登録日:2011/11/27 Sun 19:03:47
更新日:2023/12/04 Mon 13:40:16
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脚本家 香村純子 愛知県 戦隊オタク ニチアサキッズタイム スーパー戦隊シリーズ 仮面ライダー 平成ライダーシリーズ プリキュア プリキュアシリーズ 超獣戦隊ライブマン 炎神戦隊ゴーオンジャー 天装戦隊ゴセイジャー 海賊戦隊ゴーカイジャー 非公認戦隊アキバレンジャー 仮面ライダーウィザード 仮面ライダードライブ go!プリンセスプリキュア 動物戦隊ジュウオウジャー キラキラ☆プリキュアアラモード 快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー ヒーリングっど・プリキュア 機界戦隊ゼンカイジャー コメント欄ログ化項目
香村純子とは、主にスーパー戦隊シリーズなどで近年注目を浴びるようになった脚本家である。
あの小山高生が主宰した脚本家事務所である「ぶらざあのっぽ*1」に所属していたが、現在はフリー。
キャリアを重ねた近年の活躍から、製作側からも特オタからも信頼の厚い脚本家の一人である。
●目次
【作風】
血が通ったキャラクター造形と、緻密なストーリー構成に定評がある。
特に1話単位での構成力は凄まじく、『非公認戦隊アキバレンジャー』のアキバイエロー母親回では誰も予想できなかったオチが高く評価された。
また、『動物戦隊ジュウオウジャー』最終回での大どんでん返しも、それまでの流れを汲みつつも、たった1話で全ての価値が逆転する作劇が見事に描かれている。
家族愛や恋愛は割とストレートに描く一方で、小林靖子脚本とは別ベクトルでえげつない心理描写を描くことも多い。
キャラクターの肉づけはギャグ回担当のサブライターともマッチしやすいネタ要素を程よく盛り込んでいる。
敵の描写は時代的・放映時間的な制約もあって直接的に表現されないものの残虐っぷりが際立っており、ハード回とコメディ回、及びラスボスの威厳の振れ幅がかなり大きい。
それはニチアサでも最も直接的な残虐描写には制約の大きいプリキュアシリーズにおいてもがっつり発揮されている。
勧善懲悪も徹底しており、主人公と敵対する悪の組織は因果応報の末路を辿る事が多い。
哀しき悪役のような根っからの悪人ではなかったり、主人公達との和解が示唆されたキャラなどであっても例外ではなく、悪としての所業を断罪される形で倒されるのが殆どである(近年では例外もいくつか見られているが)。
2019年2月度ギャラクシー賞月間賞を『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が受賞した*2際には、選評の中で名指しで脚本及びキャラ造形を絶賛されることとなった。
【戦隊愛】
戦隊愛の深さには定評がある。一番の推し作品は『電撃戦隊チェンジマン』とのこと。
- 戦隊を書きたくてシナリオライターになった
(なお、中学の先輩である荒川稔久は『ウルトラマン』を、同じ女性特撮脚本家である小林は『レスキューポリス』を書きたくてこの世界に入っている) - 『爆竜戦隊アバレンジャー』の三条幸人=アバレブルーとえみぽんこと今中笑里が後に結婚していたという設定に演者本人たちまでが驚く中、一人だけ「私はそう思ってました」
- 『超獣戦隊ライブマン』が特に好き。特に大原丈=イエローライオンと彼を演じた西村和彦が好きであり、『海賊戦隊ゴーカイジャー』でライブマン回の話が来る前から内容を勝手に考えていた
- 当時握手会に行っていた『未来戦隊タイムレンジャー』のドモン=タイムイエローを演じた和泉宗兵氏から、『ゴーカイジャー』の打ち上げで「ありがとう」と言ってもらい感激
その戦隊愛の深さを見込まれてか、35周年記念作品である『ゴーカイジャー』ではサブでありながら実に16本もの脚本を書いている。
同じく戦隊への愛が暴走しまくった作品である『アキバレンジャー』にてサブ脚本を務めたのも納得といえるだろう。
【経歴】
愛知県出身。
一度地元で普通の会社員として就職するも、脚本家の夢を諦めきれず24歳で上京、当時あった東映のスクール*3に入り基礎を学び、その後ぶらざあのっぽ入りし、同じく小山の門下生で愛知出身の荒川の引きを得る。
少女漫画系のドラマCDで脚本家デビュー。そのためカプ厨ではないかとの声も(これは師である荒川にもいえるが)。
スーパー戦隊シリーズには『炎神戦隊ゴーオンジャー』から参加。その後『天装戦隊ゴセイジャー』にも参加するが、当時はイマイチぱっとしなかった。
彼女の名前が注目されるようになったのはやはり『海賊戦隊ゴーカイジャー』からであろう。
当初はプロデューサーの意向もあってそれほど深く過去戦隊を書くことはできなかったようだが、
ギンガマン編の脚本を担当した辺りから作品的にも本人的にも弾けだした。
ゴーゴーファイブ編「人の命は地球の未来」や戦隊定番の入れ替わり回を経て、
同作の各回の中でも特に高い評価を誇る「友の魂だけでも」を執筆。『ライブマン』愛を昇華させた内容となった。
その後もゴーオンジャー回やメガレンジャー回を担当した後、
『ゴーカイ』各話の中でもその完成度の異常なまでの高さにファンのみならず、特オタをも唸らせた「未来は過去に」を執筆する事となる。
詳細はリンク先の項目に譲るが、この回は5つもの戦隊の内容をリンクさせ、かつ高いレベルでまとめあげられている。
