ホームズ・フリーク殺人事件(名探偵コナン)

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登録日:2012/04/05 Thu 00:54:36
更新日:2023/08/12 Sat 19:39:46NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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ま、まさかこいつ…


ホンマにホンマは…



『ホームズ・フリーク殺人事件』とは、『名探偵コナン』において、かつて江戸川コナンが解決した事件のうちの一件。
単行本第12巻と第13巻に収録されている。テレビアニメでは第57・58話として、1997年5月5日・5月12日に放送され、2018年8月11日と18日にはデジタルリマスター版(R77話・R78話)として再放送された。



以下、ネタバレにご注意ください。



【あらすじ】
シャーロック・ホームズやコナン・ドイルのファンが集まるツアーに応募し、見事当選したコナン。蘭と小五郎もそれに同伴する。
海辺のペンション・マイクロフトに到着すると、新一目当てで参加した服部平次と再会する。


ツアーでは、予選のホームズカルトクイズ1000問で990点以上正解すると、翌日の夕食で難問推理クイズに参加でき、
推理クイズに全問正解できたらホームズシリーズ第一作『緋色の研究』の初版本が貰えるという企画が行われていた。
(なお、予選で基準点未満の場合はペンションから退出させられてしまうらしい)
コナンらは早速クイズを解き続け、翌日の答え合わせを待つ。
しかし、オーナーは現れず、待つことに飽きた参加者は自室に戻ってしまう。
半ば諦めながらも待ち続けたコナンたちは、深夜、オーナーが車を運転しているのを発見。
走る車は崖に向かって加速していき、コナンや平次が止めようとするも、オーナーは車もろとも崖から落下し爆発してしまった……!


その死は自殺だと考えられたが、警察に通報しようにも何故か電話機が全て壊されているばかりか、件の初版本も消失していたことが発覚。
ガレージにあった車も使えなくなってしまった上、新たな殺人までが起きて……。



【事件関係者】
※関係者の名前は「実在の小説家とその作品の登場人物」「神奈川県静岡県の地名」「『サンデー』編集者」のいずれかから取られている。
またペンション「マイクロフト」の由来も、ホームズの兄「マイクロフト・ホームズ」から。


  • 金谷裕之(かなや ひろゆき)

声:川久保潔
ペンション「マイクロフト」のオーナー。51歳。
恰幅の良い男性であり、ホームズのコスプレ衣装を身に纏って登場した。ぶっちゃけホームズよりポアロのコスプレのほうが似合う気がする。
人当たりの良さそうな風貌だが、「クイズの解答に難癖をつけて全問正解者を出さず、自分が持ってる初版本を自慢したいだけ」と噂されたり、さらにホームズの推理ミスを扱った本を出したりするなど、ホームズファンからの評判は芳しくない様子。
また、お客の部屋に冷房も設置しないなど、ペンションにも拘らずサービス的に問題がある。


最初の挨拶以降は一度も姿を見せていなかったが、深夜に車で崖に向かって走り出し、そのまま転落、パジェロもろとも炎上した。
第一の被害者とされているが、第二の被害者が出た直後全員にアリバイがあったことから、車に乗っていたのは人形で実は生きており、犯人ではないかと疑われている。
名前の由来は「金谷新町」から。


  • 藤沢俊明(ふじさわ としあき)

声:岸野一彦
駅員。ツアーの参加者の一人でオーナーの知り合いでもある。47歳。
去年、ツアーの参加券をもらえるという条件のもと、彼との共著でホームズ本を出版したことがある。
ホームズに興味のない小五郎を「ファンでもない男がツアーに参加していて興醒めした」、「ホームズの「ホ」の字も知らないド素人」などと罵った。


第三の被害者で、停電した闇の中でライターの火を点けたところをアイスピックで襲われるも、コナンと平次のおかげで一命を取り留める。
第二の事件現場のガレージにおびき寄せられており、30分遅かったら殺されていた可能性もあった。
名前の由来は「藤沢周平」と「藤沢市」から。


  • 戸叶研人(とがのう けんと)

声:鳥海勝美
ツアーの参加者の一人で、大学生の推理研究会会長。22歳。
他の登場人物とは違い、ホームズをファーストネームの「シャーロック」で呼ぶ。
ツアーの参加者で唯一小五郎の事を知っていたが、持ち上げるふりをして「あの程度なら僕にもできる」、「ホームズと肩を並べるなんてとんでもない」と嘲笑っていた。
第一の事件の際に周りのメンバーがいなくなっても残っており、事件を目撃することになる。
第三の事件は彼にも可能だったが、第一の事件は彼には不可能と思われたため小五郎に疑われることはなかった。
名前は『サンデー』の編集者「戸叶研人」からそのまま取られている。


