登録日:2017/01/14 Sat 08:10:53
更新日:2024/02/02 Fri 11:10:15NEW!
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プロレス プロレス技 キック スーパーキック トラースキック スイチン
『スーパーキック(Super Kick)』はプロレス技の一種。
お手軽で見た目も派手な打撃技として、フィニッシャー(決め技)から、繋ぎ技まで幅広い選手が使用している。
傾向としては海外マットではフィニッシャーとする選手も多いが、国内では繋ぎ技とする選手が殆どである。
【概要】
相手の頭部。特に顎先を狙ったサイドキックの総称であり、選手毎に別の名前を付けている場合もあるが、海外マットの場合は“スーパーキック”が一般的な名称として用いられる。
顎先への打撃と云う想像しやすい危険性と、受け手が一撃でKOされたかのようにして倒れるモーションを披露することもあってか“リアリティー(説得力)のある技”として広く認知されている。
身体の小さなレスラーが大柄な選手を倒すのにも説得力を持たせられる為か、Jr.や女子選手にも好んで使用する選手も少なくない。
【解説】
この系統の技の元祖は、日本の神秘をギミックとして米マットで確固たる地位を築き上げた“元祖オリエンタルレスラー”のザ・グレート・カブキ(高千穂明久)の“トラースキック”だとされている。
似たモーションの蹴り技を英国出身のクリス・アダムスが“スーパーキック”の名称で使用し、これが米マットで広まっていったと考えられている。
最も高名な使い手は元WWEチャンピオンの“HBK”ショーン・マイケルズの”スイート・チン・ミュージック”で、マイケルズ自身も当初は繋ぎ技扱いであったが、後に一撃必殺のフィニッシャーとして磨きを掛けていき、この技の神通力を印象付けた。
ただし、厳密にはトラースキックとスーパーキックは別の特性の技だという意見もあり、
実際に似たモーションながらも、両者には打撃に使う部位や蹴りのフォームにも差異が見出だせる。
トラースキックはカブキのオリジナル技ながら、空手で云う上段足刀蹴りと要領は同じであり、足刀で顎を蹴り上げる技だが、スーパーキックは足裏、または踵で顎を蹴り上げる技となっている。
代表格であるマイケルズも、実際にはコンパクトな後ろ回し蹴りの様なモーションから踵を叩き込んでいた。
また、足を叩き込んだ瞬間に非常に小気味のいい“パチーン!”といった音が鳴るのも説得力に拍車を掛けているが、この音に関しては仕掛ける側が自らの太股を叩くことで鳴らしているテクニックであるとも言われ、実際“寸止め”的な打ち方をしている選手もいる。
※見た目の軽さに反して相手を殺しかねない超危険技なので、仕掛ける側の配慮が必要となる。歴史に残る名レスラーである“ヒットマン”ブレットハートが事実上の引退に追い込まれたのは、対戦したゴールドバーグのサイドキックによるアクシデントが元であった。
【主な使い手】
■ザ・グレート・カブキ
トラースキックの元祖。
トラースは押し込む(Thrust)が語源と考えられている。
主に、コーナーに押し込まれた際のカウンターとして使用していたが、フィニッシャーとしても使用。
日本人選手にはアメプロが流行するまではトラースキックを使う選手の方が多かった。
“カブキの息子”として活躍したグレート・ムタ(武藤敬司)も、オリエンタル殺法として毒霧と共に取り入れていた。
■クリス・アダムス
旧NWA勢力圏で名を成らした実力者で、新日本プロレスにも来日。
藤波辰爾や初代タイガーマスクと激闘を繰り広げた。
トレーナーとしても知られており、特にWWEで大エースとなったストーン・コールド・スティーブ・オースチンの高名から、当時の奥さんをストンコにNTRれたことでもその名を記憶されている。
旧NWA勢の確かなレスリングテクニックを基本に、“スーパーキック”と呼んだサイドキックやエンズイギリといった日本発の打撃技を得意としていた。
■“HBK”ショーン・マイケルズ
90年代から、事実上の引退時期を挟んで復活した00年代のWWF~WWEに於けるトップ中のトップのスーパースターの一人。
シングル転向して以降、当初は繋ぎ技扱いだった“スーパーキック”を“スイート・チン・ミュージック”(スイチン)として一撃必殺のフィニッシャーへと昇華させてみせた。
現役時代にはベイダーやヨコズナといった自分の2倍や3倍はある巨漢も一撃で仕留めていた他、ベテランとなって復活してからは様々なシチュエーションで繰り出される一撃でファンを熱狂させた。
現在のこの技の人気や破壊力を知らしめた張本人であり、WWE人気から“スイチン型”のキックを日本選手にも流行させたのは間違いなくマイケルズである。
■アルベルト・デル・リオ
日本ではドス・カラスJr.としても知られるメキシコの強豪。
WWEでのフィニッシャーの一つとして、ハーフダウンや膝を付いた相手への“スーパーキック”を使用。
■ヨコズナ
■リキシ
■ウマガ
WWE(WWF)では、サモアンドロップ(バックフリップ)と共に、アンコ型のサモア系レスラー共通の代名詞の一つとなっている。
■TAJIRI
WWEで独自路線を開拓してみせた、平成世代のメジャーリーガーの一人。
ペイントはしなかったが、カブキ、ムタから引き継いだオリエンタル殺法の一つとして毒義、トラースキックを使用。
必殺のバズソーキックへの布石としても使われた。
※この他、チャック・パルンボやランス・ストーム、スティービー・リチャーズといった“懐かしの顔”から、ドルフ・ジグラーやケビン・オーウェンズといった現役組まで、WWEには名手が数多く在籍、フィニッシャーにもしている。
■TAKAみちのく
FUNAKIらと共にKAIENTAI(海援隊)として、本格流行する前のWWFに渡り活躍したメジャーリーガーの一人。
“みちのくドライバー”の名前を米マットに刻み込む一方、帰国後には“スーパーK”の名称で様々なシチュエーションから繰り出される“スーパーキック”(やエンズイギリ)を自らの持ち技として取り入れた。
■丸藤正道
流行を巧みに取り入れる方舟の天才も、日本に於けるこの技の代表的な使い手。
フィニッシャーとはしていないものの、小気味がいいタイミングで繰り出される。
独特のフォルムから、海外ではマルフジ・キックと呼称され、ウィル・オスプレイもサイレント・ウィスパーの名前で同型のキックを用いる。
■タイチ
師匠・川田利明仕込みのハードヒットな戦いを展開するヒールレスラー。
両腕を横に広げて独特な構えから放つ「天翔十字鳳」は隙こそ多いが、当たれば相手から3カウントも奪える強力な技。
■坂田亘
リングス出身の小池栄子の旦那。
プロレスリングでのフィニッシャーとして使用。
■CIMA
キャリア後半から身につけたキック技のバリエーションの一つ。
■B×Bハルク
ハーフダウン状態の相手への“スーパーキック”だったが、後には通常型も使用する。
現在の代表的なフィニッシャー。
※この他、外道や大森隆夫といった著名な日本人レスラーも使い手に挙げられるが、彼らはWWEの本格流行以前からの使い手の為か、トラースキック型の蹴りとなっている。
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