かんかん橋をわたって

ページ名:かんかん橋をわたって

登録日:2020/11/19 (木曜日) 13:15:00
更新日:2024/05/23 Thu 12:52:39NEW!
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バトル漫画 シリアスな笑い どうしてこうなった 頭脳戦 漫画 レディコミ 嫁姑戦争(物理) 無法都市 経済戦争 10人の勇者 草野誼 かんかん橋をわたって 嫁いびり




『かんかん橋をわたって』は草野誼による漫画である。


レディコミ雑誌YOUに2002年から2005年にかけて連載され、嫁いびりといういかにもレディコミらしい題材を扱っている壮大なバトル漫画である。
友情、努力、勝利の三要素を全て満たし、張り巡らされた伏線を見事に回収するなど完成度の高い作品であり、一部に(ネタ的な意味で)カルト的な人気がある。


…もう一度言うがレディコミ雑誌で連載された嫁いびりを題材にした漫画である
路線変更っていうレベルじゃねーぞ、と突っ込みをいれたくなるところではあるが、読み返してみると伏線がちゃんと張られている。
この漫画を読んだ多くの人はこう思うに違いない。
「これ対象読者だれだっけ?」「掲載雑誌おかしくないか?」「どうしてこうなった。」
なお、定期的にWeb漫画サイトなどで一部無料になっているので興味のある人は読んでみるといいだろう。




概要



桃太郎川にかかる「かんかん橋」を渡って、生まれ育った町を離れ隣町の川東に嫁いだ主人公、萌。
夫早菜男とその姉二人、舅姑とともにそれなりに穏やかに暮らしていた彼女だったが、次第に姑、不二子の嫁いびりがエスカレートしていく。
自分の茶碗のご飯だけ汚く盛られ、炊飯器の米の水加減に細工をされ、父親が危篤なのに電話を貸してもらえない。
夫にも言えず一人苦しむ萌の前に、一人の女が現れ、言った。あなたは4位だ、と。
かくして町全体を巻き込んだ嫁姑戦争が幕を開けた!




登場人物

  • 渋沢しぶさわもえ

主人公。
川東に比べてやや柄の悪い川南で育った、明るく前向きな性格の女性。
働き者で正直者であるがゆえに、怠け者の義姉らにいいようにこき使われている。
姑の不二子の遠まわしないびりに耐えながら健気に生活していたが……。
後半で覚醒、一時期闇落ちしたりする。


  • 渋沢しぶさわ不二子ふじこ

萌の姑。早菜男のほかに怠け者の2人の娘を持つ。夫は空気。
上品で優しそうに見えるが、じつは地元の言葉で「おこんじょう」つまり性悪である。
萌を周囲に気づかれないように影で執拗にいびる一方で、彼女に不気味な執着を見せる。レプリティアンのような目つきをしている。笑顔はほぼホラー。
なぜか異常に人脈が広く、謎の人心掌握スキルを持つ。
ピーラーは凶器。闇夜に月を背負ってポーズを決めたり、萌に化けて他人をおびき出したりする。


  • 渋沢しぶさわ早菜男さなお

萌の夫。
外見も性格もいいが、仕事で町の外にいることが多く、嫁いびりには気づきそうでなかなか気づかない。作品のヒロイン枠で記憶喪失になったりする。


  • 権藤木さやかごんどぎさやか

萌にあなたは4位だと告げる近所の小太りの主婦。
姑とマザコンのクズ夫に冷遇され廊下で生活している。羽川翼か。
事情通で萌にこの町に巣食う巨悪の存在について匂わせる。ビジュアルが途中で変わりすぎ。
ストレス発散に番付嫁を観察している。他人の不幸が飯の種の性悪に見せかけて、なんだかんだでツンデレの善人。


  • 市毛いちげトキ子ときこ

富豪である市毛家を切り盛りする美女。慈愛に満ちた人柄で、町の男の子の多くの名付け親。
息子の竜王丸の経営する養護施設でたくさんの身寄りのない子供たちを養育させている。
街の人々の困りごとにもすぐに対応するなど町の名士の鑑で、彼女を悪く言うものはいない。それはもう不自然なほどに。
ピーラーは凶器。厚化粧は剥ける。ピンチになると自分の銅像の群れに隠れたりする。




