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更新日:2024/04/19 Fri 11:18:55NEW!
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19年夏アニメ 妖怪人間ベム 冨岡淳広 アニメ テレビ東京 鬱展開 bem ランドック・スタジオ 小高義規 ベム
●目次
概要
『BEM』とは日本のアニメ作品である。
2019年7月より放送。全12話。製作はランドック・スタジオ。
メインライターは冨岡淳広氏。
かの有名な「妖怪人間ベム」シリーズの50周年記念作...なのだが、登場人物や世界観含め、諸々の設定の原作やそれまでのシリーズとの乖離が凄まじく、ほぼ別アニメと言っても過言ではない。
但し、それまでのシリーズや原作の根幹である迫害や誤解等の異形の者故の苦しみはしっかり描かれており、それも深夜アニメならではの描写でより生々しく、より悲劇的なものとなっている。
過去のシリーズの中では『妖怪人間ベム -HUMANOID MONSTER BEM-』が最も今作に近い。
2020年10月2日には、2年後を舞台とした完結編となる『劇場版BEM〜BECOME HUMAN〜』が公開。
あらすじ
某国の湾港都市「リブラシティ」。
そこは政治・経済・文化の中心地である「アッパーサイド」と貧民と犯罪者で溢れかえる「アウトサイド」という全く異なる二つの地域が運河とそれを渡す橋を隔てて併存していた。
そんなリブラシティでは超常的な力を持ったヴィラン達の凶悪犯罪が人知れず横行し、人々を恐怖に陥れていた。
一方、そんな彼らから密かに人間を守る3人の妖怪人間がいた。
彼らの願いは唯一つ、「人間になること」。
醜い異形の存在故に理解されず、それでも戦い続ける彼らの行く末とは...
登場人物
妖怪人間
ご存知主役トリオ。人間に擬態した姿と妖怪人間としての真の姿の二つを併せ持つ。
三人一緒に行動することは基本的になく、それぞれがアッパー、アウトを問わず個別の人間関係を築き、各々の日常生活を送っており、一日の決まった時間に橋の上に集まる程度である。
一度真の姿に戻って再度擬態した際には、衣服が消失する。
また、人間の姿をとってはいるものの、寿命が無い為自然死することもなければ加齢で姿が変わるわけでもなく*1、味覚や嗅覚といった感覚も異なるため食事をしても味はほとんど分からず、水さえあれば生きていける。
逆に妖怪人間としての姿も、「殺意」「怒り」にまみれた場合はより怪物らしい姿に変貌する。
なお、今作の彼らの人間態の容姿には、それぞれ元となったオリジナルの人間が存在する模様。
リブラシティの真の支配者である「見えざる議会」からは「妖怪人間」と呼称され、追われるようになる。
- ベム
CV:小西克幸
妖怪人間のリーダー格。一人称は「俺」。
デザインが大きくリファインされた妖怪人間の中では比較的原形をとどめている方。ただし今作では銀髪を生やしていて、目に瞳がある。
山高帽にブレザー姿の壮年男性の人間態を持ち、杖を携帯している。人間時の暮らしや収入源については不明。
基本的に無口無表情だが、永い時を生きており、人間達から迫害を受けたことは数知れず、深い悲しみも秘めている。ベラ達仲間のことは内心家族同然に思っている。
妖怪人間ゆえに寿命も無く死ぬことも出来ずに永い時を生きており、人間達を見続ける中で短い時を懸命に生き、輝きを見せて死んでいく人間に憧れを抱くようになった。
そして、いつからともなく思った、「人間を助ければいつか人間になれる」という信条の元、仲間たちと共にヴィランと戦い続け、人間を守っている。
仲間が人間を殺しかけた際には手を挙げてでも止める等、そのスタンスは徹底している。しかし、悪人は警察に突き出したり、他に報復を与えてしかるべき者がいるなら処分をそちらに任せるなど、自分やベラ達が殺さないようにするのみで人間を無条件に擁護している訳ではない。
本来の姿は筋肉質で大柄なものであり、見た目に違わぬパワーファイトが得意な他にも杖や手先から電撃を放つことが出来る。人間態でも電気で心臓マッサージが可能。
また、電気を吸収することが出来る。
- ベラ
CV:M・A・O
本作のヒロイン。
