登録日:2016/03/13 Sun 23:19:17
更新日:2024/01/22 Mon 10:50:42NEW!
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ガンダム 鉄血のオルフェンズ ガリガリ君 ミスター・キシドー セブンスターズ 御曹司 ガルマ・ザビ ガエリオ・ボードウィン 松風雅也 潘めぐみ ギャラルホルン ガンダム・キマリス シュヴァルベ・グレイズ ガリガリ 軍人 月外縁軌道統合艦隊 アリアンロッド艦隊 仮面の男 ガンダム仮面キャラ ガンダム・ヴィダール 俺を見ろ!! 賛否両論 仮面の人 もう一人の主人公 松風雅也の本気 メガブルー←ではない 魅上照←でもない チョコレートの隣の人 万年味噌っかす→小物→ネタキャラ→悲劇の戦士→復讐の蒼騎士→逆賊を討ち取った英雄 地球本部監査局 特務三佐 万年味噌っかす ヴィダール 阿頼耶識システム type-e 誰リオ・某ドウィン きれいなジュア=ム
俺には誇りがある!
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の登場人物。
万年味噌っかすの貴族坊主であり、子供に良い様にあしらわれる隣のガリガリくんであり、そして親友と幼馴染と部下のために戦い続けた戦士である。
担当声優は松風雅也(幼少期は潘めぐみ)。
18~19話に分けて行われた地上波本放送限定の副音声放送にて松風氏は司会を担当。
「まさやの部屋へようこそ」
人物
武力組織ギャラルホルン・地球本部監査局付の武官である青年軍人。階級は特務三佐。
ギャラルホルンを管理運営する一族「セブンスターズ」の1つであるボードウィン家の御曹司。
年齢は20代前半~半ばといったところか。青紫の髪が映える美男子で、どっかのザビ家末弟を彷彿とさせる。
父はガルス・ボードウィン。妹に9歳のアルミリア・ボードウィンがいる。
日頃は少し斜に構えた飄々とした男だが、その実は良い意味で貴族出身者としての誇りに満ちた真っ直ぐな男で、信用する友人や部下の面倒見はよい。曲がったことも大嫌いで、腐敗が進む現在のギャラルホルンには憤りを感じている。
部下となったアイン・ダルトン曰く「早寝早起き、出された物は必ず食べる」健康優良男児。またアルミリア曰く、縁談が持ち上がるといつも任務を口実に逃げているらしい。
一方
- 義手義足などの人工臓器・神経技術を「あれを使うなど、人でなくなってしまう」と大真面目に嫌悪
- 阿頼耶識システムの使用者を「宇宙ネズミ」と蔑む
- 圏外圏を「貧乏人が集まり資源もない出がらしのような土地」と見下す
……といった具合に、この時代のごく一般的な地球人の物の考え方にガッツリ染まった差別主義者の一面も持っている。
しかし
- 幼少期には拾われたばかりで見すぼらしい格好だったマクギリスを最初こそ「ばっちぃの」と言っていたが、彼がセブンスターズの家系の者に相応しい格好になるとすぐに友好的に接する
- 車で轢きかけた火星の少女(クッキー&クラッカ・グリフォン姉妹)をすぐに心配する(フィクションでしばしばみられる「飛び出した方が悪い」といった態度を取っていない)
- 親がそれぞれ地球と火星出身の「ハーフ」であるアインへの差別意識が無い
と同時に育ちの良さゆえか対人関係における差別意識は強くない。
実の所、影のある出自のマクギリス・ファリド、閑職に追いやられているカルタ・イシュー、幼少期から貧民層に接し、彼らに寄り添いたいと考えるようになったクーデリア・藍那・バーンスタインとは異なり、ガエリオは育ちに一切の不自由がなく、家族関係にも恵まれ、自分の(権限内で)やりたいことを存分にすることが出来る、紛れもない特権階級の申し子なのである。
