獣の奏者(児童文学)

ページ名:獣の奏者_児童文学_

登録日:2012/02/12(日) 20:38:46
更新日:2023/08/17 Thu 18:36:24NEW!
所要時間:約 4 分で読めます



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守り人シリーズの作者、上橋菜穂子が描く和製ファンタジー。


運命に翻弄される少女エリンの成長をメインに、人と獣の関わりを描く。
『Ⅰ 闘蛇編』『Ⅱ 王獣編』『Ⅲ 探求編』『IV 完結編』の四巻で構成。


当初は『Ⅰ 闘蛇編』『Ⅱ 王獣編』で完結したが、ラストは賛否両論
作者は「この物語の結末は『王獣編』のラストシーンが究極のものであり、これ以上物語が続くことはない」と公言。


しかし、アニメ化で続編を望む声が再び高まったことや、自身も物語の中で描ききれなかった謎への決着を付けたいという思いが生まれたために、
二年後、続編となる『探求編』『完結編』が、翌年『獣の奏者 外伝 刹那』が刊行。


『探求編』『完結編』の表紙イラストが公開されると、ファン達はネット上でイラストの意味を考察しながら発売日を待った。



【文庫版】
青い鳥文庫版(全8巻)
講談社文庫版(2巻←闘蛇編と王獣編)


【漫画版】
月刊シリウスで連載中、2011年11月の時点で5巻まで発売されている。


【アニメ】
Production I.G、トランス・アーツが製作。原作者も製作に参加。
獣の奏者エリン』というタイトルになり、NHK教育で全50話、約一年間放送された。内容は闘蛇編&王獣編まで。
規制が必要なシーンは抽象画化でやり過ごした。
きれいに終わっている。


OPは『雫』という曲であり、アニメを見たら絶対記憶に残る仕上がりとなっている。



【あらすじ】


『Ⅰ 闘蛇編』
獣ノ医術師の母と暮らす少女エリン。ある日、闘蛇(戦闘用の獣)が何頭も一度に死に、
その責任を問われた母は処刑され、孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに拾われる。
エリンは山中で天を翔ける王獣と出会い、その姿に魅了され王獣の医術師になろうと決心するが……。



『Ⅱ 王獣編』
傷ついた王獣の子リランを救おうと尽力するが、その過程で王獣を操る術を発見してしまう。
そんなエリンを数年間監視していた男が現れ、「王獣を戒律の枠の中に戻してくれ」と、遥か昔に起きた災いを語る。
エリンは王獣は空を舞うべきだと考え、その警告を半ば無視して飛翔訓練を続けた。
その後、エリンは王獣を人に馴らしてはいけない理由を身をもって身を知ることになる。



『Ⅲ 探求編』
『Ⅱ 王獣編』から数年後。
エリンは結婚して子を授かり、ささやかな幸せの中にいた。国の最重要人物になってしまったので、始終監視されてはいるが。
リランは新たに子を産み、天を舞う王獣も増えた。
エリンの息子ジェシは、王獣と家族のように接する。過去の経験から、エリンは危機感を抱かずにはいられなかった。
食われてからでは、遅いのだ。



『Ⅳ 完結編』
敵国の侵略に備え、王獣達を兵器として訓練を続けるエリン。
リランは歳をとったが、昔と変わらず幼子のように接してくる。その態度が余計エリンを苛んだ。
今まで王獣を解き放つためにやってきたことが、逆に太い鎖で縛りつける結果を生んでしまったと痛感しながら、それでもエリンは戦場に立つ。
王獣が、真の意味で人から解放される日のために。



『獣の奏者外伝 刹那』
これなんて昼ドラ?




作品内に出てくる創作用語がハンパなく多く、「語り継がれてきた歴史と事実の矛盾」を紐解いていくと同時に、政権争いが進行。
合間にほのぼのエピソードや登場人物の心情が生々しく描かれている。


「覚えたよね? じゃあ次いくよ。あ、コレとコレの関係も頭に入れとけよ」とスパルタ学習塾並にガンガン進む。
だが説明不足というわけではないことは、魅了された人の数が物語っている。
_ついていけずギブアップした人もいるようだが。







反転でネタバレ

  • __戦は遥か昔に起きた災いのように『そこには、もう、勝者も敗者もおりませんでした』な結果に。

だが、エリンがどんな決断を下し、その背中を見て育った息子ジェシがどう生きたのかは、実際に読んでほしい。







なお、作者は以下の結末も考えていたそうな。
※読んだ人にしかわからない単語がある上に、結末に関わる猛烈なネタバレを含んでいます。




エリンが「カレンタロゥ・パレ」に行かないと決意したその時が話の分岐点だったらしい。


上橋先生は、物語を書き始めるときにプロットは書かずに最初からどんどん書き進める方だと聞いた。(守り人シリーズも同じ)


執筆当初では、一家でカレンタロゥ・パレを旅させる事を考えていたようだ。
本文中、イアルがヤントクに頼んで手配した馬車が、大きい物だったのがその名残。
しかしそういう方向に進んだら、リョザ神王国の危機は救えなかった訳で『獣の奏者』の物語として、その終り方を先生は許せなかったそうだ。
勿論エリンを救いたかったけれども、 完結編の最初のあたりの執筆時にジェシの語りで締めくくることを決心づいてからは、もう死亡エンド以外になかったとか。




追記修正は檻の中にいる王獣を竹箒でつついてからお願いします。


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  • シリウスのコミカライズがいい感じ。エリンの先生としての生活とか上手く補完してるし、絵がきれい。是非完結編までやって欲しい。 -- 名無しさん (2014-06-13 00:21:48)
  • エリンの死因がネットで半ばネタ扱いされて不愉快になった記憶がある。お前らちゃんと読んだのかと。 -- 名無しさん (2015-07-30 18:49:29)
  • 闘蛇のデザインがアニメとコミカライズで違うんだよな。アニメのはオオトカゲみたいだけど、コミカライズのはワニみたいだった。 -- 名前は無い (2022-04-01 19:58:58)

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