登録日:2023/06/09 Fri 22:25:30
更新日:2024/07/05 Fri 13:56:43NEW!
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天使族 遊戯王 遊戯王ocg ヴィサス=スタフロスト 世壊 遊戯王ocgデッキテーマ項目 喜び cyberstorm access マナドゥム 伍世壊 攻撃力1500/守備力2100
マナドゥムとは遊戯王OCG11期パック「CYBERSTORM ACCESS」にて登場したテーマ。
同期テーマは【ネムレリア】。
概要
【スケアクロー】に端を発する《ヴィサス=スタフロスト》に関わるストーリーテーマの第四弾。
【クシャトリラ】編にて《クシャトリラ・アライズハート》との戦いに辛勝した《ヴィサス=スタフロスト》。
しかし彼の感情が不安定になった時に《クシャトリラ・ライズハート》を吸収したことで力が暴走、異形の怪物《ヴィシャス=アストラウド》に変貌してしまう。
何もかもを破壊して回る化け物となった彼を、必死に止める声があった。
その者は《伍世壊=カラリウム》の守護者《マナドゥム・リウムハート》。
ここは《ヴィサス=スタフロスト》自身も認知していない精神世界で、大樹が生えた山岳地帯の景色。
この大樹には桃色の花と、今まで巡ってきた「世壊」を模ったエネルギー体が咲きほこっていた。
このエネルギー体は負の感情を「喜び」に変えることで生まれたものになる。
《ヴィシャス=アストラウド》の襲撃に際して木になっていたマナドゥム達は《マナドゥム・リウムハート》に力を託し消滅。
《マナドゥム・リウムハート》もまた《ヴィサス=スタフロスト》を元に戻すために彼と一体化した事で消滅した。
元ネタはインド神話のヴィシュヌ神第伍のアヴァターラ「ヴァーマナ(小人)」。
大まかな話はこの項目を参照。
テーマについて
S召喚テーマであり、《マナドゥム・リウムハート》を除き天使族モンスターが所属。
チューナーモンスターには以下の共通するステータスと効果を持つ。
チューナー・効果モンスター
星2/天使族/攻0
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
(デッキから特定のマナドゥムチューナーを特殊召喚+a)
(1)の効果で手札から、(2)の効果でデッキから続々とモンスターが出てくる、展開力の高いテーマとなる。
この展開力を駆使してS召喚に繋げる戦法を得意としている。
またこの(1)に限らず、ATK1500/DEF2100のモンスターを指定する効果が多いことも特徴。
他の世壊テーマとの並立も狙え、実際に混合構築も考案されている。
カード一覧
効果モンスター
マナドゥム・ヒアレス
チューナー・効果モンスター
星2/地属性/天使族/攻 0/守2000
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「マナドゥム・ヒアレス」1体を特殊召喚する。
この効果を発動したターンのバトルフェイズ中、自分フィールドのSモンスターの攻撃力は500アップする。
固有効果は同名カードの特殊召喚+Sモンスターの打点強化。
回数制限が無いため複数回の発動に成功すれば打点を大幅に上げることができる。
ただしS召喚そのものを補助する効果では無いため、盤面の形成には貢献していない。
そのせいでレベル変更効果でS召喚を補助する《マナドゥム・ミーク》、事故の危険を減らしている《マナドゥム・トリッド》を差し置いて採用することは難しい。
打点強化目的で盤面の質を下げたとなれば目も当てられないので、やむを得ない話である。
どことなくライフォビアに似た環境の果実の中にいるのは狐面を着けた和装の小人。
対応する世壊は恐らくスケアクローであり、「恐れ」を昇華して「恐れない(Fearless/フィアレス)」ということだろう。
マナドゥム・ミーク
チューナー・効果モンスター
星2/水属性/天使族/攻 0/守1800
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「マナドゥム・ミーク」1体を特殊召喚する。
その後、この効果で特殊召喚したモンスターのレベルを2つ上げる事ができる。
固有効果は同名カードの特殊召喚+レベル変更。
任意効果なのでレベル2のまま運用することもでき、S召喚の組み合わせを柔軟にしている。
高レベルSモンスターの連続召喚にも一役買っており、展開するモンスターと盤面の質を上げている。
ペルレイノを思わせる果実の中にいる存在は半魚人のような小人。対応する世壊は恐らくティアラメンツと思われる。
「悲しみ」を昇華して「楽しみ(Meek/ミーク)」へと変えているという事だろうか。
マナドゥム・トリッド
チューナー・効果モンスター
星2/炎属性/天使族/攻 0/守1500
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「マナドゥム」チューナー1体を特殊召喚する。
固有効果はマナドゥムチューナーの特殊召喚。
先の二つと異なり同名カード以外も特殊召喚できるため、事故の危険を下げることができる。
また前述の《マナドゥム・ミーク》へのアクセス手段にもなるため、盤面の形成にも役に立つ。
便利な効果ではあるが、特殊召喚効果自体に回数制限が設けられていることには注意。
果実内は赤い建物等からパライゾスに似ている。中の小人も鎧武者のような見た目なので、対応する世壊はクシャトリラ。