幼少期から何かしらの「歪み」に触れる機会が無く、その機会になるはずだった三日月・オーガスとの出会いも、あちらが過剰反応をしたせいで態度を硬化し、一考することが出来なかった。ある意味、ガエリオはギャラルホルン主体の世界観の影響を受け最後まで価値観が変わらなかった不幸な人物だと言えるかもしれない。
鉄血登場人物の例に漏れず、好人物ではあるが、我々の価値観で見てしまうとあまり出来た人間ともいえない独特の性格造形を与えらえたキャラクター。
しかし、どこか漂うコミックリリーフな雰囲気と、物語が後半に進むにつれて相対的に彼の聡明さが強調され、そして1期の終盤にはあまりにも気の毒な状況に置かれたことで、視聴者からかなりの同情を寄せられたキャラクターである。
他人との関係
●アルミリア・ボードウィン:
「俺の分は」「お兄様はいらないと言いました」「お前なぁ…」
1期はしょっちゅうちょっかいをかけているが、関係自体は良好な模様。2期では、ガエリオが死亡したことになっているので一度も会話シーンはない。
●マクギリス・ファリド:
「お前のペースで働かされては体が持たないだろうな。優秀すぎる上官を持つと苦労するというやつだ」「気を付けよう」
同じセブンスターズのマクギリスとは共にギャラルホルン改革を考える盟友。幼少期の初対面時こそ「なんだ?あのバッチいの」と怪訝な顔だったが、現在は彼の能力を高く評価しており、護衛役として火星への長征に同行する。
一方でガエリオの考える「内部からの是正」と、マクギリスが考える「解体からの再生」には大きな差があり、やがて己の理想を追うマクギリスから良い様に使われ始める。
マクギリスが養父のイズナリオとうまくいっていないことは知っておりあまり養父と顔を合わせたがらない彼のことは配慮してはいるものの、その不仲が性的虐待が原因だったことまでは知らずじまいだったようである。
「ガエリオ。堕落したギャラルホルンにおいて、君の心の清らかさは、如何に守られてきたのだろうな」「馬鹿にしてるのか」「本気だ」
16年前のシェンムーでは、マクギリス役の櫻井氏と松風氏は「ラスボス」と「主人公」として共演していたり、14年前のZOIDS新世紀/0において、マクギリス役の櫻井氏と松風氏は「主人公」と「クールな同僚」として共演しているなど共演が多い。
●イズナリオ・ファリド:
「いえ、イズナリオ様。私は護衛の立場にありながら助けられた身です。どうぞ笑ってやってください」「はっはっはっ。その実直さはそなたの魅力だな」
マクギリスの養父イズナリオからの覚えもめでたい。ガエリオ本人はマクギリスと彼の不仲を知っており、親友に同情もしている。
●カルタ・イシュー:
「いい!?成果を上げられなかったら承知しない。折檻が待ってるわよ!」「折檻!?折檻ってなん…」(通信切断)
同じセブンスターズのカルタとは幼馴染の腐れ縁。昔から頻繁に張り合ってきたらしく、現在も「あいつに頭を下げるのは絶対避けたい」と苦手意識がとれていない。が、やはり心中では友人として大切に思っている模様。
●アイン・ダルトン:
「まるで俺がお前を馬鹿にした連中と同じだと言いたげだな」「違います! そうではなく――」「いや、いい。俺はお前のような男を初めて見た」
火星で出会ったアインは、紆余曲折を経てガエリオの部下となる。
当初は堅物のアインを持て余していたが、やがてアインの真っ直ぐな心を知り、彼こそが真にギャラルホルンに相応しい人物なのではないかと高評価を与える。アインの方でもガエリオを信頼し、良きコンビとなっていく……のだが……。
●三日月・オーガス:
「ちっ、ガリガリが……」
