登録日:2012/04/29 Sun 00:19:22
更新日:2024/03/10 Sun 23:46:14NEW!
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野球 mlb 一覧項目 メジャーリーグ 所要時間30分以上の項目 チーム 野球チーム アメリカンリーグ ナショナルリーグ 日本人もいっぱい 多国籍リーグ 変態守備の巣窟
アメリカおよびカナダに所在するチームで構成された、世界最高峰の野球リーグであるメジャーリーグベースボール(略称・MLB)。
かつては縁遠い存在だったが、1995年に当時近鉄に所属していた野茂英雄のドジャースへの入団を皮切りに日本人選手が相次ぎ加入していったことにより、今や本邦の野球ファンにも広く認知されるようになった。
本稿ではそのMLBの全30チームと代表選手を紹介する。
※チームの横の()はかつて在籍した日本人選手と年度。
☆はチームを代表する現役選手
○は特筆すべきOB
アメリカンリーグ
(全15球団/各地区5球団)
▷東地区
◇ニューヨーク・ヤンキース
(伊良部秀輝'97~99、松井秀喜'03~09、井川慶'07~11、五十嵐亮太'11 黒田博樹'12~14)
ワールドシリーズ出場40回・制覇27回はそれぞれ次点の倍以上という圧倒的な実績を誇る、ピンストライプのユニフォームとイカした球団エムブレムでお馴染みの名門球団。
数多くのスターが登場し、伊良部秀輝、松井秀喜、黒田博樹、田中将大ら日本人選手も在籍していたので、日本の野球ファンにもよく知られたチームの一つ。中でも2009年はプレーオフで松井がMVPを受賞するなど大活躍してワールドチャンピオンに輝いた。
その歴史に相応しく永久欠番は全球団共通の「42」を含めて22個も存在。特に「1」~「9」は全て欠番となっている上、2019年に初めて着用者が出た「0」も2023年の着用者のドミンゴ・ヘルマンが完全試合を達成したため、1桁背番号が全て永久欠番になってもおかしくない勢いである。また、歴代最多セーブ記録を持つマリアーノ・リベラは2013年の引退まで背番号「42」をつけ続け、引退後にジャッキー・ロビンソンとの連名で永久欠番となった。
日本人関連では、2013年のドラフトでアメリカ在住の日本人高校生・加藤豪将を2位指名で獲得(後に移籍先のブルージェイズでメジャー昇格)。MLBのドラフトで全体順位100位以内に日本人が入るのは史上初となった。
またこの年のオフにはポスティングシステムを行使した田中将大を争奪戦の末に獲得し、当時の日本人最高額となる7年1億5500万ドルの契約を結んだ。
○田中将大(投手)
メジャーリーガー史上最強のアイドルオタク。
伝統あるチームの厳しい目の中、7年間ローテーションを守り続けた。MLBに入ってからはツーシームなどを軸にしたスタイルにモデルチェンジしている。
現在は楽天に復帰。
☆ジャンカルロ・スタントン(外野手)
2017年に59本塁打を放ったナ・リーグのホームラン王だったがマーリンズより電撃トレードで移籍で加入。
メジャーでもダントツでナンバー1と言われる程の桁外れのパワーの持ち主。
カブス戦ではどう見ても流し打ちのライトオーバーツーベースにしかならないような打球をそのままスタンドインさせるという超人ぶりを発揮。
どうみても人智を超えてます、本当にありがとうございました。
ただ2019年以降は故障もあって不振に終わるシーズンが多く、2023年には打率.191という悲惨な結果に終わってしまっている。
☆アーロン・ジャッジ(外野手)
オールライズの愛称を持つ、スタントンと共にチームの主軸を担う主砲。
2017年には57本塁打を放ち新人王、また2022年には62本塁打を放ちMVPに。
オフにはFAになったが、ヤンキースと9年契約で再契約。
☆アンソニー・リゾ(一塁手)
カブス時代の2015年、31本塁打を記録しながら死球も30を数えるという珍記録を樹立したスラッガー。年間最多死球も3回記録している。
出身も国籍もアメリカだが、両親共にイタリア人ということもありWBCではイタリア代表で出場した。
◇ボストン・レッドソックス
(大家友和'97~01、野茂英雄'01、松坂大輔'07~12、岡島秀樹'07~11、斎藤隆'09、上原浩治'13~16、田澤純一'09~16、吉田正尚'23~)
アメリカの古都ボストンの誇り。
同じ地区のヤンキースは永遠のライバル、日本で言えば阪神と巨人に例えられる。
松坂大輔を当時のポスティング史上最高額で獲得するなど日本でも有名なチーム。
特に2013年の上原浩治の活躍は今なお語り草となっており、6月からクローザーを務め73試合に登板して74.1回・防御率1.09・4勝1敗21S・WHIP0.57(リリーフでは史上最高)という圧倒的な成績を残したばかりかチーム選手の連続無失点記録を更新するなど、MVP候補に挙がっても疑問すら感じない大活躍だった。
その上原と田澤純一、そして打者ではデービッド・オルティスらを擁したこの年のレッドソックスは前年の不調が嘘のような快進撃で6年ぶりのリーグ制覇を達成、ワールドシリーズでもカージナルスを下し95年ぶりの地元でのシリーズ制覇を成し遂げた。
○上原浩治(投手)
精密な制球と熟練された投球術で打者を圧倒する。特に独自のフォームから繰り出されるフォーシーム(直球)は142km/h前後ながら打者を空振りさせる。
これは選手談によると速球が+10km/h前後に感じることと途中まで軌道が同じで来るスプリッター(フォーク)を警戒してタイミングを狂わされるからである。
○デービッド・オルティス(指名打者)
本塁打王1回・打点王3回、2013年のワールドシリーズではMVPを獲得し、引退後には背番号「34」が永久欠番となった、「ビッグ・パピ」の愛称を持つ大砲。
04年の日米野球では東京ドームの看板上への特大ホームラン(推定約160M)を放ち日本のファンの度肝を抜いた。
☆吉田正尚(外野手)
暗黒期だったオリックスを引っ張りリーグ連覇・日本一へ導いたマッチョマン。
2022年オフにポスティングで移籍し、WBCでの大暴れを引っ提げてシーズンイン。適応に苦しんだものの1ヶ月少しであっさりと本来の調子を取り戻し中軸として活躍している。
◇タンパベイ・レイズ
(野茂英雄'05、岩村明憲'07~09、松井秀喜'12、筒香嘉智'20~21)
1998年に創設された新興チーム。
創設以来低迷が続いていたが地道な育成が実を結び急成長。
2008年にチーム名をデビルレイズから改名すると翌年には初のリーグ優勝を飾る。
04年には日本で開幕戦を開き、野茂が日米通産200勝をレイズで達成するなど意外と日本とも縁が深い。
○エバン・ロンゴリア(三塁手)
「レイズ」への改名初年度にメジャーデビューすると攻守で活躍し、通算261本塁打に加え3回のゴールデングラブ賞を記録。2017年にサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍した。
