登録日:2012/06/05 Tue 13:41:27
更新日:2023/12/08 Fri 11:26:44NEW!
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数あるジオン公国軍艦艇の中でも、ザビ家の象徴とも言うべきグワジン級大型戦艦は特別な意味を持っていた。
ジオンは一年戦争で敗れたものの、その残党の多くは再び地球連邦に牙を剥き、その求心力としてグワジンの流れを汲む旗艦級戦艦を建造した。
本項目では、そんなグワジン級の後継として建造された艦艇について解説する。
▽目次
グワダン級超大型戦艦
Gwadan-class Battle Ship
所属:アクシズ(ネオ・ジオン)
《武装》
連装メガ粒子主砲 ×2基
連装メガ粒子副砲 ×10基
単装メガ粒子砲 ×4門
対空機銃 ×多数
《主な搭乗者》
ハマーン・カーン
ミネバ・ラオ・ザビ
トリッパー(艦長)
アクシズ艦隊の総旗艦として建造されたグワジン級の発展型。
総旗艦であり、一隻の艦にモビルスーツ(以下MS)運用能力、攻防力、アステロイド・ベルトと地球を往還できる巡航能力の全てを詰め込んだため、かなりデかい。
全長は設定されていないが、設定画には「ドゴス・ギアの1.5倍のサイズ」と記載されており、劇中の描写では500~600m級のドゴス・ギア級大型戦艦と並ぶシーンで約2倍程度の大きさに描写されている。
これらの情報から推察するに800m〜1000mくらいが妥当であると思われる。でけぇ。
ただ、『機動戦士ムーンガンダム』の解説によれば600m級らしい。劇中のイメージより明らかに小さいが、アニメなんてそんなもんである。
これぞまさしく、ドロス級空母やグワジン級大型戦艦を建造したジオンに相応しい威様だろう。
特にMS運用に関しては、一説によればガザCを100機ほど積めたというのだから驚きである。
上甲板に備えた2基のカタパルトデッキの他、特徴的なカタパルトとして船体下部には「MSランチャー」と呼ばれる可動式カタパルトがあり、前方270度まで任意の方向に射出することができるなど、
単純な搭載数だけでなく運用の利便性も他の勢力の母艦・旗艦クラスの追随を許さない。
また、対艦砲撃戦より母艦機能を優先しているためか、一般的な戦艦と比べると大口径のメガ粒子砲をまばらにしか搭載していないが
それでも巨体であるため連装主砲2基と連装副砲10基を備えた火力は十分高く、対空迎撃能力も高い。
火力以外はあの化け物艦ドゴス・ギアさえ上回り、あらゆる面でグリプス戦役だけでなく宇宙世紀屈指の性能を誇っていたと言える。
同型艦
ネームシップ以外に2〜3隻が建造されている。
- グワダン
1番艦。初代アクシズの総旗艦を務めた。
ハマーン・カーンやミネバ・ラオ・ザビも乗艦するために謁見の間が設けられており、非常にゴージャス。
グリプス戦役終盤では政治上の駆け引きや作戦の要となった。
しかしクルーのほとんどがアクシズで育った素人同然の新兵であり、実力を出し切れたとは言い難い。
事実、ハマーンは思ったように動かないグワダンには歯痒そうにしていた。
一度ジェリド・メサに沈められそうになっても何とか生き残ったが、パプテマス・シロッコとジャミトフ・ハイマンとの交渉が決裂した際にとうとう撃沈された。
しかし第49話では作画を使い回した都合で一時的に復活。キュベレイやガザCの大部隊を展開した。
当然、ただ作画を使い回しただけなのでその後は登場しなかった。
おそらく下記のグワレイ他同型艦に移乗していたのだろう。
- グワレイ
かつてギレン・ザビの幕僚だったネオ・ジオン艦隊司令・トワニング提督の座乗艦。
ペズンの反乱の際、月面のエアーズ市でほぼ壊滅したニューディサイズ(ティターンズ系列の教導団。連邦のエゥーゴ傾斜に反発した組織で、本来ネオ・ジオンにとっては敵に近い)の生き残りを回収した。
時間稼ぎのために艦載機でアーガマ級ペガサスⅢを挑発したが、アクシズが宣戦布告前だったので早々に撤退。
ニューディサイズとの別れ際、彼らに大型MAゾディ・アックを押し付け……もとい譲渡した。
ペズンの反乱事件以降の動向は不明。
主な艦載機はガザCとガザE。
- イン・エクセス
ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還』に登場。
旧ネオ・ジオンの残存艦隊を率いていた。
- レガシィ旗艦
漫画『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』に登場。
フロンタル死後に、かつてハマーンの懐刀と呼ばれた将校であるライン・ドラグンが10年かけて再編したネオ・ジオン残党『レガシィ』が運用する旗艦。
今のところ固有名は不明。
- グワラン・フォートレス
ジョーク企画『機動戦士Oガンダム』に登場。
カーンジュニア率いるスーパー・ジオンの旗艦とされる。
グワンバン級大型戦艦
Gwanvan-class Battle Ship
所属:アクシズ(ネオ・ジオン)
全長:415m
MS搭載数:18機
《武装》
メガ粒子主砲 ×3基
単装メガ粒子副砲 ×6基
グワダン同様、アクシズが開発した戦艦。
建造時期には諸説あるが、宇宙世紀0083年のデラーズ紛争終盤でその姿が確認されており、グワダンより早く建造されたと見る向きが一般的。
グワダンどころか原型のグワジン(グワデン)よりも小型だが、アクシズ独自の最新技術によって次世代の艦に匹敵する性能を誇る。
各部の単装砲は副砲で、3基あるはずの主砲が見当たらないが、両舷と上甲板にあるシャッタードームは格納式のメガ粒子砲だという説がある。
建造時期的にペガサス級に影響を受けたのだろうか?
全体的な性能はグワダンに劣るものの、MSデッキはノイエ・ジールやクィン・マンサクラスの大型機を収納・整備できるほどのスペースがあり、他の艦には無い強みがあると言える。
なお、艦橋部はコムサイとして機能するが、シリーズを通して一度も使われたことはない。
同型艦
- グワンバン
グワダンが沈んだ後、サダラーンが完成するまで代理の旗艦を務めた。
後にグレミー・トトが反乱を起こした時にグレミー軍の旗艦となった。
劇中で沈むシーンは無いが、その後の動向は不明。
- グワンザン
『0083』に登場したアクシズ先遣艦隊の旗艦。
艦隊司令ユーリー・ハスラー少将が乗艦していた。
当時のアクシズは連邦との交戦意思がなかったのでガトーへのノイエ・ジールの引き渡しとデラーズ・フリートの敗残兵の回収を行うと地球圏を去った。
- グランバン
小説版ΖΖガンダムに登場。
サダラーン級機動戦艦
Sadalahn-class Mobile Battle Ship
所属:ネオ・ジオン
ジオンマーズ
《武装》
大型メガ粒子砲 ×2基
連装メガ粒子主砲 ×6基
対艦大型ミサイルランチャー ×6門
VLS
単装対空レーザー砲 ×33基
グワダン、グワンバンに続くネオ・ジオンの総旗艦。武装を中心に性能はかなり上昇している。
グワンバンよりも更に小型…ということになっているが、コンピューターの画像ではエンドラ級(410m)の2倍ほどもある。
最終回でもネェル・アーガマ(380m)やサラミス改(228m)と並ぶシーンを比べてもかなり大きいことがわかる。
武装は連装メガ粒子主砲を6基、艦首下部の対艦ミサイルランチャーが6門、各部の単装式対空レーザー砲が33基とかなりの重武装。
更に主砲とは別に両舷のブロックにはシャッタードーム式の大型メガ粒子砲*1があり、設定画には記されていないが少なくとも16セルのVLSも備えている。
サダラーンの特徴として、それまでの旗艦には無い大気圏往還能力とミノフスキークラフトが装備されている点が挙げられる。
再突入はザンジバルのようなリフティングボディによるものではなく、アーガマのようにバリュートで行われ、降下後はそのままミノフスキー・クラフトによって飛行を可能であった。
意図した訳ではないだろうが、再突入実験に失敗したグワジンのリベンジは果たされたと言える。
しかしサダラーンは縦にも横にも大きいので、船体をバリュートに収まる為の収容機構が設けられた。
艦首下部には大型のコムサイを搭載しているものの、サダラーン自体に大気圏再突入能力があるため使用されたことは無く、いざという時の脱出艇として残されていたようだ。
逆に大気圏離脱行う様子は描写されなかったので、どのようにして宇宙に上がるのかは不明。
