登録日:2023/02/16 Thu 03:58:00
更新日:2024/07/05 Fri 10:47:06NEW!
所要時間:45分くらいで読めると思います
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アニメ nhk nhk教育 佐藤竜雄 マッドハウス 宮崎一成 野島健児 朴璐美 杉田智和 中学校 sf 01年春アニメ メタ発言 所要時間30分以上の項目 学園戦記ムリョウ 大野雄二 俺はデートだーーー!!
町には宇宙人、
空には宇宙船。
僕らはこうして、学校にいる。
『学園戦記ムリョウ』とは、2001年5月8日から12月4日までNHK衛星第2で放送されたSFアニメ作品である。全26話。
『飛べ!イサミ』や『機動戦艦ナデシコ』などで知られるアニメーション監督の佐藤竜雄が、原作・シリーズ構成・監督を務めた。キャラクターデザインは『TRIGUN』『大江戸ロケット』の吉松孝博、アニメーション制作は『カードキャプターさくら』『サマーウォーズ』のマッドハウス。音楽は『ルパン三世』などで知られる大野雄二が担当している。
現在でもdアニメストアやAmazon Prime Videoなど各種配信サービスで視聴できるほか、Blu-ray BOX(普及版)が販売中。
【あらすじ】
時は2070年の春。
突如として都心に現れた大型飛行物体は、一瞬にして関東一帯を機能停止に陥れる。しかしそれは、その直後に駆けつけた別の飛行物体によって撃破された。翌日、テレビで報道された緊急会見で官房長官は言う。
「宇宙人は…実は、いました」
そんな中、神奈川県天網市(てんもうし)の御統(みすまる)中学校に通う男子中学生・村田始のクラスに、この時代には珍しい学生服を身にまとった少年・統原無量が転入してくる。その「宇宙人よりビックリ」な転校生ムリョウと始は仲良くなるが、ムリョウが生徒会副会長の守口京一に呼び出されたことから急展開。現場に駆けつけた始が見たものは、超能力で戦う二人の姿だった。
ムリョウの正体。天網市の秘密。遠い宇宙から現れる宇宙人たちの目的。謎めいた出来事が次々と起こる一方で、始たちは移り変わる季節とともに学校生活を送っていく。
【登場人物】
■主人公たち
- 統原 無量(スバル・ムリョウ) CV:宮崎一成
「お手並み拝見」
「彼ならば、大丈夫じゃないですか。だって、学級委員ですから」
「俺も見てる。村田君も見てる。君は何のためにここにいる!」
詰襟の学生服を身にまとい御統中に現れた転校生。真守家と祖父の阿僧祇との間に交わされた約定に従って天網市にやって来た。本人いわく、天網市に来たのは那由多たちを守るため。彼女ら以上に強い超能力(チカラ)を持つ。いつも物腰柔らかく穏やかな表情で、真夏でも詰襟長袖で過ごす主人公。
自分の戦いを目撃した始と話すうちに彼を気に入り、友人として接するようになる。もともと「おやま」と呼ばれる長野県の山奥の村に住んでいたが、天網市では真守家の敷地内にある離れで暮らしている。好意を寄せてくる双葉に対しては紳士的に接しているが、彼女の勢いに押され気味になることも。いつも唐突に現れる姉の瀬津名にはよく文句を言っているが、仲は良い。
転入早々、古武術の有段者として通っている京一とやり合ったということで御統中の運動部部長たちに目をつけられ、しつこくスカウトを受けるはめになった。瞬の提案で文化祭・体育祭の実行委員に立候補し、実際に体育祭の応援団長になったことで、学校内でも一気に有名人になる。体育祭では白組だったので、応援団長の時には瀬津名が持ってきた白ランを着た。
生身で宇宙に飛ぶことができ、劇中ではシングウ(那由多)の危機を救ったほか、敵異星人の船を撃破するなどたびたび活躍。ただ、飛び出すのはともかくきれいに着陸するのは苦手なようで、宇宙から天網市に戻る際には体勢を崩しがち。その後疲労で寝込んだりはするが、基本的に五体満足で帰ってくる。
「うちじゃあよくやってた」とのことで日曜大工も得意。
- 村田 始(ムラタ・ハジメ) CV:野島健児
「宇宙人よりビックリ…」
「少年の成長は早いんですよ」
「友より、突然な謎のメッセージ。気分はロールプレイングゲームの主人公だ。どちらかというと、僕はアクションゲーム派なんだけど」
浅黒い肌とメガネが特徴のもう一人の主人公。天網市には4年前に東京から家族と引っ越してきた、御統中学校の二年生。あまり物怖じしない性格で、クラスでは学級委員長をつとめる。部屋は散らかっていて朝は寝坊しがち。ネギが苦手。
今作の語り部的存在でもあり、全編に渡りナレーションをつとめている。ときどき画面を見ている視聴者に向けて解説を行うこともあるため、その後まわりの人に「何言ってんの?」と聞かれてしらばっくれるまでがお約束。
屋根上でのムリョウと京一の戦いを目撃したことから、ムリョウや天網市が持つ秘密に深く関わっていくことになる。那由多の持つシングウの力を知り、百恵より天網市に伝わる「おまじない」を受けた初めての外部の人間になった。幼い那由多が三日寝込んだというその体験をしてもなお寝不足で済む図太さ精神面の強さを持つ。ムリョウ、那由多、晴美など周囲がスタミナお化けばかりなので、山歩きの際には一人だけバテがち。
体育祭の後に八葉から提案を受け、天網市に伝わる祭について調べ、実際に祭をやる「祭りクラブ」を立ち上げる。始自身は、古くから住む人も新しく住み始めた人も、みんながより仲良くなるきっかけになればいいと思っている。
ムリョウとの出会いをきっかけに生徒会のメンバーとも親しくなり、百恵やジルトーシュ、阿僧祇といったさまざまな人たちとの出会いを経て、やがて始の決断と行動は地球の運命を左右することになる。
Wikipediaには「自分では積極的傍観者を自負していた」と書いてあるが、「利夫だったら、積極的傍観者、とか言ってるかも」という本人の発言が正しい。でも実際利夫なら「はっちゃんは傍観者じゃなくて当事者でしょ」って言いそう。
- 守山 那由多(モリヤマ・ナユタ) CV:朴璐美
「ありがとう。ごめんなさい。とっても勉強になりました。そして!大っ嫌い!」
「この服は決意の証です!アンタたちには絶対負けない!文化祭もどーんと来なさい。お祭りクラブ?いいでしょう!申請受理、おやりなさい!あなたがたが何を企もうとも私は、自主と自立の御統中学の精神にのっとり、公平な生徒会を運営いたします!」
「あたし、みんなを守る!大好きなみんなを!」
御統中学校生徒会副会長にして、当代のシングウの能力者。二つおさげがトレードマークの少女。成績優秀で運動能力も高く、いくつかの運動部の助っ人もこなす。天網神社の宮司の娘で、朝のおつとめとして神社の裏山のさらに向こうにある泉から水を汲んでくるという鍛錬を日々行っている。