用語


  • 川東かわっと

萌の嫁いできた町。旧家が多く上品。以下重大なネタバレ
実は川東を含むその一帯は、トキ子とその手下である名付け子たちによって暴力で支配されていた。逆らうと経済封鎖や拉致監禁強姦、家の破壊などをされる無法地帯。
トキ子の目的は町の男性すべての擬似的な姑となり、町の人々の土地や資産含め全てを掌握すること。
竜王丸の施設の子供たちも全員誘拐の被害者である。そのやりくちは魔王そのもの。ロアナプラかここは。



  • 嫁姑番付

川東で噂されている10組の嫁姑。主に嫁の方を指す。
川東に隣接する山背などの地区の住人も含まれる。
なぜか10の街道ぞいごとにそれぞれ1人ずつ選出されている。嫁いびりがひどい順にランク付けされている。
以下重大なネタバレ
実はある人物の(ある意味)勇者育成計画より選出された、魔王トキ子にも屈しない精神力と各種スキルをもつ10人の剛の女。
1位はホームレス、2位は竹垣のダンジョンの中、3位は姑が鉄塔に登り、4位は善人→人たらしの腹黒謀略家、5位は廊下住まい、6位はゴミ屋敷、7位の姑はクライマックスでサバ折りを決め、8位は金槌で男の玉を破壊、9位隠し通路など色々個性豊かである。
比較的まともなのは10位くらい。いろいろ何かおかしい。



















以下更なるネタバレ

  • 1位 市毛いちげ千春ちはる

竜王丸の現妻。
しかしトキ子がある目的のために勝手に結婚させただけのため、竜王丸には結婚していることさえ気づかれていない。本人は竜王丸に惚れているためなお悪い。
トキ子に逆らったため追い出され、実家を更地にされたがある人物の助けで近所の人から施しを受けながらホームレス生活を送っていた。悪の姑、トキ子を倒すため竜王丸に接触する。
夫、竜王丸とは幼い頃遊んだことのある関係。竜王丸自身は浮世離れした善人で、母の悪事や自分が何人もの女と戸籍上結婚させられてきたことには全く気付いていない。いくらなんでも鈍すぎやしないか。

  • 2位 仁志にし蕗江ふきえ

7位の那村の住む山背の出身。
北ノ口の竹垣で作られたダンジョンに住む一族の嫡男に嫁いだが、子供ができないため石女呼ばわりされ爪弾きにされている。実は仁志家の姑は、跡取りが生まれないとトキ子に土地を奪われてしまうため、一族でダンジョンに篭城して息子の男性不妊を隠蔽しようとしていた。
罪悪感に耐え切れなくなった姑と和解するものの、家を更地にされ、トキ子の手先に拉致される
夫、鹿月は妻のためなら女装も厭わない病弱イケメン。

  • 3位 美津井みつい麗子れいこ

舅を介護しているが、それに嫉妬した姑から鉄塔の頂上に服を結び付けられる嫌がらせをされている。萌の策で家庭環境は改善した模様。夫は空気。

  • 4位 渋沢萌

不二子のイジメに耐えるうちに、不二子そっくりの思考回路を身につけるようになり、人心掌握術や謀略を駆使して周囲の嫁たちの環境改善に奔走するように。実は全てトキ子を萌に倒させようとする不二子の計算通りだった。息子を身籠るが、トキ子から息子のためにと送りつけられた名前のあまりにひどいセンスに逆上、不二子と共謀して和菓子に偽装したゴミをトキ子に送りつけ宣戦布告する。フランスパンは鈍器。

  • 5位 権藤木さやか

萌の暴走を迷惑がるようになり、更にトキ子に屈してその手先になるが、不二子のささやきにより覚醒、子供をつれて川向こうに逃亡。その後ストレスがなくなったら痩せたとかで誰だお前レベルの美女に変貌して戻ってきた。経理のスキルを活かしてトキ子の経済封鎖後のご町内経済戦争で活躍する。

