ホーリー・ナイト・ドラゴン(遊戯王OCG)

ページ名:ホーリー_ナイト_ドラゴン_遊戯王OCG_

登録日:2011/02/05(土) 17:03:19
更新日:2023/08/10 Thu 17:13:55NEW!
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刻は遊戯王OCGの第1期に遡る。


「それ」は、あるゲームの特典カードとして遊戯王OCGの世界に生を受けた。


「それ」は多くのデュエリストの『憧れ』であった――。


ホーリー・ナイト・ドラゴン

通常モンスター
星7/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2300
聖なる炎で悪しき者を焼きはらう、神聖な力を持つドラゴン。


GB用ソフト『遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記』で登場したシークレットレアの通常モンスターカード。
ブラック・マジシャン青眼の白龍のステータスを足して、中途半端に2で割ったようなステータスを持つ。
その洗練されたふつくしいデザインに心惹かれるプレイヤーは、今も多く存在する。





青眼の白龍と属性、種族が全く同じで、その上攻撃力も向こうの方が上。2体リリースしてアドバンス召喚するなら断然青眼の白龍の方がお得である。
しかも、青眼の白龍には豊富なサポートカードに加えて、(このカードも対応しているが)通常モンスターサポートカードまで利用することができる。
さらにこのカードのレベルは7。青眼の白龍はレベル8であり、その差僅か1つのレベルの違いで、強力なドローソースとなるトレード・インに対応していない。
この事実も相対的にホーリー・ナイト・ドラゴンの評価を下げる要因となった。
よって、通常モンスターサポートカードの恩恵を受けることはできるが、中途半端なステータスを考慮すると微妙扱いされていた。


しかし、後に場のモンスターもコストにできるトレード・インのレベル7版七星の宝刀や、墓地から除外することでレベル7・ドラゴン族の通常モンスターを特殊召喚できる「カーボネドン」が登場。
加えて、レベル1チューナーとの併用でレベル8のシンクロ召喚の素材に利用できるなど、青眼の白龍と差別化できるようになった。
同じレベル7・ドラゴン族の通常モンスターには青眼の白龍と同じくサポートカードの豊富な真紅眼の黒竜も存在するが、光属性である点や攻撃力で勝る点を活すことができれば採用の余地はある。




<魅力>
このカードの魅力は、何といってもレアリティ。稀少なカードで友達に自慢できることだ。

などという邪なことが理由なわけがあるかぁぁぁぁぁッッ!!!


その真の魅力は、遊戯王OCGを子供の頃からやってきたような、古参の人物の心の中にあるのだ……。




<思ひ出>
あるカードゲーム好きな少年は、母の買い物に同行していた。
だが、買い物に飽きてしまった少年は「おもちゃ売り場で待ってるね」と母に言い残して、おもちゃ売り場に駆け出した。


そのおもちゃ売り場で、少年は運命の出会いをする。
それは、1枚のゲームの広告ポスターであった。


否、それはそのポスターに描かれた特典カードの一枚であった。


少年「ホーリー・ナイト・ドラゴン……?」
(攻撃力2500?なんだ。僕のブラック・マジシャンと同じ数値じゃないか)
(……いや待て。守備力2300……!?ぼ、僕のブラック・マジシャンより高いなんて……!)


(このカードさえ僕のデッキにあれば……無敵だ……!)



少年はどこか邪な気持ちで、そのポスターを見つめた。
唯一純粋と言えるのは、そのカードの持つ力に対する憧れとその欲望のベクトルだろう。


少年(でも、僕には財力が無い…5000円もあったら、カードダスを50回も回せるじゃないか!こうなったら…)



そう、少年には無限とも思える「親の財力」を利用するしか手はなかった。


そこに、買い物を終えた母がやってきた。


母「息子よ。何をしておるのだ?」


少年「母上……。お願いがございます」


母「申してみよ」


少年「こちらのゲームの広告ポスターをご覧ください。私は、このゲームソフトに心惹かれているのです。そう。まるで恋する乙女のように!……しかし、私にはカードダスを50回も回せるような財力はありませぬ。……故に、このゲームソフトを母上に購入して貰いたいのです!」


母「ほほう…だが貴様は来月の小遣いすら前借りしている身の上。私が購入に同意すると思っていたのか?


少年「そんなことは百も承知! 故に母上、私は今日から「よい子」になって見せましょうッ!!」


母「フ…。我が息子ながら良い瞳をしている。よかろう。貴様の命懸けの選択に免じて、このゲームソフトの予約及び購入を引き受け、発売日に貴様に譲渡することを約束しよう……」