一見クールだが意識してそう振舞っているふしがあり、真面目で責任感の強い性格から暴走しがちな面もある。物語序盤、天網市とシングウの秘密に触れた始に対して独断で彼の記憶を消そうとする一幕(正確には一度失敗してもう一度やろうとした)も。いまだ中学生ながら、シングウという巨大な力を用いて戦う義務と責任を後の世代には負わせたくないという思いも持っている。神輿下ろしについても自分たちの代で最後にしたいと考えており、祭りクラブの設立に関しては当初勘違いもあって、始たちの話すらまともに聞こうとしなかった。
突然現れて自分たち以上に超能力を使いこなすムリョウのことは、京一同様当初から気に入らなかった様子。始のことは天網の民とは無関係の人間であるとして彼女なりに案じていたが、あれこれ秘密を知っても平気な顔で馴染んでいく彼に驚きと戸惑いを隠せなかった。学校行事にも顔を出してくるムリョウと始の二人には何かと突っかかりつつ、次第に彼らと馴染むようになっていく。体育祭では応援合戦で桃太郎になったり三人四脚で河童になったりとめちゃくちゃ体を張ったが、結果がついてこなかった。まあ応援合戦は紅組が応援団員全員が面白い+晴美がカッコいいのに対して、白組は那由多ひとりが面白いだけだし。しかも桃太郎の映像は、始や瞬の手によってさまざまな人の目に晒されることになった。
シングウとしての戦いをくり返し、空蝉の秘儀による戦闘も経験することで、歴代の継承者の中でも特に抜きんでた力を見せるようになるが…。
- 守口 京一(モリグチ・キョウイチ) CV:杉田智和
「統原無量!お前が白組の団長ならば!この俺が、紅組の団長に立候補する!最後の騎馬戦で、お前をぶっつぶす!」
「力は本体にあらず!その心を乗せて、力は新たなシングウとなり、空へ!我は螺旋!力を天空に押し上げる螺旋!」
「残ってけよ、村田」
御統中学校生徒会では那由多と共に副会長を務める。校内では那由多と同様にクールでカッコいい人物として通っており、また古武術の有段者として運動部の部長たちからも一目置かれていた。京一がムリョウに喧嘩を売ったことから始はムリョウと天網市の秘密に近づくことになったので、ある意味きっかけを作った人物でもある。
タタカイビトとして「束ねる力」を持っており、文字通り仲間の力を束ね、シングウの支えとなることができる。しかし京一自身は、那由多のようにシングウになって戦うことができず、八葉たちほど超能力をうまく扱うこともできず、タタカイビトとしても他者ありきの力しかない自分に不甲斐なさを感じている様子。那由多とはなんとなく共通点のある似た者同士。二人とも瞬にはよくからかわれているし。八葉とは同学年で気心の知れた仲である。晴美には昔から互いに好意を抱いているが、互いに相手には言いづらい悩みや思いを抱えており…。
当初は生徒会メンバーの中で唯一始とあまり接点がなかったが、終盤になって京一から始に相談をかける場面がある。
- 峯尾 晴美(ミネオ・ハルミ) CV:浅野真澄
「あなたの命、私に預けてください」
「いいね、那由多ちゃんは。自分の気持ちがすぐ出せる」
「子どもには、子どもの戦い方があるわ」
武術道場の跡取り娘。御統中学校生徒会では書記を担当。整った顔立ちだが表情の変化に乏しい女の子。
京一や那由多たちとは幼馴染み。特に京一のことは「京ちゃん」と呼んで親しくしていたが、神輿下ろしの際に父の拳治が体験した悲劇を知り、常に周囲から一歩引いた態度を取るようになった。それは父が友人たちを守り切れなかった経験から、京一たち当代のタタカイビトを守るため、感情的にならないようにするという晴美自身の考えから来ている。だが、それに対して迷いがないわけでもないようで…。また本人は意識していなかったようだが、那由多や八葉たちに対する友情にも蓋をしてしまっていた様子。
子どもながらマモリビトらしく高い身体能力を持ち、那由多たちが初めて空蝉の秘儀に臨んだ際、乗り込んできた敵ロボットたちを軽々と倒している。また、体育祭の応援合戦では孔雀風の装いで活躍し、校内でも話題になっていた。
本人はなぜかスパイと表現していたが、那由多たちの様子を観察して真守五家へと報告するお目付け役も担っているらしい。
- 津守 八葉(ツモリ・ハチヨウ) CV: 上田祐司(うえだゆうじ)
「宇宙人同士のいさかいは勝手にやっていただいて構いません。と言いたいところですが、はっきり言って、迷惑です」
「僕の予感はよく当たる」
「峯尾のおじさんは、僕らのために戦ってくれた。他のマモリビトの人もそうだ。たしかに、僕らタタカイビトの日常は、いろいろな人の犠牲の上に成り立っている。だからこそ、僕らは笑っていなければならない。落ち込むだけじゃ、何も変わらない。みんなの明日のために、お前がすることを考えろ。それが僕らの義務だ」
御統中学校生徒会会長。大柄で細目が特徴的なタタカイビトの大黒柱。温厚な性格と柔らかな物腰で生徒総会も各種打ち合わせも難なく取り仕切り、年少の小学生にも人気のあるお兄さん。うえだ氏が演じる細目キャラだが[[タケシ>タケシ(ポケモン)]]ではない。
「重力を操る力」を持っており、ウェンヌルを追い詰めたロボットを歌いながら圧倒する実力を持つ。ムリョウも認める超能力の使い手。天網市に伝わる神輿唄を愛し普段から練習しているほか、よく人前で披露している。始とムリョウの二人に神輿下ろしに関する相談を持ちかけ、のちに始が設立した祭りクラブの活動にも参加する。
親戚のおじさんが海の家を経営しており、夏場になると手伝いに行っている。回想シーンから察するに「おまじない」を受けた幼い頃から食欲旺盛で、なかなか肝が太い少年だった模様。
- 守機 瞬(モリハタ・シュン) CV:小林由美子
「どうです?購買部のあんパンひとつ、賭けません?」
「彼女、意地張っちゃった手前、あんな顔してますけどね…本当に嬉しいんですよ。あそこの家、妙に固くて、任務だとか使命だとか言って、旅行とかにも行ってないから」
「アイスなんか食べて、余裕ですね。その余裕が命取りですよ」
ちょっと変なアフロヘアーと細長いもみあげがにぎやかな少年。御統中学校生徒会では会計を担当する。かわいいルックスと陽気なふるまいで女子生徒にも人気。八葉とは仲が良く、意地っ張りな那由多と京一をからかうことが多い。生徒会役員と御統中のメディア委員を兼任しており、ひかるともども各種イベントを盛り上げている。
タタカイビトとして「速く動く力」を持ち、その力もあってかあちこちに顔を出す。情報の収集と拡散に余念がなく、時には人を使って京一たちを動かすことも。瀬津名には敵わなかったが、神奈川県の天網市から北海道の宗谷岬まで短時間で帰ってくるすさまじい瞬足と無尽蔵のスタミナの持ち主。そのわりには普通に走って息を切らしている場面もあるけど。
生徒会とメディア委員に加えて演劇部にも参加しており、学校内外の舞台で主演を張っている。
走行中の新幹線の車内で皿回しができる。
■ムリョウと始の家族
- 統原 瀬津名(スバル・セツナ) CV:山崎和佳奈
「積極的な子はいいわね~。でも、トンチンカンは嫌われちゃうぞ。ナ~ユタちゃん」
「とにかくまっすぐ進む。さすれば次なる案内人があなたをきっと…な~んちゃって」
「足下の道のりも楽しい。目の前の景色も楽しい。そして、はるか向こうの彼方に抱く憧れ。前を向いて進むことは楽しいことばかりではないと思うけど…そんな時は」