☆ランディ・アロサレーナ(外野手)
夜のカリブ海をボートで8時間かけてメキシコに亡命した苦労人。
2020年にトレードで移籍するとシーズン後半の初出場からポストシーズンにかけて大暴れし、新人野手では史上初のリーグ優勝決定シリーズMVPに選出。
2023年にはWBCで度々ファインプレーを見せて「腕組みパフォーマンス」共々大いに名を売り、初選出となったオールスターゲームでもホームランダービーで準優勝。試合でも1回表にいきなりWBC準決勝を彷彿とさせるファインプレーを披露した。
◇トロント・ブルージェイズ
(大家友和'07、五十嵐亮太'12、川崎宗則'13~15、青木宣親'17、山口俊'20、菊池雄星'22~、加藤豪将'22)
現在のメジャーリーグで唯一カナダに本拠地を置く球団。
92、93年にワールドシリーズを連覇したことがあるが、それから2015年のリーグ優勝決定シリーズまで21年連続でポストシーズン進出を逃していた。
なお、ホーム球場のロジャース・センターは世界初の開閉式ドーム球場である。
☆ブラディミール・ゲレーロJr. (一塁手)
父であるブラディミール・ゲレーロSr.も殿堂入りしたMLB名選手というサラブレッド。
2019年にデビューすると球団史上最年少のホームランを放つなど活躍し、2021年には史上最年少のオールスターMVPに加えホームラン王も獲得。2023年のホームランダービーでは史上初の親子優勝を果たした。
☆菊池雄星(投手)
2022年にFAで加入。当初は不安定な投球も多くシーズン途中で中継ぎに配置転換されたりしたが、2023年には再び先発に返り咲き、11勝6敗でシーズンを終えた。
◇ボルチモア・オリオールズ
(上原浩治09~11、藤浪晋太郎'23)
かつてはカル・リプケンやジョージ・シスラーなどのスターが在籍していたが、投手陣の不振など色々な要因があり1990年代末期から長らく不振気味。2010年代前半こそ復活の兆しを見せていたが、その後は再び低迷している。
なお、日本人は上記の2名に加えて和田毅が2012・13年に契約していたが、怪我の影響もありメジャーでは1試合も投げることなくカブスに移籍している。
○クリス・デービス(一塁手)
「C」の方のクリス・デービス。
ミゲル・カブレラとの争いに勝利して打点王と本塁打王の2冠に輝きMVP投票では3位に入った輝かしい実績と晩年の死刑囚ぶり双方が語り継がれる男。
ちなみに給料の支払いは一部を引退後分割払い方式にしていたため、2037年(51歳)まで続く。
☆セドリック・マリンズ(外野手)
クローン病の手術明けの2021年に打撃では30本塁打・30盗塁、守備では389刺殺を記録しブレークしたスピードスター。2023年にはWBCアメリカ代表に選出され、決勝戦でもスタメンで出場した。
「NARUTO‐ナルト‐」の大ファンでもある。
▷中地区
◇デトロイト・タイガース
(木田優夫99~00、野茂英雄'00、前田健太'24~)
日本の阪神タイガースの由来にもなった古豪で、20世紀から本拠地も球団名も変わっていない唯一の球団。
かつてはシーズン119敗を喫するなど低迷期が長らく続いていたが、剛腕エースのジャスティン・バーランダーと45年ぶりの三冠王ミゲル・カブレラ、大砲プリンス・フィルダーやトリー・ハンターなど超重量打線を擁し2011年から地区4連覇を達成。
しかしその4年間でワールドシリーズ制覇は叶わず、現在は再建期に入っている。
○タイ・カッブ(外野手)
20世紀前半の球史において欠かせない「球聖」。
史上唯一の打撃タイトル完全制覇や9年連続を含む12回の首位打者など、到底ここに書ききれないような量の実績を持つ。
と同時に「最低の人間」と言われるほどの畜生と言われているが、そのほとんどがマスコミによって作られた人物像であり、実際の彼はむしろ人格者であったという。
粗暴な一面もあったがそれは彼なりの信条に基づいた言動の結果であり、相手に比がある場合のみでしか暴力を振るわず、またどれだけ怒ってもケガだけはさせなかったという。
更に永久追放され「俺のことなんか誰も覚えていない」と言う選手に「そうだな、お前が優れた選手だった事以外忘れてしまった」と言って励ましたエピソードも有名。
また当時のアメリカ人にしては有色人種に対して差別的な意識は余り無かったらしく、少年だった日本人に盗塁を刺された際に「やるな坊主」と褒めたり、ニグロリーグを良く見に行ったり、黒人の少年を付き人にしたりしていた話もある。
…とはいえ短気で傲慢かつプライドの高い一面もまた事実。そういう意味では非常に複雑な人間と言えよう。
○ミゲル・カブレラ(三塁手)
マーリンズのファイヤーセールにより2007年に移籍。
2011年からの3年連続を含む4回の首位打者を獲得している。
また、メジャーでの21年間でシーズン30本塁打以上を10度、打率3割を11度に加えて連続記録では30本塁打以上を7年連続、打率3割を8年連続、100打点以上を11年連続で記録するなど、文句なしのオールタイムベストプレイヤーの一人。
ちなみにかつては飲酒がらみのトラブルが多く、また練習嫌いで有名だった。
練習嫌いでこの成績ってどう見てもただの化け物です、本当にありがとうございました。
そして2013年11月、PS4を購入、twitterに目を輝かせてプレイしている写真を掲載している。
2023年、契約最終年にて引退を表明。
☆ハビアー・バエズ(遊撃手)
スペイン語で魔術師を意味する「エル・マーゴ」の異名を持つ守備の達人。
カブス108年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献した後、2022年から6年契約で加入したが、移籍初年度は17本塁打を放ちながら打率.278に終わり、2023年は547打席でOPS.593と打撃面では不振に喘いでいる。
◇シカゴ・ホワイトソックス
(高津臣吾'04~05、井口資仁'05~07、福留孝介'12)
アメリカ第三の都市シカゴに本拠地を構えるチーム。
井口資仁が加入した2005年に88年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たした。
バラク・オバマ大統領が大ファンであると公言していたことでも知られている。
○アダム・ダン(一塁手)
皆大好きアダム・ダン。はっきり言えば三振or四球orHRというある意味男のロマンの様な選手。
かつてシーズン三振記録を保持しており出場試合数を超える三振数を多々記録するなど三振が多く、シーズン三振の記録を超えそうになった12年は最終戦を監督の温情で欠場した。
一見闇雲に振りまわす様に見えるが四球を選ぶ選球眼も持ち合わせており打率が.250以下でも1割以上上回る数字を記録しており、レッズ時代の2002年には.249ながら四球を128個選び出塁率.400を記録している。
2014年8月にアスレチックスにトレード移籍し、シーズン終了後に引退した。