これまでは白肌で黒髪のマダムといった風貌だったが、今作では、赤髪の女子高生に変更されていて、ある意味本作で最もデザインの変更が大きい。
表向きは「アナベラ」と名乗ってアッパーサイドの名門校セントジョーゼフ・ハイスクールに通っている*2が、これは人間になった時の為の練習であるとのこと*3で人間になりたいという願望はベム以上に強い。
友人達と接していないときは、無表情でクールな人物に見えるが、これは無口なベムと皮肉屋のベロに囲まれていることが大きく、本来は喜怒哀楽が分かりやすいタイプ。内面はベムやベロと同じく人間への強い思いを持っており、子供には優しい笑顔で接したり、逆に許しがたい悪人を感情に任せて殺しかけたこともある。
普段は学校の友人達と楽しそうに談笑する姿を見せる*4一方で、オタクゆえに友人達と趣味嗜好が異なるロディに対しては観察するかのように近づいたり離れたりとクーデレめいた態度を取ることもある。
8話では、自分の歌を褒めてくれた転校生のアルバートに初めて恋心のようなものを抱くも、その感情がよく理解できず、「胸がドキドキ・顔が紅潮する」と形容した(その話を聞いたベムは身体の異常では無いかと真剣に心配・考察し、ベロは大笑いした)。しかし正体こそばれなかったものの、自分の真の姿をアルバートに化け物呼ばわりされて静かに失恋し、逆に真の姿をロディに「美しい」と形容された。
嫌いな奴は「自分の手を汚そうとしない奴」。
本来の姿は長い髪を持った細身のものであり、腕から鞭のような触手を複数伸ばして戦う他、口から冷凍光線を放つ。
更に感情が高ぶると、爬虫類の様な姿に二重に変貌する。
人間態のモデル
- メアリ・ラッセル
10年前の時点で既に故人。当時17歳。白骨化した状態で遺体が見つかった。
同級生のエレーンによって友達であったドミニクのアクセサリーを盗んだ疑いを掛けられ、ドミニクにアウトサイドの肝試しを強要された挙句、エレーンの差し金で置き去りにされた上に、彼女の依頼を受けたボウリング男に殺害された。(殺害理由はエレーン曰く「前向きでムカつくから」とのこと)
死の直後にベラに姿をコピーされた。尚彼女の姿をベラが選んだ理由は「助けを求め、生きようとしていたから」らしい。
- ベロ
CV:小野賢章
おそらく最年少。一人称は「オイラ」。
褐色肌に右目を前髪で隠しており、ヒップホッパーの様なストリート系ファッションを着た十代前半くらいの少年の姿をしている。また、ヘッドホンを常備しているが、真の姿に戻る際にはこれを外す。聴覚が人間の数倍発達している。
本作での性格は皮肉屋でダウナー気質。人間に成りたいという願望がない訳では無いが、それまでの戦いで人間に拒絶されてきた経験故か人間に対しては冷めた目を向けており、友人達以外には関りを避けようとする。
裏を返せば人間に裏切られること・白眼視されることを非常に恐れており、分かり合えたかもしれないダリルとの間に亀裂が走った際には深く傷つく様な繊細な一面を持っている。
ベム達仲間に対してもぶっきらぼうに接するが、内心では彼らを何より大切に思っている。
実際彼らの前では悪戯っ子の様に無邪気に笑ったり、ベラを揶揄う様な姿も見せる。
ゲームの達人でもあり、普段は親友達と共にアウトサイドのゲームセンターに入り浸っている。
本人曰くアッパーサイドは合わないらしい。
真の姿は3人の中で最も小柄で、スピーディーかつトリッキーな戦い方が得意。火炎や高熱による攻撃も可能。
ベラと同じく、激怒すると一回り巨大化して四足歩行になり、目が消えて爬虫類のような姿に変貌する。
アウトサイド18分署
- ソニア・サマーズ
CV:内田真礼
人間サイドの主人公兼ヒロイン。
元々はアッパーサイドの女性捜査官であったが、その性格が災いし、「見えざる議会」のタブーに触れたことでアウトサイド18分署に左遷されてきた。
アウトサイドで暴漢に襲われたところを若い警官に助けられたことがきっかけで警官を目指すようになった。
正義感が強く生真面目な性格で、理不尽なことには状況や相手を問わず物怖じすることなく発言・行動する。
常に事件解決の為に最善な行動を取ろうとするが、身の程を知らない行動も多く、良く言えば積極的、悪く言えば無謀ともいえる。
事件を追う中で妖怪人間達と幾度となく遭遇し、当初は彼らを危険視していたが、感電男との戦いで庇われたことがきっかけで彼らには徐々に心を許していく。
