登録日:2023/02/19 (日曜日) 21:18:35
更新日:2024/07/05 Fri 10:47:58NEW!
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怪異 死噛 死印 都市伝説 学校の怪談 大半が被害者 トイレのハナコ 口裂けカシマ コックリおじさん シビト ホラー グロ ネタバレ項目 マッハ姫
この項目では、『死印』から続く心霊ホラーADVシリーズの第三弾『死噛~シビトマギレ~』に登場する怪異について解説する。
概要
本作の怪異はDLCのマッハ姫を除き、全員が舞台である近衛原学園、及びその前身であるM村の関係者であり、徒党を組んでいるわけではないが半ばシビトに先導される形で動いている。
シビトにとって彼らは「花婿」選定のための重要な人材であると同時に、自らが「美しい姿」になるために有用な存在でもある。
なので主人公が怪異の救済に成功してもその姿は完全には消えず、直後になんとシビトに食われてしまう*1。
本作は全七章だが、一章はチュートリアル、四章は箸休め回のためボス戦は無い。(ただしサスペンシブアクトはある。)
恒例通り怪異たちは凄惨かつ悲劇的な最期を迎えた元人間であり、今回ボスの怪異は全員被害者側で、なおかつ特定の人物への深い愛情を抱いているという共通点がある。
シビトを除く3体はそれぞれ有名な怪談が元ネタになっているが、作中での名付けの由来もそこから来ている。(要するに完全オリジナルの怪異という扱いではない。)
また、シリーズで初めて全員声優不明となった*2。
なお、本作では救済失敗時の同行者の死亡以外にも怪異によって多数の犠牲者が出るが、基本的にその凄惨な痕跡は一瞬で影も形も無く消えてしまう。
これは「流石に死体が見つかると事態が大きくなって主人公が学園に居られなくなるため、シビトが証拠を隠滅しているのでは?」と作中で推測されているが、
過去の事例でも同様の現象は起きている=シビト以外の怪異もその能力は持っていると考えられるため、真相は不明。というか普通は同一の場所で立て続けに行方不明者が出るだけでも十分大事件である。
以下、ネタバレと胸糞注意。
トイレのハナコ
■概要
一章、二章に登場。二章のボス。予告状の宛先はリボン、ピアノヒキ、モデルと最多。
旧棟のトイレに落書きを行うと「かえして…」の言葉と共に現れるとされる。
ゴムホースとそこから出る汚水を自在に操る能力を持ち、ゴムホースによる拘束や汚水による物体の切断が主な攻撃手段。
その気になれば教室丸々水没させたり、標的の体内からゴムホースを生やして押し出したりもできる。
一方でかなり知能が低く、殺した相手はおろか、自分の名前すら正確に覚えていない。
■容姿
「トイレの花子さん」でお馴染みの赤い吊りスカート姿の少女。ただし肉体は小学生ではなく高校生。ブラジャーは紫。
ゴムホースで首を吊って天井からぶら下がっている状態で、首が異様に長い。両腕にもゴムホースが絡み付いている。靴はこれまた小学生が履くような運動靴で、左足の側は脱げている。
頭部は水色のスライムのようになっており、ギョロギョロした両目からは常に涙を流している。
対決シーンで見られるその顔は、水木しげる作品に出てきそうな愛嬌も感じられる様相だが、
ナオミを羽交い締めにするイベントスチルではまさしく腐乱死体と言うべき顔で非常に怖い。
「トイレのハナコ」オリジン
本名は赤井華子。近衛原学園吹奏楽部所属の2年生。大人しい性格で牛乳が苦手。目立たない存在だったが優しく、ピアノが大好きで演奏も得意だった。
