2002年度のMTK(天才てれびくん)

ページ名:2002年度のMTK_天才てれびくん_

登録日:2019/01/22 Tue 01:25:00
更新日:2024/03/28 Thu 13:36:42NEW!
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MTKとはミュージックてれびくんの略称で、NHKの子ども番組『天才てれびくん』シリーズにおいて1998年度~2013年度まで存在した音楽コーナーの事である。


前任者・前々任者が歌っていた司会者によるMTKは何故か極楽とんぼに回って来ず、そのまま2011年度まで途絶えてしまった。
また、『天才てれびくんワイド』最終年となる本年度は残念ながら後述する大人の事情の結果、例年より曲数が若干少ない。




  • 1-2-3

歌:SPACE FAIRY[俵有希子(中1)、白木杏奈(小6)、中村有沙(小4)]
「何があってもこの恋だけは うまくいくと分かるの 私を信じて」
PV出演:ローブリィ翔
初回放送:2002年4月8日


年度一発目はMTKの伝統とも言える正統派アイドルソング。美少女3人組グループがCG背景をバックに洋楽カバーソングを踊るという雛形に沿ったものだが、今回は小4で最年少の有沙がまさかのセンターを務める。女子戦士最年長のゆっこと新人の杏奈が脇を固める。
有沙は小柄ながらダンスのキレはかなりのもので、センターの貫禄はしっかり。
PVはローちゃんことローブリー翔がモテまくり、女子3人から熱烈に追い回されるもの。
楽曲はグロリア・エステファンのカバー。原曲のラテンテイストを残しつつJ-POP風にアレンジしている。
曲の構成が原曲とは若干異なる。原曲はイントロから始まりそのままイントロAメロと続くが、MTK版はイントロ前にアカペラのサビから始まる。



  • 僕であるために

「誰かが立ち止まるけど 現実は続く」
歌:Boys Be Boys[熊木翔(中2)、山元竜一(中1)、松井蘭丸(小6)]
初回放送:4月22日


FLYING KIDSというグループのカバー曲。歌うのは前年のハッスル3の後継とも言える、イケメン男子3人組ユニットBoys Be Boys。
3人の少年が東京の街を駆け巡る。
熊ちゃんこと熊木翔は中2ながらまだほとんど声変わりしておらず、持ち前のハイトーンを聞かせる。
冬のイベントでは最後のサビをてれび戦士全員で合唱した。



  • クエスチョン

「ちゃんと前を向いてますか 自分にも言えないクエスチョン」
歌:ローブリィ翔(小5)
PV出演:スキップカウズ、井出卓也、村上東奈
初回放送:5月13日


スキップカウズのカバー曲。コーラスを担当する卓也と東奈、そしてスキップカウズメンバーもビデオに出演している。
ローちゃんことローブリー翔のソロ曲。やや音程が怪しいがそれも子ども番組らしさに一役買っている。
歌詞は子供の視点から大人に問いかけるような内容とも取れ、なかなか対象年齢の高い楽曲とも言えるかもしれない。
ちなみに小学生男子のソロは史上初で、他に歌ったのは2003年度の堀江幸生と2013年度の相澤侑我のみ。



  • BYE BYE DAYS

「おんなじ夢見るなら どこでもゆけるはずさ」
歌:T for TWO[俵有希子(中1)、俵小百合(小6)]
初回放送:5月27日


俵姉妹による番組初の姉妹MTK。advantage Lucyというネオアコバンドの書き下ろし楽曲で、同バンドメンバーがPVにも出演している。
全編通して姉妹による息の合ったハーモニーが奏でられる名曲。姉の有希子が低音を、妹の小百合が高音を担当しており、小百合のパートはかなりキーが高いが、生歌でも難なく歌い上げる。
テレビ放送ではカットされているが、フルコーラス版では2人が犬の散歩をかけてじゃんけんをするという姉妹ユニットならではの会話が収められている。
たびたび差し込まれる映像は番組内ドラマ「フォトグラフ」のもので、同ドラマでもこの曲が使用された。



