カスレア

ページ名:カスレア

登録日:2011/05/03 Tue 00:40:40
更新日:2026/07/31 Fri 14:00:50NEW!
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「さあ、出てこい出てこい、ハズレ!被り!レアカードおおぉぉ!!


「…おっ、キラキラした奴!ついにレアカードGetだぜ!」



「………」
「……なんか……弱い。別に見た目も光る以外は普通だし。
というか、この前中古屋で大量に売ってたカードじゃん。はあ…これが『カスレア』というやつか……」



カスレアとは、平たく言えばパックから出てもあんまり嬉しくならないレアカードのことである。



・概要

カスレア」とは、トレーディングカードゲーム界に存在するカードのうち、高いレアリティに反して著しく評価の低いカードを指して使われる俗称。「ハズレア」「レアリティ詐欺」とも呼ばれる。


TCGにおけるレアカードといえば、一般的にはゲームにおいても高い汎用性だったりカードパワーを持つものが大半である。
しかし、時々何かを間違えたのかものすごく弱いカードが登場してしまうことがある。


そもそも、弱いカード自体は多かれ少なかれどのTCGにも存在している。これがありふれたノーマルカードであればまだいい。いくら弱かったところでカス扱いする方が失礼な位である。
だが、公式のフォーマットとしてのレアカード、例えば希少度のシンボルとして光るテキストやエフェクトが付いていながら弱かったりすると、普段以上にガッカリするものがある。
というのも、単純に構成に困る以外にも、TCGは販売されるパックや箱ごとにレアリティの枚数が指定されていることが殆どなので、せっかくレアを引いたと思ったら「レアだぞ、喜べよ」と言わんばかりに出てきて無性に憎たらしく思えてくるのだ。


強力カード狙いでパックが剥かれまくった結果、カスレアがストレージコーナーで山積みになるというのはよくある話。
あまりにも嫌がられる時には「紙製の産業廃棄物*1」とか「光るゴミ」「紙切れ」「ゴミレア」などの散々な蔑称を頂戴してしまうことも。
一方で、冒頭の「はじめに」からお察しいただけると思うが、最近では強い言葉を使うジョークを苦手とするが増えたため、安易に「カス」「ゴミ」といった蔑称を付けることを嫌うユーザーも多い*2
当wikiをはじめとした不特定多数の人間が自由に編集・コメントできる空間での使用の際には注意が必要だが、アニヲタwikiの外ならむしろもっと気安く「カスレア」という言葉が使われるのでお外に行く際も注意が必要。

先も述べたが、定義は「出てもあんまり嬉しくならないレアカード」。そういう主観的なものに対して「○○で強いから」とたしなめて、
「そうだね。俺○○使わないんだけどさ、買ってくれるか?」と返されて溝が深まる、なんてことにもなりかねない。


ゲームをコンテンツとして愛好する人にとってはこういうカスレア認定は聞いてて楽しいものではないかもしれないが、
ちゃんとお金を払っている・パックを買っているゲームの愛好家にとってはハズレを引くのだって楽しくないから留飲を下したいというのも分かるだろう。
大事なのは単に「ああ、こいつそういう人間か。ふーん……」程度でいいから多様性を認め合うことだ。



「カスレアが生まれるパターン」は大きく分けて7種類。
重ねて言うがあまり出回らないレアカードだったらという前提で見てほしい。


  • 1.本当の意味で使えない

レア度関係なく単純に性能が低すぎる、本当にどうでもいい効果しか持たないと大抵のプレイヤーが断言できるカード。何故それがレアなのか設定ミスすら疑われる類。
本項では、コレクション目的のプロモカードなど意図的に性能を抑えられている物は除外する。


  • 2.見掛け倒し型

重いコストや厳しい使用条件に対して、決まった時の効果が物足りないカード。切り札として作られたことはなんとなく察せるが果たして強いかと言われれば…。
こき下ろされる程ではないがレアカードを名乗るにはどこか足りない。おそらくレアという地位になければ凡百のカードの一つとしてそれなりに使われていたであろう、そんな微妙な評価の面々。
これもレアにしては弱いということで結局はカスレアと言われてしまう。


  • 3.じゃじゃ馬型

こちらは見掛け倒しとは似て非なるパターン。
決まった時の性能自体はレアリティに恥じず強力なものの、使い方や活かせる構成が限定されすぎて汎用性に乏しいカード。いくら決まれば強力でも、多くのプレイヤーの手に余るようでは評価は上がらないのだ。
しかし、裏を返せば使いこなせば十全に活躍できるということ。世間に評価されないロマン砲もまたロマンである。
亜種として性能は文句なしだが、イラストの評価がイマイチで人気がないというパターンも。


  • 4.時代遅れ型

かつて強力なカードだったと言われたものの、インフレした環境やルールの改正についていけておらず、残念ながら時代遅れと言わざるを得ないカード。長年続いているTCGに多いパターン。
長年続いているTCGはアドバンテージ獲得能力に長けたカードが評価されやすく、単体でアドバンテージを獲得できないカードは評価されにくい傾向にある。


なお、基本的に「インフレして弱くなったからカスレア」などと言う事ははない。インフレに飲まれたと知っていて昔のパックをわざわざ剥いておきながらインフレに文句を言うなど、道理が通らない。
ただ、時にはこの古くてインフレに飲まれたカードが新発売のパックにレアカードとして再録されると言う事もあり、この場合は当然カスレア扱いされる。
中には初出からレアリティが上昇してカスレアになってしまうと言う場合もあり、プレイヤーの物議を醸す事も。


  • 5.調整失敗型

強いレアカードやその周りがエラッタ・規制された結果、レアリティはそのままに強みが失われたカード。暴れて調整された結果がコレである。
エラッタされた場合、旧版は二度と流通しないのである意味ではレアカード。しかし禁止されたりすると、全く使えないからと暴落するパターンも多い。


  • 6.過小評価型

この辺りからは強い筈が評価されないパターン。
レアリティ相応の優秀な効果を持つが、同期のレアカードが特に強かったり環境的に重宝されたりして、相対的にハズレと化しているカード。
同じパックに収録された別の人気カードと競合したばかりに、ハズレ枠扱いされてボコボコに批判される不憫なパターン。
カードの研究が進んでおらず、多くのプレイヤーが強さに気付いていないというパターンもある。
結果的に流通量が多いので、7.のパターンを兼任してしまうこともある。


  • 7.供給過多型

カードの性能はともかく、よく被ったり確定で入手できる方法がある為に価値が下がっているパターン。再録パックなどで起こりやすい事態である。
初めて手に入る時は「なんだ、普通に強いじゃん」となるのだが、何枚も手に入ってしまうことで「こんなに要らないよ…」とだんだんと有り難みが薄れていく。そしてデッキに入らない分が中古に流れることで市場価値もどんどん下がってしまうのだ。
性能は問題ないので使う分にはそこそこ強い。ただ必要以上に溢れていることからハズレというイメージが強くなってしまう。
供給量にもよるが、そこそこではなく環境を定義するレベルで強い場合はしっかり高値がつく……のだが、ショップの買取価格はものすごく安い。この辺は見方次第。
また、高額カードであっても流通量が増えるにつれて値段は安くなる傾向にあり、再評価されるようなパターンを除けば初動が一番高いのは当たり前である。


2・3・6・7辺りは所謂「使い手や状況を選ぶカード」であり、活用方法が見つかることで再評価される場合もある。
また、環境の変化や別フォーマットへの進出によって価値が大きく変わることもある。気がついたら元トップレアと値段が逆転していたなんてこともある。



一般的にシングルの相場は環境(大会など)での活躍を考慮した値付けが行われるため、能力の強さで価格が決まりやすい
しかし、イラストや原作・メディアミックスでの活躍いった要素もカードの価値に大きな影響を与えるため、効果だけ見たらカスレアだがイラストが好評でシングルの相場は高いという場合もある*3


また、最近ではデザイナーズコンボを前提にした「テーマシナジー」を強く押し出すゲームが増えたせいでかなり珍しくなったものの、
カスレアであるが故に何とか活用方法を模索するプレイヤーもいるなど、別方面で愛されるカードも少なくない。
特に「ニコニコ動画」が今よりも盛況だった頃はこういうところで人気を博したプレイヤーも多い。



カスレアとはこのようなものなのだが、TCGによって定義が異なる。


+ ゲームごとのカスレア扱いの傾向-

マジック:ザ・ギャザリングガンダムウォー
カスレアの定義は既に説明したものとさほど変わらない。
ただしMtGのようにリミテッド(パックを開封してその場でデッキを作り対戦)が存在する場合、構築(普通に自分で作ったデッキを持ち寄り対戦)では微妙でもリミテッドで強いレアが存在する。
それらはリミテッドにおける強レアとして扱われ、カスレアには含まないことがほとんどである。
ただしシングル価格は低い傾向になるので、リミテッドをせずにただ剥いたパックから出てくるとなんとも言えない顔になる。
例えば、構築では他のカードにお株を奪われてしまっているシヴ山のドラゴンは、リミテッドだとかなりの破壊力を発揮するため、カスレアにはならない。


なお、昔のレアが上位互換の登場と共にカスレアになることはないし、昔のレアの下位互換として作られたレアがカスレアであるとは限らない。
前者の例は、十字軍→清浄の名誉 *4
後者の例は、露天鉱床→不毛の大地
特に後者は依然として強かったため、その後も弱体調整したカードが刷られている。



遊戯王OCG
マナの概念が無くカード1枚のパワーが高めの遊戯王では、弱いレアでも最低限カード1枚分の働きはできるため、本当にどうしようもない物は意外と少ない。
例えば、よくネタにされるマックス・ウォリアーも、単体の下級アタッカーとして見たらそれなり優秀である。
ただし大会などの真剣勝負で使うかと言う話になれば別問題であるため、強力なカードと同じパックに収録され同じレアリティ枠にいた場合は相対的にカスレア扱いされやすい。



ポケモンカードゲーム
後述するが独特なシステムのため、強カードに対して優位な点のないカードはまったくデッキに入らない(というよりも入れる余裕がない)。
そのためそういったカードは強弱に関わらずプレイヤーからは容赦なくカスレアと評され、一方でファングッズとしての需要があるせいで値段は高止まり、場合によっては買取・販売価格だけはトップレアなカードも出てきてしまう。
上述のゲームに比べるとその評価基準はかなり特殊であり、「使う理由がないからカスレア」「だけどリザードンのカードだからカスレアとは言えない」といった形で人によって評価がまちまち。
そもそもカードゲームに暗い人が「子供や大人の遊び場を提供して使用代で稼ぐ」という目的でショップを経営していることも多く、価格が強さとまったく比例しないこともしばしばある。



デジタルカードゲーム(DCG)
HearthstoneShadowverseと言ったDCGにも勿論カスレアが存在する。
カスレアの定義自体はゲーム自体の参考にしているMtGの項目とほとんど同じで、特に特出して語ることもない。


しかしDCGにおいてカスレアは、如何なるカスレアであっても最低限の資産になれると言う現実のものとは一線を画す長所がある。
現実のカスレアだと後年に再評価されたりコレクション価値を見出されない限り、売値数円の紙切れと化す場合も少なくないが、
大半のDCGにはカード生成システムがあり、手に入れたカードを破棄するとそれに応じて生成ポイントが入手できる。
当然レアリティが高いほど手に入る生成ポイントは高くなる傾向にあり、大体のDCGは最高レア1枚作るのに最高レア×3~4枚の生成ポイントが必要になるか。
たとえカスレアでも、砕いて別の有用なカードの糧となってくれるため集める価値は十二分にあると言える。


同時に、こちらも大半のDCGに存在する所謂「最高レアリティの最低保証枠」に出てくるのは御免被りたいところ。
あと普通に欲しいレアカードが出てくれた方が生成ポイントを節約できるため、あんまり被りすぎると煙たがられる。



このようにカスレアの扱いはゲームごとにある程度異なっているが、おおむね「10人のプレイヤーを無作為に抽出して評価させたとき、7人以上が弱いと評価するレア」かつ「話題性に優れている」という基準とでも思っておけばいいだろう。




元カスレア

カスレアの中には、「実はそもそも強かった」「強力なコンボが発見された」「強力な相方が生まれた」「ルール改正や古いカードの禁止解除の影響で環境が激変した結果化けた」「きわめてニッチな役割を担当できるようになった」などの理由で、一躍トップレアに大化けするものもいたりする。
詳細は元カスレアを参照のこと。





長い前置きはこれくらいにして、それでは各TCGごとのカスレアの扱いを順に見ていこう。
ソーシャルゲームの場合はこちら。


MtG

やはりカスレアの存在が顕著なのは、25年以上の歴史を誇るMtG…マジックである。
これだけ息の長いTCGだと、やはりとんでもないカスレアが出てしまうのは仕方ない。
ちなみに、「The 100 Worst Magic Cards of All Time」という有名な紙屑リストが存在する(よく勘違いされているが、公式ではなくSCGのコラムである)。下記のカードも多く含まれているが、特にレアに限定されている訳ではなくコモンなども入っている。
さらに書かれた時期が2004年なために今の環境では有用性を認められたカードもリストに入っている等、情報が古すぎて参考にならない記述も目立ち始めていたが、2022年に当時のランキングを製作した人間によって18年ぶりに更新が行われた


最近では様々なフォーマットがあるためそのすべてで有意に弱いカードというのが存在せず、「リミテ用」「EDH用」「部族モダン用」など様々な言葉で擁護されることが多く、これらの言葉はカスレアを評価する際に使われる「魔法の言葉」とも揶揄される。
これは裏を返せば、その魔法の言葉ですら擁護できないレベルのカードは文句なしのカスレアになるということ。早い話がプレイヤーの厳しい審査を経てカスレア認定を得るのである。
最近はさらに逆に「その魔法の言葉で擁護しても、もっと使いでのいいカードがある」という理由で「弱くはないよね(俺は使わないけど)」という評価に甘んじる中途半端なレアが増えている。カードパワーのインフレはシビアな実力主義の世界を作り出してしまうのだ。


