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更新日:2023/08/09 Wed 11:46:31NEW!
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ドラクエ ダイの大冒険 人格者 旧魔王軍 ドラゴンクエスト ハドラー 魔王軍 勇者アバンと獄炎の魔王 ヒュンケル 組織 悪の組織 架空の組織 ブラス バルトス キギロ ガンガディア デストロール 地獄の騎士
アバンめ 束の間の平和をせいぜい楽しんでおけ・・
新生魔王軍が誕生したら・・真っ先に殺してやる・・!!
漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の過去において語られる敵集団。
●目次
【概要】
かつての魔王ハドラーに率いられ世界を脅かすも、かつての勇者アバンやその仲間達にハドラーが倒されたことで勢力を失った。
時折その戦いが回想などで描かれるが、そのエピソードは断片的なもの。
ちなみに旧魔王軍の侵略が開始されたのは21年前、ハドラーが倒されたのは15年前である。
地上国家は徐々に生存圏を削られながらもどうにか抵抗を続けており、特にカール王国は手強くハドラーにとっては目の上の瘤だったという。
スピンオフ漫画「勇者アバンと獄炎の魔王」にて、組織の構成など詳細が語られている。
後の六大団長よりは格段に劣る戦力である*1ことを意識して描写されているが、地上侵略を目論むだけあって、いずれも曲者が揃っている。
またあちらと異なり、幹部同士の関係が比較的良好*2。
野心に燃えるハドラーは自分が最強という自負の元、勢力を拡大しつつ世界征服に向けて邁進していた。
地上には他にも地上支配を目論む魔物やその集団が存在したようだが、ハドラー魔王軍の実力と権勢に気圧されており、機を窺う者が大半だったらしい。
後の新生大魔王軍では部下になる者達とも、この時期からの知己である。
ザボエラとは互いに一目置く取引相手という間柄。
クロコダインは名誉に執着せず武者修行の旅を続けており、地上制覇に挑戦するハドラーに敬意を寄せる武芸者だった。
後のハドラーがザボエラの実力には期待と信頼を寄せしつつも人柄は信用せず、クロコダインに全幅の信頼を寄せていたのもこうした事情故であろう。
旧魔王軍の本拠地は地下へと広がる迷宮、地底魔城。
登場人物の一人であるレオナ姫の母国・パプニカ王国の付近にあるヴィオホルン死火山の中に建造されている。
地底魔城がこの地にあるのは本編においては周知の事実同然だったが、その16年前時点では死火山に近付く人間が少なかったからか、地上国家は魔王軍の本拠地を突き止めるのに苦労していた。
火山の中腹にあたる場所には屋外に突き出した闘技場が設置されている。
元々は魔王軍の兵士同士が腕を競い合う練兵所だったようだが、ハドラーは闘技場で魔物と捕らえた人間を戦わせる悪趣味な遊びもしていたらしい。
ハドラーが倒されてから15年後には、ヒュンケル率いる不死騎団のアジトになっていた。
【メンバー】
魔王ハドラー
魔界の神……か……
面白い。ならば見ていてもらおうではないか
この地上を獄炎に焼き尽くす我が覇道を!
詳細は項目参照。
当時はフードを被る魔道士然とした風貌。
初戦では後のように闘気を使う場面は見られずアバン相手に肉弾戦で梃子摺ったことから、呪文による戦いに長じている印象が強かった。
だが、実際にはアバンとの邂逅時は人間を見くびり過ぎて面食らっていただけのこと。
本編における神の化身や、神を超越すると謳われる、撫でれば鋼鉄が粉砕するのは当たり前だったり、あまつさえ切断された腕を瞬く間に生やす。そんな超常の存在達に比べると見劣りはしてしまうのは否めない。
だが、この当時のハドラーもこの世界において傑出した存在であるのは間違いない。
意図的にその脅威を隠す超常の存在を除けば、その覇気と魔力によって世界中の魔物に影響を与えるのは魔王ハドラーのみ。
闘気の中でも特殊とされる暗黒闘気を無意識ながらも行使することが出来る他、時間さえかければ切断された腕が生えて、深々と刻まれた傷も癒える再生力は魔族の中でも突出している。
この頃から、幹部のガンガディアと並ぶ怪力で卓越した格闘術を振るい、ただの拳の風圧で前方2メートル程の石畳が砕けてしまう。
掌に微弱な爆裂系魔法を纏わせて敵の剣戟を受け止める等、魔法も器用に駆使し、技巧も卓越している。
「勇者アバンと獄炎の魔王」時代は大魔王バーン・竜の騎士の存在も知らないようで、後の保身や自分より強い部下に怯える中間管理職魔軍司令時代と違い、魔王として威風堂々と振る舞う。
上述の通りダイの大冒険本編に比べるとハドラー自身の実力もまた落ちるものの、自分が最強と信じつつも飽くなき上昇志向を抱き、より強くなることに余念が無い*3。
強い部下にしか興味はないと言い放ち、力を失った部下は容赦なく冷遇するが、これもその部下が這い上がって来ることを期待してのこと。
失態を犯せば即座に処断するような短絡さはなく、曲者揃いの部下達に対しても寛容さと器の大きさを見せていた。
皮肉なことに「成長を期待して敢えて冷遇する」という処遇受けて怯える立場に、後年になって自分が陥ることはこの時知る由もない……。
決戦の末アバンに敗れはしたが、死の直前に魔界の神に命を救われて生き長らえている。
それでも力を蓄える為に長年の休眠を必要とし、十数年の後に再び姿を現すまでは世界は平和が保たれた。
幹部
『地獄の騎士』バルトス
いかなる強者なのか…勇者とは……
CV:平野正人(1991年版)、渡辺いっけい(2020年版)
ハドラーの禁呪法によって生まれた「地獄の騎士*4」。別名サンテレビ
部下は多数の骸骨剣士、ギガンテス(アニメではボストロールに変更)、オーク達で構成されている。
旧魔王軍最強の騎士で、ハドラーの居室を守る最後の門番を務めるが、そんな立場に似合わず彼の気性は穏やかで優しいもの。
戦火の中で捨てられていた人間の赤子を拾い、魔界の伝説の剣豪の名である「ヒュンケル」と名づけ、わが子同然に数年間、地底魔城内で大切に育てていた。
ある時ヒュンケルが作ってくれた紙製の首飾りは、彼が肌身離さなかった宝物。