  • 大木綾子(おおき あやこ)

声:日野由利加
ツアーの参加者の一人で、戸叶と同じ推理研究会の会員にして彼の恋人でもある。21歳。
恋人同様、小五郎に対して見下した態度を取り、「ホームズの足元にも及ばない」と軽蔑した。
第一の事件の際に周りのメンバーがいなくなっても残っており、事件を目撃することになる。


第一の事件が発生後、犯人の正体やトリックに気づき、証拠もあると話していたが、少し後で自分の勘違いだと訂正している。
だが、車庫で車の炎上に巻き込まれて焼死、第二の被害者となってしまった。


ちなみに彼女の父親と金谷は古い友人で、そのコネで彼女は毎年ツアーに参加していたらしい。
名前の由来は「大仁町」から。


  • 川津郁夫(かわづ いくお)

声:宇垣秀成
ツアーの参加者の一人で高校体育教師。25歳。
バスに乗車している時に小五郎がホームズを知らなさすぎたため、「こんな(ホームズのファンでも何でもない)人がツアーに紛れ込んでるなんて」と露骨にがっかりしていた。
そして第3の事件では藤沢を刺した犯人として、しかも第一の事件でもアリバイが無いことから連続殺人犯だと小五郎に疑われた。
名前の由来は「川島郁夫」と「河津町」から。


  • 清水奈々子(しみず ななこ)

声:佐藤しのぶ
ツアーの参加者の一人で図書館司書。24歳。
コナン・ドイルに「様」をつけるほどのファンで、オーナーの死より燃えたホームズの衣装の方を悲しむほどだった。
小五郎がアガサ・クリスティーの作品を持ち出した時には「それは私の敬愛するコナン・ドイル様の作品ではありません」と、毒を吐くようにつぶやいた。
第三の事件は彼女には不可能だが、第一の事件は彼女にも可能で……。
名前の由来は「清水区(旧清水市)」から。


  • 戸田マリア(とだ まりあ)

声:一城みゆ希
ツアーの参加者の一人で、占い師。43歳。
自分の占いはよく外れると言っていたが、コナンに「秘密が誰かにバレる」という占いで、
コナンは蘭にばれるのではないかと不安がっていた(当のマリアは「テストで0点取った」と見ていたけど)。アニメ版ではそのシーンはカット。
他の参加者共々小五郎の事を白い目で見ていたが、不満を口に出すような描写は特になかった。
それなのに終盤で小五郎に催眠術云々とトンデモ推理で犯人だと疑われた不憫な人。なお事件のアリバイの有無は清水と同じ。
なお、中の人は後にジョディ先生を演じる。
名前の由来は「戸田文雄、有馬麻理亜(有栖川有栖作の小説の登場人物)」と「戸田村」から。


ちなみに、コナンに対して「秘密が誰かにバレる」の忠告や殺人事件に対して「まだまだこれで終わりじゃない」という占いは作中ではズバリ的中しているし、後のエピソードでも当たることになる。
後の映画ではおみくじに書いてあった「秘密が明るみに出る」が的中していたりコナン達に今日は厄日だと言い当てられる占い師がいたりするので、作中世界において予言は意外と当たりやすいのかもしれない。


  • 岩井仁美(いわい ひとみ)

声:岩井由希子(現、岩居由希子)
ペンション「マイクロフト」の従業員。24歳。
ペンションへの送迎から、料理、身の回りの世話まで彼女が担当している。第一の事件のアリバイはあったが第三の事件ではアリバイが無い。オーナーが転落した際は悲しみにくれていた。
なお、彼女は見た目は光彦にそっくりで、中の人は歩美を演じている。
名前の由来は「藤本ひとみ」と「大仁町」から。



【主要登場人物】


ご存知主人公。
勝手にこのツアーに応募して当選して、ツアーに参加することになる。
ホームズのファンだけあり、ホームズクイズをはしゃぎながら解いていた。
ついでにこれまで「変(笑)」と評価されていた偽名の「コナン」をホームズファン達にべた褒めされた。


事件の真相はわかったが、平次に正体を疑われていたため小五郎を眠らせて推理しているところを見られる事を危惧していた。
そのため、不意打ちで平次を眠らせて、彼の声を借りて推理を行うことになる。推理時の珍妙な関西弁は必見。
好きな作品は『四つの署名』(作者である青山先生と同じ)。


