登録日:2019/03/21 Thu 18:10:00
更新日:2024/04/04 Thu 11:15:48NEW!
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MTKとはミュージックてれびくんの略称で、NHKの子ども番組『天才てれびくん』シリーズにおいて1998年度~2013年度まで存在した音楽コーナーのことである。
この項目では1999年度に放送されたMTKを紹介する。
今年度は番組名が『天才てれびくんワイド』と変わった節目の年で、番組の放送時間も後にも先にも最長の45分にまで拡大された。番組の内容的にも非常に充実しており、特に今年度は往年のファンから黄金期と呼ばれる事も多い。
このMTKというコーナーも2年目にして大きく手が加えられ、曲数も昨年の6曲から13曲まで大きく増え、1年を通しフル稼働。
手探りで荒削りだった昨年度と比べて、曲も映像も別次元にまで洗練され、名実ともに本番組の看板コーナーとなった。
- 恋のギルティー Love in the first degree
歌:モンキークイーン[ジャスミン・アレン(中2)、佐久間信子(小5)、モニーク・ローズ(小5)]
PV出演:シンパンマン
初回放送日:1999年4月5日
伝説の始まり
バナナラマのヒット曲のカバー。原曲の邦題『第一級恋愛罪』では言いにくいので馴染みやすいタイトルに変えられた。
原曲はディスコ音楽だが子供にも親しみやすいJ-POP風に見事にアレンジされ、ポップなCG背景をバック、T-ASADA先生による印象的なガニ股とダンスと、
2年目の1曲目にして「子どもによる子供のためのミュージックビデオ」の完成形と言っても差し支えないクオリティに仕上がっている。
歌うのはスタッフから「MTKのために生まれてきた」とまで評された歌姫ジャスミン・アレンを中心に、安定感抜群の信ちゃんこと佐久間信子、まだ荒削りながら次期歌姫の片鱗を見せるハスキーボイスのモニーク・ローズの3人からなるスーパーグループ『モンキークイーン』
純白人、ネグロイドハーフ、純モンゴロイドと三色揃ったグローバルなユニットである。唯一の純日本人である信ちゃんはネイティブスピーカーの2人に負けじと英語の発音を頑張っている。
実は初回放送の時点ではまだ『モンキークイーン』というユニット名がなく、歌手名テロップはただ3人の名前を並べただけだった(ユニット名が決まった後のアンコール放送ではテロップを修正している)。
なおこの曲で見られる洋楽カバー、女子3人組のアイドル系ユニット、CG背景、T-ASADA振り付けによるダンスという形式は、MTKにおける1つの雛形として2003年度まで毎年継承されることになる。
- 空にまいあがれ
歌:伊藤俊輔(中1)
PV出演:吉田一休(ドミンゴス)、森田彩華
初回放送日:4月19日
真心ブラザーズのカバーで、伊藤俊輔のソロ曲。
原曲はロック風寄りだがポップに仕上がっている。
俊輔は夏のイベントで主役を務め、ステージ上でこの曲を堂々と披露。ヒロインの信子と手を繋いでの合唱となった。
- Can do it!
歌:ウエンツ瑛士(中2)、山元竜一(小4)、福田亮太(小6)、Gofull-sun
初回放送日:5月10日
シンガーソングライターの合津知里・漫画家の古澤純也のユニット「Gofull-sun」のカバー。
てれび戦士と一緒に踊っている大人がGofull-sunで、ビデオ中に挿入されているイラストも古澤氏によるもの。恰幅のいい方の大人は女性である。
てれび戦士の参加者は、今ではすっかり有名人になった元祖カリスマ戦士・ウエンツ瑛士、後のカリスマ戦士・山ちゃんこと山元竜一、この年の新人の福ちゃんこと福田亮太。MTKにおいては数少ない男子グループでダンスナンバーである。
ちなみにこの曲は今年度のED曲の候補であったらしく、その縁でカバーに至ったそうな。
- ゴォ!