- ジョエル・ウッズ
CV:乃村健次
ソニアの先輩刑事。
じゃじゃ馬なソニアに手を焼きつつも見守っている。
- ヘルムート・フェルト
CV:小野大輔
第5話から登場。
妖怪人間捕獲の為、アッパーサイドから18分署に派遣されてきた刑事。ソニアやジョエルの新たな上司。
冷血な合理主義者であり、自分が無駄と判断したことは何であろうと周りの意見を求めることなく排除する他、ヴィランが暴れていても特段の事情が無ければ「捕獲対象ではない」という理由で全く動こうともしない。また、目的遂行の為なら手段を選ばず、時には「噂」を広めることで敵を孤立させて物見遊山・正義気取りな市民達を味方につける手段をとることもある。
一方、自分の感情一つで利用価値のある物を切り捨て処分する・一般市民すら平気で手にかける等、自分勝手で強権的な部分も持つ。
見えざる議会につながっているものの、マダムこと見えざる議会のトップの正体までは知らず、マダムが見せた超能力を見て動揺していた。
そうしたマダムを含む妖怪人間達を過剰なまでに敵視・恐怖しており、最終的にベム達を排除しようとしたものの技術的にまるで歯が立たず、狂乱しソニアを撃とうとしたところをジョエルに射殺された。
ベラの同級生
- ロディ・ウォーカー
CV:西山宏太朗
メガネ男子。所謂オタクで、オカルトや都市伝説、怪事件の話なども好き。
ベラに片思いしており、密かに彼女を描いたり変な話に興味を持ったりしているため、彼女の友人達から気持ち悪がられている。
第8話にて真の姿のベラを偶然目撃するが、*5その姿を「美しい」と評した。感性も独特だったらしい。
その為一般人キャラクターの中では初めて妖怪人間を初見で恐れなかった人物となった。
- クリス
CV:森下由樹子
茶髪ポニーテール。
- ミーガン
CV:うのちひろ
小柄なメガネっ子。
- ケイティ
CV:高森奈津美
ブロンドでグラマーな美人。
上記3人はベラの学校での友人達。放課後によくつるんでいる。
ベラの正体を知った後は表面上は心配するようなそぶりを見せつつも内心怖がっていた模様。
- アルバート・ブッシュ
CV:内田修一
8話に登場。転校生。母は世界的オペラ歌手のジュリア。母子家庭のようだが、母ジュリアに愛されてまっすぐ育っており、スポーツも得意で爽やかな好青年。転校早々大人気となっていた。通称「アル」。
偶然聞いたベラの歌声を褒めて彼女と仲良くなり、ベラは初恋のような感情を抱くものの、倒壊したステージの中に立つ真の姿のベラを見て(それがベラと知らず)化け物呼ばわりし恐怖から逃げ出してしまい、彼のような好青年からも拒絶される容姿という事実からベラは静かに心に傷を負った。
その後、母ジュリアが倒壊したステージに巻き込まれて事故死したことや、監視カメラの映像から彼女が一連の女性連続殺人事件の犯人と判明したこともあってか、すぐに転校していった。
ベロの友人
アウトサイド在住。シンプルな衣服を着ており、恵まれない家庭の出身である模様。
全員が父親によるDVや育児放棄等の劣悪な家庭環境にいる為、学校に通えず、大人もほとんど信用していない。
- デイブ
CV:弥永健人
継ぎのあるオーバーオールを着た太った少年。
第7話では犬笛の男に攫われて凶暴なハイブリッドペットの材料にされてしまうが、ベロによって救出された。
- マアヤ
CV:山田麻莉奈
継ぎはぎだらけのウサギの縫いぐるみを抱いた少女。
- ケビン
CV:小田久史
長身の少年。
全員友達であるベロのことを大切に思っており、ベロも内心彼らに救われている。
その他
- ダリル・ブライソン
CV:斉藤壮馬
アッパーサイドの政治家秘書の息子である少年。
ベロ程では無いがゲームの腕前も高く、数々の大会で優勝した実力を持つ。
ダリルの父(CV:堀内賢雄)はカーヴァー議員の秘書。だが父の本心はカーヴァーと違い高潔ではなくカーヴァーを疎ましく思っていた。カーヴァーが暗殺された後には、ダリルの父はその仕事を継いで資本家と共に権益を伸ばして「見えざる議会」に取り入り、ゆくゆくは「見えざる議会」も出し抜いて彼らを白日の下に晒すことで全ての利権を得る腹づもりだったものの、見えざる議会に本性を見抜かれていたため消されてしまった。