ご存知蘭姉ちゃん。
コナンの付き添いとしてツアーに参加するが、今回は出番は控え目。
コナンがホームズの事で無邪気な笑顔を見せたことに対して、やっぱり子供なんだとホッとしていた。


ご存知迷探偵。
コナンの付き添いとしてツアーに参加するが、好きな作品は『[[そして誰もいなくなった>そして誰もいなくなった]]』だと答えてしまう*1
それ以降、参加者達(特に戸叶、藤沢、清水)から嫌悪を抱かれるようになり、事件発生まで、肩身の狭い思いをする。そして嫌悪される度にコナンに八つ当たりしている。
第一の事件でアリバイがない容疑者の中に勝手に入れられる。
ちなみに「眠りの小五郎」の名称が登場したのは今回からである。


ご存知色黒関西弁探偵。『外交官殺人事件』から再登場。
新一がいるかもしれないと言う理由でツアーに応募して参加している。
ちなみに、本人はホームズよりもエラリィ・クィーン作品の方が好きだと言っている。
ホームズフリークの集まる前でそれを言ってのける度胸。


第一の事件の後、証拠探しの際にコナンと衝突したことで、不審に思うようになる。
第二の事件の際には、自分の独り言の推理に対して、コナンが推理を続けていくことに、彼が普通の小学生ではないと直感。
『外交官殺人事件』で新一とコナンが入れ替わりに現れた点を(原作では二人とも風邪を引いていたことも)思い出しコナン=新一と疑うが「そんな、あほな」と一旦は却下。
だがその後、眠りの小五郎を行う際にコナンはいつも背後にいる事を知り、再びコナンをマークして推理の瞬間を狙うも、逆に自分が眠らされてしまう。



【以下、事件のネタバレ】





















許せなかったんだ…


日本屈指のホームズフリークの、あなた達が出した本だからこそ許せなかった…


  • 戸叶研人

今回の事件の真犯人。
死後硬直の解除を利用した時間差トリックを用いるなど、緻密かつ綿密な計画を立てる。


第一の事件・金谷殺害は、死後硬直とその解除を利用した。
まず、金谷が客の前で挨拶した後に彼を殺害*2。殺害推定時刻は初日の10時以降となる。
そして、金谷の遺体を車のブレーキを踏んだ状態でシートに座らせて固定すれば準備は完了。
半日経てば遺体は死後硬直で硬くなり、エンジンをかけてギアをドライブに入れてもブレーキが踏まれているため車は止まったままという状況が出来上がる。
そして、推理ショー前日の食事前にガレージを開けておくと、遺体の硬直が解けてブレーキを踏んでいる足が緩み、自然に車が動いて外へ走りだすという仕掛けだった。
(通常、死後硬直が解け始めるには40時間以上かかるが、このスピードは外気温に左右される。なので車のヒーターで車内気温を35度ぐらいまで上げて硬直が24~30時間程度で解け始めるように早めていた。)
そして、遺体の死後硬直が解け車を動き出すのを待ち、ペンションのリビングで車が動いているのを目撃すれば自分のアリバイができるという寸法だった。
戸叶が戻ろうとする綾子を呼び止めていたのも、自分のアリバイ証人にする目論見があったからである。
なお、小五郎が言うように死後硬直を調べれば簡単にわかってしまうため、車もろとも崖下に転落させて遺体を調べられないようにしていた。
今回、車のパネルに毛布を被せていたのはヒーターを使っていることがバレないための工作。コナンと平次はその点を気にして車のタイヤの跡を調べていた。
また、急に車がスピードを上げたのは、荒れた道でたまたまブレーキペダルから遺体の足が外れたためだった。


第二の事件は相手が喫煙者=ライターを持っていることを利用した自動殺人トリック。
予めガレージの車をバッテリー切れかつガソリン漏れという状態にした。
あとは殺人対象に「ガレージの車の後部座席の下にホームズの初版本が隠してある」と伝えて、ガレージへ呼び出せば完了。
室内ランプは点灯不能で後部座席の下は真っ暗のため、標的はライターの火を灯りに本を探そうとし、車から漏れて気化したガソリンに引火して爆死する、という仕掛けである。
しかし、綾子に偶然決定的証拠を見られたことから、自分が犯人であることを見抜かれ、満座の席で「暴露されたくなければ名乗り出ろ」と宣告されてしまう。
そこで、本来は藤沢を殺すために用意していたガレージのトリックを使って、(同じく喫煙者の)彼女の口を封じた。
結果、肝心の藤沢に対しては急ごしらえのトリックを使用したため、そこからボロが出てしまう。