☆ディラン・シース(投手)
2019年のメジャーデビューから安定した活躍を続ける右腕。
2022年には先発14試合連続で自責点1以下というMLB記録を作っている。
◇ミネソタ・ツインズ
(西岡剛'11~12年、前田健太'20~23)
アメリカ中部ミネソタが本拠地のチーム。
21世紀に入ってからは浮き沈みが激しかったが、2010年代後半から持ち直してきている。
帽子やヘルメットの「TC」の由来は本拠地のミネアポリス市と対岸にあるミシガン州のセントポール市が双子都市(Twin Cities)と呼ばれることに由来。
○ジョー・マウアー(捕手・一塁手)
出身地も出身高校もミネソタ州、プロとしてもマイナー時代含めてツインズ一筋を通し、引退後には背番号「7」が永久欠番となった正真正銘のフランチャイズプレイヤー。
2010年代から故障もあって一塁手での起用が多くなり、2014年にそのままコンバートとなった。
打撃面ではMVP1回、首位打者3回、守備面ではゴールドグラブ賞を3年連続で受賞するなど攻守ともに評価が高く史上最高の捕手と称されることもある。
☆バイロン・バクストン(外野手)
怪我がちながら順調な時は強いという荒削りな選手。
2021年には怪我で規定未到達に終わったが、254打席でOPS1.005という成績を残している。
◇クリーブランド・ガーディアンズ
(多田野数人'04~05、小林雅英'08~09、大家友和'09、福留孝介'11、松坂大輔'13)
かつては映画「メジャーリーグ」のモデルにもなるなど、「弱小」の代名詞的存在だった球団。
2007年に6年ぶりの地区優勝を果たした後もしばらく低迷していたが、2016年にリーグ優勝、翌年には連覇こそ叶わなかったもののMLB新記録となるレギュラーシーズンゲーム22連勝の記録を樹立。
2016年のカブスのワールドシリーズ制覇後は「最もワールドシリーズ優勝から遠ざかっている球団」という不名誉な記録を得ることになったが、割と上位層の安定勢力になりつつある。
2022年シーズンから、1915年から命名した「インディアンス」という球団名を「ガーディアンズ」に改名した。
☆シェーン・ビーバー(投手)
2018年のシーズン途中のメジャーデビュー以降、チームの屋台骨を支える右腕。
2020年には勝利数・防御率・奪三振数の投手三冠を獲得したほか、2022年には31試合で13勝8敗、防御率2.88・WHIP1.04の好成績を残している。
ちなみにベースボールカードで「Justin」と書かれたことがあり、本人もネタにしている。
☆ホセ・ラミレス(内野手)
本職は三塁手だが、二遊間や外野もこなせるオールラウンダー。
打撃の方も2016年からOPS.800超えをマークし続けており、2022・23年には2年連続でリーグ1位の敬遠数を記録している。
◇カンザスシティ・ロイヤルズ
(マック鈴木'99~02、薮田安彦'08〜09、野茂英雄'08、青木宣親'14)
ロイヤルブルーをチームカラーとする球団。本拠地のカウフマン・スタジアムはメジャーでも指折りの美しい球場として名高い。
資金力に乏しかったこともありワールドシリーズ初優勝の翌年(1986年)から28年連続ポストシーズン進出を逃したばかりか、その間にシーズン100敗を4回記録するという長い低迷期を過ごしたが、生え抜き選手の成長により復活。2015年に30年ぶりにワールドシリーズを制覇した。
○ロレンゾ・ケイン(外野手)
高校から野球を始めてメジャーリーガーに登りつめた、漫画の主人公のような選手。
無類の身体能力で走攻守にわたってチームを牽引し、2015年のワールドシリーズ優勝に大きく貢献した。
2022年引退。
☆サルバドール・ペレス(捕手)
2006年のプロ入りからロイヤルズ一筋の攻守に優れた名捕手。
2015年にはワールドシリーズMVPを獲得した他、2021年には捕手としてのシーズン最多記録となる48本塁打を叩き出して本塁打王・打点王に輝いた。
▷西地区
◇テキサス・レンジャーズ
(伊良部秀輝'02、大塚晶則'06~07、福盛和男'08、建山義紀'11、上原浩治11~12、藤川球児'15、有原航平'21~22)
もともと強打が売りのチームだったが、大投手ノーラン・ライアンがオーナーに就任した2010年代から投手力も向上し、アメリカンリーグを連覇するまでになった。
かつてのホーム球場のレンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンは土地柄空気が乾燥しているため非常にボールが飛びやすく、ロッキーズのクアーズ・フィールドに次ぐ打者有利の球場としても知られた。
ダルビッシュ有を獲得した2012年の2位に13ゲーム差をつけ西地区首位を快走していたが徐々に詰め寄られ、まさかまさかの最終戦でアスレチックスに逆転優勝を許してしまう。
2chのなんJ及び野球板ではVやねん!タイガースの再来として軽く祭りになった。
2013年も途中でアスレチックスとの首位争いから抜け出すと前年同様に快走していたが、再び追いつかれると終盤でそのまま差をつけられ優勝をさらわれた。
WC出場権争いでもレイズに敗れるなど2年連続でプレーオフ出場を逃す。
ハミルトンとマイク・ナポリ、マイケル・ヤングを失った代償が大きかったと見られる。
なおこの年はダルビッシュ有がチーム選手新記録となる防御率2.83を記録、現在の球場になる前で更に晩年だったとはいえライアンが持っていたそれまでのチーム選手の防御率2.91を更新した。
オフはイアン・キンスラーとのトレードで大砲プリンス・フィルダーを獲得、生え抜きだったキンスラーの放出には多くのファンが別れを惜しんだ。
2023年にはアストロズとレギュラーシーズン最終戦まで優勝争いをしたが優勝を逃す。それでもポストシーズンでは勝ち上がりリーグ優勝。ワールドシリーズでは同じくポストシーズンを勝ち上がったダイヤモンドバックスと対決し、球団創設63年目にして初のワールドシリーズ制覇を果たした。
○エイドリアン・ベルトレ(三塁手)
打撃においては3割30本塁打(本塁打王の04年は48本)を4度記録し、守備では通常だと打球が弱く走者を刺せるか際どいものでもアウトにする類い稀な強肩を生かした送球が高く評価された名選手。
ゴールドグラブ賞も4度受賞し、通算3166安打を記録して2018年に引退。引退後、背番号「29」は永久欠番となった。
○プリンス・フィルダー(一塁手)
2014年にトレードで加入したパワーヒッター。
かつて日本の阪神で活躍した強打者セシル・フィルダーの実の息子で、父親譲りのパワーで本塁打を量産していたが、椎間板ヘルニアに悩まされて2016年に引退を余儀なくされた。
☆アドリス・ガルシア(外野手)
2016年の読売ジャイアンツ在籍時代に7打席無安打であっさり契約解除となった上、その後亡命したことで悪い意味で話題となっていた選手。
