登録日:2012/01/31 Tue 05:51:49
更新日:2023/08/10 Thu 14:31:22NEW!
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ゲーム会社 デコ データイースト 会社 企業 東京都 杉並区 変態企業 ファイターズヒストリー 溝口誠 現実の企業 deco しいたけ チェルノブ事件 3時間倒産事件 ピンボール デコピン 赤城山ミサイル 販売元がナムコ多し デコゲー トリオ・ザ・パンチ カルノフ チェルノブ ヘンなゲームなら任せとけ!←実は真剣 メタルマックス 空手道 神宮寺三郎 株式会社 かつて存在したゲームソフトメーカー
桝田「ヘンなゲームなら任せておけ!」
社員「この我々のゲームがヘンだとォ?」
データイーストとは、1976年から2003年まで実在したゲームメーカー。
社名は「データウェスト社(同名国内メーカーではない)のような企業を目指す」と言うことに由来している。
本社の所在地は東京都杉並区。
英字表記のData East Corporationからファンに「DECO」或いは「デコ」と親しまれている。
元々はアーケード製品の部品下請けなどを行っていたが、76年のスーパーブレイクからゲーム市場の展開を始める。
また、アーケード機での初のカセット差し替え型基板を開発したのはこのメーカー。
後のMVS(NEOGEO)等がこの影響を受けている。
また、86年にはアメリカでデジタルピンボール事業を展開し、
紆余曲折を経て現在のスターン・ピンボール社の基盤となっている。
…これだけ書けば至って普通の企業じゃんと思うだろうがデコは違う、違うのだ。
●デコゲー
大体展開するゲームがやたら「ヘン」なことが最大の特徴。
一例として、
- アクションゲームの重力法則がやたらふんわり。(デコジャンプとも)
- 助ける対象はお姫様ではなく大統領。
- アメリカ大好き。
- チェルノブイリネタ。詳しくは後述。
- ミッドナイトレジスタンスのOPで「妹たちよ」のテロップの直後に白目剥いた濃い野郎2人のアップ。
- 中年デブの「カルノフ」が看板キャラ。(名称は社長命令らしいが、とあるゲームライターによる真偽不明の記事があるのみ)
- ゲームバランスは大味気味。当社のアーケードゲームの9割に永久パターン、カウンターストップがあり、スコアラーからは「開放台」などと揶揄されることも。
全国○○名の皆様だぜヒャッハー! - ギャルゲーを作ったらヒロインが無残な姿で死にまくる
- ゲーム内テキストのフォントが何故か勘亭流*1
…等など。
キャッチコピーや台詞もやたらインパクトが強いものも多く、
- さあ牛だ(空手道)
- アツクテシヌゼ(ならず者部隊ブラッディウルフ)
- いきなりクライマックス(エドワード・ランディ)
- 我前に敵は無し(チェルノブ)
- 竜退治はもう飽きた(メタルマックス)
- 艶姿三強男之勝負拳(トリオ・ザ・パンチ)
- このゲームには2196のフェイタリティがあるよ!(タトゥー・アサシン)*2
と、こんな具合。
項目冒頭での「ヘンなゲームは~」は当時広告マンの桝田省治が考えたものだが、社員はこのコピーに対して憤慨していた。
至って真面目にゲームを作っているのは解るが、出来上がった代物が「ヘン」なことに気付いていなかった。
こうしてヘンなゲーム、所謂「デコゲー」を大量に排出したのは上層部のチェックが殆ど無しで企画が通っていた為らしい。チェックしろよ!
