登録日:2015/07/25 Sat 13:55:21
更新日:2024/01/16 Tue 10:58:50NEW!
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風船 大食漢 強豪 ウルトラq ウルトラ怪獣 無限 バルンガ 腹ペコ 大食い 宇宙怪獣 雲 怪獣 悪役 何でも吸い込む 怪獣バスターズ ひる 文明の天敵
バルンガは、ウルトラシリーズに登場する怪獣。
別名は「風船怪獣」。
この項目では、元ネタと言われている短編小説についても紹介する。
出典:ウルトラQ/円谷プロ/第11話「バルンガ」/1966年3月13日放送
【概要】
全長:50cm~∞
体重:不明
たくさんの小さな触手を垂れ下げた、雲のような体の不気味な怪獣。
別名の通り風船のようにぷかぷか浮かんでおり、栄養が無い時は小さな胞子状になって宇宙空間を漂っている。
攻撃手段はこれと言ってなく、見た目は頼りなさそうなのだが、意外と皮膚は頑丈で銃弾やミサイルを受けてもびくともしない。
だが、バルンガの最も恐ろしい能力はその食性。バルンガが栄養にしているのは「エネルギー全般」なのである。
ガソリンや重油などの燃料は勿論、電気エネルギー、運動エネルギーまでありとあらゆるエネルギーはバルンガの栄養となり、どんどんその体を大きくしてしまう。
上述の通り銃弾やミサイルを受けてもそのエネルギーを自らの栄養にしてしまい、果ては台風のエネルギーをも全て吸い取ってしまう。
幸い生体エネルギーの類を吸収する描写は無いが、空中をただ浮かんでいるだけで都市機能は完全に麻痺してしまうのだ。
劇中の言葉を借りれば、まさに文明の天敵である。
ただ、バルンガが本来食べると推測されるものはこれら地球上のものではなく……。
その特性故にウルトラシリーズの数ある怪獣・宇宙人の中でも屈指の強豪と言われる事も多いが、巨大化する前なら人間の手でも十分退治する事が可能である。
ただし上に書いたとおり、一度でも大きくなると人間の手で追い出すことは出来ても倒す方法は無きに等しい(『怪獣バスターズ』を除く)。
なお、今のところ円谷の公式媒体でウルトラ戦士と戦った事は無い。
【登場作品】
- ウルトラQ
- 怪獣バスターズ/怪獣バスターズPOWERED
- 宇宙からの贈りものたち
- ウルトラマンオーブクロニクル
【主な活躍】
◆ウルトラQ
登場:「バルンガ」(11話)
土星ロケット・サタン1号が「風船」「燃料が無い」と言う通信を残して地球の海に墜落。1週間後、その現場を確認するために訪れたパイロットの万城目淳たちの乗るセスナの燃料が突然無くなった。
幸い無事に彼らは戻ってくることが出来たのだが、エンジンルームには風船のような不気味な生命体が付着していた。そう、サタン1号やセスナの燃料を吸収した犯人は、胞子の状態でサタン1号に付着し、地球にやって来たバルンガだったのである。
万城目たちは一旦箱に収納し車で運び出したが、バルンガは彼らや周りの車のエネルギーを吸収して急成長。車を破裂させ、東京上空に居座ってしまった。
警官の拳銃の発砲も、自衛隊機の攻撃も、バルンガを倒すどころかどんどん成長させてしまい、ついには東京タワーにも匹敵する巨体に変貌。高圧線の電気エネルギーをも自らのものにするバルンガに対し、都内での電気や乗り物の使用停止令まで決定される事態となった。
そんな中、万城目はこの事態を解決するかもしれない人物を見つけた。
その名は奈良丸明彦。20年前に隕石から発見した生命体「バルンガ」の存在を学会で発表した人物である。
その危険性も察した彼は自らの手でバルンガを殺処分し、地球の危機を脱する事が出来たものの、皮肉にもそのせいで実物を提示できないという事態となり、学会を追放されてしまったのだ。
そして、万城目たちは奈良丸と思われる、風船を手に持った老人と出会った。
電気も乗り物も消え、静まり返った東京の街の中で彼はバルンガを『神の警告』と呼んだ。
バルンガは自然現象だ。文明の天敵と言うべきか。
こんな静かな朝は、またと無かったじゃないか。
この気違いじみた都会も、休息を欲している。
だが、警告を反省すれば救われると言う事ではない、と万城目の仲間である女性記者・江戸川由利子は反論した。
その言葉通り、バルンガの勢いは収まることなく、台風のエネルギーをも自らのものにしてしまうほどの怪物へと成長を遂げてしまっていた。
最早成す術がない状況の中、あの老人=奈良丸博士は、解決策を提示した。バルンガに、本来の餌を思い出させるのだ。
