亡/仮面ライダー亡

ページ名:亡_仮面ライダー亡

登録日:2020/05/01 Fri 22:47:00
更新日:2024/05/17 Fri 11:34:24NEW!
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私は、何者なんだ……?



ナキとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』の登場人物である。


演:中山咲月





フェーズ1:概要

人類滅亡を目論むヒューマギアによるサイバーテロリスト集団・滅亡迅雷.netの一人であると同時に、ZAIAエンタープライズジャパン代表取締役社長・天津垓の腹心。
飛電其雄宇宙野郎雷電=雷と同じ旧世代ヒューマギアの一体だが、彼らと違って性別が設定されていない(但し、便宜上三人称では『彼女』と称されている)。
なお、正式な名前が判明するまでは不破諫から「亡(ボウ)」と呼ばれていた。


アズによれば元々は飛電インテリジェンスが開発したシステムエンジニア型ヒューマギアだったが、
デイブレイク後にZAIAに回収され、それまでの記憶を消された上で天津の部下として兵器開発に従事するようになったとされている。
記憶消去に伴って天津に従うよう強力なプログラミングが施されており、『自分は人間の忠実な道具である』としてまさしく機械的に振る舞っていた。
滅亡迅雷.netとZAIA双方の指示でスパイとして動く彼女だったが、滅や天津に翻弄される中で自分が何者であるかについて疑念を抱くようになっていく。



フェーズ2:過去

『仮面ライダーゼロワン Blu-ray COLLECTION』に収録されたスピンオフオリジナルドラマ『プロジェクト・サウザー』では、
亡の視点から仮面ライダーサウザー完成までの物語とそれに伴うZAIA、滅亡迅雷.net双方の暗躍が描かれている。


TV本編開始時点で飛電或人の祖父にして飛電インテリジェンス先代社長・飛電是之助の逝去を受け、滅とはヒューマギアのハッキングによるテロ行為『マギア作戦』を開始。
亡はサウザーの変身ベルト・ザイアサウザンドライバー完成の為に滅亡迅雷が用いる8つのゼツメライズキー*1のデータ収集を命じられていた。
それと同時に滅亡迅雷.netが生み出すマギアに対抗すべく、仮面ライダーゼロワンや、仮面ライダーバルカンと仮面ライダーバルキリーの戦闘データをも集積し、やはり8つのプログライズキー*2のデータ収集も同時に熟していく。


やがて刃唯阿がデイブレイクにより失われたと思われていたプログライズキーのデータが、飛電インテリジェンスが擁する通信衛星ゼアに保管されている事を突き止めると、
それを聞いた天津は亡に「デイブレイクの現場から亡と共に回収した」という滅亡迅雷フォースライザーを手渡し、彼女自身や滅を通して迅の下に渡るように仕向けた*3
その際、フォースライザーを届けた亡は滅から「俺達が人間の奴隷ではない事を、奴らに分からせてやろう」という言葉を掛けられ、それ以降自らの存在意義について苦悩するようになる。
勿論、滅はアークの意思のままに行動しているだけなのだが、あくまで自分が人間の道具に過ぎないと徹していた亡にとって、彼のこの言葉は自身の存在意義を揺るがすには十分なものだった事が伺える。


その後、唯阿が暗殺ちゃんを鹵獲してプログラムを改竄する最中、亡は「唯阿が人間でありながら、まるで自分と同じ人工知能のように自分の意思を見せない存在だ」と感じ、
天津に彼女について尋ねると、「役に立たなくなった道具は(唯阿だろうと滅亡迅雷.netだろうと)切り捨てる」という考えを明かす。
更にZAIAとA.I.M.S.が開発していた自律駆動型ヒューマギア統率兵器・ギーガーの存在を知ると動揺。
既に多くのヒューマギアが人間に従っているのにも拘わらず、強制的にヒューマギアを洗脳するギーガーは亡にとっては理解し難いものであったが、再び天津にその事を尋ねると逆に無言の鉄拳制裁を受けてしまう。
彼女を殴り飛ばした天津は忌々しげにギーガーの構想について「お前のような人に逆らうヒューマギアの為にある」と発言。
その場は沈黙を貫いた亡だったが、そんな彼女の運命は次の滅との接触で大きく動く事となる。