下記に記すのが、マジックプレイヤーを恐怖のどん底に叩き落とした、恐るべきカスレア軍団である。


マジック史上、最低最悪の紙クズとされるカード。蒼ざめるのはこれを引いたプレイヤーの顔である。
何やらテキスト欄に「特殊地形メタとして使ってね」的な言語が書かれているが、要約するとその効果は「この呪文は特に効果も発揮せずに墓地に置かれる」と同義である。
同じ特殊地形対策の月でも、血染めの月との差は酷い。あちらはトップレア、こちらはトップ「カス」レア。比べることが間違い。
後に出たカードと組み合わせれば若干使える…とはいえ他のもっと強いカードと組み合わせたほうがはるかに良いのは言うまでもなく。
もちろん、上述の紙屑リストでも堂々のワースト1位である……というか正しくは紙屑リストで1位を取ったことで不動の地位を手にしたもの。2022年版でも当然の如く1位。
唯一の利点はイラストが美しいこと。


マジック史上最弱のコスパを誇るクリーチャー。詳しくは専用項目へどうぞ。
実質4+Xマナ、X/Xの土地生け贄ペナルティ能力持ち。5マナなら1/1というひどいマナレシオを誇るクリーチャー。
しかもこれに加えてボードアドバンテージまで激烈に失うという、現代のMTGの感覚で見たら目を疑うようなカードである。
あまりの弱さに誰が呼んだか「ウッディ先生」。これまでは史上最悪のクリーチャーとして28年以上もの長きにわたってワーストを守り抜いてきたが、17年前の「ラヴニカ:ギルドの都」の《西風のスピリット》*5登場以降はその立場が危うくなりつつある。とはいえあちらはコモンのカードなので『弱すぎるレアクリーチャー』というカテゴリーにおいては未だ他の追随を許さない。


このカードは本当に最初期のカードであり、トレーディングカードゲームという娯楽すらなかった頃にバランス調整なんてできるわけがないため、こういうカードが生まれてしまうのは仕方のないところがある。
そして言ってしまえば、すべてのX持ちクリーチャーのご先祖様とも言える存在。ゲロを吐きそうになるほどの弱さのおかげでバランス調整が非常に長いこと試されていき、
後にトーナメント級のクリーチャーとして《果てしなきもの》のようなカードが躍り出ることとなる。まぁX=0で唱えるためのコンボパーツなんだけど
また、刷られた時期とレアリティのせいで、この性能のくせに再録禁止カードに名を連ねている。あまりの弱さに上記の名前とともに人気が出て、再録禁止と合わせて結構なお値段がするカード。


  • 色サイクル

アルファから第4版までに収録された、《□□の色/○○lace》というカード群。
1マナ使って出来る事がパーマネントか呪文1つの色を変えるだけ。ピンポイント過ぎて使えない。
後に「レアには実用的なカードを入れる」という理由と「弱すぎる」という理由で再録されなくなるという公式カスレア。
中でもその後何故か作られた《月の色》は本当に使い道がなく、イラストも合わせて《蒼ざめた月》と色サイクルの魔融合なのではという話も。収録パック(時のらせん)を見る限り公式のお遊びの可能性も高い。
こいつはパーマネントか呪文1つの色を無色にする能力だが、パックから引いたプレイヤーの顔まで失わせる。そんな点も月に似ている。そんなもん印刷するな


なお色サイクル自体はカスレアのままだったが、これをリメイクした「複数枚のクリーチャーの色を1枚で変えられる」カード、特に《Sea Kings' Blessing》(青)と《Sylvan Paradise》(緑)の2枚は、ある日突然1万円を超えた。「工夫せずに1マナかつ1枚で複数枚のクリーチャーを対象に取れる」という点が強かったのである。
さらにシャドウムーアで登場した「たなびく」サイクルは、白以外の4枚、特に青と赤がたびたびチェインコンボで使われる。こちらは色変えではなく「1マナのインスタントで対象に取れて1枚ドローが可能」という点が重要。
つまり色サイクルはあらゆる意味で完全に詰んでいる。黎明期ゆえのバランス調整の間違いとして、今後も紹介され続けるだろう。ただ色変えではなく無色化の《月の色》だけはワンチャンあるかも。


  • Farmstead

最初期のライフ回復の過大評価を象徴する1枚。
設置に白3マナ、アップキープに白2マナ払って得られるものがわずかライフ1点。1マナでライフ3点回復するインスタントすらコスト相応でないというのに酷いコストパフォーマンス。
あんまりにも弱すぎて第4版ですら再録されず、再録禁止になったため地味に値段の高いカード。
とはいえリバイズド以前の高額パックのレアからこれとか色サイクルが出てくると顔が青ざめるなんてレベルではなくなるのも事実。


  • 《ヴィザードリックス/Vizzerdrix》
  • 《訓練されたオーグ/Trained Orgg》

シングルシンボルの7マナ6/6。以上。
ネタカードの地位を欲しいままにしている甲燐様とほぼ同じスペックでありながら、基本セット第7版ではこれがレア枠を2つ埋めていた。


当記事掲載カードの中でも、この2枚は特殊な経緯によってレアカードとなっている。
なぜこんなことになったかというと、この2枚は初心者向け番外カードセット「スターター」からの再録となっており、収録元はカードパワーが下げられていたので、意図的にレアリティが過大評価されていたのである。
よりにもよってその時のレアリティを流用した結果がこれである。あまりにも雑ではないだろうか…
第7版と使える時期がほぼ被っていた拡張セットには《ワームの咆哮》という上位互換がアンコモンで収録されているので、本当に立場がない。


リミテッドならそれなりの強さを誇るため、基本セット収録という点を鑑みれば…と擁護できそうにも見えるが、そもそも甲燐様自体が他の基本セットにコモン枠で収録されているので、無相応には変わりない。
甲燐様は「大きいだけのバニラは意外と弱い」という教訓を覚えさせるカードとしても知られているが、仮にも入門者向けの基本セットでこのレアリティは余計な誤解を与えたのではないだろうか…
なまじっかレアリティが可視化されている分、初心者が本当に《極楽鳥》と交換しかねないのも悪質である。


  • 《動く壁/Animate Wall》

かつて「攻撃に参加できない」という特殊ルールがあった壁クリーチャーにつけることで、そのルールを無視して攻撃できるようになるというオーラ。
記念すべき最初のセットからレアで収録され続けた、歴史ある一枚である。


このゲームを遊んだことがあれば大体の人が思うことだろう。壁(後の防衛クリーチャー)が攻撃できるようになったところで「だから何?」という話である。
何しろ攻撃に参加できないので、ほとんどの壁はパワー値が0〜1くらいに設定されており、攻撃できない制約を外したところでアタッカーとしての価値はない。
実際、初登場のアルファ版でこのカードを使ってまともなメリットを得られるのは、飛行3/5の《剣の壁》くらいしかない。本当になんでこんなカードを刷ったのか。


では《剣の壁》に使うのが強いかどうかといえば、これもまた微妙である。なにしろ《動く壁》は対象の壁が揃わなければ紙同然なのだ。
アルファ版なら、同じマナがあればたった1枚で《セラの天使》(4/4飛行警戒)が撃てるので、最初からこんなコンボを狙う意味なんてない。要は壁を強化しなくても、最初から自力で攻撃できるカードを入れた方が早いのである。


こんな使い所のないカードでありながら、第6版までなぜか基本セットの常連でレア枠を埋めていた。
また、一部セットではマナを大量に払うと5/1(回避能力等一切なし)で殴れるようになる《驚きの壁》、全部の壁が攻撃できる《ローリング・ストーンズ》もレア枠で収録されるなど、往年の開発部はなぜか「壁が攻撃できるようになる」という効果を異様なまでに過大評価していた。壁に対して一体どういうポテンシャルを見出していたというのか?
壁ルール廃止後、防衛クリーチャーが攻撃できるようになるレアカードはいくつか存在するが、大半は「戦闘ダメージをパワーではなくタフネスで参照できるようになる」という効果が付加されており、攻撃出来る行為そのものだけを神聖化するようなことは行われていない。当時の判断は本当に謎めいている。


  • North Star

あのスリヴァーの女王が無色5マナで出せますよ!えっ、追加費用4マナが無駄すぎる?お、おっしゃる通りで…


  • ファイティング・チャンス/Fighting Chance

コイン投げに成功したら、このターン中攻撃クリーチャーが戦闘で死ななくなるよ! …だからなんなんだよorz


  • 苔男/Lichenthrope

5マナ5/5クリーチャー。4マナ6/6なんてのが当たり前にいる現在では鼻で笑える性能だが、当時としてはそれなりに高スタッツだった。
しかし自分が受けたダメージを-1/-1カウンターに変換するうえに自分のアップキープにそのカウンターを1つ取り除くだけ。
クリーチャー同士の戦闘を避ける手段があるのなら悪くはないが、ダメージを蓄積したうえでサイズまで下がるデメリットが重すぎる。
ビジョンズ初出当時からカスレアの名をほしいままにしており、カスレア議論の際には必ず名前があがった1枚。「ウッディ先生よりはマシだが弱すぎる」と評価されているが、さすがにあんなのと比べるのは苔男に失礼である。


こんなしょうもないカードだが再録禁止カードに名を連ねている。つまり再録禁止というのは別に強さやカード価格で決まっているわけではないといういい例になる。そもそもこんなカード絶対値上がりしないし。
後に「スタッツ自体は優秀だが弱体化していくクリーチャー」として《アボロス》が、相手に-1/-1カウンターの形でダメージを与える、つまりクリーチャーを《苔男》扱いをする手段として「萎縮」「感染」という能力が登場。
特に「萎縮」は当時のスタンダードで、「感染」に至ってはスタンダードはもちろんモダンやレガシーでも好んで使われることとなった。《苔男》の失敗は後世の糧として確実に生きているのだ。


  • ねじれのワーム/Warping Wurm

4マナ1/1クリーチャー。場にいる場合4マナ払わなければ勝手に場から消える。しかもフェイジングを持っているので何もしなくても2ターンに1回場から消える。
一応帰ってくるたびに+1/+1カウンターが乗って強化されていくのだがペースが遅すぎる。ウッディ先生や苔男と違ってまともに使う手段がない訳ではないのが救い。
いわゆる「除去の強いゲームにおいて、育成が前提になるカードは弱い」という例。


マナが出る土地の中ではマジック史上最低最悪のカス土地。
タップインディスアドバンテージ無色地形という救いようのないゴミ。
効果自体は相手のマナタップによるテンポアドバンテージを奪う真っ当なものだが、
2マナタップするために「タップインに加えてさらに3マナ+土地一枚(自身)の生贄」はあまりに割に合わない。
こうなった一説には往年の凶悪土地《リシャーダの港》の調整版…にしてはやりすぎであった。
一方でそのあまりの弱さから妙な噂話が昔から絶えず、「このカードはリシャポの調整版だからリシャポが禁止になる前兆」「EDHでは使われている*6」など変な話が昔からたまに出てくる。


  • 泥穴/Mudhole

墓地から土地を消し去る墓地対策呪文。墓地に土地があって喜ぶヤツは《土を喰うもの》と《タルモゴイフ》ぐらい。おまけに後者はタフネス1持ち+すぐ再成長できるのでほぼ無意味。
MTG公認のカスレアであり、ジョークパックに「このカードを有効活用できるカードが収録」と言われるほど。さらにエイプリル・フール企画「Secret Lair Drop Series: Wizards of the Coast Presents: After Great Deliberation, We Have Compiled and Remastered the Greatest Magic: The Gathering Cards of All Time, Ever(開発部が激しい審議の末に選び抜いたマジック:ザ・ギャザリングで最も偉大なカード4枚のセット)」でも新プロモイラスト版が作成され、各ショップに無料で配布された。
今後もMTG公認カスレアとして様々な面で活躍していくことだろう。
オデッセイにはほかにも《墓火》という「対戦相手の墓地からフラッシュバックを持つカードだけを追放する」非常にニッチなカードがあり、《泥穴》に比べると知名度は劣るもののこちらも同様の理由でカスレアとして名高い。


  • 《狂気の暗示/Hint of Insanity》

「オデッセイ」で登場した、3マナで手札を見て互いに同名の土地以外のカードがあれば捨てさせるという、あまりにも範囲が限定的過ぎるハンデス。
当然ながら1枚捨てさせることすら困難を極める。こんなん入れるくらいなら《困窮》《精神腐敗》辺りを入れた方が遥かにマシなのは言うまでもない。
紙屑ランキング(新旧両方)でトップ10に入る程度には全く仕事しないカードであり、このページに乗っているカードの中でもトップクラスの弱さ。しかし中途半端な順位のせいか知名度はまったくない。
推測になるが、このカードが収録された「オデッセイ」は今でこそ名カードの話が有名なのだが、一時期は使い道のまったくないカスレアが多いことでも有名だった*7
つまりこういった派手なエピソードを持つカスレアの山の中で埋もれていったのではないか……というもの。mtg wikiもあまりの弱さのせいかほとんど2,3行で評価が終わるカードも多く、あえて評価したいとも思えないのだ。
また、名前の雰囲気がなんとなく似通っている上に「相手に大きく依存する」「手札を参照する」「黒の3マナ」という特徴が似ている《無残な助言》あたりと混同している人も多いかもしれない。
つまりカスレア特有の魅力にも劣るという、「影が薄いことで有名なキャラのせいで本当に影が薄くなってしまったキャラ」のような立ち位置なのである。
カスカード擁護の定番の「ピッチコストにできる!」系の話を真面目に評論していくと、多分月以上に何もしないカード。たまには思い出してあげてください。