歌:棚橋由希(中1)
PV出演:Friends of Turner(ターナーと共演した歴代のてれび戦士)
初回放送日:5月24日
山瀬まみのカバー。原曲はインパクトが凄まじいので色々と注意。
なんでも体当たりで挑戦してきたターナーこと棚橋由希にぴったりな曲で、ビデオは四年間の勇姿をまとめたものとなっている。
最初のサビに入る瞬間の「フフッ」という笑い声は収録中のターナー自身のもの。当時番組に心霊の声ではないかという問い合わせが来たらしい。
- 恋は早いもの勝ち
歌:大沢あかね(中2)、中田あすみ(小5)
初回放送日:6月14日
YOYOYOというバンドのカバー。
現在すっかり有名人になった大沢あかねと、ミステリーハンターやビットワールドなどでお馴染みの中田あすみのデュオソング。当時のピチレモン黄金期に専属モデルを務めた「ピチモ」コンビ。
おおむね原曲に忠実だがMTK版はほんの少しキーが低い。また原曲では1人の女性による独白だが、MTKでは恋のライバル同士となった2人による掛け合いというような演出になっている。
MVでは2人が空手家、ガンマン、騎士、ボクサーなど様々なコスプレで対峙する。
この場面のハートのリングのCG背景は、2003年度のMTK『泣けちゃうの』でオマージュ的に使用されている。またあすみが着用している騎士風の衣装は2003年度の番組内ドラマ「こちらHK学園笑芸部!」でオスカルエリという登場人物が着用。
ちなみにMVにクレープを食べるシーンがあるが、2人はロケ中「クレープをいつ食べられるのか」が気になって仕方なかったそうで、あまりにもしつこく言うので予定を変更してクレープのシーンを早めに撮影したそう。
そして放送から10年後の2009年、天てれの夏のイベント『Dreaming ~時空をこえる希望の歌~』にあかねとあすみが本人役で出演し、10年の時を超えこの曲を生歌で披露した。
- スリラー
歌:ジェームス・マーティン(小6)、ダーブロウ有紗(小5)、伊藤俊輔、ジャスミン・アレン
PV出演:笑福亭松之助/豊田眞唯/てれび戦士1999
初回放送日:6月28日
言わずと知れたキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンの大ヒット曲のカバー
映画『学校の怪談4』とのコラボで作成されたMTK。同映画に出演していた笑福亭松之助(明石家さんまの師匠)と豊田眞唯がゲスト出演しており、逆にてれび戦士の福田亮太は同映画に出演している。テレビ放送では松之助師匠もワンフレーズだけボーカルを取るが、歌があまりにアレだったためかソフト化の際には伊藤俊輔の歌に差し替えられている。
ビデオクリップは今年度の全てれび戦士が登場する非常に豪華なもので、ボーカルの4名以外のてれび戦士は様々な化け物のコスプレで登場する。……が、残念なことに権利関係でDVD未収録なので現在正規の視聴手段はない。
それぞれの役どころは以下(括弧内は番組内での愛称)
座敷童・・・饗場詩野
雪女・・・中田あすみ
ゾンビ・・・須田泰大(ヤス)、橋田紘緒(社長)
ミイラ・・・福田亮太(福ちゃん)
魔女・・・モニーク・ローズ、佐久間信子
キョンシー・・・安齋舞、徐桑安(安ちゃん)
狼男・・・山元竜一(山ちゃん)
吸血鬼・・・ウエンツ瑛士
化け猫・・・大沢あかね
河童・・・・・石部里紗(コリサ)
フランケン・・・棚橋由希(ターナー)
- ハッピーマン
歌:石部里紗(中2)
初回放送日:9月6日
プリンセスプリンセスのボーカル奥居香のソロ曲で、フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』1997年度テーマソングのカバー。
歌うのはコリサこと石部里紗(当時の司会者の名前がリサだったため命名された)。
曲自体もさることながらコリサの容姿や雰囲気も相俟って、歌い手が中学2年生であることを忘れさせるほど大人っぽい仕上がり。
モンキークイーンもコーラスに参加している。
過酷なサバイバル風景を収めたMVに仕上がっているが、真夏の中田島砂丘での撮影は本当に過酷だったそうな。
- ママ・ミア Mamma Mia
歌:モンキークイーン[ジャスミン・アレン、佐久間信子、モニーク・ローズ]
PV出演:シンパンマン/T-ASADA
初回放送日:9月20日
ミュージカル・映画『マンマ・ミーア!』でもおなじみのABBAの名曲のカバー。CD・DVD未収録曲その1。
モンキークイーンの今年度2曲目。同一の歌い手による年度中2曲目はMTK初である。
こちらも恋のギルティーに勝るとも劣らず曲、映像ともに非常にクオリティが高い。