暖かな日々が破局を迎えるのは、ついに勇者アバン一行が地底魔城を攻略する段になってのこと。ヒュンケルを隠れさせ、彼は決死の覚悟でアバンと対峙するも敗北、死を覚悟する。
しかし首に下げられた飾りを見て、彼に「大切な誰か」が居ることを知ったアバンは止めを刺さなかった。だがアンデッドであるバルトスは、ハドラーが倒されその魔力が断たれれば結局死んでしまう。そう説明し、後に一人残されるヒュンケルの世話を頼んだ上でアバンを進ませた。
やがてハドラーとアバンの決着が付くものの、彼の最期は魔力切れによるものではなかった
戦いに敗れたとは言え最後まで戦ったり妨害せずアバンを通したことから、彼に激昂しながら現れたハドラーによって殺されたのである。
ハドラーが休眠に入るために姿を消した直後、隠れていた場所から出てきたヒュンケルは崩れゆくバルトスを発見。しかし彼はアバンに後を委ねた旨を伝えられず、力尽きて死んでいった。
ヒュンケルは、愛する父親はアバンに殺されたのだと誤解。
そしてこの恨みが後に魔王軍・不死騎団長ヒュンケルを誕生させる。
なお、バルトスの魂は地底魔城の隠し部屋に安置された宝物に宿っている。*5いつかヒュンケルがその声を聞き、アバンへの間違った憎しみが氷解することを願って。
一方、バルトスを破壊したハドラーは憤慨するあまり「次の魔王軍にはお前のようなヤツは作らん!」と言っていたものの、本人がバルトス同様の武人になったのはある意味皮肉と言えなくもない。あるいは、彼も同じ禁呪生命体であるフレイザードや親衛騎団同様、ハドラーの奥底に眠っていた武人としての心を受け継いでいたのかもしれない。
なお、彼の死はハドラーの八つ当たりと称されることもあるが、ハドラー視点では裏切り行為に間違いないので、怒りのあまりの制裁ではあるが、たとえハドラーがアバンを倒したとしてもバルトスが処刑される結末は変わらなかったと思われる。
後述するそれまでのハドラーとバルトスの信頼関係を考えればなおさらである。
また、ハドラーがバーンに命を救われた時点でバルトスは非常に危険な存在になっていた*6ので後顧の憂いを絶つという意味でもこの処刑はやむを得ない点もある。
バルトス自身もそれは分かっているためか、最後までアバンに感謝しつつ、ハドラーに対しても敬称は使わずとも恨み言は一切言わなかった。
…実のところ、ハドラーに処刑宣告されて「なぜ…!?」と驚いたり、失態を指摘されても「そ…そんな…!」と言ってたりと恨み言を言ってないだけで、自分のやらかしを理解してなかった節もあったりするが。
「勇者アバンと獄炎の魔王」でも登場。
本作ではフード付きのマントを纏い、6本の剣を背中に背負っている。
アバンがハドラーと初対決した時点で既にヒュンケルを育てている。*7
新参者のブラスを出口まで案内したり、体が治っていないキギロが無理に出撃しようとした時に引き留めるなど紳士的な人格者。
この時は人間を育てることについて、バルトスが地底魔城最強剣士なこともあり、ハドラーにも「酔狂をする」と笑って許されていた。
後にバルトスにブチ切れたときの発言からわかるように、元々ハドラーは人間の情愛や騎士道精神といったものを好ましく思っていなかった。
ましてや魔王軍幹部たる立場の彼が人間の子供を育てるなどやったら下の者に示しがつくはずもなく、本来は厳しく咎められて当然と言える。
しかし、そんな逸脱した行為さえ笑って許すほどハドラーはバルトスに全幅の信頼を置いていたわけで、そこまで信じていた部下がただ負けるならまだしも絆されて道を開けてしまったと考えると、ハドラーがあれほど怒ったのも残当であろう。
だが、その一方で本来のハドラーであれば前線に赴き真っ先に強者と戦いたがる性格であり、余計な消耗をさせずにとっとと門を通させるようにバルトスに告げていてもおかしくなかったりする。
凍れる時間の秘法の影響で精神が弱ってしまったことがバルトスを粛清する一端になってしまったとも考えられる。
また、同僚であるブラスも人間の子供を育てている事を恥じるバルトスに対して素直に敬意を示しており、バルトスとヒュンケルの関係を羨ましがっていた模様。
その後のブラスの人生を考えれば、次代の勇者誕生に間接的に関わっていたと言える。
『鬼面道士』ブラス
人間の子供を育てる……か……
いやいや ワシには縁のない話よ
CV:田の中勇(1991年版)、緒方賢一(2020年版)
本編開始時点で182歳。
『ダイの大冒険』の前身となる読切作品『デルパ!イルイル!』の時から、モンスターでありながら個人名があったり、どういった経緯か魔界の強力なモンスターを封じた「魔法の筒」を魔王から受け取っていたり、本来鬼面道士には使えないキアリー等の呪文を使う描写があった点から、旧魔王軍でも比較的高い地位にあったのでは?と思われていた。
そして、アバン主役の物語となる「勇者アバンと獄炎の魔王」にて、幹部級の地位でありブラスという名前も幹部に昇進した際に授けられたものと判明した。
ハドラーがカール王国に侵攻した頃に昇進したばかりだったようで、ハドラーの邪気を浴びて破壊の衝動に目覚めた当時は凶悪な顔つきだった。
本編の印象が強い読者からすると、稀少種を集めた他幹部と違ってブラスはただの鬼面道士であり、大分見劣りする感も否めない。
しかし、破壊衝動に目覚め呑まれていた頃のブラスは、魔法に頼らない空中浮遊能力等の鬼面道士が会得する筈の無い特殊能力を複数備えた稀少な存在だった。
その逸脱した能力がハドラーの興味を引いたらしい。
「勇者アバンと獄炎の魔王」では、ハドラーの命で魔物の戦力を増強する為に、戦力となるであろう魔物達が多くいる拠点として目を付けたデルムリン島へと向かった。
当時のアバン達と面識が無かったのはこの任務に影響の模様。*8まあ、ある意味では運が良かったのかも知れない。
デルムリン島への旅立ちの際、人間の子供を育てるバルトスを少し感慨深げに見ながらも「自分にはそんな機会はあるまい」と考えていたのだが……
『亜人面樹』キギロ
力量の低い奴をいたぶっただけでぼろ儲けだ
きっと妬まれることだろうなぁ
また出世してしまうから
スピンオフ漫画「勇者アバンと獄炎の魔王」に登場。
種族は数百年に一度、突然変異で生まれるじんめんじゅの亜種「亜人面樹」。
魔物の棲家となる「魔の森」を徐々に広げており、後に百獣魔団の拠点にもなっている。