ムリョウの姉。栗色の髪とピンクの服がトレードマークの、イタズラ好きのお姉ちゃん。東京で大学生をやっているらしいが、神出鬼没でしょっちゅう天網市に顔を出し、その都度どこかから買ってきたお土産を持ってくる。那由多や晴美たち、天網の民の女の子のことも何くれとなく気にかけている。瞬をも上回る高速移動能力を持ち、二度に渡り彼の挑戦を退けている。何か聞かれたり言われたりすると「何が?」「何を?」などと一回すっとぼけることが多い。
百恵とも顔なじみで誰とでもフレンドリーに接するが、ジルトーシュには冷たい。自分と阿僧祇の周囲にも現れ始めた敵ロボットについて聞くためにジルトーシュのもとを訪れるが、もろもろの事情を知らず話を引き延ばそうとした磯崎にも冷淡に接するようになった。
大学生とはいうが学校に通っている描写が一切なく、ヴェルン星の外交官であるジルトーシュと因縁があるなどどこか謎めいているが…。
- 統原 阿僧祇(スバル・アソウギ) CV:石森達幸
「あらかじめみんなのことを知っておきたくてな。そう言ったら百恵さんが送ってくれたんじゃよ」
「おー、悪かったのー。孫がヘタクソなもんで申し訳ない」
「ひらめきは日頃の積み重ねの延長に起こるものじゃよ。お前さんも成長しとるな」
ムリョウと瀬津名の祖父。普段は「おやま」と呼ばれる、長野の星降る里で暮らしている。百恵やジルトーシュたちとは古くからの顔なじみ。物語冒頭で日が高いうちからビールを飲んでいるあたり、酒もけっこういける口のようだ。
一見普通のおじいさんだが、生身で宇宙に飛び、瀬津名と二人で敵ロボットの集団をサクサク倒す実力を持つ、謎の人。
茅葺屋根の立派な自宅にはでかいテレビがある。
- 村田 今日子(ムラタ・キョウコ) CV:日髙のり子
「ふふっ、なんか面白い取り合わせのお食事会ですね」
「それはありがとうございます、お客様」
「さあー、昨日の今日じゃ分からないわねー。場合によっちゃ責任取ってよねー」
始の母。いつも頭に白タオルを巻いている。息子のことは「始」、娘のことは「ふーちゃん」と呼ぶ。
絶版になった本や古い歴史的資料などを電子データ化する仕事をしており、人呼んで「電子の移植人」。貴重な資料が多くある天網市の図書館を気に入っている。仕事に集中する時は他の物事があまり目に入らなくなるため、その間は始と双葉が率先して家事を行うのが村田家の習慣。
単身赴任状態の夫とも深い絆で結ばれている。和夫の仕事内容は知っているが、始たちにはあえて教えていない。息子たちとゲームで対戦する時はけっこう真剣にやる。
この人が学生の頃には、すでに学生服は過去のものになっていたらしい。
- 村田 双葉(ムラタ・フタバ) CV:釘宮理恵
「ニヤケついでにはいチーズ!」
「よしっ!あたしらも熱血しよっか!」
「お手伝いならするよ。来年は中学だし?お兄ちゃんの面倒ももっと見てあげないといけないし」
始の妹。クールな年上の男性が好みのおませな小学生六年生。兄の友人であるムリョウに一目惚れする。以前は利夫に惚れており、生野菜たっぷりのお弁当を渡していた。現在では母の今日子の仕事の影響もあってか料理上手になっている。でも母が料理をする時はあんまり手伝わない。父の和夫が遠方で暮らしていることは不満に思っているが、両親の仲の良さはしみじみ感じているようだ。
カメラが趣味でイベントの際には写真を撮りまくっている。小学校の文化祭の際には、取材のやり方についてひかるに教えを受ける場面も。村田家の鍋奉行であり、初めて訪れる家で初対面の相手ばかりでも臆さずバリバリ仕切る。
- 村田 和夫(ムラタ・カズオ) CV:坂口哲夫
「なんだい?ふくれ面の次は、ほめ倒しかい?」
「僕らみたいに狭いところで政治だなんだとやっていると、腹芸ばかり得意になる。この人たちは天文単位ですからね」
「ああ、それはうちの息子とその友達だよ。はははは…。友達を助けに行くんだ」
始と双葉の父親。種子島の航空宇宙局で働く宇宙外交のキーマン。家族と離れて暮らしているが、仲は良い。伊藤官房長官とは昔からの顔なじみで悪友。異星人外交官のソーさんたちとは飲み友達。
始に似た飄々とした性格で、配達員を装って妻の今日子にサプライズをする、常に商社マンを自称する、引っ張り出された記者会見で官房長官のモノマネを披露して笑いを誘う、始と同様に視聴者に向けた解説を行うなどの珍奇なユニークな言動が多い。あの息子にしてこの父親ありといったところか。
終盤には伊藤官房長官とともに真守家での会談に参加し、緊張の走る場面でもほぼ普段通りのマイペースでふるまっていた。
双葉いわく「包丁使うのも段取りもヘタクソ」なのにうまいカレーを作る特技がある。
■マモリビトの関係者と真守五家の人々
- 山本 忠一(ヤマモト・タダカズ) CV:石原凡
「お前らのためを思ってゆっくりしてたんだよ。お茶飲んで宇宙人談義してな」
「ローカルルール。ここに来た奴らは、日本語話せってね」
「何でもいいやな。とりあえず私が許す」
始たちのクラス、2年C組の担任。担当は日本史。「ヤマチュー」と呼ばれることがある。天網市のマモリビトの中でも最前線に立つことが多く、人型ロボット相手に高い戦闘能力を披露している。ヴェロッシュたちザイグル星人がやって来た際には交渉も担当した。マモリビトとしての任務が多い時は大あくびをかいたり、学校でうたた寝をすることも。
磯崎とコンビを組んで動くことが多いほか、ジルトーシュとのやり取りも多い。それでいて真守五家を交えた会議に参加することもある多忙な人物。
本人いわく「やもめ暮らしが長い」とのことで包丁使いは上手。
- ヴェルン星人 ジルトーシュ CV:小野健一
「かーっ!あー、何を考えているんだ!地球人はー!わかった、わかりました!ここはひとつ、我々にお任せください!」
「そうそう、僕たち宇宙人なの」
「それにね、悪い大人ばっかりじゃないと思うし、子どもの方も、考えのない子どもばかりでもないと思うんだけどな」
ヴェルン星からやってきた外交官。自称「銀河連邦お墨付きの第一級外交官」。色黒の肌にモサモサした髪、アロハシャツが特徴のうさんくさい男。外交官仲間からは「ヴェーやん」と呼ばれている。他の外交官同様飲み会が好きで鍋パーティーも好き。居酒屋の扉の修理費を自分の星に経費として請求しようとしたり、助けた外交官仲間(ツッチー)に飲み会の支払いを押し付けたりと調子のいいところがある。
ザイグル星帝国軍の工作員に接触、説得を試みたものの失敗したことから、その後の対応を磯崎や山本と共に行った。それから二人目の工作員・ウェンヌルを保護し、彼と同居するようになる。下宿していたアパートが火災で焼失した後は、ウェンヌルと共に「かもめハウス」と名付けた一軒家に引っ越す。
他の外交官と同様に高い超能力を持っているが、生身で宇宙に飛ぶ、百恵と同様の「おまじない」を他人に見せる、銀河連邦に所属しない勢力との接点を匂わす、阿僧祇や瀬津名との接点を持ち地球の人工衛星でも捉えられない「おやま」の様子を宇宙から覗くなど、いち外交官に留まらない行動もあり…?