そして、綾子の見た決定的証拠とはオーナーが出した「ホームズカルトクイズ1000問」の白紙の答案用紙。
採点してくれるオーナーを殺害したため、問題を解いても無駄だという理由から戸叶はクイズに手を付けなかった。結果、答案用紙が白紙だった事が決め手となり罪を認めている。


オーナー殺害と藤沢殺人未遂の動機は彼らが出した本の内容が自分の考えにそぐわなかったため。
シャーロック・ホームズの考察本『アイリーン・アドラーの嘲笑』において、彼らは「アイリーンはホームズを小馬鹿にしていた」と解釈していたのだ。
ホームズを見事に出しぬき、彼が認めた唯一の女性であるアドラーがホームズを嘲笑うはずがない…と戸叶は考えており、二人のことがどうしても許せなかったのだという。
要するにファン同士の解釈違いが動機である。


創作物とその二次創作に例えるならば、ファンコミュニティ界隈でそれなりに有名な作家が、自分がその作品で好きなヒロインをこじつけで悪女とした二次創作を発表しており、
影響力がある作家がそんな(自分からすれば)間違った解釈を作品を通じて広めようとしていて許せないから殺したというようなもので、
作品に並々ならぬ思い入れを持っているのなら激怒する気持ちは分からなくはないが、だからといって実際に殺害する人はまずいないだろう。
また、アイリーンは『シャーロック・ホームズ』シリーズでは1話限りの犯人キャラクターであり、ホームズと恋愛関係になるほど密接な関わりもないため、
「そもそもアイリーンはヒロインと言えるようなキャラクターなのか」という疑問点も存在する。
「ホームズを出し抜いた」という点に関しても、作中では何度か犯人に出し抜かれる描写も存在しており、
ワトソン曰く「未解決に終わって読者が喜ばない為」未発表の記録もあるとのことで、作品外でも何度か犯人に出し抜かれている(設定)と思われる。


ホームズに詳しくない人の為に簡単にアイリーン・アドラーについて解説すると、


ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)』の登場人物。
アメリカ出身のオペラ歌手。数々の醜聞と関わって来た美女。
かつてボヘミア国王と恋愛関係にあり、その時の写真をネタに国王を恐喝。
一度はホームズによって写真の隠し場所を暴かれるも、逆にホームズを出し抜いて写真を持って姿を消し、代わりに自分だけの写真を遺した。
恐喝も本意ではなく『私は他の男性と結婚するから、国王との写真は陰謀に巻き込まれない為のお守りにする』との事であった。
そしてホームズは事件解決報酬として、国王へ「あの女性」の写真を要求した。


以上終わり、というキャラクターである


そもそもホームズ全篇を通して何度も登場する女性キャラはホームズの下宿先の女将であるハドソン夫人とワトソンの妻であるメアリー・モースタンくらいのもの。
アイリーンはホームズを出し抜き、女嫌いであるはずの彼が報酬としてわざわざ彼女の写真を所望したり、ロマンスの気配は確かにあったが、
それを言えば事件調査の偽装とはいえ、ホームズが口説き落として婚約まで持ち込んだ女性もいる。
ホームズが仮に彼女に想いを寄せているのなら、その後少しは出番がありそうなものだが、先ほど言った通り彼女はその後全く登場しないのだ。
ホームズの短編シリーズ全56作品の記念すべき第1作目に登場しておきながら、その1作にしか出番がない。


そのため、アイリーンがホームズの「ヒロイン」という要素は後年のパスティーシュで造られたイメージが強い*3
そんな彼女をホームズのヒロイン扱いするのは、アニヲタ的に言うのならカプ厨のそれである。
例えば大のホームズファンの三谷幸喜が手掛けたNHK人形劇『シャーロック・ホームズ』でもアイリーンは「憧れの女教師」以上の存在にはならない。
原作忠実再現、神アレンジで知られるグラナダTV版『シャーロック・ホームズの冒険』でも、アイリーンは1話しか出てこない。*4