樹木の幹に顔が貼りついたような通常の人面樹と違い、頭はハドラーに支配されていた頃のブラス同様に凶悪な顔つきの人面樹だが、その下には胴体や手足があり肩章付の軍服を身に着けた人間のような出で立ちをしている。
この体に見える部位の正体は異常発達した木の根であり、この根こそが亜人面樹の特徴でもある。
通常の人面樹と同等に備わる本来の小さな二本腕は服の中に隠している。
普段は「僕には覇気も野心もない」「僕のライフスタイルはしぶとくコソコソ生き残る」と謙遜し、「ハドラーに手傷を負わせるようなアバンには会いたくない」と尻込みする。
常にワイングラスを携えていることと言い、服のセンスと言い、臆病なインテリめいた装いや振る舞いを好む。
だが内心では武勲をあげそうなブラスを気にする様子を見せたり、アバンの接近を知ってこっちから挑みたくないと謙遜しつつ、「また出世してしまう」と呟くなど、自信家にして強い上昇思考・名誉欲を隠しきれていない。
半ばおどけた様子や秘めた自信から察せられる通り、彼の振る舞いは半分本音で半分嘘。
その本性は慇懃無礼なサディスト。
ワインを嗜むことと並んで「弱い者虐め」が趣味であり、相手が自分の力量で確実に仕留められるかを見極めて着実に狩るタイプである。
こうした言動を堂々とハドラーの前で吐いてもハドラーは笑って受け流し、キギロがいざ出撃した折には「アイツらしい」と評していた辺りからしても、キギロはそうやって“結果”は出してきた様子。
一方で「戦場での武功以外に誇れるプライドがない」というコンプレックスを抱えており、大きな戦いに出陣できないと取り乱す場面があった。
戦闘では近中距離戦を主とする。
身体の密度を硬軟自在に変化させて、当人曰く鋼鉄並にまで硬度を引き上げた二本の隠し腕や、軟化して伸縮を可能にした巨大な根を鞭として殴打する。
加えて体内に流れる高温の樹液も特徴の一つ。その樹液は魔力を込めればより超高温に加熱され、ワイングラスを瞬時に融解させるほどの超高熱を体から発することが可能。
この樹液のお陰で火系呪文に対して高い耐性を有しており、超高温化した樹液を硬質化させたうえで発射する「魔力樹液弾」によって遠距離も対応できる。
ただし、一度に硬化出来る範囲は隠し腕等の全身の一部が限度で、それ以外の部位は通常の樹木程度に留まる。
後述の巨大マンイーターを合体して大量の魔力供給を受ければ全身硬化も可能になる。
この状態だと本体は身動きが取れなくなるのが欠点だが、魔力樹液弾の同時使用でカバーするのが序盤におけるキギロ最大の切り札。
しかし最大の特徴は、「ライフスタイルはしぶとくコソコソ生き残る」という当人の言の通り、種子を残すことで再生出来る生存能力の高さにある。
まず、幹に相当する顔面を断ち割られる重傷を負っても周囲の植物を吸収すれば再生出来る。
それだけでなく、種子さえ残っていればそこからまた発育によって復活することも可能。
十分な栄養のある土地に運んで貰い定期的な水の供給を受ける、植物として育成して貰う他力本願な前提条件付ではあるが、条件さえ整えば強化再生さえ望める特性を持つ。
ただし、フレイムやゴースト系等の不定形な生命体の例に漏れず、コアを損傷すると形を保てなくなり一気に崩壊が始まる。
空裂斬は天敵に等しい技である。
ロモスにおいては、大地斬を開眼したアバンによって敗れたものの、上記の特性によってキギロは辛うじて生還した。
しかし、刑罰と反骨心をバネにした更なる成長の両方を狙ったハドラーによって、敢えて不毛な地底魔城入り口傍にキギロは植えられてしまった。その所為で思うような成長を遂げられず、地底魔城で広がるアバン躍進の噂を耳にする度に焦りばかりが募っていた。
なお水がないと生きていけないらしく、かといって顔に水をかけられるのも不快なため、水やり担当のおばけキノコに怒鳴り散らしていた(が、おばけキノコには改善するほどの知能もなかった)ところ、ガンガディアの采配で地底魔城にいて暇をしており知能がそれなりにある者が水やり担当になった模様。
そんな折、デルムリン島が芳醇な地であることを思い出したキギロは、大急ぎでキメラに乗って海を渡りブラスに頼った。キギロの閃きは見事的中し、劇的な短期間で大幅な強化再生を果たした。
- 巨大マンイーター
各地に配したキギロの腹心にあたる存在にして支配の要。
地中の魔力を吸い上げさせて、そこを中心とした魔物の森を生み出す能力を持ち、通信葉を介して部下の人面樹からの情報を得られる。
この独自に構築した情報網によって、侵入者の技能や特徴を観察してから戦法を練るのが、キギロの基本的な立ち回りである。
- 強化形態=一段階
牡鹿のように雄々しく巨大になった角が目立つが、何より根に強力な魔力が宿っている。
手足に見立てた根がよりマッシブになった見た目通りに格闘能力が向上しただけでなく、柔軟さにも磨きがかかった。限界まで肉体を柔らかくして衝撃を逃がし、かつて自身を一刀両断した大地斬を受け流す繊細な制御も自由自在。
だが、それもおまけに過ぎない。
この形態のキギロは根を大地に広げて大陸全土の植物を支配下に置き、悪魔の目玉による索敵や監視と同様の芸当が可能になった。
それに加えて、人間の膝小僧サイズの小型分身体を無数に生成出来る。
これらは極々一部を分けているに過ぎないので戦闘力は脆弱なものの、倒されてもキギロ本体にダメージが逆流することはない。その癖、キギロとリアルタイムで意識共有しているので、細かい工作活動に対応する上に情報収集に長けている。
かつて頼っていた巨大マンイーターの能力を自身に集約した上でより進化させつつ、戦闘能力も底上げした。純粋な上位互換形態となった。
- 強化形態=二段階・邪気ver
上記の強化形態によって、修験者が集う秘境ギュータの中でも最も危険な地、魔界に通じると謳われる洞窟「逢魔窟」で修行中だったアバンを強襲した。
過酷な修行でアバンが消耗していたこともあって進化した力で圧倒していたが、海破斬には対応しきれず手傷を負わされたため、駄目押しとしてこの形態になった。
これは「逢魔窟」に満ちる暗黒闘気を根から徹底的に吸収したもので、下半身は甲殻を纏った蜘蛛のように変貌し、二本の触手のような暗黒闘気を纏う禍々しい姿をしている。
