メツ(ゼノブレイド2)

ページ名:メツ_ゼノブレイド2_

登録日:2023/04/23 Sun 18:33:32
更新日:2024/07/05 Fri 13:08:05NEW!
所要時間:約 21 分で読めます



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※本記事はゲーム『ゼノブレイド2』に関する重大なネタバレが含まれています!!







































見えねぇなぁ


そんな程度で 世界が変わるかよぉ






メツ』とは、ゲーム『ゼノブレイド2』の登場キャラクターである。


CV:中村悠一


■概要


作中世界「アルスト」の各地で犯罪行為を行う秘密結社「イーラ」のNo.2。
黒髪で黒づくめの鎧をまとい、屈強な体格をした荒々しい風貌の男。
見た目通り性格も粗暴であり、ほぼ初対面のレックスに対して「実力試し」と称していきなり斬りかかったほど。
一方で仲間に対しては面倒見のいい兄貴分な一面も見せており、特にイーラ首魁のシンに対しては人一倍気遣う場面が多い。
また、見た目や振る舞いによらず理知的で博識な一面も持つ。本人曰く「勤勉」。
ザンテツという名のブレイドを連れており、独特な形状の剣を逆手にもって戦う。


シンと並んで本作の主要な悪役の一人であり、物語序盤でレックスと対峙して以降何度も戦うことになる。
DLCによる過去編『黄金の国イーラ』でもストーリーにおける重要な役割を果たす。






































中盤で明かされる彼の正体は、ホムラ/ヒカリと対をなす『天の聖杯』
いわばホムラ/ヒカリの片割れともいえる存在であり、そのためかメツは彼女らのことを「相棒」と呼んでいる。
普段は鎧で隠しているが、胸の部分にはホムラたちと同じ形状のコアクリスタルが存在している(翆玉色のホムラ達に対してメツのものは紫色)。
そして彼のドライバーはアーケディア法王庁の法王マルベーニであり、彼が500年前に登った世界樹から回収されたコアクリスタルによって同調を果たしている。



■来歴(ネタバレ有)


『黄金の国イーラ』以前

500年以上前、メツとヒカリは世界樹のはるか上で、コアの状態のままとなっていた。
そして500年前、当時アーケディア法王庁の教徒だったマルベーニは、過去の出来事から世界への不信を深めており、世界樹の頂にいるとされている「神」に対して、「これがあなたの望んだ世界なのか」という疑問を問いただすべく、その身一つで世界樹を登頂した。
世界樹を登ったマルベーニは結局「神」に会うことはできなかったものの、世界樹に保管されていた2つのコアクリスタルを回収し帰還。
そして回収したコアクリスタルのうちの一つと同調、メツはマルベーニのブレイドとして実体化を果たした。
この同調の際、実はマルベーニが心の内に抱えていた「世界への絶望」という負の感情がメツにも流れ込んでおり、これが後のメツの行動へ大きな影響を与えることになる。


同調してからしばらくの間、メツはマルベーニのブレイドとして行動を共にする。
マルベーニとともに遠征軍を率いて辺境の地を武力で制圧・平定するなどして功績を上げ、これらの活躍によってマルベーニは「遠征軍の雄」と称えられるようになる。
だがマルベーニが助祭枢機卿へ任命されるようになった頃、メツは突如としてマルベーニに別れを告げて単独行動を開始する。


お別れを言いに来てやったぜ 急にいなくなったらお前も困るだろ


別れ 私から離れてどうするというのだ お前は私の


俺は 独りでも全ての力が使える ドライバーおまえが死んでも俺は存在し続けられるからな


どうすると___いうのだ?


