登録日:2023/01/02 Mon 11:55:54
更新日:2024/06/28 Fri 13:36:31NEW!
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ボードゲーム パーティーゲーム 投資ゲーム 航海 アークライト ゲーム 遥かなる喜望峰 -航海の時代-
『遥かなる喜望峰 -航海の時代-』はアークライトから発売されているボードゲームの一つ。
元々はA.I.Lab遊から『航海の時代』として発売されていたインディーズゲームのリメイク版であり、拡張ルールなどがすべて入った完全版となっている。
ストーリー
世はまさに大航海時代。
東西の文明の交流点、地中海や中央アジアをイスラム諸国に抑えられたヨーロッパ諸国は、大海原に活路を求めた。
エンリケ航海王子が航海者たちを援助。
バーソロミュー・ディアスがアフリカ大陸の南端。喜望峰を発見。
ヴァスコ・ダ・ガマがインドに到達し交易を開始。
クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見。
フェルディナンド・マゼラン(の艦隊)が人類初の世界一周航海を完遂。
巨万の富と輝かしい名誉は、大航海の果てにあり!
いざ行かん、遥かなる喜望峰を目指して___!!
(ルールブックより)
概要
ものすごく単純に言えば、「シンプル化したモノポリー」。
マップをグルグル回りながら、投資を重ねて1位を目指す、という点はモノポリーに似ている。
ただし、進行に関してはダイスに依存せず完全にプレイヤーの裁量に任されており、またプレイヤー同士の土地や資源のやり取りは存在しないため、基本的には各プレイヤーが黙々と投資を積み重ねていく形になる。
ルールは比較的シンプルでありながら、適度に戦略性があり、また一度のプレイで使用する枚数よりも多くの港カードが用意されている関係上、プレイするたびに港の組み合わせを変えてプレイバリエーションを増やせるなど、拡張性は高い。拡張ルール全部入りなのも地味に嬉しいところ。
一度のプレイ時間もだいたい参加人数×10分程度が目安で、この手のボードゲームとしては長すぎも短過ぎもしない。
原則進行に運が絡む要素は一切なく、一度ゲームが始まってしまえば全てプレイヤーの裁量だけが勝敗を左右するある意味ストイックなところは、ライトなプレイヤーからは評価が分かれるところかもしれない。
「カタン」のようないわゆる拡大再生産系ゲームであるが、その中でもシンプルなルールと運の絡まない独特なゲーム進行が特徴的。
値段もお手頃であるため、ボードゲーム初心者にも比較的オススメしやすい。
ただ、プレイ終了を強制させる要素がルール上一切用意されておらず勝利点を稼げる港往復プレイを全員が始めてしまったりするとゲーム進行がグダるため、使う港の組み合わせを考慮するなど、何かしらの対策を始める前に決めておいた方がいいだろう。
ゲームの進行
プレイ人数は、3〜5人が基本。2人プレイ用の特殊ルールもある。
以下、3人以上の場合のルールをベースに解説する。
プレイする前に
まず、母港と港カードを決定する。母港は1枚、港カードは基本は7枚で5人プレイなら8枚が推奨されている。
組み合わせは、生産港を多めに、交易、影響の順で減らしておくのがベネ。
母港を中心に、港カードをグルっと円形に並べる。
その後、参加プレイヤーは自分が使う船の色を決める(黒以外)。各自選んだ色の衝立と投資チップ8枚、お金3リアル(5人プレイの5人目だけ4リアル)を受け取る。
各自の投資チップの枚数以外の情報は非公開情報になるため、衝立の裏にしまっておこう。
各自の船コマを母港に配置し、一番最近船に乗ったプレイヤーからゲームスタート。1番目のプレイヤーはスタートプレイヤーマーカーを貰っておく。
ゲームの進行
母港からは周囲の港のうち、任意の港に移動することが可能。ただし、既に他の船がいる港には移動できない。
港に移動したら、「収入」を獲得できる。生産港では直接資源やお金を得られるが、交易港の場合は資源をお金に換えたり、逆にお金で資源を買ったりできる。影響港では勝利点を得られることが多い。
収入を得たら、その港によって定められた資源かお金を投じることで「投資」ができる。投資を行うと、次回その港に到達する度に得られる収入が増える。
