明日のエースは君だ!(ウルトラマンA)

ページ名:明日のエースは君だ__ウルトラマンA_

登録日:2011/10/22 Sat 10:12:43
更新日:2023/08/18 Fri 20:21:44NEW!
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ウルトラマン ウルトラシリーズ ウルトラマンa 機動戦艦ナデシコ ウルトラマンエース 最終話 最終回 優しさ 信用 信頼 皮肉 裏切り 矛盾 市川森一 ウルトラシリーズエピソード項目 最終決戦 ヤプール 52話 騎乗位 最後の願い ある意味敗北 サイモン星人の子供 ジャンボキング 明日のエースは君だ!





遠く輝く夜空の星に



ぼくらの願いが届く時



少女は哀しい瞳になった



桜井演出が
ビキビキ唸る!




次回
明日の『艦長』は君だ!






























僕が奴のテレパシーを分かったのは……



それは僕がウルトラマンエースだからだ





見ていてくれ


これがウルトラマンエース最後の戦いだ!




「明日のエースは君だ!」とは『ウルトラマンA』最終話のエピソード




【ストーリー】

ヤプールの魔の手から地球に逃れたサイモン星人の子供がTACに保護され、地球の子供達と仲良くなる。


その後にヤプールが襲来。地球から手を引くという条件でサイモン星人の引き渡しを要求。
要求に応じない地球人への威嚇としてジャンボキングを使い、街を破壊する。


子供達のためにもサイモン星人を守ろうとする北斗だったが、そこでサイモン星人からのテレパシーを受け取る。
なんとサイモン星人はヤプールの変身した姿だったのだ。


サイモン星人は北斗を挑発し、ついにはタックガンの引き金を引かせる。


サイモン星人を殺されて怒る子供達に真実を伝えるため、北斗は自身の正体を明かし、ジャンボキングに挑む……



【概要】

初のレギュラーの悪役・ヤプールとの戦い、様々な路線変更、怨念などで生まれる超獣との戦いに一応のピリオドを打った『ウルトラマンA』の最終回。


『A』開始時にはメインライターだったものの、「男女の性を超越した神としてのウルトラマン像」「観念的な悪意の具象化であるヤプール」「徹底したSF路線の追及」を周りから否定され、1クールで降板した市川森一氏が責任を取るため、
そして失意の中で自らが実際に目撃した子供達によるウルトラマンごっこ*1をきっかけに生まれた話となった。


また、エースがラストで言った“最後の願い”は(あくまで市川氏のと言えるが)捨て台詞であり、同じ地球人同士であっても中々他人を信じない人々(特に自身の同僚の皆さん)に向けた皮肉を込めたメッセージである。
他にも、サイモン星人の正体は元より、自分がエースであることを意を決して打ち明けてなおも、北斗のままでは最後まで信じてもらえず、最後の手段として子供達や仲間達の面前でエースに変身するしかなかった(この面でヤプールに完全敗北)、など話全体にもいくつか皮肉がある。



【登場人物】

●北斗星司/ウルトラマンエース
対超獣防衛組織TAC隊員。
この時点では既にほとんどエースと意識が一体化している。
ウルトラ兄弟と称して、サイモン星人を虐める子供達を諭し、仲良くさせる。
だが、サイモン星人がヤプールだと知り、子供達の感情を思い、苦悩しながらも射殺。
真実を知らせるために子供達やTACメンバーの目の前でウルトラマンエースに変身し、ジャンボキングに挑み、倒す。
夕子によればエースだと知られれば二度と人間の姿に戻れなくなるらしいが、実際は『ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマンメビウス』以降でも北斗の姿になっているため、郷秀樹のように「分離できなくなる」が正しいのかもしれない。


●南夕子
かつて、北斗と共にエースとして戦った月星人。
未来を予知していたかの様に北斗に他の人に正体を知られてはならないと警告する。
既に知っている子供がいたり、劇中で主題歌を歌ったりしているのを気にしてはいけない。


