甲子園の奇跡! 見えない悪魔に負けず嫌い(名探偵コナン)

ページ名:甲子園の奇跡_ 見えない悪魔に負けず嫌い(名探偵コナン)

登録日:2017/08/23 (水) 17:21:59
更新日:2024/08/24 Sat 20:31:10NEW!
所要時間:約 19 分で読めます



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甲子園球場…



全国から選ばれし高校球児が…


自らの力と技を競い頂点を目指す最高峰!



そこは、覇者達に女神が微笑む聖地であり…


勝敗を決する残酷な闘技場でもある……



そう…時には魅入られた者を、信じられない運命に誘う…



魔物の棲む甲子園……



『甲子園の奇跡! 見えない悪魔に負けず嫌い』とは『名探偵コナン』において、江戸川コナンと服部平次が解決した事件の名称である。
単行本第43巻と第44巻に収録。テレビアニメでは第383話として2004年12月20日に2時間スペシャルで放送された。
夏の風物詩である全国高等学校野球選手権大会(以下高校野球)を舞台にした難事件。
今回のエピソードには原作者の青山先生の野球漫画『4番サード』の登場人物がゲストキャラクターとして何名か登場。
『4番サード』を読んだ事がある人ならより一層楽しめる作品となっている。


真夏に発生した事件だが、アニメ版は大人の事情でクリスマスシーズンに放送されている。コンセプトは「冬こそ熱いミステリー」。
冒頭ではコナンと平次、そしてサンタのコスプレをした蘭と和葉が登場し、来年でアニメ放送10年目を迎えるにあたりファンに感謝の言葉を言っていた。
また、今回も前回の2時間半スペシャルと同じく、OPとEDの映像がストーリーに合わせた特別仕様となっている。
英語タイトルは「Miracle at Koshien Ball Park! The Defiants Face the Dark Demon」



※以下ネタバレが含まれますので、未読・未視聴の方はご注意ください。



【ストーリー】
前回の事件で和葉との推理勝負に勝った平次。
その結果、平次の希望どおり高校野球決勝戦を観る事となり、コナン、蘭、小五郎は彼の招きで夏の甲子園球場へとやって来た。
決勝戦の対戦カードは去年の大会の覇者である港南高校と春夏連覇を狙う大金高校。奇しくも3大会連続で同じ顔合わせとなった事もあり、今回のOK対決は注目を集めていた。
白熱する試合を楽しむコナン達であったが、そんな中で突如コナンの足元に落ちていた携帯電話が鳴り出す。
平次がその電話に出ると、電話の主と思われる男が楽しいかい?と一言だけ呟き、平次にある“ゲーム”を仕掛けてくる。
ゲームの内容は甲子園球場のどこかに隠してある自分の居場所を示す暗号を示した携帯電話3台を3回・6回・9回それぞれの終了時までにコナン達が探し出すというもの。しかも、それらの携帯電話をコナン達が3コール以内に取れなければ、誰かを道連れにして自殺をするという。
最初は冗談だと思っていた平次だったが、男が平次と一緒に来ていた大滝を刑事と知りながらこのような電話を掛けてきた事と、この電話が冗談ではないという証拠を2回裏終了時に見せると言っていた事が引っ掛かったので、コナンや大滝と共に暗号の解読に乗り出す。
男は最後に甲子園の魔物と名乗り、最初の携帯電話に暗号を送るが、コナン達が男を捜しているうちに2回裏が終了してしまう。
それにも構わず男の捜索を続けるコナン達だったが、それを嘲笑うかのように的禄町にあるビルから火の手が上がっていたのだった……



【事件関係者】


  • 甲子園の魔物*1

CV:荒川太朗
電話で平次に自殺を仄めかすような事を言った後で、暗号解読ゲームを仕掛けてきた男性。
高校野球の最高峰である甲子園を価値なぞ何にも無い馬鹿げた舞台と称して憎んでおり、コナン達が暗号を解く事が出来なかった際には持ち込んだ爆弾で自爆し、甲子園に来ている人々を道連れにして自殺をしようとしている。
電話をした時に平次が半信半疑だったので、自分が本気である証として、2回裏終了時に高野運輸の社屋を爆破して火災を発生させた(たとえ平次が信じても爆破していた可能性はある)。
そこまで甲子園を憎んでいる理由は、とある高校球児の死が関係しているようだが……?