「怒り」を昇華して「情熱(Torrid/トリッド)」へ転化させているものと思われる。
マナドゥム・リウムハート
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1500/守2100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの、「マナドゥム」モンスターまたは攻撃力1500/守備力2100のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、このカードを特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「マナドゥム・リウムハート」以外の「マナドゥム」カード1枚を手札に加える。
(1)は自場のカードを破壊しつつ特殊召喚。
当然マナドゥムチューナーの(2)のトリガーに利用できるため、そのままS召喚まで到達ができる。
(2)はマナドゥムカードのサーチ。
この効果でマナドゥムチューナーをサーチしてそのまま特殊召喚…
と行きたいが、《伍世壊=カラリウム》のデメリット効果がこの動きを阻んでいる(詳細は《伍世壊=カラリウム》の項にて)。
《伍世壊=カラリウム》が無いときにチューナーをサーチして特殊召喚、あるいは魔法罠カードをサーチして場を整えるという狙いになる。
他世壊テーマの「ハート」モンスターと同様、《ヴィサス=スタフロスト》と瓜二つの外見をしている。
顔だけでなく身に着けている鎧もよく似ている。
両足と衣類の下部分が宇宙化しており、また膝から下には防具を身に着けている。
他の「ハート」モンスターがディズニー・ヴィランズ(スカー、アースラ、ハートの女王)モチーフ疑惑があるので、その流れで行くならば巨人に変身するという点から「巨人のウィリー」と思われるが、
リウムハートのみ他の「ハート」モンスターと違って善玉の存在なので、リンゴと小人の関連性から「白雪姫」の可能性もある。
シンクロモンスター
マナドゥム・プライムハート
シンクロ・効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻3000/守3000
チューナー1体以上+光属性モンスター1体
(1):このカードは、このカードのS素材としたチューナーの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
(2):「マナドゥム」チューナーを素材としてS召喚したこのカードは、相手の効果の対象にならない。
(3):S召喚した表側表示のこのカードが相手によってフィールドから離れた場合に発動できる。
自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスター1体を選んで特殊召喚する。
小人達の力を借り受け、白銀の巨人へと変身した《マナドゥム・リウムハート》。
まず目を引くのは、その召喚条件。
チューナーの後ろの条件は「光属性モンスター1体」なので、ここの部分はチューナーでも可能。
そのためチューナーのみを素材にしてS召喚も可能である。
(1)は連続攻撃効果。
前述の特殊な召喚条件を生かした効果になる。
この手の効果としては珍しく、直接攻撃も可となっている。
そのため《ハーフ・シャット》で的を作るなど煩わしい手間が不要なのは嬉しい。
(2)は対象耐性。
【マナドゥム】であれば造作もない条件になる。
場持ちにも期待でき、ある程度は安全に攻撃を遂行できる。
(3)はモンスターの蘇生効果。
受動的な条件のため、除去を受けた時の保険という意味合いになる。
攻撃役としては申し分ない能力だが、高い評価をつけることは難しい。
理由は「攻撃しかできない(特に相手を妨害する能力がない)」ため。
後の項でも触れるが、【マナドゥム】は相手を妨害する手段に乏しく、様々なSモンスターでそれを補う必要がある。
なまじ展開力が高いデッキなので複数の大型Sモンスターを並べることは難しくなく、それならその妨害モンスター達で総攻撃しても同じになってしまう。
ただでさえEXデッキがキツキツになりがちなシンクロ召喚なので、相当の厳選がかけられることは本デッキでも同じ。
後述の《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》をシンクロ召喚して並べておけば強固な耐性を得られるので狙っておきたい。
マナドゥム・トリロスークタ
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻2300/守1300
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合、自分の墓地のレベル2チューナー1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
(2):自分フィールドのチューナーを任意の数だけ対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを2にする。
このターン、自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
プライムハートに似た白銀の鎧を纏った女騎士。鎧の隙間から覗く少し青白い肌や魚類のようなヒレ等、その風貌はまるでペルレイノの人魚を思わせるが……?