メジャー移籍後もしばらくは燻っていたが2021年から覚醒し、2023年にはリーグ優勝決定シリーズでMVPを獲得するなど球団初のワールドチャンピオンに大きく貢献した。
◇ロサンゼルス・エンゼルス
(長谷川滋利'97~01、松井秀喜'10、高橋尚成'11~12、田澤純一'18、大谷翔平'18~23)
アメリカ第二の都市ロサンゼルスを本拠地とするチーム。チーム名はエンゼルスとエンジェルスの両方の表記が見られる。
2002年に史上初となるワイルドカードチーム同士の対戦となったジャイアンツとのワールドシリーズを制し初のワールドシリーズ優勝を飾り、その後も2010年代初頭までは上位層に位置していたが、2010年代前半に獲得したアルバート・プーホールズとジョシュ・ハミルトンがいずれも不振に終わると、2012年に21歳で3割30本・49盗塁を挙げ新人王を獲得したマイク・トラウトの活躍が目立つくらいの低迷期に突入。
2017年オフにポスティングで移籍してきた大谷翔平が二刀流で大暴れしたこともあって大谷とトラウトで2014~23年にかけ5回もMVPを獲得したが、チームは2014年を最後にポストシーズン進出に失敗しており、2023年シーズン終了時点でタイガースと並んで最もポストシーズンから遠ざかっている球団となってしまっている。
☆マイク・トラウト(中堅手)
突如として現れた天才選手、走攻守の全てで高いスキルを持ちイチローとプホルス以来のルーキーと称された。
打撃においては2年連続3割、ホームランこそ2年連続30本には届かなかったが27本を打ち、走塁面では右打者であるにも関わらず1塁までの到達が驚異の3.8秒を誇るスピードを武器に2年連続で30盗塁を記録している。
守備面でもDRSという平均的な選手と比べ失点を何点防いだかという指標では23を記録するなど走攻守全てで高いスキルを持つ。
更にWARという同ポジションの平均的な選手と比べどれだけ勝利を上積みしたかという指標ではメジャー1位の9.0を記録。
僅か2年でスーパースターの地位を手に入れ、殿堂入りも確実と言われている。
例年ならMVPを獲得出来るレベルの成績を残しながら2年連続でカブレラの前に2位で終わったが、2014・16・19年にMVPを獲得。2023年のWBCでは当時の同僚だった大谷翔平との対戦で大きな話題となった。
○アンドルトン・シモンズ(遊撃手)
メジャーNo.1との呼び声高いキューバ出身の遊撃手。
驚異的な守備範囲の広さと恐ろしいほどの強肩を兼ね備えており、超人的なプレーを連発していたが、2019年以降は怪我もあってイマイチな成績に喘ぎ、2022年に引退した。
◇オークランド・アスレチックス
(藪恵壹'05、岩村明憲'10、松井秀喜'11、藤浪晋太郎'23)
リーグ優勝15回、ワールドシリーズ制覇9回を誇る名門。
映画にもなったビリー・ビーンGMの「マネー・ボール」でも知られる。
緊縮財政により、大物選手を次々に放出している。
前述のマネー・ボール理論でこれといったスター選手は居ないが、
マイナーで四球を選ぶ選球眼を磨く英才教育を行っているため効率的に得点を獲得することが出来るのがチームカラー。
ちなみにダルビッシュ有に対して相性が良い。
再建シーズンの2023年には開幕から異次元の負けっぷりを披露。シーズンを50試合以上消化したのに勝ち数が10勝付近、勝率は1割台にまで落ち込む様は日本でもよくネタにされている。
最終成績が50勝112敗、得点、打率、出塁率、長打率、OPS、防御率、自責点がリーグ最下位という結果に。
シーズン途中で移籍した藤浪がシアーズと並んでチーム内最多勝投手になるという意味不明な成績となった。
ちなみに最多勝と言ってもわずか5勝である。
成績不振に加え、メジャーではワーストの観客動員の悪さも相まって本拠地の移転話が出ており、2025年からラスベガスへの移転が正式に決定した。
☆シェイ・ランゲリアーズ(捕手)
2022年8月にデビューを迎えた期待のホープ。
翌年にはショーン・マーフィーの移籍もあって135試合と出場機会を大きく増やし、リーグ最多の盗塁阻止を記録している。
◇ヒューストン・アストロズ
(松井稼頭央'08~10、青木宣親'17)
NASAのあるテキサス州のヒューストンを本拠地にしているチーム。
財政難から苦しい戦いが続き、05年のリーグ優勝後は主力が引退、放出されたことにより若手主体のチームで低迷が続いた。
12年シーズンはメジャーワーストの106敗を喫してしまうなどメジャー最弱やマイナーの3Aを掛けたAAAstorosと言われるまでになってしまった。
13年よりアメリカンリーグ西部地区へ移動。
ダルビッシュ有に2度も完全試合を達成されかける(1度目は初登板試合)など、ナ・リーグよりもレベルが高いと言われるア・リーグに来たことでより厳しい立場に立たされる事が予想されていたが、案の定13年シーズンのチーム勝率がメジャーワーストの.315を記録。
更に……総年俸が約1800万ドルと北米4大スポーツのプロチームでありながらNPB最下位のカープと大差がない、つまりベイスにすら総年俸が劣るという始末だった。
が、そこは下剋上もしばしば起こるMLB、積極的な補強を行いなんとそこからわずか2年後の2015年にはポストシーズン進出。そこからは黄金期を築き上げ現在では大正義球団としての名を恣にしている。ゴミ箱?知らない言葉ですね……
☆ホセ・アルテューベ(二塁手)
5フィート6インチ(約168cm)という小柄を感じさせない看板選手。
5年連続を含む6回のシルバースラッガー賞を受賞し、盗塁王も二度獲得している。
☆ジャスティン・バーランダー(投手)
2017年にタイガースからトレードで加入。2022年にオプトアウトを行使しFAになりメッツへ移籍したものの、翌年のトレードデッドラインで古巣にカムバック。
かつては平均球速が150km/hを超え、最速164km/hをに達するストレート(フォーシーム)が武器のメジャーを代表する剛腕投手、今は変化球も多く交えるが決め球はやっぱりストレート。全ての球が一級品と称される。
加えてサイ・ヤング賞を取った2011年には250イニングを超えるなど7年連続で200イニングを投げるタフさも持ち合わせている。
40代になった今、再び全盛期を迎えようとしている。
◇シアトル・マリナーズ
(マック鈴木'96~99、佐々木主浩'00~03、イチロー'01~12・18〜19、長谷川滋利'02~05、木田優夫'04~05、城島健司'06~09、川崎宗則'12、岩隈久志'12~17、青木宣親'16、菊池雄星'19~21、平野佳寿'20)
かつてはイチローのいたチームとして日本でもお馴染みの球団。
任天堂が親会社な為か、イチローに限らず日本人選手を多く獲得している。
イチローが加入した01年はメジャー記録に並ぶシーズン116勝を挙げて3度目の地区を果たすが以降は主力の放出、引退により長らく苦戦を強いられた。
ホーム球場のTモバイルパークは打球が飛びにくく投手有利として有名で、これがチームの不振の理由の一つともされる。