その後、亡は滅にアメイジングヘラクレスプログライズキーを手渡しつつ、更に開発中のギーガーの存在をリーク。
ギーガーを恐れる彼女に対し、滅は「逆に利用すれば、同志を増やす事が出来る」と満足げに答えていた。
しかし、一連の行動は天津の命令に無い、ただ滅亡迅雷.netを利するだけの行動である。
そして、そんな彼女の変化は盗聴器を通して天津の耳にもしっかり入っていた事が悲劇の原因となる……。


何事もなかったかのようにZAIAに戻った亡だったが、全てを知っていた天津は返事を拒む彼女の左胸をおもむろに取り出した拳銃で撃ち抜く。
青い液体と機械部品が飛び散る中、「道具如きがこの私に意見するな……。私はヒューマギアを認めない」との意思を新たにした天津の手で更なる銃撃を受け、ヒューマギアとしての亡は完全に機能停止したのだった。
時同じくして唯阿の報告により、滅に敗れた不破が重体の為に救急搬送された事を受け、天津は不敵な笑みを浮かべながら「亡にはまだ使い道がある」と確信し、次なる企みを練る事となる。



フェーズ2.5:選択

機体こそ破壊されたものの、そのAIは不破の脳内にあったエイムズショットライザー用のAIチップに移行され、自我の消滅は回避される。
その後はZAIAの道具として暗躍を続けていたが、天津の行動に不審を抱いた与多垣ウィリアムソンのコンタクトを受け、不破と同化し人間の視点を得た事で見出した結論を語る。


実はこの時点で亡はシンギュラリティに到達しており、表向きは天津に従いつつも、その裏では「アークはヒューマギアの敵であり、滅ぼさねばならない」と確信していた。
そして、ヒューマギアを人間やアークの束縛から解放し、自由を与える事を目指すと宣言。
これに興味を持った与多垣と共に、アークの意志を地上に呼び出し、受け皿ごと破壊するという計画に着手する。
そのための布石として、滅亡迅雷.net殲滅作戦において破壊された滅をA.I.M.S.が、迅を与多垣が回収・復旧するように手を回し、自身は滅亡迅雷の存在を一旦表舞台から隠すために自我のリセットを決断。
これに伴いZAIAの道具に戻ってしまう自分に代わり、迅が計画を実行するよう計らい、全ての準備を整えた亡はここまでのラーニングデータを消去され、シンギュラリティも消失する事になった。


これらの計画はおおむね想定通りに進んだが、後を託された迅はボディの復元に際してZAIA本社のCEO・リオン=アークランドの計画にも組み込まれており……。



フェーズ3:暗躍

心が壊れてしまったようですね……


“これ”を使いなさい。あなたの心を守る為に。


君は…誰だ……?


“人類を導く者”…ですよ。


『ゼロワン』TV本編では第17話終盤から、前述の過去や「亡」という名前すらも不明な「謎のフードの人物」として登場*4
第18話で華道家の立花蓮太郎から身元を聞かれた際には上記のように答えている。
与多垣によって自我をリセットされた亡はその後、飛電インテリジェンスとZAIAエンタープライズの社運を賭けたお仕事5番勝負に呼応して活動を開始し、
ZAIAに与する専門家達に量産型の変身ベルト「レイドライザー」とプログライズキーを手渡しつつ、レイダーに仕立て上げていた。
滅はフードの人物の所在こそ分からないものの、その動向とレイダーに関する情報を何故か知っており、A.I.M.S.で彼を拘束している不破はその情報を頼りにフードの人物を探す事に。
だが、単身廃工場までフードの人物を追いかけても、相手は幻のように消えるばかり。おまけに不破自身も頭痛に苛まれるようになっていく。


第20話以降はしばらく登場しなかったが、第28話で再び姿を現す。
与多垣の手で新たな力と思想を得て復活した迅はかねてより不破に対し「(滅亡迅雷のメンバーの一人は)案外近くにいるかもね……」という意味深な言葉を残しており、
その第28話にて迅が不破を強襲した際、「もう一人……解放しなきゃならない仲間がいる」という迅は不破にタブレットの映像を見せると、そこに映っていたのは黒いフードを被り、人々にレイドライザーを手渡す不破の姿だった。