投資は一つの港に3回まで可能。ただし、収入が増えるのは2回目の投資まで。3回目の投資は収入には関わらないが、3回目の投資ができるのは早いもの勝ちなので、その港の投資順位1位が確定する(後述)。
基本的には、移動→収入→投資が1ターンにできるアクションとなる。
港から獲得できる資源は、果物(オレンジ)、香辛料(黒)、黄金(黄)の3種類。基本的には果物<香辛料<黄金の順に価値が上がるが、港の組み合わせによっては黄金がダダ余りして果物が足りなくなることもままある。
母港から移動した後は、時計回りか反時計回りのどちらに移動するか決め、その方向で順次港を回っていくことになる。原則的に一度決めた進行方向は母港に戻らない限り変えることはできない。
1ターンに移動できるのは、1〜2マスまでは無料。3マス以上動きたい場合は、距離に応じてお金がかかる。後半戦では金に物を言わせての長距離移動も戦略に組み込む必要が出てくるため、手持ちの資金でどこまで行けるかは把握しておきたいところ。
既に他の船がいる港に移動したい場合、先にいる船に1リアルを支払う必要がある。
母港にはどの港からも1ターンで帰還することができる。母港にも収入が設定されているが、投資は不可。
母港からは再びどの港にも移動でき、進行方向も再度決められる。また、他の船がいてもお金を払う必要はない。
「移動しない」というアクションは認められていないため、手持ちが素寒貧なのに先の港に他の船が埋まっていて料金が払えず身動きが取れない場合、母港に戻るしかなくなる。
ゲームの終了
誰かが手持ちの投資チップ(8枚)を使い切る…つまり8回投資すると、ゲームが終わる。
全員のプレイ回数が同じになるよう、最初に使い切ったプレイヤーから、最後の手番のプレイヤーまでがターンを終えたらゲーム終了となる(つまり最後の手番のプレイヤーが最初に投資し切るとそこで終わりである)。
勝敗は、プレイ中に集めた勝利点の合計と、各プレイヤーが投資した港から得られる勝利点の合計で決まる。各港には、投資順位1位、2位のプレイヤーがそれぞれ最後に獲得できる勝利点が決められており、その順位に従って点数を振り分けていく。
なお、同率1位は全員2位として点数を付与し、同率2位は無得点である。
プレイに使用する港の一覧
以下、港カード24枚の内容について紹介する。
簡略化のため、果物=果、香辛料=香、黄金=金とする。
また、「マルチ」はどんな資源でも対応可能なことを指す(投資コストがマルチなら任意の資源で投資できるし、収入がマルチならどの種類の資源でも選んで獲得できる)。
生産港
- バレンシア
基本収入:果、果
投資1:果
投資2:果
投資コスト:香、香
1位勝利点:2、2位勝利点:1
基本収入が全生産港中トップクラスに優秀かつ、投資コストが安価。
とりあえずこの港を抑えることができれば、まず果物に困ることはない…のだが、収入が果物しかないため、何かしらの形で活かせないとただ安易に投資しても果物が腐るほど手に入るだけでどうにもならない。勝利点が安いのでこれ単体では勝利に直結しづらいもの困りもの。
果物を交易できる交易港や、果物を投資コストにできる港など、コンボを考えてから投資していこう。
- ソファラ
基本収入:金
投資1:1リアル
投資2:金
投資コスト:果、果、香、香
1位勝利点:4、2位勝利点:2
基本収入に黄金が入っている貴重な港。さらに勝利点がかなり大きく、2回投資で黄金を2つも獲得できるようになる。
しかし、投資コストがメチャクチャに重く序盤から投資していくには厳しい。また、1投資の収入がゴミなので投資するつもりなら2回投資まで行かないとほとんど無駄になってしまう。
投資コストの重さから終盤まで放置されていることが時々あるので、終盤戦でさらっと投資して、勝利点だけ得る戦略もあるが…。
- カサブランカ
基本収入:2リアル
投資1:1リアル
投資2:5リアル
投資コスト:果、果
1位勝利点:2、2位勝利点:1
収入が金だけというわかりやすい港。
ぶっちゃけ1投資まではあまり強くはないが、投資コストが安く、2投資での収入が非常に優秀。
ここを得られれば、まず金に困ることはないだろう。ただ、投資コストが安い港共通で勝利点は低いので注意。
