。
なお、登場人物は各地の神話や伝説に出てくる楽園や死後の世界が由来となっている。
書籍版にあたり、WEB版では規約上難しかったサービスシーンがガッツリ追加されている。
あらすじ
幼馴染みで聖剣に選ばれた聖女エルマから日々執拗にパワハラを受けていた荷物持ちの青年イグザ。
心身ボロボロになりながらも耐えていったが、ある日エルマに心無い言葉をぶつけられたイグザは限界を感じ、
絶縁状を叩きつけてパーティを抜けたのであった。
これを機に今まで不遇だったイグザの人生が一変し、皆から賞賛される冒険者となり、優しくて可愛い聖女に囲まれる日々を送った。
同時に、人や世界を脅かす魔獣に対抗するために聖女を束ねて導く、勇者となることを意味していた。
これは、そんなイグザが報われ、神すらをも凌駕する史上最強の英雄へと成り上がっていく物語である。
登場人物
勇者パーティ
- イグザ
本作の主人公。エルマとパーティーを組んでいる荷物持ち。年齢は21歳。
建前上はエルマの恋人となっているが、その実情はエルマから日々執拗にパワハラを受けている。
エルマのせいで装備を買って貰えないという不遇な日々を送りながらも、人々の希望たる聖女として選ばれたエルマを守るために耐えてきたが、
彼女から心無い言葉をぶつけられた事で我慢の限界を迎え、絶縁する形でパーティーを抜けた。
これによって聖女の特権である人々からの施しを受けることはなくなったが、
港町ハーゲイのギルドでクエストを受けたら飛竜*1を退治して〝ドラゴンスレイヤー〟と呼ばれたり*2、
マグリドの火口に落ちながらも生存したことで住民から伝承にあるヒノカミさま(実際には御使いであるが)として崇められ、
優しくて可愛い聖女に囲まれて(エッチする)行く日々を送るなど、一気に人生が好転していった。
だが、テラの一件から世界を脅かす魔物とそれと深い関係のある〝穢れ〟に立ち向かう為に、
賢者の遺物に選ばれた聖女を束ねて導く者『勇者』として世界を救う使命を果たす事となった。
困っている人がいたら放っておけずに自ら助け、他者を傷つけるものには断固として立ち向かうお人好しだが、
幼馴染であるエルマに対しては散々苦しめられたのか当然ながら好意的ではない。
ある出来事で自分に好意を抱くアルカディアに対しては嫁(仮)という形で若干距離を取っていたが、
これは後述のスキルで不死になった事で、そうでないアルカディアと死に別れる時が来てしまうのが大きな理由*3。
- 《身代わり》
イグザが授かったスキル。
『誰かの代わりにダメージを負う』だけの効果で、イグザも「正直、なんの役にも立たないスキルだ」と酷評していた。
しかもこのスキルを授かった事で、村の希望たるエルマを守るために村の人々から常にエルマの側に置かれてしまい*4、長きに渡ってエルマからのパワハラに苦しめられてしまった。
- 《不死身》
《身代わり》から進化したスキル。
『死を含め、受けた傷を瞬時に回復する』という強力なモノであり、実際に回復速度もほぼ一瞬で全再生するだけでなく、ある理由で火口に落下しても無事であった。
しかもイグザがいくら走っても全く疲れる様子はないことから、どうやらスタミナにも適用されており、成長は阻害されないので走れば走るほど脚力も上がっていく。
しかし、飛竜の胃の中に充満している臭さに苦悶し、熱湯を浴びて悶えてしまう、火口の内部の暑さに苦しむなど感覚までは適用しないように描かれている。
このスキルが進化したのは、今まで何度もエルマの傷を代わりに受け続けた事が関係しているものだとイグザは推測している。
- 《不死鳥》
《不死身》から進化したスキル。
『大いなる火の御使いとなって、死を含め、受けた傷を瞬時に回復し、火属性攻撃を無効化する』というチートじみた能力となった。
また、イグザが気合いを入れると身体中を真紅の炎が包み込み、さながら火の鳥の如き姿となって飛翔可能となる。
