境井仁

ページ名:境井仁

登録日:2021/02/16 Tue 23:30:08
更新日:2024/05/24 Fri 13:49:13NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



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サムライ 主人公 暗殺者 中井和哉 忍者 悪の敵 平野潤也 ghost of tsushima 対馬 お侍様の戦い方じゃない... 冥人 蒙古スレイヤー 誉れ 民ファースト



境井仁とは、ゲーム「Ghost of Tsushima」の主人公である。
CV:中井和哉、平野潤也(幼少期)、ダイスケ・ツジ(モデル、英語版)


以下、ネタバレの宝庫となります。






対馬を治める地頭「志村」の甥であり、現境井家当主。
だが、蒙古の襲来に際し鎌倉幕府の脅威になりうる者となった。


時は文永11年(ユリウス暦1274年、鎌倉時代後期)の二夏(旧暦5月頃)蒙古襲来の折、その最前線となった対馬にて元朝軍を迎え撃つが、「武士」というものを学んだ将軍「コトゥン・ハーン」によって尽く撃破され、地頭である志村も捕らえられた。


しかし仁は辛うじて生き延び、蒙古に支配された対馬国を取り戻すために戦うこととなる。
最初は武士らしく正々堂々と戦っていたが、蒙古襲来を境に、残虐に手を染める「冥人くろうど」と化す。
やがてどっちが侵略者だと言わんがばかりに蒙古の兵たちを虐殺。
蒙古であれば新兵でさえも見つけ次第皆殺し。連れている動物も例外ではない。
それどころか生きたまま炎に包み殺害。食べ物や酒に毒を仕込み、苦しませて殺す。遠距離から矢や爆弾を放り込み惨殺。
熊を放って蒙古達が食料にされるのを眺める新しい技や鎧が手に入ったので試しになぶり殺す蒙古と同じ鎧を着て仲間だと思い込んだ蒙古の隙を突いて騙し討ちをする毒で混乱させ同士討ちさせる等々、蒙古の殺戮を楽しんでいた。
それだけでなく、(野盗や裏切り者の類であるものの)その刃は同じ対馬の者たちにすら向けられる事もあった。


更に「支配される存在」である民や百姓に「戦う事」「強いものに立ち向かう事」等の余計なことを学ばせ、彼らはいつしか鎌倉幕府の支配に抗う事すら考えるほどになっていた。
彼は対馬を蒙古兵の血で赤く染め上げた後、以降行方知れずとなる。





追記・修正は、冥人等というまやかしに囚われず、鎌倉幕府の下知の元行うように。



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   *   *  *   + 一部うそではないです   n ∧_∧ n + (ヨ(*´∀`)E)   Y    Y  *



【本当の概要】

その正体は、未だ若いながらも「戦えぬ者らを護る」という信念のもと戦う真の武士である。
蒙古を討ち払い、対馬とその民の平和を取り戻すべく奮闘する。その為ならば己の信念=誉れをも捨て、鬼とすら呼ばれることになろうとも。
効率的に「夷狄殺し」を繰り返すその姿は時に民衆から恐れられ「お侍様の戦いじゃない」「人じゃないみたい」と囁かれることもある。
だが、「武士」が敵わなかった蒙古を蹴散らし民を救う仁の姿は人々の新たな希望でもあり、やがて対馬を守るため冥府から蘇った伝説の武者「冥人くろうど」として語られ、名を馳せていく。


【人物】

対馬五大武家の一つ「境井家」の七代目当主。
両親の死後、自らの面倒を見てくれた対馬の地頭にして伯父・志村の事を「主」として「師」として、そして「父」として強く慕っており、彼から教えられた「誉れ」に殉ずる一人の武士であった。
蒙古の襲来までは、志村の「武士として勇敢に、正々堂々と戦うこと」「虚に乗ずるは臆病の印、命を奪うときも誉れと情けを以て相手を見据えること」という言葉を胸に生きていた。