12期パック「AGE OF OVERLORD」にて登場した新たなシンクロチューナーモンスター。
プライムハートがフィニッシャーならこちらは展開要員で、保有する効果はすべて展開やシンクロ補助となっている。
(1)は墓地からレベル2チューナーの特殊召喚。非常に汎用性が高く、マナドゥム以外でも嬉しい効果。
自身のシンクロ召喚にさえ成功すれば墓地のレベル2チューナーを効果無効化した状態で釣り上げられる。
この効果のお陰で、これ一枚からマナドゥムと相性の良い《ヴィサス=アムリターラ》を簡単に出すことが可能。
(2)は《マナドゥム・プライムハート》を意識したと思わしいチューナーのレベル調整。
場のチューナーのレベルを任意の数だけ2へ変更する効果。マナドゥムのチューナーは基本レベル2なので、【マナドゥム】で使う場合はもっぱら自身のレベルを下げる為に使われる。
なお、2の数値と聞いて某炭酸での悪用を危惧する人もいそうだが、この効果を発動するとシンクロ召喚しか出来なくなるので安心(?)してほしい。
名の由来はおそらく「スークタ」。サンスクリット語で「賛歌」を意味しており、世壊シリーズと縁が深いインド神話と強い関連がある。
そして、明言はされていないもののその顔や青いヒレから見て彼女の正体はどっからどう見ても《ティアラメンツ・キトカロス》その人。
世壊が一つになった際にヴィサスの下へ世壊の各勢力代表が集っていたが、その後はマナドゥムの一員として《新世壊=アムリターラ》の守護者となったようだ。
「トリロスークタ(Tliloskkta)」という名前も「キトカロス(Kitkallos)」のアナグラムであり、同一人物説をより深めている。姫騎士になったりサイボーグになったり元に戻ったり禁止になったり脱獄してまた姫騎士になったりと、この姫様は本当に忙しないな……。
また、太ももの辺りにはスケアクローを思わせるベルトが巻かれ、鎧のデザインは色合いのせいで一瞬分かりづらいがクシャトリラの物に似ていたりと、他の世壊の要素も混じっている。
もしかすると《スケアクロー・アストラ》、《ティアラメンツ・キトカロス》、《クシャトリラ・ユニコーン》の三者が力を合わせて合体した姿なのかもしれない。
魔法・罠カード
伍世壊心像
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札の「マナドゥム」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を相手に見せて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
その後、手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの攻撃力1500/守備力2100のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをターン終了時までチューナーとして扱う。
小人達を優しい目で見守る《マナドゥム・リウムハート》。
弱肉強食の王である《スケアクロー・ライヒハート》、恐怖支配により人魚達を苦しめていた《ティアラメンツ・レイノハート》、がむしゃらに他の世壊を侵略していた《クシャトリラ・ライズハート》と比べても、彼が穏やかな善玉の存在であることを示唆する。
(1)は手札1枚デッキに戻しつつ2ドローの効果。
マナドゥムチューナーの特殊召喚効果はデッキからしか行えないため、手札に来たマナドゥムチューナーを戻し事故の回避が狙える。
ただしアドバンテージを稼げていないこと、何より事故回避札としても微妙なカードにはなるため評価は低め。
本来事故を回避する手立てとは「デッキ編成の見直し」であり、間違っても「事故した時にしか満足に機能しないカードの採用」ではない。
そして【マナドゥム】では事故回避のためにマナドゥムモンスターの数を少なめに編成することになるため、自ずとこの効果の条件も満たしにくくなる。
そもそも《トレード・イン》系の手札交換効果が評価を落とし、一見エンジンになりうる《オルフェゴール・プライム》が【オルフェゴール】では全く採用されない。
あって困るものではないがその事実を踏まえれば、事故のマスクまで付きまとうこの効果も高い評価には至らない。
(2)はATK1500/DEF2100をチューナー化させる効果。
マナドゥムモンスターはチューナー過多のため、狙うとすれば《マナドゥム・プライムハート》の攻撃回数増加になる。
しかしその《マナドゥム・プライムハート》が今一つな能力であり《伍世壊=カラリウム》のデメリット効果もある以上、この効果を有効に使うのは難しい。