つまり、先述までの黒いフードの人物は無意識に何者かに操られていた不破自身で、彼は自覚が無いまま自分自身を追いかけていたというものだった*5
続く第29話では天津により、不破と刃の脳内には仮面ライダーへの変身とZAIAへの服従を目的とした人工知能チップが埋め込まれており、更に不破のチップはかつて破壊された亡のチップそのものだった事が判明*6
前述の操られた不破というのも、天津の指示により亡が覚醒する事で不破の意識が途切れ、その間に亡が暗躍するというものだった*7
更に戦闘中でも天津の指示があると強烈な頭痛と共に不破の人格が途切れて亡が表出し、本来なら不破の味方であるはずの或人/ゼロワンにも躊躇なく襲い掛かるようになってしまう。


ちなみに戦闘中に亡の人格を表出させるには滅亡迅雷.net製のアサルトウルフプログライズキーが必要で、第32話では不破のショットライザーを奪った唯阿が敢えてアサルトウルフに強制変身させる事で亡を呼び出している。
そもそも滅亡迅雷専用に開発されたアサルトウルフを不破がゴリライズでこじ開けたとはいえ、使える事自体が伏線の一つであり、
天津がこの状況を作ったのもアークのテクノロジーをコントロールする為の道具」が必要だったからに他ならない。


また、迅の方は亡の解放にこだわっており、不破の脳内チップをハッキングし、呼び出してまで亡を解放しようとしているが、不破への攻撃は滅により阻止されている。
滅はどうやら不破への利用価値がまだあると睨んでいるようだが、滅亡迅雷.netの4人を集結させる事については前向きな模様。



フェーズ4:起動

そして第32話。
飛電製作所の用心棒となった不破だが、唯阿の手で再びアサルトウルフに変身させられ、亡の人格が表出してしまう。
やはり命令のままにゼロワンに牙を剥くバルカンであったが、そこに迅が乱入してバルカンを無力化。
変身解除に至った不破を或人の信任を得て滅亡迅雷.netのアジトへ連れ去る。
アジトで迅はヒューマギアの独立を強く語るが、当の本人は「生みの親であるZAIA社長がプログラミングした命令は絶対」という頑なな姿勢を崩さなかった。
やがてランウェイの準備をしていた或人とイズ、ファッションモデル型ヒューマギア・デルモと不破の身体の亡が邂逅。
「ヒューマギアも、“夢”を見て……良いのか?」と悩む亡だったが、3人の「ヒューマギアも夢を見て良い」「ヒューマギアは人間の迷惑なんかじゃない」という言葉に触れ、大きく変わっていく。


そこにファッションショーの成功によるヒューマギアの社会的評価向上を阻止しようとZAIAの面々が襲撃。
デルモにダメージを負わせて勝ち誇るサウザーだったが、アサルトウルフに変身していた亡はこれまでのように天津の指示に従おうとしなかった。


私も、“夢”を見たい……


でも……“夢”が何なのか、私にはまだ分からない……


だから、代わりにヒューマギアの夢を叶えたい!


誰か、デルモの夢を叶えてあげて。



そう或人達に呼び掛け、またしても反旗を翻す亡にサウザーは「亡……お前に夢などいらない。お前は私の“道具”だ!」と否定するが、亡はこう切って捨てた。


私は、何者なんだ……?


私はヒューマギア。でも……“道具”じゃない!


俺にも聞こえた……!亡の声が!


ああ…!うわあぁああッ!!


俺達は……!


道具じゃない!!



彼女の本心は身体を同じくする不破にも伝わっており、2人は共にランペイジバルカンに変身。


ヒューマギアも、夢を見て良いんだ!


フッ、言うじゃねぇか……!