法王庁も 信者も 誰もが唾棄すべき愚民

人間は この世界の無駄そのものだ

その おまえの願望を叶えてやろうと思ってな


私はそのようなことは___


無駄なモノは消えてしまえばいい___

だからこそお前は至高の存在___神を求め 世界樹を登った それなのに___


「人間は生きるに値しない存在」と一方的に決めつけ、全て消し去るために一人どこかへと去っていった。
メツのこの行動は、マルベーニと同調した際に彼から流れ込んできた「世界への絶望」という負の感情に影響されたものであり、そんなマルベーニの願いを彼に代わって叶えるためものだった。
だが当時はまだ己の内なる悪性を認めきれていなかったマルベーニはメツを止めるべく、持ち帰ったもう一つのコアクリスタルと同調できる人間を探し出し、その人物にメツ討伐を託そうと決める。
そうして見つかったのがイーラ王国の王子アデルであり、もう一つのコアクリスタルは「ヒカリ」として彼のブレイドになった。


ちなみに『黄金の国イーラ』の回想では、「天の聖杯」という言葉の由来も判明。
元々はアーケディア開祖が残したとされる至宝を指す言葉であり、それを気に入ったメツは至宝を破壊し、「自分こそが神の言葉である」として天の聖杯を名乗るようになった。



『黄金の国イーラ』


これまでお前ら人間を見てきて確信したことがある

人間ってのは死にたがりだよなぁ

涼しい顔して殺し合い

自滅への道をひた走りやがる

神から与えられたその命を 無駄にすることにかけちゃあ もう天才的だ

どんな生物だって敵いやしねぇ

いや___いらないんだろうな 初っから

ならさ 俺はその背中をちょっと押してやるために

粋な神が遣わした存在 そうは思わねぇか?


イーラ編冒頭時点ですでにマルベーニの下を離れており、軍事大国シヤを壊滅させるなどといった破壊活動を各地で行っていた。
その一方でメツ討伐のため、イーラ王国の王子アデルやスペルビア帝国の皇帝ユーゴ、そしてイーラの傭兵ラウラと彼女のブレイド、シンが行動を開始していた。
ある時、次の破壊対象をイーラ王国に定めて王都を襲撃。
当初はそのままイーラを滅ぼすつもりだったが、「ただセイレーンで沈めるだけではつまらない」として、イーラの封印球を強奪してイーラの巨神獣を暴走させ、あえてアデル一行を待ち構えるという、ゲーム感覚で世界の命運を弄ぶかのような振る舞いを見せた。
そしてアデル一行との決戦にて、彼らと終始互角に立ち回るも、ヒカリが周囲への被害を恐れて全力を出しあぐねていることを察し、あろうことかセイレーンを使って王都を破壊。
王都には多くの国民や、ヒカリと旅を共にしたミルトやサタヒコといった仲間たちもおり、彼らへの被害を見てしまったヒカリはメツの思惑通りショックで暴走、双方セイレーンに搭乗し激しい空中戦を繰り広げる。
暴走したヒカリは第三の剣の力をも発現させ、それを見たメツは「それこそが親父が俺たちに与えた力だ!この世界が望んだ力だ!」と称えるも、暴走したヒカリの強さは想像以上であり、凄まじい攻撃を受けたメツはイーラの巨神獣もろとも雲海の底へ撃沈。
最終的にイーラを含む3つの国家級巨神獣の滅亡、スペルビア皇帝ユーゴの戦死といった多大な犠牲を払いつつも、メツは討ち取られ、これによってアデルは「英雄」として後世まで慕われることとなった。


一連のこの出来事は後世で「聖杯大戦」と語られることになる。



聖杯大戦後

聖杯大戦で敗北したメツだったが、力の大半を失いつつも辛うじて生き延びていた。
ある時、雨の降る街の路地裏を歩いていると、聖杯大戦で敵対したシンと再会。
シンは聖杯大戦後、色々あってドライバーのラウラを失い、彼女の心臓を取り込んで「マンイーター」という存在に変貌。ラウラの最期の言葉が「呪い」となって自分で死ぬこともできず、イーラ王国も滅んだことで行く当てもなく彷徨っていた。
そんなシンの身に起きた出来事を察したメツは、今や「生きる意味を失った者」同士意気投合し、世界のすべて、そしてそんな世界を創り出した「神」そのものすら滅ぼすべく行動を開始。
秘密結社「イーラ」を立ち上げ、ヨシツネやベンケイ、サタヒコ、ニアといった面々をスカウトして暗躍を始める。