- マラッカ
基本収入:果/香(どちらか)
投資1:果/香(どちらか)
投資2:果/香(どちらか)
投資コスト:金、5リアル
1位勝利点:3、2位勝利点:2
果実か香辛料どちらか好きな方を得られる上、投資すればするほど得られる数も増えていくシンプルながら強い港の一つ。
投資対象に合わせて資源の内訳を調整できるというのが地味に優秀で、投資コストもそこまで重くはなく、それでいながら勝利点も優秀…と、色々とバランスが良い港であるため、初心者を交えてのプレイでは入れておくといいかもしれない。
- カリカット
基本収入:香、1リアル
投資1:1リアル
投資2:香
投資コスト:果、果、金
1位勝利点:2、2位勝利点:1
典型的な「初期状態は強いけど…」系の港の一つ。初期から香辛料と、わずかとはいえ現金を得られるのは序盤の立ち上がりに大きく貢献してくれる。
その一方で、投資コストに3つもの資源を要する割に成長が鈍く、特に1投資が極めて貧弱。2投資まで持っていっても香辛料が追加されるだけで、オマケに勝利点も安いと来ている。
果物が余っている一方で、香辛料を大量に要するなどの明確な計画がなければ投資自体控えたほうがいいかもしれない。
- バレンボン
基本収入:2リアル
投資1:(なし)
投資2:金、金
投資コスト:香、9リアル
1位勝利点:4、2位勝利点:2
カリカットとは逆に成長させきると強いタイプの港。
初期では2リアルしか得られない上、1投資で増える報酬がなにもない。
しかし、2投資で黄金が2つももらえるようになる。勝利点の大きさも考えると、何としても2投資まで持っていきたい。
投資に際して一番キツイのは言うまでもなく9リアルもの現金。
金を稼げる港とセットで成長させるなどしていこう。
- ナポリ
基本収入:3リアル
投資1:2リアル
投資2:3リアル
投資コスト:金、金
1位勝利点:3、2位勝利点:2
カサブランカによく似ているが、こちらは最初の金が大きく、終盤が少ない。最終金額は同じ。
序盤から普通に往復するだけでもそれなりの金が稼げるため、初心者向けの構成では推奨されている。
投資難易度は黄金をどれだけ得やすいかで左右されてくる。カサブランカと違い、勝利点は普通レベルにあるので、可能なら投資しておきたいところ。
- コンスタンティノープル
基本収入:果
投資1:香
投資2:金
投資コスト:7リアル
1位勝利点:2、2位勝利点:1
投資する度に得られる資源の種類が一つずつ増えていくわかりやすい港。
勝利点には期待できないので、序盤に現金をどれだけ稼げるかが投資に踏み切るか否かの判断の分かれ目だろう。
序盤から投資して資源を得ていかないと正直割に合わないので、金を稼ぐ目処が立たないなら最初からスルー推奨。
- マルセイユ
基本収入:果、1リアル
投資1:2リアル
投資2:果
投資コスト:果、3リアル
1位勝利点:1、2位勝利点:0
カリカット同様の序盤戦特化型の港の一つ。
とにかく投資コストが安い…というか、1投資してしまえば2投資目は得られた資源をそのまま投じればできてしまう驚きの安さ。得られる収入は微妙ではあるが、それでも序盤戦のブーストとしては非常に優秀な港。
ただ、その代償はデカく、勝利点が異様に低い。この港に3投資までするのは正直割に合わないので、とにかく資源を得るためだけ、と割り切った使い方が肝心。
- バンダ・アチェ
基本収入:香
投資1:金
投資2:(なし)
投資コスト:果、果、果
1位勝利点:3、2位勝利点:1
果実3つという比較的安価なコストで黄金を得られるようになるが、それが割に合うか否か。その判断が重要になってくる港。果物を得やすい環境かどうかでも価値判断は左右されてくる。
1位と2位の勝利点の差がでかい港の一つであり、他のプレイヤーの相乗りがあった際にもう一段階投資するべきかの判断も迷うところ。2投資の収入がないため、序盤の投資は避けたいところだが…。
- 長崎
基本収入:この港に置かれている資源1つ
投資1:2リアル
投資2:この港に置かれている資源1つ
投資コスト:果、香、金(この港カードの上に置く)
1位勝利点:4、2位勝利点:2