2012年オフにはこれを解消するため左中間を中心にフェンスを手前に動かしてフィールドを狭くしている。
岩隈久志を擁していた2010年代前半の、岩隈と"キング"フェリックス・ヘルナンデスの先発ローテーションはメジャー最強のNo.1&2コンビと称された。
2010年代後半から本格的に再建が始まり、2022年には大型ルーキーのロドリゲスなどの台頭もあって21年ぶりのポストシーズン進出を果たした。暗黒時代の脱出も近い。
○岩隈久志(投手)
2013年には日本人最多の14勝を挙げてダルビッシュ有と共にサイ・ヤング賞の最終候補3人に残り、その後も2014年15勝・2016年16勝とメジャーでプレーした6シーズンで3回の2桁勝利を達成。
2017年のシーズン序盤に故障し、その後はメジャーに復帰出来ず2018年オフに退団したが、メジャーでは通算防御率3.42・WHIP1.14という成績を残している。
○イチロー(外野手)
説明不要の日本が誇る安打製造機。彼にとっては始まりも終わりもマリナーズだった。
☆フリオ・ロドリゲス(外野手)
現在のMLB最強の若手選手。2022年にMLBデビューを果たすと一瞬のうちに外野手のレギュラーを掴み、チームではイチロー以来の新人王に輝く。同年中に球団と最大18年契約という異次元の大型契約を結んでおり、マリナーズのスターとしての階段を登りつつある。
ナショナルリーグ
(全15球団/各地区5球団*1)
▷東地区
◇フィラデルフィア・フィリーズ
(井口資仁'07~08、田口壮'08)
スティーブ・カールトン、マイク・シュミット、ピート・ローズなどのスターを出した独立宣言の地、フィラデルフィアの名門。
07年~11年まで5年連続地区優勝、08~10年と3年連続ワールドシリーズ出場を果たすなど強豪の名をほしいままにしている。
2013年は名投手ロイ・ハラデーが通算200勝を達成するも自身もチームも不振で地区4位に沈み成績不振により、かつて日本のヤクルト、近鉄で活躍したチャーリー・マニエルが監督が解任された。
オフの12月7日には故障した肩の状態を理由にハラデーが引退を表明、2000年代最高投手との別れに多くのファンが惜しんだ。
その後しばらくの再建期を経て、2021年にブライス・ハーパーが球団として14年ぶりのMVPを獲得するなど上昇傾向に入ってきている。
☆ブライス・ハーパー(中堅手)
2012年にメジャーデビューして新人王を獲得し、2019年から13年契約でフィリーズに移籍。当時は過大評価とも言われたが、2021年にMVPを獲得した。
16歳だった2009年には、NBAファイナル、NHLスタンレーカップといった主要スポーツイベントの期間中でありながら米国の最大手スポーツ雑誌スポーツ・イラストレイテッドの表紙を飾った経歴も持つ。
◇ニューヨーク・メッツ
(柏田貴史'97、野茂英雄'98、吉井理人98~99、小宮山悟'02、新庄剛志01~03、松井稼頭央04~06、石井一久'05、高津臣吾'05、高橋尚成'10、五十嵐亮太10~11、松坂大輔'13~14、青木宣親'17、千賀滉大'23~、藤浪晋太郎'24~)
アメリカ最大の都市ニューヨークのもう一つのチーム。
交流戦でのヤンキースとの対戦は「サブウェイ・シリーズ」と呼ばれる人気カード。
1962年の球団創設時にはお荷物球団扱いだったが、そこから一気に1969年のワールドシリーズを制する躍進を遂げて「ミラクルメッツ」と呼ばれ、1986年にも2勝3敗・あとストライク1球という窮地から連勝して二度目のワールドシリーズ制覇を果たした。
その後はもう一つ振るわない時期が続き、2015年に15年ぶりに進出したロイヤルズとのワールドシリーズでも自滅同然の試合が続いて敗退。2020年に大資産家のスティーブ・コーエンが球団の95%を買収したことが好転の緒になるかもしれない。
歴代在籍日本人選手はなんと最多の14人。
○デービット・ライト(三塁手)
2004年のプロ入りから2018年の引退までメッツ一筋だった、ヤンキースのジーターと並ぶニューヨークのスーパースター。
2014年後半から怪我で精彩を欠き続けたが、2013年までは10年連続で2桁本塁打を達成していた。
☆千賀滉大(投手)
2022年にソフトバンクから海外FAで加入したお化けフォークを持つ投手。育成出身選手初のメジャーリーガーでもある。
メジャー1年目にして12勝、200奪三振の活躍を見せる剛腕振り。
☆エドウィン・ディアス(投手)
2018年オフに移籍してきたトップクローザー。登場曲「Narco」も有名。
2022年オフに5年総額1億200万ドルの契約を結んでいたが、年が明けた2023年のWBCにて準々決勝進出決定後の歓喜の輪の中で右膝の膝蓋腱を全断裂する重傷を負い、再契約1年目は全休を余儀なくされた。
☆藤浪晋太郎(投手)
エースとして2012年の大阪桐蔭高校春夏連覇を成し遂げた、大谷翔平の元祖ライバル。
おそるべき身長と日本人記録最速となる165.1km/hをマークしたメジャーでも十分通用し得る球速が武器。
2022年に多少なりに予てよりの課題点だった制球難の改善が見られたからか、オフには「環境を変えたい」という理由でポスティング制度を利用しアスレチックスへ入団。
しかし環境を変えても元々の課題であった制球難は直らず先発としては大失敗。直後に中継ぎへ転向し、その後は米国で良くも悪くも数多くの話題を作ることに。
中継ぎ転向後は防御率も安定し、その実力を買われて1年目途中の7月にオリオールズへ電撃トレードで移籍。メジャー移籍1年目にして地区優勝を経験するも同年にFAとなり、2024年よりメッツに加入した。
◇アトランタ・ブレーブス
(川上憲伸'09~11、斎藤隆'10)
1876年創設のメジャー最古のチームの一つ。
2005年までストライキを挟んで東部地区15連覇を飾り、一時期フィリーズに押されかけるも2010年代後半から復活。
90年代には強力な投手陣で5度のリーグ優勝を果たしている。
2021年には主要打者を相次いで故障で欠きながらもトレードでの穴埋めに成功し、アストロズを下して26年ぶりにワールドチャンピオンを獲得。2023年には歴代1位タイとなる球団シーズン307本塁打を引っ提げ、両リーグ合わせて最多の104勝を挙げてポストシーズンに乗り込んだがフィリーズに1勝3敗でディビジョンシリーズ敗退を喫した。
☆ロナルド・アクーニャJr.(外野手)
2018年にメジャーデビューすると、いきなりその年の地区シリーズ第3戦でポストシーズン史上最年少の満塁ホームランをぶち込んだ若き大砲。
2023年には史上5人目かつ最年少で40本塁打・40盗塁を達成(41本塁打・73盗塁)し、打率も.337というハイアベレージで終えた。
◇ワシントン・ナショナルズ
(伊良部秀輝'00~01、吉井理人'01~02、大家友和'01~05)
モントリオール・エクスポズが首都ワシントンDCに移転して2005年に誕生したチーム。