甲子園に強い憎しみを持っている一方で、彼の考えた暗号は後述のように甲子園好きでないと作れないようなものばかりであった。
コナンはこの事から、犯人はきっと心の奥底で「暴走する自分を止めてほしい」と思っていて、そのために自分でも気づかないうちに自分の居場所を示すヒントを出し続けているのだろうと考えている。


アニメ版では、「鳥光精機製作所」という町工場で高校野球の開会式をテレビで観ながら爆弾を作成しているというシーンが追加されている。

  • 長島茂雄(ながしま しげお)

港南高校3年生で、同野球部の主砲で4番サード。『4番サード』の主人公でもある。
選手では唯一木製のバットを使用。決勝戦でも強豪の大金相手に打ったり守ったりの大活躍を見せる。
そして4回裏では稲尾の剛速球を豪快なバッティングで打ち返し、先制ホームランを決める。

  • 稲尾一久(いなお かずひさ)

大金高校3年生で、同野球部のエースであるピッチャー。長島のライバル。
持ち前の剛速球で港南打線を抑え込み、長島相手にも真っ向上部を仕掛ける。
長島にホームランを打たれた後も、ファールフライを大ケガ覚悟でキャッチし、9回表にはランニングホームランで見事逆転した。

  • 鳥光裕(とりみつ ひろし)

CV:千葉進歩
帝都実業高校の学生で同野球部のピッチャーだったサウスポー。故人。
春の選抜1回戦で大金のエース・稲尾と延長18回も投げ合い、惜しくも敗退。
そして今から1ヶ月前、部活の帰りに自転車で車道に飛び出し、高野運輸のトラックに轢かれて死亡してしまった。
目撃証言では最初から彼の乗る自転車はふらついていたそうなので、練習のしすぎでヘトヘトになっていた事が原因で事故が起きたとされている。
彼の父親は事故後に失踪しているらしいが……?


名前の由来は、当時の連載担当だった編集者「鳥光裕」からで、過去のとある事件でも同姓同名の人物が名前だけ登場している。

  • 江夏豊(えなつ ゆたか)

港南高校3年生で、同野球部のマネージャー。『4番サード』のヒロイン。
港南のベンチのシーンになった際に何度か登場している。
どうして男っぽい名前なのかは、『4番サード』を読んでみると分かる。

  • 江夏の父親

喫茶店「景虎」のマスターで江夏の父親。
アルプススタンドで決勝戦を観戦していた。
『4番サード』のキャラクターの中では唯一台詞がある(担当声優は不明)。

  • 和久(わく)

CV:一条和矢
兵庫県警の刑事。
大滝の先輩でもある渋い風貌の男性刑事。
大滝に電話で高野運輸の火災の事を教えた後、東京の警察に配属された同期の刑事を通じて高野運輸が起こした人身事故の事を調べ、その詳細も大滝に伝えた。

  • 沼田(ぬまた)

兵庫県警の刑事。
アニメ版のみ登場する若手刑事で、和久に高野運輸の火事が発生した時刻を教える。



【レギュラー陣】


ご存知主人公。
野球の知識はサッパリなので、両翼*2の意味が分からなかったり、第2の暗号がとある金属の事を示していてもそれが甲子園の何を示すのかがすぐにピンと来なかった。
だが犯人の出す暗号から彼の本心を感じ取ったので、甲子園のスタンドで自爆させないのは勿論の事、彼の命を“救う”為にも諦めずに彼の事を見つけ出そうとする。
アニメ版では甲子園の名前の由来*3を解説している。

ご存知色黒関西弁探偵。
コナンの野球の知識が前述のとおりからっきしだったので、今回は野球に詳しい彼が主体となって暗号の解読に臨んでいる。

ご存知平成のホームズ。
今回は回想でのみの登場。
中学時代のサッカー都大会決勝戦の時に、2点もリードされて絶体絶命となった際、焦るどころか…


これでオレらが勝ったら…


伝説になっちまうぜ…


…と笑っていたらしい。
その後同点に何とか追いつきPK戦に持ち込むも、彼がPKを外した事で結局負けてしまった。
その時の彼の寂しそうな後姿を、今でも蘭は「ちょっとだけカッコよかった」と鮮明に覚えている。