特撮史上でも希有な傑作回なので、特撮ファンなら是非一度視聴を勧めたい。
その後は戦隊愛を公認様ではなく非公認の方で発揮し、好評を得る。
同時期放送の公認様が戦隊の約束事をいろいろと破壊するスタンスで制作されていたため、
特オタ界隈の一部では彼女がメインを務める戦隊への期待論が高まっていた。
2012年には平成仮面ライダー14作目の『仮面ライダーウィザード』にもサブライターとして参加。
メインライターのきだつよしが他の仕事の都合もあったため、事実上のダブルメインライターとして全話の半分近くを執筆しており、劇場版も2作担当した。
2015年には『仮面ライダードライブ』(平成・令和仮面ライダーシリーズの脚本家も参照)や『Go!プリンセスプリキュア』にも参加。
このため、余談ではあるが『ドライブ』と『プリキュア』の連続でSKT(スーパー香村タイム)になった日もあったりした。
今後のスーパーヒーロータイム以外のニチアサの活躍にも注目したいものである。
そして2016年に遂に宇都宮孝明Pに「メインやらない?」と声をかけられ、『動物戦隊ジュウオウジャー』で戦隊メインを務めることとなった。
2018年に『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で再びメインライターを務め高い評価を得たのち、2020年には『ヒーリングっど・プリキュア』で初めてプリキュアシリーズのシリーズ構成に抜擢。
ついにニチアサメインライターの3冠を達成することとなった。
2021年にメインライターを務めた『機界戦隊ゼンカイジャー』では全49話中47話*4を執筆。ほぼ全話執筆という偉業を成し遂げ、大きく話題を呼んだ。
【主な参加作品】
特撮
- 炎神戦隊ゴーオンジャー(2008年 - 2009年)
- 天装戦隊ゴセイジャー(2010年 - 2011年)
- 海賊戦隊ゴーカイジャー(2011年 - 2012年)
- 非公認戦隊アキバレンジャー(2012年)
- 仮面ライダーウィザード(2012年 - 2013年)
- 仮面ライダードライブ(2014年 - 2015年)
- 動物戦隊ジュウオウジャー(2016年 - 2017年)
- 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(2018年 - 2019年)
- 機界戦隊ゼンカイジャー(2021年 - 2022年)
- ツーカイザー×ゴーカイジャー~ジューンブライドはたぬき味~(2022年)
アニメ
- 蜜×蜜ドロップス(2006年)
- Gift 〜ギフト〜 eternal rainbow(2006年)
- Go!プリンセスプリキュア(2015年 - 2016年)
- キラキラ☆プリキュアアラモード(2017年)
- ヒーリングっど・プリキュア(2020年 - 2021年)
映画
- 劇場版 炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー(2009年/荒川稔久と共作)
- 愛を歌うより俺に溺れろ!(2012年/藤平久子、福山桜子と共作)
- 劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land(2013年)
- 仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦・仮面ライダーウィザード 約束の場所(2013年)
- 劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック!(2016年)
- 劇場版 動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊(2017年)
- 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(2018年)
- 映画 Hugっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(2018年)
- スーパー戦隊MOVIEパーティー 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー(2020年/荒川稔久と共作)
- 機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!(2021年)
- セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記(2021年/監修)
- 機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー(2022年)
- 暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー(2023年/井上敏樹と共作)
追記・修正はスーパー戦隊への愛が深い方にお願いします。
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*2 ギャラクシー賞に選ばれるのはスーパー戦隊としては初の快挙である。
*3 これも現在は閉鎖。
*4 『仮面ライダーセイバー』とコラボした第20カイ!は毛利亘宏、総集編である第25カイ!は八手三郎が担当。
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