宿敵。火星では誤解から一方的に絞殺されかけた挙句、報復のパンチもあっさり躱されてしまう。
その後はMS戦の最中に「この声、アンタチョコの隣――?」(チョコの人=マクギリス)と言われ、再戦時に再度名乗るも「……ガリガリ?」と聞き直されてしまう。それに対し「貴様ワザとか!?」とキレる一連のやり取りはもはやギャグアニメ。手練れの三日月には苦戦が続き、幾度となく苦杯をなめさせられることになる。
搭乗機
初期は専用のシュヴァルベ・グレイズに搭乗。
17話からはシュヴァルベをアインに譲り、実家に伝わるガンダム・キマリスに乗り換える。
どちらも高い推力を活かしたランスチャージを得意とする機体である。
MS操縦の腕前は優れた部類に入るのだが、いかんせん周囲がそれを上回る化け物揃いなのであんまり目立っていない。
劇中の活躍
序盤:マクギリスの友
あまり感情を表に出さず、常に余裕綽々超有能のマクギリスの隣にいることが災いし、番組開始当初はどうにも小物っぽく見られることが多かった。
その傾向は体格差が歴然の三日月に手玉に取られた挙句、阿頼耶識を見てゲロしかけるという情けなさや、「隣の人」という完全なマクギリスの添え物扱いを受けるなどして、ますますエスカレートしていく。
「大人しく投降すれば、然るべき手段でお前を処罰してやるぞ!」
《投降はしない。する理由がない》
「っ…その糞生意気な声、あの時のガキかぁっ!!」
《そういうアンタは チ ョ コ レ ー ト の 隣 の 人 》
「ガエリオ・ボードウィンだ!!火星人は……火星に帰れーっ!!」
その立ち位置(前髪くるくる坊やと金髪仮面少佐)や両家の家門(ギャラルホルンの項参照)から「最後は『マクギリス、図ったなマクギリス!』で終わるんだろ」などとも言われることも多々あった。
中盤:成長する御曹司
アインと言う相棒を得た後も隣の人の苦難は続いた。マクギリスの休暇中、演習を名目に自前の戦艦で鉄華団追討を実施するが、キマリスの初お披露目会では友軍を轢き殺すという鮮烈なデビュー戦を飾ったばかりか、三日月にガリガリ呼ばわりされてしまう。
だが、並行してアインやカルタとの交流が描かれることで、ギャラルホルンでは数少ない良識人であることが描写され、「そんなに悪い奴じゃないな」と親しみも集めていった。
更にこの辺りで松風氏が「ガエリオは今後死ぬより辛い目に合う」とコメントしたことで、視聴者は不安を募らせていく。
更なる転機となったのはアインの負傷である。
自分を庇って植物状態になり、しかし彼を助けるにはあれほど忌み嫌っている阿頼耶識を使うしかない……。
明るめムードの鉄華団とは対照的に、酷く葛藤するガリガリ、いやガエリオ・ボードウィンの姿は、視聴者の憐みを誘った。
折しもマクギリスが本性を現し、完全にギャラルホルンの獅子心中の虫として描かれ始め、カルタは任務の失敗続きで余裕をなくしていったことで、なおのことガエリオは孤立を深めていった。
終盤:落日への道
トドメとなったのは23話。
遂に阿頼耶識使用を決断し、アインの蘇生に喜んだガエリオだったが、直後に見るも無残な状態となったアインを確認して愕然とする。
さらに、カルタまでもが鉄華団との戦いに敗れ、キマリスで救援に向かったガエリオはなんとか瀕死の彼女を機体ごと回収するも、通信機越しに死を看取ることしかできなかった。
死の淵で「マクギリスが助けに来てくれた」と喜ぶカルタを前に、涙をこらえてそのように振る舞うガエリオは屈指の名場面。
《あり…が…とう……マク…ギリス……》
「カルタ……!! ……ゆっくり、休むといい……」
ギャラルホルンの名有りキャラでは唯一、真っ直ぐで穢れのない孤立無援の状況に置かれたガエリオ。
