富士見ミステリー文庫

ページ名:富士見ミステリー文庫

登録日:2009/05/27(水) 12:25:23
更新日:2023/08/17 Thu 14:26:06NEW!
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ライトノベル 富士見ミステリー文庫 愛のある項目 伝説 地雷 レーベル 富士ミス 地雷原 火薬庫 love寄せ l・o・v・e! 存在自体がミステリー 先生が消えるんじゃない! 先生が業界全てを吸収するんだ!! 地雷処理班の方お疲れ様でした さようなら先生ありがとう先生 たまには思い出してあげてください 地雷←大事なことなので(ry ミステリー先生



富士見ファンタジア文庫から派生するような形で2000年に創刊されたライトノベルレーベル。
その名が示す通り、ミステリー風味の作品が多い事が特徴であった。


創刊当初は微妙な評価だったが、『ブロークン・フィスト(深見真)』の破天荒かつ非現実的なトリックが地雷処理を生き甲斐とする人々を、
Dクラッカーズ(あざの耕平)』で一般的なライトノベルファンを引き入れ局地的な人気を得るようになった。



例:ブロークンフィスト
あらすじ

私は大浦高校空手部の二年生、羽山秋楽。不動会館主催の空手大会、女子軽量級で優勝はしたけど、私はもっと強くなりたい! 
だから、空手部の同級生で私の下僕、武田闘二をむりやり引っ張って、大浦高校空手部の合宿に参加したんだ。そんな合宿で起こった予期せぬ事件。
それが、この世にただ一つの「完全な密室」殺人事件だなんて!? しかもその事件は、私でさえ知らなかった闘二の秘密に触れてしまったのだ……。
空前絶後のトリックをひっさげて、第1回富士見ヤングミステリー大賞を満場一致で受賞! 
ミステリーと格闘技のミクスチャーに、新時代の予感。



数ある応募作を退け、栄えある第1回大賞の座に輝いたブロークン・フィスト。


そして、その空前絶後の「完全な密室」殺人のトリックとは……、





























壁越しに部屋の中にいる人を拳を使って気合いで殺す、というものであった。

















何をか言わんや
そんな深見真先生も今では他レーベルで売れっ子であり、ガンアクションやハードボイルド、バイオレンス等他ジャンルのお話を書いているが、
本レーベルでの単発作品『パズルアウト』の悲劇的かつ予想外な後日談を、ファミ通文庫の『疾走する思春期のパラベラム』最終巻にぶち込んでくるとんでもないサプライズを行っている。







そして2003年、富士見ミステリー文庫は大きなターニングポイントへ差し掛かる。


そう、『LOVE寄せ』である。


それまでの良く言えば落ち着いた、悪く言えば地味な装丁から一転、カラフルな表紙と全ての帯に書かれたL・O・V・Eの文字。
この改新により、富士見ミステリー文庫はLOVEという他の追随を許さぬ新境地を切り開く事となる。
最早ミステリーではなくとも許される時代の到来だった。
この頃から地雷処理の間にある奇妙な雰囲気が一層強くなっていった。


LOVE寄せの象徴とも言うべき作品が『ROOM NO.1301(新井輝)』である。
思春期真っ只中の主人公が偶然出逢った女性と性交したりする心情描写とエロがウリの小説だ。


ミステリーの要素はほぼない


続くように『描きかけのラブレター(ヤマグチノボル)』『カラっぽの僕に、君はうたう。(木ノ歌詠)』などのLOVE側の作品がレーベルを支えるようになった。


そんな状況でも『GOSICK(桜庭一樹)』、『平井骸惚此中ニ有リ(田代裕彦)』などのミステリー作品、
そして『ロクメンダイス、(中村九郎)』に代表される数多の地雷、そしてレーベルを代表する名作にしてライトノベル最凶の鬱小説のひとつ『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』などが発売され、
最早誰にもレーベルの方向性がわからないカオスな状況となっていった。