本編~ホムラを巡る戦い

聖杯大戦で重傷を負ったことで天の聖杯としての力を失っていたメツは、もう一人の天の聖杯であるホムラ(ヒカリ)を見つけ出し、そのコアから情報を奪い取ることで欠けた分の情報を補うことを画策。
古代船に封印されたホムラを見つけるべくシン、ニアとともにアヴァリティア商会を訪問し、封印を解くのに必要なリベラリタス出身の人物としてサルベージャーの少年・レックスを指名。頼りになるか確かめるべく突如斬りかかったりと一悶着ありつつも彼を同行させる。
そして古代船を雲海の底から引き揚げ、その奥で封印されていたホムラを発見するも、この時レックスが誤ってホムラの剣に触れてしまう。
レックスがホムラと同調するのを防ぐべく、レックスはシンによって胸を貫かれて殺害され、さらに口封じとして同行していた作業員たちをメツは殺害しようとする。
しかし、レックスはホムラから命を半分分け与えられる形で蘇生、さらにメツたちのやり方に反発したニアの離反やじっちゃんの決死の救助もあってレックスとホムラを取り逃がしてしまうこととなった。


その後メツはヨシツネとともにレックスを追ってインヴィディア烈王国を訪問。
コール(ミノチ)の下で保護されていた難民の少女イオンを人質にしてホムラを誘い出し、間もなく後を追ってきたレックス一行とも交戦を開始。
圧倒的な実力差でレックスを追い詰め、さらにレックスを逃がそうと決死の特攻を仕掛けてきたヴァンダムを返り討ちにして殺害する。
だがヴァンダムの死を受けて、ホムラの内で眠っていたヒカリの人格が覚醒。
形勢逆転を許しブレイドのザンテツも消滅させられてしまい、流石に分が悪くなったことで撤退した。



復活~世界樹へ到達

ルクスリアでレックス一行を再び襲撃するも、今回は自分が出撃するというシンの意向を汲んで傍観者に徹する。
そしてシンがマンイーターとしての力を発揮してレックスに勝利したのを確認すると、ホムラを連れてその場を後にする。


その後はモルスの断崖に移動し、ホムラのコアから欠けた分の情報を抜き取り、天の聖杯としての力を完全に取り戻す。
(一方コアから情報を抜き取られたホムラは抜け殻のような状態*1になってしまった)
そして色々あって再起したレックスを、シンに先んじてモルスの断崖中盤にて迎え撃つ。


力を完全に取り戻したため、ここからは自前の剣を生み出して戦うのだが、なんとこの剣、『1』の主人公シュルクの武器「モナド」である。
この剣自体がモナドなのかどうかは作中で明言されていないのだが、直後のバトルで使ってくるアーツが「モナドイーター(喰)」「モナドアーマー(鎧)」「モナドサイクロン(轟)」「モナドバスター(斬)」なので、モナドと見て間違いないだろう。
またオリジナル技としてブレイド封印効果を持つ「モナドジェイル(封)」も使ってくる。
固有の能力として「物質を消滅させる」という凶悪なものも持っているが、こちらはマンイーターの力を解放したニアの再生能力とは相性が悪く、本編ではそこまで脅威にはならなかった。
そしてニアの能力によって体の細胞分裂を暴走させられるというエゲつない攻撃を食らって崖下へ転落し敗北…したと思われたが、それは演技であり天の聖杯である彼には致命傷とはならず、断崖最奥のシンの下へ到達したレックスたちの前に再び現れる。


