登録日:2015/01/04 (日) 22:25:24
更新日:2023/12/21 Thu 13:58:49NEW!
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お嬢様 わがまま 発作 棺担ぎのクロ。 けちんぼ 黒い染み 葬式ごっこ 唯1人の生き残り 純粋な願いの悲劇 感情が真っ黒に塗り潰される←そしたら最後は…… モー
雪の積もった夜明けに 少女はこっそり屋敷を抜け出しました
ほんのちょっとの好奇心と ほんの些細なわがままが
いずれ大きな 取り返しのつかないことに なるなんて
少女は ちっとも 知らなかったのです。
あんた達ひまなら手伝ってくれない? お葬式
棺担ぎのクロ。~懐中旅話~に登場するキャラクター。
主人公であるクロに大きな影響を与えたキーパーソンである。
◆概要
とある村の村長の1人娘。自分の持つ長い髪が自慢。
父親が村で一番偉い人間だからその娘である自分は二番目に偉いのだと思っている。
そういった考えもあってとてもワガママなお嬢様であり、気に入らないことがあるとすぐに蹴ったりしてくる。
といっても子供っぽいという範疇に収まるレベルなので、煙たがられてるとか孤立無援だとかいうこともない。
専属の使用人であるメイやよく遊びに来る双子姉妹など彼女と良好な関係にある人も多かった。
◆冬の魔女の噂
ある日モーは自分の家に遊びに来た友達である双子姉妹から冬の魔女についての噂を聞く。
その年に最初に雪が降って積もった後、誰も足跡を付けていない状態で一番最初に村の丘にある枯れ木の周りを一周すると、魔女が現れて願い事を一つ叶えてくれるのだという。
モーはある日の早朝に家を出てその枯れ木の下へと向かい、自分とは違う人影――黒い魔女と出会うことになる。
たくさんの願い事があって決められなかったモーは考えた末にこう言った。
「自分をあなたと同じ魔女にしてほしい」と。
その願いを聞き入れた黒い魔女はモーに向かって手を伸ばす。
目を覚ました時にモーは雪原に倒れ込んでおり黒い魔女の姿も見えない。
そして彼女の体には謎の黒い染みが浮かび上がっていた。
◆全てを蝕んでいく染み
家に帰って来た後に使用人のメイに念入りに体を洗ってもらってもその染みは消えず、
心配になって相談した父親に連れられて遠くの街まで足を運んで原因を追及したりもした。
その後はモー曰くの「おおぜいのくろづくめのひととしろづくめのひとたち」に体を調べられることになる。
村の人間にはその染みが伝染病の類だと想われたり、村中の人間が集められたりもしたが一向に回復する兆しが無い。
黒い染みの浸食が段々と進み、お気に入りの服も着られなくなっていく中、
モーを除く村の人たちがひとりまたひとりと倒れ、しろづくめのひとに運ばれてその姿を消していく。
その中にはモーが仲良くしていた双子姉妹や使用人のメイも含まれていた。
やがて村中の人間が自分を残して誰一人としていなくなり、自分一人だけになった末にモーは死という概念を理解することになる。
その頃には体中はおろか、顔の半分ほどにまで黒い染みの浸食が進んでいた。
◆クロとの出会いと……
その矢先にモーは崩壊した村にやって来たまだ旅を始めたばかりの頃のクロとセンに出会うことになる。
黒い染みに侵され、村で独りぼっちで過ごしてきたこともあってその時点でのモーは快活なお嬢様とは程遠い、歪んだ性格になってしまっていた。
センの第一印象は「死人よりも死人らしい顔をしている」とのこと。
廃墟と化した建物と父親が残した村人の為の棺の山の中から姿を現したモーは、
クロに会うなりいきなり冒頭の言葉をかけて葬式ごっこに付き合わせたりした。
が、詳しい話を聞く内にクロとモーは同じ黒い魔女の呪いに苦しめられている者同士だということを知る。
クロはモーに一緒に旅に連れて行きたいと言う程の強い思い入れを見せ、
モーも付いていくのもいいかもしれないとクロのことを意識するようになる。
が、クロが村にやってきて3日目にモーは階段から転げ落ちてしまう。
染みの浸食によって脆くなった足が崩れ落ちたことによるものだった。
更にその日は自分を心配してくれるクロに思うことがあったのか、感情の爆発による発作で夜まで寝込むことになってしまう。
足を失い動くことさえできなくなってしまいながらもクロと過ごす中での5日目。
既に顔の大半が真っ黒に染まっている中、未だに出ていこうとしないクロに対してモーは自分の染みのことについて一通りのことを話すと同時に
自分と同じであるクロに「あんたがあたしの棺になって」「あんたの中にあたしを入れて、死ぬまであたしのことを忘れないで」と頼む。
動揺を隠せないクロを前にモーは静かに語り始める。
黒い染みができるときってきまってるの
うまくいえないけどそのまんま
そのまんま気持ちが「真っ黒」になるときよ。
一度黒くなってしまったところはもう戻らないの
もがいてもがいてどんどん不安が大きくなって……
このまま全部まっくろになってしまったら
あたしは最後に「なに」になるの?
◆空っぽの棺
村を訪れてから丁度7日目、クロとセンは村を出ることになる。
その時のクロの姿は今までのリュック姿ではなく、黒づくめの衣装と一つの大きな空の棺。
既に息を引き取ったモーから想いを託されたクロは、自分とモーが入る物としてその棺を背負うことを決めた。
いつか来るであろうモーの最期と同じ自分の最後、今の自分のままで終わりたいクロ自身のための物として。
そんなクロにセンは「忘れるな、俺らの旅は元に戻るための旅だかんな」と声をかけ、2人は村を後にした。
以降もクロは片時も離すことなくその棺を背負い続けながら旅をしているのである。
◆余談
クロと同じように黒い魔女の呪いに蝕まれ、クロに全てを託して逝った悲劇の少女であるが、
その彼女を取り巻く環境にも様々な伏線らしき物が残されている。
特に気になるのがモーの友達だった双子姉妹。
彼女たちもまた呪いの影響によって村の外へと運ばれていったのだが、
2人とも子猫を一匹ずつ抱えていたり、片方はモーのことを舌っ足らずに「けりんぼ(けちんぼ)」と呼んだりしていた。
多くの読者は後にクロと出会うことになったニジュクとサンジュのことを思い浮かべたことであろう。
モーとクロを苦しめている黒い魔女の正体も、ニジュクとサンジュを生み出したはかせが生み出した123(ヒフミ)である可能性が高いことを考えると……
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▷ コメント欄
- モーがジオング状態になった時が一番棺担ぎのクロの黒い面が出てたって印象 -- 名無しさん (2015-01-05 06:25:51)
- メインキャラの中で一人だけ名前が数字関係じゃないのが気になる…と思ってたら『毛(1/1000)』という単位があるらしい センと対を成す役割を持つということだろうか…? -- 名無しさん (2017-09-03 15:01:22)
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