異次元の神々(サガ3)

ページ名:異次元の神々_サガ3_

登録日:2017/03/30 Thu 06:18:21
更新日:2024/02/06 Tue 10:46:08NEW!
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『異次元の神々』は、スクウェア・エニックス(旧スクウェア)から発売されたGB用RPGゲーム『時空の覇者 Sa・Ga3 【完結編】』及び、リメイク作となるDS用RPGゲーム『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』に登場してくる架空の神性(怪物)。


※ゲームについては当該項目を参照。


その名のように異次元世界の神々にして主人公達の世界への侵略者であり、過去から未来までへの全時代に自分達の世界(異次元)と繋がる水瓶を出現させ、そこから涌き続ける大量の水と魔物により世界を水没させようとした。


曾ての戦いでは世界の創造主たるソール神と、その導きにより創造されたと謂われる神代の超兵器ステスロスを駆った者達により撃退され異次元に送り返されたというが水瓶は残り、世界の滅びが進む中で何時の日にか異次元の神々もまた還ってくると伝えられていた。
主人公達はこの水瓶により殆どの陸地が失われてしまった滅び行く未来世界から救世主となるべく過去世界に送り込まれた子供達(+α)であり、文字通りに時空を越えた決戦に挑んだのである。


【解説】

『サガ3』に於ける、ボスキャラクター及び、特殊モンスター。
カテゴリーはズバリ「神々」と紹介されている。
実は、GB版の発売された91年当時としてはまだまだ珍しかったクトゥルフ神話がモチーフとなっており、デザインが妙にシュールで気持ち悪いデザインだったのはそれが理由である。
DS版ではディフォルメされて印象が薄まったものの、スタッフのマニアックさが窺える設定が見え隠れするのはもっと評価されていい所である。
尚、クトゥルフ神話モチーフはモンスターのみならずマップや人名にも影響が見られ、敵の本拠地である異次元の地図が「未知なるカダス」に準えたものだったりする。


【種族と解説】

以下に、ゲーム中に登場してくる神々の紹介とモチーフと考えられる神性の考察を記す。
信頼が高いと思われる情報を参考にしているが、公式で明言されている訳ではないことには留意されたし。


■亜人種


■サハギン
RPGではお馴染みの半魚人。
本作では異次元の海の影響により、普通の人間が姿を変えてしまった存在として扱われる。
理性がある内は人から身を隠して暮らす等の自制心を保てるが、変身期間が長くなると心まで怪物化して人間を襲うようになる。
クトゥルフならぬアシュラの声を聞いている者も居る辺り、神々の奉仕種族としての位置付けもある模様。
モチーフは矢張り“深き者共ディープ・ワンズ”と推察されている。


リメイクでは神々の一員へ昇格。
一般人が変貌したタイプは巨大な「キング・サハギン」から感染する病気であり、半魚人の姿になったり特有の言語を喋るほかは目立った特長が無い。
なのでアシュラの声が頭に響いてきたりはしないし、自我は人間そのものだし、なんなら特に悩んでもいない。
でも変装せず話しかけると言語が違うのでコミュニケーションできず、やっぱり襲われる。


■モズマ
異次元の地下世界に住む異形の者共にして、神々に仕える奉仕種族。
非常に狂暴で、地上の人間を食物としか見なしていない。
モチーフは“食屍鬼グール”と推察されている。


リメイクではガタイのいい長老と、小柄な一般住民に区別化された。
GB版では地上の魔物さえ信用していなかったが、DS版ではそこまで排他的ではない様子。


■四天王

大層な名前だが、四天王とは便宜上の呼び名であり、異次元から主人公達の世界に送り込まれて破壊活動を指揮している神々の尖兵たる下級神。
デザインや設定もドグラ以外はクトゥルフ神話とは関係のない者ばかりである。
お供を従えたボスという共通点がある。


■ドグラ
イレム山に潜んでいた人間を操る力を持つ怪物。
その正体は異次元の神々の一柱であり、神々の弱点である「聖剣」を抜く力を持つ額に赤いアザを持つ子供を探し出して抹殺しようとしていた。
名称は夢野久作の希書『ドグラ・マグラ』からと推察されている。
モチーフは様々な考察がされているが明確には定めきれていない。言葉ではちょっと表現しずらい造形。
リメイクでは額に赤いアザを持つ子供を探し出す動機がちょっと変化した。


