発掘! あるある大事典

ページ名:発掘_ あるある大事典

登録日:2025/12/22 Mon 19:26:53
更新日:2026/06/20 Sat 23:32:18NEW!
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1996年 ヒロミ フジテレビ 堺正章 志村けん 懐かしの番組 打ち切り テレビ番組 関西テレビ 健康情報 情報番組




発掘! あるある大事典】とは、かつてフジテレビ系列で放送されていた生活情報バラエティ番組である。



【概要】


1996年10月27日から放送を開始し、90年代末から00年代において日曜21時台の定番となっていた生活情報バラエティ。
ちなみにフジテレビはネット局であり、実際に制作していたのは関西テレビおよび番組制作企業の日本テレワークである。
日常の暮らしを良いものにする身近な情報を紹介する動画と、それを鑑賞しながらMCとゲストがトークをするスタジオパートで構成されていた。


番組の第1回テーマは「ごはん」で、美味しい食べ方や調理法を紹介していたほか、番組初期には割と幅広いテーマを取り扱っており、


  • 「旅行」や「自転車」といったアウトドア趣味もの
  • 「ウソ」「叱る」のようなメンタル・人間関係もの
  • まだまだ普及していなかった「携帯電話」「インターネット」「デジタル家電」の紹介

といった感じで、いわゆるライフハック的な知識や流行しているものを紹介する番組だった。


その中でも美容や健康に関する情報を紹介する回が好評だったため、番組は徐々にそれらのテーマを集中して取り上げていくような形に変わっていき、それが要因となって視聴者に定着した定番人気番組の一つとなった。


現在でこそ『あるある』と言えば漫画やお笑いのあるあるネタを指すのが一般的だが、番組全盛期では『あるある』と言えばこの番組を指す事がほとんど。
店先で「あるあるで紹介された〇〇です!」と広告すると売れる……どころか、番組で取り上げられた翌日にはそのテーマとなった物品がどこも品薄、売り切れ状態となるほどの影響力を誇っており、お昼のみのさんと双璧を成す形でテレビが持つ影響力の象徴とも言える番組であった。
インターネット老人会員と化したWiki籠りの方であれば、いつも使っていた・食べていた物があるあるで紹介されたが為に買えなくなってしまった……なんて記憶をお持ちの方も多いのでは。


2004年4月4日にはMC陣の一部を交代し、内容を健康・美容情報に絞った『発掘! あるある大事典 Ⅱ』へとリニューアル。2007年1月14日まで放送されていた。



【出演者】


  • 堺正章

『Ⅰ』『Ⅱ』通してメイン司会。


  • ヒロミ

『Ⅰ』時代のサブ司会。
リニューアル時に降板となるが、これは親友の放送作家が急逝したことに心を折られ半ば芸能活動を引退していた為。
……なのだが、本番組の降板に関連付けて「ヒロミが堺を激怒させた事でTV界から干された」というゴシップが長年広まっていた。なお現在では堺、ヒロミ両者とも「ヒロミを干した」「マチャアキに干された」と本人自らネタにしている。


  • 志村けん

『Ⅱ』時代のサブ司会。
自他ともに認める健康オタクっぷりで知られていた。


  • あるある会員

『Ⅰ』時代にスタジオの観客役兼賑やかし役として出演していた女性エキストラ。
主に10代後半~50代の女性が15人ほど毎回出演する形だったほか、後述のあるある大実験コーナーでの参加者も番組上あるある会員という扱いになっていた。



【主なコーナー・お約束の展開】


  • あるある大実験

紹介動画パートの中で度々行われた実験コーナー。
番組が見つけてきた最新の論文や仮説が本当かどうかを実証する為、集められたあるある会員たちをモニターとして実験を行い、その効果を実証する。
また、街ゆく人に対して街頭アンケートのような形で複数の物事を行ってもらい、それのリアクションを対比させる形でより結果を分かりやすく見せるタイプのものもあった。



【余談】


  • このタイプの番組の中では比較的早めにインターネットへと着目しており、番組公式サイトにはファン同士が交流する掲示板や、番組で取り上げてほしい事柄を募集するフォームも設けられていた。