特殊ルール「長崎」で使用する生産港。他の生産港とは扱いが異なり、ゲームスタート時に長崎に各資源を2つずつ配置し、止まったプレイヤーは早いもの勝ちでこの資源を得られる。
投資の際に払った資源は、場ではなくこの長崎それ自体に置かれるため、投資するプレイヤーが多ければ多いほど資源も溜まっていく。
任意の資源を得やすい優良港だが、狙う資源が被ると特定の資源だけ枯渇しやすいのが困りもの。
投資コストはやや重めだが、上手く回れば自分で置いた資源を自分で回収できてしまうので、実質的にはそこまでキツくはない。勝利点が高いので、投資できるなら投資したほうがいいが、投資した資源をかっさらわれそうなら考慮しよう。
交易港
- ホルムズ
基本収入:マルチ、マルチ→マルチ(任意の資源2個を任意の資源1個に交換可能)
投資1:マルチ→金(任意の資源1個を黄金に交換可能)
投資2:マルチ→マルチ(任意の資源1個を任意の資源1個に交換可能)
投資コスト:マルチ、4リアル
1位勝利点:4、2位勝利点:2
基本収入の段階では正直割に合わないが、1投資からが本来の機能を発揮し始める港。
余った資源を必要な資源に容易に交換できるようになることのメリットは見た目以上に大きい。
また投資コストも安く、勝利点も大きいため、可能なら早い段階から投資して使える機能を増やしておきたい。
- ゴア
基本収入:4リアル→果、果、果
投資1:4リアル→香、香
投資2:基本収入、投資1の交換を1リアル安く行える
投資コスト:金、金
1位勝利点:3、2位勝利点:2
金で資源を買える港。比較的安価に、大量の資源を獲得できるため、基本収入の段階でもかなり有用な港。現金を獲得できる生産港とセットで抑えておけば、資源面でもかなりの余裕を持つことができる。
基本収入と投資1の取引はそれぞれ1回ずつ行えるので、2投資状態では6リアルで果物3個と香辛料2個もの大量の資源をゲットできるようになる。
ただ、投資難易度はやや高めか。
- バルセロナ
基本収入:果、果→6リアル
投資1:果、香→7リアル
投資2:香、香→9リアル
投資コスト:マルチ、マルチ、マルチ
1位勝利点:3、2位勝利点:2
ゴアとは逆に、余った資源を金に換えられる港。
基本的には果物、香辛料を得やすい港とセットで運用し、現金を得やすくするのが目的となる。交換レート自体は優秀なので、上手く使えば金欠とは無縁になる。
投資コストは数こそ多いが、内訳の制限はないため、実際にはゴアよりも投資自体はやりやすい。ただ、投資しても交換の内容が増えるだけなので、香辛料を得やすい環境にないなら2投資までいくかは考慮したほうが良い。
- ゴレ島
基本収入:1リアル
投資1:1リアル→マルチ
投資2:マルチ
投資コスト:マルチ、マルチ
1位勝利点:-1、2位勝利点:-1
基本収入は完全にゴミだが、投資しておけばわずか1リアルでどんな資源でも得られるようになる。さらに、2回投資でどんな資源でも追加で一つ獲得できる…と、収入だけ見れば夢のような島。しかも投資コストもなんでもいいから資源2つと極めて楽。
もちろんそんなうまい話があるわけもなく、なんと全港中唯一の勝利点マイナス。つまり、この島に投資すると勝利点を減らされてしまうのである。
投資しないことには止まる価値は皆無に近い。さらに単に投資しただけでは宝の持ち腐れなので、「任意の資源をなんとしてでも獲得したい」などの明確な目的意識がないならば、そもそも手を出さないほうがいいだろう。色々な意味で上級者向け。
なお、この港に3投資する価値は基本的にまったくない。
- アレキサンドリア
基本収入:船の進行方向を変えられる
投資1:1マス追加で船を動かせる
投資2:さらに1マス追加で船を動かせる
投資コスト:果、香
1位勝利点:3、2位勝利点:2
唯一、母港に戻らずに船の進行方向を変えることができる港。
使い方が難しいが、他の港とは異なり唯一「時間」を得られる港と考えれば利用価値は高い。
投資を行うと、さらに任意の数追加で移動ができるようになる。
移動する際は、アレキサンドリアへの投資はできないが、その代わり移動先の港から収入を得て、投資を行うことができるようになる。
投資コストもそこまで重くはないので、可能ならば投資しておきたい港の一つ。
しかし、なんでこの港が交易港扱いなんだろうか…?