あれだけゲロだのチョコレートの隣の人だのガリガリだのと馬鹿にされてきたガエリオは、完全に手のひらを返した視聴者から「コイツ真の主人公じゃね?」と畏敬の目で見られはじめたのである。
そして24話、鉄華団との決着をつけるために、ガエリオは機械と化したアインと共に戦場に赴いた。「カルタの無念を晴らす」と覚悟を決め、本来キマリスが苦手とする接近戦、そして圧倒的な技量差のある三日月に根性と執念だけで食らい付いていく様は、もはやどちらが主人公かわからない状態であった。
しかし、戦場から離脱するガンダム・バルバトスを援護する謎の機体が現れた。ガエリオはその搭乗者の声に愕然とする。
「マクギリス…何故?意味が分からない……。理想?お前は何を……」
第1期最終話:悲運の戦士
呆然とするガエリオを前に、マクギリスは全ての企てを暴露していった。自らの理想の為に鉄華団を支援すること、禁忌とされる人の機械化=アインの末路を暴露してギャラルホルンの歪みを糾弾すること(鉄華団が「英雄」ガンダム・フレームを使っているのもポイント)、養父とアンリ議員の癒着を暴くこと……。
自分が陥れられたことよりも、部下の決死の覚悟を利用されたことに怒ったガエリオはマクギリスに突撃する。だがバルバトスとの交戦で消耗し、激昂して冷静さを失ったガエリオでは、マクギリスの機体グリムゲルデの相手は荷が重かった。
マクギリスはさらに続ける。いずれ自分は君の家を継ぐ、イシュー家の跡取りカルタも死んだ……遠回しに「お前は殺す」「カルタは殺した」と宣言したのだ。
かつての親友が、自分やカルタの命を奪い、利用する腹積もりでいることを受け入れられずに再び突撃するガエリオだが、遂にその眼から涙が零れてきた。
「マクギリスっ!! カルタは、お前に恋焦がれていたんだぞ! 今際の際も、お前の名前を呼んで! お前を、想って、死んでいった!!」
「妹だって! お前にならばっ、信頼して任せられるとっ!」
《アルミリアについては、安心するといい》
「!!」
《彼女の幸せは、保障しよう》
「あぁっ……はぁっ……」
「うぁっあああっ!!! マクギリスぅぅぅぅ!!! うわあぁああああああ!!!」
精神的に完全にトドメを刺され、号泣しながら闘うガエリオ(ちなみにここの絶叫は元々練習録りだったが、松風氏が初っ端から全力を出し過ぎたために本採用されたらしい)。
最早キマリスは槍も盾も失い、短剣で必死にグリムゲルデを殴りつけている有様だった。マクギリスは一切の容赦なく、左膝を潰し、右肩の動力を切断、コクピットを突き刺す。
糸が切れたように崩れ落ち、血の様にオイルを流すキマリス。ガエリオ・ボードウィンが物語から退場した瞬間であった。
鉄華団も甚大な被害を受けたとはいえ、メインキャラは結構ピンピンしていた。
対してガエリオが迎えた余りにあんまりな末路。彼と同じように親友に裏切られながらも母国と一族への誇りを抱いて死んでいったガルマ坊ちゃんがまだ幸せに見える。
放送直後のツイッターラインにはガエリオの名がトレンド入りし、翌日にはキマリストルーパーのプラモがAmazonプラモデルランキングで一位をかっさらう事態にまで発展した。
そして第二期制作の告知と共に、ある推察が出る。
ヴァルキュリアブレードはコクピットブロックの正中線を僅かにずれている
→アインはあれだけ暴れたのにほとんど無事だった
→これは第二期で「ミスター・キシドー」とかいう仮面をかぶった男が出てくるフラグではないか!?
……例え生き残っていたとしても社会的に完全に死んでるし、それ以前に口封じを兼ねて「グレイズ・ガエリオ」に仕立て上げられていそうなのがまたなんとも……。
カルタ、任せてくれ……。
この項目は俺が追記・修正してみせる。そして……アニヲタWiki(仮)の未来を…!
