Collar×Malice

ページ名:Collar_Malice

登録日:2020/04/23 Thu 05:10:11
更新日:2024/05/17 Fri 11:22:54NEW!
所要時間:約 58 分で読めます



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X-Dayをお知らせします


あざやかな理想、形のない正義 全ては、再生に繋がる



Collar×Malice」は2016年8月にオトメイトより発売されたPlayStation Vita乙女ゲーム。愛称はカラマリ。
警察組織と正義がテーマであり、テロ事件が起きた新宿を舞台に新人警官である主人公が事件を追う者と共に立ち向かっていく。


キャラデザはおなごを描くことが大好きなことに定評がある花邑まい。特にHANAは本人の趣味の塊とか言われている。
プロデューサーに「女の子しか描けない」と言われた『デザートキングダム』時代からよく成長したものである。


物語は乙女ゲームの醍醐味であるルート分岐を効果的に使っており、ルートごとに事件の様々な形の真実が見えてくる、というシステムになっている。
そして最後に明かされる真ルートでそれらの真実がひとつに絡み合い、事件の全貌が描かれていく。


サスペンスという媒体上、乙女ゲームにしては糖度が低め。と言ってもあるっちゃある。とりあえず薄桜鬼よりはマシ。


本作のテーマのひとつに『復讐』があるが、最近の作品にしては珍しく復讐には若干否定的なスタンスを取っている。と言ってもまあ別に頭ごなしに指定しているわけではない。
ディレクターのインタビューや本作の描写を見る限り『舞台が現代日本であり法治国家というルールがある以上、私刑は決して許されるものではない』というのが理由として一番大きい。
だが逆にテロ組織はその法治国家としての【正義】を否定しておりテロを起こしている。作中ではテロ組織側の言い分も結構しっかり描いている。
……宇野兄妹の話とかよくやったなぁとは思う。
登場人物全員が、何らかの形で正義を持っていることは間違いない。
このように【正義】について多角的に描いた作品。
そのためか注意書きには「また、特定の思想を推奨するものではありません」と珍しいことが書かれている。
まあ『カラマリ見てテロを企てました!』とか言われても困るしね。


2019年のオトメイトパーティーにてアニメ化が発表された。やったね!
さらに本編とファンディスクをまとめたSwitch版も発売される。
アニメは2023年に2部作の映画として公開されることが決定した。


【あらすじ】


新宿では連続凶悪事件、通称【X-Day事件】が起こり、新宿封鎖や銃刀法解除などが制定され危険な街になってしまった。


そんな中新米警察官の主人公・星野市香は自分のできる限りのことをしようと毎日尽力していた。


ある夜、彼女は何者かに襲われ、 毒が内蔵された首輪をはめられてしまう。


混乱する中市香の前に現れたのは【元警察】と名乗る素性の分からぬ男たち。
彼らは独自で事件について調査しているらしい。


市香は彼らを信用していいのかわからないまま、突如として事件の鍵を握る存在となってしまう。


首輪を外すため、悪意に包まれた新宿を解放するため、彼らと共に捜査を開始することになる。


【用語】


◆X-Day事件
20XX年4月1日から新宿区のみで起こっている凶悪殺人事件。
現場には共通して謎のローマ数字とコインが残されており、警察及び政府は複数犯または組織によるテロ行為と推察している。事件の前後には何らかの形で犯行予告と警察の不祥事に対する声明が動画として出されている。

◇4月
4月1日、突如新宿駅前の大型モニターに警察官らしき4人の人物が拘束されている動画が流された。


汚れた日本を再生するため、これよりX-Dayへのカウントダウンを開始します


ボイスチェンジャーによって加工された声により、4人の警察官の違法捜査や誤認逮捕などの不祥事が明かされていった。


彼らのような犯罪者には裁きを下す必要があります
我々は世界の理を再生させる。弱者が虐げられるだけの世の中を変えるのです


X-Dayへのカウントダウン Ⅸ


この動画を皮切りにして、X-Day事件が始まることとなる。


◇5月
通称警察官拉致殺害事件
今回の動画は4月とは違い、ネットで全国公開された。


動画の中では4月の警察官と思わしき男たちが、着ぐるみの頭部を被せられており、次々と銃で撃たれていった。


裁きの時間です
彼らは警察官という職に就きながら、罪を犯した罪人です
来るX-Dayに向けて、裁きを実行しました
これで終わりではありません。我々は今後も、この国を再生するために正義を貫きます
我々の名は――“アドニス”
皆様。この名前、ちゃーんと覚えておいてくださいね?
この世界が楽園になりますように♥


X-Dayへのカウントダウン Ⅷ


その後警察が現場を特定した時には警察官・藤井裕太の死亡が確認された。
現場には複数名の血痕が残されていたのみであり他3名の姿は忽然と消えてしまっていた。


◇6月
通称中学校爆破事件
新宿区内の中学校で爆発事故が起き、1クラスの生徒全員が死亡した。
当初は理科の実験中だったことにより事故かと思われたが、その規模から意図的な事件であると断定される。


その後学校の屋上にローマ数字の【7】が発見されたこと、5月の事件で現場に残されていたものと同様のコインを発見し、4、5月と一連のテロ事件である可能性が高いと発表された。


爆薬の痕跡は発見されたが、素人でも手に入れられる素材で作られたものだった。
数日前に学祭があり学校関係者以外も多く出入りしていたため、容疑者を絞るのも困難であった。


その数日後、アドニスと名乗るものがネットに動画を投稿する。



痛ましい事件が起きてしまいました
ですがこれは無差別殺人ではありません。死亡した全員が罪人です
どれほどの罪を負っていたか知れば、みなさんも納得して頂けるでしょう
我々アドニスは哀しみを救済するため、罪人への裁きを続けます


X-Dayへのカウントダウン Ⅶ


今回の件を受け、警察は一連の事件を『X-Day事件』と名付け調査本部を設置した。


◇7月
通称ストーカー男性傷害致死事件
ある女性を執拗にストーカーしていた男が通行人と揉めた末に殺された。
通行人は現行犯逮捕されたが、当時の状況や証言などによって、正当防衛が濃厚。
しかし加害者が過去、5月のX-Day事件の容疑者として挙げられていた事実から裁判は長引き、現在も加害者は未だ拘置所に拘留されている。


事件直後に被害者の自宅から例のコインが発見され、女性の事件関与が疑われたが特に根拠となるものは見つからなかった。


8月上旬にX-Dayのカウントダウンと称した動画がネットで流され、7月のこの事件もカウントダウンの一環だと明かされる。


正当防衛なのに一時でも身柄を拘束される。理不尽だと思いませんか?
彼はひとりの女性を救ったヒーローだというのに
その女性は昔からストーカー被害を訴えていたにも関わらず、警察は取り合わなかった
我々アドニスはこの哀しみを見過ごせず、被害者に代わり裁きを下しました


X-Dayへのカウントダウン Ⅵ


そして――今月はカウントダウン、Ⅴ。近々、再び裁きが下ります


◇8月
ネットゲームユーザー連続殺害事件。
被害者数が6月に次いで多く、全国に及ぶユーザー数から世論的に最も騒がれた事件。


8月2日。3名の男性が射殺される事件が発生。


殺された場所はいずれも新宿区内だが広範囲にわたり、殺害時間、被害者の年齢などに共通性はなかった。
ただし、現場に残された銃弾にローマ数字【5】の文字が刻まれていたこと、例のコインが残されていたことからX-Day事件に関連ありと認識された。


その後合計9名が殺害される。
そして被害者がとあるネットゲーム(というかソシャゲ)のユーザーであったことが判明する。
ユーザーは全国で大多数であったために日本中がパニックとなった。


そしてまた3名が殺害される。被害者全員が【新宿在住ギルド】に属しており、実際に新宿に在住していることも判明した。
ギルドではユーザーによるネットいじめが起こっており、それが原因ではないかと噂された。


その後ネットいじめに加担したことを悔いた自殺者が現れるが、この人物は新宿区の人間ではなかった。


8月下旬、再びネットで声明動画が流される。


無差別殺人だ。正義がない、と仰る方が多いようですね
あなた方は知らないだけです。彼らは殺される必要があった
裁かれるほどの罪を犯したのです。我々は未来の被害者を救ったのですよ


X-Dayへのカウントダウン Ⅴ


新宿外まで犯行の手が及ぶかもしれない、ゲーム内のいじめで殺されるなら次は自分の番かもしれないなど国民はアドニスの凶行に怯えることとなった。


この事件がきっかけとなり、現在の【新宿隔離措置】および【新宿区限定の銃刀法解除】を決定づけたと言われている。


◇9月
X-Dayへのカウントダウンと称して、【4】のローマ数字とアドニスのコインが映った動画がネットに流れた。


自分はこの世界から必要とされていない。そんな風に思ったことはありませんか?
生まれて来たことが間違い。存在する意味がない。未来を望めない
そんな世界を作り出したのは、誰でしょう? 本当に不必要なのは、誰でしょう?
絶望の色を生み出した人間に、アドニスが正義の裁きを下します


X-Dayへのカウントダウン、Ⅳ


同日、独り暮らしをしていた蜂須賀兼がアパートで首をつっているのを交際相手が発見する。
警察の調べにより自殺に見せかけた他殺であることが判明。
捜査の結果、事件当日に被害者のアパートを訪ねた男がいたことが判明する。


男の名は砂森雄毅。
10年前に被害者と同じフリースクールに通っており、交流があった。


砂森は【自分は選ばれた人間】だと話し、例のコインを所持していた。
解析の結果、コインは寸分違わず過去のX-Day事件のものと一致し、警察は彼を犯人として断定した。


◇10月
X-Dayへのカウントダウンと称し、【3】のローマ数字とアドニスのコインが映った動画がネットに流れる。


僕は、私は、俺は――。この世界から必要とされていない
幸せを望むことを許されなかった。この世に生まれ落ちたその時から、『いらないもの』だったのです
だから、我々も捨てましょう。哀しみを作り出すものを壊しましょう