  • Sorrow's Path

冬月台地/Wintermoon》を上回るカス土地。
なんかやたらとややこしい事が書いてあるが、つまるところブロッククリーチャーの入れ替えという使いどころのないメリットのくせに、タップするたび自分&自軍すべて2点ダメージというふざけたデメリット。
正しい使用用途は自殺らしい。
このカードをなんとか使おうとマローが試行錯誤悪戦苦闘した結果があの《寄付》だという。
こいつも再録禁止カード。再録禁止がカードパワーと関係ないというのがよく分かる。
ちなみにカスすぎるのと上記の理由で逆に高額である。ウッディ様よりは安いが。
なお、黎明期のカード故にレアリティはアンコモン1となっているが、これは現在のレアに相当する。
後にMagic Online専用カードセット『Masters Edition 3』でレアとして収録され、名実ともにカスレアとなった


  • インベイジョンのヒルサイクル

戦場に出ている間、その色の呪文を唱えるためのコストが色マナ1つ分多くなるというデメリットを持つクリーチャー。元ネタはフォールン・エンパイアで登場した《デレロー》。
マナのやりくりが得意な緑以外にとっては重いデメリットのせいで必然的にその後の展開が遅くなるのでビートダウンにすら入らない。
マナのやりくりがしやすいため他の色よりデメリットが薄く、ヒルサイクル唯一のファッティの《翡翠のヒル》*8は構築でも使えるスペックはあり、シェイド能力持ちの《ざくろ石のヒル》はデメリット込みでもリミテッドでなら使えたので一部のデッキに投入されていた*9が、それ以外はお察し。
《あられ石のヒル》*10に至ってはデメリットを抜いてなおコモンクリーチャーレベルという凄まじいコスパであり、カスレア中のカスと評判。たった1枚だけ紙屑ランキングにランクインした。
一応こんなカードにも使い道はある。それはインベイジョンという当時よく剥かれたパックから出るカスレアなので集めやすく、カードファイルに並べておくと見栄えがすること。
冗談のように思えるかもしれないが、この用途で《ルビーのヒル》を集めている人の話が一時期非常に有名だった*11


  • 運命の逆転/Reversal of Fortune

6マナも払っておいて出来ることは「対戦相手の手札を見て、その中のインスタントかソーサリーを自分も使える」だけ。
唱えるのはコピーなので該当カードは相手の手元に残るし、しかも相手への依存が強すぎる。対象が限定的過ぎる上にまったく対策になっていないというか、何のために作られたのかが分からないレベルのカードである。*12
と、強さ的には完全にカスレアなのだが、そのイラストのおかげでカスレア扱いされないこともしばしばある不思議なカード。
何でかって?とりあえずこいつ(外部リンク)を見ればわかる。このおっぱい美麗なイラストに惚れ込んで頑張って使おうとする猛者もいる。
ただし相手に依存する上にほんとに弱い。さらになぜかこの記事には長らく4マナと記載されていた。多分記載者がおっぱいに目がくらんでマナ・コストを見間違えたか、おっぱいの話をしたくて忘れてしまったのだろう。
イラストを鑑賞するのが正しい使い方であるということのひとつのエピソードとして、好事家の方にはご記憶いただきたい。ほんとにおっぱいが魅力の10割みたいなカードなのだ。


  • 《光輪狩り/Halo Hunter》

Halo Hunter / 光輪狩り (2)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー — デーモン(Demon)
威嚇(このクリーチャーはアーティファクト・クリーチャーかそれと共通の色を持つクリーチャー以外にはブロックされない。)
光輪狩りが戦場に出たとき、天使(Angel)1つを対象とし、それを破壊する。
6/3

ゼンディカーのレア。《スラムダンクジール》ネタや《呪詛の寄生虫》ネタで盛り上がったことを知る人なら、なんとなく記憶にあるかもしれない。
テキストを見てもらえれば分かるが、メリットしか書いてない。ETBで天使1体破壊という非常にニッチな除去条件を持ったカード。「5マナでパワー6、かつ除去と回避能力まで持っている」というのは当時としてはそこそこのやり手。当時は環境の中でも存在感を発揮した天使は結構おり、狙う対象には困らない……はずだった。
ところで当時の環境でよく見かけた天使といえば《悪斬の天使》なのだが、悪斬に雰囲気付け程度についている「プロテクション(デーモン)」に引っ掛かるせいで一番除去したい相手を除去することができない。
さらにその悪斬が他の優秀な天使を環境から駆逐してしまったことや、ゼンディカーと入れ替わりでローウィン・ブロックの多相持ちがスタンダードから去ったせいで、狙いたい対象が環境内に存在しない
回避能力が威嚇というのも問題で、アーティファクト・クリーチャーにはブロックされてしまう。直前のアラーラ・ブロックでは有色アーティファクトがフィーチャーされており、威嚇がそれほど信用できないし、次のブロックはよりにもよってアーティファクトてんこ盛り次元のミラディンの傷跡・ブロックのため「威嚇?なにそれ、おいしいの?」状態。
そしてタフネスが3、当時は《稲妻》の復帰によってタフネス3以下のカードの場持ちが極めて悪い時期だった上に、《稲妻》以外にも除去がやたら強い環境だったせいでわざわざこんなカードを使う意味がない。
そしてライバル枠の充実。たとえば黒の5マナ域には《堕ちたる者、オブ・ニクシリス》というカードがあり、一度でも上陸を成功させれば無類の強さを発揮することから愛好家が多かった。6マナになれば《ソリン・マルコフ》や《墓所のタイタン》のような優秀なフィニッシャーがおり、わざわざこんな半端な除去しかできないデーモンを使う意味がまるでなかった。
ついでに言うと当時最強の多相クリーチャーである《カメレオンの巨像》が「プロテクション(黒)」、合体クリーチャーとして素早く盤面に出てくる可能性のある《浄火の大天使》が「被覆」を持つせいで除去できないこともネタにされた。本当にどこまでも「倒したい相手を倒せない」のである。
極めつけがこのカード、名前が「こうりんがり」。つまり当時ネタクリーチャーとして人気が高かった《甲鱗のワーム》と名前の読みが同じなのだ。そのことも相俟ってたいへんネタにされ、当時はパワーカードだらけで「買えばお釣りが返ってくる*13」とまで言われたパックにおけるネタレア枠として燦然と輝いていた。あまりのダメっぷりに「クリーチャー・タイプがデーモンだということを見落として印刷された」なんて噂まであったほど。
再度説明欄のテキストを読んでほしいが、メリットしか書いていないしさほど力不足というわけでもないにも関わらず、テキストの微細に至るまでネタにされたという極めて異色のカスレア。せめてクリーチャー・タイプがデーモン(とドラゴン)以外だったら、歴史は変わっていたかもしれないが……。


  • 《彗星の嵐/Comet Storm》

ワールドウェイクの神話レア。《火の玉》の火種が2マナになったら、ダメージの分散効率がよくなった。
統率者戦では「大量のマナから3人を即死させる」という際などに使われており、《火の玉》ではX=120+対象追加2+火種の1マナで123マナをつかわなければならないところを、こちらはX=40+多重キッカー2+火種2の44マナで済むのでとても効率がいい。
スタンダードでもたまに使われたが、当時の赤と言えば4マナですら重いことに悩むほどの軽量速攻デッキなので、「火種は重いしX火力が重いし」という特徴を持つこのカードは赤使いからは非常に敬遠された。
ただそのポテンシャル自体は高い。複数対象を取るため、《誤った指図》のように1つを対象にしていなければいけない対策カードを弾けたり、多重キッカーの値を増やせばクリーチャーも一緒に焼けたりなど、「無限マナではないが結構な量のマナを産める」というデッキを使う時には選択肢に入ってくる1枚。
……と、ここまでなら単なるオタクカードなのだが、このカードがカスレアとして燦然と輝いたのが「モダンマスターズ2015」の時。
当時モダンのカードは高額化の一途をたどっており、それこそ《ウギンの目》が1万円を超えたり、《タルモゴイフ》の値段絡みの逸話がいくつも出てきたり、バイヤーに目を付けられた結果値段をつり上げられたりと、市場価格がかなり大荒れしていた。
「モダンマスターズ」シリーズは、そんな折に需要の高いレアの再録パックとしてたいへん期待されていたのだが、このパックは価格が高いくせに中身が実に塩だった*14。その塩パックの神話レア枠に《彗星の嵐》が入っていたのである。
そもそも「ジェイスくじ」のワールドウェイクは当時非常によく剥かれ、このカードはハズレ枠として在庫が過剰になっていた。
そしてワールドウェイクのプレリリースイベントでも配布され、それでいながら入るデッキのアーキタイプがニッチだったために供給が過剰になっていた。
つまりこの時点でも50円レアだったものを収録したのだから、ユーザーは「モダンマスターズ2015の中身のしょぼさ」の旗印としてこのカードをあげつらうようになっていったのである。
2015年はまだゼンディカー時代の経験者がプレイヤーの中に多かった時期であり、「せめてレアに格下げしろ」「いや、神話レアでいいんだ。こんなもん引いて落胆するやつが少なくなる」なんて話がしょっちゅう出ていたほど。
本当に供給してほしいものを供給せずにこんなもんを入れてしまったことによってカスレアとしての地位を不動にしたという、「供給過剰型」のカスレア。


  • 《遥かなる記憶/Distant Memories》

青の変則的なサーチ呪文。ソーサリー。
1.任意のカードをライブラリーからサーチし、一度表向きにして追放する。
2.対戦相手に「このカードを手札に加えてもいいですか?」とお伺いを立てる。「いいよ」と言えばそのカードは手札に入る。
3.「だめだよ」と言った場合、追放されたカードはそのままにして代わりに3枚ドロー。


ミラディン包囲戦のレア。
いわゆる「対戦相手に選択権のあるカード」というもの。サーチにしてもドローにしてもまったく使い物にならない。
サーチしたいカードがどうでもいいものだったら、このカードは「4マナでどうでもいいカードを入手、ドローの仕事ができない」となる。どうしてもサーチしたいカードの場合、「ライブラリーに眠るそのカードを1枚犠牲にして3枚ドロー、サーチの仕事はできない」となる。
この時点で相当怪しいのに、これが4マナのソーサリー
そもそもこの時代は4マナのサーチ自体がかなり重く、黒の基本的なサーチ《魔性の教示者》さえまったく使われていなかった。
4マナ3ドローというのは悪くなさそうだが、アンコモンの《集中》が4マナ3ドローの仕事を確実にこなせる(ただし《集中》は当時のスタンダードにはなかった)し、その《集中》もあまり使われる側のカードではない。
つまりこのカード、「対戦相手に選択権のあるカード」の中でも「わざわざ使いたくなるか?」となる2つから対戦相手に選ばせるというかなりしょうもないカードなのだ。3マナでも使われるかは当落線上ではないだろうか。
多人数戦だとひとりでも「いいよ」と言った場合はサーチしたカードが手札に入るので、誰かと結託すれば万能サーチのように使える。
問題があるとすれば、統率者戦なら《ジェイスの文書管理人》然り、当時からもっといいドローソースが腐るほどあるということだろう。そのドローで強引に引いた方がよくない?
また、《加工》《神秘の教示者》のように、カードタイプを限定すればサーチは可能。そっち使えばよくない?
うまく結託できなかったらどうすんの?
と、まったく慰めにならない。


イラストは頭を抱えるカーンの上に、ウルザと仮面をかぶった時代のヴェンセールがうっすらと描かれるというもの。新ファイレクシアに「機械の父祖」として祀り上げられたカーンが、頭にわずかによぎる過去の思い出に必死にすがるという切ないシーン。
当時はまだ「注目のストーリー」なんてものはなく、カードのシーンが背景ストーリーとどうつながっているかまったく分からない時代だった。このカードは公式記事を見なくてもストーリーの断片に触れられるため、ヴォーソスからはそこそこ好評だった。
そしてこの挙動は、ファイレクシア側が「この記憶?これならいいよ。この記憶?ダメに決まってんだろ」と都合のいい記憶を検閲して彼の人格を侵食していくというフレーバーを再現したものなのかもしれない。


……と、ここまでなら実にありふれたカスレアなのだが、実はこのカードはほんの一時期だけ環境で猛威を振るい、禁止カードに指定されたことすらある。
Magic Onlineで使用すると対戦相手に「手札に加える」「ドローさせる」というダイアログがポップしないまま対戦が停止するという致命的なバグが、2020年になって発覚した。
つまりこのカード、対戦相手に選択をさせないまま持ち時間だけを削るというカードになったのである。当然このまま放置しておくと、だいたい20分くらいでマッチキルが完了してしまう。ゆえに対戦相手は投了するか、バグ利用をしてくるような対戦相手となんてプレイしたくないとマッチ投了するか。
つまりこのカードは、4マナで「あなたはこのゲームに勝利する」と書いてあるソーサリーとして方々で悪用されてしまったのだ。こんなカードを真面目な理由でデッキに入れることなんて絶対にない(今でいう統率者ブラケット1あたりで、MOで遊ぶ層とはあまり被らない)ので、使われた時点で確信犯。真面目なトーナメントなどでも使用され、対戦相手に抗議をしたら「お前の負けなんだから早く投了しろよ」という旨の返信を食らった(=バグ利用で勝ち進む気満々)という、非紳士的行為が適用されるなら一発アウトな煽り文句まであったという。
こうして《遥かなる記憶》は一時的にMO限定の禁止カードに指定され、バグを修正されてからは一部のプレイヤーに苦い思い出や憎悪の念をくすぶらせるカードになってしまったのである。カスレアは華々しいというにはあまりに毒々しい話題を残し、ほんの一瞬だけ花火のように燃えて消え、心の中に燃えカスを残したのだった。
おそらくMOのアップデートの際に誤作動するようになったのだろうが、発売から約10年経ってやっと発覚するというとんでもないバグ。本当にそれだけ誰も使わないカードだった。そのMOの事件も2020年、発売に至っては2011年。いまや古老の遥かなる記憶の中にだけ存在するカードである。