コナン世界でも新一が『ボヘミアの醜聞』と聞いて「アイリーン・アドラーが出てくる話」と例えたり、
劇場作品である『ベイカー街の亡霊』では蘭(とコナン)が「ホームズが唯一愛した女性」と認識し、
茶目っ気を見せた工藤優作がホームズを若いころの自身、アイリーン・アドラーを妻である工藤有希子をモデルにしたり、と間違いなく人気のキャラではある。
そのほかメタ的な部分では灰原哀の名前の由来はアイリーン・アドラーからである。


ピンとこない人には(タグにもあるが)、『ルパン三世』シリーズのクラリス・ド・カリオストロみたいなポジションと考えればわかりやすいかもしれない。
中の人的な意味でも


こんなわけなので、「コナンにおける酷い動機」では必ず名前が挙がるエピソードである。
『自分が執着しているものを馬鹿にされたから』は現実でも創作でも(もちろんコナン本編でも)わりとよくある動機ではあるのだが、
その多くは頭に血が上っての衝動的な犯行であり、トリックまで用意した計画殺人の動機としては珍しい。
アニオリや劇場版では同程度に意味不明な動機もいくつかあるが、本事件は原作エピソードであり、特に険悪でもなかった恋人まで突発的に殺してる辺りが凄まじい。



  • 金谷裕之

実は初登場シーンの直後に殺害されており、最初の推測通り第一の被害者だった。
初版本を自慢したいだけ、マナーが悪いファンとの噂こそあったものの、その真偽は定かではない。
劇中ではイベントを企画し、シャーロキアンたちを集め、彼らを唸らせる問題を多数用意し、自身はホームズの仮装で登場するなどホストに徹しており、
しいて落ち度を上げるとすれば「客室の冷房不備」くらいだが、古いペンションならそういう場所は案外多い。
また、戸叶は金谷を「「アドラーはホームズを嘲笑していたのではないか」という考察本を執筆した」という理由で殺害したのだが、
当の考察本の内容に関しては、タイトルと「戸叶にとっては許しがたい解釈の下に書かれていた」以外の詳細は不明である。
しかし、仮にアイリーンやホームズを酷評するような内容だったとしても、あくまで彼(ら)なりの解釈・説を発表しただけであり、
殺されるような悪事を(一般的な目線で)犯したわけでもなければ、悪意を以て加害者に接していたわけでもないのに殺された、気の毒な人物であることは確かである。


  • 藤沢俊明

オーナーと一緒に本を出したため、戸叶に狙われる。
本来なら彼が第二の被害者になるはずだった。オーナー同様、とんだとばっちりである。
戸叶が白状した際には、殺害された大木のことにも触れて怒っており、まともな人物だったのは明らかである*5
しかし、第三の事件ではコナンと平次に助けられただけで無く、
ある意味綾子のおかげで死なずに済んだとも言えるためまだ殺された二人よりかははるかにましだっただろう。


  • 大木綾子

戸叶のクイズ答案用紙が白紙だったのを目撃し、オーナーの死亡を確信していた彼が犯人だと知る。
しかし、口封じで彼が藤沢を殺害するために用意したトリックで殺害されてしまった。
自分の口から告発されたくなければ自首しろと犯人に告げたのは、もし脅迫したり強請るつもりだったとかならアレだが、
本当に恋人を愛するが故に自ら名乗り出てほしいと思っての行動だとしたらかなり気の毒である。
やってることはクイズのカンニング(しかも本来は戸叶と相談するつもりだった)程度であり、恐らくこの事件の一番の被害者。
原作では小五郎にも同情され上述の戸叶の動機に対して「そのとばっちりをくって殺された、あなたの恋人はもっとかわいそーだっての…」と告げている。



【以下、更なるネタバレ】

























ど、どの辺から?


「それも可能となりまんがな」からや!!



  • 服部平次

眠らされていた平次だったが、小五郎の落した拳骨がきっかけとなって途中で起きていた。
その後寝たふりをしながらコナンの推理を聞いており、言葉遣いは妙だったが口調と論理の組み立て方から彼の正体を新一だと確信した。
最初はしらばっくれようとしたコナンだったが、平次が「蘭に全部話す」という脅しをかけたことで観念して、コナンは黒の組織のせいで小さくなったことを洗いざらい白状した。
その後はライバルというよりも悪友のような関係になり、事情を知っている協力者として、別方向から推理を展開していきコナンと共に事件を解決していくことになる。
だが、ついついコナンのことを「工藤」と呼んでしまうため、『名家連続変死事件』の時のように蘭に正体バレされそうになる危機を起こされる事もある。