X-Dayへのカウントダウン、Ⅲ


当日砂森雄毅は拘置所にいた上に当日は事件らしいものも起こらなかった。
しかし動画が流れた翌日、砂森は拘置所で首をつって自殺する
X-Day事件における唯一の手がかりを失い、事件の真相は闇の中となった。


◇11月
通称交通事故偽装事件。
トラックと白バイの衝突事故により交通部交通機動隊管理官の昌美と柿崎良太の2名が死亡した。
ただの事故と思われたが監視カメラの映像等により信号が操作されていたことが判明。事件性があると認識される。


警察庁の高度交通管制システムがハッキングされ乗っ取られたモニターにはローマ数字【2】の羅列が映り出されたこと、被害者のうち1人の手に例のコインが握られていたことから、X-Day事件に関連するものとして捜査が始まった。
その後、アドニスからの声明動画がネットに流される。


世の中には、生きてはいけない人間がいます
保身、顕示欲、承認欲求、優越感――それらを満たすためだけに他人の尊厳を踏みにじる者
醜い欲にまみれた自我を持つ人間たちに、我々アドニスが正義の裁きを下しました


X-Dayへのカウントダウン、Ⅱ


◇12月
元警察の男たちが集まるビルに、一通の手紙が届く。


X-Dayへのカウントダウンとして、12月6日、0時0分に新宿苑で1人の女性を毒殺します
助ける方法はただ1つ。下記に書いた解除コードを女性が付けている首輪に入力してください
尚、警察に知らせた場合は、女性をすぐに殺します
もし彼女を救えたとしても、首輪の存在は明るみにしないでください。我々は首輪を通じ、彼女とあなた方の動向を監視させて頂きます
我々の意にそぐわない行動をとった場合、彼女の命は保証しかねます


この日から物語は始まる。


◆アドニス
X-Day事件の主犯とされているテロ組織。【ゼロ】という人間を首領としているらしい。
現状、規模がどの程度であるかは不明。作中の描写から見ると末端まで含めるとかなりの人数であると考えられる。
動画で声明を出す際、自らのことを「アドニス」と名乗っており、「曖昧な法、形のない正義、理想ばかりが鮮やかで、中身がからっぽな哀しい哀しい世界。この汚れた日本を再生する」ということを目的としている。
2年前に起こった総理大臣殺害未遂事件の実行犯と同名であるため、その残党が集まったのではないかと噂されている。


◆執行者
X-Day事件の実行者たち。アドニスは基本的に鍛えられた工作員が所属しているが、ゼロの【普通】の人間が悪意に立ち向かわなければならないという思想から、一般人からスカウトされている。
殺人を犯してでも何かを成し遂げたい者たちがメンバーになっている。数字が1~9までつけられている。
全員一度は容疑者になっているのだが、その度に必ずアリバイが証明される。
実は動機を持つ執行者の殺人を、別の執行者が行うという交換殺人によってアリバイを確保している。
また全員が手術で脳にチップを埋め込まれており、アドニスの不利益となる行動をしたものは記憶を消される。


◆新宿隔離措置
最初の事件発生から5ヶ月の9月1日に、政府は新宿区を危険区域に指定した。
これ以上被害を広げないことを目的に、厚い壁や鉄線で区を封鎖。出入りが出来ないような措置をとった。リアルロックダウン。


◆銃刀法の解除
新宿隔離措置発令と時を同じくして、新宿区限定で銃刀法が解除された。
20歳以上限定という条件で区民に配られている。
区民に配られた拳銃は登録制でそれぞれにコードが記されており、使用に際して細かいルールが定められている。
自衛できるようになった反面、犯罪が増えることも見込まれるため、賛否両論。



◆探偵事務所
柳愛時を始め、X-Day事件を独自に捜査している人物たちの集団。
探偵事務所と名乗っているが機能はしておらず、捜査も基本的に個々で行っている。


◆首輪
市香が実験のために【ゼロ】によって嵌められた首輪。外すことはできず、内部に致死量の毒物が内蔵されているため、彼女は常に死の恐怖に苛まれることとなる。そして首輪のことが探偵事務所の面々以外に知られた場合即座に殺すと脅されている。
マイクとスピーカーが内蔵されており、市香の捜査状況は常に首輪をつけた人物によって知られることとなる。逆にスピーカーによってあちら側から市香達にコンタクトを取ってくることもある。
そのせいで市香は生活音どころか惚気やエッチまでを全て聞かれるというクッソ災難な目に遭うこととなった。
この首輪は同時に犯人へと繋がる重要な鍵となるため、市香も愛時たちの捜査に加わる。



◆地域課・特殊地域防犯対策室
主人公である市香や彼女の先輩である望田が所属している部署。所謂「町のお巡りさん」であり、X-Day事件による不安から起こる苦情の電話や喧嘩沙汰を諌める役割を担っている。
……リアルタイムでテロが起こっている新宿においては限りなく窓際に近い部署。しかし市香や望田たちは「市民を守るため」と責任を持って取り組んでいるため、なんだかんだで地域に貢献している。というか新宿封鎖&銃刀法解除という一歩間違えれば世紀末へとなりえる新宿が、最低限平穏を保てているのは確実に彼女たちのおかげ
ちなみに地域の住民には優しく親身になってくれる市香のファンが多いとか。


【登場人物】


◇事件を追う者たち


この首輪をはめたのは、誰?

◆星野市香
CV.本渡楓(映画版のみ)
本作の主人公。新宿署の地域課・特殊地域防犯対策室通称『特防』に所属する新人警察官。21歳。キャリアはまだ半年弱。現在は新宿のアパートで弟の香月と二人暮らし。
12月のある日、『X-Day事件の犯人』を名乗る何者かに突如襲われ、毒が内蔵された首輪をはめられてしまう。死と隣り合わせという状況の中、自身が事件を解決する鍵になると考え、元警察関係者の面々と共に事件の謎を追うことになる。
若くして警官になるだけあり、芯が強く正義感の強い性格。まだ経験は浅いが警官として助けられる人は助けたいという信念を持つ。
周りからバカ扱いされるレベルのお人好しであり、作中ではよっぽどの相手でもない限りは同情しなんとか助けられないかと考えている。
芯は結構強い方であり、心に傷のある相手に真っすぐ向き合い、手を差し伸べようとする姿は優しいと通り越してかっこいい。ただその反面怒らせると怖い。特に白石ルートでキレて胸倉を掴んだ時は怒りのあまりヒロインがしてはいけない顔になっていた。

※ヒロインです。
しかし芯が強い分折れると非常に弱く、バッドエンドルートでは闇堕ちしたりヤンデレ化したりしていた。
特技は料理と射撃。
実家が新潟のペンションということもあり料理は親から仕込まれていた。食べた人からは大抵絶賛され、プロのものかと間違えられる。本人も休日は料理を嗜んでいる。
射撃は「撃つ覚悟」を持つ人間として警察学校時代から練習し続けていた。作中でもプレイヤーがわざとミスしない限りは百発百中の腕。
このようにある程度のスキルは持つが、自己肯定感がかなり低い。これは香月が天才肌で自分に比べて何でも出来るため、親に期待を持たれず劣等感を抱いてしまったことが原因。
警察官になったのも子供の時に落とし物を交番に届けたら落とし主に感謝され「こんな私でも誰かの役に立てる」と思ったことがきっかけだった。
そんなこともあり香月とはどこかぎくしゃくとした生活を送っている。
かっこかわいさから人気が高いのかガールズゲームアワード2016主人公部門では第2位を受賞した。1位のカルディアとは2票差であった。




ここから見える、新宿の街が好きなんだ

◆柳愛時
CV.森田成一
元警視庁捜査一課の刑事であった28歳。現在はとある理由から辞職し、独自にX-Day事件を追っている。煙草とコートの似合うイケメン。所謂真ルート枠であり、他4人を攻略するまでルートが解禁されない。あとルート開放演出がやたらとかっこいい。
常に冷静沈着でクールでさらに正義感が強いイケメン。さらに元捜査一課としての経験から頭の回転も速く、知識の豊富さと観察力から事件を推理していくという隙の無いイケメン。マジで欠点ないぞコイツ。
なにより包容力の高さに定評があり、癖と我が強い探偵事務所の面々を一人でまとめ上げ、そして彼らから信頼されている。その姿はまさに事務所のとーちゃん。特に悩む市香に助言をかけてやったり、黙って温かいミルクを注いでやったりする姿はいいオトンである。そんな彼に市香も信頼していた……というか、懐いていた
さらに料理もうまく、夜食として榎本にかつ丼をつくってやったり、クリスマスパーティーの際にはケーキをつくったりしていた。さらに味の方もプロ級の腕前を持つ市香が驚くほどに美味しいらしい。
クールで頭良くて包容力ある上に料理も上手いとかマジで完璧すぎるぞ。
どんな人間であったとしても殺されていい理由などひとつもない。法によって裁かれるべきである」という信条を掲げており僅かでも犠牲が出ることを嫌う。きれいごとだと理解しながらも救える全てを救おうと尽力している。彼の芯の部分とでも言うべきものであり、逆の考え方をする岡崎とはたまに対立している。岡崎とは警戒しあいながらも、なんだかんだ協力するときは協力する仲である。
戦闘能力は本作の登場人物としてはノーマルな方。と言っても岡崎が異常すぎるだけであり、ケンカは普通に強い。実際アドニスのアジトに乗りこんだ時には大立回りをしていた。元捜査一課であるため立てこもりや人質系の事件に強い。
28歳だが、市香との歳の差を気にするという可愛い面もある。迷子のロリに「おじさん」と言われちょっと傷つくというシーンも。
彼にとって一番大切なことは、普通の人が当たり前の日常を取り戻せることであり、そのためにX-Day事件に立ち向かっている。
プライベートに踏み込まれることを嫌っていたり、初対面のはずの市香を見て驚いたりとただのスパダリではなく、何か裏があるようだが……。