時々思い出したかのように「空牙シリーズ」の様な硬派作品も出していたが。
●ヘンな方針
ゲームショーではスーパー戦隊シリーズのパロディ「販促戦隊デコレンジャー」という、ろくすっぽ販促しないヒーローショーを披露。
が、これは100万単位の金がほぼノーチェックで動いた上に「社長、またやってしまいました」と事後承諾。
その社長も「ワシも出たい」と発言。
…この会社よく30年近く持ったな。
あまりに有名なのが末期のしいたけ事業をはじめとした多角経営。
ドコモ向け衛星受信アダプタ・心電図・マイナスイオン清浄機・ガスマスク等、ゲーム企業と思えない方向に突っ走っていた。
●アーケード事業撤退
90年代に入ってもウルフファング・マジカルドロップなどの良作を展開していたものの、
格ゲーブームに押されて隠れてしまったことやSTGの衰退などによりアーケード市場で苦戦。
社運をかけて発売したザ・グレイト・ラグタイムショーも結果的に惨敗。
その後はファイターズヒストリー等で好評を博すも、会社の運営方針にゴタゴタがあったらしく、稼働すらしなかったタトゥー・アサシンなど結局覆せず98年にアーケード事業から撤退し、コンシューマー一本化に至る*3。
コンシューマーでは神宮司三郎シリーズや慟哭等で高い評価を受けている。
ただ、当時のコンシューマー作は下請けが忠実移植のしなさに定評のあるXING作や、ファンから不評なPS版蒼穹愚連隊等も…。
メタルマックスが何度も企画ポシャったり、野島一成の移籍により5作目が実現できなくなったヘラクレスの栄光の件も大きいか。
そして2000年からコンシューマー市場も事実上撤退状態に陥る。
●そして倒産へ…
そうして2003年、上記のしいたけを筆頭とした数々の多角経営も功を成さず、破産申告を申し出て正式に倒産してしまった。
…ちなみに倒産はこれで2回目。
1999年にも1度倒産したのだが、その後3時間で資金の目処が付き和議申請が通った。(3時間倒産事件)
前述の経営方針転換、多角経営化はこの後から。
しいたけだのマイナスイオン清浄機だのガスマスクだの抱えて最期まで突っ走ってしまった辺りもデコだった。
●その後
その後のデコ作品の版権はG-modeやパオン・ディーピー、D4エンタープライズ等に分かれた形で保有されている。
メタルマックスはデコ子会社の新宿エクスプレスに譲渡→その後長いこと手放せず、2009年にエンターブレイン→2016年には角川ゲームズに移譲。
この為ファンからは恨まれがちだが、元々新宿エクスプレスはデコ版権管理の会社であり、
このシリーズ自体外注だったことや製作元のクレアテック(今は解体)の企業体力に起因していたこともある。
別に両社にわだかまりや誤解があったわけではない。
ちなみに神宮寺三郎シリーズは倒産前からワークジャムに権利譲渡していた(その後、アークシステムワークスに権利が譲渡された。)
尚、デコ社員が興した企業はアイディアファ
亡きテクノスジャパンもデコ元専務のくにおくんが独立して興した会社。
●ゲーマデリック
デコ作品と切っても切り離せないのが音楽制作チームゲーマデリック。
名称は「「ゲーム」を「デリシャス」にしよう」ということから。
他社で言えばセガのS.S.T・タイトーのZUNTATA・コナミの矩形波倶楽部・SNKの新世界楽曲雑技団等に相当する。
デコがアレだからかコミックバンドとしてのカラーが強いが、
ハードロックからジャズ、ラップ等多種多様な楽曲を作り上げゲームを盛り上げるのに一役買っている。
空牙ではディストーションギターのサンプリングに拘りすぎて曲数がやたら減ったと言う逸話がある。
2001年に解散したが根強いファンは多く、2007年にベストアルバムが発売されている。
現在でも第一線で活躍している酒井省吾氏はキーボード担当だった。
●事件
◆チェルノブ
代表作の一つチェルノブは、「被爆した炭鉱夫が主人公」「戦う人間発電所」「タイトル」「EDが自由の女神顔面爆破」等を理由に、
チェルノブイリ原発事件を茶化していると朝日新聞から見事に突き上げを食らった。そりゃ食らうよな。
TV番組におけるデコ側の釈明は「チェルノブと同社作品のカルノフは従兄弟であり、事故とは無関係」とシラを切った。
また、記者にもこの説明を行い、記事にするのを諦めさせた。
◆カプコンとの裁判対決
格ゲーブームの頃にカプコンから「ファイターズヒストリーはストリートファイターⅡの盗作」として販売停止を求められたが、
デコ側は「対戦格ゲーの原点は当社の対戦空手道であり、ストリートファイターこそパクりだ」と主張。
裁判沙汰になるが、和解に至った。
尚、この時期のカプコンはデコのみではなく他社格ゲー作品にも同様の主張をしていた。
◎代表作一例
●アーケード作品