郵便物を持ってくる巨漢は当時番組によく出ていたシンパンマン*1。その正体は番組スタッフの一人の通称ゴッチさんで、てれび戦士の教育係のような役割を担っていたため子供たちからはとても怖がられていたそうな。
最後のサビで踊りながら入ってくるのは振り付け師のT-ASADA先生。本曲のみならず00年台前半までのほぼ全てのMTKの振り付けを手がけ、MTKを語る上で欠かせないお方である。
信ちゃんが着用している中世風のドレスとカツラ(ウィッグ?)は、2003年度の番組内ドラマ「こちらHK学園笑芸部!」において、堀口美咲演じるアンドリューミサキが着用している。
- 君の声がする
歌:饗場詩野(小5)
PV出演:遊佐未森/ジェームス・マーティン/嵜田ハヂメ/佐藤ふくみ/大町剛
初回放送日:10月11日
4年目のてれび戦士、饗場詩野(あいば しの)のソロ。今年度はここまで全てカバー曲だったが10月にして初の書き下ろし曲。
曲を手がけたのはシンガーソングライターの遊佐未森。のちに通算8曲も詞や曲を提供した遊佐未森が、最初にMTKに提供した曲である。
ヴァイオリン、チェロと共にノコギリという珍しい楽器が使用されている。
ジミーは非常に分かりにくいが後ろ姿だけチラッと映っている。
- カーマは気まぐれ Karma Chameleon
歌:山崎邦正
PV出演:E-Monkey Project、Boys of '99、Gargoyle
初回放送日:10月25日
カルチャー・クラブの大ヒット曲のカバー。歌うのは司会者の山崎邦正(現:月亭方正)で、初の司会者によるMTK。CD・DVD未収録曲その2。
PV出演者にあるE-Monkey Projectとは瑛士、ジャスミン、信ちゃんの3人で、この3人はコーラスも担当している。Boys of '99はそれ以外の6人の男子てれび戦士たち。
山崎邦正と9名のてれび戦士に加え、なぜかヘヴィメタルバンドのGargoyleのメンバーも出演する賑やかなビデオが印象的。
公園のCGは早くも「君の声がする」と同じものが使われている。
大怪獣キバゴンを倒したギャグ「おしり!」は邦正が当時番組内でよくやっていたもの。キバゴンにとっては凍りつくほど寒かったようだが、てれび戦士からは大好評だった。実は宮迫博之のパクリ
- 運命'99
歌:悪魔なエンジェル[大沢あかね、中田あすみ、徐桑安(小3)、安齊舞(小3)]
初回放送日:11月15日
アイドルユニットMelodyの『運命'95』という曲のカバー。原曲はややストーカーじみたアレな歌詞だったため、原曲の作詞者の森若香織の手によって馴染みやすい歌詞が付けられた。
歌うのは当時番組内で猛威を振るい、男子を恐怖に陥れた4人の女子達。収録中もクラッカーを上に向けろと言われたのに瑛士に向けて打ったり、瑛士を花束で叩くシーンで大はしゃぎするなどやりたい放題した模様。
とくにこの曲のレコーディング中、チャイニーズ戦士の安ちゃんこと徐桑安(ジョ・ソウアン)の傍若無人っぷりが森若香織の印象に残り、翌年のMTK『走れRUN2』のモチーフとなったそうな。
ラストの可愛すぎるウエディングドレス姿が印象的。ちなみにあかねはこのシーンで自分一人だけシロクマのきぐるみを着るとスタッフから騙されており、収録直前まで完全に信じ込んでいた模様。
ちなみに見た目的には年少組の桑安と舞、年長組のあかねとあすみと言う様に見えるが、あすみは当時まだ小学5年生である。年齢的には中2のあかねよりも小3の舞と桑安に近い。
テレビ放送ではカットされているがフルバージョンには二番も存在する。
- はるかな旅へ Where'll we go from now
歌:橋田紘緒(小6)、福田亮太、須田泰大(小3)
初回放送日:11月29日
ゴダイゴのカバー。原曲は全編英語詞で内容も暗いため、MTK版では前向きな日本語の歌詞が付けられた。
歌うのは三枚目男子の社長こと橋田紘緒と福ちゃん、小3にしてヘタレキャラのヤスこと須田泰大というなんとも頼りない三人組だが、しっかりシリアスにかっこよく歌い上げている。
なお歌っているメンバーが誰も卒業しなかったため、翌年の夏のイベント『キノコ帝国の財宝を探せ』のオープニングにおいて生歌で披露された。
- The Longest Time
歌:飛び出せ!ステッグマイヤーズ[リサ・ステッグマイヤー、ウエンツ瑛士、ジャスミン・アレン、棚橋由希、ジェームス・マーティン、ダーブロウ有紗]
初回放送日:2000年1月10日
2000年代最初のMTKはビリー・ジョエルの名曲のカバーだが、歌詞は原型がなくなるほど大きく変わっている。CD・DVD未収録曲その3。
