登録日:2018/06/21 (木曜日) 21:04:00
更新日:2024/02/26 Mon 13:47:40NEW!
所要時間:約 7 分で読めます
▽タグ一覧
電車でgo! taito 伊予鉄道 江ノ島電鉄 路面電車 がんばれ運転士! 旅情編 京福電気鉄道 函館市企業局交通部 函館市交通局 恋愛ゲーム風味な教官
TAITOが2002年にリリースしたシリーズ第8作。通称「旅情編」。この項目では前身となる、2000年リリースの「がんばれ運転士!」についても解説する。
「旅情編」とはかなりざっくりした括りに聞こえるが、簡潔に言えば路面電車をテーマにしている。
☆オリジナル要素
- 空気ブレーキを導入。これまではブレーキハンドルの段数に応じて減速力がかかっていたが、今回はブレーキハンドルの傾け方によってブレーキ管に空気を出し入れする速度を調節することにより、減速力を調整する*1。
- 自動車用信号・電車用信号を導入(正確には名古屋鉄道編からの復活)。名古屋鉄道編では前触れなくいきなり信号が変わっていたが、今回は信号にゲージを導入し、青・黄・赤/進行・停止それぞれの信号がどのくらいの時間で変化するか視覚的に分かるようになった。一方、専用軌道区間ではこれまでと同じく鉄道用信号に従って運転することもある。
- ドア開閉・アナウンスを導入。これまではワンマン列車の運転でもドアやアナウンスの操作は自動で行われていたが、今回は逆に全ての列車でドア開閉やアナウンスを手動で行わなければならない*2。
- ポイント操作を導入。一部の路線では実際と同様、特定の方法で正しい方向に転轍機を動かさなければならない。
- HL制御を導入。列車の速度に応じてマスコンを1ノッチずつ進段することによって加速する。この影響で、今までのように発車時に一気にマスコンを投入すると加速効率が下がる。
- ナビゲーションシステムが搭載されていない*3。
- 無電区間の制度が変更。特定の地点に無電区間があり、ここをマスコンを投入したまま通過すると過電流が流れて減点される。
- 「のんびり運転」「ほんもの運転」のモード選択を導入。のんびり運転では一部の減点項目の省略、ポイント操作の自動化、速度制限や鉄道用信号の変化、無電区間がなくなる*4。
- 隠し要素の解放方法が変更。運転終了すると運転評価に応じたスコアが各路線ごとに蓄積されてゆき、蓄積されたスコアに応じて車両やダイヤ、資料館の内容が増えていく。
- 今回のみナビゲーターが鉄ちゃんではなく、各路線に対応する専用のキャラクターが担当*5。詳細は収録路線解説で。
収録鉄道会社
※「がんばれ運転士!」は伊予鉄道JR松山駅前→道後温泉/モハ50形54と江ノ島電鉄藤沢→鎌倉/300形302F・108号車のみ収録。
伊予鉄道(大手町線/城南線/花園線/城北線/本町線)
愛媛県松山市の鉄道会社。松山市民にはおなじみ「伊予鉄」である。今回は管轄する軌道線を全て運転できる。
車両は出自の違うモハ50形や元京都市交通局のモハ2000形の他、観光列車として日本唯一の内燃式機関車牽引による客車列車「坊っちゃん列車」を運転することもできる。また、大手町電停付近では大手町線(軌道線)と高浜線(鉄道線)とで、現在日本で唯一残っている鉄道同士の平面交差「ダイヤモンドクロッシング」を体験することが可能。
この路線では手動でポイント切り替えを行う。架線に「トロリーコンダクター」という、パンタグラフで打子を叩くことにより動作する機械が取り付けられており、ポイント切り替え地点では2つのトロリーコンダクターが連続して設置。1つ目のトロリーコンダクターを叩いた後、9秒以内に2つ目を叩くと左に、10秒以上経過後、開通表示灯が点灯した後に2つ目を叩くと右に切り替え。ちなみに「坊っちゃん列車」はディーゼル機関車だが、この場合客車に「ビューゲル」という器械が取り付けられており、ポイント切り替え地点に到達すると車掌がこれを操作してポイント切り替えを行う。アウタービューにしていると、ビューゲルが上下する様子もしっかり再現されている。
教官は白石葉子(CV:彩木香里)。メインメニューを見る限り、この人がゲームのメインナビゲーターとしても扱われている模様。観光案内では飾らない女性で、たぶんこのゲームの中では一番まともな子だと思われる。
☆収録車両
- モハ50形54
- モハ50形56
- モハ50形70