今度はシンと二人がかりでレックスを圧倒するが、ここにきてレックスが本来ならありえないブレイドとの再同調、さらにホムラがプネウマとして覚醒するという奇跡を起こし、「思い描いた事象を現実にする」というプネウマのとんでもない力によって形勢逆転し敗北。
なおもメツは「神」を消し去らんとする決意を述べ、命令を書き換えたサーペント・デバイスを行使してレックスを消し去ろうとするが、プネウマもセイレーンを呼び出して対抗し、巨大ロボットバトルに発展。
激しい攻撃によって断崖の一部が崩落し、メツはギリギリのところで巻き込まれなかったものの、シンとレックス一行は雲海の底の「モルスの地」へ落下し離れ離れになってしまう。


その後ヨシツネたちと合流したメツは、モルスの地でシンを回収し、レックスたちに先んじて世界樹を登り始める。
シンとともに世界樹上層にある楽園へと続くエレベーター前へ到達するも、ここでシンはレックスと決着をつけるべく残ることを伝え、メツもシンの意志を尊重して彼を残し、自身は「神」の待つ楽園へと進んだ。


※以下、最終盤のネタバレ





























真の正体

メツ、そしてホムラ/ヒカリの真の正体は、アルストが出来る以前の旧世界、即ち第1作『ゼノブレイド』のラストシーンで見ることができる20XX年代の地球にて、軌道上の相転移実験施設に存在していたコンピューター『トリニティ・プロセッサー』のうちの一基。
『トリニティ・プロセッサー』とは、未知の物質である【ゲート】を制御するために科学者クラウスによって開発された合議型人工知性群の総称であり、「実体ウーシア」「論理ロゴス」「プネウマ」の三基からなる。
このうち「ロゴス」が実体化した存在こそがメツであり、「プネウマ」が実体化したのがホムラ/ヒカリである。


クラウスが起こした相転移実験によって旧世界が崩壊したのち、クラウスは崩壊した世界を再生する過程で亜種生命体「ブレイド」を生み出し、その管理をトリニティ・プロセッサーであるロゴスとプネウマに行わせる。
ロゴスとプネウマには「ブレイドが生存中収集したデータを、ブレイド消滅時に受信・解析し、新たな進化コードをブレイドへ再送信する」という機能が備わっており、アルストの生物の進化を促す役割が与えられている。
作中世界でコアに戻ったブレイドが記憶を失うのは、コアに蓄積された情報をロゴスとプネウマに送信しているためであり、すなわちロゴスとプネウマのコアには全ての生物の情報が蓄積されている。
(本編序盤でシンに殺害されたレックスが蘇生できたのも、ホムラから分け与えられたコアが心臓の代用として機能していたためである)


ちなみにあと一つの「ウーシア」は、相転移実験に巻き込まれて消失しておりゼノブレイド2世界には残されていない。
状況などから踏まえると、『1』に登場した青年「アルヴィース」がウーシアである可能性がある。



最終決戦

楽園へと到達したメツは、アルストで「神」と呼ばれる存在…クラウスと対面。
出会うや否やいきなりクラウスへ攻撃を仕掛けるが、おそらく【ゲート】の力のためかクラウスには攻撃が効かず無効化されてしまう。
そしてクラウスとの問答の中で、最早クラウスに残された時間は少ないことを知ると、世界を滅ぼす方を優先してその場を去り、ホムラのコアから得た情報に基づき、楽園に眠る最強のデバイス「アイオーン・デバイス」を探し出す。
そしてアイオーンを見つけ出し、さらに楽園に眠る全てのデバイスを起動しアルストへ出撃させ、本格的に世界を滅ぼそうとする。


間もなく追いついてきたレックスたちとアイオーン格納庫で対峙。
シンからメツのことを託されていたレックスは「自分の破壊衝動は自分の意志じゃない、マルベーニから刷り込まれたものだってわかってるんだろ」と戦いをやめるよう説得する。
メツは元々善も悪もないコンピューターであり、自身の破壊衝動がマルベーニと同調したことによる影響であることは十分自覚しており、だからこそ「自分の意志は本当に自分のものなのか」「自分は一体何者なのか」という葛藤を内心抱えていた。
だがメツは「舐めてんじゃねえぞ小僧!」と一蹴。
ブレイドの在り方を憂うシンとともに戦っていたメツだったが、実のところ彼自身は神と世界がブレイドに課した軛、そしてブレイドから巨神獣への命の循環といったものはどうでもよかった。
そして彼の脳裏に浮かんだのは、雨の降る街の路地裏で再会した際のシンの姿。
シンはラウラを失ったことで世界に絶望し、しかしそれでもラウラの最期の言葉故に自分で命を絶つこともできず、生きる意味を失ったまま生きていくしかなかった。