その性格からイジメの標的になりがちだったが、親友の堀越ナオミの存在が学園生活における心の支えになっていた。
地味な華子と才女であるナオミの組み合わせは不釣り合いだと考える者もいたが、それでもナオミは華子を庇い続けた。
二人はお互いを「ハナ」「ナオ」と呼び合い、時には校歌の歌詞を新しく考えてみたりと、残された手帳や日記から読み取れるその絆は間違いなく本物だった。
本編開始前、華子は校歌斉唱の際のピアノ伴奏者の座をかけて泉俊彦と争うことになる。
結果、華子がその座に選ばれ本人もそれを喜んだが、これを不服とした泉が悪質な嫌がらせを開始。
旧棟のトイレに華子の悪口を書くようになり、他のイジメっ子も面白がって同調し始める。
やがて根負けした華子はピアノ奏者を辞退してしまうが、それでも泉の気は収まらずイジメはどんどんエスカレート。
- 華子を旧棟に呼び出して彼女の苦手な牛乳を無理矢理飲ませる。
- 華子の制服を盗み小学生用の赤い吊りスカートを着せて「トイレの花子さん」の真似をさせる。
- ゴムホースによる首吊り未遂を「ごっこ遊び」と称して強要させる。
と、常軌を逸したレベルに達していた。
それに前後して、華子はナオミから「私はハナが好き」という告白を受ける。さすがに困惑した華子は一旦ナオミと距離を置くようになってしまったが、
それでも考えた末に「私もナオが好き。私の「好き」とナオの「好き」が同じだといいね」という前向きな返答をするつもりだった。
だが、そこへまたしても泉の魔の手が迫る。華子の日記からナオミの告白を知った泉は、「そのことをバラされたくなければ華子から手を引け」とナオミを脅迫したのである。
華子を助けたい一方で、自分の想いが周囲に露呈することを恐れていたナオミは、咄嗟にその場で「自分と華子は何の関係も無い」と言ってしまった。
…数日後、いつも通り首吊りごっこをさせられていた華子。それを見ていた泉は、一緒にいた高井響子との会話中にナオミの発言をそのまま口にする。
満足した二人がその場を後にした直後、自らの意志かはたまたショックの余りか、華子は「ナオミに裏切られた絶望」と共に足を踏み外し、本当に首を吊って死亡した。
皮肉なことに、第一発見者は彼女を助けに旧棟を訪れたナオミであった…。
こうして赤井華子は怪異『トイレのハナコ』となったのである。
予告先であるリボン・ピアノヒキ・モデルは、それぞれ自分の死に関わった高井・泉・ナオミを指す。
なお余談だが、六章にて泉がシビトの花婿候補であったことが判明する。
だがシビトが花婿に求めるものは「怪異との対峙」と「怪異の救済」であり、上記の経緯からして泉がトイレのハナコを救うのはどうあがいても無理ゲー。
学園にまぎれて花婿を選定していたシビトが、そのことに気づいていなかったとは考えにくいのだが…。
一応、最終章での主人公とシビトの会話を見ると、血筋(霊的な資質)を花婿の基準の一つとしている節があり、泉の先祖はシビトと関わりの深い神職だった事も最終章で示唆されている。
後から得られない資質を持っていた彼をまずは追い込み、土壇場で人格面が改善されるのを期待していたのかもしれない…。それか最初から駄目元だったか
口裂けカシマ
■概要
三章の怪異にしてボス。予告状の宛先はキンショウ。
学園の側にあるバス停に不気味な金属音と共に現れ、「あなた、カミヲ、シンジ、マナベ」とつぶやきながら近づいてくる。
どこにでも自在にハサミを出現させる能力を持ち、標的を殺害する時は相手の体内に大量のハサミを出現させ内側から突き破るという、どこぞの暗殺者めいた方法を取る。
また、その光景を痛みを伴う幻覚として見せることも可能。(ただし概要で上述したように、攻撃の痕跡を怪異の能力で消している可能性もある。)
