ウルトラQ

ページ名:ウルトラQ

登録日:2011/11/03 Thu 10:30:00
更新日:2023/08/08 Tue 17:02:09NEW!
所要時間:これから約 21 分間、あなたの目はあなたの身体を離れ、この不思議な時間の中に入って行くのです



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あなたの隣の方



その人も宇宙人かもしれませんよ



『ウルトラQ』とは円谷プロダクションが製作したTVシリーズであり、以降も続いていく『ウルトラシリーズ』の原点となった作品。
ただしウルトラマンは登場しない。


+ 目次-

【概要】

元々の企画時タイトルは『アンバランス』であり、海外ドラマ『ミステリー・ゾーン(The Twilight Zone)』や『アウターリミッツ』を意識したSF色の強い路線を目指していた。
東京オリンピックにて流行語となった、当時の最高難度の技『C』を超える技『ウルトラC』も意識して、
「アウター」を「ウルトラ」に、「ミステリー」を「Q(クエスチョン)」に変えて『ウルトラQ 』に決定した。


しかし、世は怪獣ブームの真っ只中であり、東宝を始めとする様々な映画会社が怪獣映画を製作して子供達を魅了していたことから、放送局であるTBSサイドは「怪獣をメインに据えた番組にしてほしい」という要望をしたため怪獣路線に変更。


なんせゴジラの生みの親である円谷英二の肝いりの企画なのだから、「怪獣映画のパイオニアとして、元祖の貫禄を見せつけてほしい」という気持ちもあったのだろう。


本作にはウルトラマンのようなヒーローは登場しないが、結果的にその後のウルトラシリーズと怪獣のキャラクターの原型を作った原点となった。


また、当時は何もかもが手探りの状態であったが故に、まだスポンサーや放送枠も決まっていない段階から製作が始まっており、あらかじめ全話を完成させてからの放送となった(放送順は後になって決めたため、それぞれ製作時期によって少しずつ作風が異なっている)。


円谷プロはとにかくクオリティの高さを最優先していたため、ハンパじゃなく高額だったオプチカル・プリンターなる映像合成装置を後先も考えずにポンと購入したり、
一般的なテレビ映画に使われる16mmフィルムではなく劇場映画に使われる35mmフィルムを採用したりと命知らずな行動を連発したが*1、それ故に今でも色褪せないほどの傑作群が世に生まれることとなった。
また、そのクオリティ最優先ゆえの賜物か、他のウルトラシリーズと違いシネテープ*2が現存しており、高品質な音声が保たれているのも後世の人間が観賞するにあたって嬉しい要素だったりする。


怪獣映画全盛期、しかも娯楽の少なかった当時にあって、「テレビさえあれば怪獣映画を毎週タダで観られる」という衝撃は相当なもので、日本中の子供たちが釘付けになった。
当時『マグマ大使』の実写化で怪獣路線の先駆者となるも、結局客を本作に取られた手塚治虫曰く「週刊ゴジラ」


本作に登場した怪獣達はその後のウルトラシリーズにも登場することが多く、ウルトラシリーズにおける本作の位置づけとしては、『ウルトラマンZOFFY』及び『ウルトラマンメビウス』において、「ウルトラマン地球を訪れる以前、人間が自分達の力で怪獣と戦っていた時代」として扱われている。



【登場人物】

●万城目淳
(演:佐原健二)
民間航空会社・星川航空のパイロット。
高い行動力と冷静沈着な判断力と窃盗団と戦う勇気も持ち合わせている。
SF作家の副業も持っている。


●戸川一平
(演:西條康彦)
星川航空のパイロット。
ひょうきんな性格で淳の弟分の様なポジション。
由利子に好意を寄せているのか、ネックレスの様な物(実は怪獣の卵)をプレゼントしたりした。


●江戸川由利子
(演:桜井浩子)
新聞社・毎日新報の社会部のカメラマン。
好奇心旺盛な明るい性格。
特ダネを求めて日夜、怪事件を追い掛け、日本を飛び回る。
演じた桜井浩子は本作で役者デビューし、次作「ウルトラマン」でもフジ隊員として続投。
そのイマイチ微妙な演技力は今なお健在。


