ボディプレス/ボディアタック(プロレス技)

ページ名:ボディプレス_ボディアタック_プロレス技_

登録日:2019/11/11 Mon 03:14:48
更新日:2024/05/13 Mon 11:17:48NEW!
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『ボディプレス(Body Press)』は、主にプロレスで使用される技、技の系統の一つ。
自らの肉体を利用して相手を押し潰していく攻撃(プレス)のことである。
主に、寝ている相手に対して仕掛けていく技のことであるが、
同じ要領で、立っている相手に対して自らの身体を浴びせていく場合は『ボディアタック(Body Attack)』と呼ばれる。


尤も、この呼称と区別は主に日本だけの分類で、米マット等では寝ている相手に仕掛けるものも立っている相手に仕掛けるものも、総じて『スプラッシュ(Splash)』=波と呼ばれていることが多い。



【概要】

その名の様に自らの肉体全体を使って主に胴体部分を浴びせる攻撃のことである。
かつては、肥満体や重量級選手の専売特許であった。
スーパーヘビー級の選手の一撃は、寝ている相手を押し潰すだけという場合も多かったが、単純ながらも強烈である。


一方、後には体重の軽い選手も使うようになったが、身軽さをアピールすると共に説得力を出す為か飛行中に細かなモーションを入れたり、技のフォームの美しさに拘りを見せる選手も増えていった。


現在でも人気のフィニッシャー(決め技)であり、一時期の日本では繋ぎ技となっていた感もあったが、海外マットでの流行から日本でも決め技とする選手が増えてきている。


尚、人間は土砂災害等で600kg位の負荷を掛けられると圧死してしまうので、瞬間的にとはいえ100kg級以上の人間が高さに応じて倍加する重量で降ってくる攻撃であることを考えると危険性の高さが解ろうというものである。



【ボディプレスの種類】

以下に、ボディプレスに属する技の基本的な解説と主な使い手を記す。
個別の項目が作れるものはそちらを参照。



■ボディプレス

寝ている相手に倒れ込む、または軽く飛んでから押し潰していく、米マットではスタンディング・スプラッシュとも呼ばれる、最も基本的な技。


近代プロレスに於いて最初期の使い手とされるのはメキシコ系の巨漢で力道山の日本プロレスにも参戦していたジェス・オルテガ、体重273kgという超肥満体型が語り種となっているヘイスタック・カルホーン、来日時にダンプカー三台を引っ張るパフォーマンスを見せたことで知られるグレート・アントニオ等がおり、ダウンしている相手をピョンと飛んで押し潰して3カウントを取っていた。


こうした巨漢選手がコーナーポストに登ってから仕掛けるダイビングボディプレスを、古くは“フライング・ソーセージ”と呼んでいた。
尚、ソーセージとは腸詰め(Sausage)のことではなく、観測気球(Sausage Balloon)を指す。


身長223cm、体重236kgを誇るとされた大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントの代名詞であった“ジャイアントプレス”も同じ技で、巨体を倒れ込ませるだけの単純な技ながら説得力は充分だった。


プロレスが複雑化していった80年代以降でもザ・魔雲天やビッグバン・ベイダーやクラッシャー・バンバン・ビガロ、ヴィセラ、曙、浜亮太……といった選手がフィニッシュとしている。



■ランニング・ボディプレス

寝ている相手に対して、少し距離を空けてから助走を付けて仕掛ける。
重量級以外にも使い手が出てくるのは此処からで、マスカラス兄弟もフィニッシュの一つとしていた。


重量級選手の場合は倒れ込み式のバリエーションとして、軽量級や高い運動能力を誇る選手はトップロープよりも高い位置まで飛び上がってから相手を押さえ込んでいくのが見所だった。



■ダイビング・ボディプレス

コーナーポスト最上段や、セカンドロープに上がってから仕掛けるボディプレスで、上記の様に重量級選手が倒れ込み式のバリエーションとして使う場合にはフライング・ソーセージと呼ばれていた。


そんな、ダイビング・ボディプレスの認識を大きく変えたのはジミー・スヌーカの“スーパーフライ”で、凄まじい躍動感を伴いつつ、高く、遠くまで飛ぶ一撃はダイビング・ボディプレスを軽中量級の選手の必殺技と認識させるのには充分であり、此処から複雑な回転を加えたり、更にダイナミックなアクションを加えた下記のバリエーションが誕生していくこととなった。


