登録日:2011/06/15(水) 00:40:19
更新日:2023/08/10 Thu 12:09:08NEW!
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マグマ 隕石 東宝 特撮 映画 怪獣 アルマゲドン 山本弘 東宝特撮映画 ゴラス ディープインパクト 超トンデモ作戦←実現可能? 地球移動作戦(ハヤカワ文庫) 怪獣←蛇足 天体衝突 妖星ゴラス かいけつゾロリ パニック映画 不遇怪獣 地球滅亡の危機
あなたは人類滅亡級の隕石が地球に衝突する映画といったらどんな映画、また解決方法を思い浮かぶだろうか?
有名な作品でいえば、『アルマゲドン』『ディープインパクト』の隕石を爆破、『地球最後の日』の抽選で当たった者による地球脱出があるだろう。
しかし、我らが変態国家日本にはもっと凄い手段で地球を天体衝突から救った映画がある。
それが1962年3月21日に公開された東宝映画「妖星ゴラス」である。
【目次】
1.【あらすじ】
ある時質量は地球の6000倍(木星20個分!!)で3/4の大きさになる移動する天体、ゴラスが発見される。
調査の結果、ゴラスは何と地球に衝突することが判明する。
対策が検討される中で、この危機を救うべく日本からある驚くべき提案がなされるのだった。
地球を移動させて衝突を回避させると
2.【概要】
本作は日本では数少ない天体衝突を描いた作品である上に、上記の手段で危機を救うSF大作である。
この地球を移動させるというアイデアは東大の教授に裏付けを頼み、なんと可能であるというお墨付きをもらっている。
怪獣や戦争映画が中心となっていた東宝特撮作品であるが、本作では天体衝突の危機や大津波等を中心にしたスペクタクルを描いた作品である。
本作では特撮スタッフもはりきり、ステージ全てに南極のセットを作り機材が入らなくなったというエピソードもある。
また、水没した東京は利根川の水中にセットを組むという手段で表現された。
科学によって地球を救うという、科学に希望を持てた時代の作品であり、
地球の危機に対しても前向きに解決しようとする姿勢が、今の時代となっては少々眩しい作品である。
本作は考証に裏打ちされたセンス・オブ・ワンダー、陽性で且つ錬られたシナリオ、充実した特撮(マグマ除く)により、
東宝特撮の中でも良作と言える作品だろう。
また、平成ゴジラ等で有名な川北紘一の初参加作品でもある。
後の『ゴジラ FINAL WARS』では、X星人から地球に迫る脅威としてゴラスの名前が出る。
X星人のでまかせと思われていたが、終盤モンスターXが偽装していた天体がDVDでは真の妖星ゴラスであるとされている。
小説は『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』では、2042年に地球に激突すると計算されゴジラ以上の脅威として戒厳令が敷かれていた。
人間と同様に、その脅威を感じ取ったゴジラと怪獣Мが互いに喰らい合い、勝利し、力が統合されたゴジラによって、荷電粒子砲で破壊されている。
オマージュ作品としては、山本弘の小説『地球移動作戦』がある。
こちらでは本人の作風等もあってか「地球移動作戦を世界に認めさせるまでの苦闘」が書かれたり、怪獣の代わりとしてカルト集団の妨害が起こっている。
またその前に書かれた吉岡平の『宇宙一の無責任男』シリーズのラスト3作(「無責任大統領タイラー」・「風速四十光年」・「永遠なれ無責任男」)では、
「銀河を次々飲み干す移動ブラックホール」に対して「銀河ごとワープして逃げる」という本作をイメージしたらしき解決案がとられている(ここでも敵はカルト集団)。
原ゆたかによる児童書『かいけつゾロリ ちきゅうさいごの日』では本作と同様の方法で隕石を回避した。
実際は結果オーライなのだが、その奇跡を起こしたものは……ゾロリなのでお察しください。
3.【登場人物】
◆田沢博士(演:池部良)
地球の危機に対して地球の移動で回避するという方法を提案した人。
少々やる気なさげな池部良氏の淡々とした演技が、冷静さと堂々さを醸し出しており、危機なのに何となく安心出来る。
◆金井達麿(演:久保明)
ゴラス調査に向かった宇宙船鳳号の船員。
ゴラスに接近した際にショックで記憶を失う。
◆園田雷蔵(演:田崎潤)
宇宙船隼号の船長。最初にゴラス近付き、正確のデータを測定するために接近し過ぎたために犠牲となった。
◆園田博士(演:志村喬)
生物学の博士。マグマ出現にワクワクしていた。
4.【登場メカ・怪獣】
◆隼号
当初は宇宙観測のために打ち上げられた日本の宇宙船。ゴラス発見に伴いゴラス観測をし、地球に貴重なデータを残した。