ペガサス級のようにミノフスキー・クラフトで宇宙まで浮いて行くのかもしれないが、わざわざキリマンジャロ基地を占拠していたことを考えるとブースターで打ち上げるのかもしれない。
なお、艦最上部にあるのはダミーのサブブリッジで、本物のメインブリッジはMSデッキの上にある。
同型艦
- サダラーン
先述の通り、ネオ・ジオンの新たな総旗艦。
ハマーンやミネバなど、ネオ・ジオンの中心人物が搭乗している。
地球降下後はダカールを占拠、ネオ・ジオンの勢力拡大に貢献する。
地球での作戦終了後はハマーンに遅れてコア3に帰還。グレミー派の反乱に際してはハマーン派の旗艦となった。
- ミダラーン
2番艦。漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場。
火星でシノギを削るジオンマーズ(火星独立ジオン軍)の旗艦。
サダラーンをベースにグワジン、グワダン、グワンバンを組み合わせたような形状をしたグワジン系の総決算のような艦。
ネオ・ジオンの地球侵攻に呼応して後にジオンマーズの総司令となるアウトロー・チェスターの息子、チェスターJr.を総司令官として地球圏に赴くが、到着した頃には既にネオ・ジオンがハマーン派とグレミー派に分裂してしまっており、どちらにも属さなかった派閥を糾合して火星に帰還した。
だが帰ってみれば火星は敵対しているレジオンに制圧されており、艦隊を率いて降下を強行するものの監視衛星エレノアの砲撃で半壊、そのまま大気圏で燃え尽きた。
- サザダーン
ゲームブック『機動戦士ガンダムΖΖ ヘルメス夢幻』で初登場。
後に『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』にもネオ・ジオンの残存艦として登場。
U.C.0089年にサイド2のコロニー・オリンポス近辺でエゥーゴと交戦中に突如現れたMS・オーヴェロンに艦橋を真っ二つにされ、撃沈。
- ファドラーン
漫画版『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場。
兵装の全てがサイコミュ制御という異色の艦で、「12人の人工ニュータイプの制御によって砲塔・機銃を射出してオールレンジで自己防御を行い、その分護衛機を攻撃に回す」という高性能化していくMSに攻撃を任せて艦艇は防御に徹するという思想の下でグリプス戦役以前からグレミー・トトの下で研究・建造が進められていた。
武装はファンネルのように射出可能な機動砲塔と銃座、ゲーマルクのマザー・ファンネル、リフレクター・インコム、大型メガ粒子砲など。
漫画版に登場しないアハヴァ・アジールの代わりにアクシズ内に艦首が未完成のまま放置されており、ガンダム・トリスタン〈フェイルノート〉と交戦する。
他にも地球降下作戦の先遣部隊や、ヴァルプルギスのネオ・ジオン残党が(サザダーン以外にも)運用していた。
グワーシャ級大型宇宙戦艦
所属:ネオ・ジオン → ネオ・ジオン残党ザビ派
全長:約600m
《武装》
連装超大型メガ粒子砲 ×2基
連装大型メガ粒子砲 ×2基
連装中型メガ粒子砲 ×2基
連装機銃 ×18基
『機動戦士ムーンガンダム』に登場。
リュース・クランゲル少佐率いるネオ・ジオン残党ザビ派(過激派)の旗艦。
ネオ・ジオンの象徴となる艦には既にサダラーン級が就役していたが、こちらはジオンの名家クランゲル家の財力によって独自に建造されたもの。
アクシズ造船所が完工・引き渡しした最後期の大型戦艦で、初陣となった第二次ネオ・ジオン抗争末期のコア3沖海戦以来行方を眩ませていたが、U.C.0092年の事件の際にミネバ・ザビ奪還の為に投入された。
グワジンタイプの中では新機軸であったサダラーンとは違ってグワーシャはグワダン・グワンバンの流れを受け継いだ艦として、艦底部のMSランチャーやカタパルトの配置等の外観はグワダンによく似ている。
そして、最も目を引くのがその純白の船体。
グワジンの流れを汲む艦としては異質だが、白鳥のような優雅さである。
艦首部はコムサイに相当する「コグワーシャ」となっており、脱出艇及び大気圏突入カプセルとして機能、ペイロードもMS2個小隊分とこの手のものとしてはなかなか多機能。
デザインは形部一平氏。やはり白鳥がモチーフである。
レウルーラ級大型戦艦