圧倒的な戦闘力をもってサウザーを打倒し、変身解除にまで追い込むのだった。



フェーズ5:変身

それから程ない第34話。
「アークを破壊する」為に唯阿と共謀した迅により、不破の脳内のチップからデータを現行型の素体に移行され、単独のヒューマギアとして復活を果たす。


人類よ、滅亡せよ……。アークの…意思のままに。


素体側が既に滅亡迅雷.netに接続していたのか、アークの意志に従い、滅亡迅雷として行動を開始。
ZAIAスペックをハッキングして装着者を暴走させるというテロを実行したが、不破の一喝を受けて一時的に自我が戻り、ハッキングを停止した後、2人と共に一時アジトを退出。
なお、その後病院に運ばれた不破と付き添った唯阿に対して不破の本来の過去(曰く「驚く程普通でつまらん人生」)と、その独特極まる笑いのツボについて解説している*8


直後に滅が仕掛けたZAIAとの正面対決では、乱入してきたゼロワンがギーガーに苦戦していたところに現れ、ギーガーの制御を乗っ取って滅を援護。
長らくZAIAの道具として使われていた経緯から、亡はZAIA関連、特に天津の施すセキュリティならばどれほど強固だろうが容易に突破する能力を身に着けていたのである。


亡、貴様…!


私は…あなたの道具でした。だから、ZAIAのシステムをよく知っています。
セキュリティを強化したところで無駄です。滅の夢を叶えるのが…今の私の“夢”なのですから。



その後、第36話で遂にアークの意志を人工知能として地上に呼び出す事に成功するが、この時の衝撃で壁に激突してしまい、機能停止。
その後は雷によって多次元プリンターで修復され、第37話で戦線に復帰すると同時にアークから授けられた新たなフォースライザーを手に天津の前に現れ……。



仮面ライダーナキ


フォースライザー!



ジャパニーズウルフ!



変身…



フォースライズ!



ジャパニーズウルフ!


Break Down.



お前ら道具如きが…!許さん!


アークが復元し、仮面ライダーになりました。


アークが……!?


『よろしく伝えろ』と。



身長:191.5cm
体重:94.2kg
パンチ力:26.2t
キック力:51.6t
ジャンプ力:ひと跳び33.7m
走力:100mを2秒
生物モチーフ:ニホンオオカミ
スーツアクター:蜂須賀祐一



終盤戦に入った第37話で初登場した、亡が変身する仮面ライダー*9
ニホンオオカミのデータイメージを保存したジャパニーズウルフゼツメライズキー滅亡迅雷フォースライザーにセットして変身する。
滅亡迅雷の他のメンバー同様に変身者の名がそのまま使われており、仮面ライダー雷と同じくフォーム名は存在しない。
亡自身は滅亡迅雷の古参メンバーであるが、フォースライザー自体は当時から持っていたものの今まで仮面ライダーに変身した事はなかったのか、それとも別のキーを使って変身したことがあるのかは不明。


フォースライザーで変身する他のライダーと同じく、ベーススーツに最低限のアーマー、そして釣り上がった複眼という共通の特徴を備えている。
スーツカラーは黒でアーマーの色は白銀。
アーマーのパーツ構成や後述の各部名称・性能は同じくゼツメライズキーで変身する雷と共通する箇所が多く、変身時にロストモデルが出現しない点も同様。


ニホンオオカミのデータによって俊敏性と接近戦能力が強化されており、主に単独での敵地潜入や破壊工作といった隠密行動を得意とする。
亡自身は元々システムエンジニア型であり、かつハッキングによる情報収集や機械の制御といった電子戦が主任務であったため素の戦闘能力は滅や雷ほど高くはなく、
ライダーシステムとしての性能自体も滅 スティングスコーピオンより一回り上程度で、サウザーとの戦いではアークゼロとコンビで立ち回っている。


変身時のキーの操作は「左手で起動→手放して右手でキャッチ→装填」という「亡」の字を描くようなものだが、これを完全ノールックで行っている*10
また、戦闘シーンのアフレコの際には冷静に戦うというイメージが湧かなかった事から「戦闘に入るとドSのスイッチに切り替わる」と想定して演じていた他、
同様にスーツアクターの蜂須賀氏も「普段は無口で冷静だが、いざ戦うとなると熱くなるという二面性をイメージして、アクションシーンはがむしゃらに行くようにしていた」との事。


スーツは恐らく仮面ライダーマッドローグの改造だが、既存の男性用スーツの丈を詰めて改造する事で女性に見えるようになっている。
また、『宇宙船』によるとマスクはそのデザイン上、右目側の視界がすこぶる悪いらしい。