- モハ50形1002
- モハ2000形2005
- 坊っちゃん列車(D1形+ハ1形)
モハ50形は軌道線の主力車両だが、モハ2100形の投入に伴い56・1002は置き換え済みである他、今後はモハ5000形の投入によって置き換えられる予定。基本的には伊予鉄道の自社発注車だが、モハ50形1002だけは元呉市交通局の車両。
モハ2000形は元京都市交通局の車両で、こちらはしばらく現役の予定。
ただ、どちらにしろ一般車は現在塗色の変更が行われたため、ゲームと同じ姿の車両は現存しない。
D1形+ハ1形「坊っちゃん列車」は伊予鉄道の看板列車。詳細は伊予鉄道の公式サイトに譲るが、この列車の復刻プロジェクトに対する伊予鉄道担当者の情熱は半端ではなかったらしい。
☆収録路線
- 城南線5系統/JR松山駅前→道後温泉
- 城南線5系統/道後温泉→JR松山駅前
- 花園線3系統/市駅前→道後温泉
- 花園線3系統/道後温泉→市駅前
- 環状線1系統/市駅前→古町→大街道→市駅前
- 環状線2系統/市駅前→大街道→古町→市駅前
- 本町線6系統/本町六丁目→道後温泉
- 本町線6系統/道後温泉→本町六丁目
- 坊っちゃん列車/道後温泉→大街道→市駅前→JR松山駅前→古町→JR松山駅前→市駅前→大街道→道後温泉
城北線を除く全線が併用軌道のため、路面電車らしいスリリングな運転が楽しめる。一般列車の難易度は標準的といったところ。なお、本町線の列車だが現在の運転系統は「本町六丁目-市駅前」のため道後温泉には行かない。それどころか、このゲーム当時は運転間隔が20分だったのが30分になり、40分になり、とうとう土休日は全列車運休と、着々と廃線フラグが積み重なっていっている…。
坊っちゃん列車の方は、このゲームで唯一通過運転をする列車。さらに途中に観光アナウンスがあり、これを忘れると普段の路線と同じくアナウンス忘れとして減点の対象になる。この辺りは「のんびり入門」で予習しないとクリア不可能に近いので注意。というか、本物の坊っちゃん列車には車掌がいるのでアナウンスは自動を推奨する。
なお、現在坊っちゃん列車は2編成存在するため、それに伴い運転系統が大幅に変わっている。また、この当時坊っちゃん列車は1区間ごとの入れ替え制だったが、現在は全区間を乗り通すことも可能。
江ノ島電鉄(江ノ島電鉄線)
神奈川県藤沢市・鎌倉市の2市に跨がる鉄道会社。首都圏在住者には観光地としておなじみ「江ノ電」の運転である。車両は当時の現有車両全てと、極楽寺の車両基地で動態保存されている108号車「タンコロ」を運転できる。
この路線だけ運転方法が特殊で、扉扱いは左右どちらかホームがある方のみ開閉を行う*6。また、他の路線はアナウンスは電停発車時のみであるところ、この路線は駅到着時にもアナウンスが必要になる。ただしこの辺りは、本物の江ノ電はツーマンなので自動を推奨。
教官は七海ひかる(CV:桃井はるこ)。今時あんまり見ない日焼けした天真爛漫な褐色娘。観光案内では終始水着姿である。
☆収録車両
- 300形302F
- 500形502F
- 1000形1001F
- 2000形2001F
- 10形10F
- 108号車(100形108号)
300形は現在も1編成だけ現役だが、ゲームに収録されている302Fはゲーム発売前に引退している。また500形もゲーム発売前に引退済み。これは車両の構造上、近代化改造が困難だったためである。
1000形は江ノ島電鉄の主力車両。2000形はパノラミックウインドウによる展望を実現。10形はレトロ調で人気。鉄道線かつ当時の新車たちだけあって、この3車種はいずれも車両性能が非常に高い。
100形は極楽寺検車区で動態保存されている車両。さすがに性能はとんでもなく低いが、一応運転に支障はない。
この路線の収録車両は300形・500形・100形を除き実際は電気式ブレーキなので設定変更を推奨。
☆収録路線
- 下り/藤沢→鎌倉
- 上り/鎌倉→藤沢
全線が鉄道線準拠であり、全体的な雰囲気は普段の「電車でGO!」に最も近い路線。なお、江ノ島-腰越と七里ヶ浜-稲村ケ崎-極楽寺に併用軌道区間があるが、自動車は走っておらず交通事故は発生しない。また、実際には江ノ島-腰越に自動車用信号が1ヶ所あるが、これは再現されていない*7。