【余談】
金谷はホームズの推理ミスを扱った本を出版していたが、非公式ではあるがコナンの推理ミスを扱った本も、
京都トリック研究会から「『名探偵コナン』の推理ミス」というタイトルで1996年に実際に出版されている。
計3巻世に出た同作以外にも、コナンの研究・考察本は複数存在している。
興味がある人にはお勧めするが、自分と意見が食い違っていても戸叶の様な馬鹿な真似はしないように。
もっとも、解釈違いやカップリング論争が暴力沙汰に発展*6というのは同人界隈ではよくあることではあるため、
リアル戸叶の出現は時間の問題なのかもしれないが……。



追記・修正たのんますでんがな。


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  • 反対意見も無かったのでリセットしました -- 名無しさん (2019-01-09 19:05:15)
  • ホームズを自分の好きな作品に置き換えればわからなくない…かもしれない -- 名無しさん (2019-01-17 23:42:14)
  • 「アニヲタwiki的に解釈すると……」の所、初版のバージョンの方が好きだったな(一文くらいで終わってた)。今の版はゴテゴテ足し過ぎてスマートさを損ねてるようにも見える。 -- 名無しさん (2019-01-28 01:33:19)
  • これこそ「くだらん理由」だわ。恋人まで殺しちゃってるし愚かとしか言いようがない -- 名無しさん (2019-02-07 21:14:34)
  • 憂国のモリアーティとか読んだら発狂しそう…アイリーン・アドラーがジェームズ・ボンドになる展開とか… -- 名無しさん (2019-02-07 21:25:22)
  • この犯人がコミケとかに行ってたらどうなってたことやら -- 名無しさん (2019-03-06 08:16:37)
  • ただ殺意の理由はオーナー達が熱心なホームズマニアだからこそ許せなかったと言ってたからコミケにいるやつらは「レベルの低いにわかファン」として蔑む程度だろう -- 名無しさん (2019-03-06 13:00:36)
  • 実際にホームズ読んでみたけど、「ボヘミアの醜聞」のよくこんな1短編のキャラに執着できるなと思ったわ。まぁ一応「最後の挨拶」にも名前だけ出てきたけど -- 名無しさん (2019-03-06 13:16:49)
  • てかこの犯人恋人に関してはホームズ関係なしに単なる口封じで殺害してるからなあ -- 名無しさん (2019-04-16 22:56:05)
  • 現実にもいそうだから怖いわ、こういう異常な犯人 -- 名無しさん (2019-06-13 14:03:48)
  • ↑昔の同人界隈ではよくあったらしい。 -- 名無しさん (2019-07-15 19:25:19)
  • この犯人の何がヤバイってまわりのホームズファンも「自費出版本でホームズをコケにしたからじゃね?」と推測してたときには盛り上がってたのに本当の動機語られたら一斉に驚きとあきれで言葉を失ってるんだよね。一般的な重度のマニアでも理解不能とか -- 名無しさん (2019-08-02 06:39:43)
  • ホームズを馬鹿にしたからならまだしも単なる意見のすれ違いじゃね・・・ -- 名無しさん (2019-11-30 19:15:32)
  • ↑しかも金谷たちと喧嘩したわけではなく、一方的に殺害したしな -- 名無しさん (2020-01-11 21:16:39)
  • 件の劇場版ではホームズの中の人(優作)とアイリーンの中の人(有希子)が夫婦な訳だが今回の犯人がその事を知ったら狂喜乱舞でもしたんだろうか -- 名無しさん (2020-01-11 21:42:01)
  • コナンでも安室と梓を絡ませるなと批判を食らったことがあったり(流石に殺人沙汰にはなってないが) -- 名無しさん (2020-02-11 18:08:17)
  • サンデーの編集者もいい風評被害だな! -- 名無しさん (2020-05-18 10:24:34)
  • 推理ミスの本、金田一でもあったな。著者が一緒かは知らんけど。 -- 名無しさん (2020-06-29 21:44:53)
  • こんなくっだらねー理由、しかもとばっちりで恋人に殺された綾子さんが哀れでならない -- 名無しさん (2020-07-09 13:38:49)
  • アニヲタwiki的解釈、消したのか。どんだけ酷い動機か分かり易い記述だと思ったが -- 名無しさん (2020-09-05 08:57:54)
  • 外部リンクは画像などの出典としての記載以外では禁止なので削除しました。 -- 名無しさん (2020-09-05 09:30:59)