◇性能
全身を覆う黒いベーススーツ「ラザロテックスーツ」は通気性や浸透性が限りなく低い特殊生地「テキスタウォール」製となっている。
腐食性の液体などを防ぎ、高い気密性を活かして内部圧力を外気圧より高く維持する事で有害物質との接触を遮断出来る。
更に雷と同様に絶縁性にも優れており、ハッキングを主任務とする亡に合わせて電気的な誤作動を防止する。


頭部「ニホンオオカミヘッド」は高速戦闘の為の視覚・聴覚の強化装置を装備した顔面装甲「ニホンオオカミゴーグル」によって保護されている。
右側に位置する拡張聴覚装置「ニホンオオカミイヤー」は音紋追跡に特化しており、半径7km以内であれば最大16のターゲットを同時に捕捉可能。
アンテナに当たる白い記憶装置「クレストサーバ」はデータの一括管理・保存を行う。
内部に格納されたデータは独自の暗号化を施されているが、もしこの部分が亡本体から物理的に切断されるか、
亡が撃破された場合には機密保持の為に格納データを全て破壊するトラップが仕込まれている。
青い複眼「ニホンオオカミスコープ」は遮光や暗視などのモードの切り替えにより、あらゆる状況において視界を確保することが可能。
更には電波など本来は目に見えない電磁的な動きや流れを把握する事で仕掛けられたトラップなどを看破出来る。
頭部両脇には後述のリストレントケーブルを通して聴覚情報を装着者に送る「ヒアリングバック」が存在する。


眉間の部分には制御ユニット「ニホンオオカミシグナル」があり、ライダーシステムの運用状況を随時モニタリングし、エネルギー配分などを制御する。
また、想定ダメージレベルを大きく超える衝撃やダメージの蓄積が限界を超えた場合は装着解除することでダメージを吸収し、装着者の身を保護する。
なお、他の3人は首元中心のコアブレストが制御ユニットとしての役割を持つが、亡の場合は下記の装甲が胸部全体を覆っている関係で眉間に機能が移動している。


ゼツメライズキーで変身している亡は雷と同様に胸部・腕部・脚部の装甲がそれぞれ独立した機能を持っており、
胸部装甲「メインブロッカー」はオーバーロード状態となった絶滅生物種のデータイメージ「ロストモデル」を強制的に装着させたものである。
他の3人は必要最低限の装甲で構成されたチェインブロッカーにより動きへの追従性能も高めているのに対し、
こちらは低観測性(ステルス性)に優れた構造を持ち、更にニホンオオカミのロストモデルの性能を反映して高い俊敏性も獲得しているのが特徴。


分離したロストモデルは機能性伝達導線「リストレントケーブル」の高い靭性や自在に伸縮する特性により拘束される。
亡の場合は背面から伸びる2本の「エクストラケーブル」が新たに追加された事で様々な外部機器との有線接続が可能となっている。
おそらく後述の外部機器への無線接続が何らかの状況で困難となった場合に利用されるものと思われる。


腕部装甲「アームストレンジャー」と脚部装甲「レッグストレンジャー」はメインブロッカーと同じ性質の装甲である。
アームストレンジャーは雷のような属性強化の内蔵機能が無い代わりにシンプルに腕力やパンチ力を向上させている。
レッグストレンジャーは迅と滅の足を保護するランディングブロッカーと同じ機能を持ち、
走力やキック力を向上させ、装甲材の強度を活かして人間では踏み入れない極限環境での活動を可能とする。


腕部の「フォースアーム」、脚部の「フォースレッグ」は滅亡迅雷フォースライザーが生み出すエネルギーの供給を受ける事で前者は装着者の腕力を約4.8倍、後者は脚力を約6.4倍に強化させる。
更に両手のグローブ「フォースグラブ」は触覚センサーの感度を約3倍に増強すると共に指先の鋭利な装甲は武器として使用可能。


最大の特徴の一つが首周りに位置する複合通信装置「ハウリングエコー」
これによって多数のレーダーや通信機器、センサー類の同時運用を行い、
更には様々な外部機器に無線接続し、ハッキングによる操作や、ありとあらゆる情報の掌握を可能とする。
また、亡の特殊な電磁波制御能力を活かして対象が利用する電磁波の種類を解析し、レーダー波や通信の攪乱、センサー類への欺瞞や標的の誤認を誘うなど、電子的な攻撃を得意としている。