「けどな___あいつは全てを失っていた」

「何も望んじゃいなかった」

「自分が生きることさえもな」

「それでも___それでも自らの命だけは絶たなかった」

「絶てなかったんだよ」


「言葉は呪いだ」

「その呪いに縛られていたが故にな」


「酷い話じゃねぇか」



「酷い世界だろ ここは」



セイリュウ「その世界にお主もおることを忘れるな」

セイリュウ「お主がおらねば マルベーニがおらねば シンもラウラも別の道を行っておったろう」


「ご明察 その通りだ」

「伊達に年は食ってねぇな じじい」

「俺も酷い存在さ 醜悪で 救いようがない」


「___だから 終わりにしようや」


プネウマ「届いていないの?とうさまの悲しみは 思いは」


「届くわきゃあねぇだろ___」

「それは___」

「俺の役目じゃねえ」



自身の行動が原因でシンやラウラが不幸になったことも、メツは強く理解していた。
そんな「酷い世界」と「醜悪で救いようがない自分自身」をまとめて消し去ること、それこそがメツの本当の目的だった。
そしてメツはアイオーンに搭乗し、誰かに刷り込まれた意志ではない、自分自身の意志でもってレックスたちに立ちはだかる。


「こいよ小僧 こいよ相棒」

「全身全霊で 全てでもって示して見せろ」

「お前達の意志を」


「この世界に立っている意味を」



レックスたちと世界の命運を掛けた最終決戦。
アイオーンの圧倒的な力で追い詰めるも、なおもレックスは諦めようとせず、その姿にメツは苛立ちを浮かべていく。


最後はレックスとプネウマの渾身の一撃がアイオーンを切り裂き、致命傷を負ったメツはアイオーンから投げ出され、ついに敗北。
そして時を同じくして、並行世界のザンザもシュルクに討ち取られ、世界の命運を掛けた戦いはここに決着した。


「楽しかったぜ___ 小僧」

「もっと早くお前に出会ってたなら___色んな世界が見えたんだろうな___」

「だが それでも___」


「オレが___あんたのドライバーだったら___」

「そうすれば___」


「気色悪ぃことを言うな___俺のドライバーは奴だ」




「それは それで___」







「悪か___ ねぇ___」







最後に己の存在意義を見出したメツは、穏やかな表情を浮かべながら光の粒子となって消滅した。



■人間関係


イーラの首魁。
聖杯大戦では敵対したが、大戦後は生きる意味を失った者同士手を組むことになった。
かつてシンの身に起きた悲劇は自身の破壊行動が原因であることを自覚しており、メツはシンの願いを叶えるために行動をともにした。
世界樹の上層にてシンに今生の別れを告げる際の抱擁は、彼らの抱く万感の思いを伺わせる。


アーケディア法王庁の法王で、メツのドライバー。
マルベーニと同調した際、彼の「世界への絶望」という負の感情がメツに流れ込んだことが、のちの彼の行動に大きな影響を与えることになった。
一方マルベーニは完全な極悪人というわけではなく、元は善良な人物であった上、凶行に及ぶようになって以降も純粋な善意からジークとサイカを救ったりと色々複雑な胸中の持ち主であり、そうした部分がメツの面倒見のいい兄貴肌な人格にも影響を与えていると思われる。
メツも最後は「俺のドライバーは奴(マルベーニ)だ それはそれで悪かねえ」と述べており、マルベーニに対しても思うところはあったようだ。
またかつてマルベーニは、強盗犯*2に家族諸共殺されかけていた赤ん坊を救出したという過去を持つことが本編でも語られていたが、その際に「酷い世界だな…ここは」と悲嘆していたことが『黄金の国イーラ』で明らかになっている。