ご存知蘭姉ちゃん。
謎の男の捜索を諦める事なく続けるコナンを見て、ふと前述の新一の面影を感じる。
そして決勝戦で激突する長島と稲尾の姿に、その時の新一を重ね合わせていた。

ご存知迷探偵。
平次に最初の暗号を見せられた際に「812ならアルプススタンド*4だな」と即答し、「812(ハイジ)って言ったらアルプスしかねーじゃねーか」とオヤジギャグをかます(笑)。
しかしこのオヤジギャグが、後にファインプレーを生み出す事に。

ご存知関西娘。
前回の推理勝負で負けた事で宝塚に行けなくなったが、高校野球の決勝戦も割と楽しんでいる様子であった。

大阪府警の警部。
毎年この時期になると休暇を取って準々決勝から高校野球の試合を観戦している。
実は元高校球児で長谷川商業高校の野球部で活躍していたが、地区予選ベスト8で精一杯だったそうなので本戦出場は叶わなかったらしい。
アニメ版では長谷川商業野球部に入部してから彼がキャプテンとなり地区予選で敗退するまでが回想として描かれている。そのシーンでの高校時代の大滝の声は小野坂昌也が担当した。
またアニメ版では原作に先駆けて「大滝悟郎」というフルネームが判明している。



【用語】

  • 港南高校

長島が所属する野球部のある高校。
去年の高校野球で優勝を果たしており、今回の大会でも優勝すると2年連続で優勝となる。
『名探偵コナン』では、沖野ヨーコや比護隆佑の母校としても知られている。

  • 大金高校

稲尾が所属する野球部のある関西の高校。
今年の春の選抜で優勝しているので、夏の大会でも優勝して春夏連覇を狙っている。

  • 帝都実業高校

裕が所属していた野球部のある高校。所在地は恐らく東京都。
春の選抜1回戦で大金と当たり、延長18回*5も投げ合うも惜敗する。
後に『裏切りのステージ』で、とある事件関係者の母校として登場している。

  • 長谷川商業高校

大阪にある高校で、大滝の母校でもある。
大滝は高校の3年間ここの野球部に所属し、甲子園を目指して努力していた。
名前は『鬼平犯科帳』の主人公「長谷川平蔵」から取られていると思われる(大滝の名前の由来が、平蔵の密偵「大滝の五郎蔵」であるため)。

  • 高野運輸

兵庫県西宮市的禄町にある運送会社。
高校野球決勝戦の2回裏が終わった直後に「甲子園の魔物」に社屋を爆破され、それによって社屋は全焼する。
今から1ヶ月前に、東京を走っていた同社のトラックが、ふらついて車道に飛び出した裕を轢いて死なせてしまっている。
今回の事件で社屋が爆破された理由はそれと関係があるのだろうか……?



以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください

























  • 今回の暗号の内容と答え

●第1の暗号


96[7]13


最初の「96」は「両翼96m」を意味しており、これだけで「ポール際の席」である事を示している。
カッコ内の「7」は背番号の事。高校野球の選手の中で「7」をつけているのはレフト(左翼手)しかいないので「レフト側の席」となる。
残りの「13」は「下から13段目の席」の事なので、全てを合わせるとレフトポール際の13段目の席に2番目の携帯電話があるという事になる。


●第2の暗号


47[3]4


最初の「47」は、「銀」の原子番号の事。甲子園で「銀」と言えば「銀傘*6しかないので「銀傘下の席」という事になる。
そしてカッコ内の「3」は、高校野球の選手の背番号ではなく、「野球王」「野球の神様」として知られる伝説のバッター「ベーブ・ルース」の背番号を示していた。
甲子園球場にはべーブ・ルースの没後に製作された記念碑があり、その記念碑は銀傘下バックネット裏のやや左に位置していた。
残りの「4」は最初の暗号どおり座席の段数を示しているので、全て合わせると「銀傘下バックネット裏のやや左の4段目の席」となる。