●杉本
(演:宇野晃司)
毎日新報のカメラマン。新婚だったが故に後半のエピソードで事故に遭い死亡。


●相馬
(演:加藤春哉)
毎日新報の記者。


●関
(演:田島義文)
毎日新報の社会部のデスク。
特ダネを優先しながらも、ゴローを助けたりと、情に厚い所もある。
超常現象に懐疑的ながら、一度原因がはっきりすると一転して対策に尽力する頼もしい存在となる。


●一ノ谷博士
(演:江川宇礼雄)
文字通り、一ノ谷研究所の博士。
この手の番組ではお馴染みの、もはや何が専門なのかも分からない万能すぎるチート科学者で、事件を解くには欠かせない人。
実は制作順では1クールで降板している(本作は放送順と制作順が異なるため)。
本作と『ウルトラマン』の間に起こった出来事を描いたPCゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出動せよ!』*3によると、科学特捜隊は、一ノ谷博士らが中心となって日本支部を立ち上げたという設定になっている。
当初は彼自身もメンバーであったが、第1話「科特隊日本支部誕生」にて、六角村で核露怪獣ゴルドキングと戦った際に大けがを負って引退を余儀なくされ、その後ほどなくして亡くなった。


●本多
(演:岡部正)
一の谷研究所の助手。


●ナレーター
その正体は当時まだ一介の大学生だった石坂浩二(24歳)。アルバイト感覚で引き受けていたらしい。 


一説には、このレギュラー陣が事件に遭遇し過ぎてまるで彼らが事件を呼んでいるかのように見え始めたので次回作からは怪獣を追う専門チームを登場させることにしたという。


ファンによっては星川航空、毎日新報、一の谷研究所も合わせてウルトラQにおける防衛チームと認識されており、作中では以下の怪獣達が万城目たちによって撃退されている。


  • ナメゴン(二体を撃破。二体目は本編では直接描写されないが倒されたことが示唆されている)
  • ジュラン
  • ゴルゴス
  • タランチュラ(二匹を撃退)
  • ガラモン(二回登場。電子頭脳の電波を遮断して全10体(1回目:1 2回目:9)が倒された)
  • パゴス
  • ケムール人
  • ボスタング
  • スダール
  • ゴーガ
  • トドラ

直接倒せてはいないがゴローは眠らせて無力化し、二回登場したペギラやバルンガはいずれも撃退はできなかったが追い払うことには成功。
巨人やリリーは倒したとは言えないが、どちらも一の谷博士の発明によって事態が解決した。


このため、半ばジョークではあるものの万城目たちが倒した巨大怪獣の数は科学特捜隊やZATをも追い抜いて1位という驚異的な記録となっている。



【主な登場怪獣・宇宙人】

●古代怪獣 ゴメス
1話に登場した怪獣。リトラと共に、ウルトラシリーズの記念すべき初怪獣となった。
地殻変動の影響で目覚め、工事現場を襲う。弱点はリトラの持つシトロネラ酸。
着ぐるみはゴジラの改造品。


『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』にも(巨大化して)登場、マグラーやゴモラ・リトラ組と戦う。
それ以降も『ウルトラマンサーガ』や『ウルトラマンX』、『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンR/B』『ウルトラマンZ』に登場、しかも前者2作品では着ぐるみ改造元のオマージュがなされた。
特に『X』の個体は「ゴメスに変装したゴジラだったのではないか」と言われる事も……


●原始怪鳥 リトラ
ゴメスと同じく、工事現場から卵として登場。
生まれると、ゴメスに立ち向かう。
最後は自分の命を失うシトロネラ酸を使用する。


後の『大怪獣バトル』シリーズでは、主人公レイを乗せて活躍する。


着ぐるみはラドンの跳び人形の改造品。


●巨大猿 ゴロー
聾者の青年・五郎と共に育った猿が旧日本軍の体力増強剤・青葉くるみを食べ過ぎたことで巨大化した姿。
キングコングではない。
イーリアン島という南海の島にも同じく青葉くるみを食べたことで巨大化してしまった猿がおり、現地民と共存している。


●火星怪獣 ナメゴン
火星から贈られた金の玉の正体。2体存在する。
その名の通りナメクジのような姿をしており、塩水をかけると溶解する。目からは殺人光線を発射する。