この炎は基本的には触れた者に危害を加えないが、イグザが明確な攻撃の意志を持つと燃やす事ができる。
ただ、飛翔するには火の鳥にならねばならないので日中でも無駄に目立つ、しかもその大きさのせいでそこまでスピードが速くない問題点がある。
毒針を受けてもすぐさま回復するので実質効き目はないが、大岡裁きよろしく体中を強く引っ張られてしまうとそれなりに痛みを感じてしまう。
アダマンティアの戦いで力不足を実感したイグザは、少しでも強くなろうとサブスキルである《火耐性》習得の為に神殿に向かったが、
祭壇で足を滑らせて火口に落ちながらも《不死身》スキルで生存はした事に感心したイグニフェルから「己の力の一端を授かる」形で進化した、という経緯がある。
尤も、身に付けていた衣装は火口に落ちた時に燃えたらしく、火口から脱出した後に案内役であるカヤに全裸姿を晒してしまう(しかもアレも見られる)羽目になった。
- 《体現》
《身代わり》から派生したスキル。
『過去に蓄積したダメージからスキルを模倣する』というやはりチートじみたもので、エルマの代わりに受けた全てのダメージや負荷から《疑似剣聖》を習得した。
アルカディアとの戦いでこのスキルが『現在受けたダメージからスキルを模倣する』へとさらに進化し、戦った相手から受けたダメージの数だけ、その者の技量とスキルを自分の物にする事が出来る。
- 《疑似剣聖》《疑似神槍》
《体現》で習得したスキル。
聖女達の戦闘技術を擬似的に習得できた状態であるが、イグザはこれらを魔刃剣ヒノカグヅチで駆使する。
- 《完全受胎》
テラから授かったスキル。『任意のタイミングで必ず妊娠させることが出来る』という……二つ目のメインスキル。
明らかに戦闘系とは無縁であるため、イグザからすれば困惑ものであるが、アルカディアやマグメルは自分とイグザの子供が出来ると歓喜していた。
【フェニックスローブ】
かつてヒノカミさまの御使いが着ていたと言われている伝説の装束。赤色を基調としている。
地下にある地底湖の水を用いて球体状の封印が施されているが、町長とその孫娘カヤから封印を解く事ができれば授けるという形で案内され、成功したことで獲得した。
封印を解いた瞬間、ローブが霧散したと思えばイグザの体格に合わせるように変化したが、残念ながら下着というものはなかった。
- スザクフォーム
フェニックスローブ第二形態。全身に纏う鎧と、背に生えた四枚の翼、翼の周りに日輪のように輝く光の輪が特徴。
絶体絶命の危機に陥ったマグメルを助けようとした際に「より早いスピードで空を翔るしかない」と言う意思によって進化した。
イグザの全身に行き渡らせる形でイグニフェルの力を漸く制御する事が可能になり、ヒノカグヅチのようにフェニックスローブが鎧のように変化、
フェニックスローブが変換器の役割を果たす形で、イグザの力を爆発的に高めてくれる戦闘形態へと移行した。
この形態は人の姿のまま飛翔が可能となり、尚且つ飛翔速度も火の鳥化よりも上である。当然、他者を抱えての飛行も問題なく行える。
触れている者の傷を癒して体力も回復出来る為、イグザに触れている限りは相手側は無限に力を振るうことが出来る。
また、その力を応用して〝穢れ〟を浄化する事も可能である。
【魔刃剣ヒノカグヅチ】
レイアがイグザの為に造った武器。
フィオから一番強い武器を聞かれたイグザがエルマの代わりにダメージを負った事をヒントに造られた。
外見は「柄が長すぎるアンバランスな短剣」であるが、その実態は凝縮された炎の刀身を展開する、というもの。
しかも炎はイグザの中に眠るイグニフェルの力であるため、属性的に不利な水属性を真っ向から捩じ伏せる火力を持つ。
全ての剣技を高水準で使いこなす《疑似剣聖》を生かし、尚且つ双剣や大剣、片刃の長剣といった様々な形状に変化できるので、即座に武器を切り替えて変則攻撃を繰り出せる他、