Rewloola-class Battle Ship
所属:新生ネオ・ジオン
袖付き
全長:250m(異説あり)
《武装》
連装メガ粒子主砲 5基
連装メガ粒子副砲 2基
三連装対空機関砲 20基
艦首対艦ミサイルランチャー 10門
上甲板ミサイルランチャー 2基
ブリッジミサイル 8門
側方ミサイル発射管 6門
シャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオンの総旗艦。
デザインは庵野秀明氏。
グワジンの直系にしてはかなりの小型艦(どう見てもそうは見えないが)で大気圏内での運用もできないが、
MS搭載数や火力は第二次ネオ・ジオン抗争時では最大であり、やはりグワジンの系譜であることを思い出させてくれる。
なお、あるイベントのパネルでは350mと表記された時期もあったが、その後『機動戦士ガンダムUC』に登場した時には250mに戻っていた。
総旗艦なのでシャアの個室やリビングルームなどが設けられ、内装は非常に豪華。
この内装の派手さやリビングルームの豊かさ、大型MSのサザビーを含めて多数のMSを運用できたこと、曳航するα・アジールとの比較
(頭部パーツを畳み、増槽タンクを搭載しない状態のαに対して、レウルーラは七倍強ある。この畳んだ状態のαを仮に50m*2と仮定すると、400m弱になる)
を考えると、やはり250mということはなさそうであるが……
艤装面では、左右はもとより上下も対象に近いという、これまた独特なデザインをしている。
矢じりのような姿も合わせて、あまりグワジンらしくはない。
カタパルトの先端がスキージャンプ式カタパルトのようにやや反り返っているのも珍しい点。
武装面では、上下左右の連装メガ粒子砲が無駄なく正面を向くように備えられていたり、各部ミサイルランチャーが多かったり、対空機銃が隙なく配備されていたりと、火力面ではたいへん洗練されている。
MS搭載数は不明だが、『UC』での描写から上下の格納庫を合わせて14機程と見られ、サザビーが直立出来たり、途中までネオ・ジオングの組み立てが出来る程度には広いようだ。
U.C.0090年代初頭には完成しており、アラハス事件などを起こして連邦の注意をシャアから逸らす陽動の役割を果たしていた。
第二次ネオ・ジオン抗争ではシャアやナナイなど新生ネオ・ジオンの中心人物を乗せてルナツー奇襲や決戦に参加。
シャアの反乱が失敗に終わった後は資源衛星パラオに逃れ、『袖付き』が立ち上げられた際に改めて旗艦として運用されている。
最期はラプラスの箱をめぐる騒動の中の最終局面において、密かに修復されていたコロニーレーザー『グリプス2』の直撃を受け、何を為すこともなくあっさりと消滅してしまった。
任務や状況による配置転換が多いために艦長及びクルーは登場する度に異なり、アラハス事件時は旧ネオ・ジオンから参加したイリア・パゾム中佐*3、第二次ネオ・ジオン抗争時はライル中佐*4、ラプラス戦争時はヒル・ドーソン大佐*5が務めた。
追記・修正は艦隊司令の方にのみお願いします。
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▷ コメント欄
- シャアの反乱時に乗っていたライル艦長やナナイさんとかはどうしたんだろうな。ナナイさんはシャアに振られた&行方不明になったことで傷心してネオ・ジオンから抜けたんだろうけど、ライルさんも「シャアがいないネオ・ジオンなど無意味」とネオ・ジオンをやめたんだろうか? -- 名無しさん (2020-06-24 12:15:47)
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*2 α・アジールは頭頂高58.4m、全長108.26m(増槽込み)とされる。「頭頂高」というのが頭を指すのかヘッドカバーを含むのか不明だが、ヘッドカバーを降ろした状態のサイズはやはり50~60mぐらいと思われる。
*3 アラハス事件後に木星圏へ脱出
*4 アクシズ落下失敗後のパラオ退却時に組織を離脱
*5 コロニーレーザーの直撃で消滅
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