スヌーカ自身の技は、遠くまで飛ぶというだけで普通のボディプレスのフォームだったのだが、外道や田中将斗はスヌーカへのリスペクトから別フォームの技(フロッグスプラッシュ)を“スーパーフライ”と称して使用している。
本来の“スーパーフライ”はスヌーカの実の娘であるWWEディーヴァのタミーナが引き継いでいる。
ズ・ザイン・ダAKIRAのムササビ・プレスや、谷口周平(元・マイバッハ谷口)のマイバッハ・プレスの様に、更にフォームの美しいエビ反り状態で放つ技も此所に分類される。



■フロッグ・スプラッシュ

屈伸式のダイビング・ボディプレスのことで、現在の主流にして人気のフィニッシャーの一つ。
元祖は“ラブマシーン”アート・バーで、開脚式とも呼ばれる、空中で開脚した自らの足の間に自分の上半身を入れる位に身体を折り畳んでから勢いよくエビ反りになってからプレスしていた。
その後、アート・バーが早逝したのに伴い、パートナーであったエディ・ゲレロが“フロッグ・スプラッシュ”として引き継いで使用し、90年代中頃からロブ・ヴァン・ダムと共に威力とインパクトを知らしめた。
尤も、エディのものは本人が「アート・バーから引き継いだ」と公言しているものの、開脚まではせずに身体を縮めるだけに留める屈伸式と分類される技で、現在では此方の方が主流となっている。
日本では技のレパートリーとはしていても決め技とはしていないケース(三沢光晴やライガー等)が多かったが、この頃からCIMAの“マッド・スプラッシュ”の様に決め技とする選手も増え初めていった。
00年代に入ると、国内最大メジャーの新日本プロレスのエース棚橋弘至が“ハイ・フライ・フロー”の名称でフィニッシュにしたことでも知られ、棚橋は通常型の他にもボディアタックやプランチャ等にも応用する使い方を見せた。
この他、矢張りエディの早逝に伴い、甥のチャボ・ゲレロJr.や同郷のレイ・ミステリオがレパートリーとして取り入れている。
ちなみに新日本の鬼軍曹として恐れられた故・山本小鉄氏もこの技を「ガメラ式ボディプレス」という名称で使っており、引退試合のフィニッシャーにしている。



■ムーンサルト・プレス

個別項目を参照。
相手に背中を向けた状態から、後方270°回転してからのボディプレス。
元祖は初代タイガーマスク(佐山聡)であるが、初代タイガーは後方正回転ではなく、斜め方向に旋回するようにして飛ぶ“ラウンディング・ボディプレス”も使用しており、寧ろ此方をフィニッシュとしていた為に元祖が誰なのかとか、技名は何が正しいのかで、やや混乱がある。*1
開発者は初代タイガーで間違いないようだが、後方正回転式を主武器としたのはザ・コブラ(ジョージ高野)で、流行させたのは武藤敬司である。
武藤は自身の技を“ラウンディング・ボディプレス”と呼ぶことがあったが、武藤の技から“ムーンサルト・プレス(月面水爆弾)”の名称が広まり、米マットでも“ムーンサルト(MoonSault)”として定着している。
この技をセカンドロープの反動を利用して場外に飛ぶのが“ラ・ケケブダーラ”で、同じ動きをリング内でやるのが“ラ・ブファドーラ”である。
米マットでは、どちらも開発者のウルティモドラゴン(浅井嘉浩)に倣い“アサイ・ムーンサルト”と呼ばれている。
そして、このアサイ・ムーンサルトを寝ている相手に仕掛けるのがクリス・ジェリコの“ライオンサルト”である。



■450°スプラッシュ

相手に正面を向いた状態から、前方一回転半してから決めるボディプレス。
元祖は2コールド・スコーピオのリングネームで知られるチャールズ・スキャッグスで、日本では故ハヤブサ(江崎英治)が流行させた“ファイヤーバード・スプラッシュ”として知られている。