《体現》スキルで槍といった剣以外の武器へと形状変化して使いこなせる。
名前の由来は日本神話に語られる火の神『火之迦具土神』。
- アルカディア
聖槍に選ばれた《槍》の聖女。
初登場時は、ガンフリート商会と組んで武神祭に参加していたが、自身の力に耐えられる槍を求めて組んだだけに過ぎない。
自分の実力に鼻をかけている自信家ではあるが、ガンフリート商会が造った槍の一撃で対戦相手を武器や防具ごと真っ向から吹き飛ばす、
ヒノカグヅチの変則攻撃にも即座に対応するなど、決して口だけではない。
強き者と全力で戦う事を至上としており、レイアと組んだイグザを闇討ちしようとした商会関係者を「ゲスども」と軽蔑した上で妨害し、直後の決勝ではイグザを強いと認めた上で観客がいる闘技場での聖槍の使用を躊躇しなかった。
ただし、後に「万一受け止められなかったら直前に霧散させるつもりでいたが、観客を巻き込んだことに変わりない」と謝罪しており、素は善良であることがうかがえる。
ただ、親の意向もあってか、基本的に人と戦う事にしか興味を見せず、魔物は襲ってきた時や食べる時にしか相手にせず、実質的に人々を守る役目を放置していた。
と言うより、幼少期から「聖女とは強く在るべき」「弱い聖女に価値はない」と常に教えられており、その事もあってか強くなることだけを考えて生きていた。
もし自分が負けたら何を支えに生きていけば良いのかと苦悩していたが、全力を出し切った上で完膚なきまでに下したイグザであれば「きっと弱い聖女の私でも受け入れてくれる」と思って求婚した。
そしてイグザに対して積極的っちゅーか大胆になったのか
- 自分をイグザの嫁(正妻)だと信じて疑わず、マグメルを初めとする恋のライバルと張り合うこともしばしば*5。
- 婿であるイグザに対して「もっと親しみのある名で呼んで欲しい」と懇願する*6。
- 宿屋でイグザと褥を共にしようとする。
等、妙なところで我が強い。まあ、「ハーレムもの」のヒロインとしての宿命だし、彼女に限った事ではないが。
家庭的と自称するが、料理は肉は焼ける程度、洗濯も濡らして干せばそのうち乾くと言い切るなど、家庭的と言うにはいささか怪しいワイルドである。
父親は母親を死闘の末に力尽くで手に入れて結ばれたという経緯が有り、加えて後述する生まれた村の特殊な環境も合わさって上記の人格を形成している。
容姿は流れるような銀色のロングヘアーの麗しい美女であり、こちらもかなりの戦闘力を有している。
名前の由来はギリシャのペロポネソス半島中央部に実在する地名で、古くから理想郷・牧歌的な楽園・理想的田園の代名詞として使われてきた『アルカディア』。
- 《神槍》
アルカディアが授かったスキル。
古の賢者によって鍛えられた聖槍を使いこなすことができる。
- 聖槍
《神槍》のスキル所有者のみが扱える武具。
闘技場で使用すればイグザが受け止めたとしても観客を巻き添えにしてしまう威力を誇る。
- マグメル
聖杖に選ばれた《杖》の聖女で、露出度がかなり低い女神信仰の教徒の服装をしている。
性格は厳格であり、城塞都市オルグレンにて生を受けてからは、神に選ばれし聖女としての使命に誇りを持ち、人々の安寧のために役割を果たす一方、
聖女として生まれた以上、自分の人生は全てこの世に生きる人々の為のものであり、自分の為に生きてはならないと信じて疑わない。
その為、同じ聖女であるアルカディアに対してはかなり辛辣な言葉を飛ばしていく程度に反りが合わない。
しかし実際には常日頃から自分を抑圧しながら生きており、自分は聖女なのだからと必死に言い聞かせている事をアルカディアに看破されている。
聖女らしく在ろうとして、そぐわぬものをとにかく排除し続けて我慢に我慢を重ねたが、逆に人知れずに扇情的で布地の薄い下着を穿く事に快感を覚える*7、つまりドMに目覚める(?)結果に。