  • アニヲタwiki的解釈、消えたのか。あれが面白い記事だったのに。残念だよ -- 名無しさん (2020-09-05 09:55:30)
  • 付き添いで来たのにゲストキャラにボロクソに叩かれる眠りの小五郎が気の毒。踏んだり蹴ったりや -- 名無しさん (2020-09-29 16:35:58)
  • アイリーンの原作の扱いと人気の説明よりアニヲタ的解釈の方が動機のくだらなさを表すのに適してた気がするけどな。アイリーンをワトソンに置き換えても動機のくだらなさには変わりないし -- 名無しさん (2020-12-06 12:58:14)
  • コナン犯人の酷い動機って実は台詞の一部を切り取ってネタ扱いしてるだけなのがほとんどなんだが、これは本気で「同人誌の解釈違い」が動機なんだよな…? -- 名無しさん (2021-01-20 15:52:10)
  • そう、同人誌ってよりはコンビニとかにおいてある謎本的なやつだしそのせいで解釈違いが世に広まってファンの間で正解のように扱われてしまった!みたいな実害すらないガチキチ犯人 -- 名無しさん (2021-01-20 16:24:01)
  • 占い師のおばちゃんの占いがアニメだと全カットされてたのびっくりしたな。一応平次にばれる事と連続殺人の伏線だったのに -- 名無しさん (2021-01-29 19:49:36)
  • それこそコナンで例えるなら酷い動機(誤読か曲解)を弄ってるファンに対して怒りを抱くみたいなものか。それなら分からなくも……いや、やっぱそれで殺人はおかしい。 -- 名無しさん (2021-02-14 11:37:19)
  • 「スピンオフのせいで○○=変態が広まった!許さん!」「アニメ版の出来が酷かったせいで原作の評価も下がって打ち切られた!最悪!」みたいな公式に憤る現象も珍しくないけどそれで殺人になると流石におかしい -- 名無しさん (2021-02-14 12:21:41)
  • しもたんでんがなや そして誰もいらなくなった 散々な扱いをされる小五郎といい結構好きな話 -- 名無しさん (2021-03-19 13:13:02)
  • オーナーは目暮警部そっくりだし、メイドの岩井さんは光彦(声は歩美)、清水さんはちびまる子の野口さんで戸田さんはジョディという濃いエピソードやで -- 名無しさん (2021-03-22 09:48:19)
  • 久しぶりにこの項目見たけど「今回の動機をキモオタが解釈違いのトチ狂った怒り」の例え文がなくなってるね。最後のカミソリ云々を読むと昔は同人誌はアニメ雑誌で個人情報掲載しての販売も当たり前だったを思い出す -- 名無しさん (2021-04-16 00:45:26)
  • コナンは後にホームズ好きに悪い人はいないって言ってたが、この事件についてはどう思ったんだろうな… -- 名無しさん (2021-04-25 18:04:37)
  • ↑もちろん彼の中では無かったこと扱いよ。ドラえもんフリークが光市母子殺害事件や秋葉原通り魔事件でやっているようにね。 -- 名無しさん (2021-05-02 01:19:47)
  • 「一見まともっぽい動機だが所詮アイリーンはゲストキャラなので…」みたいな書き方になってるの違和感あるな。戸叶と金谷どころか現実のアニヲタwikiユーザー間でも解釈違い起こってるじゃないか -- 名無しさん (2021-05-02 08:59:15)
  • アイリーンを侮辱した奴の考えたテストなんてしたくない!って思いそうだからテストが白紙だったのは納得 -- 名無しさん (2021-06-23 06:55:14)
  • 藤沢さんについて、「殺害された大木のことにも触れて怒っており」ってあるけど、ウチにある本(第十刷)にはそんな場面ないんだが……? -- 名無しさん (2021-06-28 18:55:59)
  • まぁでも「クラリスが実は悪女だったんだよ」みたいな副読本を、いい意味で名の通ったアニメ監督とか作家が出版したら大半は飽きれるだけだろうけど似たような行動する人が0とは言い切れないなとは思う -- 名無しさん (2021-08-24 09:08:22)
  • アニメ見たのかなり前だから朧気だが、ネタバレの大木綾子の項に「もし脅迫したり強請るつもりだったとかならアレだが」とあるが、真意は定かではないにしろそういう雰囲気はあった気がする。 -- 名無しさん (2021-10-28 10:22:30)
  • ↑3「なぜだ!なぜわしとあの女を!」ぐらいなら言ってたな -- 名無しさん (2021-12-06 20:03:33)