実は元ヤン。……というのも大切だが実は過去に市香と出会っていた。柳は鮮明に覚えているが市香はよく覚えていない(市香は当時小学生)。


前に会っていたのは柳が高校生の時。当時の彼は兄がエリートの道を歩んでいるという劣等感から燻り不良であった。この頃の彼の声色は完全に一護。
ある日街に出ていた彼は偶然まだ子供だった市香が誘拐される現場に出くわした(ショックで記憶が曖昧なうえにほぼ一日で解決したこともあり市香本人はこのことを滅多に話そうとしない)。
当時の柳は誘拐犯の潜伏先を見つけ、彼を叩きのめそうとする……。が、まだ子供だったということもあり返り討ちにされる。それだけだったら良かったのだが、犯人が八つ当たりで市香に手を上げる(ここまで市香は暴力だけは振るわれていなかった)。
突然の死の恐怖、何より自身のせいで市香が傷ついたことへの自責の念から我を失ってしまう。
そして本能のままに犯人を殴り続けてた。「助けて」「もうやめてくれ」という悲痛な叫びを無視して……。
気が付けば幼い市香が自分を怯えた目つきで見つめていた。


その後市香と柳は救出され、柳は状況と年齢からほぼ無罪放免となった。
しかし誘拐犯は現在に至るまで傷の後遺症で昏睡状態である。
これは柳の心に大きな傷を残すことになる。


どんな理由であれ、誰かの人生を奪ってしまった自分が許されるはずない
柳の信条はその後悔から来ている。


その後青少年校正プログラムの一環として警察に入り、異例の速さで捜査一課に入った。


罪を償うべく警察官としての職務を全うしていた柳だが、ある日とある立てこもり事件で説得を担当することとなる。本部からは人質優先のための射殺が命じられたが、過去の経験から闇雲に殺したくはないと考える柳は説得を続けてしまった。
もちろん優先順位をつけられなければ、救えるはずの人間を救えなくなるということは頭では理解していたが、感情では割り切れなかった。
結果犯人は逆上し、警察の突入により人質はなんとか助かったが、犯人は射殺された。


そのころから柳は犯人の内情にまで極端に目を向けるようになってしまっていた。そしてそんな自分が警察にいられないような人間であることは理解していた。
なおプライベートに踏み込まれることを嫌うのはそのため。


その後X-Day事件が起こる。柳は早い段階から動機が復讐であるということに気が付いていた。
それにより彼らにはどのような事情があったのかまで考えだし、ついに「犯人側の事情まで考えることは刑事の仕事ではない」という本人なりの結論を出す。


そして8月の事件でクソ無能な警視総監が「異例の事態のため事件関係者は即刻射殺」の命を出し、ついに踏ん切りがついて警察を辞めた。
そして加害者と被害者、両方を知りそして救うために独自で事件を追い始めた。



このルートの市香は甘え上手でかわいい。


彼の信条は裏を返せばリスクが僅かでもあれば動けないというもろいものであった。
またプライベートには踏み込まれることを嫌う上に、相手が過去に怯えさせた張本人であるため市香に対してどこか他人行儀であった。
しかし市香と共に行動するうちに「守るために引き金を引く覚悟」を学び、彼女をパートナーとして受け入れるようになる。
そして「過去に傷つけた少女」ではなく「星野市香」として向き合う決心をする


恋愛ENDではX-Day事件を解決することに成功する。その後は市香と結ばれ、事務所で実際に探偵としての仕事を始めている。


悲恋ENDでは市香がとある形で自分の信念を潰すような形で事件を解決し、行方不明になってしまう。春になった今でも柳は市香を探し続ける……。




よかった。やっぱりキミは悪い人じゃないね

◆岡崎契
CV.梶裕貴
26歳の警備部警備課。要するにSP。現在はX-Day事件と同時に警察を辞めて集まるという怪しさ全開の柳たちを警護という名目で監視している。そして本作最強の戦闘能力を持つキャラでもある
やや幼さのあるおっとりとしたマイペースで柔和な雰囲気を持つ青年。つまりは天然野郎。フレンドリーな性格であり、出会った直後の市香とも仲良くなろうとしていた。道端でアイマスクを使って寝ていたり、「きゅうりチョコレート」をはじめとした珍味を好んだりと不思議ちゃんな面もある。あとメールでは顔文字を使いたがる\(^o^)/。
その反面警察官としては有能であり頭の回転は非常に速い。事件への勘と嗅覚に優れており、序盤から柳たちと接触する市香を訝しみ調査していた。Not探偵事務所メンバーに首輪のことがバレたくない市香は戦々恐々していた。特に判断力に優れており、冷酷ともいえるレベルの合理的な判断を咄嗟に行える人物。
柳曰く「SPは例え知人が危機だったとしても守るべき要人を守らなければならない」ということであるため判断力が必要であるので、ある意味完成されたSPと言える。そのような仕事に就いているためか守るためには犠牲はやむなしという柳と正反対の考え方をしている。
このようにおっとりしたマイペースな顔警察としての冷酷な顔という激しい二面性を持つ男。ぶっちゃけ演技くさいがどこまでが演技かは本人しか知らない。
そしてSPだけあって戦闘能力は高い。本当に高い。人間を辞めているとしか思えない高い戦闘能力から繰り出される攻撃はまさに脅威。まっとうなタイマンであれば相手がアドニスの工作員だろうが喧嘩屋だろうがブチのめせる。また、器用にも走るターゲットの脚だけをかするようピンポイントで銃撃するという芸当もやってみせた。しかしSPというのは肉の盾であるため負傷率も高い。
「めんどくさいから」という理由で5階にある探偵事務所を壁伝いで窓から入ってきたりする。
また気配を消す能力にもたけており、いつも神出鬼没にどこからともなく現れる。忍者かお前は。柳はなんとなくいることが分かるらしく虚空に向かって岡崎を呼ぶ→本当にそこから岡崎が出てくるということをたまにやっている。
市香に好意を示し積極的に守ろうとするが、その姿勢にはどこか歪なものが見える……。

実は極度の死にたがり


2年前国の要人を狙ったアドニスのテロの際にSPとして警護をしていた。
しかし事件の最中、自身のミスによって相棒を失ってしまう。


しかも仕事中にミスをするような自分を守った相棒の死に「こんな無意味な死に方をしたくない」と考えるようになってしまう。さらに調査の結果相棒がアドニスの密偵という事実を知り、それでも自身を守った彼の良心の理由に苦悩し「自分は素晴らしい人物を守って有意義な死に方をしなければならない」と完全に歪んでしまう。


言ってしまえば初期の岡崎が市香のことを好いて積極的に守ろうとするのは「信念を持った高潔な人物」「国の未来を左右する人材」というふたつの記号を併せ持っているからに過ぎない。要するに市香自身のことは見ていない、この記号を持てば市香ではなくてもよい。
要するに市香を守って死ぬために守るというゆがんだ姿勢を見せている。
実際バッドエンドルートで市香が保身のことばかりを考える選択肢を選ぶと彼女に完全に失望し、誰だお前レベルの素晴らしい塩対応を見せてくれる。


ルートで市香は中盤にこの事実を知り、当然だが岡崎に死んでほしくないため説得をする……のだが彼の考えはあまりにも強固で変わることがない。というか自分の何が間違っているのか分からないというスタンスを貫いているため、市香が何を言っているのか分かっていない様子であった。
Chapter5の岡崎はマジで面倒くさいことで有名。


しかしこの記号を持った人間は他にもいるかもしれないのに彼女に執着するのは、無意識ながらも市香自身を見て、恋をしていたから


それでも「死んだら、何もできないんですよ?」という市香の言葉をはじめとした拳を含めた彼女の説得によって少しずつ心を動かしていく。
このルートの市香はやたらとかっこいい。


そして互いに「逃げずに立ち向かう」「死ぬためではなく生きるために守る」と約束し、共に戦うことを決意する。


最終的に市香は戦いの中で重傷を負うもすんでのところで助かり、事件の解決に成功する。


悲恋ENDではアドニスの凶弾によって市香を失ってしまう。
それにより岡崎は初めて「死んだら、何にもできないんですよ?」という言葉の意味を理解する。遅すぎたと自嘲し死のうとするも、彼女との約束が心に強く残り引き金を引けなかった。
そして岡崎がゼロと対面したところで物語は終わる。
一見岡崎がゼロに射殺されたように見えるがドラマCDの小冊子にて返り討ちにしていたことが判明した。


なお柳ルートでも中盤の市香救出作戦で市香たちをかばい重傷を負ったが、「みんなを守れた」と喜ぶ様子を見せた。……しかしその言葉にキレた柳に「そんなんで死なれても、こっちの寝覚めが悪いだけだろうが」とヤンキー口調+拳骨で一喝され、ある程度改心した。
……市香との恋が絡んでいなければそこまでこじれないものであったのかもしれない。




よく頑張ったな。もう大丈夫だ

◆榎本峰雄
CV.斉藤壮馬
23歳。元は新宿署・第二機動捜査隊にいた。
直情型で猪突猛進の裏表がない男。明るいムードメーカー役であり、事務所を賑やかせている。そしていじられキャラでもあり調子のいいことを言って笹塚辺りに辛辣なことを言われるのがお約束となっている。なお眼帯は元機動として負傷した……とかそういうのは一切なくて、伊達政宗に憧れているからやっているだけ。ちょっとアホの子入っている。笹塚とは犬猿の仲であり、よくいい争いになり、その度に柳がフォローする。流石事務所のオトン。
その反面人を見るということに長けており、人の機敏に非常に敏感。またそれを実行に移せるだけのコミュ力もある。特に自身のルートでは市香と香月の仲についてフォローしてやっていた。また柳ルートで踏み出し切れない彼の背中を押し出したのは榎本であった。本人が直情型なせいで分かりにくいが、実は精神的には事務所で最も成熟している。なんだかんだで大人
機動にいただけあって一刻を争うような事件についての対応に長けている。ついでに体力バカ。公式曰く岡崎には敵わないがそれなりにケンカは強いらしい。榎本ルート中盤で香月が人質となった時には的確かつ迅速な作戦で助け出すことに成功していた(まあ犠牲も出たが)。
そして童貞。正真正銘のチェリーボーイ。交際経験は生まれてこの方一度もないというさくらんぼ野郎。本人は気にしているようで『胸キュン☆恋愛百選』なる怪しげな恋愛指南書を読み込んでいる。曰く女性と世間話をするのはBランクの難しさであるとか。……ファンディスクの榎本アフターを終えて思わず「おめでとう」と言いたくなったプレイヤーはきっと多いだろう。多分。
何故か捜査は殆どおこなっておらず、市香を強く疑っているなど不審な動きを見せているが……。