ゴラスに接近し過ぎたために犠牲となった。
◆鳳号
ゴラス観測のために打ち上げられた宇宙船。こちらは任務を果たし帰還した。
船長役に平田昭彦氏、副長役には佐原健二が起用されている。
◆VTOL機
国連所属の飛行機。マグマ出現に際し調査と撃退を行った。強力なレーザー攻撃が可能。
本機の木型は『ウルトラマン』のジェットビートルでも使われた。
◆ジェットパイプ基地
南極に作られた地球移動の為の切り札。海水から得られる水素を利用したジェット推進により地球を移動させる。
世界中が協力しての突貫工事で建設され、途中では様々な事故やマグマ出現に困らされた。
プロパンガスを利用してジェットの表現が行われ、風の影響を受けないように屋内撮影をした所、撮影所が蒸し風呂状態になったとのこと。
◆南極怪獣マグマ
身長:50メートル
体重:2万5千トン
南極に基地が建設され、ジェットパイプが起動した後の熱で目覚めた怪獣。
巨大なトドかなんかにしか見えないが爬虫類である。
ジェットパイプ基地を襲い、地球移動の行程を大幅に遅らせる。VTOL機のレーザー攻撃で倒された。
本作最大の蛇足であり、批評家からの評判も悪く、海外での公開ではカットされている。
なんでこんなものが入ってしまったかというと、クランクアップ前に東宝上層部の「円谷特撮なら怪獣でしょ」の声で無理やりねじ込まれたため。
本多監督は反対していたそうである(出すと決まってからは積極的に関わっているが、登場自体は後年のインタビューにおいて、本作について「南極であの動物さえ出なかったら、自分でも一番好きな作品」とコメントしている)。
本作から特撮現場に参加した川北紘一によると、このマグマと志村らが絡む一連のシーンは、本編監督の本多ではなく、円谷が演出を行ったそうである。
頭部造形は利光貞三、胴体は八木寛寿、八木康栄による。スーツアクターは手塚勝巳、中島春雄。
体色は褐色系、目は電飾で青色に発光する。ジェットパイプの炎が燃え移るのを防ぐため防火剤が塗られている。
2尺サイズのギニョールモデルも用意され、細かい動きはこちらでこなしている。ギニョール操作者は造形スタッフの開米栄三。
特殊美術スタッフだった村瀬継蔵は、このマグマの牙の素材に、本邦で初めて「ポリ樹脂」を使用し、それまで表現できなかった鋭さを実現している。
特技監督の円谷は「どこでそんな象牙見つけてきたんだ?」と驚き、新素材によるものであることを説明され、大喜びしたそうである。
そんなこんなで天下の円谷英二が本気で作っただけに無駄に特撮の出来が良く、映画の出来と切り離したところではそれなりに人気がある。
準備稿では単に「恐龍」と記されており、爬虫類という設定はその名残と言われている。
着ぐるみは『ウルトラQ』のトドラに流用された*1。『怪獣総進撃』にも当初は登場予定だった。
東宝オールスターバトルロワイヤル小説『GODZILLA 怪獣黙示録』では2024年に北朝鮮に出現。
北朝鮮を徹底的に蹂躙して滅ぼした後、韓国・ソウルに進撃。合衆国が在韓邦人の保護を理由に戦術核の使用に踏み切る事態を招いてしまった。
最終的には戦術核行使によって殲滅された模様。
妖星ゴラスを何とか出来る人は追記・修正をお願いします。
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▷ コメント欄
- 監督はマグマに反対してたけど、出すのが決まったら最高のマグマを作ることに腐心したとか。プロだよな… -- 名無しさん (2013-10-31 08:43:15)
- マグマ目当てで映画館に足を運んだ子供達がいた事が今でもここまで評価される龍の一つだって意見を見た事がある。 -- 名無しさん (2013-11-29 00:30:15)
- 『かいけつゾロリ』でおならで地球を動かして隕石を回避するって話があったけど、これが元ネタかな? -- 名無しさん (2013-11-29 00:36:10)
- ↑あったねー、オナラパワー恐るべしwww -- 名無しさん (2013-11-29 00:38:08)
- ペガッサ「動かす方法あるやんけ!」 -- 名無しさん (2013-11-29 07:53:41)
- ゴラス映画見てみたい -- 名無しさん (2013-11-29 08:00:40)
- 空想科学読本で一番笑った項目を上げろと言われたら「加速しすぎて地球をぶち抜いて北極の空からブースターが飛んでいき、何の甲斐もなく妖星ゴラスと正面衝突する地球」か「分離した結果つわりに苦しむ小さいゴテンクス×2」だなw -- 名無しさん (2014-06-09 17:28:02)
