登録日:2023/01/14 (土) 20:16:02
更新日:2024/07/05 Fri 10:22:21NEW!
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自分らしく生きると決めた。
『ぼくらの7日間戦争』とは、2019年12月13日に公開された日本のアニメ映画。
配給はギャガとKADOKAWAの共同で行われた。
概要
本作は1988年に公開された実写映画『ぼくらの七日間戦争』の30年越しの続編兼現代風リメイクとして製作されたアニメ映画である。
オリジナル版とは異なり「7日間」とアラビア数字表記であることに注意。
オリジナル版は宗田理の小説『「ぼくら」シリーズ』の第1作の実写化であるが、小説との繋がりはなく、あくまで実写映画版の続編である。
ただし、オリジナル版のキャラクターが終盤登場するだけで直接の繋がりはほとんどないので、本作から見ても十分楽しめる。
30年前の少年少女を巡る環境からは大きく変化した現代を舞台に、再び少年少女らが身勝手な大人に対抗するべく「家出」と「戦争」を試みる。
オリジナル版では「校則」や「勉強」といった親や教師からの重圧への対抗をテーマにしていたが、本作では「家庭環境」といったミクロな問題、ひいては「移民問題」にも着目している。
更に、SNSを物語の主軸に置き、スクールカーストを基盤にした人間関係の変化にも焦点を置いた現代的な内容となった。
後半の、主要キャラの秘密が暴かれ人間関係が破綻しかかる展開はかなり生々しく、賛否が分かれる展開となっている。
スタッフ
監督:村野佑太
脚本:大河内一楼
キャラクター原案:けーしん
キャラクターデザイン:清水洋
音楽:市川淳
アニメーション制作:亜細亜堂
ストーリー
北海道の田舎町・里見町の高校に通う鈴原守は、クラスでも特に目立たず、仲のいい友達もいない「普通の」毎日を送っていた。
そんな彼は、同じクラスの幼馴染・千代野綾にささやかな恋心を抱いていたが、告白する勇気は出せずにいた。
しかし夏休みの1週間前、綾が東京に転校するという話を聞いてしまう。
議員である父の言いつけで東京に行くことに反感を抱いていると零す綾を見て、守は「一緒に逃げましょう」と口走ってしまう。
それに乗った綾は、クラスメイト4人を誘って家出することを決意。守は町の郊外にある古い石炭工場跡地を探し、彼らを案内する。
特に繋がりのない6人の奇妙な家出が始まったが、工場内に潜んでいたタイ人の子供・マレットを拘束しに入国管理局の人間が押し掛けたことから状況は一変。
たちまち綾の父親にも居所がバレ、マレットを捕まえに来た入国管理局や地元建設業社の大人達が強引に押し寄せてきて、7人はそれに対抗する。
身勝手な大人に怒りを燃やした守は、皆を鼓舞して徹底的に戦う決意を固めるのだが……。
登場人物
7人の子供達
- 鈴原 守
CV:北村匠海
主人公。
大人しくて自己主張をせず、クラスでも存在感がほとんどない高校2年生。
中世ヨーロッパの歴史が好きで、偉人の戦術を研究しているが、同級生には話し相手がおらず、SNSでの高齢者サークルしか友達がいない。
幼稚園からの隣人である綾のことがずっと好きで、誕生日にはプレゼントを毎回用意していたが渡す機会をいつも逃していた。
綾の転校を知って駆け落ちのつもりで誘ったところ他のクラスメイトも来てしまい、内心残念がる。
だが、マレットを捕まえようとする大人達や綾の父に次第に義憤が沸き、中世の戦術を駆使して押し寄せる大人達を追い返すための作戦を考案し、一同の中心的存在となっていく。
- 千代野 綾
CV:芳根京子
守の隣の家に住む幼馴染。ミスコンで優勝するほどの美人で有名。
父親は地方議員で、お金持ちのお嬢様だが、父の束縛が強く内心反感を抱いていた。
守の誘いでバースデーキャンプのつもりでクラスメイト4人を誘い、初めての家出に挑戦。
大人に対抗して次々と戦術を思いつく守に尊敬の念を覚えだす。
だが、「許されない人」を好きになっていると告白し、守の告白する意欲を削いでしまう。
秘密
彼女の好きな人とは香織のことだった。
中学時代、孤独だった自分に唯一優しく接してくれた彼女に、密かに恋心を抱いていたが、告白して関係が破綻してしまうことを恐れていたのだ。
守の愛の告白で勇気をもらった彼女は自分の想いを香織に告げ、見事恋を成就させたのだった。
- 山咲 香織
CV:潘めぐみ
陸上部のエースのスポーツ万能少女。明るく誰とも打ち解ける性格。
綾とは中学時代からの同級生で、彼女が一番心を許せる人物。
家が建設会社で、父親が綾の父と懇意にしている複雑な関係だが、それを気にせず友情を築いており、彼女のことを大切に思っている。