移転後は下位が定位置だったがスティーヴン・ストラスバーグとアマチュア選手、天才打者ブライス・ハーパーを獲得して着実な戦力補強が芽を結び、
12年にナショナルズとして初の地区優勝を果たす。
その後2019年にハーパーを放出したものの、ストラスバーグ、シャーザー、コービンの三本柱を軸にワイルドカードから悲願のワールドシリーズ進出。そのままアストロズをも下しワールドシリーズ制覇を果たした。
2021年以降は不振になり、主力のソト、シュワーバー、ターナー、シャーザーを放出し、再建モードに突入中。
○スティーヴン・ストラスバーグ(投手)
ドラフト史上最高と言われる投手。
平均球速150km/h中盤、最速166km/hを記録する剛腕で20~30年に1人の逸材と言われ、2019年には獅子奮迅の働きを見せWS制覇に大きく貢献。
しかし、その後致命的な故障で現在は選手生命どころか通常の日常生活を送ることすら怪しい状態に立たされてしまい、2023年に引退を表明。
☆ジョーイ・メネセス(一塁手・外野手)
2019年にオリックス・バファローズに所属していたが、ドーピングで6月末に早々に解雇。
その後もマイナー暮らしが続いたが、2022年に30歳にしてメジャー初出場を果たすとその試合でホームランを打つ鮮烈なメジャーデビューを飾った。
◇マイアミ・マーリンズ
(イチロー'15~17、田澤純一'17~18)
1993年に誕生した新興球団。
97年には当時の記録で球団設立から史上最速の5年目でのワールドシリーズ制覇の快挙を達成。
03年にもワールドシリーズを再び制覇する。
日本での知名度はあまりなかったが、イチローが移籍したことでかなり知名度が上がった。
なお地区優勝の経験が無く、2度のワールドシリーズ制覇はどちらもワイルドカードから達成している。
スター選手を大放出する「ファイヤーセール」が良い意味でも悪い意味でも有名。あれ?NPBでもどこかで聞いたことあるような……。
酷い時には「ファイヤーセール」に対する懲罰でオールスターゲームの開催権を剥奪されたこともある。
なお、日本中を興奮の渦に巻き込んだ2023年WBCの準決勝・決勝が開催されたローンデポ・パークはこの球団の本拠地。2013年から3大会連続で開催実績がある。
○ホセ・フェルナンデス(投手)
個人成績はリーグ2位の防御率2.19 12勝6敗、メジャー1位の被打率.194を記録、
サイ・ヤング賞の投票では3位に入るなどリーグで勝率が唯一4割を切るなど低迷したチームの中で一際目立つ成績を残した。
し か もまだ21歳という若さであるから将来がとても楽しみな選手である。
が、若くしてボート事故で亡くなった。彼の死を悼み、背番号はマーリンズ初の永久欠番に指定された。
▷中地区
◇セントルイス・カージナルス
(田口壮'02~07)
リーグ優勝19回、ワールドシリーズ優勝11回を誇る名門球団。
"オズの魔法使い"の異名を取る守備の名手オジー・スミス、90年代を代表するスラッガー、マーク・マグワイアらの出身球団でもある。
2011年までメジャー最高の打者の一人のアルバート・プホルスも所属していた。
2019年には前年途中にプロ未経験ながらスカウト→コーチを経て監督に就任したマイク・シルト監督の元で地区優勝・リーグ優勝決定シリーズ進出を果たし、シルト監督は最優秀監督賞を受賞した。
○アダム・ウェインライト(投手)
カージナルス一筋で18年投げ続け、リーグ最多勝を二度獲得した右投げのエース。晩年は故障にも悩まされたが、この年限りでの引退を表明していた2023年に通算200勝を達成して引退した。
引退後は歌手になるとのこと。
○ヤディアー・モリーナ(捕手)
先述のウェインライトと1年違いでこちらも18年間カージナルス一筋。
強肩を生かした送球と守備面の評価が高く08年から8年連続を含む9回のゴールデングラブ賞受賞など、現役最高捕手とも名高かった。
22年に引退。ウェインライトとのバッテリーでの先発出場は325試合を数え、MLBの先発では史上最多である。
☆ラーズ・ヌートバー/榎田達治(外野手)
若きリードオフマンかつ切り込み隊長。母が日本国籍を持っており2023年のWBCの日本代表に選ばれた。
当初は懐疑的な声も多かったものの、長打力のある打撃、ボール球を見極められる選球眼、安定した守備を披露し日本のファンを虜に。
そしてその勢いは2023年シーズンになっても変わらずキャリアハイの成績を残した。
◇ミルウォーキー・ブルワーズ
(野茂英雄'99、マック鈴木'01、野村貴仁'02、大家友和05~06、斎藤隆'11、青木宣親'12~13)
98年、球団拡張に伴ってナ・リーグ中地区に編入。
ビールの名産地ミルウォーキーを本拠地としており、チーム名はビールの醸造職人から取られている。
2011年の編入後初優勝を皮切りに地区優勝を4回挙げているが、そのいずれもリーグ優勝決定シリーズで敗戦しており、ナショナルリーグ編入後は一度もワールドシリーズに進出できていない。
日本では何度も3割を記録していた青木宣親がメジャーでは2年連続で失敗したこともあり、この球団を通してメジャーリーグの厳しさを知った人も多いかもしれない。
☆コービン・バーンズ(投手)
2021年に開幕から無四球での58奪三振というMLB記録を叩き出しサイ・ヤング賞も受賞したエース。
翌年にもリーグ1位の243奪三振を記録し、投手陣の主軸を担う。
◇シンシナティ・レッズ
(秋山翔吾'20~21)
創設1866年創設のプロ野球最古のチーム、シンシナティ・レッドストッキングスを前身に持つ。
かつてはこれに敬意を表して、レッズは全球団に先駆けて必ず本拠地で開幕戦を行っていた。
70年代にピート・ローズらを擁した「ビッグレッドマシン」と言われた黄金時代を築いた。
長らく日本人選手が入団していなかったが、2020年に秋山翔吾が入団したことにより、メジャーリーグ全球団に日本人選手が所属したことになった。
☆ジョーイ・ボット(一塁手)
卓越した選球眼を持ち3割を打つミートと、100試合以上出場したほとんどの年で毎年20本塁打以上(最高37本)を放つ長打力を持ち合わせるスラッガー。
レッズ一筋で17年プレーしたが、2023年オフにFAとなった。
◇シカゴ・カブス
(福留孝介'08~11、田口壮'09、ダルビッシュ有'18~20、鈴木誠也'22~、今永昇太'24~)
創設1871年の老舗球団。
しかしチームの成績とは裏腹にメジャー屈指の人気チームで同じシカゴを本拠地とするホワイトソックスの人気を凌駕する。
ビリー・ゴートの呪いと言われる有名なジンクスや2003年の「スティーブ・バートマン事件」もあり、リーグ制覇は1945年以来、ワールドシリーズ制覇は1908年以来達成できていなかったが、2016年に遂に悲願のリーグ制覇。そのままワールドシリーズも制覇し、108年ぶりというとんでもないブランクの末の世界一に輝いた。
☆マーカス・ストローマン(投手)
2021年オフに移籍してきたWBC第4回大会MVP。