■シューティング・スター・プレス

相手に正面を向いた状態から、後方一回転半をしてから決めるボディプレス。
元祖は獣神サンダーライガーで、難易度の高さから本人も使わなくなっていた技であったが、90年代中頃から高難易度の飛び技を好む選手が増えてきたことから使用者も増えていった。



■フェニックス・スプラッシュ

相手に背中を向けた状態から、側面半ひねり+前方一回転半をして決めるボディプレス。
開発者は初代タイガーマスクと言われており、実戦投入はされなかったものの、道場にて公開された幻の技として、長らく噂だけが残されていた技であった。
“タイガー・トルネード・スペシャル”とも“ムーンライト・コースター”とも呼ばれていた、この幻の技の再現に挑んだのがライガーとハヤブサで、ライガーも練習段階では会得したと言われているが、実戦公開したのはハヤブサで、奥の手中の奥の手として“フェニックス・スプラッシュ”と名付けられた。
現在は幻の技ではなくなり、多くの選手が使用する技となっている……が、ハヤブサが実戦公開し、初代タイガーの技として伝えられるのは上記の動きを全て空中でやる技のことであり、現在の多くの使い手が見せるコーナーから振り返ってからの450°スプラッシュはフェニックス・スプラッシュとは呼べないとする手厳しい意見もある。
実際、飯伏幸太の様に世界でもトップクラスの飛び技の使い手でも後者のバージョンを使用しており、本来はおいそれと使いこなせる技ではないというのも頷ける。
尚、ライガーはハヤブサが実戦投入をしたのを見て封印。
替わりに、自身最高の空中殺法として生み出したのが“スターダスト・プレス”であるが、自身は不完全な形でしか実戦公開出来なかった。



■スカイツイスター・プレス

新体操出身のチャパリータASARIが初公開した、ムーンサルト・プレスに側面回転を加えた技の元祖で、後方回転する間にきり揉み状態になりながら落ちてくるボディプレスである。同型の技をくいしんぼう仮面が“関空トルネード”の名称で使用。
回転数に細かな違いがあるものの、ウルティモの開発した“カンクーン・トルネード”やライガーの開発した“スターダスト・プレス”が同系統の技。
米マットでは、纏めて“コークスクリュー・ムーンサルト”と称されている。



■リバース・スプラッシュ

主に重量級の選手が使用する、トップロープを手で掴んだ状態から、セカンドロープに足をかけてから、真下に寝かせた相手に仕掛けるボディプレス。
軽量級や身軽な選手だとトップロープよりも高い位置まで自分の身体を上げてから仕掛けたりもする。
同じ要領から、コーナーポストを跨ぐように開脚してトップロープに着地してからムーンサルトを仕掛けるのがロブ・ヴァン・ダムの“ハリウッド・スター・プレス”で、開脚せずにトップロープに着地してからムーンサルトを仕掛けるのがサブゥーの“アラビアン・プレス”である。
またハリウッド・スター・プレス”の体勢からコークスクリュー・ムーンサルトを仕掛けるのがジョン・ヘニング(モリソン)の“ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド(スターシップ・ペイン)”である。



【ボディアタックの種類】

■フライング・ボディシザース・ドロップ

近年では“テーズ・プレス”とも呼ばれる技で、その名の様に鉄人ルー・テーズが得意としていた技で、ボディアタック系統の元祖的な技とも呼ばれる。
足を広げて、相手に正面から飛び付く様にして押し倒していく技で、そのままフォールの体勢に入るのが普通であったが、この技を再び流行させたストーン・コールド・スティーブ・オースチンは押し倒した後でマウントパンチを繰り出した。



■フライング・ボディアタック

大きく飛び上がりながら、自らの身体を斜めにして相手に浴びせ倒していく技で、普通にボディアタックと云う場合にはこの技を指す。
選手によっては、浴びせ倒したまま3カウントを取ってしまう場合もある。
相手と交差するように浴びせ倒す形のものは「クロス・ボディアタック」と呼ばれる。
東京女子プロレスの瑞希は相手と接触すると同時に錐揉み回転しながら浴びせ倒す「渦飴」を開発。海外のSNSを中心に大きな話題になった。