実直にして真面目な性格。自分には厳しいが他人には優しく、下々の者相手であっても(多少上から目線ながらも)敬意を示し、また無礼に接されても気にしない、害した場合や約束を違えた場合は頭を下げ詫びるなど、器が大きく作法はしっかりと心得ている。
だからといって言いなりというわけではなく、相手が間違えているとなれば目上の人間にも食って掛かる威勢の持ち主。
つまり彼は相手が人間であれば身分関係無しに平等に扱うのである。それは美点と言っても過言ではないが、そういった行為も「恵まれた者だからこそできる」事を彼は知らない。
彼本人もどこか頑固なところがあり、自分の価値観だけで物事を考えてしまい、更にストレートにぶつけてしまう為相手を怒らせたり怖がらせることもしばしば。
だが自らの考えと違うものを見ても決して否定せず、現実から目も逸らさない強さと優しさは様々な人を惹きつける、地頭を継ぐにふさわしい徳を有していた。


民への情も深く、敵であっても人格者であればその精神は認めたりする。困っている民は積極的に救ったり相談に乗ったりするのは序の口。
一騎打ちの勝負の果て、「来世では真の武士となれ」「おぬし、なかなかの腕であったぞ」と手向けの言葉を送ったり、敵と内通している人間に対しても即殺したりせず話を聞こうとすることも。


一方で蒙古や裏切り者・賊徒など、対馬の民を苦しめる者の排除には手段を選ばぬ、容赦のない一面もある。
人売りを生業とする賊を暗殺し、首をだんご3兄弟にして晒す。
蒙古へ寝返り、仁の恩人を害した牢人の一党「菅笠衆」は丸ごと成敗。ついでに新しい毒が手に入ったからと実験台にする。
蒙古に対しては特に苛烈なこと甚だしく手段を選ばず必ず殺す。蒙古部隊の意気減退の為に隊長格を斬首するくらい当たり前。そもそも人間として見ているかも怪しい。


戦いに於いては勇猛果敢で怖いもの知らず。だからといって怒りに囚われることは滅多に無く、冷静沈着に戦い抜く。


実は彼は幼い頃、賊に追い詰められた父に助けを求められたが、恐怖のため見殺しにしてしまったことがある。
それ以降「臆病」を非常に嫌悪しており、常に強くあろうとするなどメンタル面もかなり強い。ただし「時には逃げることも肝要」とも述べており、決して勇気と無謀を履き違えてはいない。
「誉れ」を第一とし武士としての姿を重んじていたが、小茂田の戦いと金田城でのハーンとの一騎打ちに敗れ、「誉れ」では強大かつ残虐な蒙古には勝てないと悟る。


以降は自身を助けてくれた野盗「ゆな」の言葉を受け、「誉れ」を捨て闇討ちや暗具の使用も行うようになる。
志村の、そして己の信念の一つである「誉れ」を捨てるということは仁にとって極めて大きな決断に他ならず、実際に暗殺や新しい暗器を使った際には過去を思い出し、後悔する素振りも見せる。
特に強制的に同士討ちさせる「混乱毒」は仁的には誉度最悪。使ってる方は楽しいのだが。
「この技は蒙古にしか振るわん」「この毒は蒙古との戦いが終わったら捨てる」とも決意しており、これらの行為はすべて「民を守るため」という信念と覚悟の下に行っている。新しい鎧を手に入れた際「蒙古で試してみるか」とか言い出すけど。


ゲーム的には毒を仕込む、生きたまま焼く、熊を解き放って蒙古を餌にすると言った行為も作中で可能。むしろお誂えのところに蒙古が捕らえた熊が閉じ込められてたりと明らかに推奨されてる箇所もいくつか存在している。
2周目要素の力も借りれば獰猛な蒙古の軍用犬を手懐けたりもする。
しかし仁は決して楽しんでやっているわけではないあくまでプレイヤーの所業である。
蒙古の兵はかなりの鬼畜揃いで同情の余地が無いのも事実であり、この辺りは「仁という人間は善良で礼儀正しいが、そんな彼ですら卑怯な手を使ってでも倒さねばならない敵」というゲームデザインと言える。


なお意外とおちゃめな所もあり、酔い潰れた挙げ句「真の武士に鎧はいらぬ」と言い放ったらしい。
更にとあるイベントでは美人の女性を口説くも失敗し、「なんでもない」と誤魔化すと言った可愛い一面もある。
動物好きな一面もあり、狐狩りをする蒙古にいつも以上に憤怒したり、小茂田浜の戦いで犠牲になったかつての乗馬に対しても悲しそうに話したりする。
風呂に入りながら酒や女が欲しいと俗っぽい考えを巡らせたり、ゆなや幼馴染と他愛のない話で盛り上がったりと、本来の彼は等身大の若者であると言えるだろう。