海波斬すら回避出来るまでにスピードが増しただけでなく、この形態は攻防一体。
周囲を漂う暗黒闘気を操って鋼の剣をへし折る物理攻撃も繰り出し、呪文も生半可なものは弾いてしまう。
洞窟が崩落すれば生き埋めになるので、極大呪文や重圧呪文(ベタン)のような有効であろう呪文は使えず。
地の利は完全にキギロにあり、アバンとロカ、マトリフの三人をも圧倒してのけた。
とは言え、この形態も完全無欠ではない。
キギロ当人が自ら修練で体得したものでなくあくまで外付けの力であり、闘気に関する知識や技の練度に乏しいためか、光の闘気に極端に弱い。
アバンが放った空裂斬の一撃によって、纏っていた暗黒闘気が一瞬にしてかき消されてしまい、これが致命傷になった。
- 強化形態=最終段階
空裂斬がコアに掠って致命傷を負いながらも、アバン達への憎悪と怨念によって命を繋ぎとめた姿である。
最早自慢の根や樹液は見る影もなく消え失せて、ドラクエシリーズの「おばけかれき」を更にみすぼらしくしたような姿に成り果てており、強化一段階の小型分身体と同程度のサイズしかない。
朽ち腐ったようにしか見えない全身には亀裂が走り、枯れ枝のような腕は何もせずともぼろぼろ落ちる。当然、剣で斬り付ければあっさり両断されて本体も倒れる始末。
だが、死に損なったまま、なかなか死なない。内側から溢れ出る邪悪なオーラが落ちた腕を繋ぎ直し、倒れてもほどなくして立ち上がる。
この状態に至ったキギロの命は風前の灯ではある。しかし、その邪悪な魔力はガンガディアら幹部達をの凌ぎ、魔王ハドラーにすら比肩し得る程となった。
見た目に反して、膂力は強化形態に勝るとも劣らず。魔王ハドラーのように素手で鉄製の鎧兜を砕ける。
腕を振るうと破片がボロボロと体から離れるが、これが尽きることないどころか、散弾のように敵めがけて飛んでいく。その手数と威力はかつての魔力樹液弾を超えており、矢のように一般的な鎧を穿ち皮膚に喰いこむ。
そして何より脅威なのが、呪詛のように周囲一帯を侵す呪詛めいた瘴気。
旧アニメ映画に登場した「暗黒闘気・瘴気結界魔術」に近い効果で、上記の破片が体に喰い込んだ相手は、邪気が体を侵されてどんどん力を失い弱体化していく。
逢魔窟の時のようなスピードはないが、相手を弱体化させる効果によって、キギロの敵はまるでキギロが加速度的にスピードを上げているかのような錯覚に陥る。
加えてキギロから溢れる邪気はフィールドを侵食し続けて、半径数十メートルの範囲がキギロの領域と化してしまう。
この領域内では地底魔城の魔物ですら瘴気にあてられて昏倒してしまい、破片の呪詛効果も増幅し続けて、破片を喰らった者はみるみるうちに衰弱してしまい、更に勝機を失っていく。
この段階のキギロに対抗するには、破片の散弾やキギロの打撃をものともしない防御力か、この暗黒闘気による結界めいた力に対抗出来る強力な闘気の力が必要になる。
『デストロール』ガンガディア
まあ頭脳だけ優れていても勝てんな
やはり……『力』がなくては!
スピンオフ漫画「勇者アバンと獄炎の魔王」に登場。
当時のハドラーの側近にして旧魔王軍の参謀格。
常人の背丈の倍程もある杖のような柄の長い特別仕様の巨大棍棒を持ち、眼鏡をかけ知的な雰囲気を纏ったトロル一族。
彼もまたキギロ同様、同族の中から数百年に一度産まれる希少種「デストロール」である。
ハドラーから「粗暴なトロル一族の異端児」と評されている。
読書とトレーニングを趣味としていることから分かる通り、性格は厳格かつ非常にストイック。
愚かで粗暴で醜い体である『トロル』という種族そのものや、自分がトロル一族に属する所為で同列扱いされることに屈辱を覚え、そのコンプレックスをバネに必死にトレーニングや勉強を重ね現在の高い知性と鍛え抜かれた肉体を獲得した。
従来のトロルとは違って巨体ではあるものの太っていない引き締まったボディビルダー体型なのは、希少種だからではなく純粋な自己鍛錬の賜物である。
かなりの博識であり、当人も「(旧)魔王軍において最も魔法の知識がある」と豪語する。
知識だけでなくハドラーの側でアバン一行の動向を正確に推察するなど、ハドラーも一目置く慧眼を持っている。
一方で、トロル一族そのものを醜悪で惰弱な存在として忌み嫌っており、「自分は他のトロル種とは一線を画す」点に異常なまでにこだわる。
「デカブツ」「脳筋」といったトロルを揶揄する単語を自身に当てはめられると、普段の落ち着きや理性が嘘のように消え怒り狂い、侮辱した敵に突撃する短気な一面を抱えてしまっているのが玉に瑕。
これで嫉妬深く頭の沸点が低いだけならば大した相手ではないが、自己研鑽意欲が旺盛なのが長所であり、敵に回すと厄介。
上記の経歴故に、敵であろうと博識で頭の回転の速い者には敬意を示す。
特に目をかけているのがマトリフで、体躯と膂力で圧倒的に勝る自分を交戦する度にやり込める彼の機転と知略に対して憧憬の念さえ抱いている。
マトリフの方も作戦のためガンガディアを「デカブツ」と挑発するものの、内心では「あれで側近レベルだってんだから気が遠くなる」「これだから頭のいい奴は面倒なんだよ」と評している。
精進の結果として引き締まった筋骨隆々の肉体を持ち、キギロによればバルトスと並ぶ武闘派。
ハドラーが怒りに任せて暴れた際に諫めるのはガンガディアの仕事で、それが務まる彼は旧魔王軍において魔王に次ぐ実力者と目されている*9。
後世の怪力無双には及ばずとも、トロル一族の突然変異種に相応しく凄まじい剛力の持ち主。
自己鍛錬によって練り上げられたその練度たるや当時のアバンがまだまだ未熟とは言え、力を籠めた前腕の筋肉だけでも大地斬を受け止めてしまう程。
そして最大の特徴はトロル版魔法使いというべきその戦闘スタイル。
マトリフは「呪文マニア」と皮肉ったが、ヒャダルコやイオラ、メラゾーマなど多彩な呪文を習得して操り、技も非常に多芸で状況判断も適切。
- 巨大棍棒を振り回すという大きな隙が生じる立ち回りを呪文でカバー
- イオを棍棒で打ち上げて衝撃で拡散させて複数の標的を牽制する器用な小技
- ルーラを肉弾戦に持ち込む為の接近手段に用いる
等、トロル一族としての己が持ち味を最大限活かす方向で魔法を活用している。
※奥の手
- 最強呪文『火竜変化呪文』
見たまえ!己を捨てて獣と化した我が姿を!
ド・ラ・ゴ・ラ・ム!!!