- 磯崎 公美(イソザキ・ヒロミ) CV:佐々木瑶子
「あなたにはいい機会でしょう。自分の生きる世界を外から見ることは、なかなかできないことだから」
「この隙に乗じて、よからぬ行動に出る不良宇宙人が出るかもしれません」
「しかし彼らは生きています!日々をさまざまな思いの中で暮らしています。今は銀河連邦に加入できる以前のレベルであっても、それは侵してはいけない!」
銀河連邦所属、安全保障委員太陽系方面の観察者の女性。地球人ではなくアルティン星の出身。御統中学校には体育教師として籍を置き、八葉のクラスの担任を務める。正体が判明する前はモブ同然だった。
常に冷静に天網市の宇宙人絡みのトラブルに対応する人物。戦闘能力も高い。しかし銀河連邦の人間としての意識が強いためか頭が固いところがあり、ジルトーシュのこともただの外交官、瀬津名のことも地球の一般人と思い込んでいた様子。また、ソーさんたちが銀河連邦上層部の依頼で動いていることも知らなかった。物語が進むにつれて銀河連邦や日本政府に自分があずかり知らない動きが起きはじめ、悩んだ磯崎は真実を知るため、ジルトーシュや瀬津名、シングウの正体に近づいていく。
意外に酒好きで、ストレスが溜まると悪酔いするタイプ。もし安全保障委員の観察者ではなく外交官だった場合、あだ名は恐らくアルちゃんかアーちゃんだと思われる。
- 真守 百恵(サネモリ・モモエ) CV:京田尚子
「ええ、なにか昔を思い出しちゃったみたいです」
「一人に慣れてしまうと、にぎやかなところは苦手になってしまうけど…いいわねえ、こういうにぎやかは」
「わたくしも、皆さんには悪いのですがちょっと出し抜かせてもらいました」
真守五家の当主。いつも和装のおばあちゃん。かつてはシングウの継承者として戦った経験を持ち、ムリョウの祖父・阿僧祇とはその頃からの付き合い。100年前に着ていたセーラー服を綺麗な状態でとっておく物持ちの良さがあり、その後那由多に授けている。
当主としてシングウや天網の民に関わる事柄の決定権を持っている。ムリョウと京一の戦いを目撃した始の話を聞き、天網の民ではない彼に「おまじない」を通して天網市と銀河連邦の秘密について伝えた。
普段は真守家の決まりに倣って和風建築の豪邸に一人で暮らしている。他人との触れ合いを拒んでいるわけではなく、ジルトーシュやウェンヌルをはじめ、突然やって来た今日子と双葉もすんなり受け入れて鍋パーティーを楽しむくらいには器が大きい。漠と壌の独自の動きを察しつつ好きにさせ、その上で自分も密かに行動するなどしたたかな一面も。
- 100年前の真守 百恵 CV:山崎和佳奈
「助けはいらない、頼る心もいらない…強き心、強き技、私はこの星を守らねばならないから…!」
- 100年前の統原 阿僧祇 CV:宮崎一成
「君が危なくなっても、また助けに来てやる。たとえ君が死んでも、その子の、その子の代になってもだ」
かつてシングウの継承者だった頃、中学生の百恵は那由多に似ており、転校生として彼女の前に現れた阿僧祇はムリョウに似ている。百恵は誰の助けも借りず一人で空蝉の秘儀まで行っていたと言い、現在の那由多以上に責任感が強かったようだ。百恵自身は当時の自分を「自分こそは地球を守ってる、自分は選ばれた人間、プライドが服を着て歩いてる」「真守の一族でシングウの力を持つ者は今現在私だけ、だから戦う、一人で。そんな気負いが頑なにさせた」「本当の意味での友人はいなかった」と表現している。大昔の自分とはいえけっこうボロクソ言いますねおばあちゃん。
また、当時百恵は(経緯は不明だが)「こゆるぎ野郎」なる自主製作映画に出ており、主人公らしき女傑を熱演している。
- 津守 十全 CV:長嶝高士
「百恵様の言う事、あながち間違いではないのかもしれんな」
八葉の祖父で、真守五家の中心人物の一人。白髪を大きく伸ばしている大柄な男性。百恵が目をかけている始に興味を抱き、体育祭の時には斉とともに直接話を聞きに行った。のちに彼が立ち上げた祭りクラブの理念にも感心している。物語終盤には「妙見彼方」についての情報収集を行い、百恵に報告した。御統中と宮ノ森中の柔道対抗戦でムリョウの身のこなしを見た際には、晴美と試合をさせてみたいと口にしていた。
阿僧祇を呼び捨てにしているあたり、彼の事は真守五家の縁戚にある人間と認識しているようだ。
- 守山 斉 CV:上田祐司(うえだゆうじ)
「ザイグルとかいう星の工作員が、同じイメージを頭に流し込まれて自滅したそうです。かたや地球人のあの少年は…」
那由多の父で天網神社の宮司を務める。黒髪短髪でちょび髭。百恵、十全と同様に普段から和装で過ごしている。娘からは「お父様」と呼ばれており仲が良いが、彼女の勢いに振り回され気味なところも。真守五家の中では現状維持派に属するようで、壌と意見をぶつけ合う場面がある。
(「さい」と名乗っているがクレジットなどに名前が載っていないため、名前の正しい漢字表記は不明。)
- 守口 壌 CV:肥後誠
「うるさい!我々の情報網の裏をかかれたのだ!」
「犠牲が多すぎる…」
「こんなことなら、なぜとっとと話し合いをしなかったんだろう」
京一の父。百恵たちとは異なり会議にはスーツ姿で参加している。
度重なる宇宙人の出現に対し、天網市とシングウの在り方を積極的に変えていこうとする考えを持つ。生真面目な性格ゆえか、いつも飄々としている漠とのやり取りはどことなく息子同士のやり取りに通じるものがある。探偵を雇って「おやま」について密かに探ろうとする一面も。
実は京一の実の父親ではなく叔父にあたり、幼くして両親を亡くした京一を引き取って育てている。それにしても顔も気質もよく似ている。
- 守機 漠 CV:阪口大助
「まあまあ。困ってる人には親切にしないと」
「こんなことなら国会議員にでもなっておくんだったな」
「共犯者になりませんか?」
瞬の父親。真守五家の中では現状維持派でもなく急進派でもなく、比較的フラットな立ち位置にいる。壌を「守口の旦那」「壌さん」と呼び、彼ら夫婦の親バカぶりを笑いつつ、自身も息子の活躍にほくそ笑む親バカ。息子たちが初めて空蝉の秘儀を行う際には、守口夫婦を自宅に招いて共に情勢を見守っていた。
刻々と変化していく情勢の中であえて百恵や十全とは異なる考えを持ち、壌とともに日本政府、銀河連邦の要人と接触する。
- 峯尾 拳治 CV:中嶋聡彦
「京一君を守れ。状況は、日々彼らを戦いの場へと導いている」
晴美の父で武術道場の主を務める。京一の実の両親とは親友だったが、11年前の戦いで彼らを守り切れず死なせてしまった。その事を後悔しており、娘の晴美には親友の忘れ形見である京一を守るよう言いつけている。
物語後半、九州地方に降下した敵宇宙人のロボットを迎撃するために天網市を出発。仲間とともに最後の一体まで追い詰めるが、力及ばず倒されてしまった。重傷を負った拳治たちは銀河連邦によって救助され、船内で晴美と再会し、後を託している。
■始の友人たち