  • ザンテツ

メツのブレイド。
序盤までのメツのパートナーであり、戦いではホムラを挑発するなど好戦的な性格。
最期はインヴィディアの戦いで覚醒したヒカリに敗北し、コアもろとも消滅させられてしまった。
同時に散ったヨシツネのカムイに比べて出番も台詞も少なく、メツが悲しんでくれるような描写もないためぶっちゃけ印象が薄い
2周目以降は他のイーラ勢やT-elos:Re共々同調できるレアブレイドに追加され、引き当てることができればこちらも使用可能。


本作主人公であり、序盤から終盤まで対立し続けた宿敵。
レックスとホムラの初の共闘で戦った相手でもある。
当初メツはレックスをただの子供と侮っていたが、何度も戦ううちに心境が変化し、レックスもまたメツの背景を理解していくにつれてただの悪党という考えを改めていった。
なおレックスのことは初対面から最期まで一貫して「小僧」と呼んでいた。


もう一人の天の聖杯。
彼女らは何度もメツを説得したものの、結局最後までメツが耳を貸すことはなかった。
最後まで相容れることは無かったものの憎からず思っていたらしく、ホムラが身を挺してレックスを守ろうとするのをサタヒコが茶化した際には「笑うな。これは真剣勝負だ」と彼を叱責するなど覚悟は認めていた様子。
こちらのことは出自ゆえか「相棒」と呼んでいた。


世界樹頂上の楽園にいるとされる「神」その人であり、メツ(とホムヒカ)の生みの親ともいえる存在。メツは「オヤジ」と呼んでいる。
「神」を消し去るつもりだったメツは楽園で出会うや即攻撃を仕掛けたものの失敗。
やがてクラウスとの問答で彼の寿命が既に残り少ないことを知るとその場を去った。



大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL


スピリットとして登場。
ホムラ、ヒカリ、プネウマと同じLEGEND級スピリット。属性は無。
非常に高い攻撃力を誇り、実装当初は豪鬼に次ぐ全スピリット2位だった。
(のちに殺意の波動に目覚めたリュウの実装で3位に後退)
空きスロット1つと固有スキルを持つため、構築によってはその二者を上回る火力をも狙えるが、
その一方で防御力は最低クラスという非常に尖った性能をしている。


スピリットバトルではジャイアント化&ビームソード持ちリヒターに憑依し、さらにジャイアント化リドリー×3体も登場する(おそらく『黄金の国イーラ』のガーゴイル・デバイスの再現)。



■余談


  • キャラクターデザインを担当したのはFFシリーズなども手掛ける野村哲也氏であり、シンなど他のイーラキャラも担当している。

  • 声を担当した中村氏は『ゼノブレイドクロス』でもグイン役で出演している。

  • アイオーン・デバイスに搭乗したメツとの最終決戦で流れるBGMの名は「絶望と希望…そして」。こちらは『黄金の国イーラ』における二度目のメツ戦でも流れる。
    なおイーラ編の一度目のメツ戦BGM「落胆と憎悪の果てに」は本編での神鎧マルベーニ戦のBGM「マルベーニ ~神の代行者~」をアレンジした物である。

  • 次作『ゼノブレイド3』には「滅光の虚」という地名が登場する。
    名前に滅(メツ)と光(ヒカリ)が含まれるのが意味深だが関連は不明。
    ちなみにここには本作最強ユニークモンスターが登場するほか一部ヒーロークエストで訪れることになるが、ストーリー進行としては訪問必須ではない。

  • 『黄金の国イーラ』のPVが発表された際、中村氏がツイッターで「小僧…」と呟くファンサービスを行ったのだが、ゼノブレイド2を知らない人からは「誰かにガチ切れしている」と勘違いされたことがある。