- ジェノヴァ
基本収入:マルチ⇔?リアル(2回まで取引可能)
投資1:マルチ⇔?リアル(追加で1回取引可能)
投資2:購入価格を1リアル引き下げ、売却価格を1リアル引き上げる
投資コスト:金、4リアル
1位勝利点:4、2位勝利点:2
ゴア、バルセロナと違い、お金と資源の双方向取引が可能な港。ただし、レートは購入のみ、売却のみの港よりも悪くなっており、果物は2リアル、香辛料は3リアル、黄金は4リアルでの取引となっている。
金さえあれば任意の資源を購入でき、余った資源は金に換えられる有用な港だが、真価は2投資から発揮される。
2投資すると、購入価格は1リアル安く、売却価格は1リアル高くなるため、例えば黄金1個を5リアルで売り香辛料2個と1リアルに換える…なんて芸当も可能。
黄金を確保できれば投資コストもそこまで法外に重くはなく、勝利点も高いため使いこなせば地味にバランスブレイカーになりうる港の一つ。
影響港
- ロンドン
基本収入:果、香、金→1勝利点
投資1:基本収入の勝利点を1加点
投資2:基本収入の勝利点をさらに1加点
投資コスト:マルチ、マルチ、2リアル
1位勝利点:2、2位勝利点:1
3種類の資源を1点に変換できる最もベーシックな影響港。
投資することで、さらに点数を増やすことができる。
投資コストもまぁまぁなので、3種類の資源を安定して稼げるなら勝利点を稼ぎやすい。
ただ、この港単体ではゲーム進行に一切メリットをもたらさないため、あまりロンドンだけにこだわると出遅れやすい。その辺りのバランスが重要。
- アゾレス諸島
基本収入:1リアル
投資1:この港に乗せられた全ての投資チップ数×1リアル
投資2:この港に乗せられた全ての投資チップの半分(端数切り捨て)の勝利点
投資コスト:香、マルチ、マルチ
1位勝利点:2、2位勝利点:1
自分一人が投資しているだけでは微妙だが、相乗りが発生すると途端にぶっ壊れるバランスブレイカー港の一つ。全影響港で唯一、支払いなしに複数の勝利点を獲得できてしまうためである。
2投資が3人発生するだけでも、止まる度に7リアルと3勝利点を無条件に獲得できてしまうので、この港と母港を往復するだけで容易に勝利できてしまう。
誰か一人が投資し始めると、そこに相乗りしたくなる心理が発生しやすく、余計に投資が加速してしまうのも困りもの。投資コストもこの収入に対してそこまで高くはない。
プレイ人数が増えるほどやばくなる港なので、5人プレイでは使用を避ける・香辛料を得づらくするなどの対策を考えておきたい。
- ジッダ
基本収入:2リアル
投資1:香
投資2:1勝利点
投資コスト:マルチ、マルチ、マルチ、マルチ
1位勝利点:2、2位勝利点:1
序盤は弱いが、投資しきると強いタイプの港。アゾレス諸島以外では数少ない支払いなしに勝利点を得られる港だが、得られるのは1点ずつだけで、この港自体の収益は貧弱なので、ここだけに固執するのは考えもの。
投資コストは数こそ多いが内訳は問われないので、資源を大量に稼げる港さえ抑えられれば投資は難しくはない。
- コペンハーゲン
基本収入:6リアル→1勝利点
投資1:3リアル→1勝利点
投資2:2リアル→1勝利点
投資コスト:香、金
1位勝利点:2、2位勝利点:1
現金を勝利点に変換できる港。金はかかるが、マックス11リアルで3点も獲得できるのは地味に強い。
取引は任意の段階だけ行っても良いため、2投資すれば2リアルで1点確実に獲得できるようになる。