どうやら「誰か」と「何か」を探しているようで、本編ではその執念に当てられたみちほが一時的に化け物になった。服をはだけさせる必要はあったんですかねぇ…。
■容姿
コートを羽織り、近衛原学園の制服を着た黒髪ロングの女子高生。口はマスクで隠している。
その「ハサミを使うマスクの女性」という、「口裂け女」を連想させる特徴が名前の由来とされている。
顔は右目が髪の毛で隠れており、両目から涙を流している。マスクの下の口からは複数のハサミの刃が飛び出しており、引っこ抜くことが可能。
上半身と下半身が真っ二つに裂けていて、上半身は宙に浮いている状態。切断面からも大量のハサミの刃が飛び出している。
下半身は両脚がハサミの刃になっているが、問題なく歩ける様子。
「口裂けカシマ」オリジン
本名は鹿島玲。五年前に近衛原学園の美術部に所属していた生徒。美容師になることを夢見ていた。
当時美術部の顧問であった広瀬壮介に半ば妄執的な恋心を抱いており、それは彼にハサミをプレゼントしてもらっただけで結婚まで考えるという重篤さになっていた。
それを快く思っていなかったのが同じく美術部所属の眞鍋恵。同じく広瀬に好意を抱いていた眞鍋は、友人の神尾江梨香、新司美穂と結託して広瀬を誘惑し、
その現場を写真に収めて、それを「広瀬といかがわしい関係にあった」という虚偽の情報と共に学園に公表。
親が有力者である眞鍋はお咎めなしだった一方、実際は何もしていない広瀬は学校を追われてしまうことに。
芸術家として繊細な面を持っていた広瀬は、この事件の影響で精神を病んで絵が描けなくなり、最期は自動車事故(もしくは自殺)で死亡。
そして広瀬の死によって発狂した鹿島は、彼から貰ったハサミで切腹した。その傷は背中まで届いていたという…。
こうして鹿島玲は怪異『口裂けカシマ』となった。
上記の「あなた、カミヲ、シンジ、マナベ」という声かけは一種のミスリードとなっており、
その本当の意味は「貴方、神を信じ学べ」ではなく「貴方は神尾か?新司か?眞鍋か?」という標的を見定めるための問いである。
予告先のキンショウは、当時の美術コンクールで金賞を取った眞鍋恵。つまり現在は学外の人間であった。
余談だが、『死噛』の五年前は『死印』の五年前でもあるので、メリイが覚醒して花彦くん、森のシミ男、くちゃら花嫁が発生した年でもある。厄年ってレベルじゃねーぞ!
ちなみに広瀬だが、鹿島に対しては好感こそ持っていたものの、あくまで「教師と生徒」として一線を引いていた。
また、坂本によると広瀬は背格好や雰囲気が主人公に似ていたという。またかよ。
体育用具室の幽霊
■概要
三章の怪異。体育用具室にある謎のシミに触ると姿を現すとされる。
■容姿
近衛原学園の制服を着た女子高生。後ろ向きに大きくのけぞっていて、体の半分ぐらいの大きさの頭を持つ。ねじれた長い首によってぶら下がったそれはまるで提灯。
両目からはハサミの持ち手が飛び出しており、先端は喉元を貫いている。
「体育用具室の幽霊」オリジン
本名は新司美穂。鹿島の死後、神尾江梨香と共に彼女の墓参りを行ったが、その結果口裂けカシマに襲われることになり、逃げ込んだ先の体育用具室でカシマに殺害される。
その後は地縛霊としてその場に留まり続けていた。
ちなみに江梨香の方も正門前でカシマに殺害されたが、こちらは怪異化していない。どちらの事件も行方不明として処理された。
プールの幽霊
■概要
四章の怪異。
ある時から水泳部では部員が泳いでいる途中に窒息しかけるという不審な事故が連続するようになり、その原因とされる。
どうやらプールで何かを探している様子だが…?