俺達の手に!!!
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待っていろ……マクギリス……
ヴィダール――
第二期から登場するフルフェイスの仮面の男。
月外縁軌道統合艦隊「アリアンロッド」に所属する兵士で、自身と同じ名を持つMSガンダム・ヴィダールのパイロットを務めている。
鉄華団とマクギリスに何やら因縁を持っており、戦う動機に「復讐」を挙げている事や、「上官の存在を誇りに思い、戦い抜いた男」を知っていると話す等、かつて死んだはずの『あの男』を彷彿とさせるが……。
他人との関係
●ラスタル・エリオン:
「見極められたようだな、お前の運命を」
命の恩人。ヴィダールの素性を知っているものの、ある男の真意を確かめたいという彼の意思を尊重して正体を隠すことを許し、ガンダム・ヴィダールの整備を支援するなど優遇している。
ラスタルにとって彼の存在は切り札となる事が仄めかされているが…?
ヴィダールが仮面を外しガエリオ生存が社会的に認知された後もガエリオには行動の自由を認めており、彼とマクギリスの最後の勝負にも水を差さず見届ける度量を見せた。
地球大気圏内を管轄としない月外縁軌道統合艦隊が、地球のエドモントンで重傷を負ったガエリオの身柄をどのようにして保護したのかは明らかにされていない。ラスタルには管轄外の地球圏での援助を行うガラン・モッサがいるので彼による救助だった可能性は大いにある。
●ジュリエッタ・ジュリス:
「あなたの強さ、ハッタリではありませんでしたね」
同僚。当初は素顔を見せないにも拘らずラスタルの腹臣的位置に収まっているヴィダールに不信感を抱いていたが、見た目とは裏腹に他人に対して穏やかに接する彼の人となりや、復讐を目的とする人間とは思えない様な洗練された戦い方を見たことで次第に態度を軟化させていった。
余談だがヴィダール役の松風氏とジュリエッタ役のM・A・O氏は、声優業に注力する前は「『スーパー戦隊シリーズ』のヒーローを演じていた」という共通点がある。往年のファンからは2人のやり取りを見て「戦隊OB同士の会話」と称されることも。
●イオク・クジャン:
「ラスタル様から与えられた重大な任務だぞ!下らぬ私語は慎め!!」
同僚。ラスタルが重用している上、自分と対立しなかったので特に不信感を抱かなかった様だ。
ぶっちゃけ担当声優が同じ松風雅也氏の時点で正体がバレバレである。
ファンの間では担当声優はおろか名前すら判明してない状態で26話のエンディング(OP映像)に初めて登場したときから話題になっており、「コイツ絶対ガエリオだろ」「ガリガリ君じゃなかったら逆にビックリだわ」といった意見が飛び交っていた。
正体がバレバレだったミスター・ブシドーにちなんで「ミスター・キシドー」、その他にも「誰リオ・某ドウィン」「ガリガリ仮面」「[[俺の名は。>君の名は。]]」等といった渾名が付けられる等、彼の人気の高さが伺える。
先述したように、「正体がバレバレの仮面を付けた新キャラが登場する」という冗談めいた推測が実現してしまったせいもあるだろうが。
余談だが、何気に映像作品では『F91』以来の頭部全体を覆うタイプの仮面着用者である。
物騒な見た目とは裏腹に、自分に突っかかってくるジュリエッタに穏やかに接したり、ガンダム・ヴィダールによる初陣も「今はただ、コイツと戦えるのが楽しかった」と楽しむような口ぶりで、復讐心を原動力としている人間とは思えないような洗練された戦い方をしている。
素顔を隠せても人の良さが隠しきれておらず、思った以上に変わってないとの評価を受けている。