●竜五郎
TAC隊長
子供達の心を守るためにも、引き渡しに応じず、新兵器で立ち向かう。


●山中一郎
街を守るために引き渡しに応じようかと考える(街の上空でミサイルを落とそうとしたが)。


●今野勉
TAC隊員


●美川のり子
TAC隊員


●吉村公三
TAC隊員


●地球の子供達
当初は宇宙人という偏見からサイモン星人を虐めていたが、北斗に諭され、仲良くなる。
だが、それゆえにサイモン星人を殺した北斗に激怒し、強くあたる。


最後は正体を明かして変身したエースを応援。
超獣を倒した後にエースに託された“最後の願い”を聞き、見送る(バキシムが紛れているが気にしてはいけない)。


ウルトラマン好きで被っていたお面はゾフィ-、ウルトラマンセブンであり、
ゾフィーがポーズだけでまだ使用していない(エースキラーは除く)M87光線の名称を知っていた。




【敵】

●サイモン星人の子供
ヤプールの侵略によって故郷を追われ、地球にやって来た宇宙の孤児。
TACに保護され、子供達と信頼を築き合うが、追って来たヤプールに引き渡しを要求される。
だがこれはヤプールの巧妙な策略で、正体はヤプールの残党が化けた姿。
本物のサイモン星人は既に滅ぼされている。
北斗(=エース)のみにテレパシーで正体を知らせる等の挑発行為を行い、自ら北斗に殺される事でエースを地球から排除する事に成功する。


●サイモン星人の宇宙船
ヤプールの宇宙船に追われて地球に飛来、サイモン星人の子供一人が生き残る様にTACに思わせた。


●ヤプール宇宙船
サイモン星人を追って飛来し、地球人にサイモン星人の引き渡しを要求する。


●最強超獣 ジャンボキング
ヤプールの残党が超獣の分子を結合*2をヤプール細胞でブロッケン状に再構築させた別名・合体超獣。
破壊光線、拘束光線、火炎、ミサイルと、使用した技はベロクロンのものに似ている。
TACの細胞分解ミサイルも通用せず、エースを追い込むが、メタリウム光線とギロチンショットに敗れる。
(次回作『ウルトラマンタロウ』オイル超獣オイルドリンカーを除いた)『A』最後の超獣でもある。