ダリル本人は一見クールでキザな性格だが、アッパーとアウトサイドの融和を目指していたカーヴァーや(本性を隠した)父を尊敬・敬愛し、将来は自分もその仕事を手伝いたいと考えるなど高い志と情熱を持っている少年。しかしその情熱と幼さは、裏を返すと怒りに任せれば手段を選ばない一面ともなる。
ゲームを通じてベロと心を通わせかけるが、父を殺した"影男"を退治したベロの血まみれの姿を見て彼を犯人と勘違い。それ以来、尊敬する父を殺したベロの命を手段を問わず付け狙い、ベロの正体が人間ではないことを知る。
監視カメラからベロを探し出すなど能力も優秀。「見えざる議会」のことも父を殺した黒幕だと気付いてソニアに接触している他、見えざる議会の傀儡である警察に頼らず自分で復讐することを考え、その過程で見えざる議会に接触。
"サイボーグ影男"に殺されかけたところをベロに助けられ、なんらかの心情の変化はあったようだが、その聡明さを買われ、マダムの推薦もあって「見えざる議会」の新しい指導者・統率役に選ばれた。ダリルが街をどう導いていくつもりなのかは描かれていない。
- カーヴァー
CV:平川大輔
第3話に登場する議員。
アッパーサイドとアウトサイドの格差を無くして融和を狙う政治家で、ソニアとも友人であり、その理念はソニアからも尊敬されていた。
だが見えざる議会から危険視されて、影男に暗殺されてしまう。
- ギャヴィン
CV:細谷佳正
第9話に登場。アウトサイド生まれながらも、少年時代に志してアッパーサイドに渡り、一代にして医療機器メーカーを造り上げた傑物。ソニアが尊敬する人物でもあった。
その目的は、アウトサイドといった貧しさを救うという理想があり、同時に理想をなすためには「力」が必要と考え、人脈を築き企業を立ち上げてそれを成功させ、事業成功後には、難民や戦災孤児の救済活動のための財団を立ち上げた。
聖人とも言えるような私心無き人物故に、逆に「胡散臭い」と言われることも多いが、そうした逆風・白眼視に負けず物事をなしてきた。
噂となっていた異形の「妖怪人間」について、姿が変貌したある種の病ではないかと発表。「妖怪人間の調査」という名目の元でアウトサイドを訪れ、同時にアウトサイドの実態を調査。
「見えざる議会」についても知っており、アウトサイドの改革についてもなそうと考えるが、それは「見えざる議会」の既得権益・支配構造を脅かすものであったため、「見えざる議会」主導による、濡れ衣の汚職・噂で「戦争を手引きして薬品で儲ける死の商人」などをマスコミででっち上げられてしまう。
それによって人々の正義感や金持ちへの嫉妬心を盛り立てられて、それまで築いた名誉も、資産も(保釈金で)全て失ってしまう。
そんな中で、ギャヴィンに興味を持ったベムと交流。信頼に足るかもしれないとして、ベムに正体を明かされたが怯えたりせず、人間とベム達妖怪人間の人生観について語り合う。全てを失いながらも自暴自棄になったりせず再起を考えており、ベムの本来の姿を見ても笑顔で迎い入れようとしたが、サイボーグ影男からベロをとっさにかばって死亡。
自分の正体を見ても白眼視せず、自分たちのために身を投げ出す勇気を持った存在を失ったベムの悲しみと怒りは大きく、サイボーグ影男の腕を怒りにまかせてもぎ取った。
死後、その死は「妖怪人間による犯行」と報道され、マスコミは一転してギャヴィンの汚職を「疑獄事件」と報道するなど、生前のギャヴィンに行った中傷を忘れたかのようにして、慈善家ギャヴィン非業の死を悼む美談へとすり替えた。
- 本部長
CV:安原義人
ソニアの元上司である壮年の男性。ヘルムート・フェルトよりも地位は下。ソニアのことは少し気にかけてはいるが、きかん坊な彼女をうっとおしく思っている。
10話では、ヘルムートに失脚をちらつかされてしまい、失態を拭うべく、妖怪人間捕獲のためDr.リサイクルに協力を求めるが、ヘルムートとDr.リサイクルの共謀で改造人間にされてしまい、自我を失った状態でベムに襲いかかるも敗れた。
見えざる議会
リブラシティを影から支配し、暗躍する謎の組織。
妖怪人間のこともα、β、γと呼んでその存在を認識している。
自分達の支配を脅かす者、アッパーサイドとアウトサイドという今の社会の構造を壊そうとする者は躊躇なく排除するフィクサー。