伍世壊摘心
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、デッキから「伍世壊=カラリウム」1枚を手札に加える。
自分フィールドに「伍世壊=カラリウム」が存在する場合、
代わりに「伍世壊摘心」以外の「マナドゥム」魔法・罠カード1枚を手札に加える事もできる。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札から「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスター1体を特殊召喚する。
しかし、リウムハートが守っていた小人達は時空を切り裂き現れた存在に撃ち落とされてしまう。
リウムハートは察する、自分の本体たるヴィサスが狂ってしまった事を。
(1)は自場のモンスターを破壊しつつ《伍世壊=カラリウム》またはマナドゥム魔法罠をサーチする効果。
マナドゥムチューナーの破壊とサーチによる手札補強でデッキを一気に回転してくれる。
またここで破壊するモンスターはマナドゥム以外でも構わないため、手札で嵩張った手札誘発を無理くり破壊し強引に展開することもできる。
(2)は《ヴィサス=スタフロスト》またはATK1500/DEF2100のモンスターを手札から特殊召喚する効果。
手札からとはいえノーコストで特殊召喚できる効果は悪くなく、展開補助としては合格点。
特に「破壊したいモンスターがいないけど、なんとか《ヴィサス=スタフロスト》を出したい」という場面でも困らずに済む。
総じて【マナドゥム】の初動になるカードであり、このカードとマナドゥムチューナーを確保できたところから大掛かりな展開が始まる。
伍世壊=カラリウム
フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「マナドゥム」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を手札に加える事ができる。
(2):自分フィールドの光属性モンスターの攻撃力は、自分フィールド・墓地のチューナーの数×100アップする。
(3):自分フィールドの表側表示のチューナーが戦闘・効果で破壊された場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
暴走する怪物《ヴィシャス=アストラウド》、もといヴィサス。大樹を背に対峙するはリウムハート。
分かたれた自分自身でもあるヴィサスを止めるために、楽園の守護者は小人達の力を借りて光の巨人へと変身する。
(1)はサーチ効果。
今更説明するまでも無く便利な効果で、状況に即して手札補強ができる。
(2)は攻撃力アップの効果。
普通のデッキであればメリット効果だが、本デッキの場合はデメリット効果として働く。
何故なら「ATK1500/DEF2100光属性モンスターの攻守値が変化してしまい、そのサポート効果が使えなくなる」ため。
手っ取り早い例えでは、マナドゥムチューナーを破壊して《マナドゥム・リウムハート》を特殊召喚し、その効果で別のマナドゥムチューナーをサーチした場合。
破壊したマナドゥムチューナーが墓地にいるため《マナドゥム・リウムハート》はATK1600/DEF2200になり、折角サーチしたチューナーは自身の効果で特殊召喚できない。
この攻守値変動は「チューナーの数」に比例するため、マナドゥムに限らずチューナー兼手札誘発を墓地に落としただけで適用されてしまう。
(3)は破壊したチューナーの蘇生効果。
各種効果で破壊したマナドゥムチューナーを蘇生し、ボード・アドバンテージを稼ぐことができる。
ちなみにこの効果は「マナドゥムチューナー」に限定されていないため、他のチューナーを破壊した場合でも発動は可能。
(2)のデメリット効果が展開に支障をきたすことから、一時期は不採用説も浮上していた本カード。
しかしそうはいっても(1)と(3)の効果が盤面形成に大きく貢献していることは事実であり、なんだかんだ言っても重要な立ち位置になっている。
マナドゥムチューナーの(1)の自己特殊召喚効果は《ヴィサス=スタフロスト》で満たすことで展開の筋書きは描けるところも幸いであった。
伍世壊砕心
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の、チューナーまたはSモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で光属性モンスターを特殊召喚した場合、さらにその攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる。