  • スピリチュアル

「この世界中の人がほほえんでくれるさ」
歌:CHU-LIPS[村田ちひろ(小5)、飯田里穂(小5)]
PV出演:熊木翔、村上東奈
初回放送:6月17日


ホフディランのカバー。ボブディランではない。1998年度「極楽はどこだ」以来2回目のホフディランカバーであるが、「極楽はどこだ」は作詞、作曲、メインボーカルが小宮山雄飛なのに対し、今作はもう一人のホフディラン、ワタナベイビーの担当曲である。疾走感のあるロックナンバーだった「極楽はどこだ」と比べ、ファンシーなポップスに仕上がっている。
歌うのは3年目のちひろと新人の里穂によるユニットCHU-LIPS。かなり身長差があるが2人は同級生で、中学2生になるまで4年間共に過ごす戦友となる。
「愛」をテーマにした歌詞に併せて、PVは2人の愛の力が世界に輝きを取り戻すという内容になっている。映像は花畑、風船、パラソルなどファンシーなイメージがフィーチャーされている。
ちなみにこの2人はてれび戦士卒業後の2008年度、天てれの年間ドラマ「日付変更船プッカリーノ」に人気アイドルユニット役として揃ってゲスト出演している。残念ながらユニット名はCHU-LIPSではなく「ポリゴン」で、歌った曲はなぜか後述する「恋人は宇宙人」の替え歌。



  • STEADY BOYS

「神様どうか 気ままに恋のルール決めないで」
歌:岩井七世(中1)
PV出演:T for TWO(俵有希子、俵小百合)
初回放送日:7月1日


原田知世のカバー曲。当時「日本一忙しい中学生」と言われた岩井七世のソロ曲。
衣装に髪型にCG背景、楽曲アレンジに、あえてあまり上手く歌わないところに至るまでコッテコテの正統派アイドルソング。
原曲はややアダルトな雰囲気で、二股をかける女性の心情を描いた歌詞は子供番組としてやや問題があるかもしれないが、七世のキュートなキャラクターがうまく中和して嫌らしさを全く感じさせない。
PV内で七世は江戸時代の姫姿を披露している。T for TWO(俵姉妹)がコーラス兼バックダンサーとして参加しており、ゆっこが侍、小百合がヨーロッパの貴族に扮して男装姿も披露。
ちなみに「Steady」とは遊びではない真剣な恋を表す言葉で、放送当時すでに死語になっていた。



  • 星の軌跡

「輝く虹に届くと思うなら 星の軌跡になろう」
歌:ギャラクシー[安齊舞(小6)、井出卓也(小6)、ブライアン・ウォルターズ(小6)、ジョアン・ヤマザキ(小4)]
初回放送:9月2日


2000年度OP「スーパースピードスター」(carnies)、2000年度MTK「歩いていこう」(書き下ろし、のちにJETTER3でセルフカバー)でおなじみの田村淳率いるJETTER3のカバー。安斎舞にとっては2回目の田村淳提供曲となる。
「走れRUN2」「VACATION」の流れを汲む男女4人曲だが、平均年齢がぐっと上がっていることもあり、大人びた詩的な言葉遣いが光る疾走感のあるロックナンバーに仕上がっている。
2年目の卓也、新人のブライアンとジョアンを、4年目のベテラン戦士・舞が牽引する。
ビデオはSF風で、当時のMTKとしては珍しく環境問題が扱われている。



  • あこがれ

「青く光る風の行く先に あこがれ乗せてゆこう」
歌:村上東奈(中1)
PV出演:遊佐未森、渋谷謙人


MTKではお馴染みの遊佐未森の書き下ろしによる東奈(はるな)ソロ曲で、MTK初の2バージョン構成。
メロディと歌詞は同一だがそれぞれアレンジが大きく異なる手の込んだもの。ビデオは2つのバージョンを跨いだストーリー仕立てになっている。
冬のイベントでは1番をacoustic versionで、2番をhip-hop versionで構成して披露。


acoustic version(初回放送日:2002年9月16日)
とある女性がアルバムをめくりながら、少女時代の切なく甘酸っぱい恋を回想する。
みんなで公園に遊びに行ったものの、思いを寄せる男の子につい引っ込み思案になり……
アルバムをめくる女性は作曲者の遊佐未森。彼女はなぜかよくMTKに出演していた。
普段の天てれでは見た目も言動もボーイッシュな東奈だが、可憐で透き通るような声で歌い上げる。


hip-hop version(初回放送日:2002年9月23日)
しっとりしたアコースティック版とは打って変わってノリの良いヒップホップ風。運動神経バツグンの東奈が当時のMTKではとくに激しいダンスを披露している。
少女が自転車屋の店番をしているところへ、思いを寄せる男の子がパンクした自転車を持ち込んできて……
高まる気持ちを抑えきれないといったような疾走感のある曲になっている。