- 成田 次郎(ナリタ・ジロウ) CV:阪口大助
「オイラ帰ってきたぜぇ、戦場からよぉ」
「おまけもらうために俺たちも巻き込んだのか!?」
「水臭いぞ、始。一人だけで文化祭の準備をしようなんてよ。いいカッコしすぎ」
ムリョウと始のクラスメイトのお調子者。出っ歯が目立つ。よく担任の山本やクラスメイトに絡んでは笑いを誘っている。目立ちたがり屋だが新聞の写真にはこっそり映り込みたいタイプ。祭りクラブの活動に巻き込まれた時は利夫や篤と違ってぶつぶつ文句を言うものの、なんだかんだでちゃんと付き合うあたりは良い奴。
実は始、利夫、篤とは違い天網市の生まれでマモリビトの家系であり、必要とあらば普段のムードメーカーぶりを活かしてクラスの雰囲気をコントロールしてみせることも。最終話では珍妙な構えを披露しているが、戦闘能力については不明。
- 三上 利夫(ミカミ・トシオ) CV:遠近孝一
「見解の相違だな…」
「なんかすごいねこのクラス。統原くんにはっちゃん。なんか普通じゃない人間が2人もいるんだ。これはすごいことだよ」
「だったら、俺たちだっていいんだよ」
ムリョウと始のクラスメイト。パソコンの扱いが得意で資料作成も上手。その能力を活かして、祭りクラブの活動には設立当初から協力していた。顔には出さないが利夫自身も乗り気だった様子。
かつて双葉に惚れられていたことがあり、(利夫は否定しているが)始たちからは彼女にフラれたと思われている。そのせいなのか何なのか、作中で双葉と一緒にいる場面が一度も無かった。現在でも双葉のことを話題に出されると表情がこわばってしまう様子。
頭がよく回る方で、ムリョウが実行委員や応援団長に立候補した意図に気づいていたり、天網市生まれの人たちに何か秘密があることを察していたりする。野次馬もあまりしない。
- 川森 篤(カワモリ・アツシ) CV:小野健一
「しかしあれだな、宇宙から侵略者が来ようかってのに、スケールがトホホな事件だなー」
「なんだかんだ言って、結局、巻き込まれちゃったね」
「すご…」
ムリョウと始のクラスメイト。大柄で人のよさそうな風貌。おっとりしていて真面目なようだが次郎と一緒にはしゃいだり、英語の授業中に熟睡したりもする。あとやっぱり次郎と利夫と同じく始は普通ではないと思っている。始たちと仲が良いため、なし崩し的に祭りクラブの活動にも参加することに。
中の人がジルトーシュとの兼ね役だからか、ほぼ毎回登場するわりにクレジットに名前が載りにくい、ちょっと不遇な少年。
- 稲垣 ひかる(イナガキ・ヒカル) CV:松本さち
「あたしたちって、ちょっと情報操作って感じ?」
「明日の朝、一番にそのむっさい顔を出すんだぞ。放送室に。さすれば、もれなくひかるちゃん特製のブレンドコーヒーを大サービス」
「どういうことって、こういうことだよ。君らだけじゃあ頼りないでしょ」
御統中学校メディア委員長。校内放送や校内行事に関する取材、広報活動を一手に引き受ける人物。その関係で生徒会とのつながりも深い。動画編集能力が高く古い映像機材も扱えるなどなかなか多芸。なぜか放送室の前の廊下に監視カメラを設置している。
御幣の報せが聞こえていないあたり天網市生まれではないようだが、生徒会メンバーがどういう使命を負っているのかは知っている様子。メディア委員としては瞬とのコンビが多いが、個人としては八葉とわりといい雰囲気を出したりする。
お手製のコーヒーは不味い。始の母・今日子と同レベルの鼻歌を歌う。
■ザイグル星人と外交官
- ザイグル星人 ウェンヌル CV:渋谷茂
「すき焼き、好きです」
「この星は毎日が新しい発見にあふれています」
「子どもをだまして何か取り上げようとしている悪い大人。あなたですか、地球と交流を持とうとしているのは」
ザイグル帝国宇宙軍太陽系方面調査部隊少尉。天網市に派遣されたスパイ2号。前任者が自爆したのちに天網市にやって来た。当初はロボットを使ってかく乱した上で情報収集を行っていたが、ジルトーシュと出会ったことで彼に保護を求める。それ以降はジルトーシュと同居しながら、地球人や天網市についての見聞を深めていく。
自分の星に隠された真実を知るために軍に入ったと言い、母国で教えられた歴史を盲信することなく、またジルトーシュの発言も鵜呑みにしない慎重さを持つ。ジルトーシュはうさんくさいし。
異星人外交官たちの飲み会に参加したり真守家に出入りしたりする中で、茶屋の店主からお茶の淹れ方を教わり短期間でものにしている。思ったことははっきり言う方で、テレビの時代劇の良さは分からない。が、のちに場を和ます芸として代官の決め台詞をマネしている。
- ザイグル星人 ヴェロッシュ CV:長嶝高士
「我々が教育によって学んでいる星の歴史とは異なる歴史。真実の歴史だ」
「未来の友好のために」
「君を残していくのは正解のようだ。見届けるのだ、これから起きる出来事を。そして考えよう」
ザイグル帝国宇宙軍太陽系方面調査部隊隊長。階級は大佐。工作員を派遣しシングウについて探らせていた。ウェンヌルがジルトーシュたちに保護された後、部隊を率いて直接天網市に乗り込む。自分たちの星に隠された歴史についてある程度知識を持ち、またウェンヌルからはその公正な人柄に敬意を払われる人格者。
山本たちとの会談を経て一度帰国の途に就くが、知性体兵器(サナドン)に襲われ母艦ジルトン号を失ってしまう。まるで死んだかのように語られていたが辛くも銀河連邦の艦船によって救出され、部下ともども地球へ帰還。那由多たちがサナドンを撃破した後、銀河連邦本部に出頭することになった。送別会にはみんなで礼服を着て参加した。
ウェンヌル同様、日本の時代劇の良さは理解できない様子。
- ザイグル星人の副長 CV:佐々木健
「音声記録、開始しています」
ヴェロッシュの部下。縦に大きく伸びたツンツンヘアが特徴。ヴェロッシュやウェンヌルと違い、時代劇を見て号泣していた。
ウェンヌルがジルトーシュに保護された経緯を考えると彼は脱走兵扱いになりそうだが、ヴェロッシュもウェンヌル自身もその後まったく言及しないあたり、最初から亡命を装って情報収集を行う手はずだった可能性がある。
- ザイグル星工作員 CV:亀山助清
「探しましたよ、コンチクショウ」
ザイグル帝国宇宙軍太陽系方面調査部隊の隊員。スパイ1号。
シングウの秘密を探るため、御統中学校の近辺に潜伏していた。情報収集のため那由多の服を奪い、始を襲った。始の記憶からさらに情報を引き出そうとしたが、那由多の妨害と二人の抵抗により失敗。その後ジルトーシュの訪問を受け、銀河連邦の存在、ザイグル星の隠された歴史について伝えられるが一切信じようとせず、パニック状態で逃げ出した。忠一たちマモリビトが保護しようとするが、彼らを母星で敵対する共和国の人間と誤解したまま自爆してしまう。
のちのち登場したウェンヌルやヴェロッシュらと比べると頑なで、軍人としての考え方が強い人物。
- ソパル星人の外交官 CV:肥後誠