  • この作品自体が漫画(アニメ)だと考えると青山先生なりのややオーバーな警鐘ってか注意勧告…だったかも?「これ読んでるお前らはこんなこと(殺人とまではいかないでも脅迫だの傷害だの)すんなよ」みたいな -- 名無しさん (2022-03-13 06:57:18)
  • ↑そういう意図だとすると、↑×8~9の話も何らかの意味がありそうだ。 -- 名無しさん (2022-03-13 07:24:44)
  • 真っ当に抗議して議論してからでもよかったのに……無駄にむっちゃくっちゃすぎる…… -- 名無しさん (2022-03-13 09:56:44)
  • オーナーは車内にいる時には殺されてたけど、殺害方法は何なんだろう? -- 名無しさん (2022-03-27 19:19:53)
  • ↑作者のTwitterに「安室と女性キャラ(梓)を一緒に書くな」ってクレームが着た模様 -- 名無しさん (2022-03-27 19:28:16)
  • ↑何で作者の先生のTwitterのクレームの話なんだ?オーナーの件は聞いちゃいけなかった? -- 名無しさん (2022-04-10 16:56:13)
  • おたくこわいよ -- 名無しさん (2022-06-05 11:29:05)
  • ↑2 ↑3は一個上じゃなくて数字つけ忘れただけでもっと上のコメントに対して言ってるか、あるいは知らない内にコメント消されて殺害方法云々の方に矢印が行ってしまったかなのでは。聞いちゃいけないなんて事はなかろうよ。 んで殺害方法だけど本編のどこにも書いて無いの?(未読) -- 名無しさん (2022-08-15 13:48:56)
  • 車に座った状態が車外から見えただけで、調べる間もなく車ごと崖に落ちていったので不明。目立った外傷や血痕は無く一目では死体には見えなかった(服部が車外から呼びかけてる)事と、車のヒーターを利用して死後硬直を操作できる状態だった事しか分からない。 -- 名無しさん (2022-10-04 23:39:21)
  • コナン君が沖矢さんの時に「シャーロキアンに悪い人はいないから。」って哀ちゃんに言ってたけどとてもそうは思えないやるせない事件。 -- 名無しさん (2022-10-05 06:26:28)
  • アイリーンはそんなこと言わない・・・ -- 名無しさん (2023-01-26 05:46:23)
  • ↑2それは潜伏場所がなくなった赤井さんを住まわせるための適当な理由だと思う -- 名無しさん (2023-02-28 21:15:10)
  • ↑言われてみれば確かに。正体がネームドキャラに初バレした回なので印象に残ってる。 -- 名無しさん (2023-02-28 21:42:56)
  • さっさと正体バレて良かった。今は世良にビクついて攻めた推理がやりにくくなりすぎ。 -- 名無しさん (2023-04-12 02:40:05)
  • 綾子の父親はこの事件で友人と娘をいっぺんに亡くしてしまったから彼にとっては人生で一番の災難だったかもしれないな -- 名無しさん (2023-07-03 08:26:54)
  • 解釈違いで人を○しなさんな。 -- 名無しさん (2023-07-25 21:06:49)
  • オーナーの車が加速したって言った時の戸叶さんの「え!?」はガチ驚きだったんだろうな… -- 名無しさん (2023-07-25 21:09:05)
  • コミケの時期がくるとこれを思い出す -- 名無しさん (2023-08-12 09:25:36)

#comment

*1 題名を間違えている上、コナン・ドイルの作品ですらない。ちなみに後の話では「毛利ポア郎」を名乗って髭をポアロに合わせているため、アガサ・クリスティ作品が好きではある様子。
*2 なお、金谷の死因は不明
*3 たった一篇に登場しただけにも係わらず、それだけのインパクトと魅力のあるキャラなのは否定しないし、コナン・ドイル自身ホームズの時系列上の最終話である『最後の挨拶』で彼女の名前を出している。
*4 別の事件で『ボヘミアの醜聞』の報酬として受け取ったアイリーンの写真が引き出しの中に入っているのが映ったりする事はある為、原作よりは多少意識して扱われている。
*5 ただ、残念なことにアニメ版では藤沢が大木のことに触れて戸叶に説教する部分はカットされている。あのシーンがあってこそ藤沢の真っ当さが感じられるのだが…。放送時間の都合だろうが、そこは原作通りで良かったのでは…。
*6 特にネットが未発達だった時代は同人誌の奥付にサークル代表の住所を記載することが一般的だったため、カミソリ入りの手紙が送られてくる等はよくあったようだ

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