魔物との戦いにおいてワイバーンに襲われた所をイグザに助けられるも、聖女として全てを抱え込もうとして突き放すような態度を取ってしまう。
しかしイグザから「全てを抱え込むにはあまりにも脆すぎる」と踏まえた上で「だから俺がお前の支えになってやる。その代わり、お前も俺に頼れ。聖女だからと全部一人で抱え込むな」と諭された。
この一件で今まで我慢していたものが一気に弾けてしまい、自分を律して厳格に生きた頃が嘘のように欲望に忠実になり*8、
イグザに対してはベタ惚れしてあまあまなお姉さんと化し、アルカディアには恋敵として挑発的な態度を取るようになった結局あまり変わってない。
名前の由来はケルト神話に出てくる死者の国で「楽しき都」「喜びヶ原」とも呼ばれる『マグ・メル』。
- 《無杖》
マグメルが授かったスキル。
古の賢者によって鍛えられた聖杖を使いこなすことができる。
- 聖杖
《無杖》のスキル所有者のみが扱える武具。
- サンライトヴァーミリオン
かなりの威力を誇る強力な術技。
聖女パーティー
- エルマ
聖剣に選ばれた《剣》の聖女で、同じ村で生まれ育ったイグザとは幼馴染の関係。年齢は20歳とイグザより一個下。
表向きは誰に対しても分け隔てなく接する慈愛の聖女であるが、その本性は超絶わがままで世間体をやたらと気にする性格。
表向きではイグザと恋人の関係になっているのも、前述の性格からか「イグザがエルマに惚れて村を飛び出してきた」というドラマチックな展開で人気を集めたがっているから。
イグザに対して日々執拗にパワハラを行っており、
- 物語の冒頭で宿に着いたイグザを理不尽に叱責し、あろう事か部屋が一つしかないという理由で野宿させようとする。
- 飲み物を持ってくるのが遅いと怒鳴ったり、料理が不味いと皿を投げつける。
- イグザに対して値段の高い装備品を買わせなかったりする*9。
と、問題行動が目立っており、それが災いしたせいでイグザに愛想を尽かされて絶縁を叩きつけられてしまう*10。
新たにポルコを雇ったものの、因果応報ながらも悲惨(?)な目に遭ってしまう。これらの物語は《聖女パーティー》エルマ視点で描かれる。
マグメルからも分かるように聖女が人々の希望として全うしなければならない以上、大抵ストレスが溜まるものであるが、
エルマの場合は「可憐で、優雅で、理知的であらねばならない」と聖女として振るまい、イグザと二人きりになった時は彼に酷く当たり散らす、と悪い所に向いてしまった。
容姿はツーサイドアップの髪型をした可愛い系の美女であるが、貧乳である。当人はこれにコンプレックスを感じている描写があり、成長期だと言い聞かせているらしい。
名前の由来は大航海時代のヨーロッパ、特にスペイン人の間で広まった南米にあるとされた黄金郷『エル・ドラード』。
- 《剣聖》
エルマが授かったスキル。
低位から最高位までの全ての剣技を修められるレアスキルで、古の賢者によって鍛えられた聖剣を使いこなすことができる。
- 聖剣
《剣聖》のスキル所有者のみが扱える武具。ヒヒイロカネで造られている。
- ポルコ
イグザの代わりに新たに雇った荷物持ち。エルマに『豚男』『豚』という渾名を付けられる程のふくよかな体型であり、団子鼻と髭が目立つ。あと、かなりの汗っかきで、イビキがうるさく、足が臭くて、鼻毛が出てる。
礼節こそ弁えているものの、暑苦しくて無神経な部分が目立っており、遠まわしに解任を告げられても妙なところで使命感を見せて付いてきた。
また、エルマより先に宿で休憩し、マグリドについた時は暑さでダウン*11、船旅で嵐に見舞われたときはグロッキー状態に陥る、とスタミナはあまりよくない。
名前の由来はイタリア語で『豚』を意味する言葉から。名は体を表すとはよく言ったもの……なのだが?