速度制限標識が非常に多いという特徴があるが、「電車でGO!」に慣れているのなら全く気にならないレベル。車両性能が全体的に高いのも相まって、収録全路線の中でも非常に簡単な部類に入る。
ちなみに現在、江ノ島電鉄線の列車は大半が2編成を併結した4両での運転だが、このゲームでは4両の運転はできない*8。
京福電気鉄道(嵐山本線/北野線)
京都府京都市の鉄道会社。京都市民にはおなじみ「嵐電」である。車両は現有車両を全て運転できる。一応軌道線ではあるものの、専用軌道区間の方が圧倒的に多く、雰囲気はむしろ鉄道線に近い。
教官は西園寺美月(CV:吉田美保)。いわゆる生粋の京都人である。観光案内では若干気が強い面を見ることができる。
☆収録車両
- モボ101形103
- モボ101形105
- モボ301形301
- モボ501形501
- モボ501形502
- モボ611形611
- モボ621形621
- モボ631形631
- モボ2001形2001
- モボ21形26
- モボ21形27
モボ101形とモボ301形は当時京都嵯峨芸術大学協力で特別塗装が施されていたため、ゲームでも同じくスペシャルカラーリングで登場。ちなみにモボ301形301は老朽化のため廃車予定となっていたところ、寸前で京都市交通局東西線延伸に伴う嵐電天神川開業で乗客の増加が見込まれるため急遽復帰したという伝説の持ち主である。
モボ501形は扉位置の違いが災いして車内の導線を乱すためモボ611形登場後は追いやられていたが、近年リニューアルが行われて扉位置を他の車両と合わせたため他の車両と共通で運用に就くことになった。
モボ611形~モボ631形は現在の主力車両。
モボ2001形は電気式ブレーキとVVVFインバータ制御を搭載した最新型。設定を電気式ブレーキに変更することを推奨。
モボ21形はブラウンを全身に纏ったレトロ調の車両である。
なお、現在はモボ21形を除く大半の車両が「京紫」塗装に変更されており、ゲームで見られる白+緑の塗装を纏った車両はモボ101形103とモボ301形301のみ。
☆収録路線
- 嵐山本線上り/嵐山→四条大宮
- 嵐山本線下り/四条大宮→嵐山
- 北野線上り/帷子ノ辻→北野白梅町
- 北野線下り/北野白梅町→帷子ノ辻
嵐山本線は軌道線準拠の路線だが、専用軌道区間の方が多いため雰囲気はほぼ鉄道線に近い。三条口-蚕ノ社は電車の通過に合わせて信号サイクルを固定する措置がとられるため、自動車用信号を気にせず運転できる。なお実際と同様、三条口に電車用信号を起動させるためにトロリーコンダクターを叩かなければならない部分がある。また、西院では四条通を横断するが、ここの電車用信号は他の地点と異なり信号変化のタイミングを示すゲージが存在しないので、停止せずに通過できるかは運次第となってしまう。
北野線は完全な鉄道線。運転区間が非常に短いが、秋の京都の雰囲気が深い。
なお、現在は嵐電天神川と撮影所前が開業した他、いくつかの駅名がゲーム当時と異なっている。
- 三条口→西大路三条
- 太秦→太秦広隆寺
- 車折→車折神社
- 嵯峨駅前→嵐電嵯峨
- 竜安寺道→龍安寺
- 御室→御室仁和寺
- 高雄口→宇多野
- 等持院→等持院・立命館大学衣笠キャンパス前
函館市企業局交通部(湯の川線/大森線/本線/宝来・谷地頭線)
北海道函館市の公営鉄道。なお、「函館市企業局交通部」は現在の名前であり、ゲーム当時は「函館市交通局」。車両は当時の現有車両ほとんどを運転でき、一部を除き函館市電名物の広告電車となっている他、観光車両の函館ハイカラ號を運転することも。
なお、この路線のみランダムで雪が降る*9。この場合「電車でGO!」プレイヤーならお察しの通り性能低下が発生する。
この路線は下りのみ十字街でポイントを手動操作する。その方法は、進路表示器の方向が直進を示している間にトロリーコンダクターを叩くと直進方向へ転換、左折を示している間にトロリーコンダクターを叩くと左方向へ転換する。
教官は山口風花(CV:徳光由禾)。コートを羽織った眼鏡の女性。観光案内はお淑やかでマイペースな雰囲気。
☆収録車両
- 500形529
- 710形715
- 710形724
- 800形810
- 1000形1007
- 3000形3004
- 8000形8001
- 8000形8004
- 函館ハイカラ號(30形39)
500形はかつての主力だったが、現在はイベント用車両と増発用に残るのみで529は廃車済み。