■容姿
全身がぶくぶくに膨らんだ水死体で、風船のように宙に浮いている。
ゴムホースがからみついてボンレスハムみたいになっている上に上半身裸に見えるがよく見てみると近衛原学園のブレザーが膨らんだ胴体の隙間から確認でき、スカートを履いているので女子。
「プールの幽霊」オリジン
本名は高井響子。赤井華子をいじめていた泉の仲間の一人。つまりは学園で連続で発生する怪異がらみの犠牲者第一号。標的になったのは完全な自業自得だが
生前は目立ちたがり屋かつ身勝手な性格で、彼女のグループ入りの誘いを断ったことを理由に華子をいじめ始めた。
本編開始前にトイレのハナコによって殺害されたが、それ以前にお気に入りのリボンをプールで失くしており、リボンを探す浮遊霊として現世に留まっていた。
怪我が原因で水泳部から吹奏楽部に移った過去を持つが、退部後も度々プールを訪れて泳いだり、プールの水を抜いてでもリボンを探そうとして制止されるなど、周囲の部員に迷惑をかけていたらしい。
ちなみに彼女の象徴でもあった赤くて派手なそのリボンは、彼氏から貰ったもの。
余談だが、彼女とのサスペンシブアクトでは「すくって…」という彼女の漠然とした要求に対し、
(これでお前は救われるのか!?)とプールサイドで独り奇行を繰り返す必死で行動する主人公の様子が中々にシュール。
コックリおじさん
■概要
五章の怪異にしてボス。予告状の宛先はヨタモノ。
二階渡り廊下にある社、もしくは学園の側にある狐の森の奥の神社に無礼を働いた者を襲うとされる。
完全に近衛原学園近辺だけに伝わる怪異で、ネットには一切情報が無い。
多彩な能力を持ち、自身の透明化、どこにでも自在にキノコを生やす、それによって対象を操作することなどが可能。
所持している猟銃を用いた攻撃もしてくるが、猟銃が集弾性が甘い古い型のものであるため、接近されなければまず当たらない。
知能も高く、主人公を試すような言動を取ることも。
■容姿
動物の頭部の骨を仮面のように着けて顔を隠した成人男性の遺体。狐の耳のように見えるのは大量のキノコ。
獣骨が外れて露わになる素顔は、口より上が存在せず眼球だけが狐耳キノコにくっついているという
首から下もあちこち朽ち果ててほとんど骨と皮だけになっており、失った肉をキノコで補っているかのような状態である。
左手は完全に失われており、猟銃は右手だけで扱っている。足も右足は足首から先が無く、脚の骨だけで立っている。
「コックリおじさん」オリジン
本名は清原正樹。10年前に近衛原学園に勤務していた理科担当教師。S湖にて起きた暴行事件によって妻と娘を失った。
犯人たちは狐の森にのみ生えているキツネダケを摂取しており、キツネダケによる強い幻覚作用によっておかしくなった薬物中毒者であった。
清原は狐の森の生態調査で事前にキツネダケを見つけ、近衛原学園の不良生徒を含む密採者がいる事も把握していたが、学校の評判を考えて公表しなかったため結果として妻子を失い、その事を悔いていた。
実行犯こそ逮捕されたものの、彼らに密採したキツネダケを売りさばいていた黒峰充だけは当時まだ学生であり、おまけに親が警察官僚だったため不問に処されてしまう。
当然納得のいかない清原は黒峰への復讐を決意。キツネダケの生える狐の森の奥、神社の跡地に黒峰を呼び出して彼を殺害する計画を立てた。
黒峰が仲間を引き連れて来ることも想定した上で、当時噂になっていた『コックリおじさん』を模した姿で迎え撃った清原だったが、結果は返り討ちに終わる。
そして黒峰たちによってそのまま神社跡地に埋められた清原は、時を経て怪異『コックリおじさん』となった。皮肉なことに、遺体を養分にした新たなキツネダケをその身に生やしながら…。
なお黒峰は、本編で主人公とコックリおじさんが対峙する半月前にS湖で謎の事故死を遂げており、コックリおじさん…清原の復讐は半ば終わっている。
それでも彼は「キツネダケによる新たな被害者を出すわけにいかない」とこの世に留まり続けているのである。
予告先である「ヨタモノ=与太者」とは平たく言えば不良やはみだし者といった意味の言葉だが、