ヨミカイン魔導図書館にてガンガディアが厳選した、彼にとっての最強呪文の正体。
本作においては、マトリフですら実在を疑う伝説の古代呪文とされており、二つのオリジナル要素が加えられている。
まず、
- 四肢の一部を竜へと変化させる「ドラ」
- 複数個所を変化させる「ドゴラム」
- 全身が竜化する「ドラゴラム」
の三段階に分かれる。
そして、術者の肉体の質によって竜化による強化の程度が変わる。
「つまるところ、自分の筋骨隆々な肉体を徹底的に強化して、筋力による破壊力とスピードで獣の如くゴリ押すのが最適である。呪文は火炎のブレスで存分に補えるし、武術家でもないのだから肉体変化しても特に困らない。力こそパワー」
ガンガディア自身がこの結論に早々に行き着いており、この呪文こそが自分との相性が最も良いと理解していた。
ただし、知的で理性ある振る舞いを理想とする彼にとっては屈辱的な選択でもあるので、習得はしても使う気は起きずに、この呪文が記された魔導書を禁書とすら呼んでいた。*10
しかし、凍れる時の秘法によって調子を崩したハドラーの有様を目の当たりにしたガンガディアは、責任感と忠義心から、自分の拘りを捨ててこの魔法を解禁する覚悟を固めた。
来る決戦において、アバン一向を誘導して闘技場でマトリフとの一対一に持ち込んだガンガディアは、予定通りにこの魔法を発動。
原作でアバンが使用した時と同じく眼鏡をかけた竜の姿になった。
ただでさえ強靭な肉体を竜化させたことによって防御力も上がり、強力なブレスを吐く竜化ガンガディアには、並大抵の魔法は有効打にならない。
通用し得る大呪文を発動するためにマトリフが距離をとって魔法力を溜めようとすれば、翼も活かした高速移動と肉弾戦で封殺する。
牽制に放つ火炎は竜のブレスで魔法力を伴わないので、氷系呪文によってメドローアを発動される心配は無く、マトリフはただ防御し逃げに徹するしかない。
相性で有利な戦闘スタイルで徹底的にメタを張り、マトリフを追い詰める猛威を振るった。
直前にアバンから盾を譲り受けていたマトリフは辛うじて竜化ガンガディアの猛攻をしのぐも、遂に限界が来て盾も破壊されてしまう。勝利を確信するガンガディア。そして……。
※極限のパワーと無双の知略、その戦いの結末
盾が砕け、最早打つ手なしのマトリフの繰り出す苦し紛れのメラを弾き、トドメを刺さんとするガンガディア。
しかしマトリフの真意はあえて弾かれることで残されたちっぽけな魔力の炎をガンガディアの意識から逸らし、その残り火めがけて同じように威力を搾ったヒャドを打ち込む事で、いわば「設置型メドローア」を発生させる事だった。「メドローアを設置して時間差で撃てるようにする」という使い方次第でフェニックスウィングを完封しかねない凶悪な戦術に、これをポップが思いつかなくて本当によかったと原作を知る読者達は慄いた
マトリフの信じがたい精密な魔力コントロールと予想外のダメージに狼狽し距離を取るため飛翔するも、知将ガンガディアは今起きた事態を冷静に分析、理解していた………それこそがマトリフの狙いと気づいた時には、全てが手遅れだった事も。
ガンガディアは例え竜化しようと、その知性が曇る事はない。そして知恵あるからこそ、思いがけない事態には反射的に「分析」し「理解」しようと「考えて」しまう…つまり「何も考えずパワーでごり押しする」という完全無欠の戦略を自ら崩してしまったのだ。
ほんの僅か、作らされてしまった「思考する」という隙。その数瞬はマトリフにとってメドローアを練り、打ち込むには十分すぎる時間。ガンガディアは喉もとのブレスを生み出す器官を撃ち抜かれ、自らの炎に焼かれ爆散する…。
ここに人類最高の知性と魔王軍最高の知性の、知恵と力と魂をかけた総力戦は雌雄を決したのだった。
戦いが終わり、死を待つだけとなったガンガディアはマトリフにドラゴラムが記載されていた魔導書を託す。
敵にヨミカイン魔導図書館を利用させないためとはいえ、図書館を破壊した事を心底後悔していたためであった。
その後悔のまま死ぬはずだったガンガディアに、マトリフは自身が天才故にこれまでの人生で対等のライバルが現れた事がなかったと語り、
ガンガディアはマトリフの人生で初めて現れた、心躍らせてくれる好敵手だったと生涯唯一のライバルを讃える。
そのマトリフの称賛にガンガディアは感激し、「あなたに評価されると最高に嬉しい」と安らかに事切れるのであった。
- エビルマージ
ガンガディアにとって大切な憩いの場だったヨミカイン遺跡の魔導図書館にて当館の管理を任されていた、彼の腹心にあたる魔物。
エビルマージ当人は館長を自称するが、実際には番人である。
魔王軍幹部の副官という地位は伊達ではなく非常に多芸で戦闘慣れしている。
メラゾーマをはじめゲームでは覚えていない多種多様な魔法も扱えるどころか、10発程のイオを宙空に発生させて降り注がせる魔界の神の真似事も披露し、アバンの剣戟も物理バリアを展開して咄嗟に防いでのける。
とある呪文を求めてヨミカイン魔導図書館を訪問したアバン一行を阻むべく交戦。
ガンガディアに任された蔵書を傷つけないように強力な呪文は使えない縛りプレイを強いられることを看破したアバンに苦戦を強いられた。
どうにか手下と連携して彼を追い詰めたものの、ロカとレイラの援護によって傷を負い、暴発した魔法によって自ら蔵書を傷つけてしまった。
自尊心を傷つけれた怒りとガンガディアの制裁も恐れから、火炎の息で増幅した巨大メラゾーマで諸共に消滅させようとするが、剣士として覚醒し始めたロカの必殺技・豪破一刀によってメラゾーマごと両断されて散った。
その他戦力
悪魔の大目玉
後述のザボエラからハドラーが購入した魔物。
普段監視カメラよろしく常用する悪魔の目玉に、魔界の魔物として知られる大目玉を合成した超魔生物の試作品。
悪魔の目玉特有の催眠効果のある甘い香りや大目玉の格闘能力が合わさっただけでなく、全能力が大幅に強化されている。
触手を対象の頭部に当てて脳に干渉することで、記憶の読み取りや幻覚を見せて情報を引き出すことも可能。悪魔の目玉特有の広角カメラのような視野も活用し、極めて高い諜報能力を発揮する。
購入したハドラーは、修行の為に世界各地を転々と移動するアバンの所在を掴む為に利用。数日で容易くアバンの所在を掴んでハドラーに報告した後に、サババの港町にしてアバン一行と交戦。
尾行に気付いたレイラを誘い込んで捕縛しあと一歩のところまで追い詰めるも、アバンが駆け付けてレイラの無力化には失敗。
そのまま二人同時に相手取って互角の格闘戦を演じるも、アバンとレイラの巧みな連携によって撃破された。
キラーマシン
勇者抹殺の目的で開発されたとされる、ドラクエシリーズお馴染みの遠隔型の無人殺戮兵器。
基本デザインはシリーズ従来通りだが、本作においては人の4倍はある巨体であり、装備も相応に長大。