(2):自分フィールドの、「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスターが
戦闘・効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。
光の守護者《マナドゥム・プライムハート》と闇の怪物《ヴィシャス=アストラウド》の死闘。
恐れの緑、悲しみの青、怒りの赤の波動を掻い潜り、白銀の巨人が暴れ狂う怪物へと迫る。
(1)はチューナーorSモンスターの蘇生効果。
面倒な条件も制約も付いていないところは嬉しいが、それならば《リビングデッドの呼び声》などでも事足りてしまう。
そもそも「チューナーを場に出す(大型モンスターの召喚に繋げる)」という目的と「伏せてから次のターン以降に発動できる」という罠カードの特性が
致命的にかみ合っていないため、単なるリソース供給手段としては力不足。
後半の光属性蘇生時の破壊効果も狙いたいところ。
《マナドゥム・プライムハート》は攻撃力の高い光属性Sモンスターだが、蘇生させると全ての効果が使えない木偶の坊と化すため、別の便利なモンスターを使いたい。
(2)は破壊の身代わり効果。
身代わり対象は「素材としてとっとと場から退かすカード」なので、最終盤面に残ることはない。
不意の除去から守れる点が悪いとは言えないが、控えめに言っても機会が限定的である点は否めない。
伍世壊浄心
カウンター罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにSモンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。
自分のフィールドまたは墓地に、「ヴィサス=スタフロスト」または攻撃力1500/守備力2100のモンスターが存在する場合、さらにその無効にしたカードを破壊できる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「マナドゥム」モンスターを3体まで対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻す。
《ヴィシャス=アストラウド》へ必殺の蹴撃を放つ《マナドゥム・プライムハート》。
心を蝕まれた彼を文字通り「浄心」するための一撃によって、幸いにもヴィサスの暴走は止まるが……。
(1)はモンスター・魔法・罠のすべてに対応したカウンター効果。
無効にしたカードを破壊するための条件もゆるく、《マナドゥム・リウムハート》《伍世壊摘心》《ヴィサス=アムリターラ》とサーチ手段にも恵まれている。
基本的に優秀なカードだが、S召喚する前にはカウンター効果は使えないこと、
つまりS召喚そのものを阻止してくる相手の行動には反応できない点には注意が必要。
(2)はデッキリソース回復効果。
マナドゥムチューナーの(2)はデッキから特殊召喚を行うため、この効果によりデッキに装填し再度効果を使用できる。
デッキ概要
破壊されて後続を呼ぶチューナーと破壊してアドを稼ぐカードの両方を駆使し、頭数を揃えてS召喚を行う筋書き。
【マナドゥム】だけでは相手を妨害する能力に乏しいため、その有り余る展開力を駆使してS召喚を連打し、この欠点を補いたいところ。
相性の良いカード
ヴィサス=スタフロスト及び関連カード
- ヴィサス=スタフロスト
自場のカードを破壊しつつ特殊召喚を行うチューナーなので、本デッキとの相性は抜群。
前述の通り《伍世壊=カラリウム》のデメリット効果を回避してマナドゥムチューナーを展開するためにも本カードは必須になる。
キーカードであるため、サーチ手段の《肆世壊=ライフォビア》《壱世壊=ペルレイノ》もセットで採用されやすい。
- ヴィシャス=アストラウド
《伍世壊=カラリウム》を襲撃した化け物だが、本デッキとの相性は良好。
効果そのものは特別強力では無いものの、使い終えた素材をリサイクルできる上でマナドゥムチューナーを破壊する役にはなる。
その他には後述する《クロシープ》のトリガー役、レベル10or12Sモンスターの素材と幅広く活用できる。
- ヴィサス=アムリターラ
《マナドゥム・プライムハート》と同様に、チューナーのみを素材にS召喚が可能なSモンスター。
S召喚成功時に、デッキから《ヴィサス=スタフロスト》のカード名が記された魔法・罠カード1枚を手札に加えることができる。
これによりカウンター罠の《伍世壊浄心》をサーチし、制圧手段として機能する。
こちらもまた《ヴィサス=スタフロスト》と縁の深いデッキのため、展開ギミックの一部を流用できる。