とまあ、ここまでならありがちな懐かし番組の項目で終わるのだが……







【番組の問題点】


ある意味ここからが項目の本題
実はこの番組、明らかに誤った質の低い情報を取り上げる番組として、事情を知る者からは悪名高い番組だったのである。
特に視聴者から評判の良かった健康情報特集が特に酷い内容であるという評価が多く、そうではない「オムライス」のような調理法回、「防犯」のような生活情報回はわりかしマトモというのはなんともな話である。


現在でも科学っぽいアプローチをする生活情報番組は存在するが、エンタメとして多少誇張が入っていることを含んでもそれらは「あるある」より遥かにマシかつ真面目な情報番組と言えるレベル。
……というか、「あるある」で取り上げられた話題を追って詳しく検証しようとした類似番組が専門家に聞き込みを行ったところ、真っ赤なウソであったために番組1回分を丸々ボツにしたという逸話すら残っている*1


以下は番組で良く行われていた演出……もとい科学的に問題のある情報の取り扱い方である。


  • 資料の拡大解釈・歪曲

ある食物にはこんな隠れた体に良い効果が!……という内容の映像で使われる典型手法。

  • そもそも良い効果に繋がる可能性があるレベルの論文を元に「良い効果が出る」と断言
  • その成分をどれだけ摂取すれば効果が出るのか一切触れない
  • 「Aという効果がある」だったら近しい「Bという効果もあるはず」という連想ゲームレベルの強引な展開

などの演出がよく行われており、よく聞いて整理するとツッコミどころしかない内容の回が多かった。
また、大学教授といった専門家へのインタビュー映像が根拠として放送される事もあったが

  • 専門家が「確かに(栄養素)について(何らかの優れた効果)が認められています」というような映像を撮影
  • そこだけを抜き出したあとに「つまり、(その栄養素が入った特定の食物)にはこんな優れた力が眠っていると専門家も認めているのです!」とナレーションを入れたカットをつなぎ合わせる

という、本来のインタビューで行われた話の文脈を無視した映像のパッチワークにより、あたかも専門家が食物そのものを評価しているかのように視聴者へ思わせる演出が多用されていた。


  • 雑過ぎる実験

では番組が実証実験を行う「あるある大実験」のコーナーについてはどうかというとこれも問題だらけで、

  • サンプル数が少なすぎる為、たまたまそうなった可能性が排除できない
  • 検証したい事柄(ある食物を食べる・食べない、ある行為をする・しない)以外の条件が揃っていない為、そもそもそれ以外の要因で変化した可能性がある
  • 検証したい事柄を被験者が把握している為、気の持ちようで効果が出てしまう(プラシーボ効果)の可能性がある
  • そもそもその行為の量(食べる量や行為をする時間)が決まっていない

といった問題点が見られる「あるある流実験」が番組では多く行われていた。
またメンタルヘルスを題材とした回では専門家監修の元で脳波を測定する専門機器を使って実験するようなケースもあったが、上記の通りそのデータを都合よく解釈してしまうケースも多く、本来証明したい事柄に対してデータが全くアテにならない場合も。
このように、およそ実験として効果が認められるようなものではなく、それっぽい映像を取るためだけのコーナーと言える。



こんな感じの演出が多々行われていた為、しっかりと時間をかけて検証することで、矛盾点や破綻した展開を見つけ出す事ができたのである。
番組ではインターネットをいち早く活用していたと先述したが、その一方でこうした問題点に関しても個人サイトで批判が行われており、それが書籍化したという例もある。


とはいえ映像というインパクトある形でテンポよく見せられてしまうと「そういうものなのか」となんとなく納得してしまうことができるようなものでもあった。
また科学的な見方をすると、番組が主張するような良い効果は全く無い……とは言い切れないのが困った所で、それこそ番組をはるかに越える厳密な実証実験や論考を重ねた上でしか反論できないという、悪魔の証明じみた問題が発生する。
疑似科学を批判する際と似たように、科学的に真摯であればあるほど「今の所それは証明されていない(ない可能性は否定できない)」レベルでしか批判できず、「効果がある」と断言してくる側に比べて弱腰で疑わしい姿勢に見えてしまうという訳である。