少年「あっ……ありがとうございます母上!この御恩、いつか親孝行で返します!!」


母「フフ……。期待せずに待たせて貰うとするよ」



こうして少年は、1つのチャンスを手にした。
そして、発売までの月日を体中の毛穴が開くような苦しみの中、よい子として過ごしたのである。





そして……



母「ほれ、貴殿の望みの品だ」


少年「あ、ありがとうございます母上!この御恩、一生忘れませぬ!!」





逸る心を抑え、いざ開封……。


少年「特典カードはこの銀色のpackに入っているのか。よし、いざ……!」






ビリッ


  • 硫酸の溜まった落とし穴
  • サイバー・ボンテージ
  • シャイン・キャッスル

→終わり☆


少年「なん…だと……?」







上の少年のように善を尽くした者もいれば、誕生日プレゼントという特権を利用した者もいる。
様々な手段を用いて親の財力という切り札を以てして購入に漕ぎ着けた小学生デュエリスト達に突き付けられたのは、
10枚のラインナップの中から3枚のみ封入というKONMAIからのファンサービスであった。


☆特典カードラインナップ



長々と語ってきたが、当時小学生だったデュエリスト諸君にもこんな思ひ出があったのではないだろうか。
この出来事は、ホーリー・ナイト・ドラゴン目当てにゲームを購入した多くの子供達の心に大きな傷跡を残した。
このカードの封入率は究極完全態・グレート・モスに並ぶ5%という鬼畜封入率だったのである。




<真の魅力>
このカードの真の魅力は、こんな思い出があるからこそ語ることができるものと言えよう*1


カードゲームを再開しやすい中学、高校生がカードショップを訪れたとき、稀に目にしては懐かしい思い出に出会うのだ。
そして、ショップからこのカードが姿を消したとき、何だか君を寂しい気持ちにさせるかもしれない。
こんな気持ちにさせてくれることこそがこのカードの真の魅力なのである。




<あれから幾年月>


元少年「お?これは遊戯王か、懐かしいものが出てきたな」




かつてカードゲーム好きだった少年は立派に成長し社会人となって働いていた。
ある日押し入れを整理しているとかつて苦い思いをしたソフトと再会した。
それと一緒にホーリー・ナイト・ドラゴンの切り抜きも出てきた。


元少年「…思えばこれが欲しくて頑張ったのに手に入らなくてやめちまったんだよな…」




あの日を境に少年はカードゲームが嫌になってしまい、それを押し入れの奥に仕舞いこみ遊戯王に対する興味をなくした。
だが十数年ぶりの再会に男の中に少年だったころの思い出が蘇り、このカードへの欲求も再び沸き起こった。



元少年「昔の俺には財力が無かった。カードショップにも恵まれなかった。だが、大人になった今なら…!」



思い立ったが吉日。早速彼は自身のスマホで検索にかかった。
するとなんと200円で売られているではないか!これは買うしかない!
購入ボタンをタップしようとした彼だが、直前でふと疑問が沸いた。
確かにホーリー・ナイト・ドラゴンに間違いないしレアリティも同じシークレットレア仕様だ、でも何かが違う。
切り抜きと比べてみると攻撃力・守備力表記やカードレイアウトが全然違うものだった。
それもそのはずで、購入しようとしていた品は最近になって再録されたものだったのだ。



元少年「フーム、折角だし第1期のやつが欲しいかな。今の俺の財力なら余裕で買えるっしょw」



最初期のフォーマットを探し、彼はさらに検索を続ける。
その結果、数万単位の値段で売られているものに目が留まる。



元少年「なんだこれ?初期のカードだけど状態が傷だらけ…それでいて価格が数万?ボッタクリ価格じゃねえか。こんなの買う奴いるわけ……!?」




そう、そんな傷だらけのカードが完売していたのだ、しかも万単位で取引されているものはそれ以外にもたくさんあり、その事実に彼は目を疑った。



元少年「どういう…ことだ…」





このカード、当時品は前述したとおりの封入率だった為かシングル価格が2019年現在でもバカ高い。
傷アリでも数万単位はザラ、美品となると10万円越えも珍しくない。
新フォーマットでシークレット仕様のものが再録されているにもかかわらずである。
子供の頃に夢破れたかつての少年たちが、成長し財力を付け今手にすることによってあの頃の思い出に思いを馳せているのかもしれない…*2
加筆者もA-相当品をそこそこの額で買いました




<余談>

  • 本カードのイラストは遊戯王の原作者・高橋和希先生描き下ろしである。
  • そのイラストの出自は現OCGではなく、かつてデュエルモンスターズ1、PSカプセルモンスターズの際に作成された原作タッチのイラストを使用したコレクターズカードである。つまり、コレクターズカードを経てOCGに登場したのだ。
  • GBAソフト「遊戯王デュエルモンスターズ エキスパート2006」の全国大会にて、当選者全てにスーレア仕様英語版の「SEIYARYU」が配布された。*3
  • 対になるカードに「エビルナイト・ドラゴン」がある。*4
  • 攻撃名は「聖なる炎」。テキストまんまである。



<アニメ>
アニメオリジナルストーリーの「遊戯vsキース」戦においてキースが使用。
遊戯の《ホーリー・エルフ》を焼き払うも、《ゼラ》の影に隠れてしまいあまり活躍しなかった。


その後、「乃亜編」の「遊戯vsビッグ1(大下)」戦の前に遊戯がデッキを構築する際、このカードをデッキに加えるシーンがある(ただし、デュエルでは登場していない)。
同じく、「杏子vsビッグ2(大瀧)」戦の前に杏子がデッキを構築する際、カードリスト内にその姿を確認できる。