一方で彼の正体が名言されていないのも事実であり、視聴者目線では露骨に正体が仄めかされていることからミスリードを狙っているのではないかという意見もあり、一部ではガエリオのフリをした別人ではないかという推測もされていた。
また、彼のマスクの顎のパーツがグレイズ・アインに搭乗していた時のアインの付けていた装置と似た形をしており「ガエリオ本人ではあるが仮面の下の素顔が他人に見せられないほどエグイことになっているのではないか?」という予想も出ていた。
復讐を目的に戦うと言いながらも常に空虚な雰囲気を漂わせており、真意の見えない彼が物語に何をもたらすのか期待されていたが…
「やはり……ここに来たか……」
第43話にて、ガンダム・バエルが保管されているギャラルホルン地球本部である海上拠点ヴィーンゴールヴ最深部のバエルの祭壇を強襲し、マクギリスと対峙。遂に仮面を外す。
その素顔は、果たしてガエリオ・ボードウィンその人であった。彼はマクギリスの真意を見極めるため、あえてこのような姿になっていたのである。
マクギリスに憧れ、理解しようと追いかけ、意見が合った時には理解できたと思っていた。自分の前では仮面を外してくれていると思っていた。
しかし全ては誤解だった。最早マクギリスは、力だけを求め、愛情や信頼といった尊い感情を解さぬ男であったのだ。
ガエリオはそうした尊き感情を背負い、マクギリスを完全に否定すると宣言する。
その表情は険しくも憎悪に満ちた復讐者のものではなく、確固たる信念をもってかつての友を断罪しようとする騎士のそれであった。
しかし、マクギリスの作戦に協力するバルバトスルプスレクスが現れ、応戦するも押されてしまう。
お前では勝てんよ。ガエリオ
そうだな。『俺』では無理かもしれない。しかし『俺達』ならば…!
アイン!!
さあ好きなように使え!俺の体をお前に明け渡す!!
ガンダム・ヴィダールに隠された機能の正体。それはかつての部下、アイン・ダルトン三尉の脳をベースにした疑似阿頼耶識システム。
三日月をして「こいつやばいな」と言わしめ、マクギリスの顔も引きつらせるほどの暴れっぷりを示すが、マクギリスがガンダム・バエルを起動させた事を期に離脱する。
離脱直前、自身も阿頼耶識を使うようになったことから、阿頼耶識への偏見も多少は軟化したようで三日月に、これまでの無礼を詫びる姿も見せた。
ラスタルに自身の目的を見定めたこと、マクギリスを討つ為従うことを表明し、彼の協力を得てマクギリスの通信に割り込み、自身の生存とマクギリスを逆賊として討つ事を世界に向けて発信するのであった。
私の名は、ガエリオ・ボードウィン!
セブンスターズの一員であるガルス・ボードウィンの息子、ガエリオ・ボードウィンだ!!
ガエリオ・ボードウィンはここに宣言する。
逆賊、マクギリス・ファリドを……討つと!
そしてマクギリス勢の敗色が濃くなり、マクギリスがバエルで単身ラスタルを狙いに特攻してきた際には応戦。
《見ろ!!純粋な力だけが輝きを放つ舞台に、奴等は圧倒されている!》
《お前が力を見せる事で、俺の正しさは更に証明される!!》
違う!!!
これは…お前の信じる力とは違うものだぁッ!!!
アイン!頼む…!届けさせてくれぇッ!!!!
激しい戦闘の末辛くも勝利する。
そしてラスタルの命をなおも狙い、バエルを降りてブリッジを目指すマクギリスを待ち受け彼を撃ち、倒れる彼を無理やり起こして「俺を見ろ!」と詰め寄り、自分やカルタら仲間を裏切られた怒りをぶつける。
まだ死ぬな…。俺を見ろ、マクギリス!
《ガ…エリオ…?》
見ろ!!お前が殺した男だ…。そして、お前を殺した男だ!!ちゃんと俺を見ろ!
お前を友と信じ、その思いを裏切られ、信頼する仲間達を奪われた!!!