■アシュラ
初代Sa・Gaシリーズではお馴染みのボスキャラクターながら、タイトル毎に弱体化も進み、遂には序盤のボスキャラクターと云う扱いに(泣)。
主であるカオスの命を受けてステスロスのパーツを集めていた。
DS版では意外なことに防御力の固さで苦戦させてくるほか、本人とお供で耐性や弱点が逆になっている。
さらに裏シナリオを用意して貰っているのがせめてもの救いか。
名称、モチーフ共に仏教の“阿修羅”で間違いないだろう。


■カオス
海中から出現したカオス城の主で、前線部隊の指揮官とも云うべき立ち位置。
アシュラを操りステスロスの復活を妨害していた。
姿は岩の巨人で、DS版ではゴーレムの様な姿にアレンジされた。
GB版では単独だが、DS版ではお供も引き連れているほか、お供を巨大化させて戦力アップさせる頭も働く。
そして周回プレイでの初見殺し。
名称はギリシャ神話の原初神たる“カオス”から。


■ミロク
未来世界にて、浮遊大陸を急襲して眠れるソール神を異次元へと拉致した。
彼女を倒すと異次元ワープが手に入り、舞台は遂に敵の本拠地たる異次元へと移ることになる。
姿は東洋風の女神。
名称は仏教の“弥勒菩薩”から。
リメイクでは最初こそお供がいないが、戦闘中にどんどん召喚してくるのが特徴的。
先手を取られるのが召喚の合図になっているのはナイショ。


■神々

異次元を根城とするラグナ神を頂点とする支配者達。
一気に見た目がキモくなるのはご愛嬌。


■フェンリル
フェンリル砦の主。
「聖剣」を抜く力を持つと考えられる少女であり、主人公達の妹分でもあるネメシスを捕らえていた。
獣面人身で眼のない怪物。
名称は北欧神話の“フェンリル狼”から。モチーフは“ツァトゥグァ”と推察されている。
リメイクでは先の四天王と同じくお供を従えるが、コイツの場合はお供のほうが強い。
前作や前々作の白虎を思わせる風貌になり、不気味さが消えたほか、ネメシスを捉えた動機が意外なものになった。
そのため、ともすればデューンたちとは敵対せずに済むかと思いきや、ハーミットの村の住民を石化させたことでデューンの信用を完全に失ってしまい……。
サブシナリオで再生怪人になって登場する中では事実上弱体化している唯一の神。


■べリアル
ハシド山に棲む神性。
賢者バルザイを殺そうとしていた。
煙のような形状の身体に無数の口が付いた姿をしている。
名称は西洋の大悪魔“べリアル”から。
モチーフは“シュブ=ニグラス”と推察されており、そもそもの造形が有名な挿し絵の再現である。
リメイク版では無数の口が外付けになり、そしてたらこ唇
このたらこ唇が分離して大量に襲い掛かってくる。


■パゴス
パゴス宮殿の主。
既に死しているが、ラグナ神の呪いにより強制的に現世に留めさせられた上に門番の役目をさせられていた。
静かな死を望んでおり、主人公達とバルザイにより救われることになる。
姿は二重の口(というか下あご?)を持つ巨大なイグアナドラゴン
名称はガラパゴス諸島、若しくは同名のウルトラ怪獣からと考えられている。
モチーフは死せる(眠る)神……と云うことから“クトゥルフ”(※ドラゴンと見なす場合もあるらしい)と推察されている。


■ヨルムンガンド
地底に普段は生息し、地上では砂漠を根城とする巨大な怪物。
知性はないが極めて凶暴で、ステスロスを撃墜した。
名称は北欧神話の“世界蛇”からだが、姿は巨大でグロテスクなミミズ
モチーフは異星の怪物“ドール”と推察されている。
リメイクでは地上にしか登場しなくなったが、砂漠ではない大地に出現することもある。
土を抉って住み付いているが無理しすぎだろう。


■ボルボック
ラグナ神の棲むゴート山を中心とする結界を守る神性。
触れただけでも火傷を負う肉体を持つ。
“呪い”により、彼ら異次元の神々に人間が逆らえないのは宇宙から来た彼等の肉体に含まれる宇宙ウィルスの感染が“呪い”と呼ばれてしまっている為らしく、呪いや魔術に科学的考察を加えている辺りにもクトゥルフ神話の影響が感じられる。
名称は手塚治虫の『三つ目がとおる』の怪物からと考えられる。モチーフは門番の役目と姿から“ヨグ=ソトース”と推察されている。
姿は髑髏の集合体だが、これは輝く球体の集合体のアレンジである。
リメイクではウィルス関連の設定がなくなった、割と普通の邪神。髑髏も外付け。