2022年からの2年間では2年とも防御率3点台の成績を残し、2023年オフにFAとなった。
◇ピッツバーグ・パイレーツ
(桑田真澄'07、岩村明憲'10、高橋尚成'12、筒香嘉智'21~22)
1887年創設の古豪。
2012年までMLBはおろかアメリカプロスポーツでも最悪となる20年連続負け越しを喫していた。
しかしA.J.バーネットの復活、走攻守揃ったアンドルー・マカチェンを軸に戦力が整い、12年度は途中で首位を奪うなど善戦。
翌年にはダルビッシュ有から82勝目(メジャーリーグは年間162試合)を挙げて勝ち越しを確定させ、不名誉な記録に終止符を打った。
地区シリーズではカージナルス相手に王手をかけるがそこから2連敗を喫し惜しくもリーグ優勝決定シリーズへの進出は果たせなかった。
しかしチームの大きな躍進に地元ピッツバーグは歓喜が湧き起こり、2015年まで3年連続でポストシーズンに進出。一時期の低迷期からは抜け出しつつある。
○ビル・マゼロスキー(二塁手)
1956~72年の17年間パイレーツ一筋で過ごした、2023年時点で存命する最後の永久欠番選手(背番号「9」)。
17年間で本塁打は通算138本、一方で守備率は通算.938を記録しゴールデングラブ賞を8回受賞した守備の名手だったが、1960年ワールドシリーズでは現在でも史上唯一である「3勝3敗の第7戦でのサヨナラ本塁打」というド派手な一発でチームにワールドチャンピオンをもたらした。
☆アンドリュー・マカチェン(中堅手)
オールスターゲームに5年連続出場、ゴールドグラブ賞2年連続受賞、シルバースラッガー賞4年連続受賞などの記録を持つメジャー有数の外野手。
2013年はチームの不名誉な記録を止めてプレーオフに導いた事が評価されナショナル・リーグMVPを獲得。2018年から各球団を転々とした後2023年に復帰し、6月に通算2000本安打を達成した。
▷西地区
◇アリゾナ・ダイヤモンドバックス
(斎藤隆'11、平野佳寿'18~19)
1998年にタンパベイ・デビルレイズ(当時)とともに誕生した球団。
創設から15年で地区優勝5回、その後もリーグ優勝1回を含む二度のポストシーズン進出があり、2001年にはフロリダ・マーリンズ(当時)の創設から5年目を更新する史上最速の4年目でのワールドシリーズ制覇の偉業を成し遂げている。
11年オフに斎藤隆と契約しチーム初の日本人となるが怪我で成績が振るわなかった。
また、10年オフにはダルビッシュ有の獲得に名乗りを挙げ最大総額65億円を用意するとの報道があったが実現はしなかった。
なお2017年から就任したトーリ・ロブロ監督は2000年にヤクルトスワローズに在籍しており、その縁から2023年の春季キャンプで古田敦也が臨時コーチをしている。
☆スコット・マクガフ(投手)
NPBではトーリ・ロブロ監督の古巣でもあったヤクルトで2021年の日本シリーズ胴上げ投手となったクローザー。
2022年オフに移籍してきたが、初年度は2勝7敗の負け越しを喫した。
◇ロサンゼルス・ドジャース
(野茂英雄95~98、02~04、石井一久02~04、木田優夫03~04、中村紀洋'05、斎藤隆'06~08、黒田博樹'08~11、ダルビッシュ有'17、筒香嘉智'21、大谷翔平'24~、山本由伸'24~)
1876年創設のメジャー最古のチームの一つ。
野球の試合作りをマニュアル化した「ドジャースの戦法」という書籍を世に出し、アメリカのみならず日本の野球にも多大な影響を与えたことでも知られる。
95年に野茂英雄が入団したことで一気に日本での知名度が上がり、日本では既に終わった選手とされていた斎藤隆が大活躍したことで知名度が更に上がった。
1988年を最後にリーグ優勝から長らく遠ざかったが、12年3月末にオーナーが変わって資金力が豊富になったこともあり徐々に復活。2017年に久々にリーグ優勝を果たすと、2020年には1勝3敗から3連勝でリーグ優勝決定シリーズを突破しワールドシリーズでも32年ぶりに優勝。
2023年オフには大谷翔平、山本由伸と日本人エース2名を獲得し、2名で約10億ドルというとんでもない契約額も話題となった。
☆クレイトン・カーショウ(投手)
2009年から10年連続で防御率3点以下、2014年にはMVPとサイ・ヤング賞を同時受賞するなどドジャース一筋でエースとして活躍するベテラン。
2010年代後半からは怪我もあって少しずつ成績を落としてはいるが、それでもまだまだ健在である。
黒田博樹とは年齢や国籍などを超えた親友であり、ドジャース在籍時代はほぼ毎日キャッチボールを共にしたりしていた。
○ヤシエル・プイグ(右翼手)
2013年に突如として現れたキューバ出身の強肩強打の大型新人。
自身がメジャー昇格を果たしブレイクすると同時にチームも快進撃を見せた。
6月の昇格ながら最終的には打率.319 19本塁打 42打点を記録。
更にデビューした6月の月間をMVPを受賞、デビューした月の受賞は58年に月間MVPが制定されて以来史上初。
デビュー月の.436(60打席以上)は、1900年以降の近代メジャーで史上最高となった。
その後も故障で精彩を欠いたシーズンこそあったが2018年まで活躍し、同年オフにトレードで退団した。
☆大谷翔平
説明不要の二刀流。
様々な球団からのオファーを蹴り、二刀流を認めてくれるエンゼルスに入団。
メジャー入り後当初は主に打者として活躍。2021年に打者としては日本人最高の46本塁打、投げても130投球回で9勝をマークするなどメジャーでも二刀流として大活躍。もはや現在ではアメリカの野球少年の憧れの存在となっている。
一方チーム面では「なおエ」*2なる言葉が生まれる位散々だったせいか、23年オフに10年7億ドルというメジャー史上最高額での移籍が決定した。
☆山本由伸(投手)
2023年オフ、日本シリーズ優勝こそ逃すも第6戦で1試合での最多奪三振記録を更新して完投勝利、他にも2リーグ制史上初となる2年連続ノーヒットノーランという実績を引っ提げ、ポスティングで投手史上最高額となる12年3億2500万ドルの契約を結んでドジャースに入団。
移籍交渉の席には大谷が直接出席しており、これが決め手までは行かずとも少なからず影響を与えたと入団会見で発言している。
◇サンフランシスコ・ジャイアンツ
(村上雅則'64~65、新庄剛志'02、藪恵壹'08、田中賢介'13、青木宣親'15)
西海岸のサンフランシスコを本拠地としている。
日本人初のメジャーリーガー村上雅則が所属していた。
01年にはバリー・ボンズが世界記録となるシーズン73本塁打を放つ。
10年はテキサス・レンジャーズを下し、12年は三冠王ミゲル・カブレラを擁する強力打線のデトロイト・タイガースをスイープしてワールドシリーズ覇者となった。
ちなみに11年、12年には阪神タイガース、オリックス・バファローズで散々だったライアン・ボーグルソンが2年連続で2桁勝利を挙げ、
12年はプレーオフでは好投してチームに大いに貢献した。
