EXF-10/32 グライフェン

ページ名:EXF-10_32 グライフェン

登録日:2016/12/13 Tue 18:31:46
更新日:2024/02/01 Thu 13:42:50NEW!
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コトブキヤ フレームアームズ グライフェン 逆関節 宇宙用 水陸両用 木下ともたけ グラいふぇん アーマーグライフェン exf-10/32 exf-10/52 海戦用 水中用




概要


EXF-10/32 グライフェン」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のひとつ。


本項目では系列機種も取り扱う。フレームアームズ・ガールにおける擬人化されたグライフェンについてはこちらを参照。




目次






EXF-10/32 グライフェン


海底作業用の重機「EXF-10」をベースとするFA。
脚部に二つの可動部を有する独特な体形を持つ。


「EXF-10」の誕生は、プロジェクト・Re スフィア実行のために必要とされた「究極の汎用性を持つ作業重機」の開発計画に端を発する。
この作業重機開発において多数寄せられた開発案の中に「EXFプラン」が存在した。
その特徴は「単体・単形態で要求性能をすべて満たした機体」というアプローチであり、四肢に内蔵した副腕サブアームを利用し最大8本の作業肢による優れた作業効率性を発揮したが、アーキテクトと比較して必要なユニット数が多い事による生産性の悪さが問題視され、Re スフィアを推進する世界科学技術推進機構は「組み換えと拡張による柔軟性」を重視した"フレームアーキテクト Type001"の採用を決めた。


これに反発した「EXFプラン」の開発メンバーは当初掲げたコンセプトの優位性を証明するため、独自に開発を続行。最終的に完成した「EXF-10」は極限環境下での運用も可能な耐圧性能と環境適応能力*1を備えていたが、根本的な生産性の悪さは改善されなかったとされる。
それでもその性能が評価されたのか、海洋開発の為少数が導入・運用されていた。


そんな高性能ながらもそのポテンシャルを十全に発揮する機会に恵まれなかったEXF-10だが、月面との戦争が始まってすぐに転機が訪れる。
当時防衛機構は陸上、ないし空中での戦闘行為に追われっぱなしで海上戦力の確保は滞っており、海上防衛用FAを即座に確保するべく本機を改修し投入する事が決まったのである*2
かくして「EXF-10/32 グライフェン」として生まれ変わったEXF-10は湾岸地域でのアント迎撃において目覚ましい活躍を見せ、さらに陸戦、宇宙戦に特化した派生機が造られる事になる。
またサブアーム機構は輝鎚の物の参考にされたほか、戦後の武力衝突においても輸送艦の護衛に使用されている描写があり、戦中を通して活躍していたようである。
……それでも開発陣の不満は拭えなかったようで、戦争初期においてある事件を引き起こす事になる。逆恨みじゃねえか


尚改修の内容は「各部位の規格をフレームアーキテクトと同一の物に変更し互換性と整備性を向上させる」というもの。
つまり設定上はフレームアーキテクトを駆動骨格として用いていない=FAではない*3のだが、劇中で特に区別されている描写は無く、実際のキットにも結構がっつり組み込まれている。
ユーザーの創作を尊重するのがフレームアームズのスタンス、受け手がこれをどう解釈するも自由という事か。




◇武装

  • SP-05 スピア・ガン

胸部にある武装。
詳細不明だが、水中銃の類と思われる。


  • Fa/MPR-23 マルチパーパス・ランチャー

その名の通り、大型の多目的ランチャー。
グライフェンは水上から陸地への砲撃支援にも用いられた。



◇キット
2011年7月発売。定価4200円。デザイナーは木下ともたけ氏。


成型色はライトグリーン、グレー。
二重逆関節の海戦型という異色のFAで、補助腕などのギミックもあいまって良い意味での異形さが際立つ。
フレームの配置がかなり特殊かつ補助腕などの構造が複雑なので組み立てには手間がかかる。
重量機の宿命か関節が負けがちなので補強してやりたい。現在は:RE版になっているのである程度改善されている。
色分けは良好でクリアパーツは緑色のため、塗らなくても大部分は再現可能。
手持ち武器のマルチパーパス・ランチャーは後にM.S.Gウェポンユニット「MW23 大型ミサイルランチャー」(定価700円)として単体販売された。





EXF-10/52 アーマーグライフェン


前線において高く評価されたグライフェンを陸戦および空間戦闘用に改修した機体。一定の汎用性は維持しているが、完全に戦闘用として生まれ変わった。


全身にわたって変更が施されており、4本のサブアームとスピアガンが外され、頭部のセンサーも収納式になり、各部に推進機とオプション用マウントが追加されている。
同時に開発された武器類は全て外装式で任務や状況に合わせて選択可能、かつそれぞれが他のFAにも容易に流用できるなど高い完成度を誇る「EXF-10/52 アーマーグライフェン」だったが、その活躍を阻んだのは皮肉にもグライフェンを開発したスタッフ達自身だった。


