登録日:2021/09/10(金) 21:30:05
更新日:2024/06/03 Mon 13:53:46NEW!
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ラノベ セックス r18 富士見ミステリー文庫 ラブコメ 新井輝 room no.1301 「普通」とは何か
自分には恋愛は向いていない
『ROOM NO.1301』は、2005年に富士見ミステリー文庫より刊行されたライトノベルである。著者は新井輝。本編11巻+外伝4巻の全15巻。
「普通」とは違った少年少女達の日々を描いた作品である。
当時のラノベとしては珍しく肉体関係などの性的な描写を多く含む作風となっているが、「普通」とは違った自分達に悩んだり挫折したりする作風からエロ目的で読むにはあまりお勧めしない。そもそも事前や事後描写ばかりで最中の描写は挿絵含めてほとんど存在しない
また、全11巻の本編では本編から数年後の未来目線で本編当時を語るプロローグと本編、そしてまた未来から当時を語るエピローグと言う章構成となっていて、プロローグとエピローグには本編のネタバレが多く含まれているため、最初に読む際には本編のみがおすすめ。
また、ドラゴンエイジピュアで漫画版が連載されていたが本編とはかなり設定が異なり、シリアスが一切存在しないギャグラブコメと化している。こちらは全2巻。
◆あらすじ
高校生になった少年・絹川健一はある日、クラスメイトの大海千夜子に告白されて彼氏彼女の関係になる。しかしその日から健一の女難は始まる。
そんな健一の前に突然出現した謎の鍵。これを持った状態でとある12階ビルの13階に行くと、特殊な空間に到達した。そこでは健一と同じような様々な事情を抱えた「普通」ではない人物達が生活をしていた。
◆登場人物
絹川健一(きぬがわ・けんいち)
本編主人公。基本的にこの物語は彼の目線で進んでいく。15歳。高校1年生。1303号室の住人。
仕事でほとんど家に帰ってこない両親や家事が一切できない姉に代わって一切の家事を任されている少年。一人称は「俺」だが、身内以外には「僕」+敬語口調で通す。
基本的には真面目で性格や言動も決して悪くはないのだが、「自分には恋愛には向いてない」と言言う冒頭のフレーズは伊達では無く……。
大海千夜子と言う彼女が出来たその日に桑畑綾と肉体関係を持ち、さらに本編が進んでいくごとに肉体関係を持つ女性を増やしていく。一度の行為で6回達する事があるうえ一日で数人の女性を相手にする事もある絶倫。
流石に千夜子に対して悪いとは思っているのだが「自分と他人の関係」がうまく理解できないのか、「恋人がいる状態で他の異性に手を出す事」にそこまで否定的ではない。一歩間違えれば何処かの誰かさんと同類に思われそうな主人公。
性欲が凄くて自ら異性を襲うタイプではなく、性行為自体を重大なものではなく人と人との繋がりだとしか思っていないせいで精神的な性欲がほとんどないのに巻き込まれる形で様々な女性と関係を持ってしまうタイプ。それ故か劇中で彼の方から行為を求めたことは一度もない。
昔、「時の番人」と呼ばれるオブジェの前で「ハルナ」と言う名前の少女と会ったことがあるらしい。
桑畑綾(くわばたけ・あや)
1巻の表紙になっている少女。18歳。高校中退。巨乳。1304号室の住人。13階の住人の中では最年長。
天才的な芸術家であり、「世界のアヤ・クワバタケ」と言う二つ名を持ちかなりの額を稼いでいる。しかし本人はただ絵をかいたりオブジェを作ったりしてるだけで富や名誉には興味がなく、自分が作った作品に関しても特に愛着がないのか名前を付けることもない。
一度作品を作り始めると寝食を忘れるタイプであり、服装にもこだわりがないのか基本的にパンツ一丁+白衣+猫耳帽子と言うスタイルのまま日常生活をしている。また、その格好のまま近くのコンビニに行くなどの暴挙も行っている。
健一以上に恋愛や性的な事への理解が歪んでいて、行き倒れていたところを助けてもらった健一に処女を捧げている。人前で性的な事を言う事にも抵抗がなく、よく健一を戦慄させている。