●第3の暗号


 [ ]13


この暗号だけ席の段数しか書かれていないため、「ノーヒントで暗号を解け」と犯人が言っているものと思われた*7。だが実は、これだけでちゃんと暗号として成立しているのである。
最初の数字が空白だったのは、以前甲子園球場あった「17号門」と「22号門」を示していたから。かつて甲子園球場には1~24の門があったが、「甲子園歴史博物館」と「阪神タイガース史料館*8」を作るためにその2つの門を潰していたのである。
そして背番号を示すカッコ内の数字が空白だったのは、それだけで「永久欠番」を示したかったため。
前述の「阪神タイガース史料館」にはチームの永久欠番が飾られているので、携帯電話があるのはその史料館の上にある座席という事になる。
最後の「13」は今までどおり「13段目の席」の事なので答えは「21号門と23号門の間にある13段目の席」であり、ちょうど和葉が座っている席を指していた。そこで携帯電話を見つければ、コナン達の勝ちで試合終了となる。……はずだった。




試合はまだ終わっちゃいない…


延長戦だ…


●最後の暗号


812[9]49


決勝戦の港南×大金が延長戦に突入した事を理由に、最後の電話を取った平次に対し「甲子園の魔物」は“延長戦”を宣言。
「甲子園の魔物はゲームセット直前に好んで顔を出す」と言って電話を切った後、3番目の携帯電話に新たな暗号をメールで送りつける。
その暗号は上記のようなものであったが、コナンは一瞬で暗号を解いて「もう捜す必要はないみたいだよ」と笑顔を見せた。


ちなみにこの暗号の答えは……ここまでしっかり読んでいれば簡単に解けるので、この下のネタバレを読む前に是非一度考えてみよう(ヒントはこの項目の「レギュラー陣」紹介)。



























そうさ…
お前達がはやし立て、
盛り上げたりしなければ…


甲子園なんてこんな馬鹿げた舞台が存在しなければ…



私の息子は…


裕は…


  • 鳥光行雄(とりみつ ゆきお)

帝都実業高校野球部顧問*9を務めていた男。鳥光裕の父親であり、今回の事件を起こした「甲子園の魔物」の正体。



彼がこの様な事件を起こしたのは息子の裕を交通事故で亡くした恨みを晴らすためである。
“恨み”と言っても、その交通事故が起きたのは練習のしすぎで疲れていた裕が車道に飛び出した事が原因なので、彼を轢いた高野運輸のトラックのせいではなかったが、いくら頭でそう理解しようとしても、最愛の息子である裕を失った悲しみを鎮める事が出来なかった。
誰かのせいにせずにはいられなくなるほど精神的に参っていた行雄はいつしか裕を轢いたトラックの持ち主である高野運輸を逆恨みするようになり、裕がヘトヘトになるまで練習して目指していた高校野球の聖地・甲子園をもプロのスカウトが集まる品評会場などと称して憎悪を抱くようになってしまう。
そして高校野球の決勝戦当日を狙って、手製の爆弾を使って高野運輸の社屋に火を放ち、決勝戦終了と同時に甲子園球場で自爆して裕の元へと向かおうと考えたのだった。


9回裏、大金に1点リードされ、2アウトランナーなしで打席に入った長島。2ストライクで追い込まれた時に、ボールを高く打ち上げてしまう。誰が見てもセンターフライだったので、大金ナインは勝利を確信し、行雄もそれがキャッチされた瞬間に自爆しようと爆破ボタンに指をかける。
だが、そのボールはスコアボードに直撃。ホームランとなった事で試合は2対2の振り出しに戻り延長戦に突入した。
この展開には流石に行雄も動揺したが、コナン達に第3の暗号が解かれると「延長戦」だと言って咄嗟に考えた暗号をメールで送信する。
そしてその暗号の答えである「アルプススタンド」に移動し彼らを待ち構えた。