「冥人」という肩書はあの凶悪な蒙古供を蹴散らした仁の姿に畏怖してしまった民衆を説得するために、ゆなが生み出した100%アドリブの架空
当然伝承や逸話といった背景は一切なく、突然謎の概念を押し付けられた仁も困惑していた。


実父に対しては見殺しにしてしまったこと、母の死後非常に厳しくなったことなどが重なり複雑な感情に囚われている。
一方、見殺しにされた父は特に息子を恨んでいるわけではないのか、対馬の風となって仁を助けてくれる。同じく目的地ナビ鳥となった母上は方向音痴の為たまに息子を殺しかねないが。


【能力】

主人公ということもあり、武士としての能力は非常に高い。
様々な「型」を会得でき、多種多様の装備で攻めてくる蒙古の兵にも正面切って立ち向かえる素質がある。
身体も丈夫であり多少敵に切り裂かれたり、ある程度なら高いところから落ちても死んだりせず、毒を食らっても気合で治せる
ゲーム開始当初から武士としては完成されていたが、更に対馬の各地に伝わる奥義や弓の技を得るのみならず、
蒙古との戦いでは彼らの持ち込んだ兵器、そして隠密・暗殺などの盗賊の技をも冥人として使いこなすことになり、当代屈指の守護者として育っていく。
仁もその事を自覚している為か、味方を民の護衛に回し一人で陣地に突撃することも多い。


また地頭の甥でそれなりに恵まれた地位にいたためか、勉学にも明るい。
かつて孫子を学んでいたらしく、手紙をしたためるのはもちろん、蒙古の陣にあった漢文を読める他、策略や作戦を立てたり未知の戦法を取り込む手際にも長けている。…え?作戦の殆どが仁さん一人で敵陣に闇討ちor突撃?気にするな!
難しい話や伝承を聞いても戸惑ったりせずすぐ理解をし、殺害現場や足跡などの痕跡から真相にたどり着く観察力や洞察力も優れる
本人は下手と言ってるが楽器や詩の心得もあり、それで仲間の心を落ち着かせたこともある。


なお、能力とは少し違うが、このゲームは仁の心境≒笛を吹くか戦い方により天気が変わり、暗殺や毒などといった不意打ちを繰り返していると天候がよく大荒れする
尤も天気が他の部分に影響することはそれほど多くなく、「誉れ高い」戦い方をするか笛で特定の曲を吹けば天候が良くなる
一見天候を操っているようにも見えるが、荒れた天気なのにモブが「今日は良いお日柄」と言う事もある為、実際には仁にはそう見えているというのが正しいのかもしれない。


【その結末】

冥人として戦う仁に影響を受けた人間は非常に多い。


ゆなの弟であるたかも同じである。
礼儀正しいが臆病で、姉からは「虫も殺せない」と言われるが、鍛冶の腕は確かであった。彼本人も「姉と鉄と住むところさえあればそれでいい」と語るほど。
ところが彼はある時から、仁のように戦いたいと願うようになっていた。
仁も臆病さを抑え勇気を振り絞る彼に対し同行を許すなど、懇意にしていた。
そんなある日、仁は幼馴染の竜三を発見するも、彼に気を取られているうちに不意打ちされ、たかと共にコトゥン・ハーンに捕らえられる。
コトゥンはたかに刀を渡し「仁を殺したら開放してやろう」というが、最早臆病な男ではないたかはコトゥンに斬りかかる。
しかし歴戦の猛者であるハーンに通じるはずもなくあえなく返り討ち。そのまま首を切断され、死亡する。
その後なんとか脱出した仁は、ゆなにたかの最期を伝えた後、共に城にいた菅笠衆…竜三の配下たちを怒りに任せて惨殺し、コトゥンへの復讐を誓う。



ある戦いの折、鎌倉幕府からの増援も来ていよいよ対馬を取り戻そうとする戦の最中。
もはやこれ以上の犠牲を許せない仁は、多数の蒙古を一気に殲滅すべく猛毒を仕込み、敵軍を虐殺する。
戦うことすら出来ずに死んでいく蒙古を見て、志村や本土の武士たちは仁に対して嫌悪と恐怖を覚えた。