  • ちょうどクッパ姫がトレンドになっていた頃「ミクマリ」「セオリ」「T-elos Re: 」のデザインを担当したCHOCO氏が自身のツイッターで「何だ小僧 その帽子を俺に?」と首を傾げるメツと王冠を渡そうとするレックスというシュールなイラストをアップしていた……どうなるのかは想像したくないが要するにメツ姫である。

メツとホムラ/ヒカリは同じ天の聖杯であり、
両者共に聖杯としての力を振るったせいで世界を滅ぼしかけ、その罪の意識から己の破滅を願っていた。
しかしながら、両者はレックスというどこまでも前向きなドライバーによって「皆がいる世界」を好きになれたホムラ/ヒカリと、
マルベーニという世界を呪うドライバーによって「酷い世界」を憎むようになったメツと言う点で両者は対照的な存在として描かれた。
だからこそアイオーン・デバイス撃破後のレックスは、ひょっとしたらメツも道さえ間違えなければホムラ/ヒカリのように世界を好きになることが出来たのかもしれない……同情にも近い念を抱いていた。


……これだけだったら大真面目な話ではあり、あくまでも「もしマルベーニがドライバーでさえなければメツのこともホムラ/ヒカリのように救うことが出来たかもしれない」という可能性について言及しただけなのだが、
レックスが口にした「オレがあんたのドライバーだったら……そうすれば──」という言いまわしのせいで、
プレイヤーの間で「レックス的にメツと同調するのはありなのか?」「その場合メツが本編のホムラ/ヒカリの役割を演じるのか?」という妄想ネタが広まり、「最初にレックスと同調したのがホムラ/ヒカリではなくメツだったら」という話を膨らませて「メツブレイド」と名付けられた。


当然ながらセクシーなお姉さんヒロインのホムラ/ヒカリがやっていたことを身長2m近い屈強な大男であるメツにやらせるのだからシュール極まりなく、中でもホムラの「おそろいですね」「やめて、私の思い出を奪わないで」などの台詞を置き換えた「おそろいだな…小僧」「やめてくれ、小僧との思い出を奪わないでくれ」といった台詞群が有名(?)である。
そしてその流れからホムラ/ヒカリがメツポジションに置き換わるネタもセットで扱われることが多く、こちらの場合は「くだらない、ノイズだらけじゃない」が有名(?)である。


……そういったネタ要素ばかり語られることが殆どだが、もし仮にメツがレックスのブレイドになった場合、メツの武器=モナドをプレイヤー自身で振るうことができるということでもあるので、そういう意味でメツが味方になるルートを望むプレイヤーも存在していた。
そして「レックスがモナドを振るう」というのは、のちにDLCでシュルクが参戦するという形で実現する運びとなった。


一応、フォローすると前述のレックスの発言は、
最終決戦直後のメツの「もっと早くお前に出会ってたなら──色んな世界が見えたんだろうな──」という台詞に対してのものであるため、
「ホムラ/ヒカリじゃなくてメツと同調していたら」というものではなく「自分達と一緒に世界を回ってみることが出来たら」というニュアンスと思われる。
何より前述した通りメツの最期にマルベーニが自分のドライバーであることを指して「それはそれで――悪かねぇ」と述べており、
己の存在を呪いつつも「マルベーニが自分のドライバーであること」と「自分がマルベーニのブレイドであること」に対しては決して否定的に捉えていない点については留意する必要がある。