- ↑×5それと、カービィにもこれと似たようなのがあったな。しかも迫ってくる隕石の名前が「ゲラス」www -- 名無しさん (2014-06-10 18:52:39)
- 宇宙船地球号。生命が唯一居住出来る宇宙船もとい惑星だから間違ってないかも。その宇宙船の中で未だに戦争している人類は愚かということなのだろうか。 -- 名無しさん (2014-08-28 22:27:14)
- ↑賢くはないわな。しがらみが大きすぎて抜け出せない事を抜きにしても -- 名無しさん (2014-11-08 14:44:16)
- ディープインパクトの彗星(蚊・羽虫)>>越えられない壁>>アルマゲドンの小惑星(大陸弾道弾・超音速ミサイル)>>越えられない壁>>妖星ゴラス(小惑星衝突) そら逃げるわ -- 名無しさん (2014-12-18 14:44:41)
- ウルトラマンAのメトロン星人Jrとドラゴリーの回に出る妖星ゴランってゴラスを元ネタにしているよね -- 名無しさん (2015-02-06 20:55:35)
- ↑3不等号の使い方間違ってるぞ -- 名無しさん (2016-03-04 20:45:50)
- 別の形でマグマ再登場しないかな -- 名無しさん (2016-07-27 13:51:34)
- ヤマト復活篇でも地球を動かす案は出たらしいな。でも不可能で結局移民にしたけど、23世紀の技術で不可能なことをやってのけた東宝時空の地球すげえ -- 名無しさん (2017-07-24 10:31:36)
- だけど、無理して動かそうとしたら、軌道から落下して太陽に落ちちゃったりしないんだろうか?移動の計算が間違ってたらやばいかも。 -- 名無しさん (2017-07-24 12:06:24)
- ↑ そりゃ公転するライン上から外れたら太陽に近づいたり、逆に離れたりするだろうね。公転の進路からずれずに動けばいいはず。本編見てないから加速/減速した後どうやって元と全く同じ速度にするのかが多大だが -- 名無しさん (2017-09-07 09:22:34)
- ↑ ×多大 ○課題 失礼。 -- 名無しさん (2017-09-07 09:24:11)
- メーベルの大予言!の元ネタか -- 名無しさん (2017-11-23 20:58:16)
- フジリューが封神演義の前にジャンプでやってた超能力漫画のクライマックスで超能力者を結集してこんなことやってた記憶がある -- 名無しさん (2017-12-02 09:11:24)
- まさかね、プロジェクト・メカゴジラで出てくるとは思わなかったよ。しかもあんな役で。「あり得る。奴なら……」と思えるのがアニゴジのやばさ -- 名無しさん (2018-05-01 21:43:38)
- ↑ 果たして中身はモンスターXだったのか、それともスペースゴジラかあるいは全く別の存在か……どれもあり得るから怖い -- 名無しさん (2018-05-01 23:09:22)
- ↑モンスターXだろう。元ネタ2はFWだし。でもあれ、迎撃されたけど生きてたんだよな……Xも二万年の間どっかで力を蓄えていたのかも -- 名無しさん (2018-05-03 22:44:34)
- 蛇足扱いされるマグマだが、こいつのおかげでSF映画としてだけでなく怪獣映画としても扱われて後の書籍などでも取り上げられやすく、この映画の知名度アップに貢献しているのではないか -- 名無しさん (2018-05-16 07:01:34)
- ↑ぶっちゃけ怪獣要素抜きでも東宝の特撮作品という扱いで書籍には割と頻繁に取り上げられてるから知名度云々の効力は無いと思うよ。ていうか、マグマって書籍だと妖星ゴラスの紹介記事の端っこに記載されてるくらいのぞんざいな扱いされてるし -- 名無しさん (2018-05-16 09:47:27)
- ↑現代ではそのとおりなんだが、まだ特撮映画が子供向け書物にしか載せてもらえなかった時代には、マグマの存在が大きく影響してたんだよ。 -- 名無しさん (2018-11-07 00:11:04)
- マイナーだけど日常の小説の日常の夏休みの妖星バラスはこのオマージュだったね。結果的に地球破壊して隕石に移住するラストはぶっ飛び過ぎて好き -- 名無しさん (2019-07-01 18:00:42)
- 小さい頃、怪獣図鑑でマグマの存在を知ったころは、てっきり彼は妖星ゴラスに住む四次元怪獣か何かだと思っていた。「ウルトラQ」のトドラの存在は知っていたので。 -- 名無しさん (2020-11-02 22:05:36)
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