鎌倉幕府としては、「武士」ではない存在に民が従う状態は極めて危険である。
そもそも武士はこの時代の日本において絶対的な存在であり、その信仰が崩れるということは蒙古襲撃を耐えきったところで、民と武士の対立というさらなる混乱に至ることを意味する。


事実、本土から来た武士は「冥人の戦いによる勝利ではまともでは生きて行かれない国が出来上がる」とまで言い放っている。
志村達武士が良く口にし、信条とまで言える「誉れ」と呼ばれる侍の道は、まっとうな人間として生きていく為に必要な事で出来ている。
もし、それらが仁たちのように失われたら…。


仁の視点からは武士たちは頭の堅いわからず屋に見えるかもしれないが、彼らは「蒙古を退けた後も平和が脅かされる」ことを恐れて仁の排除を企んでいるのだ。
しかし仁にとってそれは理屈ですらない。蒙古によって苦しみ死んでいく人をを少しでも減らすために刃を振るう。仲間を養うため裏切った竜三すら、この手で斬り捨てることになろうとも。


地頭の志村にとって仁は息子も同然であり、独り戦う仁の変質も致し方ないものと知っている。そして仁もまた志村の事を父と思っている。
戦いの後志村に捕らえられるもすぐには殺されず、幽閉された仁。
冥人としての行いを改めるように言われるが、…蒙古は待ってくれない。
やがて仁は脱走し、ゆなや石川先生、政子殿と言った数少ない同志と共に戦いを続けることとなる。


その後、嵐に乗じて蒙古軍を襲撃。志村達武士軍の加勢も利用し、コトゥン・ハーンを追い詰める。
今や、成長した仁の武はコトゥンを凌ぐほどになっていたが、一騎打ちの中、コトゥンは毒を仁にぶつけ逃走。
その毒を仁は気合で治し追いかける。そこで待っていたのは、多数の部下に紛れて攻撃を仕掛けてくるコトゥンと蒙古軍。
最早歴戦の猛者としてのプライドも無く多少固い雑魚と化したそれらを、仁は冥人の技と暗具をも使い難なく撃破。
…そう、彼ら蒙古は自らの業が生み育てた冥人により悉く蹴散らされる運命である。
対馬で悪逆の限りを尽くした蒙古の将軍は仁に恨み言を吐くも、辞世の句すらも許されず異国の地で果てるのだった。



島に残った蒙古が最早烏合の衆となり、平和が戻りつつある時、仁は志村と再会。
志村は幕府から、冥人の首を取れとの下知を受けていたのである。
そして、かつては親子だった二人の悲しき戦いが始まるが、あの志村ですら冥人は止めることができなかった。
志村は武士として誉れある死を望み、仁に最後の選択を迫る。生かすか、殺すか…。
どちらを選ぶかはプレイヤー自身。


選択の後、仁は隠れ家に身を寄せていた。
その家には今まで出会った人たちに貰った道具や、殺された同志の形見が所狭しと並べられている。*1
幾多の人達の想いを背負いながら、彼は冥人として最後まで戦い続ける…。



【父との決着】

仁が目の前で父を殺された事は拭いきる事のできないトラウマとなっている。
それらは本編ではいつの間にか忘れられていたが、DLCにて父が死んだ場所「壱岐」にてその事と直に向き合う事となった。


父、境井正(さかい ただし)。
息子には厳しく、仁は彼の事を苦手としていた。特に母が死んでからは顕著であった。
だがその母親の思い出のおかげか、壱岐では微かではあるが親子らしい時間を過ごすことが出来た。


正は、大義の為には卑劣な手段を辞さない男であった。
だがその卑劣は、仁のような「弱きものを守る為」ではなく、「武士としての平和を守る為」に行われた。
その為反乱を起こした壱岐にて正は無辜の民を惨殺した
実際は民側が武士たちを夜襲し、寝首を掻いた報復であるが、明らかに無関係な女子供も切り伏せたのである。
そのせいで現地の者達から激しい恨みを買い、最終的に谷に誘い込まれて襲撃される。


