登録日:2012/06/10(日) 11:28:55
更新日:2023/08/12 Sat 19:09:30NEW!
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戦国コレクション カオス回 わけがわからないよ どういうことなの… アリス・イン・ワンダーランド 中毒者続出
COLLECTION_8_「Regent Girl」とは戦国コレクションの8話であり
アリス・イン・ワンダーランドのパロディであり問題作である
以下詳細な内容ネタバレ注意
お米が大好きなちゃっかり者の小学生、豊臣秀吉。
ある日、娘が丘の上の岩で踊ると来年は豊作になるという昔の儀式の話(ただしその娘は消えてしまう)を聞き、夜に興味本位で実行してしまう。
しかし踊ってみたものの何も起こらず、儀式は「気休め程度」と割り切った秀吉は徐に弁当(おにぎり)を広げる。
ご飯を食べている時、おむすびの一つが突然転がり出し木の根本にある大きな穴におむすびを追いかけた秀吉ごと落ちてしまう。
秀吉が落ちた先は2つの扉があった。
片方は先程弁当を食べていた岩が見え、どうやら外に繋がっているらしい。
もう片方は"白米が"朝食を泣きながら食べている部屋だった。
それを見た秀吉は「これは夢だ」と断言し、元の場所に戻れる扉に手を掛ける。
…が、「夢ならいつでも帰れるだろう」という思考に至り「面白い方」、お米の国への扉に戻り、開ける。
「おめでとう、一万人目のお客様!」
扉を開けた先には、先ほどいた朝食を食べる白米はおらず、金色に輝く大広間に白米たちが並び秀吉を歓迎した。
白米大好きな秀吉は一万人目、ということで振舞われたご馳走に大喜び・・・するが信長の邪魔が入る。
この奇想天外な世界観に両者とも夢だと思っており、どちらがどちらの夢の産物であるか?等の哲学的な言い合いをする・・・が不毛なので両者は身を引いた。
この哲学的な問答は元ネタであるアリス・イン・ワンダーランドではよくあることで、今回のオマージュの一端となっている
そして再び秀吉がご馳走に手をだそうとした時、今度は白米より待ったがかかる。
どうやら言い伝えによれば、お米の国に危機が迫ると救世主が現れお米たちを救ってくれるとのこと。
そして秀吉がその救世主に相応しいかどうか、テストをしたいらしい。
しかし白米大好き秀吉は見事にをテストを攻略し、救世主に相応しいと認められる。
「さぁ、この救世主のアイテムをお受取りください」
と、二足の草履を秀吉は白米から受け取る。
言わずと知れた、「二足の草履」。「信長への忠誠心」の象徴である
草履を手に入れた直後、山よりでかいイナゴが襲来。白米たちは一目散に逃げ出してしまう。
白米たちがいなくなり、とりあえず畦道を歩く秀吉と信長、人影を発見するもそれはカカシだった。
「私はカカシ」
喋るカカシ。どうやら喋る以外にお楽しみも提供できるらしい。
カカシが持つ箱では劇がやっているらしく、秀吉はその箱を覗きこむ。
そこではドジョウとタニシとカエルの縫い包み(着ぐるみ?)の寸劇が行われていた。
「食事が必要です」
「いずれ見つかるでしょう」(会場:笑い声)
カエルが登場(会場:拍手)
「過去が未来に含まれていなければ、食材そのものに意味は無い」
「そういうことではないです」(会場:笑い声)
「見張っている瞳がある限り、ここは煉獄ではありえません」
「瞳がなければ我らは着ぐるみにすぎないでしょう」
「着ぐるみが着たいです。瞳は期待できません」(会場:笑い声)
「ではどうやって食材のために祈ればいいのでしょう」
「何もないことのために祈ることはできます。虚空に祈りは消えていきますが」
「それでは祈る手は誰の手なのでしょう」
「少なくとも君には手がないよ」(会場:笑い声)
この8話でおそらく最も理解が困難なシーン。デヴィット・リンチの「Rabbits」が元ネタ
「ねぇ、これは何なの?」
意味不明な劇に対し秀吉はカカシに訊く。