モノアイが受信機になっており、そこで魔王ハドラーの邪悪な魔力を受信することで活動する。
静養の為にパプニカ王国に滞在していたレイラとロカを狙って、ようやく完成した1機をガンガディアが派遣した。
キラーマシンの運搬は最早二階建て家屋を移設するに等しい大仕事の筈だが、パプニカ王都の中心にキラーマシンが
襲来した際には、4本足を収納したボール状に形態で空から飛来した。
どうやらキラーマシンを地底魔城から射出する、投石器さながらの設備も開発したらしい。
その性能は「この1機だけでパプニカ王国を攻略せしめる」とガンガディアが太鼓判を押すほど。
まず何より厄介なのが装甲の魔法耐性。
パプニカの賢者達による中級魔法くらいでは、雨霰と撃ち込んでものけぞるだけで傷一つつかない。
そればかりか物理への耐久力もあり、ロカが繰り出す剣戟さえも闘気剣以外は弾き返してしまう。
そして、侵略兵器なので当然ながら攻撃面でも秀でている。
ロカに勝るとも劣らぬ馬力でもって、巨大剣を振るい石畳を踏み砕き、クロスボウからは人より大きな矢を放つ。
頭部モノアイにはレーザー砲まで搭載しており、石造家屋二軒分をレーザーで軽々焼き切る。
最終的には、パプニカ賢者達による魔法の弾幕によって生じた隙をロカとアバンが見逃さず、
二人の繰り出した豪破一刀が頭部を切断。受信器を失ったキラーマシンは沈黙した。
防衛手段を魔法に頼るパプニカ王国にとってこのキラーマシンが今後絶大な脅威になる。
そう確信したパプニカ王は即刻行動に移り、キラーマシンを鹵獲して側近のテムジン大臣を中心とする解析チームを発足した。
当然ながらこの脅威の兵器の弱点を解明することが使命である。
だが、テムジンは魔王の魔力を受信する代りに人の魔法力で稼働させる改造を施した上で悪用することを思いつく。
それが結実してひと騒動起こすのは16年後のことになる。
パプニカ王都襲撃の時は、レイラの妊娠を契機に即刻魔王を封印して無力化するとアバンが決断して、その計画実行の目途が立った直後のこと。
それからほどなくしてアバンはウロド平原にてハドラーとの決戦に臨み、決闘の末にハドラーは封印されてさながら氷像のようになってしまったばかりか、勇者一行によって拉致された。
結果、魔王軍は一年間以上に渡ってハドラーの捜索や封印の解呪方法の研究に忙殺される羽目になった。
仮にこの封印騒動が無かった場合、キラーマシンの大量生産と全世界への大量展開はつつがなく進行したことは疑いの余地が無く、人類の生存圏は一気に削り取られて窮地に陥ったことだろう。
関係者
ヒュンケル
当時5〜6歳ほど。バルトスの項でも記述されているように、すでに彼の養子として地底魔城で暮らしている。
植物への水やり係など城内で小間使いを任されることもあるが概ね不自由のない暮らしをしているのは本編の設定通り。
ザボエラ
地上と思しき辺境にある密林の奥地に住む魔族の研究者。年齢は800歳ほど。
当時はハドラーの取引相手で、ハドラーはザボエラから度々彼から魔物などを購入していた。
技術力に加えてハドラーに比肩する魔力の持ち主で、ハドラーは度々配下に勧誘しており「世界征服すれば、世界の1/4くらいはくれてやる」と高く買っていた。
ザボエラ自身も「自分は所詮隠居の身」と口先では謙遜しつつも当然ながら内心は満更ではなかったが、自分を最大限高く見せるために敢えて取引相手という形をしばらく維持する気でいた。
この頃から既に出世欲と自己顕示欲は非常に強かった。
その持てる力を発揮すれば魔王ザボエラを名乗ってハドラー率いる魔王軍に対抗するのも不可能ではなかっただろうが、当人にはそんな野心や気概は欠片も無し。
あくまでも指揮統制等面倒事は打ち棄てつつ、他者の羨望や嫉妬を一身に浴びる地位のみを求めていた。
こうした性根と行動が禍して、実力は一目置かれつつもまるで敬意を払われていない。
ザムザは、父に手柄を横取りされていることや、保身の為の風除け扱いされる*11も含めて内心不満を抱いており、「この人は自分を高く見せること以外頭にない」と毒付いていた。
さらにそういった態度はハドラーの部下であるガンガディア達に対しても同様で、「ハドラーを救った恩人」と恩着せがましく上から目線で主張しまくった結果、ガンガディアからは「知性さえあればいいというものでもない」「全く憧れない…!」と酷評され、ガンガディアだけでなくバルトスからも滅茶苦茶に嫌われまくった。
ザムザ
ご存じザボエラの息子。
すでにこの頃から、超魔生物の研究に取り組んでおり、魔物の合成などに成功。
しかし、ハドラー相手にザボエラはそれを自分の手柄として話すのだった…。
ハドラーから「ある領域においては父ザボエラを完全に越えている」と解説される才覚と頭脳の持ち主だと明らかにされた。
だが、業績のほとんどをザボエラの手柄にされてしまっているため大成はしなかった模様。
クロコダイン
当時は在野で武者修行の最中にあったが、この時既に「獣王」の勇名は魔王軍にも知れ渡っていた。
鎧を着ておらず、顔つきもどことなく若々しい。
覇道の道を進むハドラーのことは尊敬しており、ザボエラからハドラー救出の依頼を受けやり遂げる。
依頼完了後は名前も名乗らず去っていったが、その立ち振る舞いから獣王であると察したガンガディア達からは尊敬された。
ちなみにこの帰り際、お互いの名も知らないまま後に友となるヒュンケルと会話を交わしてもいる。
魔界の神
手傷を負ったハドラーに突如語りかけた謎の存在。
天地創造の後に地上から去ったとされる創造神に成り代わる新たな神を自称し、その名乗りに相応しい超常の力の片鱗を見せた。
その正体は、数千年を超える遥か太古より魔界を猛威を振るい「魔界の神」として君臨した存在であり、この時点では謎の男とともに「死の大地」に居を構えていた。
だが、ある時期から計画のために人間や他の魔界の住人に存在を悟られないよう活動していた故か、まだ343歳のハドラーはその存在を知らなかった*12。
声のみとはいえ地上で初めて自身の存在を明し、アバン戦でのケガの治療や旧神についての議論をするなど当時からハドラーには注目していた様子。
謎の男
魔界の神に仕える正体不明の男。
魔王軍の動向を監視している。
皆既日食の際には自身の体に「凍れる時間の秘法」をかける他、神の指示で秘法の解除法をガンガディアに伝えたりもした。
おまえをアニヲタと名付けよう かつて項目を追記・修正したという伝説のヲタクの名前だ・・
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▷ コメント欄
- 禁呪法で生み出した魔法生物が作った者の精神の影響受けるなら…ハドラーにもバルトスみたいな優しい心があったのだろうか? -- 名無しさん (2014-07-28 02:12:28)