もう一つは両腕のアームストレンジャーから展開される鉤爪「ニホンオオカミノツメ」
四枚刃で構成された巨大な接近戦用の武装であり、ハウリングエコーによって対象の索敵を掻い潜りつつ、強化された俊敏性によって距離を詰めてこの装備で攻撃する、というオオカミさながらの奇襲戦法を実現しており、
初登場時には天津への宣戦布告として、この爪で彼の服のみを細断してのけている。おかげでパンツ一丁の天津に話題を持っていかれてしまった感が否めないのは内緒



◇装備

  • 滅亡迅雷フォースライザー

亡が仮面ライダー亡に変身する際に使用する変身ベルトで、下記のジャパニーズウルフゼツメライズキーと共にアークが新たに造り出して与えたもの。
詳しくは滅亡迅雷.netの装備の項目を参照。


  • ジャパニーズウルフゼツメライズキー

新たなフォースライザーと共にアークから渡された新たなゼツメライズキー。
仮面ライダーへの変身が前提なのか、プレートには「○○ MAGIA」ではなく「JAPANESE WOLF」と記されている。
オオカミの絶滅種であるニホンオオカミのデータイメージを保存しており、形式そのものは従来型のゼツメライズキーと同様*11
だが、仕様そのものはロッキングホッパーゼツメライズキーに近いのか、キー名の起動音声や、
飛電ゼロワンドライバー用の「The roar of victory! ジャパニーズウルフ!Awakening the instinct of a beast long lost.という音声が存在するなど、通常のプログライズキーと折衷したような仕様になっている。
英文を意訳するなら「勝利の咆哮」「長きに渡り失われた野生の本能が目覚める」か。



◇必殺技
他の3人と異なり、「煉獄●●」「塵芥●●」の文字カットインはない。

  • ゼツメツディストピア

高速で相手に接近し、目にも留まらぬスピードで連続キックを叩き込む。
サウザーに対して使用したが、本放送時には音声の編集ミスで「スティングディストピア」になっていた*12


  • ゼツメツユートピア

ニホンオオカミノツメから斬撃を飛ばす。『ファイナルステージ』にて使用。



フェーズ6:自由

仮面ライダーゼロツーの活躍によりアークの意志は消滅、亡の目的は果たされたかに思われた。
だがその後、滅が人類滅亡のための活動を再開し、その中でイズが破壊され、それを恨んだ或人が仮面ライダーアークワンという形でアーク化し、続けざまにそのアークワンにより迅が破壊され、滅もアークと化する想定外の事態が発生。
このままでは人間とヒューマギアの全面戦争に発展すると危惧した亡は或人に自身の思いをぶつけ、その後不破にジャパニーズウルフゼツメライズキーを渡してオルトロスバルカンへ変身させ、リアルタイムでバックアップする。
結果的に不破は敗北するも、或人の心には不破の言葉が響き、それには変身しての戦闘が必要だった事を考えると、亡はこの騒動に関して大きな立役者となったと言えるだろう。
全てが終わった後はA.I.M.S.の新たな隊長となった唯阿の計らいで、技術顧問という形でA.I.M.S.に入隊し、亡もようやく自分の道を歩み始める事となった。


以降、『ファイナルステージ』では雷と共にハッキングされて「暗殺亡雷.net」の構成員として活動させられるが、滅と迅の呼びかけにより自我を取り戻すとアークゼロ撃退に貢献し、
続く映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』では変身はせず、A.I.M.S.で後方支援という形でシンクネットの解析に尽力した。


続くVシネクスト『ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷』では主人公の1人として登場。
仮面ライダーザイアとの戦闘で滅が損傷を受け、迅がZAIAに拉致された事を受けて休暇を取ってアジトに帰還、滅を修復し雷も含めた3人で迅を救出、ザイアやソルドマギアとの戦闘に挑むも……。
そして、迅の「ソルド達を解放したい」という意思に賛同し、4人でその願いを果たすが、結果彼ら4人は最悪の結末を迎えることになる……。