健一との関係は肉体関係はあるが単なる知り合い以上恋人未満と言った感じで生活能力皆無な綾を健一が介護、ないしは飼育しているような状態であり、綾の方が年上であり敬語を使われているのだがいまいち年上としての貫禄がない。
感覚としては種島ぽぷらに近いかも知れない。同じロリ巨乳だしね。
健一にとって思い出が深い「時の番人」と言うオブジェは綾が小学生時代に作ったものらしく街に飾ってある。
高校時代に健一の姉である蛍子とは確執があるが本人はまだ仲良しのつもり。
性に奔放なのだが健一を襲った際には初めてなのを気にしたり、電車に乗った際に見ず知らずの乗客から痴漢を受けた時には顔を青くしてトラウマとなり、後に痴漢が話題になるだけでその場で嘔吐するなど決して無関心と言うわけではない。
ちなみに漫画版では概ねの設定は同じなのだがまさかの高校1年生として健一のクラスに転校してくる。ちなみに蛍子との因縁はそのままのため、年齢で言えば大学1年生である。前述通り高校は中退しているためある意味転校生と言うのも間違いではなかったり。
絹川蛍子(きぬがわ・けいこ)
健一の姉。18歳。大学1年生。ヘビースモーカー。あだ名は「ホタル」。
生活能力が全くなく、家事などは全て弟にまかせっきり。それでいて妙なところで意地っ張りなのか弟の作った料理以外は口にしようとしない。
身長170センチ超のモデル体型で金髪ポニテの美人なのだがかなりガサツで弟使いが荒い。高校時代は綾と同じクラスであり、絶対的な才能の壁を思い知らされた挙句綾の埒外のところで権力を使われたことで自分の描いた作品がなかったことにされた過去を持ち、今も綾に対して確執を抱いている。
お姉さまはヒステリック
実は極度のブラコンであり、1巻ラストでレイプする形でついに弟と肉体関係を持ってしまう。
2巻では大人しいが3巻ラストで健一がよりにもよって綾と関係があると知るや大爆発。一晩中行為を楽しみ、子供が出来ても結婚は出来ないがいきずりの男とヤった事にするなど開き直る。
しかし、真っ最中の場面を珍しく帰宅した両親に見られてしまい、関係は崩壊。別居生活を送ることになり、親が用意した婚約者と結婚した。ちなみに結局妊娠はしていたらしく、周囲には婚約者との間の子と言ってるが実際には健一との間の子である。
6巻でしばらくぶりに登場した際には断髪していてショートヘアとなっている。表紙にもなっているが読む前は表紙が誰か分からないだろう。
結果的に本編中ではヒロイン中最初に脱落したが、最終巻の後日談は夫の心に残った女性の墓参りに出て冴子の墓前に来た健一と再会し弟に二人目の子作りを願うシーンで終わったため、唯一の勝利者となったと言っていいだろう。
健一との関係は肉体関係を持つ姉弟以上家族未満。
実際には綾と負けず劣らずの変人なのだが13階の住人にはならなかった。
有馬冴子(ありま・さえこ)
健一のクラスメイト。15歳。1303号室の住人。未来時系列には登場しない。
線の細く、重さを感じさせないいい意味で幽霊みたいな少女。しかし、わざわざ彼女のいる男子とばかり関係を持つと言うよくない噂が流されている。実際にそれは多くが事実であり、男女両方からよく思われていないことを本人も認めている。
何故か健一と同じ1303号室の鍵を持つ。他に人が存在しない異次元空間+肉体関係を持つことに抵抗がない同居生活する男女。完全に条件がそろっている
実はセックス依存症であり、セックスしないと眠れない体質を持つ。
冴子自身にビッチ属性はないのだが体質のせいで一日だけの体だけの関係を作るために彼女のいる男子ばかりを選んでいた。必然的に健一とは一番長く一緒にいることになる当然セックスした回数も一番多い内に一緒にいることが当たり前になっていく。
しかし自分の良くない噂を知っているために外では一切関りを持たないようにしている。
同居している事もあり、健一とは一番よく接する人物であり互いによく悩みを打ち明けているなどまるできょうだいか双子のような関係。恋人同士と言えるかと言われれば当人たちはまるでその気がないらしい。
実際健一にも「絶対に私の事は好きにならないで」と約束させている。
また、「13階が存在する12階建てのビル」と毎回呼称されるビルは彼女の父親の所有物であり、正式名称は「有馬ビル」。実際に彼女の実家は12階に存在する。
同居人はロマンティック?