そして彼の助言を受けた国連は人工衛星をわざと爆発させて「人工太陽」を創り上げた。するとバルンガは少しづつ空に上がり、人工太陽に向けて進み始めたのである。
こうして東京は、元の喧騒を取り戻した。
だが、宇宙空間で人工太陽のエネルギーを食べたバルンガは、本来の餌を思い出し、そちらに向かったかもしれない。
漆黒の宇宙で輝き続けるエネルギーをたっぷり詰めた恒星――「太陽」へと。
明日の朝、晴れていたらまず空を見上げてください。
そこに輝いているのは、太陽ではなく
バルンガなのかもしれません……。
◆怪獣バスターズ/怪獣バスターズPOWERED
緑の惑星「レラトーニ」や水の惑星「ワッカ」に出現。
ふわふわと空中に浮かび、触手を突き立てたり電撃を放ったり、巨体で圧し掛かったりして攻撃をする。
攻撃をすればするほどどんどん巨大化するが、無敵という訳ではなく退治する事が可能。
水を吸って色や属性が変わったバルンガ(青)や集団で現れるミニバルンガなどのバリエーションも登場している。
◆宇宙からの贈りものたち
電気泥棒扱いされて嫌われていたが、大型の個体がメルトダウンした原子炉を覆い常駐し、放射能汚染を防いだことで人気者となっており、その人気にあやかった「バルン菓子」なる商品も販売されている。
大気中のエネルギーのバランスが崩れ天候が不安定になるなどの問題や、数が更に増えた場合などの懸念もあるが、うまくコントロールして共存していく道が模索されている。
◆ウルトラマンオーブクロニクル
星間連盟の刑務所惑星・惑星484の重力波発生装置として幼体が利用されていた。
惑星を乗っ取ったジャグラス ジャグラーとビランキにより、ブラックホールを発生させ銀河全体を破壊する大量破壊兵器「バルンガボム」に改造される。
【色について】
モノクロ作品であった『ウルトラQ』に登場した怪獣・宇宙人の中には当時の色が判明していないものがあり、バルンガもその1つである。
デザイン画の段階では赤や青が入り混じった不気味な配色だが、江戸川百合子役の桜井浩子によると実際使用された人形は結構汚い土色だったという。ただ他のスタッフが赤色だったと証言した事もあり、正確な色は未だに不明。
なお、カラー化された『総天然色ウルトラQ』ではメタリック調の褐色となっている一方、『怪獣バスターズ』のバルンガは緑を基調とした色になっている。
【余談】
- 『ウルトラマンコスモス』は企画当初歴代の怪獣が再登場する案があり、バルンガもその一例として挙げられていた。
- 『ウルトラマンメビウス』に登場した、ファントン星人の非常食「肥大糧食 シーピン929」のモチーフはバルンガである。ただしバルンガとは逆にこちらは食われる側。
- 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではベリュドラの首を構成する怪獣の1体として登場。
- 上述の通り、奈良丸博士の台詞にとある放送禁止用語が含まれているが、現在発売されているDVDやカラー版『総天然色ウルトラQ』にはしっかり収録されている。
【元ネタ?】
明言はされていないが、このバルンガの話は元ネタが存在すると言われている。
それが、ロバート・シェクリィが執筆したSF短編小説『ひる』である。
◆「ひる」
登場:「ひる」(ロバート・シェクリィ著、1952年)
直径:1m(最初の確認時)~∞
体重:不明~∞
重力に乗って北アメリカ大陸に落ちてきた生命体。「ひる」は地球の科学者が名づけた俗称である。
バルンガとは異なり、灰色がかった黒い塊状の姿で地面にへばりつき、様々な物を吸収して巨大化する。
だがこちらは風や光、爆発などのエネルギーばかりではなく、地球の大地も、落ちてきた小枝も、近くにある家もジープも、自らに触れたありとあらゆる物体までも吸収すると言う恐ろしい性質を持つ。
その成長速度も半端なく、僅か2日で6倍、数日後にはさらに巨大になっていった。
その旺盛な食欲のせいで、過去に「ひる」は1つの惑星を美味しくいただいた事すらある。
ただその後栄養がなくなり、小さな胞子状の姿になって休眠状態になり、そのまま地球に落下したのだ。
勿論米軍も様々な対処法に乗り出したが、その先鋒にたったのは、「ひる」を倒す事のみに尽力するタカ派のオドネル将軍だった。
科学者たちが無謀だと言うのも聞かずにありとあらゆる手段で攻撃を加え、最終的には原爆まで投下する事態に至る。
しかしどれも「ひる」に効果があるどころか美味しいご飯をたっぷり与えるだけに過ぎず、最終的には直径100kmクラスにまで巨大化してしまった。
どうする事も出来ない状況の中、科学者たちは最後の作戦を発案した。