5月に殺害された警官である藤井裕太は榎本と仲の良い先輩であった。
本人曰く榎本に『正義』を叩き込んだのは藤井裕太だった。


そんな彼がただ殺されたのではなく、汚職を行った【悪】として殺されたというのは榎本にとっては信じがたいことであった。
しかし調べる度に疑いが増すこと、事実2年前の誤認逮捕で2人の人生を滅茶苦茶にしていたこと、そして汚職に走った原因が成績を伸ばしていく榎本への焦りだったこと。知りたくもない事実を知っていく中で榎本は少しずつ腐っていく。
そして彼は警察を辞め、上司である佐竹のツテによって探偵事務所に加入した。


市香を強く疑っているのは彼女が事件に関与している可能性があったからではなく、信じたものに裏切られるかもしれなかいことが怖いから


そんな経緯から最初こそ事件にも市香にも立ち向かわずにいたが、彼女の真摯な説得によって心を開いていく。
榎本ルートの市香も漢。
……このルートでは比較的野郎の心の傷は早い段階で癒される。


そして市香と共に自身の【正義】を見つめなおす決意をする。
その後藤井裕太を殺害した張本人である【アドニス8番目の執行者】と対峙し、一度は私刑に走りかけるも、市香の言葉で自分を取り戻し、彼女を法の下で裁いた。


共に事件を追い、ついに藤井裕太の誤認逮捕によって人生をゆがめられた【アドニス9番目の執行者】と戦うこととなる。
【アドニス9番目の執行者】の目的は自身の経歴を利用し『私刑は悪ではない。むしろ悪を見逃す現行法に問題がある』と世論を動かすこと。
止めようとするが、その中で彼にはまだ良心が残っているということに榎本は気が付く。
そしてテレビを利用し、彼の良心を思い出させるとある作戦を考案する。


恋愛ENDでは作戦が無事成功し、彼を自首させることに成功する。
この時の榎本の言葉は地味に本作の根幹にかかる名言。
その後は機動隊に復帰し、市香に見合う男となるべく頑張っている。


悲恋ENDでは成功しかけるも榎本が殺されかけたことに市香が錯乱してしまい、【アドニス9番目の執行者】を射殺してしまう。彼に寄り添い法の下で裁こうとしていた榎本の想いを台無しにしてしまったことに悔やみ、警察を辞めて実家に帰ってしまう。
市香はただ、榎本が自分のようにならないことを祈ることしかできなかった……。




うるせぇ、バカ猫

◆笹塚尊
CV.浪川大輔
元サイバー犯罪対策課のエリート。……と言っても半年で警察を辞めているが。24歳だが高校生に見えるレベルの童顔。
かなりひねくれており、無愛想な性格の青年。よっぽど信頼している人間でもない限りは心を開くことはなく、基本的に斜めに構え他人をバカにしたような言動をとる。特に榎本とは犬猿の仲であり、会えばとりあえず罵声を飛ばしている。市香のことも初期は「自身の置かれている状況にも気が付けないバカ」と考えており首輪の猫の模様から「バカ猫」と呼んでいた。……彼女が笹塚に本名で呼ばれるのはかなり後のことである。
しかし「ほめるところはほめる。けなすところはけなす」というタイプであるため相手が成果を上げたときはちゃんとほめる。実際市香の推理がいいところまで行っていた時は上機嫌になり、皮肉なしで褒めていた。また榎本に罵声を飛ばすのは過去のトラウマから燻っている彼に対し自分なりに発破をかけたいから。実際傍観を決め込む柳に対し「これでいいのか」と言い続けていた。また弟が事件に巻き込まれたかもしれないと泣きかける市香に対して、優しく抱きしめ厳しくも穏やかな言葉をかけたこともあった。要するにひねくれたツンデレ
ハッカーとしての腕は天才的であり、ハッキングコンテストに優勝したことで警察にスカウトされた。技術はアメリカ在住時代に学んだらしい。つまり帰国子女であり英語もペラペラ。
ちなみに好物はドーナツ。こだわりはかなりのものであり市香が彼の好みのものではないドーナツを買ったときにはあからさまに不機嫌になっていた。逆に好みのドーナツを差し入れると上機嫌になる。ドーナツ以外にも甘いものが好みであるらしく、市香と共に飲みに行った際には真っ先にカシスオレンジを頼んでいた。
銃のことを心から嫌っており「X-Day事件を解決するのは銃刀法復活のため」と公言しているほど。
件のガールズゲームアワードによるとカラマリ組では彼が一番人気らしい。

6年前にアメリカで母を銃で殺害されている。なお犯人はまだ捕まっていない。
銃を嫌っているのはそのため。「個人の銃使用を認めないという点では平和ボケしていようが日本はいい国だ」と言うほど。逆に警察を辞めたのは銃刀法を廃止した警察に失望したためである。


そして銃そのものにトラウマを抱えている。実際頭脳担当という理由はあるにしても作中では殆ど銃を持っていない。バッドエンドルートで市香が撃ち殺された際には彼とは思えぬほど取り乱した。


ルートではアドニスにその秘密を知られ、「犯人の場所を教える代わりにアドニスに加入しろ」という実質的な脅しを受ける*1。そしてアドニスに身を堕とせば母の復讐を遂げることも出来る。


しかし悩みに悩み、最終的には市香から「 泣きそうです」というメールを送られて、「自分が復讐の道に走れば市香が泣く」というただその考えだけから一線を越えずにとどまることになった。
その後は事件を解決するために警察に復帰しX-Day事件解決に貢献した。
警視総監に「なにがここまで君を動かしたのか?」と聞かれたときの(市香をチラッと見てからの)「 泣かせたくない奴がいたからです」という返答は本作屈指の名言。


悲恋ルートではお互いの気持ちを伝えることができず、笹塚はアドニスの残党を潰すためにアメリカに行ってしまう。互いが健全な精神状態で生きていることを考えれば、他の悲恋ルートよりかは明るいエンディング。というか他が暗すぎる。
なおこのルートで笹塚がプレゼントした猫のペンダントは実際に商品化された。




俺、君にすっごく興味があるんだよね

◆白石景之
CV.木村良平
科捜研に所属している29歳の青年。専門はプロファイラー。犯罪心理を分析する捜査方法のことを指す。X-Day事件により特別に設置された、機動捜査支援係を任されている。こんなんでも一応攻略キャラの中では最年長。
現職職員であり探偵事務所とのパイプ役を行っている。柳とは古くからの友人であるらしい。
非常にマイペースであり、自身の強い好奇心に対し忠実な男。何故かいつもミステリアスな笑顔を浮かべている。マイペースすぎるために人の嫌がる部分であってもズケズケと侵入してくる。さらにプロファイラーとして心理を見抜くことを得意とするため、相手が傷つくようなことであってもストレートに言ってくる。心に傷を負った参考人に対して傷をえぐるようなことを言ったこともあった。このような点から市香は最初こそ結構本気で彼に苦手意識を持っていた。
ネコ耳を付けていることから分かるように本人は猫が大好き。そのためよく野良猫にエサをやったり遊んだりしている。だが野良猫には愛着自体はあるようだが、「この方が効率的だから」と名前ではなく番号で呼ぶ奇妙な癖がある。名前を覚えること自体苦手らしく、市香の名前も中盤まで覚えていなかった。
だが柳くらいしか理解していないが、本質的には純真すぎるために好奇心が強くマイペースすぎる男である。決して悪い人間ではない。実際市香の実力行使によってある程度心を開いた後は、純真でちょっと子供っぽい姿を見せるようになる。市香を喜ばせようとするもどうすればいいかわからなかったり、不器用故に自分の接し方が正しいか悩んだり……。またいつもとは違う朗らかでかわいい笑顔も見せてくれる。まさか29のオッサンに萌える日が来るとは思わなかった。
市香の首輪に異常なほどの執着を見せているが……。

実はアドニスのスパイである工作員。探偵事務所にアドニスからの手紙を置いたのは彼である。
アドニスは孤児を集め工作員に教育するプログラムも行っていたが、そのひとりであった。その頃の呼び名は「14番」。子供たちの中でも特に優秀な存在であった。ちなみに工作員は白石含め、ゼロの「声」(正確には「音」)に逆らえないように洗脳されている。
ただ工作員になるべく機械的に教育されたため、「感情」というものを学問としては分かっているが、本質的には理解していない。そのため自分を内心人間ではなく人形であると考えている。これで触れるとアウトな猛毒を出せたらヒロインだったのに。


工作員としての教育後、アドニスを円滑に動かすため「白石景之」という名を貰い、警察にスパイとして入り込む。


そうしてアドニスから特に指令もなく科捜研の人間として働いていたが、12月にアドニスから探偵事務所に手紙を置くように指令が来る。
アドニスに狙われた市香に個人的な興味を抱いていたが、そこにまたゼロから指令が送られる。それは市香と親密になり、かけがえのない人間になることであった。
彼女が愛した人間が犯罪者だと知り、裏切られ憎しみを抱いた時、迷わず引き金を引けるか試したいというのがゼロの思惑だった。


最初こそゼロの計画のために親密になろうとした。そのため市香とは食い合わず、意見が衝突したこともあった。しかし柳の助言を聞き、白石の全てを受け止めようとした市香に少しずつ感化され、本当の意味で感情という物を知っていく。
このルートの市香もかっこいい。というかガッツがありすぎである。胸倉掴んだり
その後は今までの白石ならば行わなかったような感情を交えた推理でX-Day事件に立ち向かっていった。