彼らはEXF-10/52を各地の独立自衛組織にこっそり売り捌いていたばかりか、メインの顧客であるはずの防衛機構への納品を態とドタキャンしたのである*4おかげでトルースさんが疲労困憊することになった。
この暴挙に防衛機構側も黙ってはおらず、最終的にグライフェンの開発スタッフは全員職を解かれ、製造ラインも凍結され歴史の闇に葬られることに──


…と思いきや、やがて防衛機構の戦力不足が深刻なものとなり従来機拡張計画(EX計画)が発動した際には製造ラインの再稼働が決定。
武器類は強化ユニット「EXU-03」として、EXF-10/52本体ともども量産され前線へ送られることとなる。既に生産体制が整っていたため、EX計画で供給されたパーツ類としては異例となる新品での大量供給を実現できた。わざわざEX計画に含めなくても良かったのでは


バーゼラルドの投入当初「宇宙ではアーマーグライフェン4機の随伴が前提」とされるなど宇宙用FAとしては主力級の扱いを受けており、月面反攻作戦においても多大な貢献を果たしたとのこと。



◇武装

  • ミサイルコンテナ ×10

各部にオプション装着される。
肩部の「MB-A01(13発)」、胸部の「MB-C02(10発)」、大腿の「MB-L03(16発)」、脛の「MB-L04(20発)」、大腿裏の「MB-L05(14発)」の5種類で、それぞれ左右合わせて合計146発となる。
全て同時に装備することも可能だが重力下でフル装備することは少なかったとされる。
ミサイルのサイズがバラバラなので弾薬補給が煩雑そう。


  • 20mm連装リボルバーカノン ×2

前腕部の連装機関砲。故障しにくく取り回しが良い。ミサイルコンテナとの同時装備ももちろん可能。


  • フットクロー

サブアームの代わりに脚部が簡易マニピュレータになっている。陸上では使用できない。



◇キット
「エクステンドアームズ03〈EXF-10/32 グライフェン拡張パーツセット〉」(2013年8月発売。定価2800円。)をグライフェンに組み込むことでアーマーグライフェンを再現できる。デザイナーは本体に引き続き木下ともたけ氏。


重機っぽさがなくなり、フル装備時の迫力はかなりのもの。ミサイルコンテナのハッチもしっかり開き、全開すると正面がほぼミサイルで埋め尽くされる。誘爆が怖い
パーツ単位でも優秀で、癖のないコンテナや機関砲はどの機体にも流用しやすい。


しかし実際に作るにはグライフェンの頭、肩を交換、胴体、前腕、脛を分解して組み替え…とほぼ全身を弄らねばならず、そのまま使うのは上腕、股関節、腿だけ。
組み立て済みのグライフェンに組み込んだり頻繁に組み替えて遊ぶのは難しいため、グライフェンとアーマーグライフェンを選択して組めると考えたほうがいい(公式でも未組立状態のグライフェンとの組み合わせを推奨している)。
色分けは概ね良好だが、頭部装甲の白など細かい部分が足りない他、センサー用クリアパーツが無色透明なので留意のこと。
塗装するとき厄介なのがミサイルで、ミサイルと底板が一体なので塗り分けには非常に手間がかかる。





余談

  • スティレット、クファンジャルと同様:RE発売に伴って細かい設定が変更されている。
    旧版のざっくりした設定は「アーキテクトと同時期にドイツを中心とする数ヵ国の協力のもと開発された特殊重機「エクステンション・フレーム:グライフェン/EXF-10」」という物で、Reスフィア計画との関連も無く、完全にFAとは独立した別系統の機体だった。逆関節であることも相まってSOLDNER-G9を連想したユーザーもいたとか。
    またサブアームの展開機構は「エクステンション・システム」と呼ばれ、その馬力はFAを握りつぶしてしまえる程だとされていた*5

  • 逆関節&腕部にサブアーム内蔵という独特のデザイン故に模型としてアーキテクトを内蔵する余裕が殆ど無く、ブキヤ社内の設計担当はどのようにアーキテクトを組み込むかについて相当腐心したという*6
    前述のFAとは別機体という設定はその苦労が反映された物なのかもしれない。

  • DD-01が採用を見送られたことからも、戦争開始時当初の防衛機構は"多機能だが高コストな機体"よりも"量産性に優れるコストパフォーマンスの良い機体"の製造を優先していたことが伺える。