社会的地位がある者は、時に噂や汚職のでっち上げで市民の嫉妬心や正義感を味方につけて孤立させ、“信用・名誉を奪う”という方法で排除することもある。
その詳細は不明だが、ヴィラン達を生み出して混乱を生んでいる・警察組織も支配していることから、悪しき集団であることだけは確か。
- 謎の女/マダム
CV:坂本真綾
見えざる議会のリーダー的存在。
妖艶な雰囲気を纏い、部下には常に敬語で話す。
妖怪人間の捕獲を部下たちに命じる他、ベムについて何か知っている模様。
彼女の容姿はどことなく初代『妖怪人間ベム』のベラの人間態に似せてある。
その正体は…
名前はベガ。
ベム達よりもはるか昔に作られた妖怪人間。
およそ500年前、インゴルシュタットの錬金術師の手で生み出された。
生みの親は異端審問により処刑され、ローマに渡った彼女は、ボルジア家に身を寄せ、背徳・権謀術数・毒薬・恋などを学ぶ。
残酷な世界を見続けた彼女は、100年以上前にリブラシティを造り上げた。
永きに渡って生きた彼女は死ぬことも出来ない苦しみの中にあり、同時に「自分で考えることを放棄したいが故に“主人”を欲する」大半の人間のことを見下している。
逆に、迫害されてきた超能力少女を利用価値があったからとはいえ保護したり、自分で考え行動するダリルのことは少し評価して彼を見えざる議会に招いた。
超能力を用いて妖怪人間すら拘束することが可能。
真の姿はベムたちと対照的に白く、伸縮自在の4本の腕や光線などを多彩な能力を持つ。
ベムと口づけを交わすことで対消滅のような爆発を起こしてリブラシティ諸共「死ぬ」ことを目論むが、ベム・ベラ・ベロ達「家族」3人の連携の前に敗北。
孤独を感じながら水の底へ沈んでいった。
- Dr.リサイクル
CV:諏訪部順一
奇抜な格好のマッドサイエンティスト。
現代科学を遥かに凌駕するオーバーテクノロジーを有し、金次第で依頼人を人知を超えたヴィランに改造する。
常に敬語で話す飄々としている人物。
マダムの計画が遂行すればリブラシティが壊滅すると知ると、姿を消した。
か
ヴィラン
Dr.リサイクルによって改造された人間達の成れの果て。
独自のコミュニティを形成し、どこかの酒場を溜まり場にしているが、統率の類はほとんど無く、行動する際には各々が自分の欲望のままに動く。
人間になりたいベム達とは対照的に、力を欲し人間を辞めて己の欲のままに人間を殺める存在。
一覧
- 水男
CV:檜山修之
第1話「WATER」に登場。
その名の通り液体状の体を持ち、物理攻撃は一切効かないが、電撃が弱点。
人間を体の中に閉じ込めて溺死させることが可能。また、体の一部を高速で打ち出して対象を切断することも可能。
自身の能力でアウトサイドで連続殺人事件を引き起こした。
元は人を殺すことに喜びを見出す連続殺人鬼であり、狂気的なまでものハイテンションの持ち主。
- ボウリング男
CV:松山鷹志
第2話「LIAR」に登場。
右腕と両足を機械化した巨漢であり、巨大なボウリングの玉やピンを生み出して攻撃する他、自分自身がボウリングの玉となって突撃することも出来る。
10年前エレーンの命令でベラのモデルであるメアリを殺した張本人であり、今回もエレーンの依頼でベラに襲い掛かったが、返り討ちにされた。
元はプロボウラーを目指す純朴な青年だったが、改造の影響か破壊と殺戮をボウリング感覚で楽しむサイコパスと化している。
- 影男
CV:伊丸岡篤
第3話「SHADOW」及び第9話「FALLING」に登場。
黒装束と軽装な鎧で左目以外の全身を覆い隠し、青いマフラーをたなびかせるその姿は完全に忍者。
影と一体化できる他、見た目に違わぬ軽快な動きと手裏剣や苦無、毒や日本刀等の暗器を用いた戦いが得意。
非情に寡黙で基本的に「ニン」と返事をするのみ。
下水道を根城にし、ハムスターをそこで飼っている。
上からの依頼で動く暗殺者としての顔を持ち、裏で議会と繋がっているダリルの父親の邪魔者を殺して回っていたが、結局は議会すらも出し抜こうとした彼も亡き者にした。
ベロとの戦いに敗れるが、回収された遺体は5話でDr.リサイクルが分析していた。
その後、第9話にて強化改造を施され、サイボーグとして復活。Dr.リサイクルが「傑作」と評するほどの自信作らしい。