アドニスの歯車のひとつでしかなかった自分に、市香が存在価値をくれた。
白石は、そんな市香を首輪の恐怖から解放したいと考えるようになる。そのためならすべてを犠牲にする覚悟があった。


そして成功させるためには解除コードを知るゼロの力が必要であり、そのためにゼロと対立している組織のナンバー2であり古くからの友人でもある【はじまりの執行者】を殺害した。そうしてゼロからの信頼を得るつもりであった。


計画の準備は終わり、後は例え自身の命を犠牲にしてでも首輪を外すつもりであった。


恋愛ENDでは首輪を外すことに成功するが、外す直前にゼロ*2の手で市香に毒が注入されてしまい、昏睡状態に陥る
エゴだと理解しつつも、白石はそんな彼女を闇医者で独自に看病を始める。そして3か月目に、ついに市香が目を覚ます。しかし目を覚ました市香は全ての記憶を失っていた。そんな彼女に白石は敢えて自分が市香の【担当医】であると告げた
それから時が経ち12月。後遺症が抜け身体を動かせるようになった市香を探偵事務所に連れていく。そうして事務所のメンバーに市香を任せ、自分は自首するつもりであった。しかしそこで市香がついに記憶を取り戻す。
そして何年経とうとも、白石の帰りを待つと告げた。


悲恋ENDでは作戦が失敗する。そして市香は逆らおうとするたびに死なない程度の毒で苦しめられるという拷問により心を壊し、アドニスの執行者となってしまう。既に柳、榎本、笹塚を殺害しているらしい。しれっと生き残る岡崎。
ゼロから功績を認められた市香は、同じく心を壊した白石をペットとして飼っていた。


ちなみにチャプターモードであえて好感度を『Low』にしたうえで最終章をやり直し、恋愛ENDを迎えるというややこしい手順で、アナザーエンドが見れる(公式的にはバッドエンドのひとつらしいが)。
こちらでは好感度が低かったためか、記憶を失った市香に白石は【恋人】であると告げている。記憶も戻りそうにない。所謂メリバ。


柳ルートによると、実は柳はかなり早い段階で白石がスパイであることを見抜いていたらしい。しかし長年の友としての感情がそれを否定していた。
このルートの終盤では柳に「人形なんかじゃない」と言われ複雑ながらも嬉しそうに笑っていた。これは『恋人の市香』ではなく『旧友の柳』だからこそ言えたことだろう。



◇警察組織


◆望田政信
CV.野島裕史
市香と同じく特防に属する上司であり先輩。
優しく、常に主人公を励ましてくれる温和な性格。市香の指導係として、彼女とよく行動を共にしている。ただちょっとおっちょこちょいなのが玉に瑕。
警察官の信念はしっかりと持っており、特防として地域の人の助けになりたいと考えている。市香に警察官はどのようなものであるかを教えたのは間違いなく彼である。また市香が明らかに無理をしている時にはそれとなく休ませてやったり、場合によってはしかってやったりとかなり人間が出来ている人である。市香の先輩が彼であったことは、彼女にとって確実に幸運であっただろう。
愛妻家であり、子どもも小学校に入る歳だというのに、未だに新婚のように仲がいい。奥さんは料理もうまく特にビーフシチューが絶品らしい。署でも偶に惚気話をしている。特に聞かされるのは市香。



◆冴木弓弦
CV.小野友樹
地域課交番勤務の23歳。市香とは警察学校時代からの付き合いであり、仲の良い飲み仲間。
少々お調子者だが真面目で「警察官になったのは世界平和のため」と言い出すような純真で正義感の強い青年。他人の哀しみに機敏であり、市香が落ち込んでいると優しくフォローしてくれる。新宿署で最も市香を慰めるのが上手いのはコイツ。
互いに居酒屋に飲みに行き、最近あったことや愚痴を話しているなどまるで恋人のように仲がいい。こんな2人が付き合っていないというのは新宿署7不思議のひとつらしい。
望田の睨みによると、冴木はちょっと市香を意識しているらしい。実際クリスマスの時は奮発して高いレストランに連れていこうとした。しかしかわいそうなことに市香は完全に『仲の良い友人』としか見ていない。というか攻略対象じゃないしね!
ちなみに酒には弱く、よく酔っぱらって市香に介抱されている。最近は酔って警察署前のマスコット人形を家に持ち帰ってこっぴどく叱られたとか。
交番勤務として地域の声に親身になって耳を傾ける良い警察官であり、特に子どもたちにからかわれつつも懐かれているようだ。このように『理想のお巡りさん』とでも言うべき存在。



◆桜川寿
CV.福原綾香
新宿署の鑑識に所属している女性。柳たちと面識があり、彼らが独自に事件を追っていることを知っている。市香が事件を追うために資料を見せてもらう際に世話になることとなる。
性格はサバサバとした姐御肌。一見ぶっきらぼうであるが、なんだかんだ言いつつ市香の頼みをきいてやるなど面倒見がいい。
肉が大好きであり、食べるとテンションが上がる。市香の差し入れ弁当に肉が入っていた時には喜んでいた。有名な人らしく、別部署の冴木も『肉の桜川』として名前を憶えている。一応年頃の女性らしく結婚願望はあるようだが、上品な料理より居酒屋飯が似合うガサツな自分には厳しいと考えている。要するにたくましすぎる女性。この作品の女キャラはみんなこんな感じである。
そしてデカい。何がとは言わないが非常に大きい。



◆向井絵里子
CV.小松奈生子
新宿署の機動捜査支援係に所属する白石の部下。なぜか「ですわ」口調で話す。
白石とは犬猿の仲であり、隠そうともせず敵意をぶつけている。意見が衝突することから、白石の飄々とした態度まで全てを嫌っている。口論では勝てないので偶に実力行使にも出るが、結局勝てないでいるらしい。
桜川とは仲が良く、よく飲みに行っている。最近は市香も交えて3人で『白石撲滅の会』を結成した。白石への愚痴を肴に飲み会をする会合である。
しかし白石がアドニスのスパイと発覚した時には行き場のない怒りと哀しみを見せるなど奇妙な信頼関係を築いていることがうかがえる。
また白石もファンディスクで向井が襲われた際には少し慌てており、実は大切にしているようだ。



◆吉成秀明
CV.長瀬ユウ
岡崎の後輩にして相棒のSP。
ワンコのように明るく元気で人懐っこい性格。しかしお調子者でもあるため、よくドジを踏んで岡崎に制裁を食らうのがお約束となっている。岡崎曰く身体は頑丈な方らしい。
岡崎ルートでは頑張って市香と岡崎の仲を取り持とうとしていた。余計な事を言って岡崎に首を絞められることもあったが、2人が恋仲になったのは1割くらいは吉成のおかげと言っていい……ハズ。
実は自己評価がかなり低く、基本的に自分に非があるんじゃないかと考えがち。……明るい口調のまま言うため妙に闇が深い。しかし24歳でSPになれる程度には優秀な人物だったりする。
人気があったのか、ファンディスクでは攻略キャラに昇格した。おめでとう!



◆佐竹建造
CV.てらそままさき
新宿署の第二機動捜査隊に所属するベテラン刑事のおっちゃん。X-Day事件の初動捜査のほとんどを担当している人物でもある。警察在職時代の榎本の上司であり、親子のように仲の良い2人であった。
一見強面だが実際はお茶目で気さくな性格。市香のことを「お嬢ちゃん」と呼んでいる。



◆森丘創
CV.竹内良太
警視庁捜査一課の課長。勘が鋭さとハートの熱さを併せ持つ刑事らしい男。
X-Day事件の捜査本部では陣頭指揮を執っている。柳の元上司で、彼に刑事としての教えを叩きこんだ人物。元ヤンということもありどこか危なっかしい柳を、警察を辞めた今でも心配している。
一見口調が荒く怖い人間に見えるが、意外と合理的で思慮深く常に市民のことを考えている。とりあえず警視総監よりはかなりいい人。



◆峰岸誠司
CV.吉村和絋
警視庁捜査一課の管理官。森丘の部下兼相棒。X-Day事件の捜査本部では森丘の補佐として、共に指揮を執る。
森丘とは対照的に柔和な性格で、よく熱くなりやすい彼のフォローをしている。しかし意外と策士な面もあり、意味深な発言も多い。若干腹黒さが見れ隠れしている気がする。
彼も人気があったのかファンディスクで専用ストーリーがつくられた(番外編であり攻略キャラではない)。



◆鷹枝勇作
CV.沢木郁也
警視総監。ザ☆無能
警察の体面と経緯を第一に考えており、そのためなら事件解決を遅らせることもある。「犯人などでっちあげればいい」と言ったことも。それでいて権力は持っているのだから非常にたちが悪い。
一応柳ルートの終盤ではいいことを言うのだが市香にすら「今日の警視総監はいいことを言っているように思えた」と言われてしまう。



◇サブキャラクター


◆星野香月
CV.江口拓也
市香の弟である高校生。18歳。現在は新宿の高校に通うために市香と二人暮らしをしている。
よく見ると目元がちょっと市香に似ていたりする。
分かりやすい反抗期であり、市香に対してはぶっきらぼうで最低限しか会話をしようとしない。市香は頑張って香月のことを理解しようとするのだが、どう話せばいいかわからず、上手くいっていない。とは言っても本気で市香のことを嫌っているわけではなく、彼女が困っていればぶっきらぼうながらに助けようとする。本当に分かりやすい反抗期。学校では結構社交的らしい。
バンド活動を行っており、ギターの腕前はかなりのもの。現在はとある人気ボーカルと共にライブをやっている。ちなみに本編開始まで弟がバンドをかなりやっていることを市香は知らず、香月について知ってやれなかったことでかなりショックを受けていた。
親に見放されていた市香とは対照的に、親に期待をかけられすぎていたためプレッシャーを感じていた。そして音楽の道を進みたいにもかかわらず、小さいときから親の跡を継ぐことが決まっていたため、自分の道を自由に進める市香に嫉妬にも恨みにも似た感情を抱いていた。
どのルートでも基本的には市香と和解し、「姉ちゃん」と昔のように呼んでくれるようになる。比較的早く和解した榎本ルートでは市香と榎本に懐いておりかわいい。
同級生のあきととは親友であり、彼が作曲を担当している。