  • 「コスト高で大量採用を逃す→改良型開発→供給先で揉める→開発スタッフ粛清→製造ラインを接収して量産化」という波乱万丈の道を辿ったグライフェンだが、某重戦闘バーチャロイドとよく似た顛末となる。

  • 職を解かれた開発スタッフたちのその後は明らかになっていない。また防衛機構の目を盗んで流通したアーマーグライフェンの個体数もはっきりしておらず、急進派のような組織の手に渡った可能性を疑うファンもいる*7



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  • フレームアーキテクトとは別系統のフレームのはずなのにキットだとフレームアーキテクトが基礎フレームに…。何たる皮肉。 -- 名無しさん (2016-12-13 18:49:54)
  • 作成完了、項目名に「/」を使ってしまうという手落ち。項目名と申請ページの訂正は済んでます。ちょっと懲罰がわりに漸雷強襲型に乗って疲れてきます…orz -- 立て主 (2016-12-13 18:58:46)
  • ↑2 そのへん解説した資料が見当たらないんですよね…FAはキットの素性を設定に反映することが多いので、何かあってもいい気がするんですが。 -- 名無しさん (2016-12-13 19:32:12)
  • トルース「お前ら 絶対 許さない」(ハンドガンドーン -- 名無しさん (2016-12-13 20:06:53)
  • ↑2 グライフェンのキットは輝鎚よりも派手にアーキテクトを「フレームとして使用していない」ので。ファン内の考察としては「現行FAと装備の互換性を保たせるために、素のフライフェンの拡張ハードポイントにアーキテクトを組み込んで再設計した」と見込んでいる。使い方がホント豪快 -- 名無しさん (2016-12-14 00:42:36)
  • 想像よりもはるかに早くガールズ化が発表 まさかこんなに早いとは -- 名無しさん (2017-02-22 01:38:43)
  • てっきりバルチャーあたりが先にガール化すると思ってたから意外だったわ。せっかくなのでミサイル山盛りにしたい( -- 名無しさん (2017-06-07 20:21:09)
  • スタッフは横流しはともかく、発注を反故にまでしたのはどういう…って未だに思う。それでこれから先もやってかせてもらえると本気で思ってたのか、ただの破れかぶれか、はたまたよくある自分だけは大丈夫的な楽観か -- 名無しさん (2017-06-14 11:55:54)
  • 「三二式全部入れ替えるくらいの数じゃなきゃ注文受けないからな!」とかってゴネたんじゃないのかな。EXA3の取説には「主力採用しなかったことに強い不満があった」旨の事が書いてあったし -- 名無しさん (2017-08-19 23:00:07)
  • 防衛機構「でも、お高いんでしょう?」 -- 名無しさん (2017-08-23 20:16:04)
  • 画像掲載のルール改訂により、公式サイトから引用していた画像を撤去しました。 -- 名無しさん (2017-10-01 16:39:40)
  • 画像掲載のルール改訂により、公式サイトから引用していた画像を撤去しました。 -- 名無しさん (2017-10-01 16:40:49)
  • ガール化おめでとう! -- 名無しさん (2018-07-02 13:12:45)
  • 実は:REで設定が変更されているのよね。この項目にも反映させたいけど記述を丸ごと書き換えることになりそうだから二の足を踏んでる。 -- 名無しさん (2021-04-10 23:33:37)
  • ↑似たような経緯のあるスティレットと同じように、古い設定を要約して余談の欄に移動、本文は全く新しく書き換えでいいんじゃないかな -- 名無しさん (2021-04-11 01:11:38)
  • ↑新しい設定を反映させてみたよ。古い方もコメントアウトして残してるので何かしら使いたい方はどうぞ。 -- 名無しさん (2021-04-17 22:27:06)

#comment

*1 推進機の交換だけで各環境下で活動可能とのこと
*2 侵攻が開始されてから各地で戦闘に使用されていたらしいが、これを正式に部隊に編入し運用するために改修が決まった模様
*3 説明書内の駆動骨格もフレームアーキテクトではなくエクステンション・フレーム・10とある
*4 開発スタッフはEXF-10の性能に絶対の自信を持っており、グライフェンを主力でなくあくまで局地戦用としてのみ採用していた防衛機構に対して反感を抱いていたとされる
*5 「:RE」版ではエクステンション・システム関連の記述が削除されている
*6 最初の設計時には大量の未使用アーキテクトが発生してしまったらしい
*7 実際、漫画版では(アーマーグライフェンではないが)グライフェンが防衛機構の港湾を襲撃する場面がある

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