登録日:2012/07/28(土) 09:25:12
更新日:2023/08/10 Thu 14:47:26NEW!
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一般小説からのアニメ化 アニメ 小説 ノイタミナ フジテレビ 中村健治 09年秋アニメ 空中ブランコ 奥田英朗 顔でも演技する声優
「いらっしゃーい」
空中ブランコは、2009年秋、フジテレビノイタミナ枠で放送されたアニメ。
原作は奥田英朗の短編小説集「イン・ザ・プール」、
「空中ブランコ」「町長選挙」の精神科医伊良部一郎シリーズ。
「空中ブランコ」は直木賞受賞作。
これら三部作はドラマ化、映画化、舞台化等数多くなされており、
ここ最近では徳重聡主演のテレ朝日曜深夜ドラマ「Dr.伊良部一郎」が目新しい。
それぞれに特色があるが、ここでは特色が際立って強いであろう、アニメ「空中ブランコ」について述べていく。
◇ストーリー
精神科医伊良部一郎の元に今日も変な症状を抱えた人達がやってくる。
ただこの男……患者をとことん引っ掻き回すトンデモ精神科医で……!?
◇主要登場人物
「い↑らっ↑しゃーい」
精神科に来たんだよな? と疑いたくなる甲高い声、その異様な見た目を見て患者達が抱くとおりの性格。
マザコンだったりプロ野球選手を見ては目を輝かせたり、
(その人自身については知らなかったが)患者を笑ったりおちょくったり何かと子供っぽい性格。
注射フェチで「マユミちゃ~ん!」とこれまた甲高い声で看護婦を呼び、
注射を打つ様をジーッと凝視しハァハァするのは恒例行事。
またこの注射に打たれると患者は動物にシンボル化する。
伊良部総合病院の院長の息子。ボンボン。
ところで大、中、小という表記を見て疑問を感じなかっただろうか?
この男、患者の前で目まぐるしく3つの姿に変化する。
ただ中伊良部、小伊良部はプロ野球の試合中のマウンド、
トイレで用を足してる最中に現れたりするので、患者の精神面に現れる存在と思われる。
また、普段の姿は大伊良部。この格好が一番怪しいのだが……。
- 大
遊園地のキャラクターのような熊の被り物を着けた、肥満体の中年(?)。
伊良部の基本的で社会的な顔でもある。先に述べた子供っぽい面が一番出る姿。
- 中
某仮面の軍勢のようなサラサラで黄色い髪、
熊の耳のカチューシャとメガネがやけに似合う好青年。
運動事やイタズラ担当。
- 小
まんま子供。
ぶかぶかの白衣と大伊良部似のぬいぐるみが特徴。
奇行に走りそうな患者を冷めた目で見たり、
医者というよりは端から変人を見ている大人びた子供、といった面で患者と接している。
●マユミちゃん(演:杉本有美)
CVではなく演。まさかの実写出演。
もちろん全編ではないが、前述の注射の件では全身実写。
注射をする際に胸元や太ももをチラっと見せ、患者がそれに目を奪われてる隙に注射をする。
ぶっきらぼうな性格で常に不機嫌そうな顔を浮かべている。
ある意味伊良部以上に、本当にナース? と疑問に感じるが、時には良いことを言ってる人。
●福井っち(演:福井謙二(フジテレビアナウンサー))
ジャポニカロゴスでおなじみの口調で、
病気や治療法の解説キャラとして物語の進行を止めて現れるチビキャラ。
◇患者達
マユミちゃんでチラッと実写について話したが、この患者達もところどころ実写で出演。
こういった実写とアニメの融合と、全ての出来事が12月中旬~下旬にかけて起きており、
各話の主要な患者達が他の話でも出てくるのも強い特色。
ちょっとした出番が患者の後日談を兼ねてたりと魅せてくれる。
マユミちゃんに注射(中身はビタミン剤)をされると頭部がキャラクターを端的に表した動物に変化する。公式では「シンボル化」と呼ばれている。
これは伊良部やマユミちゃんも認識できているらしい。
各キャラクターのシンボルの意図はDVDの解説書より引用。
●山下公平(CV:森川智之)
第1話「空中ブランコ」の患者。症状は睡眠障害。
サーカスの空中ブランコ、エースフライヤーだがある時を境に失敗続き。
「俺は完璧だからキャッチャーが……」と疑心暗鬼に陥った結果、睡眠障害に。
第一話冒頭から外人を殴る場面と空中ブランコの演技中の場面が切り替わる、誰も彼もが置いてけぼりな展開を作る。
シンボルは【ペンギン】。理由は鳥類にもかかわらず空を飛ぶことができないから。
●田口哲也(CV:櫻井孝宏)
第2話「勃ちっぱなし」の患者。
症状は陰茎強直症 。タイトルどおり常にアソコがビンビン。
視聴者の腹筋崩壊兵器ともなるが、本人は至って真面目な区役所員の為、当然何かと苦労するハメに。
因みに勃ちっぱなしになった原因は、淫夢を見てビンビンになったアソコに辞書が直撃した為。痛いってもんじゃない…。
一見精神科の専門外とも思えるが、伊良部は一体どう立ち向かうのか? なんて展開じゃないような……。
シンボルは【サイ】。理由は立派な角が勃っちぱなしなイメージだから。
●星山純一(CV:三木眞一郎)
第3話「恋愛小説家」の患者。症状は強迫神経症と心因性嘔吐症。
ベストセラー作家。それ故に「このネタって前使わなかったっけ?」と不安になり、
自著全てを調べる様はまさに病的。この話ラストのマユミちゃんは印象的。
因みに原作ではゲロイン。タイトルは「女流作家」。
シンボルは【ニワトリ】。理由は家畜の鶏が無精卵を生み続ける道具として本来とは異なった生き方をしているから。
●板東真一(CV:浪川大輔)