◆瀬良あきと
CV.花江夏樹
香月のクラスメイトであり親友。
温厚で優しい少年。感情的になりやすい香月のことをなだめているフォロー役。長い付き合いから市香とも仲が良く、彼女のことを「お姉さん」と呼んでいる。彼としては市香と香月の仲をなんとかしたいようだが、第三者ということもありなかなかうまくいっていないようだ。
彼もまた音楽に興味があり、作曲してよく香月に聴かせている。香月曰くその能力はなかなかのもの。同時にコンピューター関連のスキルもかなり高い。

【アドニス7番目の執行者】にして6月の中学校爆破事件の動機犯。
一応笹塚ルートのラスボスである。


事件の根幹となったのは、彼の妹である中学生・瀬良かなでの自殺
原因はいじめであるとされた。遺族はいじめがあったことなど全く知らず、だからこそ学校側に猛烈に抗議した。裁判も起こそうと考えていたが、学校より上の立場の何者かの権力者によっていじめがあったこと自体を揉み消されていた。


その復讐心を買われてアドニスの執行者となった。実はかなでの遺書を持っており、それを使えばアドニスに頼らずとも裁判に勝てる自信があったが、自分の手で復讐するためにそれを隠していた。
……その反面、断片的ではあるが妹がいじめに遭っていたような言動を軽視して無視した過去があり、彼女に寄り添えなかった自分に罪悪感を抱いている。


笹塚ルートでは彼が早期にあきととアドニスの関係性を見つけたことで対立することとなる。
しかし殺人への罪悪感や、妹への罪悪感、香月との友情などが重なり、贖罪としてアドニスについての情報を隠しており、それを笹塚に渡そうとしていた。このルートではこの情報が事件解決の決め手となる。
事件解決後はチップによって記憶を失った状態で見つかる。アドニスはおろか香月のこともほとんど覚えていなかったが、これからまたやり直すようだ。


榎本ルートでは他の執行者を見たことや、市香の言葉で香月を守ろうと決めたことで、犯行を辞め(榎本ルート以外ではいじめを揉み消した連中も殺す)、実質的に自首する。


柳ルートでは市香の説得によって自首する。この時悲し気に「自分は妹の痛みも分かっていなかった」と呟いていた。



◆菅原里香
CV.米澤円
新宿で暮らすOL。7月のストーカー男性傷害致死事件でストーカーされていた女性。
過去に何度もストーカー被害を受けており、引っ越ししても追われ、盗聴した内容のメッセージを毎日送りつけられ、酷いときには玄関に体液を擦り付けられていたというエグイ経歴を持つ人。
そのため最近は躁鬱気味。あと自分の受けた被害を「妄想」だの「思い込み」だの切り捨てた警察を嫌っている。
ちなみに最近恋をするようになったとか。初恋らしく恋バナについて話している時だけは少女のように無邪気。

こんな書き方をしているので大体の方が察しただろうが、【アドニス6番目の執行者】にして7月の事件の動機犯。あの事件は【アドニス9番目の執行者】と組んで行ったものだった。
動機はもちろんストーカー犯への復讐。本気で精神をすり減らしていたらしく初めてのゼロとの面談時は「男なんてみんな死ねばいい」と考えていた。ちなみに初恋の人というのは自分を救ってくれたゼロのこと。


ルート序盤で市香と岡崎の活躍により割とあっさり捕まる。
しかし彼女の最後の悪あがきにより、市香の首輪が岡崎に露呈してしまうこととなる……。



◆三条圭介
CV.前野智昭
どう見てもヤクザか何かにしか見えない男。
11月の交通事故偽装事件の被害者である等々力の部下だった男。
現在は退職しており、歌舞伎町で明らかにヤクザっぽいことをしている。
警官時代の写真はなかなかの好青年だったが、現在はどう見てもヤクザにしか見えない。衝撃のビフォーアフター。
粗暴で近寄りがたいタイプの人間。だが嘘はつかない主義であるなど一本筋を通す性格であることがうかがえる。

こんな書き方(ry【アドニス2番目の執行者】であり、11月の動機犯。
あと8月の事件の実行犯でもある。


被害者の等々力は表向き仕事熱心で功績をいくつも上げていたが、実際は他人の功績を時分のものとし、部下に暴力をふるうクズであった。
三条もそんな彼のもとで働き、心を壊していった。
このような環境にいたためか、警察を腐った組織であると断言している。



その反面、警察官としてのポリシー故か自分及びアドニスの行動を一切正当化しておらず、『どんな理由があろうとも殺人は殺人であり許されることではなく、自分が受けた傷よりも15人殺した方がよっぽど重いに決まっている』とキッパリ言い切っている。
だが自身の経験からそんな世界に失望して、全ての破滅を願い、『世の中はやったもん勝ち』と考えるようになってしまった。
要するに殺人は正当化されないが、世界は理不尽だから好き放題やった方がいいとヤケクソになっている


……逆に言えば、元は純朴で正義感のある警察官だったからこそ、このような世界の負の面を見て歪んでしまったとも言える。


岡崎ルートのラスボスであるので何度も対立することになる。
最初こそ市香と岡崎を煙たがっていたが、市香の純真さと岡崎のどこか乾いた言動に自身と似ているものを覚え興味を持つ。


そしてChapter6市香の首輪をかけて、岡崎に早撃ち勝負を挑む。
ぶっちゃけここまででゼロに殺されるレベルで命令違反をしていたのだが、最後に自分が憎む【警察の正義】を今も信じる岡崎と戦おうとしたのだった(正確には岡崎も警察の正義を全て信じているわけではないが)。


結果は岡崎の勝利。というか十全の状態の岡崎に勝負を挑むのはあまりにも無謀すぎる。
しかし岡崎は拳銃だけを撃ちぬいていた。他に武器を持っていたらどうするつもりだったのか問うが、勝負だと言った三条の言葉を信じたという岡崎の言葉には呆れていた。
最後は破滅のために自爆した。市香達を巻き込みながらだがな!


自身と似ているが【希望】を見つけられた岡崎に皮肉がちながら温かい言葉をかけ、瓦礫の中に消えていった。



◆一色康弘
CV.蒼井翔太
香月・あきとと共にバンドを行っている青年。担当はボーカル。外見がどこか中性的。
2年前にとある事件が誤認逮捕された経験がある。その頃は骸夢という鎧武ではないというデビュー寸前の超人気ロックバンドのボーカルであったが、その事件が原因で解散しプロデビューの夢もパァになってしまった。そのため警察のことを嫌っている。
性格はクールで口調も淡々としているが、夢に対しては熱い姿勢を持つ。
榎本曰く『すげぇ人』であり、誤認逮捕で警察を憎んでこそいるが、憎しみに囚われずもう一度立ち向かおうとしていた。
結構大人な一面もあり、香月が夜間練習をすることで市香ともめた際は、完全にキレた香月をなだめ市香には「自分が責任を持つ」とフォローするというかっこよさを見せた。
香月とあきとのことは本気で大切な仲間だと思っており、こまかな気配りを忘れずにいるいい人。
多分この物語で一番人間が出来ている。

別に彼は一切アドニスには関わっていない。
まあ憎しみに囚われず夢を追おうとしている人だものね。


なお彼を誤認逮捕したのは榎本の師である藤井翔太。彼に人生を壊されたうちのひとりである。
しかし事件後何度も藤井から謝罪の手紙が来たこともあり、彼を憎み切れていない。
藤井の件で榎本が謝りに来た際は、声を荒げず手紙の件を彼に伝え、榎本を励ましていた。
やっぱ一色さんはすげえよ……。


その後【アドニス8番目の執行者】によって香月が人質にされた際には、仲間である香月のために逃げずむしろ代わりに人質になると言い出し、市香達が動きやすいよう話続け注意を引くというイケメンっぷりを見せた。


榎本と市香の尽力に思うところがあったのか、多少考えを変える。
榎本たちが訪れたライブでは「間違えない人なんていない。一度の間違いで、その人の全てを否定しないでほしい。何が正しいかは自分の目で見極めるべき。相手だって時には間違いを犯す人間だから」と彼に対するエールを送っていた。
実は本作の全体にかかる言葉でもある。


◆HANA本名は小林花子
CV.山崎はるか
ウサ耳フードを愛用している少女。学生に見えるが立派な社会人らしい。一色のバンギャをやっている。一色のことは「ヒロくん」と呼んでいる。
性格は常に明るくハイテンション。初対面の市香とも(半ば強引にだが)打ち解けていた。
一色の大ファンで信仰っぷりはすさまじい。発売1分で売り切れるチケットを何故か数枚持っているほど。布教にも余念がなく、「多くの人に聞いてほしいから」と市香にはチケット1枚分の値段で気前よく4枚渡していた。

今度こそアドニス関係者である。【アドニス8番目の執行者】であり5月の事件の実行犯。
本来実行犯と動機犯は分けられるものであり、5月は【アドニス9番目の執行者】が動機犯であった。しかし藤井は一色の人生も狂わせていたため、彼のファンであるHANAは藤井を必要以上に痛めつけて殺していた。


市香、榎本、冴木、桜川が香月のライブに訪れた際、偶然彼女たちが警察だと知ってしまい唐突にキレる。そして香月を人質として立てこもった。


榎本はその時藤井殺害の犯人が彼女と知るが、上述の通り市香の言葉により一線を越えなかった。


その後は元機動の実力を生かした榎本の作戦によって、無力化させられた……。
しかし最後の最後で香月を助け出した冴木を銃撃する
それにより彼は昏睡状態に陥ってしまい、市香に暗い影を落とすこととなる。