「何なのと聞かれましても、お芝居ですからねぇ」
「お芝居ってわからなくちゃいけないものじゃないの?」
「わからないなりにわからないお芝居というのはあるものでして、わからないお芝居には二種類あります。わからないように書かれているもの、内容がないもの」
「じゃあ、これはどっち?」
「内容があるお芝居なんてありませんよ」}
「わからないこと言わないでよ」
「現実がお芝居でできてるんです。内容があってたまるもんですか。そしてそのことを悲しんで泣いている人がいる。ここではその哀しみを癒さなければ救世主とは言えません」
白米(食材)が内容のない、意味のない(後述)現実に悲しんでいる・・・ということだろうか。
悲しんでいる人を救うことが救世主の役目らしい。しかし信長は「付き合いきれない」と一蹴し先へ進むことに
「利休!」
突然砂漠のど真ん中に茶席を設ける利休が現れる。
利休曰くここは「あの世に最も近い場所」らしい
「あの世に近いんじゃ一つ間違ったら死ぬわね」
「それじゃあ、私ってばここに来る前に少しでも間違ってたら死んでたの!?」
「勿論そうでしょうね。例えば最初の扉などすぐに帰ろうとしたら死んでいたでしょうし、質問に答えられなくても死んでいたでしょう」
「そりゃあ…怖いねぇ」
「しかし、生死とは何もない反復運動に過ぎないとすれば、帰る場所などないことだけが真実となります。片方が死で、それならばもう片方は何でしょう?」
「そんなこと聞かれても、意味なんかないよ?」
「そうです。無意味こそが正解です。それなら言葉は意味を持ちうるのでしょうか?」
「知らないよ」
「そうです。答えられないというのが正解です。少なくとも、無意味に意味があると信じて発話だけは続けなければならない」
「何もないなどといってる奴のことが信じられるわけないでしょう?」
「それはそうです。しかし確かなことが欲しい。なら1つだけあります。それは麦との戦争です」
麦と戦争するために戦車に乗り、無表情のまま大砲を放つ利休や次々と麦の頭を跳ねる信長
そのあまりの異様な光景に耐えられなかったのか秀吉は真っ先に逃げ出す。
逃げた先は白米たちが巨大な水槽(?)に浮かぶ西洋風の街並み。
「彼らはその時を待っているのです」
突然現れるカカシ。
「何っ!?その時って」
「その時とは滅びる時のことです」
「滅びる…死んじゃうの!?」
「滅びる事と死ぬことは違います」
「彼らは自らに運命づけられた貪り役を探し求めているのです。彼らは死の前に彼らの勤めを果たし滅びたいのです。そしてそれを行う人こそ救世主その人なのです!」
「貪り役…彼らの勤め…。まさか」
草履を取り出し何かに気づく秀吉。
草履の片方を燃やし、水槽(?)の足元に投げ込む。
火は瞬く間に水槽を包み込み…
「はじめチョロチョロなかパッパ~♪」
響き渡る米の炊き方の歌。
残った草履は冠になり、秀吉がそれを頭に乗せると秀吉は「太閤」の服装に変身した。
信長の忠誠を捨て、太閤になるという史実的な小ネタ
襲来するイナゴ。あなたに食べられなければお米たちの甲斐がないと言うカカシ、駆け出す秀吉。
「下は地獄、けど中は…天国ー!」
釜の中にダイブし、お米を貪り幸せそうな秀吉。
そしてここで現実に戻る。秀吉は夢を見ていたと主張するが服も太閤服のままで、手にはしゃもじがひとつ。
そのしゃもじを振るうと無尽蔵に米が湧きだした。
「夢じゃなかったー!!」
Fin
…ご覧のとおり初見解釈が困難な内容に何十回も見直す8話中毒者が現れたり、色々なところで考察されたり「評価不能」とまで言われる問題作である。
深い意味がありそうで、カカシも言ってる通り内容がないのかもしれない。
故にすごく中毒性が高く、人によってはハマる不思議な回である。
少しだけステルスで注釈を入れてあるので、参考程度に。
追記修正は8話を20回見てからお願いします。
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