- 作中に出てくるのがただのいい人なバルトスとブラス爺ちゃんだから、あまり魔王軍って感じがしないんだよなぁw -- 名無しさん (2014-12-20 22:04:25)
- ↑確かにwwwwww -- 名無しさん (2015-01-12 14:58:17)
- バルトスに手作りペンダントかけてあげるヒュンケルの周りで、他の魔物達もほっこり笑顔だったっけ -- 名無しさん (2017-04-17 02:19:53)
- バルトスの人格ってハドラー不在で温厚になった他の魔物に近いんだよね。あの人格者ぶりは不自然でもあるし、もしかして魔王による凶悪化が例外的に効いてないんじゃないだろうか。 -- 名無しさん (2019-12-16 18:26:58)
- 幹部が種族中級(地獄の騎士)、中盤の敵(鬼面道士)。やはり旧魔王軍は小粒ではある。 -- 名無しさん (2019-12-18 18:56:28)
- ↑2下手したら魔物凶暴化ってハドラー関係無しにバーンの瘴気に当てられたからなんじゃあ… -- 名無しさん (2019-12-18 21:49:01)
- まあ、バルトスに関しては本来なら殺されていたはずの状況まで戦い抜いたとはいえまだ命があるうちにアバンに道を譲ったのは事実なので、門番の役目を放棄した裏切り行為とみなされても仕方ない面もあるかも -- (2019-12-18 22:00:06)
- フレイザートも凶暴で残忍ではあるがゲスではないし、何気にハドラーが作る魔物ってまともな奴ばっかだよね。 -- 名無しさん (2019-12-18 22:21:33)
- ↑フレイザードはゲスではない……か?ミストバーンから鎧もらっておいて後で寝首掻こうとか恩知らずなこと考えたりしてたが……。 -- 名無しさん (2019-12-18 23:21:39)
- バルトスと一緒にいたオークキングとサイクロプスも気のいい奴らなんだろうな。ヒュンケルを笑顔で見守ってたし。 -- 名無しさん (2020-08-08 12:57:16)
- 別に本人もハドラー恨んでねえしなぁ。 -- 名無しさん (2020-10-06 10:47:57)
- バラン「ハドラー? あんな小物放っておくわ」 -- 名無しさん (2020-10-06 12:23:45)
- ↑バーンと同格のヴェルザーと比べるのはさすがにハドラーがかわいそうだろ -- 名無しさん (2020-10-06 13:41:47)
- 旧魔王軍はバルトス、ブラス、キラーマシーンの三強体制じゃなかったかな。作者が言及してたはず。 -- 名無しさん (2020-10-06 21:29:14)
- キラーマシーン幹部だったのか というかあれハドラーが作ったのだとすると意外とメカニックに長けてたんだね -- 名無しさん (2020-10-06 23:31:40)
- 全盛期バルトスのルックス公開されたがこれは魔王軍最強の男ですわ…じいちゃんもダークだ -- 名無しさん (2020-10-22 16:07:29)
- ↑あれ、でもなんか一人足りない…… キラーマシーン「ミンナ…ハドラーサマヲ…タノム…!!」 -- 名無しさん (2020-10-22 20:03:12)
- いくら自軍の最強戦士の頼みとはいえ人間の子供を育てるなんて事を許してる時点で当時からハドラーは魔王にしては寛容だったと思う バルトスを処刑した時もヒュンケルの方は見逃してるし -- 名無しさん (2020-10-22 20:14:00)
- もしかしたら、ブラスじいちゃんがダイを育てたのってバルトス・ヒュンケル親子に何かしら憧れるところがあったとか、魔王軍壊滅時にヒュンケルも一緒にデルムリン島に連れ出してあげたかったけどできなくて後悔していたとかあったのかもなぁ… -- 名無しさん (2020-10-23 02:09:28)
- グリニデみたいなインテリデストロールさんと性格悪そうな亜人樹がどんなキャラか気になる -- 名無しさん (2020-10-26 12:30:13)
- ↑2そういえば本編では会う機会が無かったけど、ヒュンケルとブラスじいちゃんって、互いに顔見知りの可能性があるんだよな -- 名無しさん (2020-11-03 01:58:52)
- ↑4 バランに「放置しても構わない小物」みたいに思われていたのもその魔王にしては寛容さのせいだったのかも 実力の差も当然あるがヴェルザーの方が支配下にも情け容赦ない危険人物だから始末を優先されたとか -- 名無しさん (2020-11-22 10:07:48)
- ヴェルザーは地上侵略を咎められただけで、人間くさい奴らしいからそこまででもないんじゃないの。魔界編の予定でも魔界の有力者の最後の一角が問題になって新生竜騎衆が必要になったらしいし、誰かが魔界を治める必要があることを思うと竜王のひ孫ポジションぐらいになりそうな気がする。 -- 名無しさん (2020-11-22 11:57:01)
- ガンガディア辺りがキラーマシーンの開発してザボエラみたいなポジションになるのかな -- 名無しさん (2020-11-22 12:00:33)
- 「勇者アバンと獄炎の魔王」の展開次第だが、結束が固い分バーンの魔王軍と総合的な厄介さは大差ないみたいなイメージがある -- 名無しさん (2020-11-22 12:04:06)
- ブラスがアバンと出会わなかった流れがちゃんと出来てたな。んで本編でハドラーがブラスの事をスルーしたのは単に忘れていた可能性がある。描写からブラスが新入り幹部で直後にデルムリン島に行ってるし、その後全然会わずに居たら色々あったハドラーからしたら忘れててもしょうがないわな。 -- 名無しさん (2020-11-26 09:15:44)
- ↑そんなどっかの社長みたいなハドラーやだよw -- 名無しさん (2020-11-26 09:23:00)
- 慧眼を持ったトロル族ヒーローズ2に居たっけな。 -- 名無しさん (2020-12-04 15:43:06)
- よく考えたらバルトスってヒュンケルの両親殺して戦災孤児にした張本人なんだよね。普通なら恨まれてもおかしくないのに実の親以上に慕われるのはすごいよな -- 名無しさん (2020-12-11 22:32:36)
- ↑手には掛けてないぞ。滅ぼした街を探索してたら捨てられてたヒュンケル拾ったんだから、場合によったらまだ生きてる可能性も。 -- 名無しさん (2021-01-07 18:43:23)
- ↑2020年版では明言されずに「哀れな…」とだけで描写されたから、どうとも受け取れる描写になってたね。 -- 名無しさん (2021-01-14 12:34:16)
- まぁもし捨てられてなかったような描写をいれるとしたら親らしき人間の死体も写っていてもおかしくなかったからね -- 名無しさん (2021-05-17 10:49:11)