だからこそ撤去しがいがある




ロリコン小説四天王の一角を占めるSHI-NOもこのレーベルだ。作者はかなりきれいな文章を書くが男。



ちなみに上記のROOMとSHI-NOは、共にミステリー先生の最期に付き合っていた小説である。


そして2005年秋葉原エンタまつりにて、富士ミス作家の、富士ミス作家による、地雷処理班のためのL・O・V・Eの集大成とも言うべきリレーノベルが企画される。
後の『ネコのおと』である。


新井輝、築地俊彦、水城正太郎、師走トオル、田代裕彦、吉田茄矢そして飛び入りのゲストあざの耕平による、
富士ミスバカ売れ企画を考えるという議題のイベントにて企画された本だ。


メタ要素満載で多くの作家が実名で登場し、中には殺される作家も出てくるなど、地雷好きにはたまらない内容であった。



世界一ネコのおとの完成をに楽しみにしていた風見周氏のブログから感想を抜粋してみよう。


これはヤバイです。マジでヤバイ。「ネコのおと」は出版界における、一つの奇蹟と言ってもいいと思います。
つうか、どんだけ懐が深いんだよ、富士見ミステリー文庫! すごすぎるよ! 一周回ってカッコイイよー!ヽ(≧▽≦)ノ


どうだろうか。数年間ライトノベルを読み込んだ人ならばすぐに察するであろうこの火薬の臭いは。
この『ネコのおと』で多くの読者が全レーベル中トップの地雷原であり、火薬庫とも称される富士見ミステリー文庫の本気を垣間見たと言っても過言ではない。
ちなみにどのような流れかというと、


1.最初の新井輝は間違いなくマジメに書いた


2.水城正太郎が明らかに踏み外す


3.師走トオルがそれを決定的にする
「田代先生がなんとかしてくれる!」


4.田代裕彦がなんとかしようと整理整頓するも頓死


5.どうしようもなくなった代物をバトンタッチされた挙句に自棄になったように大虐殺をおっぱじめる吉田茄矢


6.叫喚地獄のような話の流れの最後を投げつけられたあざの耕平が逆ギレを結晶化させる



…………正にカオス



そして2008年、富士見ミステリー文庫はファンタジア文庫と同一の発売日に改め、
師走トオルなどの作家をファンタジア文庫に送り込み、人気シリーズを完結させるなどファンタジア文庫の吸収にむけて着々と準備を進めている。


富士見ミステリー文庫がライトノベル業界を牛耳るのもそう遠くない未来のことであるだろう。
…と思われたが、2009年になぜかレーベル自体が打ち切られてしまった。残念。


カオス化するネコのおとにおいてあざの耕平氏のまとめ方は神技と言っていいかも知れない。





アニヲタwiki内にある作品記事は以下の通り


しずるさんシリーズ(著:上遠野浩平、星海社文庫に移籍)
Dクラッカーズ(著:あざの耕平、富士見ファンタジア文庫から新装版発売)
東京タブロイド(著:水城正太郎)
ヴァーテックテイルズ 麗しのシャーロットに捧ぐ(著:尾関修一)
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(著:桜庭一樹、角川文庫から新装版発売)
ハード・デイズ・ナイツ(著:南房秀久)
GOSICK -ゴシック-(著:桜庭一樹、角川文庫・角川ビーンズ文庫に移籍し完結。続編はハードカバーで発売)
真・女神転生 廃墟の中のジン(著:吉村夜)
マルタ・サギーは探偵ですか?(著:野梨原花南)
ROOM NO.1301(著:新井輝)



そしてファンたちが集う、2chのスレタイは以下の通り。


富士見ミステリー文庫
集まれ地雷処理人・富士見ミステリー文庫2
存在自体がミステリー・富士見ミステリー文庫3
発売日までミステリー・富士見ミステリー文庫4
ミステリーあります・富士見ミステリー文庫5
推定地雷・富士見ミステリー文庫6
地雷?嗜む程度には 富士見ミステリー文庫7
このミステリーが地雷! 富士見ミステリー文庫8
地雷の中心で、LOVEを叫ぶ 富士見ミステリー文庫9
十傑衆の愛した地雷 富士見ミステリー文庫10
L・O・V・E ! は地雷を救う 富士見ミステリー文庫11
L・O・V・E 地雷博 富士見ミステリー文庫 12
イチメンジライ、 富士見ミステリー文庫13
ジライジャナイをさがして 富士見ミステリー文庫14
SHI-NOu 黒焦げの地雷処理人富士見ミステリー文庫15
踏体験(ばぁん)project 富士見ミステリー文庫16
レーベルに地雷を 富士見ミステリー文庫17
ジライのおと 富士見ミステリー文庫18
かくてジライの死を禁ず 富士見ミステリー19
酷井地雷此中ニ有リ 富士見ミステリー文庫20
さよならジライチタイ 富士見ミステリー文庫21