正は脚の骨を折り、いざ敵に命を奪われそうになった際に、物陰に隠れている仁にこう口走った。
「仁…手を貸さぬか……」
まだ子供であり初陣を済ませたばかりの仁を逃がすどころか、それに助けを求めたまま背中から斬られるという情けない最期を遂げたのであった。
恐怖に震えた仁は飛び出すこともできず、目の前で父を殺された。
この事は「臆病ゆえ父を救うことができず、見殺しにしてしまった」というトラウマとなって仁の心に残り続けることになった。


その後仁は大人になって蒙古襲来の際、彼らが壱岐を襲った事を知る。
壱岐が潰えれば次は対馬に来る為、憂いを断つために仁は単身渡島する。
境井の名前は知られ、恨まれている為「鑓川の仁」と偽名を使い、怪しげな術を扱い敵味方を惑わせる女呪術師「オオタカ」との戦いに赴く。


その際、丶蔵(てんぞう)という海賊と出会う。
当初は上から目線の仁に対し、反骨心バリバリの丶蔵は反目しあうが、互いに実力者と分かるとすぐに気が合う。
やがて丶蔵には、仁がかつて島を蹂躙した境井であることがバレるが、この場は実力者である仁を失う事を嫌い仲間たちには黙っていた。
そして盤面は大きく動き、彼ら海賊と共に蒙古を退けていく。
しかしその際、丶蔵の正体も判明する。なんと彼は正にとどめを刺した賊本人だったのである。
最初は言いはぐらかすもすぐに観念した丶蔵だったが、彼もまた重要な戦力ということもあり、蒙古を退けるまでは仇討ちを断念する事とする。


そして遂にオオタカとの決着の時を迎える。
その場所は皮肉にも、父の正が死んだ場所。
オオタカとの戦いの途中、仁は彼女の呪い(まじない)により幻覚を見る。 それは父親が、丶蔵に斬られる瞬間。
仁は幻覚に介入し、丶蔵を弾き飛ばすが…既にその時点で正は虫の息であった。
正は言う。妻が死んでから、息子をどうしていいかわからなかった。だからこそ武士に育ててしまったと。
父もまた、弱い人間だったのだ。


幻の父は、自らを殺そうとした丶蔵に止めを刺せと述べた。
だが、仁はそれを拒否し、満身創痍の父にこう言い放つ。
「境井正が死んだのは自らの咎の為


悪逆の限りを尽くす者達に裁きを下す「冥人」としての矜持は、自らの父が相手でも変わらない。
過去に父が死んだのは、仁が幼かったからでも、弱かったからでも、ましてや臆病だったからでもない。
仁は自身の存在関係なしに、境井正は島の者を惨殺した報いを受けたまでだと悟ったのだ。


こうして気合で幻を跳ね除けた仁の前では、現実の丶蔵がオオタカに追い詰められていた。
父を殺した仇だったが、今の仁に取っては戦友である丶蔵を救い、ついにオオタカを討ち取った。


オオタカの死により壱岐を攻め立てていた蒙古の軍勢は烏合の衆となり、平和が戻るのもそう遠くなくなった。
全てが終わった後、仁は丶蔵を殺したりせず、それどころか軽口を叩きあいながら別れを告げた。
父との決着をつけ、また新たな友を得た「冥人」仁は、これからも蒙古を排除するために戦い続ける。




【余談】

  • 本編では一切の言及はないが、日本語限定の裏設定として名前の本当の読み方は「さかい ひとし」であり、作中で呼ばれている「じん」というのは通称であるという設定がローカライズチームにより明かされている。
    *2という実際に存在した慣習に則った設定であり、この実名は主従を誓った相手以外の人間が呼ぶのは非常に無礼であるとされたものである。武士はすべて幕府の将軍に仕えているため、作中の登場人物が本名を呼ぶことはない、ということである。
  • 真っ直ぐ過ぎる為、時にめちゃくちゃストレートに意見をぶつける。特にお調子者の堅二や傲慢さの目立つ石川先生に対しては余りにもぶっこみすぎる為、シュールで「シリアスなギャグ」となっていることも多い。ついでに矢も突っ込む
  • 基本的に作中に登場する殆どの対馬の人間からは好感を持たれる。それは敵対することになった志村も同様。
    ただし幼馴染の竜三だけは、「恵まれた存在」であるくせに「自分と対等であろうとする」仁に対し嫉妬に近い感情を抱いている。やがて恵まれない立場にいる彼は蒙古側に付くが、そこで取り返しのつかない事をしてしまうこととなる。
  • 英語版では仁(Jin)はGhostと呼ばれるようになる。Ghost of Tsushimaとはそのものズバリである。
    しかし日本語で直訳の「幽霊」や「亡霊」ではインパクトに欠けるとしてGhostは「冥人」の造語で訳されることになった。その結果ゆなは新たな伝説の産みの親となり、ひいては行善によって冥人奇譚が紡がれることになった。