ホーム球場の右翼外には海が広がり、そこへに着弾する場外ホームランは「スプラッシュ・ヒット」と称され、ボンズの打ち込むホームランボールを目当てにボートで待ちかまえるファンも多かった。
○ティム・リンスカム(投手)
08,09と2年連続でサイ・ヤング賞を受賞し、2014年まで6年連続で2桁勝利を挙げていた右腕。
地元での人気が高く、特に若い女性からの人気が高かった。
○ハンター・ペンス(外野手)
2012年途中から加入した走攻守三拍子揃った外野手。
一度見たら忘れられない独特の打撃フォームと送球フォームが特徴で、よくモノマネのネタにされる。
2020年を最後に現役引退。
○マディソン・バムガーナー(投手)
5年連続で2ケタ勝利をマークした2010年代前半のエース。
2014年にはリーグ優勝決定シリーズ・ワールドシリーズの両方でMVPに輝く活躍を見せ、ワールドシリーズ制覇の立役者となった。
投球だけでなく打撃も抜群で、2015年には5本塁打を放ち、代打で起用されたこともあった。
しかし2010年代後半から怪我もあって不調に陥り、2020年に5年契約でダイヤモンドバックスに移籍するもそこでも復活できず、2023年4月に解雇されてしまった。
◇コロラド・ロッキーズ
(吉井理人'00、マック鈴木'01、松井稼頭央'06~07)
93年の球団拡張でマーリンズとともに誕生。
ロッキー山脈のただ中にあるデンバーを本拠地とするチーム。
07年にはリーグ優勝を果たし松坂大輔が所属していたレッドソックス(当時)とワールドシリーズで戦うも敗れた。
本拠地のクアーズ・フィールドは標高1600mと高地にあるため、低気圧と空気抵抗が少ないため打球が非常に飛びやすくメジャーで一番の打者有利の球場で知られる。
1-0のスコアで終わった試合も1995年4月26日の開場から10年後の2005年7月9日まで無く、かつこれまで11回しか起きていない。
ノーヒットノーラン達成者に至っては1996年9月17日の野茂英雄ただ一人である。
☆クリス・ブライアント(三塁手・外野手)
2016年のカブス優勝メンバーの一人で、2022年に7年契約で加入。
2015年の新人王で2016年にはMVPも受賞したが、ロッキーズでは怪我もあって攻守ともに不振に陥っている。
◇サンディエゴ・パドレス
(大塚晶則'04~05、井口資仁'08、牧田和久'18、ダルビッシュ有'21~、松井裕樹'24~)
西海岸のサンディエゴに本拠地を構えるチーム。
通算601セーブのメジャー屈指のクローザー、トレバー・ホフマンが所属していた。
05・06年と地区連覇したがそれ以降は低迷が続き、主砲のエイドリアン・ゴンザレスを失ってから攻撃力不足に泣かされ、2007年以降はワイルドカード進出2回のみに終わっている。
本拠地のペトコ・パークは外野が広く、形状が複雑で海風も強いためクアーズ・フィールドとは正反対で打者不利の球場球場として知られている。
2006年の第1回WBC大会では日本がこの球場で優勝した。
☆ダルビッシュ有(投手)
説明不要の日本が生んだスーパースター。詳しくは項目を参照。
☆フェルナンド・タティスJr.(遊撃手・外野手)
2020年オフに14年契約を結んだパドレスの若きスター。
2022年にはシーズン開幕前のバイク事故やシーズン中の薬物問題で不良債権化すら危惧されたが、2023年に外野手にコンバートしてゴールデングラブ賞を受賞し復活を遂げた。
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- PITには優勝してほしかったなー -- 名無しさん (2013-10-22 05:59:32)
- やっぱメジャーは勢力図の移り変わりが激しいわw数年前までレイズやタイガースなんて最下位常連だったし、近年だとオリオールズやナショナルズが躍進している。一方でヤンキースやフィリーズは主力の高齢化・高年俸・自前の若手の少なさでこれから落ちていく予感が・・・ -- 名無しさん (2013-10-22 08:22:14)
- 昔のヤンキースはメジャー知らなくても名前だけでも聞いたことある一流選手がズラリと並んでたのになぁ…。 -- 名無しさん (2013-10-22 15:58:34)
- ナショナルリーグはあまり知らないので詳しい方居たら追記お願いしますm(。。)m -- 名無しさん (2013-11-14 21:04:23)
- フィルダーとキンスラーの電撃トレードには驚いたわ -- 名無しさん (2013-11-21 22:20:43)
- ↑メジャーは選手の移籍が多いから、リベラとかの様に1球団で最低10年以上の野球人生終える方が珍しい -- 名無しさん (2013-11-22 00:56:46)
- ↑知ってるけど贔屓の球団のレギュラーが実際そうなると急に非現実的になっちゃうわ・・・・ -- 名無しさん (2013-11-22 02:50:01)
- ハラデー引退やね。まだ36歳なのが惜しい。 -- 名無しさん (2013-12-10 10:07:21)
- なおマリナーズは -- 名無しさん (2014-01-13 12:41:09)
- 内野手(特にサードとショート)の肩が変態すぎる。内野安打かな?→余裕でアウトでした。←こんな場面が当たり前のようにある。 -- 名無しさん (2014-05-26 13:47:48)
- ATLのシモンズの肩がおかしい -- 名無しさん (2014-06-06 00:16:18)
- 地味だけどNL中地区が超激戦地区と化している -- 名無しさん (2014-07-12 19:03:58)
- KCもPITも強くなったよなあ。両方とも数年前まで弱小チームの代表格だったのに。 -- 名無しさん (2014-10-20 19:17:47)
- 上原とかいうモンスター。マンガみたいなコントロールって頭おかしい(褒) -- 名無しさん (2015-11-24 14:18:18)
- 内容がえらい古いまんまだな・・・ -- 名無しさん (2015-12-02 01:08:01)
- 今季今季っていつだよ -- 名無しさん (2018-12-08 23:03:27)
- シンシナティ・レッドストッキングスは今のレッズの前身って言えるのか…? -- 名無しさん (2019-02-06 21:02:24)
- 化石みたいな内容と最新(2023年)の内容が混ざりあっててある意味読み応えある記事だな -- 名無しさん (2023-08-23 11:57:03)
- 誰か千賀の事も付け加えておいてくれ… -- 名無しさん (2023-08-31 00:23:57)
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*2 「なおエンゼルスは負けました」の略語。
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