「まあ、この星では我々は観光客なんだよ。知っていいこともあれば知らなくていいこともある。こうして呑気にしていた方がいい。今はね」
「機体は天網市に運んでくれ。磯崎先生にも見せとかないとな。仲間外れのままじゃかわいそうだ」
「あの子たち、ここに連れてきてよかったのかなあ。漠ちゃんはぜひとも見せてやってくれって言ってたけど…。」
ソパル星からやって来た、でっぷり太った外交官。あだ名はソーさん。サラリーマン風の装いでいつも汗を拭いている。初登場はジルトーシュがザイグル星人のスパイ1号を招いた飲み会の場だったが、そこではスパイ1号の攻撃を涼しい顔で防いでいる。
ジルトーシュを除く外交官たちの中では出番が多く、漠とよもやま話をしたり、那由多と瞬を銀河連邦の拠点に案内したこともある。和夫たちとの交友関係もあり、伊藤官房長官の影武者をつとめ暗殺者のロボットをバイオライダーみたいに液化して情報を抜き出し破壊するという活躍も。
実は単なる外交官ではなく、銀河連邦上層部からの依頼を受けて行動している。
- ツイフォフ星人の外交官 CV:佐々木健
「このツイフォフ砲のエネルギーでフィールドをキャンセル!秘密基地、暴いてやるぜ!シューッ!」
青ジャージ姿の外交官。あだ名はツッチー。ジルトーシュたちの飲み仲間だが地球に来てまだ日が浅く、ウェンヌルたちザイグル星人を除けば一番の新顔だった。ソーさんいわく「痛い目に遭ってない」。
始たちが長野の星降る里に向かう際にこれを尾行、おやまの秘密を暴かんとする。壌が派遣した探偵に声をかけ、右腕をツイフォフ砲なる銃器に変えて発砲するが、おやまのフィールドによってその瞬間を延々とループさせられていた。その後ジルトーシュによって救出され、かもめハウスで開かれていた飲み会の費用を押し付けられるはめに。
- 異星人の外交官たち CV:中嶋聡彦、志村知幸
「僕は1時間で諦めたけどね」
「コンちゃんてばそれは淡白すぎ~!」
ジルトーシュやソーさんの外交官仲間で飲み仲間たち。かもめハウスでの飲み会にはジルトーシュ、ウェンヌル、ソーさんの他に四人の外交官が参加している。ソーさん同様、日本政府に協力しているメンバーもいる。
ツッチーならずとも、長野のおやまに興味を持つ外交官は珍しくない様子。
■そのほかの人々
- 伊藤 伊織 CV:肥後誠
「えー、宇宙人は…実は、いました」
「責任取れよ。村田和夫」
「人の悪いサービスだなあ」
内閣官房長官。日本政府の宇宙外交に関わる案件を担当する。村田和夫とは悪友。出番は第一話冒頭の記者会見だけかと思いきや、その立場から中盤以降の重要人物になる。
ソーさんたち異星人の外交官とはかねてから懇意にしており、自分や和夫のボディーガードを依頼していた。敵ロボットの襲撃を利用して和夫を記者会見の場に突き出し、自分は銀河連邦の宇宙船で悠々と過ごすなど、したたかで調子のいい面がある。
- 妙見 彼方 CV:岡野浩介
「地球には、銀河連邦の切り札が隠されていると聞いて、やってきました。それはあなたですか?」
「僕はただ、銀河連邦がシングウの力をまた持ち出そうとしていると聞いたもので、ふらっと調べに来たんですよ」
「転入して早々転校じゃあ、ちょっと学校の皆には悪いけど」
宮ノ森中学校柔道部の助っ人としてムリョウたちの前に現れた少年。坊主頭に短く整えられた眉、薄緑の瞳が特徴的。どこかムリョウと似た雰囲気を持ち、いつも穏やかな笑みをたたえている。ムリョウ相手には海岸での初対面の時から異星人であることを明かしており、真守五家からも地球人ではなく、銀河連邦に所属していない星から来ていることを早々に察知されていた。百恵いわく「どこの星にも無鉄砲な人はいる」。
御統と宮ノ森の柔道対抗戦では対戦相手をムリョウ同様あっさり下し、彼と同じように鋭い石投げを披露、また遠方の偵察機や隠れている瀬津名に気がつく力を持つ。サナトス星の兵器については「うちでは使いませんよ。あんな趣味の悪い」らしい。妙見は2回目の登場から黒のチョーカーとTシャツ姿になっているが、もともと坊主頭なので柔道着の方が似合っている気がする。
- 下山 望 CV:肥後誠
「ある情報提供者のおかげで我々運動部会は、生徒会の横暴を阻止するためにはせ参じたー!」
御統中学校柔道部部長。ムリョウの身体能力の高さに目をつけ、他の運動部部長らと共に彼をスカウトしようとする。そのムリョウと対決することになった体育祭では、応援団長の京一に仰々しい袴を着せ、応援合戦では応援団員総出で女装を決行、晴美を説得してパフォーマンスを成功させるという活躍をした(これらはすべて体育祭の当日に考えて準備した模様)。その後、瞬に騙されムリョウに他の運動部部長たちと大量の差し入れをし、それをダシにしてムリョウを大会メンバーとして加えることに成功する。
肝心の柔道の方の強さはいまいち。見た目も性格もそっくりで、同じく柔道をやっているいとこが宮ノ森中学校にいる。
- 探偵 CV:石井康嗣
「ちょっと待て!これでは俺も巻き添えじゃないか!」
壌に雇われ、おやまを調査しに向かった男性。始たちをバレバレのやり方で尾行するも山に入ったところで彼らを見失い、途方に暮れていた時にツイフォフ星人の接触を受ける。しかしおやまを守るバリアの影響を受け、ツイフォフ星人の砲撃をくり返し受ける無限ループに陥っていた。ジルトーシュの手によってループは脱したが、連れて帰ってはもらえなかった。かわいそう。
- ナンパ君 CV:岩永哲哉
「ねえ、そこいいかな?」
物語冒頭の飛行物体騒ぎのおり、新幹線の車内で阿僧祇とムリョウを待っていた瀬津名をナンパした兄ちゃん。その後中盤でまさかの再登場、また列車の中で今度は那由多をナンパする。2回とも同行者がすぐ戻ってきたことで失敗。なんと最終回でもやっぱり列車の中で女性の隣にいた。
彼は知らなかっただろうがナンパした相手の年齢がヤバい。中学生の那由多は言わずもがな、瀬津名も…。
- 森村 由香梨 CV:松本さち
- 中島 碧 CV:渡邉由紀
双葉の親友の二人。ムリョウLOVE全開中の双葉にはちょっぴり戸惑い気味だが、仲は良い。
- 真弓 司 CV:釘宮理恵
- 進藤 秋美 CV:渡邉由紀
始たちのクラスメイトの女子。二人とも天網市生まれではない。司は次郎に気があるっぽい。
- 矢沢 友道 CV:肥後誠
- 永野 信 CV:佐々木健
始たちのクラスメイトの男子。
【用語・地名など】
- 天網市
物語の主な舞台で海岸沿いにある町。平地はあるが坂道も多く、海も山も近い。町のそこかしこに御幣が設置されているが、これは天網の民に何かしらの異変や敵の接近などを伝える無線機のような役割を持っている。
- 御統中学校
始たちが通う学校。略して「みす中」。「自主と自立の御統中学校」というキャッチフレーズがあり、生徒総会や体育祭などの学校行事の多くは生徒が主体となって行われる習慣がある。校舎の屋上は訳ありの生徒たちによって利用されがちである。ちょっと屋上から移動するだけで体育館の屋根の上に登れちゃうのはさすがに危なくない?