  • BE HAPPY DAY

「いい事と悪いこと 順番にやってくる」
歌:八木俊彦(小3)、豕瀬志穂(小3)
初回放送:10月7日


やぎっちこと八木俊彦と、志穂のライバルコンビによるMTK。今年度のED曲も手がけた森若香織の書き下ろし曲。
MTK史上もっとも平均年齢が低い曲(小3コンビ)で、レゲエ風のリズムが難しかったのか若干リズムがたどたどしく、ひらがな感のある英語もあいまって子どもらしく可愛らしい曲。
志穂がやぎっちを台車に載せて運搬するというインパクトのある画で始まり、2人が公園で遊んだり紙芝居をする。紙芝居は歌詞にちなんだCGアニメーションが使用されている。
ちなみにこの時期のMTKにしては珍しくなぜかユニット名がない(2000~05年度まではこの曲以外の全ユニットに名前が付いている)。普段からニコイチのような扱いだったため名前を付けるまでもないとの判断か、或いは実質的にソロに近い扱いということだったのか。



  • 恋にメリーゴーラウンド In for a penny,In for a pound

「降りられないのよメリーゴーラウンド」
歌:SPACE FAIRY[俵有希子(中1)、白木杏奈(小6)、中村有沙(小4)]
PV出演:ローブリィ翔
初回放送:10月21日


かつて日本で大ヒットしたディスコグループ・アラベスクのカバー。原曲の邦題は「恋にメリーゴーランド」だが、MTKではどういうこだわりか「恋はメリーゴーランド」と微妙に変更されている
今年度1曲目を歌ったSPACE FAIRYの2曲目で、今度はゆっこがセンター。
妖艶なアラビアン風ダンスが人気を博し、10周年スペシャル企画の「ミュージックてれびくんが踊りたい!」では現役戦士とOB・OGが踊る曲としてこの曲が選ばれた。
1-2-3ではなんだかんだいい思いをしたローブリィだが、今度は古代エジプト風の遺跡から目覚めた3人の女性からタカられ散々な目に遭う。
レストランのCGは「Material Girl」、遊園地のCGは「元気を出して」のものが流用されている。流用元は共に2001年度のMTK
タイトルの「In for a penny, in for a pound」とは英国のことわざで、やりかけた事はトコトンまでやり通せというような意味。



  • ルーキー

「君のためならいつだって飛んでゆく」
歌:山元竜一(中1)
PV出演:Boys Be Boys(熊木翔、松井蘭丸)
初回放送:11月11日


玉置浩二のカバー。
おそらく番組史上もっとも人気を博した伝説のてれび戦士・山ちゃんこと山元竜一の初ソロ曲。Boys Be Boysメンバーの熊木翔と松井蘭丸がコーラスとビデオに参加。
映像は山ちゃんの5年間の勇姿をまとめた総集編とも言える内容となっている。
加えて歌詞の内容や6年間出演したてれび戦士が過去にいなかったこともあり、今年度限りでの山ちゃんの卒業を予感させた……がしかし翌年、初の6年戦士として天てれに出演。



  • 地図

「君の街と僕の町の距離まで縮んでゆく」
歌:マイ☆コウ[堀江幸生(小5)、マイケル・メンツァー(小5)]
PV出演:鉢嶺杏奈
初回放送:11月25日


作詞作曲演奏まで全てスキップカウズだが、カバーではなく書き下ろし提供曲。ユニット名はマイケルの「マイ」と幸生の「コウ」から取っているが、発音次第ではマイケルがほぼ占めているといえなくもない
いつもマイペースな美少年マイケル、ひょうきんなポッチャリ少年幸生の凸凹コンビ。幸生とマイケルが転校した女の子のもとを訪れる。
この曲が今年度最後のMTK……となってしまった。というのも山さんの極楽とんぼ学祭チン事件(詳しく知りたい方はネットで検索を)によって司会の極楽とんぼが12月に緊急降板となり、そのバタバタで番組編成がめちゃくちゃになったせいでMTKもこの曲で打ち切りになった。
しかしながらまだMTKを歌っていなかったマイケルと幸生がこの曲を歌ったことで、今年度もなんとか全てれび戦士がMTKに参加できた。
但し、極楽とんぼ降板前の12月中に多くのコーナーが最終回を明言していた(10周年SP編成のため)ことから、そもそも予定通りであった説も否定できない。



余談だが、「天才てれびくんワイド」で司会を務めた山崎邦正、リサ・ステッグマイヤー、角田信朗、山川恵里佳は全員MTKを歌っているため、今年度も加藤と山本が歌うMTKが用意されていたのでは?と考える天てれファンも多い。