『ウルトラマンメビウス』『ウルトラマンZ』にも名前だけ登場。


●巨大植物 ジュラン
古代に咲いていた巨大な吸血植物。「マンモスフラワー」と呼ばれる。
根で人間の血を吸い、花からは毒花粉を撒く。
登場回を製作するにあたって、スタッフは無謀にも皇居のお堀でゲリラ撮影を敢行しようとしてエラい目に遭った…という逸話が、都市伝説的に語り継がれている。


『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』にも登場。ピンク色の花を咲かせ、リトラと戦う。


冷凍怪獣 ペギラ
南極に棲息する怪獣。
口から零下130度の冷凍光線を吐く。
弱点は南極の苔に含まれるペギミンHであり、それを詰めた気象観測用ロケットをくらい、姿を消す。
一年後に南極の温暖化を理由に東京に飛来し、真夏の東京を襲う。
本作終了後、新しく耳を付けられてウルトラマンのチャンドラーに改造された。


『ウルトラマン』企画段階のサンプルストーリー「凍る極光ライン」『ウルトラセブン』の企画段階でのカプセル怪獣、同作の未制作脚本「宇宙人15+怪獣35」、映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』以前に企画されていた『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の続編作品、『ウルトラマンサーガ』に再登場が予定されたがいずれも没になり、『ウルトラマンメビウス』や『大怪獣バトル』では死体でしか登場しない。
だが『ウルトラマンX』で、回想シーンのみだが再登場を果たした。15年前にスパークドールズから実体化し、シンガポールを氷漬けにしたとされている。OPではウルトラマンXと戦うシーンがあり、ウルトラ戦士との初交戦が期待されたが……本編ではしなかった。
だが『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』にて、実写作品初登場のウルトラマンリブットと対決した事で、ようやくウルトラ戦士との対決が実現。
『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」ではウルトラマンゼットとドッグファイトを繰り広げた。
後に『ウルトラ怪獣擬人化計画』で萌え尻尾ツインテール幼女化された(イラストレーター:今泉昭彦)。


●大ガメ ガメロン
太郎少年の飼っていた亀が人間大にまで巨大化した姿。
空を飛べるが、ガメラではない。


●万蛇怪獣 怪竜
太郎が迷い込んだ不思議な空間で出会った謎の少女、乙姫のボディガードを務める怪獣。


●岩石怪獣 ゴルゴス
富士山の麓の泉から飛び出てきた巨大岩石が怪獣化した存在。
体内に核を持っており、破壊されない限り岩石の体をバラバラにされても復活する。


●モグラ怪獣 モングラー
新開発の栄養剤・ハニーゼリオンを摂取し過ぎたことで巨大化してしまったモグラ。


●大グモ タランチュラ
古ぼけた洋館に住む巨大な蜘蛛。2匹登場する。
クモ男爵と呼ばれるをクモをこよなく愛していた人物と、その一人娘の化身ではとされている。


[[●人工生命 M1号>人工生命M1号]]
地底超特急「いなづま号」に手違いで乗り込んでしまった人工生命体。
当初はケースに保管された素体の状態であったが、カメラのフラッシュを浴びたことがきっかけで細胞が急成長し、猿のような姿になった。
ワタシハカモメ、ワタシハカモメ……


ガッツ石松ではない。ダウンタウンの浜ちゃんでもない。朝潮でもない。


ウルトラゾーン』では準レギュラー格として活躍した。
『ウルトラマンX』第19話「共に生きる」にも登場。こちらは長い年月のうちに高い知能と超能力を得ていたようだ。


[[●風船怪獣 バルンガ>風船怪獣 バルンガ]]
宇宙を漂い、どんなエネルギーでも吸収して無限に成長していく怪獣。というか、もはや生物なのか何なのかも分からない。
東京に出現し、都市機能を麻痺させた。
力での排除ができないので歴代ウルトラシリーズの中でも屈指の難敵と言われる事もあるが、ゲーム『怪獣バスターズ』ではじゃんじゃん狩られていく。


ちなみに、どんな体色をした怪獣だったのかはスタッフの間でも記憶が食い違っており、カラー化の際には想像で彩色をせざるを得ない状況になったと言う。


なお、元ネタはアメリカのSF短編小説と言われており、そちらではさらに恐ろしいオチになっている。


[[●古代怪鳥 ラルゲユウス>ラルゲユウス(ウルトラ怪獣)]]
第三氷河期以前に絶滅した鳥の一種。
通常は文鳥くらいの大きさと生態だが、夜になると凶暴化し数十メートル大にまで巨大化する。
1000年近く前の船と共にタイムスリップして現代に現れた。