秘密
最初は事業で苦しむ父親のためにわざと綾に近付き、上辺だけの友達関係を築こうとした。
当初は綾の穢れなき純真さを疎ましく思っていたが、徐々に彼女の人柄に打ち解け、本当に友達になっていった。
SNSで暴露された際は苦しんだが、綾の告白を受け止め、全力で応えた。
- 緒形 壮馬
CV:鈴木達央
クラスで人気のイケメン男子。
常にチャラチャラして守のような目立たない人間を当初は気にも留めておらず、最初は彼を使い走り扱いしていた。
だが、大人との戦いで奮闘する守を見て、評価を改める。
秘密
実は元いじめられっ子。チャラ男風の見た目は高校デビューである。
SNSで中学時代の惨状を晒された際は、普段の飄々とした態度は鳴りを潜めてしまった。
- 本庄 博人
CV:大塚剛央
クラスの優等生で一匹狼。
幼馴染の紗希に無理矢理連れて来られ、パーティーに対して不満ばかり口にしていた。
マレットが見つかった時も、自分だけ逃げる気満々だったが、一緒にいるうちに連帯感が芽生え、協力するようになる。
秘密
SNSの裏アカウントで他人の悪口ばかり書いていた。
親や教師からのプレッシャーが疎ましく、周囲の人間を嫌っており、秘密が暴かれた際も露悪的に振る舞っていたが、守達のカミングアウトで自分の寂しさを告白して和解した。
- 阿久津 紗希
CV:道井悠
クラスのギャルグループの一人。
能天気で誰に対しても人懐っこい性格であり、恐らくメンバーの中では一番コミュ力がある。
博人とは幼馴染であり、群れない彼に唯一親しく接する。
秘密
……は特にない。博人が自分のことも陰で悪く言っていたことにショックを受けていたが、すぐに打ち解けた。
- マレット
CV:小市眞琴
タイ出身で不法滞在している子供。
石炭工場に身を潜めながら、はぐれてしまった両親を探していた。
両親を甘言で騙して利用し、あまつさえ強制的に捕えようとする日本の大人に「嘘つき」と不信感を抱いており、当初は守達高校生グループを信用していなかった。
だが、自分のために大人に対抗し、両親を見つけようとする彼らを信頼するようになる。
秘密
少年かと思っていたら実は少女。
実は守以外の全メンバーがとっくに気付いていた。
対抗する大人達
- 千代野 秀雄
CV:楠見尚己
綾の父。
地元の議員で、権力に縋りつき子供を力で従わせようとする典型的な「悪い大人」。
綾のことも「大人に従順でさえあればいい」と抑圧し、彼女の都合を聞きもせず、立て籠った彼らを無理矢理引きずり出そうとする。
- 本多 政彦
CV:櫻井孝宏
秀雄の若い秘書。
いつも横暴な秀雄に顎で使われ、内心不満を溜め込み、子供達の心情も理解している。
……のだが、酒に酔った勢いで子供達への嫉妬心からか、SNSに彼らの顔を晒すという最悪の行いをしでかす。原作での「二日目にある理由から自らゲリララジオで立てこもりを告白→工場に取材陣が駆け付け親や学校も取材される」とどっちがましかは分からないが
ある意味、「大人」と「子供」の顔をその場で使い分け、一番立ち回りが良く、一番卑怯な人物。
- 香織の父
CV:宮本充
建設会社の社長。
娘が議員の娘・綾と仲良くなったおかげでコネが出来たが、それによって秀雄には頭が上がらない。
自分の立場から香織に戻るよう説得するが、保身だけの父に反感を覚えた娘からは突っぱねられる。
- 前田
CV:井上倫宏
- 後藤
CV:関智一
入国管理局の職員。
不法滞在者であるマレットを拘束しようとするが、その為には暴力すら辞さない過激な人物。
守の作戦と高校生達の連携プレーでいいように翻弄される。
その他
- 中山 ひとみ
CV:宮沢りえ
守がSNSの世界史サークルで仲の良かったHN「玉すだれ*1」の正体。ご存じ、オリジナル版のヒロインで中の人も一緒。*2
おばあちゃんかと思われていたが実際は30代の妙齢の女性。
SNSで守とマレットの事情を聞き、タイ人のコミュニティに掛け合ってマレットの両親の手がかりを見つけた。
かつて「戦車をぶっ放した」と語っており、謎めいた過去を仄めかした。
彼女が「玉すだれ」と判明したのは作品終盤で、サプライズ要素なのだが、彼女の登場自体は予告編で既にバレバレなため、サプライズの意味がなくなっている。
なお、運転免許証には「菊地ひとみ」と書かれており、当時のメンバーの一人、菊地英治と結婚したことが仄めかされていた。
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▷ コメント欄
- これ秘書がネットに彼らの顔晒した後アフターケア特に描写されてないからデジタルタトゥーがヤバそうな終わり -- 名無しさん (2023-01-14 20:26:25)