以下はMTKではないが、2002年度の天てれで使用された曲もこちらで紹介する。



  • 青い星

歌:LOVE JETS


今年度のOP曲
ロックシンガー・忌野清志郎扮するPURAHAがボーカルを務めるLOVE JETSの書き下ろし曲。
この年度は1994年度の舞台だった「メディアステーション」に帰って来る設定だった事や10周年とあって、序盤の放送では初代テーマ曲「タイムマシーンでいこう」を彷彿とさせるナレーションと白黒写真(当時のOP映像と2002年度初回のワンシーンを混ぜたもの)が入ったり、映像中には一瞬ながら歴代のオープニング映像が映っていたりする。


このオープニングも極楽とんぼが映っていた関係で学祭チン事件の後に急拵えのオープニング映像を作ったものの短期間しか放送されなかった。


  • LOVE IS POP

「きみに届け LOVE IS POP LOVE IS POP」
歌:てれび戦士2002


てれび戦士全員でうたう今年度のエンディングテーマ。作詞作曲は森若香織。
天才てれびくんシリーズのの歴代EDでもとくに評価が高い曲の一つ。
ED映像は2種類あり、1学期はてれび戦士が5人1組に分かれて宝探しをするもの、2学期からは例年通りのスタジオ風景を使用したものが放送された。
子ども番組らしいポップソングながら、スクラッチや同じフレーズの反復などのヒップホップ的な技法をふんだんに使った趣向を凝らしたもの。裏拍を強調したリズムはてれび戦士たちには難しかったようで、メロ部分はリズム感が若干ぎこちない。


ソロパートがかなり多い曲だがやや割り当てに偏りがあり、残念ながらレコーディング版では何人かのてれび戦士がソロパートを歌えていない……。
しかし冬のイベンド『MTKスーパーライブ2003』のラストで披露された際には割り当てが見直され、全員がソロパートを歌っている。
ステージ上のてれび戦士と観客が一体となったこのLOVE IS POPのパフォーマンスはまさに壮観。この曲を手がけた森若香織自身、当時の会場の様子に衝撃を受け、その体験が本格的に作詞家を志すきっかけになったとブログで語っている。


ちなみにスタジオ風景を使用したフルコーラス版のED映像も存在するが、3月25日たった1回しか放送されなかったかなりのレア映像。
ただでさえ通常放送が終わって総集編を流していた時期で、その日の放送内容も冬のイベントの再々放送だったため、天てれ好きでも見なかった人も多いと思われる。リアルタイムで見た人はかなりの幸運。



  • 恋人は宇宙人

歌:スペースアイドル・ナナセ(岩井七世)


今年度の年間ドラマ「SF(?)スペース新喜劇ラフィン☆スター」で岩井七世が演じるスペースB級アイドル・ナナセのテーマソング。アキバ星人に人気らしい。
ラフィンスター劇中で度々流れるほか、夏のイベントでは生歌で披露。
また前述の通り、2008年度の年間ドラマ「日付変更船プッカリーノ」にて、OGの村田ちひろと飯田里穂が「恋人はメカニカル」としてまさかのカバー。ちなみにラフィンスターにおいて里穂は見習い客室乗務員、ちひろはローちゃんの鬼嫁でカンフーマスターの役。



  • Everybody〜地図のない旅

歌:ふじのほのか


番組の枠内で放送されたアニメ「ベイベーばあちゃん」のOP曲。作詞は歌い手ふじのほのか(「Honoka」名義)・作曲は黒石ひとみ。



  • Everybody Dance

歌:西城秀樹


「ベイベーばあちゃん」挿入歌・DVD版ED曲。作詞は有森聡美*1・作曲は長谷川智樹。
CDジャケットではアニメイラストが使用され、作中では歌い手の西城秀樹が「HIDEKI」役でゲスト出演した際披露された。
また西城のライブシーンを映したMVが存在し、西城のNHK映像集『HIDEKI NHK Collection 西城秀樹~若さと情熱と感激と~』にも『NHK歌謡コンサート』出演時の映像が収録されている。どっちの映像もアニメ要素は0だが




追記・修正お願いします。
また『ドラムカンナの冒険』関連の曲についてご存知の方はぜひ情報提供お願いします。



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  • ドラムカンナの冒険の関連曲についてなんですが、赤い月というタイトルの曲です。 -- 名無しさん (2023-06-02 08:27:30)

#comment

*1 ちなみに西城関連では2001年にディズニー映画の楽曲『ラッキー・ムーチョ』日本語版の訳詞を担当しており、この後西城生前最期のCDシングル『めぐり逢い』(洋楽カバー曲)の日本語詞とNHK番組『趣味の園芸 やさいの時間』のエンディングテーマ『ベジタブル ワンダフル』(一部配信サイト限定曲)作詞も手掛ける事になる。

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