しかし虫の息のマクギリスから語られたのは、彼が友情に背をむけたのは、
その情を否定しなければ前に進めないという彼が自身にかけた呪縛だったこと、
その友情が彼の決意を鈍らせると思うほど暖かなものであったこと、アルミリアへの想いも本物だったこと。
そんなもの…偽りの幸せだ…!
と詰め寄る彼にマクギリスは
《幸せに…本物と偽物があるのか……?》
と答える。
そんな事も分からないのか!?
と怒りつつもガエリオの目からは知らずに涙が溢れていた。
《……何故泣く? ガエリオ、お前は…俺に―――》
と言いかけたマクギリス。そしてガエリオはやっと「泣くことすらできなかった」マクギリスの哀しみを知る。
言うな!!!
お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら、言えば俺は……
許してしまうかもしれない……!!
頼む、言わないでくれ…! カルタのために、アインのために…。俺は…。俺は!! ……お前を……!!!
と絶叫しつつマクギリスの言葉を遮った彼の前で、首を締められながらマクギリスは静かに息絶えた。
さらばだ……。マクギリス……
その後は表舞台から退き、長い療養の身にあった。
この療養の原因は元々一期にてマクギリスにやられ満足に動けなかった肉体を擬似阿頼耶識の有機デバイスを埋め込むことで動かしていたものを再び除去したことによるものであり、もう自分は戦わないという決意の表れだった。
アインの脳はマクギリスとの激闘で焼き切れており、加えてマクギリス打倒のためにアインの力を借りると決意していた以上、それ以外のために擬似阿頼耶識を用いるのは筋が通らないということだろう。
改革が進んだ数年後も未だに車椅子での療養生活を送っていたが、見舞いに来たジュリエッタをからかうくらいの元気は取り戻している。それは懐かしいかつてのガエリオの雰囲気であり、全てを終えて彼もまた未来に進み始めていた。
元々のガエリオのポジションはマクギリスの友人Aに過ぎず、一期でマクギリスの策謀に嵌められ退場するというまんまファーストのガルマに近い立ち位置だった。
しかし、CVの松風氏が積極的に長井龍雪監督や脚本の岡田麿里氏に意見を言っていくタイプだったので、後半の主要人物にまで登り詰めたという事が、ラジオCDで共演者の櫻井孝宏氏や島﨑信長氏などの発言で判明している。
また、友人の裏切りを経てコミカルさが残る坊ちゃんキャラから熱き思いを秘めつつ冷徹に躍進するクールなキャラへの変化は、
脚本を担当した岡田氏によると人格面では完成されつくした三日月やオルガと対照的に本作の成長するキャラクターとしての想いを託したと語られている。
余談
担当声優の松風雅也氏は『電磁戦隊メガレンジャー』でメガブルー/並樹瞬役を演じており、幼少期担当の潘めぐみ女史もVシネマ『帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー ニンニンガールズVSボーイズ FINAL WARS』でミドニンジャー/九重ルナ役を演じていた。
「ガンダムパイロット声のスーパー戦隊戦士経験者」自体は他に小西克幸氏(『天装戦隊ゴセイジャー』)・中村悠一氏(『特命戦隊ゴーバスターズ』)・森川智之氏(『獣電戦隊キョウリュウジャー』)・神谷浩史氏・大塚明夫氏(『宇宙戦隊キュウレンジャー』)がいるが、
彼らは着ぐるみキャラに声を当てる形での参加なため、生身で戦隊になったのは現時点では松風氏(及びVシネマの潘女史)だけである。何もそんな所でグラハムと被らなくても。
ジュリエッタ、このあとの仕事は? 編集をする時間くらいはあるんだろ?
ずいぶんと軽薄になられたものですね。仮面をかぶっていたころは…
いつの話をしているんだ? 俺はもともとこんな人間だよ。それとも、あの頃の方が好みだったか?
…項目を追記・修正します
いいね。もう少し軽い文章の方が俺の好みだ…って。ちょっ! 速っ! おい! 乱暴だって!
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