[[●コイン怪獣 カネゴン>カネゴンの繭(ウルトラQ)]]
金を集めるのが趣味という少年・加根田金男が手に入れた繭の影響で変身した姿で、金を食べ続けないと左胸のカウンターが0になり餓死してしまう。
元の姿に戻るには、彼と敵対し、「ヒゲ親父」と呼ばれている口うるさい現場監督*4を逆立ちさせよ、と胡散臭い占い師からお告げを受けたことがきっかけで、友人も巻き込んでの珍道中に発展。
占い師の言っていたことは本当であり、最終的になんとか金男の姿に戻ったが、今度は(日頃から彼の意地汚さを叱っていたはずの)彼の両親が、人の落とした金をネコババしたためカネゴンになっていた。


ウルトラQに登場する怪獣の中でもトップクラスの知名度を誇り、『ウルトラマンゼアス』や、後述の『ウルトラQ dark fantasy』でもアレンジされた怪獣が登場している。
またゲーム『大怪獣バトル』ではレイオニクスとして登場する。
レッドマン』では、凶暴な怪獣ではないにも関わらずレッドマンと戦わされる羽目になっていた。
『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』にも少しだけ登場。
そして2020年(令和2年)の『ウルトラマンZ』第13話「メダルいただきます!」で、ついにテレビウルトラマンにゲスト出演した。


この回のみ、淳たちレギュラー陣が登場しない。


●隕石怪獣 ガラモン
地球を侵略しようとする遊星人から送り込まれたロボット怪獣。激しく暴れ、ダムを破壊する。
再登場では複数出現し、東京を廃墟にする。


怪獣図鑑では身長40m、体重6万tと書かれているものが多いが、再登場したものは個体ごとに大きさが異なるらしく、東京タワーを倒した個体は明らかに40mでは縮尺が合わない。
そのため、一部の資料では再登場版は身長 40m~100m、体重6万t以上とされている。


ピグモンとの関係は他人(他獣?)の空似らしい。


『ウルトラマンコスモス』『ウルトラQ dark fantasy』にもリメイクキャラが登場。


●宇宙怪人 セミ人間
ガラモンと共に遊星人から送られた派遣社員。
中性的な容姿の人間に化け行動する。準備稿では中性的な風貌の美輪明宏がイメージキャストとして挙げられていた。
見た目はキャストオフした初代バルタン星人。と言うかバルタンがこのセミ人間の改造。


『ウルトラQ dark fantasy』にもリメイクキャラ「セミ女」が登場。こちらは女性で、人間の女に化け、警官の前で全裸をさらした。
またセミ女は『ウルトラマンX』に宇宙人犯罪組織の一員として登場して以降、ちょくちょく映像作品で再登場の機会が与えられている。


●八分の一人間
人口が増えたことに対処するために小さくなり暮らす人々。だが、実は……?


地底怪獣 パゴス
かつて北京にも出現したこともある地底怪獣。
口からは金色の破壊光線を吐き、好物のウランを求めて暴れ回る。


『ウルトラマン』では再登場が予定されていたが、実現はせず新怪獣ガボラとして生まれ変わった。


誘拐怪人 ケムール人
2020年の世界に住む宇宙人であり、人類のひとつの可能性とも言える存在。
医学の発達によって500歳まで生きるが、肉体は衰えていく。そのために若い地球人を誘拐し、その生命力を取り込もうとする。
タクシーで追跡しても普通に走って逃げ切れる程度には身体能力が高く、この場面はファンの間では有名。
『ウルトラマン』にも少しだけ登場。特に何もせず、ただ立ってただけで消えたので、立体映像という説もあり。
後にスーツを着込み、頭を少々ずらしてゼットン星人になる。
スーツアクターを担当した古谷敏氏はそのスタイルの良さに惚れた成田享氏の強い要望によりウルトラマンのスーツアクターを担当する事になる。


ウルトラマンギンガ』ではスパークドールズという形とはいえ、初のウルトラ戦士との対決が実現した。
『ウルトラマンX』第9話「われら星雲!」ではラグビーをしたり、宇宙人犯罪組織の一員として登場したりした。ちなみに前者はゼットン星人と共演している。
『ウルトラQ dark fantasy』にもリメイクキャラが登場。
劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』にも少しだけ登場。一行に他の宇宙人と纏めてしばき倒された。
そして2020年、『ウルトラマンZ』第17話「2020年の再挑戦」では……?