  • 《大天使の光/Archangel's Light》

闇の隆盛の神話レア。8マナで自分の墓地のカードの枚数の2倍のライフを回復し、さらにライブラリーも修復できる。つまり8マナ使って敗北から遠ざけるというだけ。
普通に考えたらぶっちゃけ6マナ以下の時点でフィニッシャーなんていくらでも調達できるため、このカードを使う理由がない。
そしてライブラリーを修復してしまうせいで、ライブラリーアウトからは遠ざかるものの2枚目以降のこのカードの威力が大きく落ちてしまうという至れり尽くせりな弱さ。神話レアの性能か?これが……
当時あったジョークには「このカードが神話レアで助かった。レアだったら被害者がもっと増えていたから」というものがある。本当にそれくらい悲惨なカード。
このカードがこんなにも悲惨になってしまったのは、プレイテスト中に白の神話レア枠が世に出すのに問題があると判断されたため。
もう印刷まで時間がないという切羽詰まった時期に下手に強さにつながる要素を残してしまうと、《頭蓋骨絞め》や《精神を刻む者、ジェイス》の二の舞になってしまうため、絶対安全になるような性能、つまりカスレアとして世に送られることになったのであった。ここまで来るとイラストを流用されたイラストレーターがかわいそうである。
当時は大騒ぎされたカードだが、この開発秘話が出て以降は、意図的な調整であることから他のカスレアよりは格落ちするというカードになってしまった。カスレアにはこういうパターンもあるのだ。
2022年版の紙屑ランキングでは99位に無事ランクイン。11年ぶりくらいにこのカードが話題になってくれることだろう。


最弱のプレインズウォーカー。小-能力と奥義はまあまあ強いのだが+能力と初期忠誠度でそれを完璧に台無しにしている。


開発からも「低コストプレインズウォーカーを作るための実験台」「開発者は技術の自慢でカードを作ってはいけない戒め」呼ばわり。
こんな奴だが何故か主役のデュエルデッキが存在。しかしどう考えても同時収録されたレアの《地獄乗り》の方が強いため、「ソリンVS地獄乗り」とか言われる始末である。他にも当時下環境のバーンで使われることのあった《怒鳴りつけ》がメインという声もあり、ティボルトは見向きもされなかった。
詳細は個別項目で。


  • 《市内捜査/Search the City》

ショックランドの再録をはじめ数々の優良カードを輩出した「ラヴニカへの回帰」のカスレア。
カードを出した時にライブラリーの上から5枚を追放し、同名カードをプレイするたびにそのカードが手札に加わる。そして5枚すべての条件を達成すると追加ターンが得られるという青の5マナのエンチャント。
同名カードをたくさん積んでいるデッキで使うということが考えられるが、まず「条件付きの手札補強」というのが5マナの性能ではない。このエンチャントを対処されると追放されたカードはそのまま二度と使えなくなる。
さらに「すでに3枚使用してしまった」などの事情でデッキに1枚しか残っていないカードが追放されてしまうと、その時点で条件達成が不可能になる。
そして条件を達成してできることが、5マナソーサリーの追加ターンである《時間のねじれ》と同じ*15。ぶっちゃけデッキ構築に条件を与えるくせに条件を達成するほどの旨味がないし、5マナ3ドローのカードでも採用した方がよほど有用なのである。
「厳しい条件に見合わない報酬」という点から、公式でもたまに失敗カードの例として挙げられている。


  • 《蒸気占い/Steam Augury》

往時の名カード《嘘か真か》のリメイク。「デッキトップを上から5枚めくり、それを2つの束に分けて相手に提示。相手が選んだ側を手札に加え、残りを墓地に置く」というもの。
レアリティがアンコモンからレアになり、赤が追加された(=マナ拘束がきつくなった)ことでそもそも唱えるのが難しくなり、最終的な選択権は相手にあるので望んだ手札が手に入らない。
つまりレアリティが上がっていることに対して行われているのが完璧な弱体化。元々が不当に強いカード*16だったので調整自体は妥当なものなのだが、ぶっちゃけ二色化か選択権逆転の片方だけすら使われるかの当落線上。さすがに弱くしすぎで、なにもそこまで弱くしなくても……となるカード。
このカードができることは「質がそこまでよくない2枚以下か、もっと質の悪い3枚以上」のうち悪い方を手札に加えることでしかなく、ドローソースとしては安定性も質も最低クラス。ドロー目当てならよほど奇妙な環境でもない限りもっと取り回しのいいカードを使った方がよく、たとえばラヴニカへの回帰~テーロス期は《思考閃光》(青赤5マナ、4ドロー2ディスカードのアンコモン)でも選んだ方がよほど強い。
一応4マナでデッキトップから5枚を墓地に落とすインスタントとしては使えるため、カジュアルなデッキリストではたびたび使われていた。しかし墓地を肥やしたいのなら、スタンダードにすら《強行+突入》(2マナで8枚)、《思考閃光》(5マナで4枚ドローしながら3枚)などをはじめもっと確実な方法は当時からいくらでもあったし、もし相手が戦略を看破して5枚側を選んだら墓地肥やしの役割すら遂行できない*17
当然だがデッキを完璧に理想の状態にしてなお使い心地が悪いのだから、リミテッドやハイランダー、バベルのような引きムラの激しいデッキだとその使い心地は最悪の一語に尽きる。どう頑張って使っても極めて質の低い2ドローになり、それならもっと使いでのいいカードはいくらでも存在するのでますます入れる理由がない始末。
しかも当時のスタンダードでは《思考を築く者、ジェイス》が3枚で行うプチうそまこを繰り返し使えた。《蒸気占い》はマナ総量は同じで色が増えていて打ちっぱなしのカードにも関わらず、なぜかできることがジェイスより弱くなっているので「どうして赤が混ざるとこんなに悲惨な弱体化をするんですか?」という疑問や苦情も多かった。
そしてテーロスにはエルズペスやゼナゴス、単色の神、神器、神殿シリーズ、《波使い》のような信心を参照するフィニッシャーなど有用なカードが多数収録されている。パックからこのカードが出てきた時の落胆はかなりのものである。


ここまで酷評してきたが一応擁護すると、こういった駆け引きを楽しみたい層からは割と評判がいいようだ。しかし彼らさえも「別に赤いらなくない?」と疑問を投げ掛けていたという、本当にどうしようもないカード。カードの選択肢が充実してきた現在となってはかえりみられることすらない。
この時期からしばらく、WotC社は「対戦相手に選択権のあるカードを実用的にする」という課題に挑戦することになる*18。このカードはスタンダードにおけるそんな風潮の嚆矢であり、その流れを受けてこのカードの後に《嘘か真か》の亜種が何枚か登場した。いずれも青単色シングルシンボルなのでこのカードの存在意義は着実に薄れてきている。
ちなみにこのカードのフレーバーは「嵐の神様から神託を授かる」というものだが、この元ネタはかつてギリシャで本当にあったデルフォイの神託。こちらは蒸気ではなく火山性ガス(有毒)を吸った巫女の支離滅裂な発言を神のお告げとみなしたもので、民俗学や文化人類学の見地からはかなり興味深い。
その元ネタを知っているとなかなかマニアックのネタ源と再現率が愉快なカードだが、だったらなんだよって話なわけで……。


  • 《飛鶴の技/Flying Crane Technique》

「あなたがコントロールするすべてのクリーチャーをアンタップする。ターン終了時まで、それらは飛行と二段攻撃を得る。」という、青赤白を含む6マナのインスタント。
イラストが話題になるというMTGでは非常に珍しいカードで、カンフーやってる中国人風の男が躍動的な決めポーズをとるという独特の雰囲気のイラストは世界中で「ポーズ選手権」「クソコラグランプリ」的なブームが巻き起こった。
「インスタントタイミングでのアンタップ」という防御側の能力と「二段攻撃」という攻撃的に使いたい能力が組み合わさっておりなんとも言えないカード。防御的に使うには6マナは重すぎるので、大抵は攻撃クリーチャーを選択した直後に使うことになるだろう。
さらにPT修整すらなく、戦場に十分な数のクリーチャーが並んでいなければわざわざこんなカードに頼る必要がない。率直に言って《踏み荒らし》のようなカードを使わせてほしいという気持ちになるカードである。
しかしリミテッドではクリーチャー戦が一瞬で有利になるため、除去に使えるしフィニッシャーにも使える。そのためカスレアではない……と、普通の場所ではこのカードは「リミテ用なのでカスレアではない」と評されて終わるのだが、実は肝心のリミテプレイヤーにとって極めて悩ましいカード。


「タルキール覇王譚」3セット時代のリミテッドでは相当強いカードであり、攻撃でも防御でも適切な状況で使えば勝利が確定するというエンドカードなので有意性は高い。
しかし3色カードであることから、2パック目や3パック目の初手にこのカードが出てくると「下に流すには危険すぎるが、かといって貴重な1ピック目をヘイトピックに使わなきゃいけないのか」と大いに悩みのタネになる。
この時点ではいわゆる決め打ち状態になることを嫌うプレイヤー(≒ドラフトをやりこんでいるプレイヤー)に評価が低いだけだったのだが、これが「運命再編」発売以降になると「タルキール覇王譚」が最後の1パックになってしまうためこの傾向がなおのこと強くなってしまった。
ではシールドではどうかというと、このカードを生かすにはジェスカイカラーの有用なカードを引かなければならない上に構築がかなり限られてくるのでやはり手放しで評価するには厳しい。
つまり適切な状況で使えれば強いが、リミテッドでその適切な状況を作るのが難しいというもの。ゲームを面白くしているタイプのカードではあるが、少なくとも「初手ピック確定級レア」というほどではない。他のリミテ用レア(いわゆるボムレア)と比較すると強いと断言するには疑問符が残る。
いわゆる「リミテ用レア」にもこのような悩ましいパターンがあるのだが、だいたい「リミテ用なのでカスレアではない」で片づけられてしまいその下を覗くことのない悲しいカード。


  • 《プリズム結界/Prism Array》

通称プリケツ。
5マナの青のエンチャントで、このカードを唱える際に支払ったマナの色に応じて「水晶カウンター」が乗り、この水晶カウンターを取り除くことでクリーチャー1体を1ターンの間タップする。
青のエンチャントなので一応1個乗ることが担保されており、シングルシンボルなので最高5つのカウンターが乗る。カウンターを取り除くだけでいいのでコストも不要。
そしてさらに5色マナを支払うことで占術3が行える。繰り返し使える占術3でドローサポートが可能になるので、カウンターを取り除ききっても無駄にならない。
このように強い点も多いのだが、まず「クリーチャーを1回タップする」だけでアドバンテージが取れないことを5マナのエンチャント、しかも事実上5色を要求されるカードでやる旨味がないという点。単にタップするだけで、次のターンのアンタップ制限などもない。
占術3も確かにそれ自体は強いのだが、「5マナのエンチャントを出して毎ターン5色を支払ってカード・アドバンテージが取れないドローサポートを行う」と考えると途端に割に合わないものになる。
リミテッドのタッパーは確かに強力だがどう頑張っても3~4回使えればいい方で、1~2回しか使えないのならこのカードを採用する意味はない。
一応ブロッカーの排除などには使えるが、「5マナのレア」の仕事としては地味すぎる。つまりこのカードは中途半端に守勢に回るだけで、このカードのおかげで勝ちにつながるというシチュエーションが極めて少ないというかなり厳しいカードなのである。
一応このカードに欲しい部分である「除去とは言わないからアンタップ制限」「せめて5マナで1ドロー」「手札に戻る能力」などを1つでもつけると主にリミテッドでオーバーパワーになってしまうのだが、それにしてももう少しやりようはあったのではないか?と思わせるすごいカード。
戦乱のゼンディカーは《待ち伏せ隊長、ムンダ》やら《陰惨な殺戮》やら、リミテ用と言うにしても悲惨なレベルのレアが多いのだが、その中でもリミテプレイヤーすら「ゴミと切って捨てるほどではないが、強くはない」と相当にお茶を濁して説明するあたり別格のカードである。


  • 《試練を超えた者、サムト/Samut, the Tested》

「破滅の刻」の神話レア。赤緑4マナのプレインズウォーカー。

  1. 1で対象に二段攻撃の付与、-2で2点分の割り振り火力、奥義はライブラリーからのクリーチャーやプレインズウォーカーの展開。

何かデメリットがあるわけではないし、忠誠度の上下についてもごくごく普通のプレインズウォーカーである。しかしすべての能力が、ハッキリ言うと4マナを支払って出したカードでやるようなことではなく、他のカードに極めて大きく依存しているせいでとても使いづらい。っていうか4マナあれば○○するよね、という代替選択肢がいくらでも出てくる始末。
何度か使うことで4マナ分をペイしようというデザインなのだが、+1も-2もあろうことか1マナのカード相当。1マナだからこそ強かったことを4マナ支払ってまでやるべきことかと言われると、多くの人は首を横に振る。
しかも単色なら組み合わせる色次第で工夫ができるのでまだしも、多色なので入るデッキを相当に選ぶうえでこの能力。そして赤緑を含む色というのはグッドスタッフデッキになりやすく、デッキの枠の取り合いは非常にシビアなものになる。サムトが他の採用候補に太刀打ちできるはずもない。
そんなわけで販売価格が最終的に50円になったり、ストレージの中で投げ売りされたりという、プレインズウォーカーにあるまじき粗略な扱いを受けることになってしまった。
似たようなカードには本項目のティボルトの他《ニッサ・レヴェイン》《ドビン・バーン》などもあるのだが、ティボルトやニッサは奥義に至る道筋がダメダメのダメなのであって奥義自体は結構強く、何よりPW界のネタキャラ需要がある(ティボルトが出る前のネタPW枠はニッサだった)。ドビンは書いてあること自体はかなり強いのだが環境にまったく恵まれなかった。
サムトはこういった性質が一切なく、ただ単純に力不足。剥いたパックから出てくるとリミテッドでさえげんなりする。そのため「最弱のプレインズウォーカー」の話では結構頻繁に顔を出すカードだった。