…富士ミスが、ファンたちからどのように愛されていたかよくわかるスレタイ群である。




L・O・V・E!が出版業界を救うと信じて!


富士見ミステリー先生の次回作にご期待下さい。





もしかしたら業界内で一番愛されたレーベルかもしれない。
実は新人発掘能力はかなり高く、他所で活躍中の作家の中には富士見ミステリー出身の方がそこそこいる。


じゃあなんで富士ミスはこうなったのかは誰にも分からない。


なお、当時は角川スニーカー文庫も「スニーカー・ミステリ倶楽部」というミステリのサブレーベルを展開していた。こちらはあの米澤穂信を輩出したことで知られ、はやみねかおるや乙一といった人気ミステリ作家を招へいするなど真面目にミステリをやっていたがラノベ読者にはあまりウケずに短命に終わっている。


ちなみに上記の桜庭先生が直木賞を受賞したとき、我々のこころの内はものすごいことになった。


よく地雷レーベルもとい富士見ミステリー先生の“後がま”として一迅社文庫があげられるが何かが決定的に足りない。
もしかしたらミステリー先生は一番大事なものを持っていて、そして宝の持ち腐れであったかもしれない。
近年ではちょくちょく他レーベルから復刊される作品も存在し、ミステリが一ジャンルとして定着しているライト文芸の先駆けとして再評価されつつある。
というか当時の富士ミス愛読者がミステリ作家としてデビューし活躍しているケースも少なくない。
過去形で語られているものの、作品群は今でも最先端であるだろう。
最先端過ぎてついてこれる人間が少なかったのは残念でならない。
しかし今現在、着実に理解者は増えてきている。再び栄光を掴むこともあろう。



いつかミステリー先生が復活する日が来ると信じて……。





L・O・V・E



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  • 当時うさんくさ過ぎて、作者買いで閉鎖のシステムしか読まなかった俺は負け組。 -- 名無しさん (2014-05-25 23:40:09)
  • 当初はラノベ作家たちが暖めてたミステリーを色々出してそれなりだったんだ。でも本格的なのは数年かけて書くようなものをラノベのペースで出してネタが切れないわけがないんだよなぁ。あと、ブロークンフィストの1巻のトリックはありだと思う。2巻以降は普通に格闘ノベルに成り下がったが… -- 名無しさん (2014-05-26 00:27:37)
  • 当初は対象年齢が高めだったせいか鬱系や重い話も多かった。キリサキは面白かったなー。最初から暴露してる幽霊ネタからくるトリックは唸ったわ。 -- 名無しさん (2014-05-26 02:47:08)
  • 最初読んだミステリー文庫のラノベが全くミステリーしてなかった。 -- 名無しさん (2014-12-02 20:25:15)
  • 業多姫好きだったな…イイ感じにミステリーとラブが混ざってて -- 名無しさん (2015-05-21 22:21:38)
  • ハードデイズ・ナイツにせよSHI-NOにせよ、ちょっと小学生女児がレイプされ過ぎだと思うの -- 名無しさん (2015-05-21 22:39:47)
  • 食卓にビールをが好きだったな -- 名無しさん (2017-10-21 05:08:46)
  • ミステリーとして面白いのも結構あったんだけど、結局そういうのが売れなかったんだろうな -- 名無しさん (2020-06-11 12:56:57)
  • ブロークンフィストのネタバレ全然違うんだが。気合なんて超能力みたいなものでなく実際にある武術の奥義を使っただけなんだがこれを書いた人間は格闘漫画もロクに読んだこともないのかな? -- 名無しさん (2022-03-04 07:13:39)

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