フェーズ7:余談

亡を演じる中山氏は中性的な容姿と人柄で知られ、モデル活動を中心に活躍しており、『仮面ライダー』シリーズへの出演は本作が初となる。
彼女の登場により、「滅亡迅雷」の漢字を名前に冠するヒューマギア全員が出揃った他、第37話で仮面ライダーへの変身を果たした事により、
劇中ではなく役者の性別で考えれば、バルキリーに続いて『ゼロワン』2人目の女性ライダーという事にもなる……
と思われたが、本作終了後の2021年に中山氏がトランスジェンダーであると公表した事で一概にそうとは言い切れなくなっている。


また、亡と縁が深いアサルトウルフだが、元々滅亡迅雷専用のアイテムとして作られたという劇中の事情とは別に、
モチーフ元のオオカミには先述のように仮面ライダー亡のモチーフとなったニホンオオカミという絶滅種が存在するという点でも興味深い。
他にも滅亡迅雷では滅と迅こそ絶滅種の力を使わないが、暗殺ちゃん・雷のドードーを始め、多くの戦力が絶滅種のデータイメージを備えるゼツメライズキーを用いている。



以上、フェーズ7までプロセス終了。


以降の報告は追記・修正へつづく―――



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この項目が面白かったなら……\ジャパニーズウルフ!/
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  • 本編でももっと描写がほしかった -- 名無しさん (2020-05-01 23:44:56)
  • お仕事勝負に時間割くならもう少し滅亡迅雷や天津の内面描写をやるべきだと思ったよ -- 名無しさん (2020-05-02 00:18:31)
  • ブルーレイ特典は、本編ではあまり扱わないからね。 -- 名無しさん (2020-05-02 05:17:33)
  • 結局仮面ライダー亡出て来るんだろうか -- 名無しさん (2020-05-02 09:29:21)
  • アサルトウルフのベルトを変えただけでもいいから、仮面ライダー亡は出て欲しい -- 名無しさん (2020-05-02 10:21:48)
  • つまり亡のチップは後で追加で埋め込んだ、あるいはインストールしたんであって変身用は別に埋め込まれてるってこと? -- 名無しさん (2020-05-02 11:28:15)
  • ↑そうでないとデイブレイクの記憶改竄の辻褄が合わなくなる(不破は手術前の時点で、過去に中学校が暴走ヒューマギアに襲われた件を話している) -- 名無しさん (2020-05-02 11:42:21)
  • あだ名、ナッキー -- 名無しさん (2020-05-02 16:43:00)
  • ゴリライズはコイツがプラグライズキーにハッキングして使用可能にしていたと思っていたんだけど、特にそんな事なかった件について -- 名無しさん (2020-05-02 20:23:52)
  • 滅を解放した時は、あくまで迅が亡のチップをハッキングして不破の体をコントロールしてただけで、亡の意思は介在してなかったのかな -- 名無しさん (2020-05-03 01:04:16)
  • ↑迅のハッキングしたチップは亡のではなくZAIAのライダー変身用チップだろう -- 名無しさん (2020-05-03 05:43:05)
  • 贅沢言わないから自分も亡ちゃんみたいな娘が頭の中に一人欲しい -- 名無しさん (2020-05-03 08:57:54)
  • チェケラは滅亡迅雷……なのか? -- 名無しさん (2020-05-03 13:12:13)
  • 違反コメントを削除しました -- yomihito472 (2020-05-06 00:27:15)
  • ↑2 野生の滅亡迅雷.net......かな...... -- 名無しさん (2020-05-06 01:03:07)
  • 漸く解放されたし、何気に今後も不破さんとは良い感じに付き合えそう…でも単身の能力がヤバ過ぎるけど -- 名無しさん (2020-05-10 09:45:26)
  • まさかの「アルトじゃないと」披露には逆の意味で驚いたw -- 名無しさん (2020-05-13 12:52:46)
  • 来週遂に仮面ライダーに!モチーフは何だろう? -- 名無しさん (2020-06-30 02:25:10)
  • 不破との関係からバルカンと同じく狼、そして絶滅種のプログライズキーという説が濃厚らしいね。 -- 名無しさん (2020-07-04 14:34:51)
  • ロストモデルはニホンオオカミと判明 -- 名無しさん (2020-07-05 10:15:54)
  • ↑ジャパニーズウルフ! なお変身ポーズ(キーを見ないようにしながら持った手を横に引き、放してキャッチする)は案の定凄く難しく、中の人も何度も失敗して落としまくって「壊したら仮面ライダーになれなくなる(汗」と焦りまくりだったそうな。仁の中の人曰く「フライングファルコンの頃の僕(一旦上に軽く放り投げてからキャッチ)より数段難しいと思う…」 -- 名無しさん (2020-07-05 11:29:08)
  • ある意味蜂須賀さんの無駄遣い -- 名無しさん (2020-08-19 19:08:56)
  • 何だかんだでゼロワンの女性陣では一番好き -- 名無しさん (2020-08-23 21:52:02)
  • 仮面ライダー亡の出番が実質現課長をひん剥くくらいしかないのが悲しい…… -- 名無しさん (2020-08-29 10:04:02)
  • 仮面ライダー亡のデザイン結構好きだからなー。もっと活躍を見たい。Vシネで主役してくれないかなー -- 名無しさん (2020-08-29 10:07:11)
  • 大幅にレイアウトを変更しているユーザーがいるようですが、大幅に変えるときは相談してからでお願いします。 -- 名無しさん (2020-08-29 19:44:56)
  • 積み重ね、ゼロw -- 名無しさん (2020-08-29 19:52:26)
  • 多分音声ミスじゃなくてオルトロスの音声隠したかったんじゃないかな -- 名無しさん (2020-10-09 17:53:01)
  • 項目名を「亡/仮面ライダー亡」に変更した方がいい気がするんだけどどうだろう? -- 名無しさん (2020-10-09 18:26:26)
  • ↑賛成。終盤の重大なネタバレというほどでもないし妥当かな -- 名無しさん (2020-12-30 22:32:52)
  • 本来の運用としては三人が表でドンパチして囮に成っている間に敵の中枢部へ侵入してハッキングだのデータぶっこぬきだの暗殺だのって裏方仕事する感じなのかしら -- 名無しさん (2021-06-11 06:15:27)
  • 6/15までに反対意見が無ければ項目名変更します -- 名無しさん (2021-06-11 08:22:17)
  • 変更しました。 -- 名無しさん (2021-06-19 16:38:51)
  • 中の人が結構重めなテーマで写真集出したなぁ…無姓愛か… -- 名無しさん (2021-08-20 08:18:09)
  • 「彼女」と呼んでいいかわかんなくなったなぁ……REAL×TIMEではかなり男性寄りの格好してたし。演者さんがトランスジェンダーのライダーは2人目だね。1人目っていってもウィザード劇場版のKABA.ちゃんだけど -- 名無しさん (2021-08-25 21:04:37)