投資コストは2個だけだが、制約がやや厳しい。とはいえ、数が少ないので、投資難易度も低め。
この港を採用するなら、ナポリやカサブランカ、バルセロナのような金を稼ぎやすい港は同時採用しない方がいいかもしれない。
- ヴェネツィア
基本収入:果→4リアル
投資1:香→5リアル
投資2:マルチ→1勝利点
投資コスト:9リアル
1位勝利点:2、2位勝利点:1
基本、1投資の段階ではバルセロナに近い交易港のように扱える港。取引できる量は少ないが、交換レート自体はバルセロナよりも高い。
2投資で任意の資源1つを1勝利点に変換できるようになる。
投資コスト9リアルは重いが、よく見れば果物と香辛料を持ってくれば、1投資してあればその場で9リアル獲得できてしまうため、2投資に持っていく難易度は低い。
- ケープタウン
基本収入:なし
投資1:なし
投資2:なし
投資コスト:果、香、金、3リアル
1位勝利点:6、2位勝利点:4
なんとなんの収入も得られない港。止まってもほぼメリットはない。
その代わり、勝利点が全港中最高点に設定されており、ここの投資1位を取れれば、勝利は手堅い。ゲームタイトル通り、「遥かなる喜望峰」なのだからケープタウンは最終目的地と言ったところか。序盤に立ち寄ってもなんの意味もないので、最終目的地らしさは表現されている。
投資コストは資源3種類に現金と、やはりラスボスらしさに溢れている。
その他
- 海賊島
基本収入:海賊コマ移動(強制)
投資1:海賊コマ追加移動(任意)、1リアル
投資2:海賊コマ追加移動(任意)、マルチ
投資コスト:マルチ、マルチ
1位勝利点:3、2位勝利点:2
追加ルール「海賊」で使用する港カード。海賊は特殊な動きをする船コマで、海賊が停泊している港には他のプレイヤーは入れない(プレイヤーが止まっている港に海賊が来ても特に何も起こらない)。
海賊は、誰かがこの海賊島に止まる度に動いていくことになる。ゲームシステム上、絶対に海賊が海賊島に戻ってくることはない。……そうじゃなければ詰むので仕方ないが、追いつかれても略奪とかはないところといい、あまり海賊らしくない海賊である
なお、この港カードは他の港カードとは分けて追加するのが望ましい。4人プレイまでなら他の港カードを7枚、5人プレイなら8枚用意して、そこに海賊島を追加しておこう。
他のプレイヤーが投資しようとしている港を封鎖したり、資源計画を破綻させたりと色々と活用性はある。カタンで言う「盗賊」が感覚的には近いかもしれない。
また、この海賊島それ自体も投資が可能。投資すると、海賊の移動量を増やせるためより戦略的に海賊を動かせるようになる。
さらにわずかとはいえ、収入も得られるようになる。どう見ても海賊の上前跳ねてるだけだよね……1投資では微妙だが、2投資では資源をなんでも得られるので、オマケとしては十分強力。投資コストも「なんでもいいから資源2つ」とトップクラスに軽いのもありがたい。
追記・修正は喜望峰にたどり着いてからお願いします。
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▷ コメント欄
- 海賊は入れておかないと妨害が緩くて独走を阻止できず進行がグダるので、拡張ルールですが基本的には初回から入れておくのを推奨します -- 名無しさん (2023-03-30 14:09:53)
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