女神
- イグニフェル
『火』と『再生』を司る女神。マグリドに伝わる『ヒノカミさま』として人々に崇められている。
火口に転落しながらも生きていたイグザに関心を抱き、自らの力を授けてイグザの持つ《不死身》のスキルを《不死鳥》へと進化した*12。
ちなみに、イグニフェルという名が出たのはテラと会った時であり、それまではイグザも『ヒノカミさま』と呼んでいた。
- テラ
『地』と『生命』を司る女神。オルグレンの北山に伝わる『ジボガミさま』として人々に崇められている。
外見は20代半ばくらいの美しい女性で、草木を思わせる緑髪が特徴。そしてすごいでかいモノを持っているからか母性的な印象を与える。
〝穢れ〟を浄化し続け、そこから新たな生命を生み出していたが、何らかの理由で溜まりすぎた〝穢れ〟の浄化が追いつかず、反対に〝穢れ〟に呑み込まれてしまった。
テラを縛るかのように巨大な人の女性を模したであろう躯体を構成していたが、その姿は頭部を含めた全身の殆どが爛れ、口以外の機能と両腕を持たない悍しいモノとなっている*13。
魔物を生み出す母にされてしまったテラは理性を失い、〝穢れ〟から新たな生命である魔物を生み出してオルグレンを脅かしていき、
かと言って撃破すれば〝穢れ〟が浄化されないまま地上へと溢れ続け、オルグレンの大地はやせ細って死に絶えてしまうという面倒な状況になってしまっていた。
しかし強引に体内へと侵入したイグザによって、取り込こんだ〝穢れ〟ごと浄化されて救出された*14。
後日にイグザ達に重要な話を伝えた上で、他の女神を捜索して協力を仰ぎ、その上で『雷』と『破壊』を司る女神フルガにだけは用心するようにと警告していた*15。
なお、『生命』を司る神だからか授けたスキルは《完全受胎》であり、アルカディアからイグニフェルの力を感じたことから、彼女の愛する人であるイグザと結ばれたことを一瞬で見抜いた。
その他
- リサ
港町ハーゲイのギルドの受付嬢。年齢は不明だが、イグザよりも少し上と思われる。
イグザは彼女に好印象を持ったものの、クエストの依頼の最中の出来事でドラゴンスレイヤーになったせいか、
その地では有名になってしまい、いかにもな肩書に弱いエルマが自分の利益のために〝ドラゴンスレイヤー〟を勧誘しにくると読んだ(実際その通りだった)イグザは涙を呑んで彼女から離れてしまった。
- ティア
10代半ばくらいの少女。母親にマグリドの温泉旅行を楽しんでいき、その為にお金を貯めて働く母親思いであるが、アダマンティアのせいで封鎖されて台無しにされてしまう。
後にアダマンティアを退治した事で無事に母親と一緒に温泉を楽しむことができ、イグザに感謝すると同時に再会を約束して帰路に着いた。
- カヤ
火山の島マグリドの町長の孫娘である、18歳の少女。
ヒノカミさまの血筋を引く巫女であり、ヒノカミさまが住まうと言われる火口の内部にある神殿の案内役である他、フェニックスローブの在り処を知っている。
イグザによってヒノカミの所在が分かった時は、これを後の時代に紡ぎ続けるために御使いであるイグザの血筋を受け継ぐ巫女の存在が欠かせない、という理由でイグザに夜伽を仕掛けた。
だが、イグザからヒノカミを蔑ろにした事への贖罪ではなく、「本当に心から好きになれる人と結ばれて欲しい」と諭されて一先ずは夜伽をやめた。
- フィオ
12歳くらいの女の子でレイアの一人娘。亡き父が造った武具を売って生活費を稼ごうと健気に客を探しに来ていた。
- レイア
ラフラの妻であり、大きなハンマーを手に持ったかなり筋肉質の女性。
一年前に彼が殺されてからは『ラフラ武器店』を営んでいるものの、ラフラに恨みを持つガンフリート商会の関係者からの嫌がらせで客足が遠のく一方で家賃も滞納している。
鍛冶師であるが、自身の技量はラフラに及ばない事を自覚しており、武神祭に参加しないのも「中途半端な武器を添えて敗北すればラフラの名声が地に落ちる」からであり、
「ラフラをこのまま町一番の鍛冶師でいさせたい」という一心で耐え続けていた。
このままでは店が潰れ、かと言って出たとしても負ければラフラの評判が落ちるという状況に見かねたイグザは武神祭の参加を決意した。