ホーリー・ナイト・ドラゴン
「君たちには3つ試練が待っている……。それは、

  • 購入する試練
  • 購入した私を使用するという勇気を試す試練

そして、



追記、修正する試練


だ!!君は見事試練を突破し、聖なる炎を習得できるかな?」


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  • GBの初代でパスワード入れたら入手できる。もう忘れたが -- 名無しさん (2013-09-21 14:18:25)
  • 好きなカードだから復刻しないかな…と願ってしまう -- 名無しさん (2013-12-04 14:23:36)
  • このカード持ってるけど、ドラゴンデッキに入れてるわ。レベル7だからシンクロ素材にしやすいし、エクシーズでドラゴサック出せるから意外と万能。だからブルーアイズは完全な上位互換じゃないべ。 -- 名無しさん (2014-04-18 13:50:28)
  • ↑マジいいな…持ってたら真紅眼と組み合わせたかった… -- 名無しさん (2014-04-18 15:13:37)
  • ↑闇と光が合わさり最強に見えるわけですねわかります。 まぁ確かに、今の時代だと青眼の下位互換とは言えないかもしれんな。 -- 名無しさん (2014-04-18 15:23:38)
  • ノーマルなら簡単に手に入るが、やっぱシークレットが欲しいんだよなw 妥協してシク1枚ノーマル2枚で我慢してるが、いつか3枚揃えたい。 -- 名無しさん (2014-05-26 08:31:49)
  • 最初見た時「ドラゴンなのにトリじゃんw」て突っ込んだのもいい思い出 -- 名無しさん (2014-05-26 08:49:06)
  • 今ならカーボネドンからコイツ飛んできてドラゴサックやビックアイが出せるからな。コストでも七星の宝刀で行けるし、何でもありやな -- 名無しさん (2014-07-24 15:24:16)
  • 再録おめでとう!これで満足できる! -- 名無しさん (2014-12-04 17:27:25)
  • 再録に喜べない…青眼の白龍の影に隠れていたからこそ好きだったのに -- 名無しさん (2014-12-24 08:37:12)
  • シークレットレアver.は、今でも大きなカードショップでショーケースに入ってるのをよく見るけど、大体どこも20000円を余裕で超えてるな(最も高いと50000円はしてたし)。 -- 名無しさん (2014-12-24 09:00:21)
  • ↑2青眼と区別するためにエラッタして超強力な効果をつけよう(錯乱) -- 名無しさん (2014-12-24 09:01:36)
  • 光属性、☆7のドラゴン族バニラで最高打点を持つカードだから手に入れておきたかったために再録は有難い -- 名無しさん (2015-01-15 15:40:10)
  • 綺麗な状態の初期版って今どのくらいあるんだろ・・・ 店で見かける事はあっても擦り傷だらけの物しか見たことない -- 名無しさん (2015-02-19 02:39:38)
  • このカード欲しかったけど、ゲームもなかったから泣く泣くダイヤモンド・ドラゴンで代用してたなあ -- 名無しさん (2015-09-26 12:06:36)
  • 聖龍、エクシーズ、シンクロ等、ブルーアイズとも明確な差別化ができるようになった -- 名無しさん (2015-09-26 12:46:32)
  • ついに未来が -- 名無しさん (2018-06-13 15:31:35)
  • ちだたくり -- 名無しさん (2019-03-10 18:07:19)
  • エビルナイト・ドラゴンは確かに名前も立ち位置も対なのだが、あっちは「邪悪な騎士(フレーバーテキストより)」でこっちは「聖なる夜(コレクターズ版の表記より)」なので微妙に違う。…海外版ではエビルナイトが「Serpent Night Dragon(蛇夜竜)」、ホーリーナイトが「Seiyaryu(聖夜竜)」となっており、訳して比べればそれっぽい。…でも片方ローマ字なせいであっちの人には分かりにくく、それ以前にホーリーはともかくエビルの翻訳が明らかに変なので違和感バリバリである。 -- 名無しさん (2019-06-30 13:32:07)
  • 初代ゲームで裏技で簡単に入手できるうえにブルーアイズに次ぐ強さだから当時、それを知ってる子供が「すげえ、何それ見たことねえ!」と言われ羨望の眼差しを受けながら無双するという事案が周囲でおきた -- 名無しさん (2021-03-28 17:55:05)
  • リメイク出てきたな!!《聖夜に煌めく竜》としてかつての、そして今の子供達の前に降り立った。 -- 名無しさん (2021-04-20 16:51:17)
  • 遂にはホーリーナイツで使うならば条件に合う通常モンスターとして攻撃力が最高なので十分実用性があるカードになった竜。(守備が最高のダイヤモンドドラゴンも同じ) -- 名無しさん (2022-09-05 21:34:56)

#comment

*1 当然、この時手に入れた人にとってもいい思い出だろう
*2 これに限らず遊戯王初期の希少なカードはここ数年で高騰している
*3 初期版ほどではないが高値がついている
*4 こちらは大会賞品のためその流通量の少なさから本カードの6倍近い値段で取引されている。

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