生徒総会は年10回開催。毎年6月に体育祭、11月に文化祭が行われる。始いわく「中学生は背伸びしたいんだよ。運動会じゃなくて体育祭、学芸会は文化祭」。
- 天網の民
古来より銀河連邦と縁を結び、シングウの秘密を守っている天網市の人間たち。現在の天網市民すべてではなく、古来より天網市に生まれ育った家の者を指す。天網の民のほぼ全員が「おまじない」によってシングウと銀河連邦にまつわる知識を得ており、海岸上空に巨大飛行物体が現れても動じる人がいないのはそのため。
外の地方から移り住んできた人間には基本的にこれらの事実が知らされることはないが、利夫のようにうすうす違和感を覚える人もいるようだ。
- タタカイビト
天網の民の中でもごく一部、シングウの力とそれを支える力を持つ者のこと。劇中では那由多、京一、八葉、瞬が該当する。
- シングウ
古より代々受け継がれてきた、敵となる者と戦うための力。顔はあるが頭と首はなく、黒い上半身と腕、脚部を持ち、紙のような白い装甲で全身が覆われている。当代の継承者は那由多で、大型の敵が現れた際には彼女が変身する。主に両腕から繰り出す超能力で戦う。キービジュアルでは那由多とシングウが同時に描かれがちだが気にしてはいけない。
この力を狙って現れる異星人との戦いが物語のひとつの柱になるが、シングウには天網の民にすら隠された秘密があり…。
- マモリビト
タタカイビトを守る使命を持つ者。劇中では晴美や山本たちのほか、天網市に限らず全国に数多く存在している。高い身体能力を持った者が多く、普段は日常生活を送りながら、宇宙人がらみの有事の際は立ち上がる。
御統中学校に通う生徒の中にもそれなりの人数がおり、終盤には晴美の呼びかけもあって多くの生徒が那由多たちを守るために登校してきた。
- 空蝉の秘儀
シングウの力を遥か遠方に飛ばすための技。過去には1000年前と100年前、11年前の三回実行されている。シングウの継承者を中心に三人のタタカイビトがそれぞれの力を束ね、螺旋にし、飛ばすことでシングウを彼方へと送る。
11年前の戦いでは京一の実の両親がタタカイビトとして参加したが、敵の攻撃を受けて命を落としてしまった。100年前、百恵はこれを1人でやっていたらしい。
- 神輿下ろし
かつて天網市で行われていた祭の行事のひとつ。天網の民の子どもたちが小さな神輿を担ぎ、海まで練り歩く。
裏の目的としてタタカイビトの素養を持つ子どもの見極めがあり、那由多や京一たちはこの神輿下ろしの後に超能力に目覚めた。その一方でタタカイビトとならなかった子どもにも影響を与えるらしく、晴美はこの行事の最中に父親のかつての記憶を読み取っている。
- 銀河連邦
天網市と関わりの深い、大宇宙にまたがる一大勢力。5万年ほどの歴史があるといい、数多の星が加盟している。天網の民にシングウを守る使命を与え協力しているが、連邦への加入の条件はある程度厳しく、地球はまだそれを満たしていないとして正式には加盟していない。流線形をした艦船が多い。
なお、地球には銀河連邦印の運送業者が存在する。
- ザイグル星
さかのぼること2000年前、ジルトーシュの星・ヴェルン星の推薦で銀河連邦に加入したが、その直後に共和国派と帝国派が衝突する大きな戦争が起きた星。異星文明との交流は公には途絶えてしまったが、銀河連邦の技術を分析し独自に発展させ、ウェンヌルが言うには地球よりも遥かに進んだ科学技術を持つらしい。またジルトーシュの発言によれば地球人と同様に寿命が短く、世代交代とザイグル星内部の情報統制により異星文明の存在を知る者自体が限られてしまったという。
外見的には地球人とあまり変わらず、白目のない四つの瞳が特徴。登場するザイグル星人はみな帝国側の軍人なので分かりにくいが、人付き合いにおいては感情をあまり出さず、合理的なやり取りを是とする文化があるようだ。
- サナドン
サナトス星で作られた知性体兵器。命名はジルトーシュ。発音はサ↑ナ↑ド↑ン↑でサ↑ナ↓ド↑ン↓ではない。ジルトーシュいわく「入力された目的のためなら何でもする、考える兵器」「周囲にあるものを吸収したり合体したりして厄介」。ヴェロッシュたちが天網の民と接触した直後、何者かの指令を受けて太陽系へと接近。迎撃のため百恵が空蝉の秘儀の実行を決断し、那由多たちは宇宙での戦いに臨むことになる。
変な色の手のような形をしており、サイズはシングウを一回り以上上回る。ヴェロッシュたちの母艦ジルトン号を吸収し、分離合体機能まで身につけていた。高速移動に適した外見にはまったく見えないが、終盤に襲来したものは宇宙空間を秒速10キロメートルの速さで飛ぶ。サナトス星自体は銀河連邦所属らしい。
- 居酒屋よっちゃん
天網市の居酒屋。地元民のみならず、飲んだくれの宇宙人どももよく通っている。
- 甘味処こなや
小学生から政府関係者、宇宙人まで御用達の甘味処。待ち合わせや密談によく利用される。テイクアウトも可能。
- おやま(星降る里)
瀬津名いわく「長野の奥の方」にある、山と森に隠れた里。ムリョウと瀬津名の実家のある村で阿僧祇が暮らしている。天網市からは新幹線とバスを乗り継ぎ、さらに徒歩で山を登って向かう。山間の平地に位置し田んぼと畑が多くみられる。古民家も多い。壌は「天網の民発祥の地」と認識していた。
住民はそれなりに多いようだが地図には載っておらず、衛星写真にも写らず、宇宙から人の目で見るほか視認できないという謎の土地。村の中にも秘密があり、変な位置に移動ショートカットを設定したRPGツクールのマップみたいに少し歩いただけでまったく別の場所に出る、道のない場所に道ができるといった奇妙な様相を呈している。
- 宇宙連盟
物語終盤にかけて本格的に登場する、銀河連邦に与さない星が集った勢力。「反銀河連邦」と言われることも。銀河連邦とは異なり、鋭角に尖る直線的な形をした艦船が多い。
- ハイツ・ブルーハワイ
ジルトーシュが住んでいたアパート。ウェンヌルと同居するようになった直後火事になり、二人は新居を探すことになる。
- かもめハウス
ジルトーシュとウェンヌルが移り住んだ一軒家。漠が町の不動産屋に紹介させたらしい。ムリョウの手を借りて補修と塗装を行い、始と双葉にも手伝ってもらって荷物を運び込み、ソーさんたちに南国っぽい感じの樹木を持ってきてもらって完成した。
- 御統小学校
双葉が通う小学校。毎年「こゆるぎ祭」という文化祭を開いており、その中では御統中学校の生徒を招いて出し物をしてもらっている。
- 宮ノ森中学校
天網市に二つある中学校の一つで、御統中学校の西にある。柔道部は毎年秋に地区大会とは別の対抗戦を行っており、僅差で宮ノ森が勝ち越している。ただ実力は両校ともに大したことがなく、県大会では一回戦負けレベル。
- カワサキパン
御統中学校の昼休みの時間にパンを売りに来るパン屋。クマのイラストが目印。商魂たくましいようで、変な具の入ったパンを量産したり、町の上空にでかい宇宙船が二つ現れて学校が臨時休校になっても売りに来る。
- 宗谷岬
北海道稚内市にある岬。北海道本島最北の地。北緯45度31分22秒に位置し、サハリンの島影を遠望することができる。
【さまざまな真実、ひとつの物語の結末】
「もともとは、遥か遥か大昔…銀河連邦と宇宙連盟の、いさかいが発端なんだよね」
「地球で言うと、一万年以上前の昔…とても大きな戦争があったんだよ」
「まったく、バカなことをしたもんだ…」
- シングウ
「シングウはエネルギーではない。エネルギーを用いる人間も含めてシングウ」
「かつての銀河連邦の勇者の成れの果て…己の力を操る術を失って、多くの命を奪ったものの成れの果て」
シングウの正体は単なる超能力ではなく、はるか昔にムゲンという人物が変異した姿である。ムゲンはジルトーシュや阿僧祇たちと並び評された「八人の勇者」という実力者の一人であり、銀河連邦と宇宙連盟の間に起きた戦争に身を投じた戦士だった。「八人の勇者」は連邦と連盟双方の突出した能力者のことを指し、自然と戦争は勇者同士の潰し合いになったという。
その争いの果てにムゲンの力は膨張し限界を迎え、彼は意思を喪って暴走する巨人と化してしまい、銀河を一つ消し飛ばすという事態にまで発展した。戦後、ジルトーシュと阿僧祇たちはムゲンをシングウという仮の姿に封印し、シングウの本体を未開の惑星・地球の、現在の天網市の地下に隠した。
当代の継承者としてシングウの力を振るっていた那由多は、サナドン四体の急接近という緊急事態にシングウに変身、京一たちの力も借りずたった一人で宇宙に飛び出してしまう。サナドンは撃破したものの、その姿はシングウではない異形のムゲンと化してしまい…。