それでも反対したが、出来うる限りで優勝すると聞いた時は彼の為に〝魔刃剣ヒノカグヅチ〟を製作した。
- ラフラ
故人。レオリニアで一番の鍛冶師であり、ラフラ武器店の先代経営者。
武神祭でも幾度となく優勝してきたが、武神祭で優勝が決まった直後に突然死した。
だがレイアによると勝利し続けたが故に別の武具店の恨みを買ったらしく、死んでからは連日のように別の武具店の関係者が嫌がらせ同然に押し寄せている。
彼の人物像は不明だが、生前「鍛冶師とは、誰かを守るために槌を振るう」と言っていたそうで、利益の為に武器を作っていた訳ではないと思われる。
- ガンフリート商会の関係者
ラフラの代わりにレイアが経営するラフラ武器店に連日押しかけては妨害を行っている。
恐らく動機は武神祭でラフラに負けたことによる恨みであり、ラフラの名声を落とすためにレイアに武神祭に参加させることを強要させていた。
しかしレイアがイグザと組んで勝ち上がってきたことで焦ったのか、イグザを闇討ちしたが返り討ちにあった上に、
組んでいたアルカディアからも邪魔され、最終的には悪行がバレてしまい周囲から非難される結末を迎えた。
- フレイル
オルグレンの城主を務めている女性。
夫であり先王ジークルドを先の戦いで亡くし、代わりに魔物との脅威と戦っている。
なお、マグメルの変貌ぶりには唖然としたらしいが、今まで厳格で聖女らしく在ろうとした姿しか知らなかった以上、当然の反応と言えよう。
- ジークルド
故人。フレイルの夫であり、オルグレンの城主を務めていた先王。
魔物たちの巣を殲滅しようとしたが、魔獣の熾烈な攻撃の前に戦死した。
魔物
- アダマンティア
硬い緋色の甲羅を持つ巨大亀型の魔物。イグザが退治した飛竜よりも明らかに大きい上に*16、マグリドの火口付近に住み着いたせいで封鎖されてしまい、ある親子が温泉を楽しめないという悲しい出来事に見舞われる。
魔物にしては珍しく性格は温厚であるものの、怒ったときにかます頭突きは大岩を一撃で粉々にしており、ある意味では怒らせたら危険な魔物である。
だが、イグザとの交戦(?)では、その頭突きで割った大岩の隙間から吹き出したお湯が顔にかかり続ける状況になってしまい、そこから逃れようとする激しい動きと重量のせいで足元が崩れてしまい、そのまま崖から転がり落ちるように海に転落した。
ちなみにアダマンティアの甲羅は、今や加工はできないであろう伝説の金属『ヒヒイロカネ』の原料になると言われているが……?
用語
- スキル
この世界のおける人々の人生を左右する才能ようなものであり、生まれた瞬間に女神から授かるとされている。
それとは別に、自身の能力として確立される技能としてサブスキルと言うものが存在する。しかしランクはE~Aの5段階に分別し、初期の〝E〟は習得しやすいが、効力はそこまで高くはない。
基本的には一人につき一つだが、希にスキルを複数持つ者が存在する。これは女神が与えたものではなく、何かの弾みでスキルを〝派生〟させたものである。
- 聖者/聖女
この世に七つしかないと言われる古の賢者の遺物に対応するスキルを持つ者であり、逆に言えばこのスキルを持たない者にはそれを扱うことができない。
男が手にすれば聖者、女が手にすれば聖女と呼ばれ、人々から希望の象徴として讃えられるだけでなく、施しが貰えるのが特権である。
しかしそれ故に〝聖女〟としての重圧に苛まれる事もあり、聖女として選ばれた者たちは何かしらの闇を抱えている。
- ヒヒイロカネ
伝説の金属。エルマが持つ聖剣も古の鍛冶師がヒヒイロカネを加工して作ったという。現在ではその金属を加工する者は存在しないらしい。
一説では、魔物であるアダマンティアの甲羅もこのヒヒイロカネの原料になると言われている。
- 穢れ/大地の穢れ
大地に溜まる汚れ。命ある者が生み出す負のエネルギー。テラはこれを浄化する事により新たなる生命を生み出していく。
通常は神を呑み込むほどの〝穢れ〟が溜まる事は有り得ないが、いかなる理由か増え続けている。
現にテラは大地の〝穢れ〟の浄化が追いつかずに呑まれてしまい、魔物を生み出す存在にされてしまった。
テラは、意図的にそれを生み出そうとしている者がいると推測しているが……?