エネルギー=放射性物質を満載したロケットを宇宙に飛ばし、無敵の「ひる」を地球から追い出してしまおうと言うのである。
そして見事に作戦は成功、「ひる」はロケットに引き寄せられるかのように、さらに美味しそうな食糧「太陽」へ向けて旅立ったのだが……。
なお、文中ではまるで「ひる」が心を持っているかのように書かれているが、実際にそうなのか、ただの比喩なのかは不明(前者の可能性が高そうだが)。
以下結末:ネタバレにつき折り畳み。ガラケーの人はご注意を
先に述べた通り、「ひる」はバルンガと同様、エネルギーを満載した宇宙船に引き寄せられて宇宙空間へと追放された。
だが、成長はこちらのほうが遥かに上でおまけに速度も遅く、各地のエネルギーをつまみ食いし続け、到着した時には太陽を余裕で食い尽くせるほどのサイズに成長してしまう事が判明。
それを防ぐため、無人宇宙船を太陽の向きから変えた、その時だった。
「中尉!あのボタンを押せ!」
オドネル将軍は、「ひる」を倒す事に執着し続けていたのだ。
そして彼の思惑通り、宇宙船は爆発。そのエネルギーを食べようとした「ひる」も、大量の破片となって宇宙空間に飛び散った。
勝利の微笑を見せる将軍。
だが、彼は知らなかった。その破片が、全て生きていた事を。
何十億もの数になった「ひる」の胞子は、静かに食べ物を待っていた――。
明日の朝、アニヲタwiki(仮)を開いたらまず追記・修正してください。
そこに写っているのは、文字ではなく
バルンガなのかもしれません……。
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▷ コメント欄
- 最強怪獣議論ではイフとともに必ずといっていいほど名前が挙がる怪獣。しかし、幼体は簡単に倒せるし、もっとスケールがでかい怪獣もいるので過大評価されている感があるかも。とはいえ、非常に恐ろしい能力を持った存在であることに代わりはないし、そもそもこの話のメッセージ性を考えるにバルンガの強さを議論すること自体がナンセンスか。 -- 名無しさん (2015-07-25 15:22:59)
- 車のドアにぶつかっただけで瀕死になった一平見てたら後のウルトラシリーズに人間が極めて超人なのかがわかる。(特にタロウの登場人物とか) -- 名無しさん (2015-07-25 15:37:25)
- ↑2他の強豪怪獣だって赤ん坊の頃から強かったわけじゃない -- 名無しさん (2015-07-25 16:33:52)
- バキューモンのことも思い出してください…。 -- 名無しさん (2015-07-25 16:50:43)
- 複数体がいたら共食いになるのかな -- 名無しさん (2015-07-25 20:56:20)
- 巨大化前のバルンガをどうやって殺したんだろう。巨大化前ならナイフで引き裂くとか出来るのかな。でも学会に発表できなかったという事は、死体や肉片も残っていないって事だろうし… -- 名無しさん (2015-07-25 21:20:26)
- まあ、この手の奴のお約束「余りに急激に大量のエネルギーを与えることで自滅させる」でなんとかなりそうな気がしないでもない(ただし大きいのだとセブンのワイドショットやゾフィーのM87光線みたいな大技を数分ぐらいはいりそう)。 -- 名無しさん (2015-07-25 21:24:20)
- ↑2 物理攻撃も吸収するっぽいし毒かなと思ってる -- 名無しさん (2015-07-26 08:18:38)
- 結論、メディアや制作会社に関わらずモンスターパニック作品のタカ派は余計なことしかしない。オドネル将軍を実力行使を用いても止める人はいなかったのか・・・ -- 名無しさん (2015-07-26 10:56:11)
- 明言されてないが明らかにひるが元ネタとしか考えられない。そしてあちらは・・・ -- 名無しさん (2015-07-26 14:57:02)
- エネルギーを吸収して無限に巨大化というと、ウルトラマンUSAに登場したキングマイラや宇宙戦艦ヤマトに登場したガス生命体もバルンガに近いかな。あれらは恒星に飲まれて消滅したけど、さらに巨大化した場合だったら太陽を食うぐらいになれていたのだろうか -- 名無しさん (2015-07-26 15:13:58)
- 怪獣バスターズに出たときはビックリしたな。まさか倒せる日が来るなんて… -- 名無しさん (2015-07-26 21:25:51)
- 怪バスで倒せたのは何だったんだ。ダメージ与えるたびに膨らんでいったから、エネルギー食わせまくって自滅させた? -- 名無しさん (2015-08-13 22:37:56)