擁護意見としてよく「《倍増の季節》が出ている状態で奥義を打つ」というものがある。それこそ往々にして「○○でいいじゃん」で終わるような意見なのだが、サムトの場合は《賢いなりすまし》などのプレインズウォーカーをコピーできるカードと組み合わせることで事実上の勝利に大きく近づくことができる。そのため単なるカスレア擁護にとどまらないポテンシャル自体はあった。
しかしこれも実は3つ問題点がある。
ひとつは単体では大した仕事ができない上に必ず《倍増の季節》を先に出さなければならないコンボかつサーチ先のカードがライブラリーに眠っていてほしいため、手札事故を起こしやすいという点。
ひとつは《倍増の季節》が出ている状態で強いプレインズウォーカーはサムトに限らないため、サムトよりも単体で仕事をするプレインズウォーカーを選んだ方がいいという点。
そしてひとつは《狡猾な漂流者、ジェイス》*19の登場後は(プレインズウォーカーのルールの変更もあって)コンボとしてはほぼ下位互換、つまり採用枠がないといって差し支えない点。
これらの問題点を解消できなかったサムトの評価は言うに及ばず、中にはリミテッド用のアンコモンPW《暴君潰し、サムト》の方が使いやすいという人までいたほど。
「破滅の刻」自体、レアの当たり外れがかなり激しいパックではあったのだが、書いてあることが単純に力不足なせいで夢すら見られない。夢を見られるカードなら《ロナス最後の抵抗》とか《永遠の刻》とか色々あるだけに残念である。


当時はストーリーにおける覚醒前の《造反の代弁者、サムト》が、能力をたくさん入れただけのもの(流し台型デザイン)であり、特に瞬速と速攻という両立していても片方が腐ってしまう能力の組み合わせがどうもしっくりこないこともあって、あまり人気のあるカードではなかった。
しかしカードとしては赤緑系のデッキに採用されることがあった他、当時モダンで話題になっていた《魂剥ぎ》デッキの餌としての適性が高かったことで採用される機会自体はそれなりにあった。
それがプレインズウォーカーに覚醒すると採用の余地すらなくなってしまうという、設定的には強化されているのに実際には容赦ないレベルの弱体化を食らっている点も当時は結構話題だった。
背景ストーリーでは人生ハードモードなんてレベルじゃなく、信じていた神様が欺瞞だったことに気づいても誰も信じてくれなかったり、ゾンビ兵になったかつての友人たちを泣きながら再殺害したり、ラヴニカ人に死体は丁重に扱ってくれと頼んだり、萌え化しやすい日本語版イラストでなぜか男らしさが増したせいで性別を誤認されたりとなかなかの苦労人。



  • スフィンクスの命令/Sphinx's Decree

各対戦相手は、次の自分のターンの間、インスタントかソーサリーである呪文を唱えられない。

「イクサランの相克」のレア。
なにやら過去の優良カード《中断》や《沈黙》っぽいことが書いてあるが、実際には全く別物
能力は「各対戦相手が次の自分のターンの間、インスタントかソーサリーである呪文を唱えられない」、以上。キャントリップが無いためアドバンテージ損、唱えたターンには全く影響しないためコンボの露払いに使えない、妨害に使おうにも非パーマネント呪文しか妨害できないため確実性が低すぎる。
使われても「だから何?」と首をかしげたくなるカードで、《蒼ざめた月》といい勝負。当時はまだモダンホライゾンの優秀なピッチスペルがなかったため、「《意志の力》のコストになる」系のネタを突き詰めていくと登場当時は月よりひどいカードかもしれない(当時、手札を追放するタイプの白のカードはどれも実用性が極めて低かったため)。
よく「これが弱いというのはエアプだ」という反論をする人がいるが、テキストを勘違いしているか、《スフィンクスの啓示》あたりと勘違いしているものだと思われる。面白いのでむやみに刺激するのもよくないので、そっとしておこう。


ちなみにイラストとフレイバーテキストでは元プレインズウォーカーのアゾールがかっこいいことをしている。
「カードはクソ弱いけどイラストは良い系なのでは?」と期待をした者もいたのだが、ストーリー中でこれがなんとジェイスが捏造した記憶だと判明。
「性能はパック随一のカスレア、イラストとフレイバーテキストは捏造」と、過去にないタイプとなっている。何もかもがあんまりすぎる。


  • 《ダンジョンの入口/Dungeon Descent》

タップイン土地。無色マナを生み出す能力と、ソーサリータイミングでのみ4マナ支払って自身と伝説のクリーチャーをタップしてダンジョン探索を行う土地。
タップイン無色ランドというのはマナ基盤としては最低クラスであり、デッキに採用する以上他の能力が強いことが求められる。しかし実質5マナでタイミング的に隙を晒して伝説のクリーチャーを必要という極めて重いコストを支払ってできるのが「ダンジョン探索*20」という大して強くないことを行うだけ。
このカードが入るデッキを考えると「ダンジョン探索を積極的に行い、伝説のクリーチャーをある程度採用しているデッキ」になるのだが、まずこの時点で相当ニッチなデッキになる。
そしてそういうデッキでも繰り返しダンジョン探索をするカードがほしいなら実質3マナで繰り返し使えるダンジョン探索ソーサリークリーチャー《アーチリッチ、アサーラック》、伝説のクリーチャーのタップが必要ない《50フィートのロープ》など、ほかにいくらでも選択肢があり、あえてこのカードに頼る必要がない。
リミテッドで使おうにも、アンコモン以上にしかいない伝説のクリーチャーを要求する点が足を引っ張る。これをピックするのは相当後の方になるというしょうもないカード。
実物のテキストを読むとあまりにも制約が多すぎることから「タップ状態で戦場に出る」の部分を忘れてしまうという、令和の時代では信じられないレベルの弱さ。
反論を恐れずに言えば、ほとんどのデッキにおいてはこのカードを入れるよりも基本土地の《島》でも入れた方がよほどマシ。つまり採用する理由が希薄極まりない。
その弱さは伝説のクソ土地《冬月台地》に並ぶ*21とも言われ、話題がマンネリ化しつつあったカスレア界隈にさわやかな風を吹かせた。
2022年版の紙屑ランキングでは19位にランクイン。旧枠時代の古いカードが上位を占める中での2021年発売のセット初出のこのカードの存在は極めて異質である*22


あんまりにも弱かったため、MTGアリーナ専用フォーマットであるアルケミー及びヒストリックでは「アンタップで場に出る」「起動マナコストが(1)に変更」という大幅という言葉ですら済まないレベルの再調整を受けた。*23
件の紙屑リストではこのアルケミーでの再調整についても言及されており、「再調整されても依然として悪いカードだった。最初の調整がどれほどひどかったか分かるだろう!」とまで言われていた。しかし直後にアルケミーフォーマットで行われた神河チャンピオンシップはダンジョンデッキが優勝し、エラッタされたこのカードも採用されていた。
下記のカードが登場するまでは最近のカスレアの代表例として高い知名度を誇っていた、カスレア界の期待の星だった。


  • 血に呪われた者、オドリック/Odric, Blood-Cursed

イニストラード次元で怪物と戦い続けていた聖戦士オドリックが吸血鬼になり果ててしまった…と同時にカスレアにもなってしまった*24
戦場に出た時、コントロールしているクリーチャーが持つキーワード能力の種類だけ血トークンを生成するのだが、自らは血トークンを利用する能力もキーワード能力も持っておらず、単体ではダブルシンボル3マナ2色3/3バニラでしかない。
しかも(各能力はぞれぞれそれぞれ1回のみ数える。)なんて末尾に書いてあるせいでキーワード能力をコピーする《月皇の司令官、オドリック》等で水増しすることも不可能。多種多様なクリーチャーを地道に展開することを強いられる。
そして血トークンを活用できるカードは赤と黒であり、このカードを入れたければタッチ白にすることを強いられてしまう。
明滅と組み合わせれば複数のトークンを繰り返し出せるものの、他にキーワード能力を持ったクリーチャーがいなければただ出たり消えたりするだけになってしまい、結局のところ多大な下準備が必要になる。同じ用途なら《ヴォルダーレンの美食家》(戦場に出た時対戦相手に1ダメージを与え血トークン1つ生成する赤単色1マナコモン)の方がよほど安定する。
次の神河:輝ける世界でアーティファクトがフィーチャーされ、相性のよい換装*25やアーティファクトを生贄に捧げることをシナジーとするカードが登場しても全くもって評価が上がらなかったことも付け加えておく。オドリックの鼻血を構築物にして合体するメカ巨神なんてネタも増えたが。そのまた次のニューカペナの街角ではトークン生成を速攻持ちの猫トークンか警戒持ちの犬トークンに置換する《ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ》のおかげで多少はマシになった…かもしれない。
サイドストーリーでは血の呪いに抗い、吸血鬼を狩る吸血鬼として怪物と戦い続けるという非常にかっこいいシーンが描かれたものの、それで出てくるのが実質バニラクリーチャーというのは悲劇としか言いようがない。マローがその年度の振り返りを行うコラムにおいても「人気のキャラクターだったオドリックがほとんど使い物にならないカードだったこと」が不満点として挙げられていたと名指しされている。
さらに通常版とショーケース版は「それぞれ」が「ぞれぞれ」になっているという誤植まで存在する。
極めつけは赤白、伝説のクリーチャー、カスレアということでかの《覇者、ジョー・カディーン》を彷彿とさせてしまうことも笑いを誘う。あちらは能力の条件に質を問わずアーティファクトを3つ要求すること、こちらは他に楽な手段はいくらでもあるが条件を満たせばアーティファクトが複数出せる、しかもジョーさんは先制攻撃を持っているのでアーティファクト生成の条件を満たせると極めて相性がいいというオチまで付く。
ただし「お膳立てして使うほどではないだけで爆発力自体はあるタイプ」「覇者と同じくネタキャラ感がある」というところからか動画配信者には非常に人気が高く、
ETB能力に合わせて《天使火の覚醒》を打ったり機体に搭乗するなどでキーワード能力を水増しし、アーティファクトの数が増えることを利用したデッキなどが考案されている。
もちろんオドリックエンジンを削って別の手段にした方がいいという意見が続出するカスレアであることは間違いないのだが、高い爆発力と話題性を持つと別の意味で需要が出てくるという典型的なカードである。


  • 芽吹く生命の行進/March of Burgeoning Life

手札を消費して軽く撃つことが出来るX呪文サイクルの1つで、山札からクリーチャーを直接サーチして踏み倒して出せる緑のインスタント。同サイクルの白青黒は下環境でも使われるカードで赤も柔軟性が高くそこそこ使われていたが、この緑行進だけは泣かず飛ばずだった。
緑行進の何がダメだったかと言うと、なんと既に戦場にあるクリーチャーと同名のクリーチャーしか出せない。サーチとは名ばかりで実質的にマナ総量+2マナ払うorカード・アドバンテージを失ってコピーを生み出すだけ。一般的なコピー呪文の相場は3~4マナなのでカラーパイを考えても壊滅的なコスパの悪さである。
後に登場した、『試作*26』クリーチャーや《敬慕される腐敗僧*27》とは相性が良く一瞬期待が持たれたが、残念ながらこのカードが活躍することは無かった。
一応パイオニアやモダンのローグデッキでは、この《敬慕される腐敗僧》と組んだデッキで数枚積まれる枠にはなっているが、華々しい活躍をした他4枚に比べると明確に格落ちするのは確かである。


  • 《五者会談/Meeting of the Five》

5色8マナのソーサリー。ライブラリートップを10枚追放してその中で3色ぴったりのマナシンボルのカードをそのターンのみ使用可能にする。
《ニヴ=ミゼット再誕》が3マナ重くなったら6/6飛行のボディを失い、ハンドアドが衝動的ドローになり、得られるカードの制約がさらに厳しくなるという冗談みたいな効果。
一応補填として各色2マナずつの計10マナ貰えるのだが、如何せんマナ拘束と1ターン限定という二重の制約のせいでアド取りが全然安定しない。3色縛り=使える呪文は最安でも3マナということなので、大抵軽い呪文を無理やりチマチマ撃って終わりとなる。とどめに《五者会談》は5色なのでこれで2枚目がめくれてもチェーンコンボは起こらずハズレ扱い。これで8マナって噓でしょ…?
ちなみにカードイラストには5大頭目が会談を行う様子が描かれているが、それぞれのマナコストを考慮するとこのカードだけではどう頑張っても2枚までしか唱えられない誰が言ったか二者会談