■ダイビング・ボディアタック

フライング・ボディアタックのコーナーポスト最上段バージョンで、大きく旋回するようなモーションになる場合も多く、ダイナミックで美しい技である。
ミル・マスカラスの最大の必殺技として知られている他、以外な所では若手時代のロック様がフィニッシャーとしており、大柄ながら優れた身体能力を活かしてリング中央を越える位置まで飛び込んで相手を浴びせ倒していた。
場外の相手に仕掛ける選手もいるが、プランチャのバリエーションと説明される場合もある。



■プランチャ・スイシーダ

ルチャ・リブレ(メキシカンプロレス)で使用される場外へのダイブ技の基本で、リング外に居る相手に対してトップロープを掴んで勢いを付けて、ロープを飛び越えるようにしてボディアタックを仕掛ける。
普通は単に身体を浴びせていくだけなのだが、優れた身体能力を持つ選手の中には、ちゃんとボディプレスのモーションで飛んでいく選手も居る。



■ランニング・ボディアタック

ベイダーの様な巨漢選手が使用する、自らの肉体その物をぶつけていくぶちかまし。
プロレスではショルダー・アタックを使う選手が多いので、実は珍しい技。



■コーナー・スプラッシュ

コーナーポストに押し込んだ相手に対して仕掛けるボディアタック。
重量級選手は、そのまま押し込むような形となるが、身軽な選手だと距離を空けた状態から飛び込むように仕掛ける。
有名なのがスティングの“スティンガー・スプラッシュ”で、代名詞の一つ。
スティングの場合はダイビング・ボディプレスも同じ名前で呼ばれる。



【プロレス以外でのボディプレス】

■メガトンプレス

複数のRPGゲームや格闘ゲーム等で巨体を誇るキャラクターやモンスターが使用する圧殺攻撃。メガテン系では常連枠。
元ネタは上記のプロレス技、及びキングギドラ等が見せていた巨大怪獣の攻撃方法が、纏めてこう称されていたりする。
また、技として使ってくる訳ではないが、人間は大きな動物の下敷きになっても死ぬるので、不用意に近づいてはならない。



■ルパン・ダイブ

ボディアタックだが、それ自体は攻撃目的ではないという珍しい技。
主にルパン三世不二子ちゃんに襲いかかる為に使用する。
着ている服を空中に残したまま、ガラパン状態となって突撃するという神業である。



ボディプレス(ポケモンのわざ)

ポケットモンスターソード・シールドで新しく登場した攻撃技「ボディプレス」。

タイプかくとう
分類物理
威力80
命中100
PP10
接触判定あり
範囲単体
効果ぼうぎょの数値とぼうぎょランクを使ってダメージを与える。

この項目ができた2日後になんとゲームで登場した新手のかくとう技。
技自体の威力は抑えめだが、「こうげき」ではなくぼうぎょを参照にするので、攻撃が低いポケモンでも大ダメージを与えられる可能性がある。
最大威力で使えるのはジャラランガだが他での採用例の方が多く、アーマーガアナットレイヨクバリスイオルブと殴り合いより耐久が得意なポケモンでの採用例が見受けられる。
詳しくは当該項目参照。



追記・修正は身体ごとぶつかる意気でお願いします。


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  • けっこう誤りの多い項目だなぁ。 -- 名無しさん (2019-11-11 08:40:05)
  • ラ・ケブドーラ→ラ・ケブラーダだし棚橋やエディのは開脚式じゃない。二タイプ明記したほうがよさそう -- 名無しさん (2019-11-11 08:43:33)
  • 動物からくらうボディアタックは至高。ペットいないから実際にくらったことないけど -- 名無しさん (2019-11-11 11:47:47)
  • ↑猫がたまに腹の上に飛び降りてくるけどボディじゃなくて足で着地するからピンポイントに衝撃が来てつらいぞ -- 名無しさん (2019-11-12 14:31:24)
  • まさか項目ができた2日後発売のポケモン新作に新技で登場するとは -- 名無しさん (2019-12-13 03:10:05)
  • 葛西純のパールハーバースプラッシュはエンターテイメント性も高くて好き -- 名無しさん (2019-12-13 19:58:40)
  • これやった本人はどれくらい反動受けるのかな? -- 名無しさん (2020-04-25 20:32:20)

#comment

*1 初代タイガーは正回転式についてはその場飛びの“ムーンサルト・ニーアタック”として応用して、繋ぎに使用することが多かった。

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