- 元ネタがあったとは知らなかった -- 名無しさん (2015-09-26 21:24:54)
- スぺシウム光線とかの光線技も吸収されるんじゃ -- eba (2015-09-26 21:55:51)
- バルンガの隣にバルンガを置いたらエネルギーを奪い合って共食いになるのかね -- 名無しさん (2015-09-26 22:02:44)
- 総天然色で暗い色合いなのは、可視光線も大部分吸収するからなんだろうか -- 名無しさん (2015-11-07 12:45:19)
- というか戦闘らしい戦闘をしてないのに強豪認定されるのもすごいよなこの怪獣…あと元ネタ怖すぎノアさんカモン -- 名無しさん (2016-02-22 14:39:29)
- バルンガってどうやってエネルギーをとってるのかな -- 名無しさん (2016-02-22 17:27:53)
- ↑バルンガ「吸うと膨らむ〜」じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2016-02-24 14:38:34)
- 台風やミサイルのような直接触れたエネルギーや、電気のように吸い寄せられそうなエネルギーはともかく、離れた場所にある自動車のガソリンは、触れてもいないし吸い寄せたわけでもないのに、どうやって吸収したんだろう -- 名無しさん (2016-02-24 22:44:45)
- ↑たぶ気化して吸い取ったんだろう -- 名無しさん (2016-05-31 13:19:56)
- マガタノオロチやボガールなどの星食い怪獣と鉢合わせたらどうなるんだろうな… -- 名無しさん (2017-01-21 18:58:28)
- ↑やっぱ食い合うのだろうか -- 名無しさん (2017-02-21 19:54:16)
- ↑簡単なこと、強い奴が生き残るだけ -- 名無しさん (2017-07-30 00:32:22)
- 物理的にはともかく化学的や生物的には倒せるのかな。特定の薬品に弱いとか、細菌やウィルスに感染するのか、とか -- 名無しさん (2018-07-03 07:47:58)
- エネルギーを吸い取るのであれば、逆にエネルギーを奪う攻撃である冷却に弱いかもしれない。強力な冷凍光線とかであれば退治できる可能性もあるのではないだろうか -- 名無しさん (2018-07-03 08:26:43)
- 昔の怪獣図鑑によれば「太陽を食おうとして逆に吸収されてしまった」とある。太陽ってすげえ。 -- 名無しさん (2019-12-27 13:46:06)
- 実は共存出来そうな怪獣ってのが驚いたわ -- 名無しさん (2020-02-24 11:00:24)
- どっかのサイトでバルンガが太陽を飲み込んで、陽が昇ると同時にバルンガの触手が出てくる漫画があると知ったけどどんな漫画だっけ? -- 名無しさん (2020-05-20 12:37:25)
- 生体エネルギーを吸わないということはドラゴンボールの孫悟空が超サイヤ人に変身して超エネルギー発揮しても全く効果なさそう -- 名無しさん (2020-09-28 15:13:17)
- 「イデオン」の重機動メカアブゾノールはまさに「メカバルンガ」。 -- 名無しさん (2021-12-15 01:27:58)
- ルパンのマモーはこいつになりたがってた? -- 名無しさん (2021-12-15 01:28:57)
- サタン一号のコクピットに何故か障子があったけど、当時の本物の宇宙船内部は機密扱いだったの? -- 名無しさん (2021-12-17 22:00:14)
- バルンガにも内臓はあるんだろう。エネルギーを吸収したり変換する臓器。小さいうちならそれをナイフや裁断機で切り落として致命傷も与えられるが、大きくなると内臓まで裁断する手段がなくなる……ということかな、奈良丸博士の殺処分とは。内臓を切ってしまったんでは、発表もできんだろうし。 -- 名無しさん (2021-12-17 22:32:34)
- ↑怪バスはそういうような器官を破壊してるから倒せるのかも -- 名無しさん (2021-12-17 23:20:15)
- 元ネタ?の「ひる」読んだけど、ホラーとかサスペンスじゃなくてユーモア寄りの良い短編だね。あと間違いなくバルンガ。 -- 名無しさん (2022-04-09 08:01:55)
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