ちなみに担当声優の中村氏もこのネタの存在は把握しているらしく、YouTubeで『3』を実況プレイした際にしれっと「メツブレイド3」と発言している。





追記・修正は小僧との戦いを経てお願いします。


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  • レックスが3でちょっとメツっぽくなったせいでメツブレイドが現実味帯びてきてるのが草 -- 名無しさん (2023-04-23 18:39:49)
  • 「マルベーニは一応聖職者じゃった…その性癖と全く関係がないとは言い切れんな」とか森住ゲーだったら自軍サイドに露骨にホ○扱いされそう -- 名無しさん (2023-04-23 18:46:25)
  • メツブレイドはメツブレイドで王道熱血バディモノになりそう -- 名無しさん (2023-04-23 18:49:50)
  • 俺が──レックスのお母さんに? -- 名無しさん (2023-04-23 18:56:39)
  • 小僧……♡ -- 名無しさん (2023-04-23 19:54:04)
  • ↑アーッ!♂️そんなホモ発言はやめろォ!(中の人がEVOLでヤンホモやってた記憶が…) -- 名無しさん (2023-04-23 19:58:21)
  • 序盤ぼく「こいつ中盤くらいでやられる幹部キャラやろなぁ😊」→中盤ぼく「え?天の聖杯?😥」→終盤ぼく「まさかラスボスになるなんて!?😱」 -- 名無しさん (2023-04-23 20:31:22)
  • 「マルベーニではなくレックスがメツのドライバーなら良かったのに」ってのは確かにその通りなんだけど、他の人ではなくレックス自身が「オレがあんたのドライバーだったら…」と自分の口で言ってしまうのは何か違和感あったから、メツが安易に賛同しなかったのはちょっと安心した。 -- 名無しさん (2023-04-23 21:59:31)
  • 実際の所この男、「知り合った誰かの願いを叶えてやる」ためにばかり行動してるんよな。荒っぽい言動と見た目で惑わされるけど。 -- 名無しさん (2023-04-23 22:24:06)
  • メインヒロイン同様に旧世界の根幹を為していたことや、自身に接触した者の影響を色濃く受けていたことなど、ソーマブリンガーのアドニスがモチーフと推測させるキャラ -- 名無しさん (2023-04-24 01:38:35)
  • ↑3レックスの人格と能力ならメツを良い方向に導けたのは間違いないだろうけど、まあそういうのは自分で言うことじゃないよね。でも良くも悪くもレックスのそういう少年らしい万能感が勇気に繋がって世界を救えたのも確か。 -- 名無しさん (2023-04-24 10:00:46)
  • 最終決戦中の「それで何人が死んだと思ってる!?許せるのかお前は!!」のぽろっと本音が漏れた感じがすごく好き。中村さんの悲壮感溢れる演技も相合わさって本当に自己嫌悪塗れだったんだな…ってのが伝わってくる -- 名無しさん (2023-04-24 10:53:53)
  • 良くも悪くもクソ真面目だったんだろうな。「本音と建前」の概念が分からずにバグってしまい、理解した頃には手遅れで後戻りできず悪を邁進するしかなかった -- 名無しさん (2023-04-24 11:06:19)
  • drifting soulとかいう実質メツのテーマ曲。 -- 名無しさん (2023-04-24 19:06:54)
  • なぁに、レックスを女の子にすれば解決だ>メツブレイド -- 名無しさん (2023-04-24 22:51:31)
  • ↑でもそれだと呼び方が「小娘」になって、「小僧」って言ってくれなさそう🥺 -- 名無しさん (2023-04-25 07:16:49)
  • ↑7 言われてみりゃ世界基幹 -- 名無しさん (2023-04-25 20:01:32)
  • ↑誤レス 世界基幹システムの対話型モジュール、拗らせた組織人との接触であらぬ方向に向かう、自身のマスターは先に死亡するが特に影響無く行動を継続、専用の人型武装デバイスが居る…と確かにほぼアドニスだな -- 名無しさん (2023-04-25 20:06:24)
  • DLCで追加ブレイドにメツを入れて欲しかった -- 名無しさん (2023-04-25 22:58:24)
  • DLCの後、ゼノブレ3はメツブレイド3になった。 -- 名無しさん (2023-04-30 22:46:02)
  • 未だに擦られてる所為でメツ女王とかいうキャラが爆誕してしまったのは草 -- 名無しさん (2023-07-27 23:56:09)

#comment

*1 メツ曰く「ただの肉の塊」
*2 以前マルベーニが治療した負傷者だった人間

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