ぶっちゃけこの作品で一番サイコ



◆緒方智樹
CV.浜田賢二
元は平凡なサラリーマンだった男。しかし2年前ホームで一色に絡んでいる暴漢の仲裁に入ったところ、暴漢は電車に向かって飛び込み、周囲から「突き落とした」と言われ藤井に誤認逮捕されたという経緯を持つ。冤罪だと発覚したが、転職し妻とは離婚する羽目になってしまった。
7月のストーカー傷害致死事件の加害者であり現在は拘置所にいる。
偶然』もめている現場に現れ、『偶然』ナイフを奪い取り、『偶然』心臓を一刺ししたという不自然な状況であり、市香達に怪しまれている。さらに2年前に仲裁で誤認逮捕されたにもかかわらず、今回も何故か仲裁をしようとしている。

やっぱりというかなんというか【アドニス9番目の執行者】であり5月の動機犯。
榎本ルートのラスボス。


2年前正しいことをしたはずなのに全てを失ったことで絶望しており、今度は自分が正義になるべくアドニスに参加した。


7月の事件で逮捕されたのは計算ずくであり、無罪確定後『警察は女性を守ろうと正当防衛を行ったものすら何か月も拘束する腐敗した組織だ』と世間に伝えることでアドニスの広告塔になるつもりであった。


しかし釈放後、非常に不幸な事故によりアドニスと連絡がつかなくなってしまい、彼らに不信感を持つ。そしてテレビのコメンテーターとなり『私刑の容認』を中心とした持論を広げていく。


なお本人は間違いなく善人
事件が起こる前は老若男女問わず悩む者に手を差し伸べ、間違っているものには間違っていると毅然とした態度を貫く人格者であった。『私刑の容認』も「弱者が泣き寝入りせず自分の力で悪と抗えるように」という本人なりの善意によるものである。
それ故に信じていた正義に裏切られ歪んでしまった。


だが良心はまだ残っており、榎本の芝居によってその心を取り戻す。
最後は榎本と和解し、自首をした。



◆相田学
CV.岡本信彦
過去の事情で引きこもりになってしまった青年。アドニスの重要参考人として警察に拘束されている。
重度のネトゲオタでありそっちの世界では神とあがめられる程の腕前。
普段は聞き取りにくいぼそぼそとした喋り方をするが、ゲームを手にすると奇声を上げてプレイを始める

もう折り畳みテキストを使う必要もない気がしてきたが【アドニス5番目の執行者】であり8月のネットゲームユーザー殺人事件の動機犯。あと笹塚ルートの中ボス。


神と崇められていたが、ゲームの重大イベント中に突然フリーズし、所属していたギルドから『重要な時に見捨てた』と手のひらを返されいじめられるようになったという過去を持つ。
現在は違うゲームで神と呼ばれている。
曰く引きこもり故に金と時間はいくらでもあるのでいくらでも上手くなれるらしい。


笹塚ルートでは市香がゲームのために携帯を貸したところ、重大イベントのために警察を脱走してしまう。
しかしそれを読んでいた笹塚のハッキングでフリーズさせられ、また手のひら返しを受けるというえげつないコンボを受けて発狂する。
最後は市香の銃撃が決め手となり逮捕されるが、彼女に銃を向けたことで笹塚のトラウマがよみがえることとなる。


なお本人は承認欲求はあるが困っている人を助けると満たされるという割と真っ当なものである。


彼も十分つらい目に遭っているのだが、ストーカー、パワハラ、冤罪とガチなのが多いため若干ネタ扱いされているかわいそうな子。



◆宇野鈴音
◆宇野詩音
CV.上田麗奈 CV.鈴木裕斗
白石ルートで出会う双子の兄妹。共に18歳。
鈴音はいつも手に日記帳を持っている大人しい少女。非常に人見知りが激しく、いつも兄である詩音の後ろに隠れている。声は名前通り鈴のように透き通ったか細い声。……しかし「兄弟」や「家族」などの言葉を聞くと、何故か唐突に言葉遣いが乱暴になる。
詩音は礼儀正しい兄。妹思いでいつも鈴音を守ろうとしている。非常に外面と要領がよく、世渡りが上手いタイプであるらしい。

もうバレバレな気がしてきたが、【アドニス3番目と4番目の執行者】であり、10、11月の動機犯であり実行犯。白石ルートの中ボス。
そして執行者たちの中で一番エグイ過去を持っている人


事件の根幹は10年前、蜂須賀兼と砂森雄毅が通っていたフリースクールまで遡る。
当時蜂須賀は親が権力者であり、学校も逆らえず我が物顔でいた。そんな時そこの先生であったふたりの母親・宇野友里音に好意を抱く。しかし彼女は既婚者であったために彼の言葉は断っていた。今まで学校で好き勝手していた蜂須賀がよく思うはずもなく、彼女に対するいじめを始める。


友人の砂森と共に一対一になれるカウンセリングルームで彼女の人格否定をしたり、彼女の吉谷操子を使い悪い噂を流したりしていた。
友人の竹内里美も彼女を助けたかったが、見て見ぬふりをしていた。
幼い兄妹も気にかけてはいたが、何があったかは教えられなかった。


少しずつ「生まれてきたことが間違い」と考えるようになった友里音は精神を蝕まれていく。
そして彼女が選んだのは家族を巻き込んだ無理心中であった。兄妹は父が庇ったことにより、辛くも生き延びるが両親を失ってしまい、狂気に支配された母が記憶の中に強く残ってしまった。
ふたりは親戚(おそらく父方?)に預けられるも、人殺しの子どもがまともに扱われるはずもなく、邪険にされていた。


そんな辛い日々の中で詩音はそれでも妹を守ろうとした。
鈴音は苦しみと兄に対する申し訳なさから凶暴なもう一つの人格が目覚めていた。


18歳になった時、過去を悔やんでいた竹内里美にフリースクールの真実を教えられる。
それを知ったふたりは復讐について考えるようになる。両親、兄妹、そして過去を悔やみながらも親身になってくれた竹内のためにも。
そしてアドニスにスカウトされて執行者となった。


ちなみに竹内は中盤で兄妹の代わりに自首をしようとするいい人である。


復讐対象は三人。蜂須賀、砂森、吉谷操子の3人。
なお蜂須賀を殺したのは砂森で間違いない。砂森はパーソナリティ障害を患っており、軽い暗示で蜂須賀を殺すように誘導することが出来た。
吉谷操子は11月のX-Day事件で殺されている。場所は兄妹がまだ家族で暮らしていた時のアパートの一室(現在は廃墟)。その一室で嬲り殺していた。
つまり11月のX-Day事件は起きなかったのではなく、隠されていた。


白石ルートではすべてが終わり復讐を終えたことにより兄妹で心中しようとする。
しかし市香の親身な説得を受けたこと、何より白石に竹内の存在がふたりにとって大きな存在であったことを看破され、自首の道を選んだ。



◆御國れい
CV.鳥海浩輔
総理大臣・御国久幸の息子であり、若くして政界に進出している男。
革新的で才気のある政治家として有名であり、支持者は多いらしい。

【アドニスはじまりの執行者】であり、アドニスのナンバー2。
アドニスの母体を作ったのは彼の母親。元々は反社会主義を掲げた宗教団体であった。
それを何年もかけてテロ組織に変えたのが今のアドニス。


彼の父は良くも悪くも排他主義者であり、切り捨てるものは切り捨てる主義であり、れいはその考えに反発していた。そして彼とは違うやり方で国を変え、弱者を救済しなければならない考えるようになる(彼はこれを「使命」と呼んでいる)。


そして自身の異母兄弟であるゼロと出会い、「俺と一緒に、大きなことを成し遂げよう」と言われたことでふたりでX-Day計画を考案することとなる。


虐げられる弱者のために、悪意を振りまく強者を倒す。


しかし国の変革だなんだ言っているが、本心では父とは違うことを証明したかっただけであるとゼロに看破されている。半分あたっていて、半分間違っているらしい。


このようにゼロとはプライベートでの付き合いをしており、正体を知っている数少ない人間。なんだかんだで結構仲がいい。
だが穢れない強い信念を持っているが、それ故に自分とは分かり合えないとゼロには考えられている。
れいはそのことにX-Day事件が動いてから気が付いており、彼について理解できていないことに悩んでいる。


なお白石とは「14番」の時代から目を付けており、彼にとっては兄であり友人のような存在であった。


ちなみにショタ時代はかわいかった。……かわいかったんだよ




◆ゼロ
CV.???
市香に首輪をつけた張本人であり、アドニスの首領。
ボイスレコーダー越しに首輪を介して市香に話しかけてくる。市香に事件を調べさせ、自分の理解者になり得るかを試しているようだが……。
テロリストの首領で正体不明でゼロだがあの人は関係ない。



お前の絶望を、俺が希望に変えてやる

正体は市香の同僚である冴木弓弦。柳ルート……ひいては本作全体のラスボスである。


彼について完全に理解するのは不可能と公式が暗に言っているので分かる部分から順々に解説していく。


生まれは御国久幸の愛人の子としてだった。戸籍は存在しないが母からは「ゆづる」と呼ばれており、本人は自身を【誰でもない】と考えていた。
ふたりは事がバレないよう御国久幸に軟禁されて暮らしていた。
母は日に日に久幸への執着を強めていき、最終的にはゆづると久幸を間違えるようになり、衰弱死した。
それを見たゆづるの想いは「母の哀しみが伝わって苦しかった」であった。
その日からゆづるは他人の哀しみに機敏になり、その感情が自分に流れ込んでしまうという能力を手にしてしまった。
そして彼は自分がこの哀しみすべてを受け入れて、すべて消し去らなきゃいけないと考えるようになった。
そうして出来た「哀しみの無い世界」という目標は御国れいと出会ったことで【ゼロ】として実現に向けて動き出していく。


だが計画を進めていくうちにキャパオーバーしたゼロは少しずつ歪んでいく。


本来のX-Day計画は、毎月事件を起こし人間の悪意が近くにあることを国民に認知させる。
そして法から逃れた犯罪者(アドニス基準)を1月1日に一斉に首輪で毒殺する。
そうすることで悪意を持つ強者を抹消し、アドニスが国を支配していく。
これが御国れいの考える本来のX-Dayであった。