710形は現在の主力車両だが、後継の9600形へ置き換えが進行している。800形はゲームに登場する810も含めて8000形に改造されたため812しか現存しない。1000形は元東京都交通局の車両だが撤退済み。ちなみにゲームに登場する1007は東京都交通局標準色に塗り替えられたものである。
3000形と8000形はどちらも現在の主力車両であり、車両性能が非常に高い。なお、2000形は3000形とたいして違いがないのが災いしてか現有車両で唯一登場しない。
30形は「ハイカラ號」。もともとは明治時代に製造された車両を除雪車に改造し、それをさらに観光車両に復元したという経歴を持つ。
☆収録路線
- 5番系統西行き/湯の川→函館どつく前(一般車のみ)
- 5番系統東行き/函館どつく前→湯の川(一般車のみ)
- 2番系統西行き/湯の川→谷地頭(一般車のみ)
- 2番系統東行き/谷地頭→湯の川(一般車のみ)
- 5番系統西行き(駒場車庫出庫)/駒場車庫前→函館どつく前
- 5番系統東行き(駒場車庫入庫)/函館どつく前→駒場車庫前
- 2番系統西行き(駒場車庫出庫)/駒場車庫前→谷地頭
- 2番系統東行き(駒場車庫入庫)/谷地頭→駒場車庫前
- 5番系統西行き(ハイカラ號)/五稜郭公園前→函館どつく前(30形のみ)
- 5番系統東行き(ハイカラ號)/函館どつく前→五稜郭公園前(30形のみ)
- 2番系統西行き(ハイカラ號)/五稜郭公園前→谷地頭(30形のみ)
- 2番系統東行き(ハイカラ號)/谷地頭→五稜郭公園前(30形のみ)
全線が軌道法準拠の路線。電停数や交通信号が多いため、ゲーム内では最も難易度が高い部類に入ると言える。また、五稜郭公園前・松風町・函館駅前・十字街には信号操作停止があり、トロリーコンダクターで電車用信号を操作しなければならない。
なお、宝来・谷地頭線の下り青柳町→谷地頭には一時停止ポイントがあり、ここで一時停止できるとボーナスが入る。
函館ハイカラ號はこの当時は五稜郭公園前折り返し運用限定だったため、それに合わせて入出庫運用を除いて五稜郭公園前発着となる。なお、本来ハイカラ號は春~秋の土休日のみ運行のため、雪とハイカラ號の組み合わせは見られない。また、実際のハイカラ號には車掌がおり、鉄道むすめにもなっている。
追記・修正は全路線のスペシャルムービー(各線20000Pt達成で出現)を出してからお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- 観光案内無くして流鉄を入れたリメイク版希望 -- 名無しさん (2019-01-30 13:22:50)
- 観光案内を何故フルボイスにしたし -- 名無しさん (2019-09-27 00:37:22)
- アーケード準拠がよかったな…江ノ電だとドアが閉まってからちゃんとブザー鳴ってたし -- 名無しさん (2020-10-24 20:02:06)
- 残念ながら305Fも対向車として登場するが運転は不可…もったいない -- 名無しさん (2021-02-23 15:41:46)
- ゲーム内でも江ノ電の4両停目は設置されており、それに関連するボイスも用意されいた。(何らかの理由でボツになった?) -- 名無しさん (2021-07-14 04:48:34)
#comment
*2 設定で自動にすることも可能
*3 アーケード版出身の作品はナビゲーションシステムが搭載されていないが、今回はそもそも列車速度が低いので制限や信号の予告が出てから減速しても十分間に合う
*4 「がんばれ運転士!」ではイージー・ノーマルが「のんびり運転」、ハード・ベリーハードが「ほんもの運転」
*5 「がんばれ運転士!」では他のシリーズと同じく鉄ちゃんが担当
*6 他の路線は「車両前後」のドア「両方」を開け閉めするが、この路線は「車両左右」のドア「どちらか」を開け閉めする
*7 ちなみにこの区間も「鉄道線」のため、実は列車がこの信号に従う義務はない
*8 そのため、ホームが3両分しかない腰越駅での停車位置もホーム内のみとなる。実車の4両編成は鎌倉方1両がホームをはみ出すため、鎌倉行きでは停止位置がホームのない位置になる。
*9 というか、確率的にはランダムで晴れると言った方が近い
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