歌うのはこの年度はTBSの平日朝の情報番組『エクスプレス』の総合司会*2と掛け持ちしていた司会者のリサ・ステッグマイヤーとてれび戦士たちで、ウッドベース以外はなんとアカペラ。リードボーカルはリサだが、一部ターナーもリードを取る。
ターナーのアフロ姿が似合い過ぎている。
- 世界中の全ての色
歌:ウエンツ瑛士、ジャスミン・アレン、伊藤俊輔
初回放送日:1月31日
今年度最後のMTK。シンガーソングライター坂本サトルによる書き下ろし。
長年天才てれびくんを支えてきた今年度リーダーのウエンツ瑛士とジャスミン・アレンの卒業ソングである。翌年リーダーとなる伊藤俊輔への継承ソングともいえるかもしれない。
思春期の少年少女たちによる、非常に爽やかで未来への希望に満ちた曲。天才てれびくんという番組でしか成立しないまさしく名曲である。
以下はMTKではないが、1999年度の天才てれびくんで使用された曲も紹介する。
- テレビ万歳
歌:P.O.A
今年度のオープニングテーマ。この曲からOP・EDが番組アルバムに収録される様になった。
前年度の天てれは「キャイ〜ンがいたパラレルワールドを離れてまだ見ぬテレビ文明を探しに宇宙に飛び出したてれび戦士を乗せたロケットが山崎・リサがいたエエカゲンニ星へ不時着した」という始まりだったが、このオープニングはその続きであり「新たなロケットで山崎・リサ、新しいてれび戦士と共に地球を目指してエエカゲンニ星を出発、そして6年越しに地球へ帰って来る*3」という構成になっている。
ハードロック風の曲調にプログレのような変拍子が多用されているというとても子供番組のOPとは思えない珍曲である。
番組がOP用に編集したものが使用されており、原曲とは展開が異なる。
- 恋の天才〜ジョンとミケの場合〜
歌:てれび戦士1999
てれび戦士全員で歌う今年度のエンディングテーマ。プリンセスプリンセスのメンバーによる提供。
前年度までとは大きく異なり、てれび戦士による楽しげなレコーディング風景がエンディング映像に使用されている。このメイキング風ED映像は2003年まで続く伝統となった。
各パートを男女に別れて掛け合いのように歌う。が、今年度は男女比率が男子7人に対し女子11人と偏っているため、ターナーのみ男子に混じって男子パートを歌っているとのこと。
ジャスミンによるパワフルなコールがとても印象的。
- ハッピー・シチュー・タイム
歌:いはたじゅり
今年度の番組内アニメ『スージーちゃんとマービー』の主題歌。
ジャズ風の曲。ハッピー・シチュー・タイム 〜スペシャル〜という若干のバージョン違いもある。
- カラフル・パレード
- ミルキーホワイトクリスマス
歌:いはたじゅり
同じく今年度の番組内アニメ『スージーちゃんとマービー』の主題歌。
この2曲はタイトルこそ異なるが歌メロは同一。カラフル・パレードが言わば通常バージョンで、ミルキーホワイトクリスマスはクリスマス特別バージョン。
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- Can do it! で踊ってたメガネのデブの人は男…?女…? -- 名無しさん (2019-03-21 19:01:07)
- ↑まさかの女です -- 名無しさん (2019-03-21 19:31:04)
- マジでか!?20年目の衝撃を受けた…本気でビビったわ…歌声も男らしかったのに… -- 名無しさん (2019-03-21 19:39:13)
- この年の曲はどれもすごい印象に残ってる -- 名無しさん (2019-03-23 14:25:13)
- ジミーがこの年で卒業しちゃったのが悔やまれる。続投予定だったけどジャニーズ移籍で急遽出られなくなったとかどっかで見たが -- 名無しさん (2019-03-23 18:59:01)
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*2 『エクスプレス』に関してはこの歌の放送直後の時期に起こった共演者の番組外でのトラブルを受けて春の改編を待たずに降板している。また、当時は『ズームイン!!朝!』が強かった事もあってTBSの朝の番組は長年低迷が続いており『エクスプレス』も翌2001年春に終了している。
*3 1994年度の初回でテレゾンビにメディアタワーを占拠されたてれび戦士は宇宙にあるメディアステーションに移る→1995年度初回、初めての生放送中にブラックホールに飲み込まれメディア砂漠へ→1996年度、一部の戦士がパラレルワールドに迷い込む→上記の展開…と実に6年も地球から離れていた事になる。
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