色々フラグを立てまくっている上に何より未来の時系列で一切登場しなかったり、彼女に関する説明がすべて過去形だったりとかなり危ぶまれていたがやはり重い病気を患っていて最終11巻で病死してしまう。
本編開始前の時点で既に余命宣告をされていて、11巻で亡くなるまで本編で元気にしていたのが奇跡的と言う状態だった。見ず知らずの男とセックスする事に抵抗がないのに裸を見られることに否定的なのは手術跡を隠すため。
また、実は非嫡出子で病気判明後母が父に連絡した事で父の配慮から有馬家に入った過去を持ち、幼い頃は母方の姓である「榛名冴子」を名乗っていた。只し没後は榛名家の墓に埋葬されている。
そして実はセックス依存症ではなく、正確には榛名家から有馬家に預けられた事で自分は母がいれば幸せだったのに、母の一番大切な人は自分では無かったと感じた事等が原因での孤独感から、誰かと一緒じゃないと眠れない体質になっていた。ちなみにこの病気は13階の住人には周知であり健一にだけ隠されていた。
健一への最期の言葉は「それは愛情じゃなくてきっと同情だよ」
実際に恋人同士でありながら千夜子に対してすら正面切って好きだと言ったことがない健一に涙ながら大好きだったと語らせた本作きってのメインヒロイン最有力候補。
健一との関係は肉体関係を持つ恋人以上友達未満
窪塚日奈(くぼづか・ひな)
健一のクラスメイトである窪塚佳奈の双子の妹。隣のクラス。1305号室の住人。
強気な姉の陰に隠れることが多い大人しい性格の少女。巨乳。
普段はそれ以上の情報がないくらい消極的な少女だが夕食後に男装して「シーナ」を名乗って街を闊歩する一面がある。
音楽が趣味であり、ひょんなことから健一とは「シーナ&バケッツ」と言うチームを組んで野外ライブを始めることになる。
シーナでいる時は明朗快活で下ネタが好きな美少年であり、健一とは基本的にこの姿でのみ一緒に行動する。ちなみに家族以外には隠しているわけではないらしく、人格が変わっているわけでもないためシーナの時に日奈の時の事を話したり、日奈の時にシーナの時の事を話したりする事にも抵抗がない。感覚としてはこの子に近いか。
健一にシーナとしての着替えを覗かれて直接胸を見られた時には「体は女だからな」と不機嫌に告げているため、シーナとしては性同一性障害だと思われる。
健一からは日奈の時含めて性同一性障害または解離性同一性障害ではないかと疑われているが……。
妹さんはオプティミスティック!
実は双子の姉である佳奈に恋していた同性愛者である。それを少しでも正当化したいがためにシーナと言う男装姿を用意して性同一性障害者を装っていた。前述した蛍子との事件で家庭崩壊を起こした後の傷心状態だった健一と出会い、一緒に行動していく内に自らも勇気をもらったとして姉に告白するのだが、
「普通」の人である佳奈には拒否どころか冗談とすら思われない軽い返事をされた挙げ句、好きなのは健一じゃないかと言われたことで自分の思いは絶対にかなわないものだと絶望してしまう。それ以降シーナとして活動することは出来ず、健一に肉体的に慰められたいと願うも健一は拒否。
最終的には錦織の誘いを受けて芸能界デビューを果たした。先に進まなければならないと明るい名目で13階の住人を辞め、1305号室の鍵を健一に渡したまま去っていったが事実上バッドエンドである。4巻から10巻までずっとメインキャラを張っていたため出番で言えばヒロインの中で一番恵まれているが、シーナとしての時期が長すぎたためか健一からは異性として扱われていない。13階の住人且つ女性の中では唯一健一と肉体関係を持たない。また、本作ヒロインの中で唯一単独で表紙を飾っていない。(5巻は日奈とシーナであるため、ある意味単独で飾っている)
健一との関係は肉体関係を持たない親友以上恋人未満
大海千夜子(おおうみ・ちやこ)
健一の彼女。15歳。引っ込み思案な普通の女の子。巨乳。
1巻冒頭でいきなり健一に告白した緑髪ツインテールの美少女。しかしその日を境に健一に浮気されまくる不憫な子。実際に手を握り、下の名前で呼び合う前の間に3人と関係を持たれている。さらに最終巻では精神状態が最悪だったとはいえ目の前で健一に冴子との関係や感情を暴露される。流石に堪えたのか陰では酷く悲しんだそうだが最終的には健一を赦した。
なお、未来時系列でも登場するが健一との関係がどうなったのかは不明。ちなみに綾をはじめとしたメインキャラクターの一部とは全く面識がない。
八雲刻也(やくも・ときや)