異次元人 ヤプール
『A』全編通しての敵
物語中盤で倒されたが、しつこいので残党や残骸や怨念により、エースを苦しめる。





彼等に真実を伝えるには



こうするより仕方なかった



さようなら地球よ、



さようならTACの仲間達、



さようなら、北斗星司





優しさを失わないでくれ



弱い者をいたわり



互いに助け合い



どこの国の人達とも



友達になろうとする気持ちを



失わないでくれ



例えその気持ちが



何百回裏切られようと




それが私の最後の願いだ







エースの願いは、長い時を経て新たなウルトラ兄弟に変わらぬ願いとして受け継がれることになる……。



【余談】

  • 『トミカヒーローレスキューフォース』最終話「君が明日のレスキューフォースだ」は本タイトルのオマージュである。




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  • 突っ込みどころもあるけどウルトラで一番好きな最終回 -- 名無しさん (2013-08-11 16:03:36)
  • 「本当なんです信じてください」といい、本当に北斗は人間関係の板挟みというか、よくこういう目に合うなあ。 -- 名無しさん (2013-08-11 18:19:08)
  • 市川森一は貰った古い雑誌で「本当に作り手が作りたいものを作れたのはセブンまで」って言ってるな。
    ……商業番組と脚本家の作家性……難しいな。 -- 名無しさん (2013-08-11 18:33:40)
  • メビウスで変わらぬ願いだと言っていたのは嬉しかった。 -- 名無しさん (2013-08-17 00:37:00)
  • この話を見ると尚の事梅津ダンに最後まで出てほしかったと思う。ウルトラ6番目の弟というややこしい設定のせいで出れなくなったのはわかるけど。 -- 名無しさん (2013-09-28 01:40:57)
  • 皮肉であると断じるのはどうだろう……ネチズンとかはいやがりそうである名言だがな -- 名無しさん (2013-10-18 10:06:28)
  • ↑ソースは忘れたが、市川森一本人が生前「ただの捨て台詞のつもりで書いたものなのに、意外と世間からの評価が高いんでビックリした(意訳)」とコメントしていたことがあるそうだ。
    せっかくメインライターとして作品の土台を作ったのに、話が進むごとにその殆どを否定されて降板させられ、そのうちダブル主人公制すら廃止され、それなのに「元々メインライターなんだし、せっかくだから最終回はアンタが書いてよ」みたく丸投げされたらそりゃ誰だってキレたくなると思う…。 -- 名無しさん (2013-10-18 10:57:53)
  • 子供たちも、エースにさようならとは言うがありがとうとは言ってないんだよね -- 名無しさん (2013-10-18 11:28:04)
  • 男女合体、超獣、宿敵、ダン少年…新機軸を次々に盛り込んだけど、結局定着しなかったな… -- 名無しさん (2013-10-18 13:23:12)
  • 「人を信じる」事を誰よりも大切にしていたはずの北斗がそれを破らなければならないとは皮肉だ・・・・ -- 名無しさん (2013-10-27 23:19:16)
  • これバッドエンドかね? -- 名無しさん (2013-11-20 12:35:12)
  • 穿った見方をしたら、色々めんどくさくなったからバックレましたって解釈もできるな -- 名無しさん (2013-11-20 13:35:29)
  • ↑2ウルトラシリーズの最終回は大抵「皆との別れ] -- 名無しさん (2013-11-20 23:34:41)
  • ↑続き 「皆との別れ」ってシチュエーションになるからほぼバットエンドととれなくもないかも。 -- 名無しさん (2013-11-20 23:38:11)
  • ↑ だけど他の戦士は自らの意志で去ったり、負傷や過労、ウルトラの星の危機で帰らざるを得なかったケースばかりだからなあ。やっぱりエースが異例すぎる -- 名無しさん (2013-11-21 00:05:53)
  • メビウスであのヒルカワが最終章のやらかしのフラグ成立させた回にもエースが優しさを……と語っていたが……メビウスが厳格な性格のウルトラマンじゃなくて良かったのか悪かったのかだな……。 -- 名無し (2013-11-21 01:57:04)
  • ↑2 最終回後もウルトラマンとして地球で活動できそうなのってガイア・アグルの2人くらいか? -- 名無しさん (2013-11-21 19:39:37)
  • ↑地球が光授けてくれればいくらでもなれそうだからなぁ、どうだろ。コスモスの場合はもう予定さえ合えばOKって感じ。ダイナは帰ってこないだけ。ノアは時系列が不明・・・か -- 名無しさん (2013-11-21 19:43:22)
  • レオも円盤生物来なかったらずっと活動してたと思う。 -- 名無しさん (2013-11-23 22:47:28)
  • 市川さんの初期構想だと、北斗と南は最後の戦いの後にエースに変身する力を失うけど、代わりに二人の幸せな時間を手にするというティガやマックスみたいな感じの最終回だったらしいね その構想がことごとく崩れた結果が実際の最終回という…… -- 名無しさん (2014-01-09 02:05:32)
  • 果たしてサイモン星人という種族は本当にいるのだろうか -- 名無しさん (2014-01-09 03:04:40)
  • 大阪限定だと思うが、「晴れのち祭り」と言う同和問題を題材にした小説で「ミラクルA」なるヒーローものの最終回が出てくるけど、その中で「明日のエースは君だ」のエースのメッセージが出たような。 -- 名無しさん (2014-03-11 17:49:02)