海底原人 ラゴン
かつて地球を支配していたという海底原人。知能はゴリラ程度だが、音楽を好む性格。
登場した個体は雌。おそらく爬虫類から派生した生命体であるくせに胸が膨らんでいる。
ウルトラQに登場した怪獣では珍しく、『ウルトラマン』でも雄の巨大な個体がメイン怪獣として再登場。口から光線を発射しウルトラマンと激戦を繰り広げた。


ウルトラゾーン』でもレギュラーとして活躍し、『ウルトラマンギンガ』でも雌が再び活躍の機会を得た。
『ウルトラマンオーブ』では親子で登場、『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』では水の惑星リクエターの住人として登場し、どちらも怪獣に襲われたところをウルトラマンに助けられる存在であった。


キール星人
地球を狙い、「宇宙エイ ボスタング」を送りこんだ宇宙人。名前のみが語られ、劇中でその姿を現す事は無かった。


その後、『大怪獣バトルシリーズ』にて大々的にフィーチャーされ、地球人によく似た全身も明らかになっている。


●宇宙エイ ボスタング
キール星人が操る怪獣。その名前の通りエイそっくりの姿をしている。


ルパーツ星人
キール星人と敵対する宇宙人。地球人には友好的。


●巨人
由利子の友人あや子の婚約者浩二が巨大化した姿。
巨大モルフォ蝶の毒鱗粉を浴び、喉に猛烈な渇きを覚えて近くにあった沼の水を飲むことによって変身。
記憶や理性を失い、村を襲う。


最終的にはあや子の心の叫びにより正気を取り戻し、一ノ谷博士によって開発された熱原子X線によって人間に戻る。
演者は後にウルトラセブンバド星人に利用されるミヤベ博士を演じている。
書籍によっては、モルフォ蝶の鱗粉が巨大化した原因としている。


『ウルトラQ』企画時のタイトル『UNBALANCE』としての最初の台本(第1稿)では、骨子は完成作品とほぼ同一だが、クライマックスで巨人となった浩二があや子と会話を交わすシーンの存在、浩二が熱原子X線によって元の姿に戻った直後に絶命するという点が異なる。
特にこれといった着ぐるみを使っているわけでもなく普通に人間が演じており、しかも無事に事件が解決したため死んでもいないが、後にベリュドラのパーツになる。


大ダコ スダール
南海のコンパス島近辺を根城にする巨大なタコ。
島の原住民からは守り神と同時に祟り神としても恐れられている。


東宝特撮映画によく登場する巨大ダコの中ではサイズが最大で100メートルもある。
参考までにキングコング対ゴジラに登場したものが30メートルと圧倒的にサイズに差がある。


貝獣 ゴーガ
サザエのような貝殻をしたカタツムリのような怪獣。
6000年前にはアランカ帝国を一夜にして滅ぼした伝説も持つかなりの強者。
目からは溶解光線を発射し、貝殻のドリルで地底を掘り進んだりとかなりの芸達者。


悪魔ッ子 リリー
魔術師の養女リリーの肉体から分離した精神。
数々の人間を事故死させ、本体のリリーを殺そうとする。
後述の『ウルトラQ dark fantasy』にもリメイクキャラが登場。


●深海怪獣 ピーター
アリゲトータスという学名を持つ深海に生息するトカゲ。
周囲の気温の高さに応じて体の大きさが変化し、水中では小さいが陸上では人間大にまでなる。
さらに火などの高温にさらされてしまうと、数十メートル大にまで巨大化してしまう。


四次元怪獣 トドラ
霧に覆われた謎の四次元空間に住むアザラシのような姿の怪獣。
初回放送時は27話が最終話で次話には怪獣が登場しないため、事実上のウルトラQにおけるラスボスを務めている。