追記・修正は浜で死にました…。


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  • 鑓川での覚醒時は思わず震えたなぁ。ラストは本人の心境と辞世の句も相まって年甲斐もなく泣いてしまったわ… -- 名無しさん (2021-02-17 17:15:53)
  • 作中が常に緊急事態だけど平時は酒飲んで馬鹿な事言ったりしてたんだよね… -- 名無しさん (2021-02-18 10:12:16)
  • 作中のどの時点でも仁の心情を汲めるというのはなかなかにすごい -- 名無しさん (2021-02-18 14:47:54)
  • ↑↑「真の武士に鎧はいらぬ(酔い潰れながら)」 -- 名無しさん (2021-02-18 15:57:41)
  • 飢えてる竜三とその一味にはひどいことしたよね -- 名無しさん (2021-02-18 16:34:04)
  • ススキ野原をゆっくり歩くと、よく見ると片手ですすきの穂をサラサラしながら歩いてる……かわいいかよ -- 名無しさん (2021-02-18 19:50:24)
  • 尻が恐ろしく綺麗な人 -- 名無しさん (2021-02-18 22:03:43)
  • 蒙古スレイヤー -- 名無しさん (2021-02-18 22:37:23)
  • クリアしてきたけど誉のままに島を救いたかったよ…つらい… -- 名無しさん (2021-02-24 13:18:14)
  • 叔父上は後の事を、仁は苦しむ今の人々の事を第一に置いて行動して来た、どちらも劣ってないし勝らない -- 名無しさん (2021-02-27 17:54:38)
  • 志村殿が、相手の待ち受ける一本道を突撃するなんて戦法をとらなければ、まだ誉の道を歩めたかもしれんよなあ -- 名無しさん (2021-03-11 10:46:58)
  • 壱岐のストーリー良かった!敵に盛られた幻に翻弄され、クライマックスでそれを振り切って決着を付ける所はバットマン アーカムナイトを思い出すけど、本当に燃える展開だった -- 名無しさん (2021-09-13 01:11:32)
  • 先生とか堅二への物言いがド直球すぎて笑える -- 名無しさん (2022-05-16 23:23:09)
  • 「海賊の決闘は常に生き残りを賭けた戦いだ。卑怯なんて言葉は存在しねェ…!‼」 -- 名無しさん (2022-11-04 01:59:25)
  • 誉れを優先して民を蹂躙されるか、民を救うために誉れを捨てるか。この二択しか存在してなかったってのがつらい。叔父上とか幕府が言うように、象徴となる立場の人が誉れを失ったらまた賊の蔓延る世紀末になるってのも分かるんだけど、そのために民を苦しませるかって言われると仁にはそれはできないだろうし。 -- 名無しさん (2023-04-07 03:00:41)
  • 仁が蒙古に毒を使ったって現代で言うとNBC兵器を使ったみたいなものなのか -- 名無しさん (2023-07-24 10:46:53)
  • 一人プレイのアクションゲームだし戦力も武器も時間もないとはいえ、作戦「自分が突っ込んでなんとかする」が多いのはやっぱりじわじわくるよな -- 名無しさん (2023-07-24 11:30:25)
  • 初期は暗殺下手なのにどんどん上達してくのが凝ってる -- 名無しさん (2023-10-28 13:00:07)
  • 蒙古襲来さえなければ対馬の名士として誉れ高い武士になれた -- 名無しさん (2024-04-20 13:19:10)

#comment(striction)

*1 それぞれのサブイベントを完全にクリアすると道具が追加される
*2 いみな。いわゆる実名を指す

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