その頃、試合では大金のキャッチャーが平凡なフライを取り損ねるエラーをしてしまい、大金は10回裏でニ死満塁という大ピンチを迎える。
そして次に稲尾が相手するバッターはこの試合で2回もホームランを打っている長島であった。
このピンチを切り抜けるため稲尾に駆け寄る大金ナインであったが、この事態を作ってしまった大金のキャッチャーはずっと青い顔で俯いていた。
そんな光景を見ていた行雄は「キャッチャーはこの試合の後できっと他のナインから恨みを買い、敗戦のA級戦犯として汚名を着せられる事になる」と嘲笑する。
だが、稲尾は落ち込んでいるキャッチャーの頭を軽くはたいて励まし、彼を送り出した後で笑顔まで見せる*10。それを見ていた大金ナインも笑顔で各ポジションへと散らばっていった。


この予想外の光景を目の当たりにした行雄は「なぜこの局面で笑っていられるんだ?」と驚愕。そこに野球は9人おらんと出来んからやと、最後の暗号を解いてやってきた平次が登場する。
平次は「あのピッチャー(稲尾)はきっと、自分やチーム、そしてエラーをしたキャッチャーのためにも、絶対にあの強打者(長島)を抑えようと思うてる」と続けるが、「あの4番(長島)も走者を返したろうと必死で食らいついてるから、どっちが勝つか分からんけどな」とも言う。
その言葉が信じられなかった行雄は「無理して大ケガしたら一生を棒に振るかもしれないんだぞ?」と反論し、「こんなプロの品評会に何があるっていうんだ!?」と取り乱す。
そこに上の段から大滝が登場し、その問いにこう答えた。


確かに甲子園で目立って、
プロに行ったろ思てる子ォはぎょーさんいてるやろけど…


そら試合前までの事…



いっぺんグラウンドに足踏み入れたら、
あの子ォらにとってここは品評会なんかとちゃう!



勝つか…


負けるかの…



戦場や!!!


そう、この甲子園に足を踏み入れた球児達は皆、損得勘定抜きでただひたすら試合を勝ち抜き、その先にある優勝を目指しているだけなのだ。
そのような事を話していた頃、2ストライクまで追いつめられた長島はボールを打ち損ねてしまい、そのボールを先ほどのキャッチャーが見事取った事でこの回は三者残塁無得点で終わった。
そして両チームの選手は皆笑顔でベンチへと戻っていき、港南は次の守備に、大金は次の攻撃に備えた。


大滝の言葉と、真っ向勝負でぶつかり合う長島と稲尾のプレーを見た事で行雄はようやく目を覚まし、抵抗する事無くその場で座り込んで素直に罪を認める。そして憑き物が落ちたような表情となって「結局爆破ボタンは押させてくれなかったな。お前らも、あの両チームも」と呟いた。その言葉にコナンは笑顔でこう返すのだった。


当たり前だよ…


ここは日本一負けず嫌いが集まる場所だからね!!


その後、微かに笑みを見せた行雄は大人しく大滝に逮捕され、彼が呼んだ警官に連れられ兵庫県警へと出頭した。


ちなみに行雄が最後に考えた暗号は咄嗟に考えただけあって自分でも「ふざけた暗号」だと思っていたらしく、時間内に解けるかどうかも怪しい代物だったらしい。
そんな暗号をコナンは咄嗟に解いたわけだが、その理由は……?

  • 毛利小五郎

今回の暗号解読における影の功労者。
最初の暗号を見た時に彼が言っていた「オヤジギャグ」が偶然にも最後の暗号の答え「アルプススタンド」と同じになっていた。
そのため、最後の暗号を見たコナンは瞬時にそれを解く事が出来たのである。


ちなみにその小五郎はというと、事件の解決後も(事件があった事すら知らずに)高校野球の決勝戦を呑気に観戦していた。
その際にクシャミをして蘭に「カゼでもひいたの?」と心配されると「カゼなんか引くか!ここは外野席でアルプスじゃねーんだから」と再びオヤジギャグをかまし、周囲がアルプス並みに冷え切る中で1人高笑いをしたのだった(笑)。