外見はほとんど変わらず影に潜む能力や生前の自我は無くなったが、両腕を鎖付きの大鎌やビームランチャー、ビームソードに変形させたり、足裏からのジェット噴射で飛行できる等の新たな機能が加わった。その戦闘力は、ベロですら苦戦してしまうほどパワーアップしている。
ベロを仕留めようとしてギャヴィンを手にかけるが、ベムの怒りを買ってしまい、腕をもぎ取られて煙幕と共に撤退した。
その後もベロを付け狙い、ダリル達やベロの友人達も平然と巻き込もうとするが、ベロの怒りを買って完全に破壊された。
- 感電男
CV:岩田光央
第4話「LIGHTNING」に登場。
一見すると普通の金髪青年だが、背中に内蔵する蓄電器によって電撃を自在に操る能力を持つサイボーグ系の改造人間。
但し、自家発電は出来ないらしく、定期的に周囲から電気を吸い取って充電することが必要な他、蓄電器を破壊されると能力の一切を失ってしまう。
初めて妖怪人間達をターゲットにしたヴィランでもあり、彼らをおびき出すために若い女性ばかりを殺し、その場に「Monster,your destiny is mine.」という挑戦状めいた文言を残していた。
元はバンドマンであり、その頃からのキザでナルシストな性格の一方、気分次第で仲間のヴィランの殺害も厭わない冷酷さも持つ。
- 粉男
CV:飛田展男
第4話「LIGHTNING」に登場。
細かなでんぷんの粉で体を形成しており、水男程では無いが変幻自在に姿を変えられる。
普段はつぎはぎの袋をかぶることで、かろうじて人間の形を保っている。
妖怪人間達を殺すために感電男と協力して戦闘するが、結局はターゲットを取り合って仲間割れを起こした。
元はおっとりした性格のパン職人であり、舌足らずな片言で話す。通称「でんぷん君」。
- 吸込男
CV:上田耀司
第5話「SWEEPER」に登場。
宇宙服のような機械的なスーツで全身を覆った中年男性。
両手の掃除機で人間を含むありとあらゆるものを吸い込み、バックパックに溜め込むことが出来る。
後に再改造を施され、4本足とより巨大な掃除機とバックパックを持った巨大な姿へと変貌した。
嘗ては父親のいない家庭で育ち、母親は滅多に家に帰ってこず、いつも違う男を連れ込んできた。しかも、その男が自分に暴力を振るうのを止めることも無かった。
余りにもやることがなかった男はやがて暇つぶしに始めた掃除に取り憑かれていき、遂には母親とその男を「片づけて」しまった。
大人になると、アウトサイドのゴミ清掃員になるが、町を平気で汚し続ける人間達をいつしか「ゴミ」と判断し、「掃除」するために改造手術を受けた。
- 怪力男
CV:黒田崇矢
第6話「GRAVITY」に登場。
見た目はただのスキンヘッドの厳つい大男だが、その名の通り一発地面を殴っただけで抉るほどの怪力を持つ。
一方自分の言った言葉の意味すら分からない程おつむは弱い。
ハラジーを攫おうとしたが、彼女の剣幕に何かを感じて退散後、突然死を遂げる。
- ジュリア・ブッシュ
CV:大原さやか
第8話「NOISE」に登場。
アッパーサイドで大人気のベテランオペラ歌手。
しかし、その裏ではDr.リサイクルの改造手術を受けており、自分の美声を保つ為に声を使った職業、又は歌唱力のある女性を殺してはサンプルとしてその喉を奪っていた。
息子のアルバートと親しくなったベラの歌声に目をつけ、彼女に襲い掛かる。
戦闘時には顔が変形し、白と黒の縞模様で唇しか無い異形の物になる。
武器は口から発する超高周波音波であり、顔をメガホン状に変形させたり、反響の強い部屋などの地の利を活かしてその攻撃力を自在に上げる。
以下番外個体
- ヴァル・ティターン
CV:東地宏樹
第6話「GRAVITY」に登場。
サーカス団「エンセドラス」の花形であり、重力を操っているかの様な演技から「重力男」の異名を持つ。
元は異国の宇宙飛行士であり、事故で宇宙空間を彷徨った末に時空の歪みで50年後の月面で回収された。
その後、表向きは死亡扱いにされ、軍管轄の病院で人体実験を受けてきたが、そこでハラジーと出会う。
年端もいかぬハラジーすらも実験台にする軍に怒り、彼女を連れて病院を脱走し、その後エンセドラスの団長(CV:鳥海浩輔)に拾われ、今に至る。
宇宙旅行によって地球の大気では生きられない体になっており、呼吸器を装着し、電球のようなヘルメットを被っている。
尚能力者の割には銃で戦おうとするなど、不可思議な点もあり...?