以下に本デッキでの使用例(展開例)を掲載。
- 自場の《ヴィサス=スタフロスト》を素材に、《スケアクロー・ライトハート》をリンク召喚。
- 《スケアクロー・ライトハート》の効果で《肆世壊=ライフォビア》をサーチ、そのまま発動して《スケアクロー・ライヒハート》もサーチ
- 《スケアクロー・ライヒハート》を《スケアクロー・ライトハート》に隣接するモンスターゾーンに特殊召喚
- 《スケアクロー・ライヒハート》の効果で《肆世壊の新星》をサーチ
このとき予めマナドゥムチューナーを並べるなどして守備表示モンスターが3体以上いれば追加で1枚ドローできる。 - 《肆世壊の新星》で《ヴィサス=スタフロスト》を墓地から特殊召喚
この流れにより《ヴィサス=スタフロスト》1枚からモンスターを3枚まで増やすことができる(状況次第ではさらに1枚ドロー)。
さらに《肆世壊=ライフォビア》に張り替えることで《伍世壊=カラリウム》のデメリットを回避できるところも見逃せない。
《スケアクロー・ライヒハート》はリンクモンスターなのでシンクロ素材には使用できないが、後述する《クロシープ》や《召命の神弓-アポロウーサ》の素材として処理したい。
シンクロモンスター
所属モンスターは全て偶数レベルなので、採用するSモンスターも偶数レベルになる。
- アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン
召喚時にレベル2以下のチューナーを蘇生させるため、レベル10シンクロに漕ぎ着けることが可能。
レベル10Sモンスターは強力な効果持ちが多いため、そこにアクセスできる本カードは重宝する。
カウンター効果&破壊効果を持ち、効果の汎用性が高い。
破壊効果も自身のマナドゥムを破壊する手立てにもなるため、役に立つ機会が多い。
このデッキでは「《ヴィシャス=アストラウド》召喚のために除外した《ヴィサス=スタフロスト》」を、(1)の効果で戻すことが主な用途。
もちろんその後は更なるS召喚につなげるのみ。
- カオス・アンヘル-混沌の双翼-
非チューナーに光属性or闇属性を要求するが《マナドゥム・リウムハート》で簡単に条件をクリアできる。
光属性を素材にシンクロ召喚すれば自身を含む自分フィールドのシンクロモンスターにモンスター効果耐性を付与するので《マナドゥム・プライムハート》の場持ちがますます良くなる。
闇属性を素材にした場合は戦闘破壊耐性を自分のモンスターすべてに付与するが、純構築だと《ヴィシャス=アストラウド》しか闇属性が存在しないため狙える機会は少ない。
スケアクローとの混合デッキなら《スケアクロー・ライヒハート》(闇属性)+《ヴィサス=スタフロスト》(光属性)の組み合わせで簡単に達成できるうえ、両方の効果を得られるため狙ってやってみる価値はある。
除外されているカードが多いほど自身のステータスが上昇し相手モンスターすべてのステータスを弱体化させるレベル10汎用シンクロモンスターの1体。
マナドゥム魔法・罠カードの墓地効果や《ヴィシャス=アストラウド》の特殊召喚で除外することが多いので自然と採用できる。
除外をトリガーとする除去効果も能動的に発動させやすい。
(2)の呼び出し効果がこのデッキの本命。
相手ターン中に妨害能力を持ったSモンスターを呼ぶことで妨害手段の確保になる。
1番の指名先は《えん魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》(レベル12)。
このカードはS召喚に成功したそのターン、相手はカードの効果を一切発動できないという無慈悲な封殺効果を持っている。
これを達成するには、《赤き竜》+何らかのレベル12Sモンスターを並立する必要がある。
例えば《究極幻神 アルティミトル・ビシバールキン》と《赤き竜》を場に出してターンエンドし、次のターン開始後すぐに《赤き竜》の効果を使うパターン。
《究極幻神 アルティミトル・ビシバールキン》の名が出る理由は、邪眼神トークンを残すことで相手がドローフェイズにドローした《無限泡影》から《赤き竜》を守れるため。
一見難解にも見える条件だが、【マナドゥム】であれば手札二枚(《マナドゥム・ミーク》と《伍世壊=カラリウム》、またはそれらをサーチできるカード)あれば達成できる。
ただしこれは「手札誘発などで相手からの妨害がなければ」という前提の下でもあるため、上振れ程度の認識にとどめておくとよい。
現在は《えん魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》が禁止になっているため、更なる展開要員として《深淵の神獣ディス・パテル》(レベル10)が呼ばれる事が多い。