怪異・コックリおじさんはこれを「キツネダケに関わろうとする人間」という解釈で用いており、その意図を問わず所持者を問答無用で狙う。
ちなみに、現在生徒や教師の間では二階渡り廊下の社及び狐の森の奥の神社は「狐狗狸神社」だとされており、
それがコックリおじさんの名の由来にもなっているが、これは設置された狛狐からの連想でそう呼ばれているだけであって誤り。
正しくは、後述する二柱の神を祀っていたとされるそれぞれ別の名前の神社(の跡)である。
キノコ男
■概要
五章の怪異。狐の森にある、神社跡地へと続く参道にいる。
キノコ男の雄叫びを聞くと、参道の入り口付近まで戻されてしまう。
■容姿
頭部が巨大なキノコの塊になっている男性。わかりにくいが一応金髪。
服装は近衛原学園の制服姿で、頭部以外はほぼ人間そのまま。
「キノコ男」オリジン
コックリおじさんによって呪い殺された不良の成れの果て。侵入者が神社跡地まで来れないよう、見張り役をやらされていた模様。
シビト
■概要
本作のラスボス兼ヒロイン。予告状の宛先はセイトカイ。
怪異が人間を殺すという内容の予告状を学園に送りつけた張本人で、当人の目的は「花婿との結婚」。
主人公に目を付け彼を「愛しき婿様」と呼ぶようになり、彼が本当に花婿に相応しいかを試すため、そして自分が花嫁として美しい姿になるために主人公と怪異が対峙するよう仕向けた。
非常に知能の高い狡猾な怪異で、本編では他者を装って相手に電話をかけたりメールを送ったりもする。更に、普段は人間に化けて学園にまぎれているという。
また擬態能力の他にも、大量の虫(主に巨大なカミキリムシやムカデ)を使役して対象を襲わせたり、対象に強い暗示をかけてその行動を操る、といった能力も備えている模様。
だがその一方で、
- 主人公を「愛しき婿様」と呼びほぼ常に敬語を使う。
- 怪異が主人公に近づくと「次に狙われるのはあなた」と警告する。
- 美しい姿になることを望むのは婿様に相応しくなるため。
- 主人公が怪異を退けると「やはりあなたがまことの婿様」と賛辞の言葉を贈る。
- 真の救済が成された怪異を食らった後は「美味でございました」と主人公に感謝する。
- 調査終了より先にコックリおじさんの呪いが主人公に向いたため「今のままではコックリを救済できません、あなたはここで死ぬ」と、今までより強調した警告もとい宣告をする。
- それでも主人公が諦めずコックリおじさんの救済を試みたため、喜びのあまりハイになりコックリおじさんをフライングで捕食。
- かつて行われていた因習を霊視した主人公に対して「醜き私は忘れてください」と懇願する。
- その後、主人公と一緒にいた真下に対して「婿様の隣にいるべきは私」と嫉妬して真下を集中攻撃。
- 結果主人公に拳銃*3で撃たれてしまい、「嘘嘘嘘嘘…」と発狂。ついに主人公に襲いかかる――と思いきや二人が分かれて逃げたのでやっぱり真下を狙う。
- その途中で結婚式の準備中だったことを思い出し真下の追跡を中断する。
- 結婚式の準備が完了したので主人公に招待状を出し、更に彼がどれだけ自分を見ていてくれたかを確かめるために「私が誰に化けていたのか当ててください」と記す。
- 推理を間違えると最終形態と対峙する前にバッドエンドとなるが、失望の言葉を添えつつ「それでもお慕い申し上げております」と現在進行形で告げる。愛は重くも深かった…。
- 結婚式場で最終形態に変異した際に「私は美しいですか…?」と若干恥ずかしそうに主人公に訊ねる。
と、主人公への愛情や評価、結婚への憧れは本物で、乙女チックな一面と妙な憎めなさを併せ持つ。おかげでギャップにやられるプレイヤーがちらほら。
(ただしやはりと言うべきか、主人公と結ばれた後の愛情表現法として考えている内容は、怪異らしく人間の都合を全く考慮しないものである。)
ノリとしては『ティム・バートンのコープスブライド』のエミリーに近い。
■容姿
- 第一形態
複数の人間をまとめて一人の人間にしたかのような姿で、頭部は外側からどんどん新しい頭部を継ぎ足していったかのように肥大化している。ぶっちゃけるとしゃもじみたいな体型。