しかしゼロはそれは結局、強者と弱者が入れ替わるだけで完遂したとしても虐げられるものは必ず現れると考えていた。
なによりゼロの目的は国の支配ではなく、この世界から哀しみを無くすことであった。


哀しみを生み出すのは悪意であり、悪意を生み出すのは人間の欲である。
ならば【普通】の人間が当たり前の日常のために、理不尽な悪意に対し泣き寝入りするのではなく抗う覚悟を持てる世界が必要であると考えた。
そしてそんな強い意志を持つ【正しい人間】が、悪を裁いていく構図を作り上げることが最終的な目標だった。


もちろん正しさなんて曖昧だし、【正しい人間】が悪意に対抗するために人を傷つければ同じことが繰り返されるだけとなる。
だがゼロはその『同じこと』を繰り返していき、本当に正しく強い心を持つ人間だけが最後に残ればいいと考えていた。


表面的な思想としては緒方に近い。しかし緒方が私刑を容認し、悪に対抗できる世界を作ろうとしているのに対し、ゼロにとってそれは過程でしかない。
ゼロは極限まで繰り返していき人間の欲を断絶した哀しみの無い世界を作ることが目標であった。


だから一番思想として近いのは全てが破滅し人間から欲も意志も消えたまっさらな世界が見たいと考える三条になる。


しかしその世界には哀しみはないが欲もなく、人間が生きているとは言えないだろう。


そして2年前の総理大臣暗殺未遂事件後、ゼロは「冴木弓弦」として警察学校に入学した。骨休めと、警察内部を見ておくためであった。
そして冴木は同期である市香と出会う。


冴木は話していくうちに、市香が自衛のためではなく「守るために引き金を引く覚悟」を持つ人物であり、「哀しんでいる人に手を差し伸べたい」と考えていることを知る。
この時から冴木は市香に興味を持つようになる。


市香に首輪を嵌めたのは、実験のためであった。
彼女に首輪を嵌めてX-Day事件の捜査をさせる。
そして市香が『アドニス』という悪に逃げずに抗い、執行者たちの哀しみに寄り添うことが出来たなら、【普通】の人間である市香が弱者への理解と悪意に抗う強者の覚悟両方を持ち合わせられたと言うことが出来る。


最終的に冴木は市香に殺されるつもりである。彼女がX-Day事件という哀しみを生み出したゼロを市香自らの手で殺せば、ゼロの望む【正しい人間】を作れたと証明できるから。
そして自身が死んだあとも【正しい人間】として理想を継いだ市香が同じことを続けていき、市香にやったシステムで【正しい人間】を作り続ければ、最終的に【哀しみの無い世界】を作れるはずであると。


よって真の意味でゼロを倒すのであれば引き金を引いて殺すのではなく、警察官として逮捕し法の下で裁く必要がある


主人公の身近に正体を隠して潜んでおり、「ゼロ」を記号と考えており、最後は自身が死ぬことで計画を終わらせようとしているが特にあの人もあの計画も関係ない。



柳ルートの終盤でついに正体を明かす。(でもその前に犯人の名前をプレイヤーが入力して答え合わせをするパートがある)
まあ伏線がたっぷりあったうえにキャラ、ビジュアル、声優どれを取っても攻略キャラになれそうな人物であったため気が付く人は気が付いていたが。


ちなみに前述のように榎本ルートで冴木はHANAに銃撃されて昏睡状態になるが、その後首輪からゼロが話しかけてこないという伏線がある。つまりこのルートのゼロは駒のせいでX-Dayを寝過ごすというあんまりな結末を迎えたことになる。これには三國れいも頭を抱えただろう。このルート後の冴木はファンディスクでも何食わぬ顔をしてプレイヤーの前に警察官兼親友として現れる。
あとライブに行く直前に冴木は「人混みは苦手だから」(人混みでは多く哀しみを感知してしまう)と言って断ろうとするなど榎本ルートは地味に伏線が多い。


柳ルートでは市香を誘拐したり、自分を殺すように挑発したりと、彼女が後継者になるように仕向け続ける。ここで選択肢を間違えると市香が後継者になるエンディングを迎えるので気を付けよう。


そしてX-Day直前の12月31日。市香とすべてのはじまりとなり首輪をつけた教会で最終決戦を繰り広げることとなる。
これで市香が自分を殺せば後継者として認め、殺せなければまた悪意を振りまき市香以外に同じことをする予定であった。


市香だけではなく柳まで殺すフリをし、彼女が自分を殺すように挑発する。
しかし市香のやたら無慈悲な銃撃によりにより無力化させられてしまう。あまり触れられないがこの時の市香の容赦無さっぷりはすごい。
そして市香に警察官として殺人未遂及び内乱罪で逮捕された。


柳の「どんなに辛くても、傷つけあうことになっても。人は、哀しみを背負い続けていかなきゃいけないんだ」という言葉に「それは強いやつの言い分だ。こんな世界じゃ生きてられない人間だって、この世にはいるんだよ」と力なく答えていた。


どちらも、世界の真実と言える言葉である。


声優である小野友樹氏の演技は必見モノであるので是非一度体験してほしい。





【Collar×Malice Unlimited】


2018年7月に発売されたカラマリのファンディスク。
キャッチコピーは「悪意を超えた先にある、未来の欠片
前作の反動か、砂糖吐く程甘いことで有名。


◆Interlude
前作の間にあった(かもしれない)番外編の物語。
ある日、探偵事務所に依頼人と名乗る男が現れる。一度は追い返そうとするも、彼がアドニスと関わっている可能性が関与して……


◆After Story
本作が甘いと言われている大体の原因。
一部除いてとにかくイチャラブし続けており、前作とは打って変わって平和な市香たちの様子を見ることが出来る。また彼らのプライベートについての掘り下げも。
あとファンディスクではよくあることだが、肌色率が高い。市香ちゃんの裸ワイシャツが見れるよ!


◆Side Story
サブキャラたちの物語を描いた外伝。
内容は香月とあきとの出会いを描く「ONWORD」、峰岸の内面を描いた「Pride」、(一応)吉成攻略ルートである「Crossword」の三つになっている。


◆ADONIS

前作の柳愛時ルートのとあるバッドエンド(通称冴木エンド)によく似たIFの世界から続くストーリー。
香月が殺害され復讐に身を堕とした市香がアドニスのアジトに特攻、それを止めようとした柳、岡崎、榎本、白石が返り討ちにあい殺害され*3 市香は復讐のためにアドニスにスパイとして潜入したという最悪の状況から物語は始まる。


冴木エンドの続編であることから冴木ルート、ゼロルートとも呼ばれている。


市香はショックで変わってしまい、本編とは真逆のクールでどこかぶっきらぼうな性格になった。口調も淡々としており、以前の面影は全くない。またアドニスとして生き残るために武器知識や戦術知識についてもプロとなっている。プレイヤーによっては見ていられないほど痛々しい姿になっている。
……しかし元来の優しさは無自覚ながらも残っており、仲間たちに(無意識ながらも)励ましの言葉をかけたりしている。
あと天然度が少し上がった。
特筆すべきは衣装。


……誰だ「悪落ちした女幹部」とか言った奴。
黒いライダースーツを地肌の上に着こんでいるうえに前をへそまで開けているためにブラジャーがモロに見えてしまっている。
ブラモロしている理由は、多分本人しか知らない。
というか下ミニスカートだけど寒くないんだろうか?
本人もファッションセンスがアレなことには気が付いているのかとあるシーンでは「外行き用の服は持っている」と言っていた。



ストーリーの目的は【ユダ探し】。
時系列は本編の2年後で、X-Dayを再び起こそうとアドニスが画作している。
ゼロは泳がせていた裏切り者が動くとしたら今であろうと考え、市香にアドニスのに正式入団した執行者たちを探るように命じる。


……要するに前作で敵だった執行者たちと交流するためのエピソード。
彼ら彼女らの意外な一面を見れることもある。


一応相田や緒方などある程度コメディリリーフなキャラも存在するがやはりバッドエンド後ということもあり全体的な雰囲気は陰鬱。


とりあえずトゥルーエンド終わったら前作の柳ルートか本作のアフターストーリーやり直せと言われている。
とにかく暗く、救いがない。












……哀しみを消し去ることは不可能だ。
どんなに辛くても、傷つけあうことになっても。人は哀しみを背負い続けていかなきゃいけないんだ。
……けどな。本来、人はひとりじゃない。哀しみに耐えられないときは、支えあうことが出来る
頼れる人間がいない、警察が話を聞いてくれなかった、身を守るためだった、いろんな事情はあるだろう
だが、【だから殺した】なんていうのはただの言い訳だ。どんな衝動に駆られても、人は己と戦わなきゃならない
自分自身で乗り越えなきゃいけないんだ








これから先、まだまだ哀しみは増え続けるだろう
でも、それと同じくらい――それ以上に、喜びや幸せも生み出せると思う
大丈夫
……そっと片手でCollarに触れた。今はもう、ここに悪意Maliceは潜んでいない
でも――誰しも見えない首輪をつけている
裏切り、失望、挫折……いつ理不尽な悪意に襲われるかは、誰にもわからない
どれだけ自衛しても、哀しみはある日突然訪れる
だからこそ、信念を消してはならない。人は――強くあり続けなければならない
哀しみはゼロにできなくても……私も誰かに強さを与えられるように
たとえ正義の形が分からなくなっても、理想を失いそうになっても、
大好きな人が隣にいれば大丈夫
ぎゅっと、つないだ指に力を込めた











出典:Collar×Malice アイデアファクトリー オトメイト 2016年8月18日発売

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  • キャラデザ担当者の件で荒れる可能性があるからコメント欄は設けなかった方が良かったと思う -- 名無しさん (2020-04-23 09:55:53)
  • ↑無実が証明されたぞ -- 名無しさん (2023-11-09 18:56:31)

#comment(striction)

*1 蛇の道は蛇ということでアドニスは非合法な手段で犯人を見つけていた
*2 このルートでは市香に射殺される
*3 笹塚はオペレーター役で警察本部に残ったため生き残った

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