登録日:2009/05/26(火) 19:10:08
更新日:2023/08/10 Thu 17:34:55NEW!
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リトルバスターズ! サブキャラ 黒猫 涙腺崩壊兵器 ネタバレ項目 猫 クロ 届かない言葉 伝わらない想い ここにいるよ 涙腺破壊項目
「こ こ に い る よ」
リトルバスターズ!において、EX版にてヒロインに昇格した笹瀬川佐々美の個別ルートで彼女の話の中に登場する黒猫のこと。
佐々美がまだ小さい頃に飼っていたとのことで、
公園の片隅に枯葉に埋もれるようにして捨てられていたのを見つけ自分が母親代わりとして飼うことにしたのだという。
見つかった時には両親に反対されたものの、彼女の懸命な説得により正式にペットにすることを許されたとのこと。
拾った当初はまだ歯も生え揃っていなような子猫であり、夜中にみゃーみゃー鳴いて起こされたり、
いなくなったと思って散々探し回た挙句、ベッドの隙間からひょっこりでてきたりと、とにかく大変だった。
それでも段々と 大きくなっていってその成長の一つ一つが佐々美にとっては何よりも嬉しかったのだという。
でも大きくなってもどこかに隠れる癖だけは直らなかったらしく、その度に家中を探し回っていたらしい。
が、飼い始めてから1年が経ったある日、笹瀬川一家は引っ越しをすることになった。
当然、クロも連れていくことになったが引っ越しの当日にクロの姿はどこにも無かった。
佐々美は必死に探し回り、引っ越しの翌日にも戻ってきて取り壊される家の敷地内を懸命に探すも遂に見つからず、
クロとはそれきり二度と会うことはなかったという。
佐々美曰く、飼い猫が野良猫になって2週間生き延びることができる確率は3分の1で、今となっては絶望的とのこと。
それ以来佐々美は猫が嫌いに…というよりも嫌いになるしかなくなってしまう。
見る度に自分が見捨ててしまい、きっと自分を恨んでいるであろうクロのことを思い出してしまうからである。
オープニングでの「それに…わたくしは、猫は嫌いですの…」という彼女のセリフもこのエピソードに繋がっているというわけである。
以下、佐々美ルートの重大なネタバレ含む
実は、佐々美ルートで理樹たちがいた「もう1つの虚構世界」を構築していたマスターであり、佐々美が変身していた黒猫こそがクロそのものであった。
佐々美ルートはリトバス本編で唯一、理樹たちが恭介達の虚構世界から帰還した後日談的扱いとなっており、
その後日談がクロの虚構世界で展開されていたわけである。
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クロにとって佐々美は本当に自分のママのような存在であり、彼女に拾われてからの生活はとても幸せなものであった。
しかし、引っ越しの日にはぐれてしまったことにより当たり前であった幸せな日々は突如として終わりを告げ、辛く悲しい冷たい日々が始まる。
激しい雨の日も、凍える雪の日もあった。ただひたすら毎日を生きるだけで精一杯だった。同じような仲間と会ってもやがては消えていき結局は1人であった。
それでもクロは幾度となく流れる長い月日を懸命に生き抜き、そして遂に佐々美のいる学校へとたどり着く。
が、長い年月を経て見る影もない程ボロボロになってしまったクロの事を佐々美はわかってやることが出来ずに拒絶してしまう。
彼女にとって黒猫はもう辛い記憶を思い出させる象徴でしかなかったのだ。
佐々美にとってもクロにとってもずっと待ち望んでいたことだったというのに、あまりにも悲しいすれ違いである…
それでもクロはもう一度大切なママに自身の想いを伝えたい一心で、恭介の作った虚構世界に入り込み、遂には自分で虚構世界を構築してしまう。
恭介ですらリトバスメンバーの仲間と協力して一つの世界を作り上げていたというのに、
それを1匹で成し遂げてしまうことからも佐々美への想いの強さがわかるというものである。
その世界で佐々美と同化し、彼女に対して自身の想いを伝えようと彼女の中で隠れ続けていた。
美魚が猫になった佐々美を見つけた際に「影が濃い」ことに気付き、美鳥の事例と重ねていたのはそれが理由である。
が、やはり1匹の想いで作れる世界には限界があり、恭介の虚構世界と違ってクロの作った世界は穴だらけであり、
事情に気付いたイレギュラーが現れるだけで破綻する程に脆い世界であった。
実際、異変を知ってしまった小毬や鈴。前述した美魚は世界の破綻を防ぐためにマスターであるクロによって真っ先に世界から退場させられてしまった。