このようにあくまで知る人の間では信頼性が低い、という形で番組の評価はとどまっており、それが故に10年近くもの間この番組は放送を続けていた。



【捏造の発覚と打ち切り】

しかし番組は手を出してはいけない最後のラインをも踏み越えていたことがついに発覚する。


2007年1月7日に放送された「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」という回で、番組はいつものように食べると痩せる食物として納豆を紹介。
これを受けて翌日のスーパーや小売店の売り場からはものの見事に納豆が消え、納豆ダイエットブームに火が付いたかに見えた。


しかし妻が納豆を異様に買い込んでいる姿を見た雑誌「週刊朝日」の記者が疑問と不信を抱き、番組の調査を開始。
その結果もはや演出の域を超え捏造としか思えない箇所がいくつも発見され、スクープ記事の掲載と番組を制作する関西テレビへ行った。
すると関西テレビは1月20日に緊急記者会見を開き、データの捏造が事実だと認めた上で、当時の社長をはじめとする幹部らが謝罪するまでに至ったのである。さらに社内調査の結果、直近2年間の間にデータ捏造を行った放送回が7回も発見された


以下がその捏造の一例である。


  • アメリカでのダイエット研究資料として放送されたダイエット前後の被験者写真がそれぞれ別人だった
  • アメリカの大学教授へのインタビュー映像で、実際の発言と吹き替え(テロップ)の内容が全く異なっていた
  • 実験前後で測定した値にまったく変化が無かったのに、実験後の値を書き換えて降下があるように見せかけていた
  • それどころか、実際は測定も何もしていないのに改善されたと放送したり、架空のグラフを作って量が変化したと表していた事があった

また、捏造ではないものの出版された資料や論文を無断で引用していたという不祥事も発覚。
番組は放送を休止したのちに打ち切りとなり、10年間も続いたお茶の間の番組は無残にも終わりを迎えたのである。


当然番組をネット展開していたフジテレビには大きく批判が向けられた他、関西テレビは民放連から約1年半にもわたる除名処分を受ける事となった。
ちなみに関西テレビと共に共同制作していた日本テレワークに関しては、実は「教えて!ウルトラ実験隊」というこれまた実験絡みの番組で事件のわずか2年前に捏造問題を引き起こしていた過去がある。詳細は上記「打ち切り」の項目を参照の程。


短期間で2度も捏造問題を引き起こしていた原因については、番組制作の予算がいわゆる中抜きによってわずかな金額の下で作るしかない状況であったこと、そして視聴率の為に視聴者の目をひく分かりやすい映像を作らなければならないプレッシャーがあった事が後の局内調査によって明らかになった。



【その後】


あるある大事典の打ち切りという大事件をきっかけとして、いわゆるこの手の科学っぽい生活情報番組に関してはかなり数を減らしていった。
同時期あるいはそれ以前に始まった同系統の番組で20年以上の長寿番組となったのは、NHK「ためしてガッテン」*2と日テレの「所さんの目がテン!」くらいである。
また、放送局の指標が視聴率がコア層視聴率という比較的若い世代に移った事により、成人をターゲット層とするこの手の番組の需要が減った事も恐らく要因の一つだと思われる。


だが、「あるある」で用いられた手法が世の中から無くなった訳では無い。


インターネットが発達した現在は、誰でもかつてのマスコミのようにコンテンツを作り発信できる時代だといえる。
すなわち、個人が「あるある大事典」を作れる時代なのである。
それはあなたがWebやSNS、動画サイトで何気なく楽しんでいるコンテンツ、もしかしたらこのアニヲタWikiの項目なのかもしれない。


そしてインフルエンサーを始めとする、インプレッションを稼ぐことを生業とする人々や、
何気なくバズったらいいなと思って気軽に投稿する一般ユーザーが、
かつての捏造を行ってしまったテレビ業界人と同じ轍を踏まないと、果たして言えるだろうか?




追記・修正は「あるある」にダマされず、「あるある」になり果てないようお願いします。




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*1 一般社団法人 日本食品安全協会 公式サイトの「納豆ダイエット事件で忘れられているもう一つの問題点」より参照。「所さんの目がテン!」のスタッフが放送回をボツにするまでの経緯が示されている。
*2 のちに「ガッテン!」にリニューアルし、2022年に終了。

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