  • サリンスの大ワーム/Sarinth Greatwurm

7/6トランプルに、土地が戦場に出るとパワーストーン・トークンを1つ生み出す能力を持つ6マナ赤緑のクリーチャー。
まず前提として、6マナは現代マジックでは勝負を決めるような強力な効果がついていないと弱いとみなされる、重量級に属するマナコストである。が、このワームくんは持ってる能力が残念すぎた。
まず能力を誘発させるための擬似上陸能力が6マナと重いこれと噛み合っていない。前述の通り6マナはゲームが決まり始めるマナ域なので大抵手札は枯渇している。一応相手の土地が出ても誘発するという上陸にはない利点はあるが、相手がアグロデッキだとそのマナ域に到達する前にゲームが決着している場合があるし、例え大ワームが出せても相手がすでに必要分土地を伸ばせていたらわざわざ利敵行為になる土地セットなんて行わなくなるので気休めでしかない。
もっと悪いのが出てくるパワーストーン。なんとその効果、『アーティファクトでない呪文には使えない無色マナを出す』だけ。前述の通り、これが出る時点で使えるマナは十分にあるため、そこからさらにマナを伸ばす意味が薄く、しかも使い道が限られているマナなので安定して活用しづらい。パワーストーンを真っ当に使うならデッキは自然とアーティファクト中心になるので今度は大ワームがお荷物になるというチグハグ具合。
持っている能力が擬似上陸とトランプルのみなので基本的に仕事をするのは次のターンから。除去耐性もないので、何もせずに退場することもしばしば。相手の土地で誘発するという上陸にはない利点も、除去を打ってから土地を置くことで台無しに。残したとしてもそれほど仕事をしないので無視して自分の動きを優先されることもある始末。
あまりの弱さにスタンダードのプレイヤーたちは驚愕し、「開発中に大量のマナを要求する起動型能力を持ってたけど印刷時に書き忘れたのでは?」*28との憶測も広がったとか。



遊戯王OCG

遊戯王OCGにおいても弱い(使いづらい)レアカードは存在し、主に「ハズレア」と呼ばれて親しまれている*29
前述の通り全く使い道の無いカードは少ないものの、需要の関係でシングル価格の面ではどうしても差が出てくる。


漫画やアニメ出身のカードを無理やりカード化した結果、弱体化を喰らった場合はカスレア扱いされやすい。
展開の関係上、リアルに再現するのが難しい状況のみを指定したり条件の割にリターンが少なかったりするカードが登場することもあり、それらもカスレアになりがち。
アニメでカッコよくフィニッシャーを飾ったカードも冷静に考えてみると、普通は想定しない極めて限定的な状況をメタってたご都合カードでしかないパターンも多かったりする。
また、主人公及びアニメの主要人物のカードはレアリティ面において優遇される傾向があり、光っているのが偽りの栄光にしか見えないような酷い効果のカードもある。


詳細は「カスレア(遊戯王OCG)」を参照。ハズレアと呼ばれて親しまれているのなら、なんでこんな名前で項目立てたんでしょうね……。



デュエル・マスターズ

上記の先輩方に次ぐ人気と歴史を誇るTCG「デュエル・マスターズ」にも、当然カスレアは存在する。
その中でも、特筆すべきが俗に『[[デュエル・マスターズ七英雄>デュエル・マスターズ七英雄]]』と呼ばれるカード達である。
ちなみに、この7枚中2枚はレアどころかただのコモンだけど全然大丈夫。


ほとんどの場合、「カスレア=憎むべき存在」なのに、七英雄達はカスレアながらDMP達にとっては「愛すべき馬鹿達」なのである。
実際、カスレアという本来なら世に出る事すら憚られる身ででありながら、各々が最低1回は再録されているという、開発陣からも破格の扱いを受けており、それに対してDMPは激怒するどころか再録を喜んでいるのである。
[[まるで意味がわからんぞ!!>まるで意味がわからんぞ!]]


しかし、そんなデュエマでも悲しい事に愛されない、あるいは話題の種にもならないようなカスレアというものは存在する。
一応、それらの多くもイラストだけは秀逸であったり、フレーバーテキストが印象的だったりというパターンは多いのだが…。


詳細はカスレア(デュエル・マスターズ)を参照



ポケモンカードゲーム

ポケモンカードのカスレアの定義は非常に難しい。というのもポケモンカードにはコレクション要素が存在するから。
つまりカードに書いてあるテキストは悲惨そのものでも、イラストに高い需要があればそれはカスレアとは言えなくなってしまう*30
そういったファングッズ的な需要から現在でも様々なカードに高値がついており、評価が非常に難しいのである。
さらに一般的に「弱い上にコレクション需要すらない」とされネットオークションでは30円程度で投げ売りされているカードですら、
ショップによっては単にきらきら光っているという理由だけで1000円ほどで売られていることもあり、売価という判断基準が機能しないことが他のゲームに比べて妙に多い。


一方で「そのカード自体は強いかもしれないが、環境にもっと強いカードが存在する」という場合の評価(カスレア説明の4番目に該当するカード)も非常に難しい。
そういうカードは決して悪くはないのだろうが、シビアな考え方をすれば「悪くはないというのはベストではない、ゆえにゴミ」とも言えてしまう。
ポケカはゲームのシステム上どうしてもそういったカードはデッキに入る余地がなく*31、収録されているカードの大半がどうしても「ベストのカードに比べると弱い」という評価になりやすい。
それを突き詰めてしまうと「トップレア以外はみんなカスレア」「カスレアの比率が非常に高い」なんて極論も言えてしまうわけで、このあたりの評価基準は本当に人によって様々。
さらにここに「そのカード自体は強いが、同名カードがもっと優秀なせいで採用する意味がないカード*32」のようなカードが混ざると評価が非常に難しくなる。


最近のポケモンカードの攻略の軸は攻略wikiではなく、noteや個人ブログ、Youtuberなどが中心となっている。カード1枚1枚の評価が人によってまるで異なる上に「こんなに弱いカード!だけど俺はこれを使いこなす!」という前振りのために本来強いカードを不当なほど弱いものと扱う人もたまにいる。
つまり評価の軸がまったく安定しない。カスレアという言葉自体も一般的ではないようで、「ポケモンカード カスレア(ハズレア)」と調べてもなぜかMTGのカスレア特集ページがヒットするほどである。


しかし悲惨なカードは本当に使う意味がまったくないレベルで弱く、カスレア発掘を趣味にする悪趣味な者にとっては金の鉱脈のような存在であることもまた確かである。
本項では「市販されている(いた)拡張パックから登場するR(昔の★)以上のレアリティ」「頑張って使おうとしても心が折れるほどの性能」という点を主に評価基準とし、
コレクター需要に関しては「ポケモン☆」「SR版のトレーナーカード」のようなよほどの大暴騰を起こしていない限り無視するものとする。


ポケモンカードGBにも収録されているあのカブトプス。
なにかの化石(HP10、当時は倒されてもサイドは取られなかった)から進化したカブト(化石の秘密)をさらに進化させる、2進化ポケモンでHPが60。4エネで40ダメージ+与えたダメージの半分のHP回復。抵抗力なし。
最大HPは低いしエネルギーの燃費は悪いし、闘タイプというのがそもそも原作のひこう・ゴースト相手に抵抗力を持たれているので火力が全く足りていない。
何かの間違いじゃないかと目を疑うほどの弱さである。ダグトリオ(第1弾)あたりと比べてみるとあまりの弱さに眩暈がしてくる。


カブト(化石の秘密)はダメージを半減する特殊能力「カブトアーマー」のおかげで、ポケモンカードGB時代のサンダーデッキ対策のバリヤード相手に強気に出られるカードとして重用されたようだ。
そのカブトアーマーを失って中途半端な火力を得ただけのカードと考えると、もはや比較すること自体がおこがましいレベル。
そしてあのカブトはあくまで「ポケカGB環境の何度でもマリガンできるルールに合致していたから強かった」だけであり、紙のポケモンカードではまったく活躍しなかった
つまり紙のポケカにおいては大して強くないカードがさらに弱体化しているのである。
更に同じパックの同じレアリティからは凶悪な特殊能力を持ったプテラベトベトンも収録されていることからこのカードのハズレ度合いがさらに強まっている。


そして極めつけが、ポケモンカードneo第2弾「遺跡をこえて…」で登場したカブトプスが、当時の環境で存在感を発揮するレベルで強かったこと。
コイントスが必要ではあるが、1エネルギーで40ダメージ出せる可能性があり、2エネルギーで期待値でも40ダメージ、しかもハガネール(金、銀、新世界へ…)との相性補完もできるといいことづくめ。
同名カードであるこちらを採用する意味がまるでなく、旧裏勢の間では「ウツボット(ポケモンジャングル)」「ミュウツー(第1弾)」と並んで「しょうもないカード」として人気なんだとか。


  • リムーブ禁止ジム(リーダーズスタジアム)

《エネルギー・リムーブ》と《超エネルギー・リムーブ》を名指しで使用禁止にする、遊戯王の《避雷針》などに近いスタジアムカード。
リムーブ戦略の強さならアニヲタ諸兄もご存知だろう。それが禁止できるジムというのはよさげに見えるが、このカードが禁止するのはこの2枚のみで、ハクリュウ(第1弾)やニョロボン(第1弾)のようなリムーブ持ちにはノータッチ。
さらに完全に禁止するのではなく、追加コストとして手札2枚を捨てれば使用を許可されるというかなり不完全なもの。禁止(禁止するとは言ってない)。
ドローゲーと揶揄されるポケモンカードにおいて手札2枚というのがさほど重いコストではないのは想像できるだろうが、その事情を抜きにしても「リムーブ系はこれでもまだ適正コストとは言えないほど強い*33」くらいなのでまったく抑止力にならない始末
ここまで述べただけでもこのカードを使われて困る局面の方が少ないのに、後年はこの2枚に規制がかけられていることから遭遇率が激減し、テキストが生きる機会がますます減ってしまった
極めつけがこのカードをさらに調整したような《エコロジム》というカードの登場。剥がされた基本エネルギーを手札に戻せるという、《エネルギー・リムーブ》系以外にも対応したテキストでリムーブ戦略を対策できる。
この《エコロジム》は特殊エネルギーがはがされた場合に対応してないが、リムーブ対策の役割としては大体上位互換と見て間違いない。
一応まるっきり使い道がないわけではなく、スタジアムカードのルールを利用した「スタジアムの上書き」用に入れることは考えられる。このカードはあらゆるデッキにとってバニラ同然なので、自分の戦略を阻害しないことが利点となる。
だがそれなら先程の《エコロジム》はもちろん、《せまいジム》なり《抵抗力低下ジム》なり《マダツボミのとう》なり、デッキの方向性に沿う適役はいくらでもあるのでそちらを選んだ方がいい。
つまりどんなことを考えても採用する意味がまったくないのにレア枠というとんでもないカード。
ポケモンカードの頼みの綱であるイラストもエネルギー・リムーブの絵にペケがつけられ、その下に「使用禁止」と書かれているというなんともなげやりなもの。
テキストがそもそも弱い、上位互換の存在、イラストアドまで低いという至れり尽くせりなカードでここまで悲惨なカードもなかなかない。
ポケモンカード最弱番付でもたびたび名前が出てくる、まさに遊戯王の避雷針のごときカードである。


余談となるが《エネルギー・リムーブ》と《超エネルギー・リムーブ》は、裏面変更された「ポケモンカードe第1弾」でエラッタされて見る影もないほどに弱体化した
このエラッタ後のテキストを適用するルールではリムーブ2種との遭遇率が非常に落ち込み、ただでさえ低い実用性が皆無となったことも申し添えておく。
メタった先が弱体化して見る影もなくなる……ポケカはおろかトレカの歴史を見てもここまで悲惨なカードもなかなかないのではないだろうか。


  • スロットゲーム(金、銀、新世界へ…)

デッキをシャッフルしてから3枚めくり、2枚以上が同名カードならその揃ったカードを手札に加えるというカード。
つまり2~3枚ドローできる可能性はあるがドローできない確率がそこそこ高いドローソース。ご丁寧にデッキトップをめくる前にシャッフルが入るので《ポケモン図鑑》系のデッキトップ操作も一切できない。
これだけでもドローゲーであるポケモンカードにおいて信じられないほど弱いドローソースであり、対抗馬となるカードはいくらでも思い付くだろう。ドローの質も問題で、ドローできるカードが必ず同名カードという融通の利かなさも気になる。
そしてこの同レア枠からはヤミカラス、ニューラ、クルミ、きあいのハチマキをはじめ非常に有用なカードが出たのでなおのことガッカリするという文句無しのカスレア。
といっても当時の大会のルールは「neo時代のものしか使えない」という、事実上のスタン落ちルールが用いられた。これにより有名なドローソースが軒並み使用できなくなったので、代用品としてこんなカードに頼らざるを得なかったのだ……
……なんてことはもちろんない。そんな時代でさえウツギはかせやクルミのような優秀なドロソはあるし、それを抜きにしてもドローできない確率を無視できない不確定なこのカードを使う理由なんてない。


それでも本当にとにかくドローをしたいデッキなら1枚くらい入るのではないか?という一縷の望みもしっかり断たれている。
たとえば当時話題になった地雷デッキ「キャタピー1キル」というデッキは、このスタン落ち後のルールの中で速攻デッキを組んだもの。
猫の手も借りたい、とばかりに実用的とされなかったあらゆるドローソースまで活用してデッキを掘り下げて速攻を仕掛けるという華々しい地雷デッキだったが、
そんな特殊なルール下における特殊なデッキでさえ1枚も入らなかった。当時はもちろん、旧裏コミュニティでも使われていることはまったくない。


ただ悪いことばかりではなく、原作のスロットゲームをうまく再現しているという意味では結構面白いカードである。ポケモンでゲームコーナーを描写している外部ゲームは非常にまれであり、そういう意味でも資料的価値は高い。
またテキストから漂うどうしようもなさは、2000年代前半のカードゲーム全体に漂っていた「デフレゲーでバランスを取る」という雰囲気を深く感じられる。
そんな調整黎明期の空気を強く感じられるという、歴史あるカードゲームのマイルストーンのようなカードとも言える。