シングウは首と胴体がなく上半身と脚が大きいという、人型ながらどこかロボットらしさもある外見なのに対して、ムゲンは全身が人間の姿に近くマッシブな印象を受ける。ムゲンの顔はシングウと似ているが、自我を喪ったムゲン(そしてそれに取り込まれてしまった那由多)を象徴するかのように目の焦点が合っていない。
- ジルトーシュ
「あるはずのなかったシングウの力によって、歪んだ進化を遂げたとしても?」
「始まるんじゃないよ、始まっていたんだ。銀河連邦と宇宙連盟の戦いのさなか、一人の勇者が姿を変えたその時から」
ヴェルン星人の外交官ジルトーシュ、その正体は「八人の勇者」の一人であり、判定者と呼ばれる超人的な存在。判定者とは「 絶対の正義、絶対の真実、その名の下に人の命のみならず、惑星さえも消し去ることのできる唯一無二の存在」とされる。地球が、宇宙の星々と肩を並べるステージに移ることができるのかどうか。それを判定するのが判定者としてのジルトーシュの役割である。
シングウの力を最大限に引き出した那由多がムゲンへと変化した後、ジルトーシュもまたウルトラマンみたいな色をした巨人の姿に変化。地球人がシングウを、ムゲンを御することができるのかどうか判定を行うため、自らムゲンとの戦いに臨む。
もし地球人がムゲンを制御することができなかった場合、地球や太陽系すべてを犠牲にしてでもムゲンの力を消滅させる覚悟があった様子。百恵が察していた通り、人の姿でありながら地球から遠く離れた宇宙空間を見渡すことができ、さらにはその様子を自前の音声付きで多くの人々に同時に見せることができる。
- 統原 瀬津名
「…兄は死んではいない」
その正体は天網の民の第一世代であり、天網市に住む人間たちの祖先にあたる。エネルギー化してしまった勇者、ムゲンの妹である。兄の犯した罪を償うため、兄がシングウとして封印された地球に帰化し、長い年月に渡り地球人と自らの子孫、代々受け継がれるシングウを見守ってきた。
判定者として行動を始めたジルトーシュを止めるべく天網海岸に現れたが、返り討ちにされてしまう。普段の髪型は超能力で作っていたのか、ジルトーシュに負けた後に赤い長髪姿になった。正体の判明が最後の最後だったので、瞬とかに年齢をいじられずに済んだ。
- 妙見 彼方
「果たして地球は、彼が眠る地として本当に相応しい星なのか。彼をこのままにしておいて、よいのかどうか。そのための調査です」
どこの星の出身かは不明だがやはり異星人であり、最終局面では百恵と取引をして宇宙連盟の名代として真守家にやってくる。妙見もまたムゲンやジルトーシュと同様に「八人の勇者」に数えられた実力を持つ人物であり、長い年月を生きてジルトーシュや阿僧祇らとも戦ったことがあるという。現在のシングウ=ムゲンの扱いについて思うところがあるようで、地球に来たのはそれを見極めるという目的もあった。
ジルトーシュ同様、はるか遠方の宇宙の様子をいながらにして見、それを映像として投影することができる。
- 統原 阿僧祇
「ずいぶん嫌われたの」
物語の終盤、百恵に会うために真守家へ顔を出していたが、最終局面でふらりと御統中学校に現れる。瀬津名と違いジルトーシュを直接止めようとすることはなく、ムリョウや御統中学校の生徒たちを見守るにとどめていた。始の決意とそれを後押しするムリョウたちの行動を最後まで見届け、活路を開いた京一のアイディアを褒めている。
「八人の勇者」の一人であり、シングウと地球に対しても本来はジルトーシュ同様の立場にあったが、百恵との出会いを経て、彼女と同じ時を生きるために地球で過ごすようになったらしい。
- 統原 無量
「まだ分かりませんよ。僕は、二人を信じています」
ムリョウは銀河連邦と宇宙連盟それぞれの船が天網市上空に現れた時から、始や那由多たちとともに御統中学校にいた。それから校庭でクラスの文化祭の出し物の準備を手伝っていたが、敵の接近を察知。地球に与えられた最後の試練を予感し、宇宙に飛ぶ那由多を見送った。その後、始が「守山さんを助けに行きます」と言い出したことで笑顔を見せ、始の心なら宇宙に連れていけると請け負い、京一が束ねた天網の民の力とともに、始の心をジルトーシュのもとへ導いた。ジルトーシュとの対話はほとんど始に委ねている。
ちなみにムリョウの正体は宇宙人ではないらしく、ムリョウ自身は(幼いムリョウが瀬津名と阿僧祇のもとに現れた絵とともに)「気づいたら、そこにいた。そういうことにしといてよ」としている。
- 村田 始
「すべてが繋がったような気がする。ムリョウ君が僕のクラスにやって来た、あの日から起こった数々の出来事。いろんな人たちとの出会い。守山さん、君を…」
那由多がシングウに変身し単身宇宙へ飛んだ後、校庭からその様子を見守る。サナドンを撃破したシングウが異形のムゲンへと姿を変え、同じく巨人と化したジルトーシュがそれと戦うという事態に、始は那由多を助けに行くことを決意。ムリョウや京一、次郎たちの力も借りて宇宙へ心を飛ばした始は、ついにジルトーシュと対面する。
ジルトーシュからシングウの真実、地球に課せられた役割、待ち受ける運命について聞かされてもなお、那由多を助け出すことを諦めなかった。
また、ムリョウが最初に聞かれると思っていたであろうムリョウ自身の正体について、もろもろの対応が終わって落ち着いた頃にいきなり尋ねている。
- 守山 那由多
「また、握手だね」
戦いの果てにムゲンへ取り込まれてしまったが、始の尽力により救出された。
物語のおわりは、学校へと向かうムリョウと始、そして那由多の三人の様子で締めくくられる。
【主題歌】
- オープニングテーマソング「TAKE」 作詞:有森聡美 作曲・編曲:大野雄二 歌:KAKO
天網市の青空と青い海の絵に合う、ゆったりと優しく伸びやかな歌。Blu-ray BOXに同梱のサウンドトラックにフルバージョンが収録されている。
- エンディングテーマ「BEGIN」 作曲・編曲:大野雄二
明るく軽妙なエンドクレジットの曲。こちらもオープニングテーマ同様アレンジが多数存在し、作中の要所で使われている。
【余談】
- 佐藤監督いわく、企画当初は「番長戦記ムリョウ」という仮タイトルで、「もう少しバトルメインの伝奇モノ的な色合いが強かった」とのこと。個人的なロケハンとして神奈川県の大磯を訪れた際に見た景色から、現在の「学園戦記ムリョウ」のかたちが出来上がっていった様子。このあたりの話はBlu-ray BOX収録のアーカイブデータが詳しい。
- 守口京一役の杉田氏は、キャリア初期のレギュラー出演作ゆえに思い入れがあるようで、自身のYouTubeチャンネルに上げた動画内でもこの作品の名前をたまに出している。成田次郎役の阪口氏と誕生日にお寿司を食べに行く動画が分かりやすい。
- 終盤の真守家における会談のシーンで、肥後氏が演じているキャラクターが三人くらいいる。しかも全員しゃべる。
- オープニングアニメは、綺麗な青空と海原、御統中学校の風景、ものすごく危ない所に立っているムリョウ、その横に現れる始、やけに多い四角いカバン、スタッフクレジットの終りしなに「敦」さんが三人もいる、などの見所がある。
今夜さ。今夜、雨が止んだら。追記して修正するといいよ。きれいな記事が読めるから。
ただし、うちの人には知られないようにこっそりとね。
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▷ コメント欄
- 今見るとシン・ウルトラマンの雰囲気に似てると思う -- 名無しさん (2023-02-16 05:54:40)
- 作成乙です。旧ページにもあったけどサルベージ不可項目になってたんですよね…ありがたい。独特のユルいけどどこか壮大でどこか牧歌的でどこか飄々とした雰囲気が印象に残る作品でした -- 名無しさん (2023-02-16 09:57:22)
- 別名NHK版エヴァ -- 名無しさん (2023-02-16 10:04:44)
- 衛星アニメ劇場だと前番組は「機巧奇傳ヒヲウ戦記」だった -- 名無しさん (2023-02-16 16:27:18)
- ↑どっちもセル画方式で00年代の作品だけどセル画で良質な画作りしてる点ではセル画末期という時代を感じさせる -- 名無しさん (2023-02-17 08:55:41)
- 小説版と漫画版があり、漫画版は結末がアニメと違うんだっけ?知っている人いたら詳細よろー。 -- 名無しさん (2023-02-17 09:45:56)
- マンガ版は「飛べ!イサミ」の未来ってことになってた -- 名無しさん (2023-02-17 21:14:13)
- ようやっと記事ができて嬉しい -- 名無しさん (2023-02-18 20:15:06)
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