- ハラジー
CV:小原好美
第6話「GRAVITY」から登場。
ヴァルが常に連れている幼女で、「エンセドラス」のマドンナ。
性格は無邪気で純粋無垢であり、ヴァルに懐いている。
軍の病院にいたころは「魔女」と呼ばれていた。
実は真に重力操作能力を持っていたのは彼女の方であり、ヴァルは彼女を守るために身代わりになっていたのだった。警官隊によるヴァルの殺害後に確保され、謎の女のもとに引き取られた。尚あれほど慕っていたヴァルが死亡したことについて特に言及する様子は無く、完全に女と行動を共にしている。
- 犬笛の男
CV:二又一成
第7話「CHIMERA」に登場。
アッパーサイドで流行っているハイブリッドペット(遺伝子改造動物)を違法に製造、販売している闇のブリーダー。
その材料は野良犬と誘拐してきた人間。
その名の通り犬笛でペットを操る。
ペットに対する情は一切なく、気分次第で平然と暴力をふるう。
追記・修正は人間になってからお願いします。
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▷ コメント欄
- ヴィラン勢の声優がベテランが多いせいか これアドリブだろうなセリフが多い印象 -- 名無しさん (2019-08-22 16:15:35)
- 他二人が完全に別人になっているから、いっそベムもドラマ版準拠の銀髪イケメンにしても良かった気がする。 -- 名無しさん (2019-08-22 16:34:22)
- 発表当初人間時の姿に批判と言うか文句を良く見かけたけど個人的にはベムリターンズがベム初体験だったからか全く違和感はなかったな -- 名無しさん (2019-08-22 18:24:59)
- まあ、とっかかりは大事だしな。そもそも原作からして重要なのは「真の姿は醜悪な化け物」って点だし -- 名無しさん (2019-08-23 02:17:25)
- 「橋」が溜まり場になっているのが良いね。古来橋は「あちら」と「こちら」を繋ぐもの。「人間」と「怪物」の中間にいるベムたちの立場を象徴しているかのようだ。 -- 名無しさん (2019-08-23 11:30:41)
- 人間態が完全に人間してるのに、どうしてわざわざ人間になりたがるのか?って疑問を持つ人が結構いる。所詮擬態でしかなく、本来の姿が怪物なのが嫌ってことはなんとなくわかると思うのだが。 -- 名無しさん (2019-08-24 22:14:26)
- 傍目に完全に女性に見えるオカマ(女になりたいと思ってやってる)が、それで満足してるかといえばねぇ -- 名無しさん (2019-10-14 18:31:17)
- そもそも旧世代のベム達も人間態時は普通の人間として扱われているからな。問題の本質はやっぱ精神的なものだろう -- 名無しさん (2019-10-14 18:56:46)
- 最終話の題名、直訳すると「いつか人間になりたい」 -- 名無しさん (2019-10-16 21:40:02)
- ベムっぽくない、みたいな評価は聞いたけど、そもそもベムって毎作別物じゃね?っていう -- 名無しさん (2020-09-28 10:48:18)
#comment
*2 学費や戸籍をどうしているのかは不明。
*3 普段着ているのはその制服。
*4 ショッピングで食べるスイーツの味が分からなくても雰囲気で合わせたりするなど苦労もしている。
*5 変身する場面を見た訳では無い為正体がベラであることまでは知らない
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