デフレ期真っ盛りのポケモンカードe時代が誇るとんでもないカード。端的に言えば「デメリットを持つアタッカー」。
ポケボディー(特殊能力、現在の特性)「ピュアボディー」のせいで、手札から雷エネルギーをつける際、すでについているエネルギーを1つトラッシュしなければならない。しかもご丁寧に「トラッシュできないなら「雷」エネルギーをつけることはできない」という文章までついており、まずワザを出すまでのエネルギーをつけるのが大変
早い話が自分と同じタイプのエネルギーをつけると勝手に自分への《エネルギー・リムーブ》が誘発するようなデメリットを持っているのである。
そして肝心のワザは「雷無無 40+ のぞむなら、コインを1回投げてよい。「おもて」なら、自分についている「雷」エネルギーカードをすべてトラッシュし、20ダメージを追加する。」というもの。
トラッシュした枚数×20ダメージではなく、トラッシュするのが1枚でも3枚でも追加ダメージは20で固定。このコイントス自体は任意とはいえ、ポケボディーのせいでエネルギーすら満足につけられないのになぜかその苦労してつけたエネルギーをすべてトラッシュするというすさまじい燃費の悪さ。
しかもコイントスまで必要。それでいて劇的に火力が高いわけでもない。一応「レインボーエネルギー」などの特殊エネルギーをつける、何らかの方法でポケボディーを無力化するという抜け道はあるものの、肝心のワザがこれなので使う意味がまったくない。
ポケパワー・ポケボディーの項目では遊戯王の《女邪神ヌヴィア》にたとえられていたが、本当にそんな感じのカードである。


ポケモンカードe時代の三犬はこの「ピュアボディー」を持っているので非常に育てにくいのだが、
スイクンは「コイントスで表が出たら20追加、裏なら相手をねむり」という強くはないがエネルギーは捨てずに済む性能、
エンテイは「コイントスで表が出たら炎エネルギーを1個トラッシュしてやけど」というやはり強くはないがダメージの期待値もそれなりに高いし、何よりエネルギーをすべてどぶに捨てるようなこともしない。
ぶっちゃけこの2枚ですら使う意味がないほど弱いのだが、そんなどんぐりの背比べの中でもライコウは頭ひとつ抜けてしまっている。何を考えてこんなに弱くしたのだろう?
こんなカードだが、一応ライコウのカードということでコレクター需要は高いらしい。



Hearthstone

詳細は「ゲームごとのカスレア扱いの傾向」にて。
本項では拡張パックに収録されたレジェンドのみを対象とし、購入すれば必ず手に入るアドベンチャー等の収録カードは除外している。


  • 《ミルハウス・マナストーム》

「待ってろよォ、10マナ溜まったら…グェヘヘヘヘ…!」


旧クラシックパックに収録されている、中立レジェンド。
2コスでありながら4/4というマナレシオをガン無視した巨大スタッツの持ち主。
もちろんその代償として枷のような効果を盛っている所謂デメリットアタッカーだが、その効果が「次のターンのみ相手が使う呪文のコストが0になる」というもの。
最初の1枚だけとかではなくすべて0にしてしまい、どのような呪文も踏み倒され、大抵のデッキ相手でも利敵を通り越して無限の負け筋になりかねない。
万が一相手が強力な呪文を握っていたら堪ったもんじゃなく、《パイロブラスト》で初っ端から大ダメージを食らうわ《ナグランドスラム》で大量展開を許すわ《究極の浸食》で超絶アドバンテージを稼がれるわと、ただの4/4のミニオンだけではどうにもできない状況に陥りやすい。


あんまりな性能から専用Wikiでも「試合に最も早く負ける方法」とすら呼ばれているとか…。


  • 《ヒーメット・ネッシングウェアリー》

「やはり狩りはいい!血沸き肉躍るわい!」


第1弾パック「ゴブリンVSノーム」に収録されたの中立カード。
5コス6/3で獣一体を破壊する雄叫び持ちとシンプルな効果。…なのだが、そのシンプルさが仇となった。


まず6/3という所謂《マグマ・レイジャー》*34スタッツが扱いづらく、低コストミニオンや武器で簡単に有利トレードされてしまう。
そして肝心の効果もそもそも獣ミニオン自体当時はマイナーで、文句なしに強力なのも精々《サバンナ・ハイメイン》程度か*35
少なくともどんなデッキにも入るレベルのミニオンとなるとほとんどおらず、仮にいても低コストの連中がメインなため、このカードで破壊できても割に合わない。


総じて、スタッツも効果も微妙で柔軟さがない、お手本のようなカスレアとなってしまった。
せめてもう少し遅めに出ていれば後に環境に蔓延する《回廊漁り蟲》等へのメタとして使われたかもしれない…のかなぁ?


  • 《ノッゲンフォッガー市長》

「ガジェッツァンへようこそ!」


第4弾パック「仁義なきガジェッツァン」に収録された、中立カード。
9コス5/4と高いコストの割にスタッツが大分低いのが気になるが、その効果は「あらゆる行動の対象はランダムに選択される」というトンチキなもの。
ざっくり言うと第1弾パック「ゴブリンVSノーム」の中立レジェンド《モゴール・ジ・オーガ》の効果*36が100%になり適用範囲が広がった効果。
ミニオンの攻撃どころかカード・ヒーローパワーの対象もランダムになり、一度場に出てしまえば両プレイヤーとも盤面のコントロールはほぼ不可能となる。
…とまぁあまりにも運に左右されるじゃじゃ馬なことから、ラダーでの運用は非常に難易度が高い。
そして効果ゆえに自力で退かすことも困難。万が一こちらの盤面が不利になれば全体除去が無い限り取り返す事すら難しくなる。


単に運ゲーを仕掛けられるだけなら採用されることもあるのだが、このカードは「素のコストが非常に高い」「早期決着・莫大なアドバンテージも期待しにくい」等の理由により一層使われることが少なく、まともに運用されることなくスタン落ちとなった。


  • 《暗黒釣人ナット・ペイグル》

「もっと大物を釣るぞゴボボボボ…!」


第3弾拡張パック「旧神のささやき」に収録された中立カードで、旧クラシックパックの中立レジェンド《ナット・ペイグル》の闇落ち姿(?)兼リメイク。
リメイク元も攻撃力0の代償として「自分ターン開始時のドローが50%の確率で追加ドローする」という何とも微妙な性能だったが、
こちらは反対に「相手ターン開始時のドローを50%の確率で追加ドローさせる」というとんでもないデメリット持ちになった。
さらにその代償が2/4という2コス最良に体力が+1されただけのスタッツ。同コスト帯でも2/3相手だと普通に相打ちになってしまい、明らかに割に合ってない。
当然こんなハイリスクローリターンな利敵カードを使う利点はほぼ皆無で、序盤が大事なアグロデッキですら採用されることはなかった。


  • 《テンポラス》

「定命のものの命…短く!脆く!虚しいものだ…」


第7弾拡張パック「コボルトと秘境の迷宮」に収録されたプリーストミニオン。
当時同弾に収録された強力なAOEを放てるドラゴンミニオン《ダスクブレイカー》や、スタン落ち寸前だった超有能なドラゴンミニオン《ドラゴニッド諜報員》等の存在により環境デッキだった【ドラゴンプリースト】とのシナジーも期待されたが、蓋を開けてみればドラゴンどころか全デッキとシナジーが見込めないレベルのカードだった。


7コス6/6で、雄叫びで両プレイヤーは追加ターンを獲得する豪快な効果持ち。ただし先に相手が2ターン動く。
つまり相手の2ターンの猛攻を耐えてはじめてこちらが2ターン動けるようになる。いくら回復が得意なプリーストでも、強力な切り札が出始める7ターン前後で棒立ちになってしまうのは極めて危険。
本人のスペックも問題で、コストの高さから他カードと組み合わせるのも難しく、その上回復も挑発もないため耐える手段は別途で用意しなければならない。
一応相手の手札が少なかったり防御手段とは別に《心霊絶叫》を用意していたりすれば2ターン耐えきることも難しくないが…相手手札が少ない状態で出してもオーバーキルにしかならないし、仮にコストが高い《心霊絶叫》を使ってしまえば追加ターンもそれのみで終わりただの殴られ損になる…と本末転倒な状況となる。


総じてデメリットがきつ過ぎてまともに出せず、耐えきれる状況で出しても追加ターンを活かしづらくアドバンテージを取り返しづらい…と八方塞がりな状況となってしまった。
これじゃ《テンポラス》じゃなくて《テンポロス》だな!



Shadowverse

詳細は「ゲームごとのカスレア扱いの傾向」にて。


  • 《ピュートーン》

そして、全ての偶然は必然と化した。


第6弾「星神の伝説(SFL)」にて登場したドラゴンフォロワー。
10コスとドラゴンらしく最重量コストで、ファンファーレで自分のデッキのコスト7以下のカードすべてを消滅させる。
後半引いても腐ってしまうカードを消してドローの質を上げるためにデザインされていそうな効果だが、そもそもコストが非常に重く、フィニッシャーが大量に出てくるようなコスト帯でドローを安定させる程度のこいつを出してる余裕なんてそうそうない。
さらにファンファーレ以外の効果を持ち合わせていないただの8/9な点も厳しく、疾走どころか守護も突進も持っていない。10PPもあれば《バハムート》で盤面を吹き飛ばしたり《ゼウス》で攻めたりできる中、場ではバニラ同然のこいつを出すこと自体大変だったのは言うまでもない。
しかも無駄に重いせいで《ピュートーン》本人は効果で消滅せず、2枚目以降は完全に腐ってしまう。複数積むとドローの質を良くしたはずなのにゴミを引いてしまう恐れが出てしまう…。
トドメに後年、フォロワーを本来より低いコストでスペルとして使用する「アクセラレート」というキーワード能力が登場。わざわざこいつを積んでドローの質を上げなくても低コスト・高コスト両方で安定して使えるこれらのカードを採用した方が圧倒的に安定するため益々採用意義を失うこととなってしまった。
評価できる点はイラストの美麗さと、後年のデッキ消滅カードの反面教師になれたことくらい。


余談だが同弾のもう一方のドラゴンレジェンドが、かつて環境を一色に染め上げた紛れもなく最強クラスのカード《原初の竜使い》である。どこでこんなに差がついた…


  • 《滅殺の鎧》

死を喰らって生を得る、理外の存在。


上記の《ピュートーン》と同じ弾にて登場したネクロマンサーフォロワー。
やはり7コスと結構重く、元のスタッツはなんと0/7。そしてそれを補うかのように、ファンファーレで「このバトル中に破壊された自分のフォロワーの数」と同じだけ+1/+0する効果持ち。
つまり味方が死ねば死ぬほど攻撃力が跳ね上がる驚異の攻撃性能を誇るフォロワー。
…というわけだが、往年のTCGプレイヤーならこのゲームをプレイしたことなくても一目で「弱い」と判断できることだろう。


まず大前提として、攻撃力はあっても耐性も無い高コスト準バニラが強いわけもなく、7ターン目に出したところで除去手段が豊富なため簡単に処理される。
しかも直接盤面に触れる効果を盛っておらず、触れるなら進化権が必須と取り回しも悪い。
そして体力の方はバフされず「7」固定な点も見逃せない欠点で、コスト相応にそこそこの数値ではあるが適当な突進等で割と簡単に取られてしまうことがほとんど。
さらに攻撃力を伸ばそうと後のターンに出そうとすると、もっと簡単に処理できるようなカードが出てくるため、結局どのターンに出しても弱いのが現状。
というか同コスト帯にネクロの絶対的エース《魔将軍・ヘクター》がいる時点でこいつを出す余裕があるわけがない。
もっと言えば、超火力を出したいなら素直に《デスタイラント》を使った方が疾走も付いてるためよっぽど現実的である。


さらに追い打ちをかけるかのように、悉く後年のシステムとも噛み合いが悪くイマイチ強化のチャンスに恵まれない。
たった2コス且つネクロマンス8で自フォロワーに疾走付与と非常に相性が良いフォロワー《グレートレッサーマミー》が第13弾「リバース・オブ・グローリー(ROG)」にて登場したものの、既に《滅殺の鎧》がスタン落ちした後だった。
それだけに飽き足らず、ファンファーレなことが災いして「リアニメイト」しても0/7の木偶の坊になり、素の攻撃力が「0」であるがゆえに「アルティメット・コロシアム(UCL)」で登場した攻撃力1に疾走を与える《酒吞童子》の恩恵をギリギリ受ける事ができない。
…等とまるで狙ったかのように強化のタイミングを逃し、ネクロのカスレジェ代表のような扱いを受け続けることとなった。
この惨状を受けて、プレイヤーからは《滅殺のよわい》だの《滅殺(される方)の鎧》だのと散々な渾名で呼ばれていた。


こんなあんまりな性能なのに、クリスタルで購入できるネクロマンサーの構築済みデッキ第3弾の看板レジェンドとして実装された。
《滅殺の鎧》が描かれたスリーブも同時収録されており、唯一の長所であるイラストのカッコよさを存分に拝めることができる。


  • 《鋼鉄の魔獣・レガロア》

魔術と技術の間に生まれた魔獣が、新たなる一歩を刻む。


第16弾「ナテラ崩壊」にて登場したウィッチフォロワー。
通常だとコストが18と普通には出せないが、機械・カードを融合することによりコストが-2される設計となっている。そのため場に出すには最低でも4枚の機械・カードを融合させる必要がある。
5/5の守護持ちで、ファンファーレで自身を除いた機械・フォロワーを全て手札に戻し、戻した分だけ《プロダクトマシーン*37》を出し、突進を付与しスタッツを融合した枚数の半分(端数切り上げ)+/+させる。
要するに融合でコストを下げて機械・フォロワーを使い回し、スタッツの上がった突進フォロワーで盤面を強化することを目的としたカード。