- 世界樹
テラの依代たる大樹。その名に相応しく、生命力が溢れている。
ずっと前からあった訳ではなく、テラが復活したことで昨日までは壮大な草原が広がった地に一日でそびえ立った。
この世界樹が健在である限り、〝穢れ〟は新たなる生命として浄化され続けるが、前述の通り〝穢れ〟自体は増加の一途を辿っている為、根本的な解決には至っていない。
地名
- 港町ハーゲイ
エルマと絶縁したイグザが立ち寄った港町。
- マグリド
ハーゲイから逃げるようにイグザが立ち寄った火山島。
温泉地としても有名な場所であるが、アダマンティアが火口付近にいたときは封鎖されてしまった(後にイグザによって解決)。
火口の途中に《火耐性》のサブスキルを授ける為の神殿があるが、火山の内部にあるので、祭壇は煮え滾る溶岩の見える巨大な縦穴となっており、
一歩間違えば火口に真っ逆さま(当然死ぬ)という危険な構造となっている。実際イグザは足を滑らせて火口に転落した。
マグリドの火山に住むという伝説の守り神『ヒノカミさま』の伝承があったが、実際に見たものが殆どいなかった為に廃れていた。
後にヒノカミさまの復活により住民は大いに盛り上がり、町長たちはヒノカミさまを祭るように祭壇を改装する事となった。
- 武術都市レオリニア
マグリドの次にイグザが立ち寄った町。マグリドから東にあるラスコラルタ大陸の武術都市。
冒険者達が互いの技量を競い合う為の闘技場があり、そこで勝てば賞金が貰える。その事もあってか世界中からたくさんの猛者たちが集っており、参加者用に多数の武具店が存在している。
年に一度、都市中の武具店の中から、最高の武器職人を決める大会『武神祭』を開催している。
ただし、単に武器を作ればいいというものではなく、武器を作る鍛冶師とそれを使う冒険者が組む事で成り立つ大会である。
- 城塞都市オルグレン
レオリニアの次にイグザ一行が立ち寄った町。
山を丸々一つ削って造られており、城下町を守る高い円形の城壁だけでなく、上の方にある城の周りにも城壁が張り巡らされている。
城門は北と南の二ヵ所のみでそれぞれに跳ね橋が設置されており、緊急時はこれを上げて籠城する仕組みとなっている。
町の北に建てられた横一面の巨大な壁『大北壁』がオルグレンの守りの要となり、北の山から絶えず侵攻してくる魔物の軍勢を防いでいる。
だが、テラが〝穢れ〟に取り込まれた影響で常に魔物に脅かされる日々を送るだけでなく、出現する魔物の個体も強力なものが多い*17。
その事もあってか常に魔物の討伐を心待ちにしているが*18、冒険者の死亡率も高いことからクエストの多さに反して受注者が少ないのが現状。
加えて、オルグレン周辺の土地は痩せ細り続け、作物の収穫量も減少傾向にあるという深刻な事態に陥っている。
それに悩まされたフレイルはオルグレンの放棄を考えていたが、イグザがテラを呑み込んだ〝穢れ〟を浄化した事で魔物は一斉消滅、痩せ細った大地も蘇り始めた。
- アルカディアの故郷
アルカディアの生まれた村。
深い森の中にある隠れ里のようなものであるが、何故か女しか生まれず、子供を残す為に年に一度森の外に出て伴侶を探しに行く。
しかしそういった事情からか村人達は皆男勝りであり戦士のような感じとなっており、伴侶になる条件も自分を倒せるくらい強い男であることが必須。
また、村は男子禁制であり、夫婦となった者達は森の外にある村で暮らすが、子供が三つになった時に母親と一緒に森へと戻り、父親はそのまま森の外の村で暮らしていく。
子供は新たな村の戦士となるように母親から10年の歳月をかけて教育を施され、その時になって母親は森の外にいる父親の元へと戻れる、という掟がある。
なおアルカディア曰く、聖女として選ばれた自分はこの限りではなく、その子供を長たちに奪われる事態は起こらない。