◆B-WING
◆ダーウィンシリーズ(同じく進化システムを持つアクトフェンサーが含まれる場合もある)
- ダーウィン4078
- スーパーリアルダーウィン(SRD)
◆空牙シリーズ
- 空牙
- ウルフファング空牙2001
- スカルファング 空牙外伝
◆ザ・グレイト・ラグタイムショー
◆デコ三大奇ゲー
◆キャプテンシルバー
◆戦え原始人 JOE&MAC
- JOE&MACリターンズ(固定画面アクションになった続編)
◆サイコニクスオスカー
◆ならず者戦闘部隊ブラッディウルフ
- サンダーゾーン(ブラッディウルフの2人がプレイヤーキャラとして登場している)
- ガンハード(ストーリー上ではブラッディウルフとサンダーゾーンの後の話が舞台)
◆ミッドナイトレジスタンス
◆エドワード・ランディ
◆ダークシールシリーズ
- ダークシール
- ダークシール2
◆空手道シリーズ(テクノスジャパン製作)
- 空手道
- 対戦空手道 美少女青春編
◆ファイティングファンタジーシリーズ
- ファイティングファンタジー
- デスブレイド
◆ナイトスラッシャーズ
◆ファイターズヒストリーシリーズ
◆水滸演武
◆バーガータイム
- Peter Pepper's IceCream Factory(バーガータイムの主人公によるスピンオフ作品)
- スーパーバーガータイム
◆タトゥー・アサシン(稼働中止)
◆マジカルドロップ
◆レーザーディスクゲーム作品
- 幻魔大戦
- 幻魔タロット
- サンダーストーム
- ロードブラスター
- キャッシングストーン(未発売 後にメガLD、3DO、セガサターンなどに移植)
●コンシューマー作品
◆METAL MAXシリーズ(クレアテック製作)
◆ヘラクレスの栄光シリーズ
◆探偵神宮寺三郎シリーズ
◆大怪獣デブラス
◆超人狼戦記ウォーウルフ(タカラ発売)
◆慟哭シリーズ
- 慟哭 そして…
- Revive 蘇生
デコ社員「我々の追記・修正の何処が変なのか!?」
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▷ コメント欄
- アナザー・メモリーズ入ってない…… -- 名無しさん (2013-08-09 17:44:46)
- しいたけ栽培は案外うまく行ってたってのがちょっと笑える -- 名無しさん (2014-02-15 20:57:11)
- 慟哭はクリアした後から設定を知ってタイトルの秀逸さに唸った。主人公じゃなく黒幕視点ときたか。 -- 名無しさん (2014-02-15 21:44:36)
- ヘラクレスの栄光は1~2まではぼろくそにこき下ろされていたけれど3はどえらく評価されていた記憶が有る。 -- 名無しさん (2014-02-15 22:08:40)
- メタルマックス1・2は名作だった。 -- 名無しさん (2014-11-22 23:06:05)
- 慟哭はその後、ハーヴェストでエロゲ化されていた -- 名無しさん (2014-11-23 08:12:16)
- ………あれ、シャドウランは? -- 名無しさん (2016-09-09 14:15:48)
- アーケードならブレイウッドという隠れた名作があるんだがな -- 名無しさん (2020-04-28 14:22:03)
- ダーウィン4078もかなりの奇ゲー。面白いけどね -- 名無しさん (2020-04-29 14:33:21)
- 奇抜なゲーム多いけどかっこいいもの作った時は本当にかっこいい辺りが好き。SFC版シャドウランのローカライズやってるって後になって知った時はびっくりした… -- 名無しさん (2021-11-11 23:19:29)
- 散々ここのバカゲーを見てきた身としては神宮寺作ったのがこことか信じられん -- 名無しさん (2022-09-10 15:16:38)
- ↑バカゲーメーカーではあってもクソゲーメーカーではないからね。開発チーム毎の色とかもあるだろうし -- 名無しさん (2022-09-10 15:20:43)
- ↑2 他のデコゲーより目立ってないだけで一作目とか色々アレだったし… -- 名無しさん (2023-05-31 11:33:08)
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*2 ちなみに日本はおろか海外でも正式にはリリースされなかった。
*3 この頃から外注開発も手掛けるようになる。セガの『ウィンターヒート』はAC/SS版の両方に関わり、『ソンビリベンジ』ではDC移植版を担当している。
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