  • 地球派遣任務とはいえもし自分がエース本編の人間(というか自分と違う種族)に囲まれてたらゴルゴダ星辺りで「この種族ないわー」って内心見限るかもしれない。そう考えるとエース(北斗)は寛大だと思うわ。 -- 名無しさん (2014-04-07 10:20:06)
  • ダン少年にはこのことは伝えられたんだろうか・・・・・ -- 名無しさん (2014-04-07 13:06:28)
  • 書いた本人は皮肉のつもりでも普通に良い台詞だと思うけどな。優しさが裏切られる場面は日常でも多々あるけど、それでも優しさを捨てない人は強い人だと思うし。 -- 名無しさん (2015-03-21 12:33:43)
  • これはバッドエンドだよなぁ。負けてばっかだったヤプールが最終回に勝利して、エースは故郷に帰ったのではなく、地球から出て行くという形で終わったんだから。 -- 名無しさん (2015-12-09 00:10:23)
  • 皮肉と捉えるか、バッドエンドで捉えるか…まあどっちでもいいけどなそんなこと -- 名無しさん (2016-01-04 21:27:29)
  • 一時的にだけどタロウの一話で即帰ってきたけどな -- 名無しさん (2016-01-04 21:34:44)
  • 書籍とかだと 市川氏にとっては捨て台詞だけど、この言葉が与えた意味は大きい、みたいな紹介がされている印象。 -- 名無しさん (2016-08-08 03:36:29)
  • ウルトラシリーズの最終話は人間の力で勝利or人間とウルトラマンが力を合わせて勝利、が基本だけど、この最終話は人間側の立場が無いよな…TACは細胞分解ミサイルを破られて、エースの最終決戦でも援護が無かったし、子供達はヤプールに利用されて終わりだったし -- 名無しさん (2016-08-08 23:15:57)
  • ジャンボキングもうちょっと格好良く出来たよな....俺ならバキシム、ベロクロン、アリブンタ、ヤプールのパーツは絶対入れたい。まぁそれはさておきスペースギロチンのエフェクトがかなりかっこいいから好き。 -- 名無しさん (2017-01-17 13:54:29)
  • ↑調べたらギロチンショットに別称があったんだな…効果音もかっこいい。 -- 名無しさん (2017-02-06 18:35:49)
  • サイモンの作戦は狡猾であると同時に北斗は安易に挑発に乗らずに「サイモンは悪い宇宙人(ヤプール)」である証拠を集めるべきだったな。 -- 名無しさん (2017-02-06 18:49:13)
  • ジャンボキングは雑魚とはいわないけど『最強』の肩書きとそれまで倒された超獣の集合体という設定と見た目の強キャラ感があっただけにあまりにあっさり倒されてポカーンとした -- 名無しさん (2017-02-26 06:02:21)
  • もし子供たちが優しさを信じないまま大人になったら…どうなってたんだろうな -- 名無しさん (2017-06-30 19:48:31)
  • ↑メビウスの時代で地球は滅んでいただけさ -- 名無しさん (2017-07-18 23:19:03)
  • 脚本段階ではジャンボキングへのトドメはエース単独で放つスペースQだったらしい。ギロチンショットはスペースQをウルトラギロチンとして放った技であるともされ、資料によっては「スペースギロチン」とも表記されるのはその名残か -- 名無しさん (2017-09-29 03:10:32)
  • ↑5 「本当です!信じてください!!」 -- 名無しさん (2019-01-11 10:40:46)
  • 一応TACも仲間だとは思っていたんだよね。なんやかんや山中とかと仲良くしてたし最後がこうなったのエースもTACも残念だったろうな。山中がメビウス小説で現役なのもエースに謝罪するために続けてたりしてね -- 名無しさん (2020-01-26 13:14:58)
  • 正体がばれれば人間の姿に戻れなくなるは地球人として暮らすことは出来なくなるという意味なんだろう -- 名無しさん (2020-06-07 10:47:00)
  • ↑8ジャンボキングが目前まで来てるのに、証拠を集める余裕なんてなかっただろ それを抜きにしてもサイモンの保護を主張した北斗が今更「サイモンが悪い宇宙人の証拠」を集めようとしたら、それこそ不信感を買っただけだろうし -- 名無しさん (2020-10-16 21:36:18)
  • 星司役の人は「こんないい台詞をどうして僕に言わせてくれなかったんだよ」と不満だったらしく、『メビウス』客演の時の条件が「あの台詞を僕に言わせてくれ」だったという。 -- 名無しさん (2021-09-02 22:54:30)
  • エースが名を授けたゼットも、最終回で合体怪獣と戦って一体化したハルキと共に地球を去った。ただし、ゼットとハルキはストレイジのみんなに笑顔で見送られて行ったから、全然バッドエンドじゃないんだよね。 -- 名無しさん (2022-09-16 06:12:19)

#comment

*1 ウルトラマンのお面を被った数人の子供達が怪獣役の子供を寄ってたかって袋叩きにするという実質的な『ウルトラリンチ』同然な物騒なごっこ遊びであった。これを見た市川氏は自分がこれまでウルトラシリーズで書いてきた脚本を通して伝えたかったメッセージが肝心の子供達に伝わっていないと実感し、シリーズから手を引く決心をしたという。
*2 ユニタング、カウラ、マザリュース、マザロン人。一部資料では巨大ヤプールとスチール星人が含まれていることも。

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