【余談】
実在する場所を舞台にした事件だったためかテレビアニメ版では放送終了時に「この事件はフィクションです。実在の人物・団体などは関係ありません」というテロップが流れた。
このようなテロップが流れるのはとても珍しく、今回以外だと後に放送される『消えた1ページ』ぐらいでしかない(劇場版を含めるともう少し数が増える)。


全国から出場している高校名は架空の高校であるが、その内、大分県代表で出場していた「明報(めいほう)高校」は、漢字一文字違いで「明豊高校」が実在している。


同じくアニメ版では高校野球の応援歌として『名探偵コナン』のBGMをアレンジしたものが使用されている。
その中でも「名探偵コナン メイン・テーマ」をアレンジしたものは、実際の高校野球でも応援歌として使われている事がある。



追記・修正は高校野球を観戦しながらお願いします。


  • ページ制作乙。まさか小五郎の親父ギャグが最後の最後で役に立とうとは・・・。 -- 名無しさん (2017-08-23 18:25:38)
  • 東海大菅生でコナンのテーマが応援に使われてたからページ作成時期がタイムリーだな。そういや爆破予告も現実であったんだっけ(中京大中京に爆破予告で男逮捕) -- 名無しさん (2017-08-23 22:02:58)
  • ↑作られたのが甲子園決勝戦の日ですもんね -- 名無しさん (2017-08-25 19:00:20)
  • 犯人見つけたときの平次の台詞間違えてない?「エラーしたキャッチャー」のような -- 名無しさん (2017-08-25 23:39:45)
  • 結局港南対大金はどっちが勝ったんだろう? -- 名無しさん (2017-08-31 17:47:24)
  • ↑やっぱり主人公がいる港南かなあ。話の展開的には大金に勝ってほしいけど -- 名無しさん (2017-10-01 09:51:43)
  • 十四松「え!?やきう!?」 -- 名無しさん (2018-03-16 06:20:01)
  • ↑3 -- 名無しさん (2018-08-21 17:49:41)
  • ↑4 間違えて送信しちまった。延長15回引き分け再試合じゃね? -- 名無しさん (2018-08-21 17:51:09)
  • 桑田怜恩「野球ってオレの出番つーけど、夏の甲子園に出たことは黒歴史だから出てくねーけど・・・やっぱ出てみてーっす・・・」 -- 名無しさん (2018-10-05 13:45:34)
  • 和葉と蘭ちゃんのサンタコス、夏服・・・かわいかった・・・・そして、今回の暗号、野球関連に詳しいヒトじゃないと-分からない位、難しかった・・・。 -- 名無しさん (2018-10-05 18:06:16)
  • 大分代表の高校って「めいほう」って言ってなかった? -- 名無しさん (2019-05-08 01:42:00)
  • 冬になっちゃった理由は和葉役の宮村さんの出産(産休)が原因だったと思う。おめでたいことだから仕方ないね -- 名無しさん (2021-04-26 13:36:18)

#comment(striction)

*1 高校野球の舞台では予測不能な事態が起きやすい。それらの事が起きた際にはよく「甲子園の魔物の仕業」などと言われている。
*2 ホームベースからポールまでの距離の事。
*3 甲子園球場が出来た年が、甲(きのえ)と十二支の子(ねずみ)が出会う年であった事から。
*4 内野スタンドと外野スタンドの間に位置する観客席の事。なぜ「アルプススタンド」と呼ばれているかは諸説あるので割愛。
*5 2018年現在はタイブレーク方式の延長回数制限になっているなお決勝戦は15回打ち切りでタイブレーク方式は使わない
*6 *6 甲子園球場の内野席全体を覆う屋根の事。ちなみに連載当時の材質はアルミニウム合金で、現在はガルバリウム鋼板製となっている。
*7 その理由について大滝は「3番目の携帯を見つけたときに平次が怒鳴りつけたことに腹を立てたのでは」と考えたが、平次は「あの程度でキレるならとっくに爆弾を起動して自殺しているはず」と否定した。
*8 アニメ版ではタイガースの名前が伏せられている。
*9 アニメ版を考慮すると、本業は「鳥光精機製作所」の所長の可能性がある。
*10 ちなみに『4番サード』の頃の稲尾は、自分の実力に絶対の自信を持つ協調性のない人物であった。

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