異次元列車
最終話「あけてくれ!」に登場。
現実に疲れた人々を異次元へといざなう空飛ぶ列車
異次元への道中に乗客の思い出の中を走り抜けるが、ぶっちゃけ死の直前の走馬灯にしか見えないため、それに危機感を覚えた乗客が脱出の意志を示すと普通に降ろしてもらえる。
しかし、ひとたびそうなると、その後如何に過酷な現実に疲弊しようと、二度と異次元列車に乗ることはできなくなる…。
ロマンスカータイプや都電タイプがある。


この話はあまりにも内容が難しいと言う事で初回放送の時には放送が見送られてしまった。
その後、初回再放送時の1967年12月14日に第24話として初めて陽の目を見たため、新24話とも呼ばれている。
現在の再放送やDVD,BDでは27話の後に放送されており最終話として扱われている。
本放送時は7月10日にウルトラマンの放送が繰り上げられることになったが、第1話「ウルトラ作戦第1号」がまだ納品されていない等スケジュールの遅れ(納品されたのは7月17日放送の4日前の13日)から、
急遽「ウルトラマン前夜祭」が放送された。


ちなみに、この話の中で登場した異次元列車の元になった車両はどちらとも引退しているが、都電の方(7514号)は現在も都内に保存されている。


同人誌「NEO FERAS ウルトラQ特集」ではアンバランスゾーンから生還した男を迎えた現実こそが真のアンバランスゾーンであったことからこの話をウルトラQの最終話としている。


また本来「怪獣」ではないはずなのに、なぜかジュランやM1号等を差し置いて『ウルトラ怪獣擬人化計画』で萌え少女化した。



【余談】

「ウルトラQ」放送後、その好評を受けて円谷プロは「ヒーロー役の怪獣を設定したうえで続編を作ろう」と考えたが、「主人公は怪獣よりヒーロー然とした姿にしよう」という意見が通り、地球人に友好的な宇宙人「ベムラー」が考案された。
そして、よりヒーローらしい姿を模索して「レッドマン」に変更された後、海外受けも考慮された結果、単純の美しさを追求した銀色の巨人となった。「ウルトラマン」の誕生である。


2004年にはリメイク版の『ウルトラQ dark fantasy』が放送された。内容はオムニバスであり、一部のストーリーは原作の続編になっている。
また、2003~2004年にはラジオドラマ『ウルトラQ倶楽部』が放送。こちらは完全なる続編となっている。


そして、『ネオ・ウルトラQ』が2013年に放送されている。


また、これらとは別に、2011年になって長年の間構想が続けられてきたウルトラQのカラー化が実現。
『総天然色ウルトラQ』として発売され、映像の一部は新ウルトラマン列伝でも使用されている。


なお製作初期における『トワイライトゾーン』フォロワー的部分は、後に同社で制作したオムニバスホラーミステリー『恐怖劇場アンバランス』に受け継がれ、『恐怖劇場アンバランス』の「オムニバスホラー」要素は放送されたフジテレビによって、『世にも奇妙な物語』に受け継がれた。


ウルトラマンが登場しないため、本作品の登場人物はのちのウルトラシリーズに客演することはほとんどなかった(名前が出てくるくらい)が、
大決戦!超ウルトラ8兄弟』では怪獣の専門家として、厳密に言えば「Q」本編の人物ではないが、万城目淳がテレビ出演するファンサービスがあった。






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*1 もっとも、これは、当時のオプチカル・プリンターが35mmフィルムにしか対応していなかったという事情もある。次作『ウルトラマン』以降は「基本は16mmフィルムで撮影し、合成が必要な箇所のみ35mmフィルムで撮影する」という方式がとられた(合成描写がある場面のみ映像の質感が微妙に変わっているように見えるのはそれも一因)。
*2 フィルム撮り作品における、音声部分のマスターテープ。特撮番組だと放送が終わり次第すぐに廃棄されてしまうことが多く、光学トラックにダビングされた音声しか現存していないことが多い。ウルトラシリーズだと、本作以外では「ウルトラマン80」で現存が確認されている程度。
*3 ちなみに円谷プロ公認。
*4 金男は友人たちと一緒に空き地で無許可でフリマをちょくちょく催しており、ヒゲ親父はそこの工事を任されている現場監督なので、それで彼らを疎ましく思っている。

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