右手に草刈り鎌を持っており、左手はまだ美しくないからという事か、顔を隠すようにかざしている。
この形態で対決することは無い。
- 第二形態
トイレのハナコ、口裂けカシマ、コックリおじさんを食らったことで変異した姿。
複数の人間のパーツで作られた頭部の無いアラクネのような姿。人間の上半身を模した部位は複乳だが、乳首の代わりに角のような黒い突起が生えている。
接近するとともに上半身から蜘蛛の腹部にかけて中心から裂けて、そこから歪んだ口や配置の狂った目を備えた本来の顔が覗くという仕様。
六章のボスであり、七章でも一度対決する。
- 最終形態
人形少女を食らったことで変異した姿。腹部が大きく膨らんだ人形からシビトが新たに生まれ出でようとしているかのような様相で、シビトも人形も赤い衣装をまとっている。
人形は腕が四本。シビト本体は目が四つ、鼻と口がそれぞれ二つずつあり*4、土気色の肌は謎の赤い液体にまみれている。あととんでもない垂れ乳。
どこが「美しい姿」だ……とツッコミたくなるが、今までに比べると余計なものを可能な限り削ぎ落としたうえで顔も隠していないので、彼女基準では満足のいくものなのだろう。
ちなみに主人公はボイスドラマでくちゃら花嫁を「なかなかチャーミング」と評する美的センスの持ち主であることが判明しているので、既にシビトの壮絶な過去を知っていたこともあってか、
この形態にはそこまで恐怖を感じていなかった。
「シビト」オリジン
実はシビトは二人で一つの怪異であり、生前は繭村美妃子、繭村美千代という姉妹であった。
かつて近衛原学園がM村と呼ばれる土地であった頃、そこでは定期的に村特有の婚礼の儀が行われており、姉妹もまた幸せな結婚を夢見ていた。
そんな折、二人は実に数百年ぶりに行われる「シビトの嫁入り」という特別な儀式の花嫁として見事選ばれる。
周囲からの羨望を浴びながら二人は遂にその日を迎えるが、そんな彼女たちの純粋な憧れは理不尽にも打ち砕かれることになる。
「シビトの嫁入り」は単なる婚礼の儀ではなく裏の側面を持っており、それは村が飢饉に陥った場合に行われるもので、
当時村で祀っていた虫噛さまと黴噛さまという二柱の神に救ってもらうため、花嫁という名の生け贄を捧げる儀式だった。
その内容は、花婿はその場で即斬首され、花嫁は神々に嫁ぐために相応しい「化粧」として全身に虫とカビを植え付けられながらそれのみを食事として与えられ、
数日をかけて身体を内外から穢し切り、生きながらにして屍人のような姿へと変えた後に死に追いやるという惨たらしいものだった。
当然この内情は姉妹には伏せられており、二人は「嘘つき…」と呻きながら最期の瞬間まで村の上層部に恨みを抱きつつ絶命。
そして怪異『シビト』となって祟りをもたらし、因習を知る村の人間を全滅に追い込んでいった。
だがそれでもかつて夢見た結婚への憧れは満たされることはなく、今日この日まで自分たちに見合う花婿を探し続けていた。
ちなみに、複数の人間が一つの怪異となった前例はツクヨミ鬼がいるが、シビトはツクヨミ鬼とは異なり姉妹で別々の行動が可能。つまりシビトが化けている人間も二人いることになる。
人形少女
■概要
二章から登場する怪異。一人で動き喋る人形。
たびたび主人公の前に現れては助言を残して消える。
■容姿
球体関節で黒髪の少女人形であり、赤いウエディングドレスを着ている。
あちこちボロボロで左腕は肘から先が欠損しているが、シビトの変異に合わせるかのように顔だけ復元した。
しかし最終的にはシビトに食われて頭だけの姿に…。
「人形少女」オリジン
その正体は、近衛原学園の初代校長が、繭村姉妹の慰霊のために時計塔と共に用意した霊的アイテム。
慰霊はともかく、シビトを抑え込むこと自体には成功し、シビトは人形の内部に封じられていた。
しかし本編の二ヶ月前、諸事情により「とある二人組」が時計塔を訪れ人形少女を発見。シビトはその二人の記憶と肉体を乗っ取る形で人形少女からの脱出に成功し、
代わりにその二人組の精神が人形少女に呪縛されることになった。