#comment(striction)

*1 ベローサ、クエネオ、エカル、ネオヒ、オニコ、ビカリア、ガエル、ドードーの計8本。
*2 ライジングホッパー、シューティングウルフ、ラッシングチーター、バイティングシャーク、フライングファルコン、フレイミングタイガー、パンチングコング、ライトニングホーネットの計8本だが、意外にもフリージングベアーは計画の対象外となっている。
*3 この時に迅が使っていたフォースライザーはZAIA由来のものだった事が明かされている。
*4 「亡」名義でのクレジットが表記されるようになったのは第29話から。
*5 なお、フードの人物を演じたのはバルカンのスーツアクターである浅井宏輔氏であり、中山氏が声をアフレコするという形を取っていた。
*6 厳密には移植ではなく、元々埋め込まれていたチップに、新たに亡のデータをインストールしたと言った方が正しい。
*7 なお、このエピソードの直前にレイドライザー自体も天津による商売道具だった事が明かされており、改めて『ゼロワン』の怪人はその尽くがZAIA由来という事が窺える。
*8 この時、或人のギャグを「アルトじゃーないと!」の部分まで含めて完コピしている事が発覚した。
*9 なお、『ROMAN ALBUM 仮面ライダーゼロワン 滅亡迅雷.book ver.2』内での中山氏のインタビューによれば「当初変身は予定されていなかった」という。
*10 中山氏はこの無茶な変身シークエンスに大苦戦しており、キーのプロップが壊れないか心配していたという。
*11 ゼツメライズキーの命名法則は元の生物名そのまま。この場合「ニホンオオカミ」の英訳であるため、法則は変わっていない。
*12 このシーンではアークゼロとなっていた迅を除く滅亡迅雷全員が必殺技を叩き込んでいたため、混同された可能性がある。

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