第4話「ホットコーナー」の患者。症状はイップス。
架空の球団ではなく東京ヤクルトスワローズ所属の一軍三塁手。
ところが三塁から一塁への送球が上手くいかなくなった為降板のピンチ。
イップスの原因は火を見るよりも明らか。
だがそれに気づかない、気づきたくないのが病人というもの。
シンボルは【ウマ】。理由は競走馬であるサラブレッドは使い物にならなくなると処分されてしまう境遇がスポーツ選手に重なるから。
●池山達郎(CV:平田広明)
第5話「義父のアレ」の患者。症状は強迫神経症による破壊衝動。
職業は伊良部と同じ精神科医。医学長の娘の婿養子な為か肩身が狭い。
その割には治療と割り切りはっちゃける。
伊良部に「脂汗凄いよ?」「禁断? それとも強迫?」と聞かれたりと、
同じ精神科医同士の為か、伊良部が最も医者らしく見える回を担う。
シンボルは【カメレオン】。理由はどんな人間にも合わせることができないから。なお、劇中では衣服を除いた身体も透明化するシーンがある。
●津田雄太(CV:入野自由)
第6話「フレンズ」の患者。
症状は端的に言えばケータイ中毒。今時というよりは少し昔の学生。
高一にしてアドレス帳は200件超えのリア充(?)。
この回を見て急に叫びたくならないように。
大丈夫、最後にマユミちゃんが慰めてくれるから。
シンボルは【キツツキ】。理由は必死にケータイのキーボード(劇中の2009年はまだスマートフォンの普及が乏しく、ガラケーが主流であった)を打つ姿が木をつつくキツツキに似ているから。劇中ではケータイを使う際にくちばしで画面をつつくシーンが見られる。
●猪野誠司(CV:高橋広樹)
第7話「ハリネズミ」の患者。症状は強迫神経症(先端恐怖症)。
職業は暴力団の若頭。なのに先端恐怖症。サンマすらもダメ。
尖ったモノが目に刺さるイメージが浮かぶ為、目をカバーするスキーゴーグルを愛用することに。
ボールペンをゴーグルにコツコツと突き立て、安全性にニヤリとする様が恐い。
シンボルは【チワワ】。理由はよく吠える割には内面が繊細な生き物だから。
●ヤッパのヤス(CV:竹本英史)
第7話もう1人の異常者。猪野の同業者。
そのヤクザらしくも、らしくない症状とは?
●岩村義雄(CV:岩田光央)
第8話「いてもたっても」の患者。症状は強迫神経症。
家の鍵をかけたかどうかを始め、タバコの消し忘れ等が気になってしょうがないルポライター。
星山純一の知り合いだったり、職業柄結構色んな話で登場してる気がする。
ちなみに本作の後製作された「Dr.伊良部一郎」では、伊良部役の人や放送局関連のネタからバイク乗りの警察官鳩村に変更されていたり。
シンボルは【アライグマ】。理由はアライグマは割と神経質な生き物だから。
また、強迫神経症の一種である手や体を石鹸で洗わないと気が済まない病状は『アライグマ症候群』と呼称されている。
●安川ヒロミ(CV:羽多野渉)
第9話「天才子役」の患者。症状は自己愛性パーソナリティ障害。
「笑顔に免じて許してね!」で有名な元天才子役の俳優。
病的な笑顔を仕事中でも浮かべまくる為、マネージャーに病院送りにされる。
自分の笑顔が武器だと思い続けた為の症状。原作のタイトルは「コンパニオン」で患者も女性。
シンボルは【アザラシ】。
●田邊満雄(CV:置鮎龍太郎)
第10話「オーナー」の患者。症状はパニック症。
大日本新聞社会長、かつ大日本グレートパワーズ球団オーナー。
通称ナベマン。うん、どこかで聞いたことあるよね……。もちろんその人がモデルです(原作では口調もそれっぽかったがアニメでは多少柔らかくなっている)。
伊良部の案を採用し騎馬を組んで記者陣に突撃したりとアグレッシブなお方。
だけど暗闇や閉所、果てはフラッシュのような強烈な光が怖くパニックに陥る。
注射を打たれても姿は変化せず、伊良部とマユミちゃんもそのことに首を傾げる。
その理由は……。
ドラマ版「Dr.伊良部一郎」で彼にあたる役「千堂虎雄」を演じたのが津川雅彦なので…。
シンボルは【無し】。その代わりに若かったころの外見になり、自身のことも実年齢より若く認識している。その為、伊良部から老人呼ばわりされた際も自分のことだと気づいていないシーンが見られる。なお、シンボル化しないことは珍しいようで伊良部もマユミちゃんも不思議がっている。
●津田英雄(CV:古谷徹)
最終話「カナリア」の患者? 症状は不明。
伊良部総合病院救命救急科の副部長。息子、津田雄太の相談の為に伊良部の元を訪れる。
仕事人間で家に帰らないことはしょっちゅう。病気でもないのに嫌な性格のヤツっているよね。
タイトルのカナリアは「危機を知らせる鳥」とされている。
シンボルは【無し】。上記の田邉とは異なり、見た目が若返ることも無く全く変化が無い。
OPはUpside down。
EDはShangri-ra(Y.sunahara 2009Remodel)
共に電気グルーヴが担当。EDは次の回に関わるアイテムが現れる。
また劇中で使用されいるBGMの一部は電気グルーヴが過去に発表した楽曲である。
次回予告では次の患者の名前と症状が明かされ、実写混じりでその患者がタイトルコール。
現在YouTubeにてフジテレビ公式で動画配信されている。
見たことない人は一度、見たことある人はもう一度見てはいかがだろうか?
追記・修正よろしくお願いします。
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