- ↑5ジャック将軍ですね -- 名無しさん (2021-12-31 09:41:55)
- ハドラー、ヒュンケルと戦ったときに「親子そろってこの俺に盾つきおって!」と言ってたが、バルトスに裏切られたことはかなりショックで引きずってたのではないだろうか。 -- 名無しさん (2022-02-27 00:07:06)
- 四天王といってもブラスとバルトスは設定上あまり出番を作れないから、キギロとガンガディアが主な敵役となるね -- 名無しさん (2022-05-29 23:43:07)
- ↑2そりゃあ・・・自分の部屋に通じる門を任せていた一番信用している部下だったからね。怒りを通り越して悲しみを知るレベル -- 名無しさん (2022-05-30 01:53:41)
- この魔王軍何か皆互いに認め合っててめっちゃ仲いい感じがするわw -- 名無しさん (2022-06-01 10:43:19)
- 認め合ってるし仲違いはない上にハドラーへの忠誠心もしっかりある故に、バルトス裏切りでのハドラーの対応は本人(恨みなどは一切元々見せてない)含めてせやなっていいそう -- 名無しさん (2022-06-01 11:46:22)
- 「これだから頭のいい奴は面倒なんだよ」アンタが言うな、アンタだけは言うんじゃない…とツッコミたくなるがガンガディアやべぇ -- 名無しさん (2022-06-02 03:22:19)
- この何処となく和気藹々とした魔王軍の後だと、ギスギスした六軍団+何を考えてるのか分からない上司の中間管理職やらされたらそりゃ余裕なくすよなと何か納得行った -- 名無しさん (2022-12-01 19:52:01)
- ブラスは早々に出張、キギロは前半戦で殉職、バルトスはアバンの一件で最終評価がどん底なのは分かるけど、ガンガディアに関しては本当に「良い部下」だと思う。でもハドラー的には親衛騎団をもって「最後にようやく部下に恵まれた」との評価なんだよな…作品跨いでるから仕方ない部分はあるけども -- 名無しさん (2023-04-17 20:24:14)
- 上も下もギスギスしてる奴らばかりで、自分もいつ切り捨てられてもおかしくない立場。そんな中でようやく裏表のない親衛騎団が出来たら「良い部下に恵まれた」と漏らしたくなるのも無理はない -- 名無しさん (2023-04-17 21:08:55)
- 幸か不幸か、ハドラーにはバーン様のような「自分一人でなんでもできる絶大な魔力」が無かったのが人格を分けたな -- 名無しさん (2023-04-17 22:04:55)
- マトリフはガンガディアの実力を認めてるからこそのメドローア -- 名無しさん (2023-05-30 00:35:46)
- ↑ミス。メドローアは「センスのないヤツには出来ねえ」ってポップに言ったんだろうな。ガンガディアが訓練してもモノに出来なかったから実力だけでは出来ないと思うようになったんだろうね -- 名無しさん (2023-05-30 00:38:08)
- ガンガディアさん好きすぎる。思わず「さん」をつけずにいられないくらい。 -- 名無しさん (2023-06-21 20:57:24)
- 本気で殺し合った決着後に爽やかに認め合うのが三条キャラ120%すぎたねガンガディア そして怨念の化身と成り果てるあいつ… -- 名無しさん (2023-06-22 13:46:33)
- ガンガディアの経験を得て「いいからルーラで機動力確保しろ、足の速さは戦いの強さだ」「魔法使いは勝つためにあらゆる手段を考えろ、そういうやつは本当に強い」とか言いたくなるね -- 名無しさん (2023-07-15 19:30:57)
- ガンガディアがダイ大本編で語られてないのが不思議なくらい良いキャラしてる -- 名無しさん (2023-07-15 21:35:08)
- とりあえずガンガディアだけでも分割で個別項目にしても良さそうかも? -- 名無しさん (2023-07-17 08:50:58)
- ガンがディアが良いキャラすぎた -- 名無しさん (2023-07-19 01:26:15)
- ハドラー「お前は俺のために死ねるか…?」バルトス「もちろんでございます!(即答)」ハドラー「信じるぞ、お前の忠誠心…」おまっ……バルトスおまっ…… -- 名無しさん (2023-07-23 03:21:14)
- 単行本派だからようやくマトリフVSガンガディアまで追いついたんだけど、互いの実力を認め合ったライバル同士の死闘って本当に良いな…。今際に自分の切り札を託す(そしてオレには扱えないと遠慮される)展開も相まって原作のポップVSシグマの系譜を感じるのもまたスピンオフとして見事な作劇で良い。大魔導士師弟揃って最高のバトルしやがって… -- 名無しさん (2023-08-06 06:26:39)
- 「ロクデナシ→世捨て人のマトリフがなんでポップをあれほど的確に指導できたのか?」 -- 名無しさん (2023-08-06 19:15:35)
- ↑失礼、途中送信されてしまった。答えは「過去にとびっきりの弟子を得た(そして無念な別れ方をした)経験があったから」。なんだそれは! -- 名無しさん (2023-08-06 19:16:46)
#comment
*2 策士タイプのキギロでも仲間を踏み台にはしないためかザボエラのように嫌われてはいない
*3 ロカに不意打ちで腕を両断された対策として、食べると骨が金属化していく魔鉱石をザボエラから仕入れて常食している等
*4 ゲーム版ドラクエ3にも登場する、骸骨剣士の強化版
*5 わざわざ隠し部屋に置いていたと明言している辺り、主君のハドラーからも許され、同僚のブラスもそれを咎める事無く敬意を以て接していたとは言え、元々人間の子供を育てている自分の立場の危うさを理解していた模様。
*6 バルトスが生きているという事はハドラーも生きている事になるのでアバンに見つかるとハドラーの生存がバレてしまう。
*7 ヒュンケルは赤子の頃にバルトスに拾われているので特に本編と矛盾はしていない。
*8 キギロから名前だけは聞いていた
*9 最強の騎士バルトスとの力関係は不明。
*10 ドラゴラムの魔導書自体はヨミカインでの入手…となるとマトリフやアバンと対面する前にすでに上述の結論を意識していた可能性も考えられる
*11 凍れる時間の秘法の解呪法を模索する際にも、ザボエラはザムザに仕事を押し付けた。ザボエラが解けずとも「自分が課した試練もこなせない息子が無能だから」で済むし、無事解呪出来たならば「その程度出来て当たり前」と何食わぬ顔で嘯ける。ハドラーの魔王軍に対して自分の体裁を保つ為である。
*12 ハドラーの魔力を探知できる道具すら遮断していた
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