健一のクラスメイト。弁護士の資格を取ることを目指す。1302号室の住人。
一人称「私」で常に敬語で礼儀正しく会話する少年。生真面目で几帳面のため電気代や水道代、ガス代などの問題が一切ない異次元空間である13階でありながら口酸っぱく生活態度などを綾達に語るため管理人と呼ばれる。
家は代々弁護士の家系であり、彼もまた弁護士を目指しているが弁護士になるつもりはないらしい。
幼馴染兼恋人である鈴璃が存在するが照れ臭いのか話題にされたくなく、したがらない。学校も違い、プライベートでも異次元空間で勉強しているため少しでも一緒の時間を過ごしたいために同じファミレスでバイトをしている。
一見堅物に見えるが、やはり13階の住人だけあって「結果や過程がどうであっても当人同士が満足しているなら問題ない」と言う考えが根底にあり、健一、千夜子のクラスメイトでありながら健一の浮気を知りつつそれを千夜子に話していない上、特に問題はないと認識している。そして、最終巻の現在編ラストである意味刻也エンドとも言えなくもない役割を果たしている。
外伝では主役に起用されることが多い。
鍵原ツバメ(かぎはら・つばめ)
千夜子の親友。「恋する女」「嵐の女」などの二つ名を持つハイテンションガール。
しかし未来時系列ですら彼氏が存在せず処女のまま。
千夜子を最優先にしている関係で健一に対して強く当たることが多い。
窪塚佳奈(くぼづか・かな)
日奈の双子の姉。健一のクラスメイト。委員長気質。シスコン。
「普通」の人代表のようなキャラクターで、初登場時も冴子に彼氏を寝取られて激怒しているシーン。しかし、男装しているとはいえキスすらしているのに相手が双子の妹だと気づかない。
前述通り本編の大半を日奈&シーナ編が占めていてそれらの軌跡をすべてぶち壊すような役割であるため、一応後で少しは反省したとはいえ健一や読者からはあまりいい感想を得られなかったりする。
(とは言え、自分からは何も言えない程びくびくおどおどしている双子の妹が男装して夜な夜な野外ライブをしている上、自分に告白してきた美少年と同一人物だなんて状況になればその現実を受け入れられないのは「普通」の反応である)
未来時系列では日奈と一緒に芸能界にデビューしているが妹と違って才能がないのかあまり売れていない。
九条鈴璃(くじょう・すずり)
刻也の恋人。同い年なのだが異常に背が低く胸は異常に大きいトランジスタグラマ。
刻也ラブの極みであり年がら年中刻也の妄想をしては一喜一憂している。
存在自体はかなり早い段階から匂わされている上、未来時系列では1巻から登場しているのだが本編に登場したのは10巻とかなり遅め。そのため毎回あとがきでは登場しなかったことで作者に対して不満と殺意をぶつけている。
錦織エリ(にしきおり・えり)
綾のプロデューサーを務めている二十代後半くらいの女性。
どんな変人だろうと相手に合わせることが出来る才能の持ち主。
芸術関係だけでなく芸能界にも伝手があるのか、未来時系列では蛍子や窪塚姉妹のプロデュースも行なっているが蛍子からは嫌われている。
ちなみに出会って数分で健一をレイプした。
◆余談
漫画版には冴子、刻也と言ったメインキャラクターが登場せずそれどころか本作でのメイン舞台且つメインタイトルである13階の異次元空間も登場しないためほぼ完全に別物だと思っていい。
追記・修正は高校に入学して1か月以内に恋人を作ったその日に世界的に有名な美少女芸術家と、一週間以内に実の姉と関係を持ち、恋人以外の女子と同居して半年間毎晩5回以上中に出してから実の姉に恋慕して男装してライブを行なっている美少女とバンドを組んでからお願いします
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- 作者が何を書きたいか、伝えたいのかが全くわからなかったまま終わった印象がある -- 名無しさん (2021-09-10 22:26:54)
- 最初から最後まで理解はできなかったけどなぜか好きな作品 今考えると対して努力してないのに多才なこの主人公はなろう系に分類されるのかな -- 名無しさん (2021-09-11 19:01:16)
- 設定と言い主人公の造形といい、エロゲがオタクに人気だった時代を感じさせる。 -- 名無しさん (2023-05-10 11:50:44)
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