- 映画館で観に行ったけどOPのイントロが前前前世みたいで吹き出しそうになったわ -- 名無しさん (2023-01-14 22:58:26)
- まともな人生送れると思うなよ言われて、エンディングスタッフロールでも「その後」が描かれていないのが不穏すぎる -- 名無しさん (2023-01-14 23:21:38)
- 結局英治とひとみがくっついたのが分かっただけでも観て良かったと思った。 -- 名無しさん (2023-01-15 01:41:16)
- 綾の秘密を知った時は本当に度肝を抜かれた。これだけがよさって訳じゃないけど、この驚きと巧さだけでこの映画の価値が自分の中でかなり大きくなったくらいだった。 -- 名無しさん (2023-01-15 07:37:38)
- 綾の父親は悪い大人なのはそうだけど、悪人かというとそうじゃない感じがする。作中でも、責任を果たすために動いていたところはあった。まあ、自分の価値観に合わない人間を全否定したり、自身の問題点を顧みずに他人に責任転嫁したりと悪い面ばかりが全面的に出てたけど。 -- 名無しさん (2023-01-15 07:46:43)
- 不法入国者を庇うなら暴力でなくツイッターで訴えたり頼れる大人に縋るとか出来たよね、中学生ならともかく高校生なら出来たと思うけど。助けを求めるでなく廃墟占領しましたってピースしながらツイッターに上げてしまうのはまさに中学生のノリ -- 名無しさん (2023-01-15 09:03:57)
- 映画館では大コケされたけど、TSUTAYAではリリース当時は借りる人がいっぱいいたよ。 -- 名無しさん (2023-01-15 09:40:10)
- 七日間戦争とは時代やものの考え方が違う、とは言うけどなんか違う感がありありと出てたなあ -- 名無しさん (2023-01-15 14:48:48)
- ↑2 それは映画館にわざわざ見に行くほどでもないってことでは? -- 名無しさん (2023-01-15 14:53:12)
- 不法移民、ネット炎上、LGBTと時事ネタにフォーカスしたのは良いんだけど作中で一部除くとイマイチ解決してる感じがしないのがね・・・あるあるネタ列挙してるだけで旧作の学生運動万々歳くらい突き抜けてるわけでもないのも -- 名無しさん (2023-01-15 15:21:21)
- ↑11 それは原作の時点でもマスコミ取材で学校割れした上親にも生取材行ってたのは確定してるんだけどね…。ただぼくらが図太いのとその後マスコミ関係者の一人を味方に出来たのと等でなぜか学校の問題児扱いくらいで済んだだけで。 -- 名無しさん (2023-01-15 15:38:37)
- ↑2 一応原作では矢場や相原父とかの元全共闘世代はテンションだだ上がりだけどリーダーの相原はあいつらと一緒にして欲しくねえなみたいに冷めてるって描写あったから… -- 名無しさん (2023-01-16 06:21:00)
- 英治の名字の菊地の地はつちへんの地なので修正お願いします。劇中でも表記はそのようになってます。 -- 名無しさん (2023-01-16 07:46:08)
- 原作及び実写版のファンである私からすれば、原作も実写も「ドタバタギャグ」「スカッと劇」の要素が醍醐味である作品なので、この二つの要素がなくなった上にやたら社会問題要素をごり押ししていた(にも関わらずそれらが解決したようにも見えなかった)アニメ版は「ネタがない上に大量の粉ワサビが塗られていた握り寿司を食べてるような酷さ」しか感じられなかった。ただ、声優の演技"だけ"はよかったが。 -- 名無しさん (2023-01-17 16:59:42)
- ↑せめて、子供たちを中学生にして、エピローグで活動家なり社会人なりで大人になって、こんなことやったなあと感想ひとつ漏らせば、それで済んだのに -- 名無しさん (2023-01-17 17:09:53)
- …おかしいな。「学校&親も割れるマスコミの大々的生取材」「向かう教師陣を罠でおちょくりまくる」「オチで盛大に世間に消失ドッキリして後であっさり帰宅」って原作の方が時代加味しても叩かれ要素全開なのにな…。 -- 名無しさん (2023-01-18 08:58:32)
- この映画に登場する大人達、何も悪いことしてなくね?なんなら中学生のノリに振り回される様で可哀想にも感じた・・・ -- 名無しさん (2023-07-09 11:56:40)
#comment
*2 ちなみにオリジナル版は宮沢女史の女優デビュー作品だったりする
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