その他
- クロシープ
《スケアクロー・ライトハート》を素材にできるリンクモンスター。
リンク先にモンスターが特殊召喚された時にリンク先のモンスターの種類に応じて様々な効果が発動するが、このデッキで狙う効果は「リンク先に融合モンスターがいる際の下級モンスター蘇生」。
こちらは《ヴィシャス=アストラウド》で条件を満たせる上、そこでマナドゥムチューナーを蘇生しレベル10S召喚も達成できる。
リンク素材にした数だけ攻撃力が上がり、モンスター効果を無効にできるリンクモンスター。
場面を選ばない制圧役としては勿論、展開の途中で使用した《クロシープ》と《スケアクロー・ライトハート》の処分先としても有効。
EXデッキの融合モンスターを相手に見せることで、融合素材として名指しされているモンスターを墓地に送りそのカード名を得る。
本デッキでは《ヴィシャス=アストラウド》を相手に見せて《ヴィサス=スタフロスト》のカード名をコピーする役回り。
それにより《スケアクロー・ライトハート》をリンク召喚して展開を始めることができる。
展開の起点になるため、《ヒーローアライブ》と合わせて初手に引き込む確率を上げることも有り。
弱点
EXデッキの圧迫、特殊召喚メタに弱い
こちらは【シンクロ召喚】共通の弱点になる。
盤面構築のためにEXデッキのモンスターの多くを消費するためEXデッキは余裕がほとんどなくなる。
また特殊召喚も多用するため、特殊召喚を封じられると低ステータスのモンスターしか残せなくなってしまう。
事故が起きやすい
このテーマは「破壊されて効果を発動するチューナー」と「そのチューナーを破壊して動くカード」の二つに、役割が明確に分かれている。
そしてチューナー側はデッキからしか、更にトリッド以外は同名カードしか特殊召喚できない。
そのせいで「単体では機能しないのに複数枚の採用が必要」なカードが多い。
このような具合で、このデッキは事故を引き起こす要因が数多く存在する。
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- やっと統合したのに次の弾で上位存在にリセットさせられるヴィ様面白すぎる -- 名無しさん (2023-06-09 22:45:43)
- りんごを叩き割りながらりんごを増やすヴィ様 -- 名無しさん (2023-06-10 07:18:06)
- ディズニー側のモチーフはリンゴそのままから白雪姫かな?レベル6シンクロのマナドゥムも来たし、いい塩梅に強化されているね -- 名無しさん (2023-06-10 07:23:11)
- キトカロスが脱獄してこっちにやってきて草 -- 名無しさん (2023-06-10 07:27:06)
- 何度見てもフィールド魔法の設計ミスが面白い -- 名無しさん (2023-06-10 07:53:36)
- 一番ヴィ様と関わり深いテーマだし今年はシンクロ押しなのもあってどんどん強化されていくね -- 名無しさん (2023-06-10 08:22:34)
- アストラウド(融合モンスター)を出しやすいからクロシープでデビフラ釣ってそのまま先攻ワンキルも視野に入るのホント草。そこまで結果出してないとは言えOCGでもデビフラに黄色信号灯ってるやん -- 名無しさん (2023-06-10 14:02:58)
- ヴィサスやハートモンスターもそろそろ単独で項目出来そうなくらいには充実してきたな -- 名無しさん (2023-06-10 19:17:42)
- ↑4実は設計ミスではなくリミッター説もあるけどね。スケアクローと組んで割と簡単に外せるけど -- 名無しさん (2023-06-10 22:40:11)
- ここでも勘違いされてるけどクロシープの効果は「特定の種類のモンスターがリンク先に特殊召喚された時に発動」ではなく「特定の種類のモンスターがリンク先にいる時にリンク先に特殊召喚された場合に発動」する効果 -- 名無しさん (2023-06-10 22:42:42)
- プライムハートはエース兼フィニッシャーとして十分過ぎる性能を備えているのに制圧や妨害能力がないし攻撃力が飽和しがちなシンクロデッキのせいで優先度が低いのが勿体無い -- 名無しさん (2023-06-11 04:54:45)
- マスターデュエルではOCGではレギュレーションの兼ね合いで困難だったティアラメンツとの混合構築が容易に -- 名無しさん (2023-12-17 23:09:25)
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