しかしその前に出すまでの融合素材を用意すること自体が意外と大変で、最低でも4枚、コストや効果のことを考えるとできれば6枚以上は融合させたいところ。
…なのだがそう都合よく毎ターン素材を用意できる保証もない上に、仮に1ターンでも融合を怠ると最速降臨ができなくなる。
それに加え融合してもこれといったリソース回復手段を持ち合わせていない。この手の融合フォロワーにはリソース消費を穴埋めする形でついでにドローや展開をする効果が内蔵されている傾向にあるのだが、よりによってこのカードにはそのような配慮が一切されていない。
さらに素材とは別途で機械・フォロワーも用意する必要があり、こちらはスペルの《リペアモード》が使えず場に出す用のコストも必要と一層大変。
そしてそんだけリソース消費して頑張ってもできることが5/5の守護とそこそこのサイズの突進複数と、まぁ悪くはないが手間とリソースに見合ってるかと言われると微妙と判断せざるを得ない。
そもそも、当時の機械軸デッキは《鋼鉄と大地の神》を融合して早投げすることに命をかけたようなデッキが大半だったため、こんなやつにリソースを割いてる暇がなかったのがトドメとなり、当時の【機械ウィッチ】でも全く採用されずにスタン落ちとなった。


  • 《マルドゥーク》

「天の果てへ。冥界の底まで」


第8弾「起源の光、終焉の闇(DBN)」にて登場したニュートラルフォロワー。
7コス7/7というイラストに違わないスタッツにも目が行くが、メインとなる効果はファンファーレで”自分のリーダーは「スペルをプレイするたび、カードを1枚引く。アミュレットをプレイするたび、相手リーダーに2ダメージ。手札のフォロワーをプレイできない」を持つ”所謂リーダー付与に近い(ここ重要)効果持ち。
スペルでドロー、アミュレットでバーンと一見地味ながらあるとまぁまぁ嬉しい効果だが、そんなことより最後の「手札のフォロワーをプレイできない」というあまりにも重すぎるデメリットが枷として付きまとう。
当然シャドバというゲームも基本的にバトルの主役はフォロワーであり、たとえフォロワー以外が主軸になる【スペルウィッチ】【アミュレットビショップ】等でも使わないという事はまずない。
しかも厳密にはリーダー付与効果ではなくあくまで場にいる間の永続効果で、しっかり”この能力は、このフォロワーが場を離れるとき失われる”という余計な一文も記されている。
つまり最初からフォロワーを限界まで減らしたデッキでデメリットを踏み倒すだけでは効果を活かす事ができない。
いくらスタッツが高くても自身には何の耐性もないため、除去が豊富な7ターン目以降で出しても普通に返しに処理されるのがオチ。
じゃあさっさと効果を使いたいところだがそもそも自身のコストが高くて他カードと組み合わせにくい。ならリアニメイト等で踏み倒そうとしても、効果はあくまで「ファンファーレ」なため、手札から出さないとただの7/7バニラになってしまう。


…とまぁ書けば書くほど使いづらさが露呈してしまい、「デメリットが重すぎる」「場を離れたら効果を失くすため軸にするにはあまりにも不安定」「1ターンで決めようにも自身が重すぎて他カードと組み合わせにくい」とどう考えてもまともに使うには無理がある欠点を多数抱えている。
ただし、アミュレットに関しては後に第14弾「森羅咆哮(VEC)」にて1コスのアミュレット《ナテラの大樹》を割りながら戦う【自然〇〇】と呼ばれるデッキ群が出たことから、もし共存できれば環境とまではいかずともある程度の使い道は見出されたかもしれない。
惜しむらくは登場の2弾前に《マルドゥーク》がスタン落ちしてしまったことか…。アンリミテッドで使う?10PPまで貯めないとまともに使えないコイツに人権があるとでも?
こんなカードでもCV担当の大塚明夫氏の重厚なボイスも相まって、「声だけはレジェンド級」という評価(?)をもらっている。



……などなど、バリエーション豊かではある。
他にも、様々なカスレア達が存在する。
そう言ったカスレア達を見かけたら、破ったりせずにそっと不要カード回収ボックスにダストシュートしてあげよう。
そして供養代わりにこの記事に「こんなカスレアあるんだぜ!」と紹介してくれれば、きっとカスレアも浮かばれることだろう。


また、カスレアは往々にしてイラストだけはカッコ良かったりするので、単にコレクション用として取っておくのも悪くは無いかもしれない。


なお、よく間違える人がいるが、「トーナメントシーン(ガチ)やそれに準ずるデッキで使われていないレア=カスレア」では断じてない。カードの価値はとは人それぞれなものである。
一方で、だからといって「このカードはウッディ様や蒼ざめた月ほど弱いわけじゃない=カスレアではない」というわけでも決してない。カードの価値は人それぞれだが、そのそれぞれの価値観がある程度低いところでまとまったうえで妙な魅力を持つ。
それこそがカスレアなのである。



最後に

この項目名が単なる「カスレア」であることからも察せるように、この項目は最弱議論決定戦ではない


このカードは一般的にカスレアじゃないから……」「どうせコメント欄で文句言われるから……」と追記をモジモジするのは非常にもったいないので、ぜひ気軽に追記してほしい
デュエマ遊戯王OCGに関しては専用のページがあるが、それ以外のカードゲームならデュエマの下にでも適当に項目を作ってぜひ記事を充実させてほしい。ヴァンガードなりバディファイトなり、この際終わったカードゲームでもまったく構わない。
この記事でも《飛鶴の技》やオドリックあたりは、最弱議論的な観点なら削除されてもまったくおかしくないが、有用なカードがたくさんある中では飛びぬけて弱くネタ性が高いというのも事実であり、一般的にはカスレアの部類である。カスレア(遊戯王OCG)に挙げられているカードも当時ディープに遊んでいれば「カスレアなんてとんでもない」と反論したくなるようなカードがさも発売当時から全会一致でカスレア扱いだったかのように列挙されているが、カスレアとする理屈自体はまったく間違ったものではない。
裏を返せばそんな文句をつけたくなるようなガバ査定でも、ちゃんとした理由があれば存続を許されて項目を賑わせてくれる。
コメントでの反論はもちろん荒らし扱いや差し戻しを恐れるのは本当にもったいないので、ガンガン追記してほしい。


ただし自分一人が思っているのではなく「付録カードや構築済みデッキのレア仕様ではなく、エキスパンションの当たりとしてのレアである」「ネットで話を振っても弱いことがネタにされる」「カードにちなんだ面白いエピソードがある」という3つを満たしていれば、wiki籠りも文句は言わないだろう*38


せっかくwiki形式かつこんな記事があるのだから、情報が充実しない方がもったいない。
「俺の好きなゲームをあしざまに言うな!」ではなく「こういう意見もあるのか、ふーん」程度に読んだ方がおそらく書き手も読み手も楽しいのではないだろうか。



「パック開封…良いレア来い!」
「うわ…《追記・修正》…ってこれカスレアじゃねぇか…。」



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*1 「産廃」と略されることが多い。
*2 当wikiでも「カードにカスというのは言葉が過ぎる」として以前問題になった。この件の是非については問わないが、ジョークとは相手が理解できて初めてジョークとして成り立つこと、アニヲタwikiは基本やんわりとした表現を好むユーザーが集うことなどは念頭に置いてほしい。ユーザー規制の原因にもなり、これが転じて色々面倒になるのだ。
*3 ただし、シングル相場が高いカードは「ショップやフリマサイトなどで高く売れる」というメリットがあるため、カスレア扱いされないこともある。
*4 十字軍に至っては現在諸事情で、禁止カードより重い存在抹消カードになってしまったが。
*5 6マナ0/6でブロックする度に手札に戻る能力を持つ。基本壁としか使えないのにいざ使うと毎ターン6マナ要求されるという悪い意味でコスパがぶっ壊れているクリーチャー
*6 MTG wikiに書かれた珍説が由来
*7 祭壇サイクルや《泥穴》が有名だが、他にも《統一理論》《凍血鬼》《片意地な使い魔》《爆弾兵団》など。《説得》も《支配魔法》世代にはあまりの弱さに嫌われた。
*8 火炎舌のカヴ―の4点ダメージに耐えられるタフネス5が功を奏した。またヤヴィマヤの火を使ったミラーマッチなら巨大化などでブラストダームを返り討ちに出来る
*9 なんと漫画『デュエル・マスターズ』では、敵の切り札の一つとして大々的な扱いを受けていた。
*10 白1/3…以上。他の能力は白呪文のコストが白増えるだけ。某カードショップで70枚近くのまとめ買いセールもやっていたらしい。
*11 こういった「安いレアの枚数」を狙うコレクターはMTG以外にも意外と多い。MTGでは調べると基本セット2014の《壮大な鯨》などがヒットする。一方で最近は「レアを買い占めて値段をつり上げようとしている」ようにも取られてしまい、口に出すと敵意を剥き出しにしてくる人も多いのであまりいい趣味とは言えなくなってしまった。ルールの変更やフォーマットの追加、禁止カードの考え方などと同じく、コレクションという遊び方も割と流動しているのである。
*12 イメージ的には「相手の知識を覗く呪文があれば、いちいち呪文なんて覚えなくてもいいのにね?」とちょっと小馬鹿にしながら相手の呪文を拝借するような感じのカード。赤のカラーパイの関係もあってハンデスなどにはつながらない。後述のイラスト絡みの話も兼ねると「色仕掛けで情報を奪う」的な要素もあるのかもしれない。
*13 対抗色フェッチランドが有名だが、当時の環境的に極めて強い存在感を放っていたカードがコモンから神話レアまで勢ぞろいしていたため。
*14 開発に携わっていたスタッフが炎上したほど。当時のモダンの価格暴騰がしのばれるエピソードである。
*15 ただし当時のスタンダードには追加ターンを得られる実用的なカードが存在しなかった。
*16 《蒸気占い》のお披露目コラムでは《嘘か真か》を打たれた際の初見殺し要素の不評について語られていた。
*17 めくったカードの質が悪い、墓地を参照するクリーチャーの威力を引き下げてターンを稼ぐなどの時に起こる。一見重箱の隅をつついているように思えるかもしれないが、「対戦相手に最終的な選択権のあるカード」の弱さはそういう状況を多く引き起こすことにある。
*18 多人数戦用のセットではすでに同調や投票という形で存在していた
*19 《倍増の季節》下でジェイス自身およびジェイスから出せるイリュージョン・トークンを無限化可能。イリュージョン・トークンを除去されなければ次のターンに勝利だし、全体除去を受けても無限ジェイスが残るので次のターンに同じように無限トークンを出せばいい。
*20 別途用意された「ダンジョン」というカードに記載された既定の行動を行う
*21 最弱議論なんて不毛なだけだが「どんなデッキにも入る上に割と軽いがほぼ仕事をしない」VS「入るデッキをものすごく選ぶくせにコストが重くそのくせ大した仕事をしない」の差。どちらも2022年版紙屑リストでは仲良く10位代にランクインしている。
*22 上位25枚の中で新枠初出のカードはウッド様から最弱クリーチャーの座を奪った《西風のスピリット》とこれの2枚のみ。つまり新枠のレアでは唯一ベスト20以上を取ったということ。
*23 同日のエラッタではダンジョン探索絡みのカードが軒並み上方修正された。それだけダンジョン探索が弱かったということでもある。
*24 元々前2種のオドリックも強いカードというわけではなかったが、さすがにここまでではなかった。
*25 クリーチャーにもなる装備品。多くがキーワード能力を持つ。
*26 軽いマナで出せるかわりに弱体化する能力で、要は妥協召喚。ライブラリーから出す方は本来の性能に戻せる。
*27 自軍クリーチャーが対象に取られると毒カウンターを与える。数が増えると毒の乗り方が倍加する。
*28 パワーストーンのマナは呪文の唱え先に制約があるだけで能力起動等には問題無く使えるので、自前でマナの使い道があれば評価はもっと変わっていた可能性があった。
*29 遊戯王カードwikiなどのファンサイトで検索してみると、ハズレアの方がカスレアより多くヒットする。
*30 neo時代の「ひかるポケモン」、e時代の「クリスタルタイプ」、PCG時代の「ポケモン☆」の大半は非常に使いづらいカードだが、その高いレアリティから非常に高い値段で取引されている。
*31 進化ポケモンの場合は進化前のポケモンを数枚、進化をサポートするカードを数枚、とかなりのスロットを取られてしまうため他のゲームよりも「悪くない」レベルのカードが入りづらいのである。
*32 ポケモンカードGB勢にも分かりやすいたとえだと、ミュウツーLv.60が優秀すぎて採用されることのないミュウツーLv.53のようなもん
*33 ポケモンカードSM期の「プルメリ」は、手札を2枚捨てることでエネルギー・リムーブと同じ効果が得られるサポート。つまりターン1回制限までついている。
*34 3/5/1の中立ミニオン。ヒーローパワー1発で沈む場持ちの悪さから、公式公認で「弱カード」の評価をもらっている。
*35 なお、《サバンナ・ハイメイン》も断末魔で2/2の獣トークンを2体場に出すため、完璧にメタれるわけでもない。
*36 全てのミニオンは50%の確率で標的と違う対戦相手のミニオンかヒーローを攻撃する。
*37 1/1/1の機械・フォロワー。
*38 非常に極端な例を出すと、たとえば絶対に禁止解除されることがないと分かりきっている禁止カードはパックから出てきても使い道がまったくないのでカスレアと言える(MTGの《チャネル》など)。しかしそんなことを言ったら間違いなく反論を受けるだろう。ちなみに《チャネル》はこの理屈で、神話レアとして再録されたものでなければ現在でも非常に安く買えるし、買取価格も非常に安い。

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