しかし、クロに対してずっと引け目を感じていた佐々美は無意識下でクロのことを拒絶していた為、
クロは佐々美と同化している間も彼女に自分の想いを伝えることは叶わなかった。
やがては世界の維持も難しくなり、遂には佐々美と理樹の2人きりになってしまうが、その段になって理樹がクロの存在へと辿り着く。
□
クロは佐々美以外にも理樹に対してずっと自分のイメージを送り続けておりそれが夢となって度々理樹の頭の中に投影されていた。
理樹が事情を知っても世界から退場しなかったのはその為である。
全てを確信した理樹はそのことを佐々美へと伝える。佐々美自身も薄々ではあるがクロがマスターなのではないかと考えていた。
「どれくらいの、あいだ」
「あの子は、野良猫として過ごしていたんでしょうね…」
そして理樹はマスターであるクロがいる裏庭の焼却炉へと佐々美を連れて行くが、佐々美が拒絶する心を持っている所為であと一歩というところで壁が出来てしまう。
クロの想いに触れ、ずっと佐々美と会いたがっていたことを知っている理樹は焦り佐々美へと詰め寄るも、逆に佐々美は自身の辛さを打ち明ける。
「あなたは一体、なんですの!?私の古い傷をつついて…!」
「死ぬ間際のあの子に会える…!?それがなんなんですの!!」
「わたくしは、どんな顔してあの子に会えばいいんですの!?」
□
きっと自分を恨んでいるに違いないと思い込む佐々美はクロへの拒絶を捨てきれずそのまま会わずに世界を出ようと理樹に提案。
そして世界の出口で理樹を突き放し自分一人で何とかしようとする。
しかしそれに納得がいかない理樹はクロの虚構世界へ帰還。再び佐々美と共に焼却炉の前へと向かう。
そして理樹の後押しにより佐々美は悩みながらも拒絶の心を打ち消していく。そして…
『いいですこと?わたくしが探してる時は、きちんと返事をなさい』
『ほら、こうやって…』
『大好きな、ママを呼ぶ言葉ですわよ』
『ここに、いるよって』
たった一言…かつて自分を育ててくれてママが教えてくれた言葉…それを伝えるためにクロは世界を構築していたのだ。
そしてクロへの拒絶が消え去った佐々美にようやくその言葉が伝わり、クロは遂に佐々美と再会を果たす。
「ごめんなさい…」
「わたくしは、途中であなたを探すことを、あきらめてしまいましたの…」
「こんな馬鹿なわたくしを…許してくださいますの…?」
□
「こんなに、ぼろぼろになって…」
「それでも、わたくしを…!!」
リトバスの名曲の1つ「song for friends」が流れる中、
ずっとすれ違ってきた末に再会したクロを抱きしめ涙する佐々美の姿を見てもらい泣きしたプレイヤーも多いだろう。
佐々美はクロの最後の願いを叶えてやるため世界で唯一無事である理樹の部屋へと移動する。
この時クロにご飯をあげることになり、通常はチーカマなのだがフラグを満たしていると鈴の用意してくれたモンペチをあげることになる。
初見でこの伏線に気付けた人は果たしているのだろうか…?
そしてお腹一杯になったクロは佐々美と遊び始める。
もう自分の先が長くないことをクロ自身も佐々美も知っており、崩壊する世界の中その一瞬を少しも無駄にしないように1人と1匹は過ごしていく。
「みゃ~」
「ええ、ママと一緒に、遊びましょう」
出来ることならずっとこうしていたい。大好きなママといつまでも一緒に遊んでいたい。
それでもやがて限界はおとずれ、クロは佐々美へ向けて懸命に動かしていた手が段々と挙がらなくなっていき、そして静かに寝息を立て始める。
そんなクロの首筋を佐々美は優しく撫でてやる。
「…ここが一番撫でられるの、好きでしたわね」
「…もう、お別れですのね」
「ばいばい、クロ」
長い時を経てようやく再会を果たしたものの、共にいられた時間はあまりにも短いものだったかもしれない。
しかしただ1つ確実に言えるのは、そのほんの少しの時間は最期を迎えるクロにとって何物にも代えられない一番幸せな時だっただろう…
「ばいばい、ママ」
追記・修正は大切にしているペットがいる方がお願いします。
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- この√の回を見たが沙耶√の次に泣けた。佐々美がクロと遊ぶ時「くるくるー♪こら、カプッはめっですわよ」と言って時は萌え死んだ -- 名無しさん (2014-07-22 23:19:03)
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