■ティール
ラグナ神の側近で、玉座への道を守る腹心。
強大な異次元の神々の中でも自ら軍神を名乗る実力者にして尊大な神性。
高いステータスと強力な状態異常攻撃を持つ。
名称は北欧神話の軍神“テュール(ティール)”からか?
見た目(特徴的な頭部と翼)と能力から、モチーフは“ニャルラトホテプ”と推察されている(※月に吠える者+闇の跳梁者)。
ただし、モチーフとは違い糞真面目キャラ。
DS版のサブイベントで戦える強化バージョンはステータスを最大値まで鍛えていても最大HPを越える攻撃を与えてくる強敵だ。


■ソール
主人公達の世界の創造主であり、人間達に与えた超兵器ステスロスと共に異次元の神々を追い返した。
戦いの後にステスロスを封印すると共に、自らも浮遊大陸で眠りに就いていたが異次元に拉致されてしまう。
実はソール神もまた異次元の神々の一柱であり……。
戦闘時の様子から通称ドM神。
姿は槍を携えた老人。DS版では槍をどこかに落としてきたらしく、入手して使えたりする。
名称は北欧神話やローマ神話に近い名前が見られるがハッキリしない(※姿その物はオーディンに似ている*1 )。
モチーフは人間の味方と云えば……の“ノーデンス”と見られている。


■ラグナ
異次元の神々の王にして、魔物が生み出される異次元の海その物の化身たる神性。
故に、水瓶を通して送り込まれる水はラグナ神の肉体の一部である。
強大な力により神々を従えるが、力による圧政の為にパゴスやフェンリルの様に反感を抱いている者も居る。
姿は歪な根の生えてきたジャガイモ呼ばわりもされる異形。
名称は北欧神話の最終戦争“ラグナロク”だろうか。
海の化身と云うことで“潟(ラグーナ)”の意味もあるかもしれない。
モチーフはクルクルと回転していないだけで、白痴で冒涜的な主神“アザトース”そのままである。


GB版では主人公たちの世界を水没させたのちに自分達の領域へと作り替えようとしていた。


DS版では身体中に口が生じた「くぱぁ」に加え、海の化身としての本性を顕した「目玉」形態“真・ラグナ”も登場する。
小さなジャガイモことラグナスモールを複数召喚して手数や連携を狙ってきたりもする。

ソールがステスロスを使って異次元の神々を封印したという「伝説」、それ自体が本作では尾ひれのついた「言い伝え」に過ぎなかった。


もともとラグナの身体からソールが分離したことで創造神としての力も分割されてしまい、不完全な世界しか作れなくなってしまう。
そこで両者は各々の思惑のもとに、相手を吸収して再び1柱の完全な創造神へと戻るため動き出す。
そのためにソールは浮遊大陸で眠ってエネルギーを蓄え、ラグナはサガ世界を水没させてソールの居場所を探し出そうとした。
つまりGB版とは逆に、相手の世界を乗っ取るのではなく、自分の作った不完全な世界を完全なものへと補強するためだったのだ。


しかし1柱の神になった時、その主導権がどちらであっても、自身の世界だけを完成させて、残った相手の世界は不用品として処分されることになる。




追記修正はステスロスを復活させてからお願いします。


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  • おお、ついにサガ3ボスの特集が出来たか。編集者さん乙です -- 名無しさん (2017-03-30 13:18:22)
  • 元ネタマジかよ・・・気が付かなんだ -- 名無しさん (2017-03-31 00:27:02)
  • ラグナの名前は北欧神話ネタが多いからラグナロクから取ったと個人的に思う -- 名無しさん (2017-03-31 13:20:19)
  • ↑BGMも「神戦」だからそっちが正しいかも。加えときます。 -- 名無しさん (2017-03-31 13:37:01)
  • クトゥルフ神話がモチーフだったのか…初耳だわぁ -- 名無しさん (2017-03-31 20:49:21)
  • 「紀伊国の別称は?」「既に学んでいることを何という?」 きしゅうだ! -- 名無しさん (2021-10-05 00:06:25)
  • ドグラは穴から化物が出てきてる。つまり石川賢氏の虚空戦記に出てくる空間兵器ドグラでは? -- 名無しさん (2023-02-08 06:59:10)

#comment

*1 DS版ではオーディンのモデルを流用している。

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コメント

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