……とのことだが、同時に「聖女×それを打ち負かした男」という優秀な戦士になるであろう血筋を残そうと長たちが躍起になる可能性が割とあるとのこと。でしょうね
- 港町ファミーラ
エルマ達聖女パーティが訪れた場所。ラスコラルタ大陸の港町。
余談
タイトルの長さに目を惹かれたWiki籠りも多いと思われるが、このタイトルの文字数は『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』のなんと約半分の65文字である。
追記・修正は、火口に転落しても生存できた方にお願いします。
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- 依頼によりリセットと警告を追加を実施 -- 名無しさん (2021-02-24 12:21:33)
- 余談見る前→タイトル長いな 余談見た後→タイトル思ったより短いな -- 名無しさん (2021-03-05 17:07:09)
- 小説家になろうタグで見たらアニヲタWiki内ではこれが一番タイトル名長いのかな? -- 名無しさん (2021-11-12 17:25:11)
- 相談所に報告のあった違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-09-15 17:20:25)
#comment(striction)
*2 クエスト依頼の最中に飛竜に食われたが、短剣で胃の中を切り裂いて脱出に成功して、結果的に飛竜を撃破した。なお、エルマは(イグザである事を知らないとは言え)「飛竜を短剣一本で倒すような猛者」と思い込んでいた。
*3 当のアルカディアもそれを承知の上で、イグザと添い遂げることを選んだ。なお、イグザと結ばれた後のアルカディアにはイグニフェルの力が僅かながら宿っており、イグザのように不死を体現できないものの、不老と無病の効果が得られたのでその問題は解消された
*4 イグザの両親に至っては、村の希望を守れるならと自分の子が傷つくことを厭わずに喜んでいた事が(地の文という形で)イグザによって語られている。
*5 一応、妾というものに関しては容認している。正妻の余裕とでも言うのだろうか?
*6 それ以降、イグザは彼女をアルカと呼ぶようになった。
*7 それをアルカディアによって見せられた挙句、からかわれてしまう。
*8 イグザとアルカディアが宿泊している宿屋の部屋に「聖女の特権で何とかする」形で泊まり込むなど。
*9 駆け出しでないイグザが使い古しの装備のままなのもそれが理由。
*10 しかも荷物は全てイグザに任せっきりだったので、彼が抜けた途端に自分で荷物の整理をせねばならなくなってしまった。
*11 エルマも流石にこの状態で連れ出すにはいかなかったのか、一人で調査に向かった。
*12 なお、イグニフェルが『火』と『再生』を司っている為、相性が良かったのも進化の一因と考えられる。
*13 そこから黒い泥を垂れ流す姿はアルカディアやマグメルを慄かせた程。
*14 とは言え、一歩間違えれば精神を食い破られて廃人となった可能性もあった為、イグザはアルカディアにお叱りを食らってしまった。
*15 ただし、これは彼女を疑っているのではなく彼女の気性が荒いから。
*16 書籍版での挿絵ではイグザが小さく見えるほどの巨体として描かれている
*17 大北壁防衛戦ではイグザ達が四足歩行の大型竜種ヴリトラ、狼型魔物ガルムの大群と交戦している。
*18 ギルドにあるクエストが発注されている掲示板には、指一本分の隙間もないほどにクエスト依頼が貼りつけられている。
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