つまり人形少女はシビトの被害者と言える存在であり、シリーズ初となる完全に主人公の味方側にいる人形怪異である。早い話がミスリード要員。
マッハ姫
■概要
DLC「マッハ姫の噂」に登場。実はボイスドラマや『NG』でも存在が言及されている怪異。
東京都心を走る環状線を出現する幽霊で、首都高で走っていると背後に出現し、こちらを追い越そうとしてくる。
道を譲るとそのまま通りすぎるが、譲らないと悲惨な事故にあって死に至るため、譲らないとどういう行動をしてくるかは不明。
ネットの掲示板にH市での目撃情報が寄せられたため、主人公は葉月に強引に付き合わされ共にマッハ姫の調査に乗り出すが…。
■容姿
人を食いそうなぐらい狂暴な面構えの巨大な馬に、何者かがまたがっている。
この「何者か」ははっきりとした姿は確認できておらず、ドレスの裾がちらっと見えただけだという。この衣装の特徴から「姫」と呼ばれている。
「マッハ姫」オリジン
不明。
実は「マッハ姫がH市に現れた」というのは葉月の虚言であり、マッハ姫そのものは登場しない。
なぜ葉月がこんな行動をしたのかというと、オカルトアイドルとしてデビューする前にモチーフが定まっておらず、
なんとかして「これだ!」と感じるものが欲しくて怪異と関わりの深い主人公と接触したかったからである。
最終的に、葉月は写真に写ったメリイに着想を得て『NG』の「来瀬もも」へと至った。
追記・修正は彼らの穢れなき終焉を望む方にお願いします。
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▷ コメント欄
- 所々文章の因果関係がおかしい。 -- 名無しさん (2023-02-20 05:06:25)
- カシマがメタリカ言われ過ぎてて笑う -- 名無しさん (2023-02-20 10:14:09)
- 泉のクソッタレは死んで当然だと思うけどナオミは可哀想だとは思った -- 名無しさん (2023-02-20 11:12:21)
- 2周目というか事情を知るとそりゃ婿様もとめるよなとかそうなるよなとかなるしびと -- 名無しさん (2023-02-20 22:57:19)
- カシマはシビトパワー貰う前から呪い殺したエリート怪異だったりする、言動や自殺のヤバさからしても何もなくても先生詰んでた可能性が高い -- 名無しさん (2023-02-21 01:11:46)
- カシマは一人だけメンヘラ拗らせて死んだやつだしなぁ -- 名無しさん (2023-02-21 05:44:44)
- カシマは活動し始めた時期がメリイの覚醒と重なるからシルシの呪いの余波で動き出したんじゃねぇかな -- 名無しさん (2023-02-22 23:26:01)
- 泉と眞鍋はトップクラスのゴミクズだったからあれくらい当然、いや生温いな -- 名無しさん (2023-04-10 10:56:20)
- そいつらより黒峰の方がやべえクズだけどな、逆に角田は法で裁かれるべき哀れな人間と感じた -- 名無しさん (2023-04-10 11:10:05)
- 毎回のように凄惨な過去を見せられるのにそれでも折れないおじさんはメンタルが強い -- 名無しさん (2023-04-15 19:25:45)
- 姫子とみちほに関しては「いわくつきとは露知らず善意で時計台を直そうとしたら攫われちゃった」というのがまた。 -- 名無しさん (2023-11-25 09:34:50)
- 4章のフェイント怪異はどこに記そう? -- 名無しさん (2023-11-25 14:13:40)
#comment(striction)
*2 シビトに関しては2周目以降限定のトゥルーエンドクリア後に人物名鑑に載るにも拘らず「未公開」と表記する徹底ぶり。
*3 真下から渡されたもので、コックリおじさんの調査でも使っていた。
*4 配置としては正常な並びの人間1人の顔の上に上半分(目と鼻)、下に下半分(口)がくっついた形となる。
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