  • 6位 向井むかい国子くにこ

市毛トキ子の姪。ゴミを拾ってくる姑に悩まされ、家財道具を捨てるよう強要されていた…と思われていた。
実は姑のゴミを拾ってくる嫌がらせを曲解、姑はゴミが好きなのだと思い込み、自主的に家をゴミ屋敷にしていた。姑からは恐怖の目で見られているが、全く気付いておらず、番付嫁オタクの権藤木からもあまりの天然ぶりゆえに嫌われている。
終盤では攪乱のためトキ子に化ける。夫、鼠実はトキ子の元手下だか真人間で夫婦仲は良い模様。

  • 7位 那村なむらあゆ

山背のまむしの異名をとる凶暴なクレーマー気質の姑を持つ。笑顔を見せると難癖をつけられるという理由でマスクを常に着用している。萌とは気が合うようで、10位の戸波に萌を取られると思い込んで嫉妬する側面も。山背のまむしとは実はかなり気が合うことが判明、終盤では蕗江を助けるためタッグを組んで敵地に殴り込みをかける。夫は妻に協力的らしいが空気。

  • 8位 山丈ちづやまじょうちづ

トキ子の腰巾着である杉代の息子の嫁。姑を嫌い、きんとき山で子供達と山篭りしてサバイバル生活をしている。
手に持つトンカチは武器どころかほぼ兵器。男の玉をかち割り薪を一撃で真っ二つにし、コンクリートの壁を破壊する。そのトンカチ何でできてるんだ。夫はちづに頭をかち割られた模様で生死すら出てこない。

  • 9位 黒江ミホ率いる旧街道の嫁全員

要塞と化した旧街道沿いの市毛屋敷周辺に秘密の通路を構築していた。
自由を求めて独自の情報網を持ち集団でトキ子に反逆する。

  • 10位 戸波となみあかね

姑に意味もなく汚物扱いされている。萌を妬み嫌がらせに走るなど小物だったが、萌と仲良くなる。ある意味10人の中で一番普通の人。夫は母親の嫁いびりを知りつつ妻を物で釣って宥めようとするなど嫌な意味でリアルなキャラらしい。



追記、修正は竹のダンジョンを攻略し、経済戦争に勝利し、敵地に殴り込みをかけてからでお願いします。



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  • 後半はもはやギャグだけど「嫁に背負わされた「家」という重荷を「古のものよ」とあざ笑い解き放たれたのが姑」って不二子さんのセリフはめっちゃ好き -- 名無しさん (2020-11-19 14:44:42)
  • 無料で読んだ部分の「冬場に道に水を撒いて人を滑って転ばせる」って、これイタズラでは済まんだろって思った。未必の故意の殺人未遂じゃないのかこれ? -- 名無しさん (2020-11-20 00:33:41)
  • 人物がバケモノみたいにしか描いてないから最初は寄生獣かと思った -- 名無しさん (2020-11-20 07:58:48)
  • 一番の驚きは作者が男性だという事。 -- 名無しさん (2020-11-20 19:26:18)
  • これ子供の頃1巻だけ読んだ事あるけど、バトル物だったのかよ。 -- 名無しさん (2020-11-20 22:40:22)
  • ↑4川東の人々が冬場凍った道に足滑らせて頭打った程度で死ぬわけないのでセーフセーフ -- 名無しさん (2021-01-10 16:42:53)
  • 同じ作者の「愚者の皮」シリーズも1作目は整形に失敗し全てを失った女の復讐→2作目神とか超能力登場→3作目超能力バトルだし。作者の思考回路どうなってるんだ。ちなみに普通に泣ける短編の名手である。 -- 名無しさん (2021-07-12 13:08:41)
  • みんな親切な産婦人科がトキ子の手中にあったと判明するシーンが怖すぎる -- 名無しさん (2022-02-11 08:16:11)
  • 淫獄団地の走り、みたいなものなのかな… -- 名無しさん (2022-07-19 08:58:13)

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